説明

底目地形成部材、壁面構造、及び、底目地形成部材の施工方法

【課題】壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができ、陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能であり、且つ、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材、壁面構造、及び、底目地形成部材の施工方法を提供する。
【解決手段】壁面に底目地を形成する底目地形成部材であって、長手方向に形成された溝部と、該溝部の側面両側に長手方向に沿って設けられた支持部とを有し、上記溝部は、底部が該溝部の側面両側に設けられた支持部のうち片側の支持部の内部に向かって形成されてなる底目地形成部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底目地形成部材、壁面構造、及び、底目地形成部材の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅やマンション等の建築現場において、壁面に石膏ボード等の下地材が施工され、さらに、下地材上に壁紙が施工されている。一般に、壁紙は一定の幅に裁断された状態で施工される。このため、壁紙は、幅方向に複数枚並べて、下地材上に施工される。施工の際、壁紙間の継目を隠蔽するために、壁紙同士を突き付けて隙間なく施工するのが一般的である。
【0003】
しかし、壁紙同士を突き付けて隙間なく施工した場合であっても、経時的に壁紙が収縮し、壁紙間に隙間を生じて下地材が露出してしまうことがある。
また、壁紙間の継目から、湿気等に起因する水分が浸透することにより、壁紙が下地材から剥離し、壁面の美観を損うこととなる。
さらに、壁紙間の継目から汚れが浸透すると、壁面の拭き取りを行っても汚れを除去することが困難であり、壁面の美観を損うこととなる。
【0004】
このような問題を解決するために、壁面に目地を形成して壁紙を施工する部材として、例えば、目地部材が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−9440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の目地部材は、予め下地材間に隙間を空けて下地材を施工する、いわゆる目地取り施工により下地材を施工し、下地材上に壁紙を施工した後に、下地材間の隙間に目地部材の溝部を嵌合させて施工される。
【0007】
しかし、目地取り施工を行う場合、目地部材の溝部を下地材間へ適切に嵌合可能とするために、下地材を施工する段階で予め下地材の施工位置を決定する、いわゆる割り付けが必要である。割り付けにおいて、下地材を施工する位置の調整は大変煩雑である。
また、一旦割り付けを行った後で、下地材の施工位置を変更することは、非常に困難である。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができるとともに、壁面に陰影を創出することにより壁面の意匠性を向上させることが可能であり、且つ、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材、壁面構造、及び、底目地形成部材の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る底目地形成部材は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、壁面に底目地を形成する底目地形成部材であって、長手方向に形成された溝部と、該溝部の側面両側に長手方向に沿って設けられた支持部とを有し、上記溝部は、その底部が該溝部の側面両側に設けられた支持部のうち片側の支持部の内部に向かって形成されてなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができ、壁面に陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能である。また、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材を得ることができる。
【0011】
また、本発明に係る底目地形成部材は、裏面が、平面状に形成されていることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、下地材間の継目上に容易に底目地形成部材を施工することができ、且つ、壁面上の、下地材の継目が存在しない平面上であっても施工することができ、壁面上の所望の位置に底目地を形成することができる。
【0013】
また、本発明に係る底目地形成部材は、上記溝部が、対向する2つの平面からなる側壁により形成されていることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、底目地形成部材の溝部の形成が容易となる。
【0015】
