説明

床頭ユニット

【課題】複数の収納用の装置を設置する際に、利便性を維持しつつ、設置場所の省スペース化を図ることができ、かつ地震の発生時に互いの装置の収納部が接触して収納された物品が破損してしまうことを防止できる床頭ユニットを提供すること。
【解決手段】ベッド4の左右いずれか一方に設置されて物品を収納する床頭収納部6を備える床頭装置2と、少なくとも前面及びベッド4に相対する側の側面が開口されて物品を収納する収納箱21を有してキャスタ19により床面上を移動自在となっているワゴン装置3と、からなる床頭ユニット1であって、床頭装置2は、床頭収納部6の下部に設けられ、少なくとも前面からベッド4に相対する側の側面に渡って連続して開口し、その内部にワゴン装置3の少なくとも一部を設置可能とした空間部9を有する基台部10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドの左右いずれか一方に設置されて物品を収納する床頭収納部を備える床頭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等のベッドサイドに設置して、患者などが日常使う物品等を収納したり、テレビ等を設置したりするための床頭キャビネット(ワゴン装置)があり、このキャビネットは、少なくとも前方から物品の出し入れを可能にした箱状筐体を備えるとともに、ベッド側の側面が開口された収納箱を備えており、さらにキャスタを備えているため任意の場所に移動して使用することができ、便利である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、単一の支柱のみで棚板等を安定して確実に支持することができる病室用床頭装置があり、背の高い収納棚を構成できるため、収納量を増やすことができ、使い勝手がよい(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−113916号公報
【特許文献2】特開2007−37773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病室等において床頭装置を設置して使用する場合に、その収納量を増やすために前述の床頭キャビネット(ワゴン装置)や床頭装置などの双方を設置したいという使用者側の要望がある。しかしながら、病室等のベッドサイドの設置スペースは限られており、複数の収納用の装置を設置することが難しくなっており、かつ複数の装置を並設して設置した場合には、地震の発生時に互いの装置の収納部が接触して収納された物品が破損してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、複数の収納用の装置を設置する際に、利便性を維持しつつ、設置場所の省スペース化を図ることができ、かつ地震の発生時に互いの装置の収納部が接触して収納された物品が破損してしまうことを防止できる床頭ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の床頭ユニットは、
ベッドの左右いずれか一方に設置されて物品を収納する床頭収納部を備える床頭装置と、少なくとも前面及び前記ベッドに相対する側の側面が開口されて物品を収納する収納箱を有してキャスタにより床面上を移動自在となっているワゴン装置と、からなる床頭ユニットであって、
前記床頭装置は、前記床頭収納部の下部に設けられ、少なくとも前面から前記ベッドに相対する側の側面に渡って連続して開口し、その内部に前記ワゴン装置の少なくとも一部を設置可能とした空間部を有する基台部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、ワゴン装置と床頭装置の双方を設置する際に、ワゴン装置を床頭装置の基台部の前面側の開口から空間部内に自在に出し入れでき、かつ床頭装置の基台部の側面の開口からワゴン装置の収納箱の側面にアクセス可能な状態とすることができるようになり、その利便性を維持しつつ、ワゴン装置の収納箱と床頭装置の床頭収納部とが上下に配置されるため、設置場所の省スペース化を図ることができ、かつ地震の発生時にワゴン装置の収納箱と床頭装置の床頭収納部とが接触して互いの装置に収納された物品が破損してしまうことを防止できる。
【0008】
本発明の床頭ユニットは、
前記床頭装置の基台部は、前記ワゴン装置の少なくとも一部を係止して、該ワゴン装置の移動を阻止するワゴン移動阻止手段を有することを特徴としている。
この特徴によれば、地震の発生時の揺れによりワゴン装置が移動されてベッドや壁面等に接触して破損されることを防止できる。
【0009】
本発明の床頭ユニットは、
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記基部フレームが前記ワゴン装置のキャスタの乗り上げを阻止する高さ寸法を有して前記ワゴン移動阻止手段が構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、基台部が複数のフレームにより構成されるため、ワゴン装置の前後及び左右が開口されるようになり、ワゴン装置の利便性を維持しつつ、ワゴン装置を基台部の前面側の開口から空間部内に自在に出し入れでき、かつ基部フレームによりワゴン装置の左右方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置が左右方向に移動してベッドや壁面等に接触して破損することを防止できる。
【0010】
本発明の床頭ユニットは、
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記立設フレームが前記ワゴン装置の側面に接触する前後寸法を有して前記ワゴン移動阻止手段が構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、基台部が複数のフレームにより構成されるため、ワゴン装置の前後及び左右が開口されるようになり、ワゴン装置の利便性を維持しつつ、ワゴン装置を基台部の前面側の開口から空間部内に自在に出し入れでき、かつ立設フレームによりワゴン装置の左右方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置が左右方向に移動してベッドや壁面等に接触して破損することを防止できる。
【0011】
本発明の床頭ユニットは、
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記基部フレームには、前記ワゴン装置のキャスタが後方に乗り越えることで、該キャスタの前方向の移動を阻止するキャスタ移動阻止部材が取り付けられ、該キャスタ移動阻止部材が前記ワゴン移動阻止手段を構成することを特徴としている。
この特徴によれば、基台部が複数のフレームにより構成されるため、ワゴン装置の前後及び左右が開口されるようになり、ワゴン装置の利便性を維持しつつ、ワゴン装置を基台部の前面側の開口から空間部内に自在に出し入れでき、かつキャスタ移動阻止部材によりワゴン装置の前方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置が基台部から前方向に移動してしまうことを防止できる。
【0012】
本発明の床頭ユニットは、
前記床頭収納部の下部には、前記ワゴン装置の上面に近接する押え部材が配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、地震が発生した際に、押え部材によりワゴン装置の上面が押えられ、ワゴン装置が前方に向かって倒れることを防止することができる。
【0013】
本発明の床頭ユニットは、
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記立設フレームの上部に前記床頭収納部が設けられ、前記立設フレーム及び前記床頭収納部の各背面が壁面に接触されるように面一になっているとともに、該床頭収納部の前端部が前記基部フレームの前後方向の中心位置よりも後方寄りになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、地震が発生した際に、基台部及び床頭収納部の背面が壁面に接触されて背面側に倒れることを防止できるとともに、床頭収納部の前端部が基部フレームの前後方向の中心位置よりも後方寄りになっていることで、床頭収納部の重心位置が基部フレームの後方寄りになり、床頭収納部が正面側に倒れることを防止でき、かつワゴン装置は、基部フレームの間に配置された状態であっても、その上面の少なくとも一部は、床頭収納部よりも前方に突出されるようになり、この突出されたワゴン装置の上面を、電子機器やテレビ等の物品を配置する物品配置面として使用でき、利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における床頭ユニットを示す斜視図である。
【図2】床頭装置を示す斜視図である。
【図3】床頭装置を示す正面図である。
【図4】床頭装置を示す側面図である。
【図5】ワゴン装置を示す斜視図である。
【図6】可動収納箱を引き出した状態のワゴン装置を示す斜視図である。
【図7】ワゴン装置を示す分解斜視図である。
【図8】ワゴン装置を示す縦断正面図である。
【図9】実施例2における床頭装置を示す斜視図である。
【図10】床頭装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る床頭ユニットを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0016】
実施例1に係る床頭ユニットにつき、図1から図8を参照して説明する。以下、図1及び図2の紙面左下側を床頭ユニットの正面側(前方側)とし、図4の紙面左側を床頭ユニットの正面側(前方側)とし、図5から図7の紙面左下側をワゴン装置の正面側(前方側)として説明する。
【0017】