また、本発明に係る底目地形成部材は、上記溝部が、対向する2つの曲面からなる側壁により形成されていることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、溝部の底部が隠蔽され、壁面に濃い陰影が創出されてより深い奥行きを有するかのような風合いを表現することができる。
【0017】
また、本発明に係る底目地形成部材は、溝部を挟んだ両側の支持部が、溝部を境に切離し可能であることが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、上記底目地形成部材上に、厚さが厚い壁紙を施工することが可能となる。
【0019】
また、本発明は、下地材上に施工された上記底目地形成部材と、上記底目地形成部材上に施工された壁紙とを備え、上記壁紙の継目が、底目地形成部材の溝部内部に収容されてなる壁面構造でもある。
【0020】
かかる構成によれば、壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができ、陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能であり、且つ、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である壁面構造とすることができる。
【0021】
また、本発明は、上記底目地形成部材を壁面に施工する底目地形成部材の施工方法であって、上記底目地形成部材を下地材上に施工する工程と、上記底目地形成部材の支持部と、下地材との境界を、パテ剤で整形する工程と、上記底目地形成部材が施工された下地材上に、壁紙を施工する工程とを有する底目地形成部材の施工方法でもある。
【0022】
かかる構成によれば、壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができ、陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能であり、且つ、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材を壁面上に容易に施工することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、壁紙間の隙間を隠蔽し、壁紙の剥離や汚れを抑制することができ、陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能であり、且つ、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材、壁面構造、及び、底目地形成部材の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は、本発明の壁面構造の一実施形態を示す縦断面図である。(b)は、壁面の一つの施工方法を示す縦断面図である。
【図2】(a)は、本発明の壁面構造の他の実施形態を示す縦断面図である。(b)は、壁面の他の施工方法を示す縦断面図である。(c)は、従来の目地部材を施工した壁面構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の底目地形成部材を、床面に対して平行方向に施工した状態の断面図である。
【図4】本発明の底目地形成部材の斜視図である。
【図5】本発明の底目地形成部材の縦断面図である。
【図6】(a)、及び、(b)は、本発明の底目地形成部材の縦断面図における、溝部の拡大図である。
【図7】(a)は、下地材上に施工した本発明の底目地形成部材の上に、厚い壁紙を施工した場合の断面図であり、(b)及び(c)は、本発明の底目地形成部材を、溝部底部の最下端を境に切離して施工した場合の縦断面拡大図である。
【図8】本発明の底目地形成部材の一部分を示す縦断面拡大図である。
【図9】本発明の底目地形成部材の一実施形態を表す縦断面拡大図である。
【図10】(a)は、本発明の底目地形成部材の支持部の外端部と、下地材とにより形成される段差部分にパテ剤を充填した状態の縦断面拡大図であり、(b)は、パテ剤表面を平滑にならした状態の縦断面拡大図である。
【図11】本発明の底目地形成部材の他の実施形態を表す縦断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各部材又は各部の長さ、厚み、及び大きさは、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0026】
[壁面構造]
図1(a)に、本発明の壁面構造の一実施形態を示す。図1(a)は、本実施形態の壁面構造の縦断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の壁面構造は、底目地形成部材1、壁紙4、下地材5、及び、パテ剤8から構成される。