図1の符号1は、本発明の適用された床頭ユニットである。この床頭ユニット1は、病室の壁面に設置される床頭装置2と、床面を移動自在となっているワゴン装置3と、により構成されている。なお、床頭ユニット1は、病院等の室内に設置されるベッド4の左右いずれか一方の側方位置に設置して、患者などが日常使う物品等を収納したり、電子機器やテレビ等の物品5を設置したりするために用いられる。
【0018】
図2に示すように、床頭装置2は、上部に物品を収納する床頭収納部6を有し、この床頭収納部6の内部には、多数の棚板7が配置されている(図4参照)。そして、床頭収納部6の前面は、ラッチ付きの両開き式の観音扉8が設けられ、地震が発生したときでも不用意に観音扉8が開かないようになっている。
【0019】
床頭収納部6の下部には、前面からベッド4に相対する左右の両側面に渡って連続して開口し、その内部にワゴン装置3を設置可能とした空間部9を有する基台部10が設けられている。基台部10は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレーム11と、各基部フレーム11の後端から上方に立設される立設フレーム12と、基部フレーム11同士を連結する連結フレーム13と、立設フレーム12を補強する補強フレーム14と、立設フレーム12の上端に設けられて床頭収納部6を載置する載置台15と、で形成されている。
【0020】
図3に示すように、基台部10を構成する複数のフレーム11,12により囲まれた空間が、ワゴン装置3を設置するための空間部9となっている。基台部10が複数のフレーム11,12により構成されるため、ワゴン装置3の前後及び左右が開口されるようになり、特に、基台部10の背面側の開口によりワゴン装置3から延びる電源ケーブル等を壁面に設置されたコンセントに接続できるようになる。
【0021】
図4に示すように、基部フレーム11と立設フレームとが側面視で略L字形状をなすように連結されており、基台部10を床面から壁面に沿って設置できる。そして、立設フレーム12の上部の載置台15に、床頭収納部6の底面が連結されている。また、立設フレーム12及び床頭収納部6の各背面が壁面に接触されるように面一になっている。さらに、床頭収納部6の前端部は、基部フレームの前後方向の中心位置よりも後方寄りになっている。
【0022】
このようにすることで、地震が発生した際に、基台部10及び床頭収納部6の背面が壁面に接触されて背面側に倒れることを防止できるとともに、床頭収納部6の前端部が基部フレーム11の前後方向の中心位置よりも後方寄りになっていることで、床頭収納部6の重心位置が基部フレーム11の後方寄りになり、床頭収納部6が正面側に倒れることを防止でき、かつワゴン装置3は、基部フレーム11の間に配置された状態であっても、その上面の少なくとも一部は、床頭収納部6よりも前方に突出されるようになり、この突出されたワゴン装置3の上面を、電子機器やテレビ等の物品5を配置する物品配置面として使用でき、利便性が向上される。
【0023】
図5に示すように、ワゴン装置3は、前面から物品の出し入れを行う主収納箱16を構成する本体部17と、この本体部17の側方に取り付けられる可動部18と、により構成される。なお、可動部18は、本体部17の左右両側面のうち、ベッド4に相対する側の側面に取り付けられる。さらに、本体部17及び可動部18のそれぞれの底面には、床面上を走行するためのキャスタ19が取り付けられている。
【0024】
図6に示すように、ワゴン装置3の可動部18は、側面から雑誌等の物品20の出し入れを行う副収納箱21を構成している(図8参照)。可動部18は、本体部17に対して前後方向に相対移動できるようになっており、可動部18を本体部17から前方向に引き出して使用することができる。そのため、ワゴン装置3自体を移動させなくても、可動部18の副収納箱21の位置をベッド4に居る患者が取り扱い易い位置に適宜移動させることができる。
【0025】
図7及び図8に示すように、ワゴン装置3の本体部17は、前面が開口された主収納箱16を有しており、この主収納箱16の前面には、化粧扉22や化粧板23が取り付けられる。さらに、主収納箱16の上部には、引き出し24を有する天板25などが配置される。なお、主収納箱16内部を、上段と下段に仕切る仕切板26が設けられている。
【0026】
この仕切板26の上部の収納空間には、電子機器やテレビ等から延びる電源ケーブルが接続される課金機27等を配置できるようになっている。さらに、仕切板26の下部の収納空間には、患者が使う物品や冷蔵庫等を設置できる。なお、この主収納箱16に冷蔵庫等を設置する際には、化粧扉22を取り付けなくてもよい。また、主収納箱16の背面板28には、開口部29が形成されており、冷蔵庫や課金機27等から延びる電源ケーブルを外部に導出することができる。
【0027】
ワゴン装置3の可動部18は、副収納箱21から本体部17に向かって延設されたテーブル30が固定されている。このテーブル30及び副収納箱21により可動部18は正面視で略T字形状をなしている。さらに、ワゴン装置3の本体部17において可動部18が取り付けられる側面板31には、切欠部32が形成されている。可動部18のテーブル30は、本体部17の切欠部32から本体部17の内部に配置されるとともに、テーブル30の縁辺が取り付けられるレール部材33が本体部17内に設けられている。また、副収納箱21の下部が取り付けられるレール部材34が本体部17の側面板31に設けられている。
【0028】
図6に示すように、可動部18を本体部17から前方向に引き出したときに、可動部18のテーブル30の後端縁は、本体部17により支持されるようになっている。なお、可動部18の天板35には、テレビ等の物品5を固定するクランプ装置37が取り付けられる切欠部36が形成されており、クランプ装置37を可動部18の内面側に配置できるようになる(図8参照)。
【0029】
図3及び図4に示すように、床頭装置2において、基台部10の基部フレーム11は、床面に設置されるアジャスタ38を有している。そして、床面から基部フレーム11の上端までの高さ寸法は、ワゴン装置3のキャスタ19の上下寸法よりも高くなっている。即ち基部フレーム11は、ワゴン装置3のキャスタ19の乗り上げを阻止する高さ寸法を有している。なお、この基部フレーム11は、本発明におけるワゴン移動阻止手段を構成している。
【0030】
このようにすることで、ワゴン装置3におけるベッド4に相対する側の側面から副収納箱21にアクセス可能な状態にして利便性を維持しつつ、ワゴン装置3を基台部10の前面側の開口から空間部9内に自在に出し入れでき、かつ基部フレーム11によりワゴン装置3の左右方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置3が左右方向に移動してベッド4や壁面等に接触して破損することを防止できる。
【0031】
また、床頭装置2において、基台部10の立設フレーム12の前後寸法は、ワゴン装置3を基台部10の空間部9内に設置したときに、ワゴン装置3の側面に接触する寸法となっている。さらに、立設フレーム12と補強フレーム14とにより横断平面視で略L字形状をなす角部が形成されており、この角部にワゴン装置3の背面側の角部が収まるようになっている。なお、この立設フレーム12は、本発明におけるワゴン移動阻止手段を構成している。
【0032】
このようにすることで、ワゴン装置3におけるベッド4に相対する側の側面から副収納箱21にアクセス可能な状態にして利便性を維持しつつ、ワゴン装置3を基台部10の前面側の開口から空間部9内に自在に出し入れでき、かつ立設フレーム12によりワゴン装置3の左右方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置3が左右方向に移動してベッド4や壁面等に接触して破損することを防止できる。
【0033】
このように、本実施例における床頭ユニット1にあっては、ワゴン装置3と床頭装置2の双方を設置する際に、ワゴン装置3を床頭装置2の基台部10の前面側の開口から空間部9内に自在に出し入れでき、かつ床頭装置2の基台部10の側面の開口からワゴン装置3の副収納箱21の側面にアクセス可能な状態とすることができるようになり、その利便性を維持しつつ、ワゴン装置3の収納箱16,21と床頭装置2の床頭収納部6とが上下に配置されるため、設置場所の省スペース化を図ることができ、かつ地震の発生時にワゴン装置3の収納箱16,21と床頭装置2の床頭収納部6とが接触して互いの装置2,3に収納された物品が破損してしまうことを防止できる。
【実施例2】
【0034】
次に、実施例2に係る床頭ユニット1’につき、図9及び図10を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。以下、図9及び図10の紙面左下側を床頭ユニットの正面側(前方側)として説明する。
【0035】
図9及び図10に示すように、実施例2における床頭装置2では、基台部10の基部フレーム11の後部側同士に掛け渡されたフレーム状をなすキャスタ移動阻止部材39が設けられている。このキャスタ移動阻止部材39の高さ寸法は、ワゴン装置3のキャスタ19の上下寸法の半分の寸法よりも低くなっており、キャスタ移動阻止部材39をワゴン装置3のキャスタ19が乗り越えることができる。
【0036】
そして、キャスタ移動阻止部材39は、使用者がワゴン装置3を床頭装置2の基台部10内に押し込んだ際に、ワゴン装置3の後部側のキャスタ19が、キャスタ移動阻止部材39を後方に乗り越えて配置されることで、不用意にワゴン装置3が前方向に移動されることを阻止するようになっている。なお、このキャスタ移動阻止部材39は、本発明におけるワゴン移動阻止手段を構成している。
【0037】
また、キャスタ移動阻止部材39は、縦断側面視で略半形状をなしており、使用者がワゴン装置3を床頭装置2の基台部10内に押し込んだ際に、キャスタ19がキャスタ移動阻止部材39を乗り越え易いようになっている。
【0038】
このようにすることで、ワゴン装置3におけるベッド4に相対する側の側面から副収納箱21にアクセス可能な状態にして利便性を維持しつつ、ワゴン装置3を基台部10の前面側の開口から空間部9内に自在に出し入れでき、かつキャスタ移動阻止部材39によりワゴン装置3の前方向への移動を阻止できるようになり、地震の発生時の揺れによりワゴン装置3が基台部10から前方向に移動してしまうことを防止できる。