本実施形態の底目地形成部材1は、溝部2、及び、主に溝部2の両側に設けられた2つの側片31、32より構成される支持部3より構成されている。さらに、側片31、32は、両端部31a、32aと、傾斜部31b、32bと、互いに同一平面をなす底面31c、32cを有する。また、上記溝部2は、底部2cが上端部2aから側片31の内部31dに向かって傾斜するように形成されている。
本実施形態において、底目地形成部材1は下地材5の表面5a上に施工されている。また、支持部3の傾斜部31b及び32bと、下地材5の表面5aとの段差は、パテ剤8により整形され、段差が解消されている。さらに、下地材5、底目地形成部材1、パテ剤8の上に、壁紙4が施工され、壁紙4の継目は、底目地形成部材1の溝部2に収容されている。
図1(b)は、従来の壁面構造の縦断面図である。この壁面構造では、下地材5の平面上に複数枚の壁紙4を施工する際、壁紙4の端部を突き付けて施工することで、壁面上に壁紙4の継目Tが形成される。この場合、壁紙4は経時的に収縮し、継目Tの間隔が広がって壁紙間に隙間を生じ、壁面の意匠性を損ねてしまうことがある。
さらに、壁紙間の継目Tから汚れが浸透して継目Tの断面を汚染することがある。この場合、継目Tの断面に付着した汚れは、両側の壁紙4に阻まれて拭き取り困難となる。
本実施形態の壁面構造の場合、壁紙4は経時的に収縮しても、図1(a)に示すように、壁紙4の継目が溝部2内部に収容されることで隠蔽されているので、外見上の変化がなく、意匠性の低下を抑制して壁面の美観を保つことができる。
また、溝部2の開口を狭く形成することにより、遮光性を高めて、陰影Sを鮮明に形成することができる。この結果、本発明の陰影創出による意匠性向上効果をより顕著に発揮することができる。
さらに、溝部2の開口を狭く形成することにより、壁紙4間の継目から湿気等に起因する水分の浸透を防ぐことができ、これに起因する壁紙4の下地材5からの剥離を防止することができる。
さらに、壁紙4間の継目が溝部2に収容されているので、壁紙4の端部から汚れが浸透しても、陰影Sによって隠蔽され、美観を保つことができる。
【0027】
図2(a)は、本発明の壁面構造の他の実施形態を示す縦断面図である。図2(a)において、2枚の下地材51、52は突き付けて施工されており、下地材間の隙間に継目Uが形成されている。底目地形成部材1は、継目Uの上に施工されている。また、支持部3の傾斜部31b,32bと、下地材表面51b,52bとの段差は、パテ剤8により整形され解消されている。さらに、下地材5、底目地形成部材1、及び、パテ剤8の上に、壁紙4が施工され、壁紙4の継目は、底目地形成部材1の溝部2に収容され、陰影Sが形成されている。
図2(b)は、従来の壁面構造の一例の縦断面図である。一般的な施工方法の一つとして、複数枚の下地材5をモルタル等の壁材9上に並設し、各下地材51,52上、及び、下地材51,52の隙間Vに露出する壁材9上に壁紙4を施工する方法がある。この方法によれば、下地材51,52間の隙間Vに壁紙4の継目Tが形成される。
また、一般的な他の施工方法として、従来の目地部材7を用いた施工方法を図2(c)に示す。図示するように、従来の目地部材7は、長手方向に凹部72が形成され、更に、前記凹部72の両側の側面上端に長手方向に沿って支持部71、73が形成されている。このため、施工状態で凹部72が下地面側に突出して、下地材51、52間の隙間Vに嵌合するように構成されている。
上記図2(b)、図2(c)に示した壁紙4の一般的な施工方法によると、予め下地材51,52間に隙間を空けて施工する、いわゆる目地取り施工により施工することが必要となる。目地取り施工においては、施工前に下地材51,52の施工位置を決定する、いわゆる割り付けを行うことが必要となるので、下地材51,52の位置の調整が大変煩雑となる。
また、一旦割り付けを行った後で、下地材51,52の施工位置を変更することは、非常に困難であるので、目地位置の変更が困難となる。
これに対して、本発明の底目地形成部材1は、図2(a)に示すように、下地材51,52間の継目U上に施工し、下地材51,52、底目地形成部材1、及び、パテ剤8の上に、壁紙4を施工して、壁紙4の継目を、底目地形成部材1の溝部2の底部2cに収容した壁面構造とすることにより、下地材51,52、及び、目地部材1の施工位置を容易に変更することができる。これは、従来の目地部材のように下地材間の隙間に目地部材を嵌合させて施工する必要がないためであり、このことにより下地材51,52の施工の際に割り付けを不要とすることができ、下地材51,52、及び、目地部材1の施工位置の変更が容易となる。
【0028】
上記壁紙4は、可撓性があって下地材上に施工可能であれば特に限定されず、紙製、繊維製、プラスチック製のほか、これらを組み合わせてなるもの、さらにはこれらと金属箔等を組み合わせた多層構造のものを含む従来公知のものを用いることができる。
なお、壁紙4の施工とは、主に建築物の壁面に仕上げ材として壁紙4を接着剤により張り付けることを言い、予め接着剤・粘着剤等を壁紙に塗布しておいて、壁面に張り付けることを含む概念である。
【0029】