【0039】
図9及び図10に示すように、床頭装置2における床頭収納部6を載置する載置台15には、その前端部の下面から下方に延びる延設板40が設けられている。この延設板40は、載置台15の左右に2つ設けられ、その下部には、内方に向かって延びる円柱状をなし、ワゴン装置3の天板25に近接する押え部材41が配置される。
【0040】
このようにすることで、地震が発生した際に、ワゴン装置3が前方に向かって倒れようとすると、押え部材41によりワゴン装置3の天板25が押えられ、ワゴン装置3が前方に向かって倒れることを防止することができる。なお、押え部材41は、ゴム等の弾力性を有する材質で形成されている。そのため、ワゴン装置3の天板25に押え部材41が接触しても天板25を傷める虞がなくなる。
【0041】
また、ワゴン装置3の天板25と押え部材41との間は、若干離間されている。そのため、使用者がワゴン装置3を床頭装置2の基台部10内に押し込んだ際に、キャスタ19がキャスタ移動阻止部材39を後方に乗り越えるときに、ワゴン装置3の後部が持ち上がっても、スムーズにワゴン装置3を押し込むことができるようになっている。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0043】
例えば、前記実施例では、ワゴン装置3の副収納箱21は、本体部17の左右両側面のうち、ベッド4に相対する側の側面に取り付けられているが、ワゴン装置3の左右両側面に副収納箱21を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 床頭ユニット
2 床頭装置
3 ワゴン装置
4 ベッド
5 物品
6 床頭収納部
9 空間部
10 基台部
11 基部フレーム(ワゴン移動阻止手段)
12 立設フレーム(ワゴン移動阻止手段)
19 キャスタ
20 物品
39 キャスタ移動阻止部材(ワゴン移動阻止手段)
41 押え部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドの左右いずれか一方に設置されて物品を収納する床頭収納部を備える床頭装置と、少なくとも前面及び前記ベッドに相対する側の側面が開口されて物品を収納する収納箱を有してキャスタにより床面上を移動自在となっているワゴン装置と、からなる床頭ユニットであって、
前記床頭装置は、前記床頭収納部の下部に設けられ、少なくとも前面から前記ベッドに相対する側の側面に渡って連続して開口し、その内部に前記ワゴン装置の少なくとも一部を設置可能とした空間部を有する基台部を備えることを特徴とする床頭ユニット。
【請求項2】
前記床頭装置の基台部は、前記ワゴン装置の少なくとも一部を係止して、該ワゴン装置の移動を阻止するワゴン移動阻止手段を有することを特徴とする請求項1に記載の床頭ユニット。
【請求項3】
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記基部フレームが前記ワゴン装置のキャスタの乗り上げを阻止する高さ寸法を有して前記ワゴン移動阻止手段が構成されることを特徴とする請求項2に記載の床頭ユニット。
【請求項4】
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記立設フレームが前記ワゴン装置の側面に接触する前後寸法を有して前記ワゴン移動阻止手段が構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の床頭ユニット。
【請求項5】
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記基部フレームには、前記ワゴン装置のキャスタが後方に乗り越えることで、該キャスタの前方向の移動を阻止するキャスタ移動阻止部材が取り付けられ、該キャスタ移動阻止部材が前記ワゴン移動阻止手段を構成することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の床頭ユニット。
【請求項6】
前記床頭収納部の下部には、前記ワゴン装置の上面に近接する押え部材が配置されることを特徴とする請求項5に記載の床頭ユニット。
【請求項7】
前記基台部は、床面に設置されて前後方向に延びる左右一対の基部フレームと、該各基部フレームの後端から上方に立設される立設フレームと、を有し、前記立設フレームの上部に前記床頭収納部が設けられ、前記立設フレーム及び前記床頭収納部の各背面が壁面に接触されるように面一になっているとともに、該床頭収納部の前端部が前記基部フレームの前後方向の中心位置よりも後方寄りになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の床頭ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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