底目地形成部材1を施工する方向は、床面に対して垂直方向等、特定の方向に限定されない。例えば、図3に示すように、床面6に対して平行方向であってもよい。このとき、底目地形成部材は、図3に示すように、溝部2の底部2cが上方側に配置された支持部3の側片31に向かって形成されていることが好ましい。
溝部の底部2cが、上方に向かって形成されるように施工することで、壁面に多量に水等がかかり、溝部2内に水等が浸入した場合であっても、自然に排水することが可能となる。
【0030】
[底目地形成部材]
以下、底目地形成部材1について説明する。図4に示すように、本実施形態の底目地形成部材1は、溝部2、及び、支持部3から構成される。
本実施形態において、図4、及び、図5に示すように、溝部2は、その開口部2aが底目地形成部材1の短手方向の略中央に位置し、長手方向に沿って連続して形成されている。当該溝部2の側面両側には、底目地形成部材1の短手方向に向かって突出し、長手方向に沿って連続して支持部3が形成されている。支持部3は、主に溝部2の両側に設けられた2つの側片31、32より構成されており、側片31、32は、両端部31a、32aと、溝部2から両端部31a、32aに向かって厚みが薄くなる傾斜部31b、32bと、互いに同一平面をなす底面31c、32cを有する。また、上記溝部2は、底部2cが上端部2aから側片31の内部31dに向かって傾斜するように形成されている。
【0031】
[溝部]
溝部2は、本発明の底目地形成部材1の表面側に長手方向に沿って形成され、施工状態で壁面に目地を形成して陰影を創出し、壁面に奥行きが有るかのような風合いを表現することにより意匠性を向上させる部位である。溝部2には、壁紙の端部をコテやへらなどの施工用具にて差し込み接着することで、内部に固定することができる。コテやへらなどの施工用具は、金属や樹脂製の薄くて強度のあるものならば、何でも良い。
【0032】
本実施形態において、溝部2は、図5に示されるように、その開口部2aが底目地形成部材1の短手方向の略中央に形成されており、底部2cが、開口部2aから溝部2の側面両側に設けられた支持部3のうち片側の側片31の内部31dに向かって傾斜するように形成されている。
【0033】
このように、本発明の底目地形成部材1は、溝部2が側片31の内部31dに向かって傾斜するように形成されているので、側片31の厚みが薄くても溝部2の深さを深くすることができる。このため、溝部2の深さに対して、底目地形成部材1の厚みを薄く設定することが可能となる。このため、特許文献1記載の従来の目地部材のように、目地部材の厚みを確保するために、予め下地材間に隙間を空けて下地材を施工する、いわゆる目地取り施工を行う必要がない。目地取り施工が不要となると、下地材を施工する段階で予め下地材の施工位置を決定する、いわゆる割り付けを行う必要がないので、下地材の施工が容易になる。
また、本発明の底目地形成部材1は、その裏面31c、32cに突出しないので、所望の位置に施工することができ、壁紙間の継目上に施工することにより、当該隙間の隠蔽や、壁紙の剥離や汚れの抑制が可能となる。
さらに、本発明の底目地形成部材1は、所望の位置に施工することができるので、下地材の施工位置も容易に変更することができる上、目地の追加や位置変更が容易であるので、壁面の所望の位置、所望の数にて陰影を創出することにより意匠性を向上させることが可能である。
【0034】
図6(a)、(b)は、溝部2の構成を示す拡大断面図である。溝部2は、対向する2つの平面からなる側壁2d1、2dにより形成されている。このため、溝部2は、射出成形や、成形後の切削等の方法により、容易に形成することができる。
【0035】
図6(a)を用いて、溝部2の深さL21について説明する。図に示すように、深さL21は、底目地形成部材1の縦断面図において、側壁2d、2dの上端部2a、2aの中間点2bと、溝部2の底部端部2c、2cの中間点2eを結ぶ直線の長さである。深さL21は、1.0〜6.0mmであることが好ましく、3.0〜5.0mmであることがより好ましい。
溝部2の深さL21が余りに深いと、成形が困難となり、また、底目地形成部材1の強度を損ねるおそれがある。また、強度を保つために底目地形成部材1の厚みを厚くすると、壁面上に施工した場合に目立って意匠性を損ねるおそれがある。一方、溝部2の深さL21が余りに浅いと、陰影を十分に創出することができず、意匠性向上効果を十分に発揮できないおそれがある。
【0036】
次に、図6(b)を用いて、溝部2の幅L22について説明する。図に示すように、幅L22は、底目地形成部材1の縦断面図において、側壁2d、2dの上端部2a、2aを結ぶ直線の長さである。幅L22は、1.0〜10.0mmであることが好ましく、2.0〜5.0mmであることがより好ましい。
溝部2の幅L22が余りに大きいと、溝部の底部2cが露出して陰影が創出され難く、本発明における陰影創出による意匠性向上効果を十分に発揮できないおそれがある。一方、溝部2の幅L22が余りに小さいと、目地が目立たず、本発明における目地形成による意匠性向上効果を十分に発揮できないおそれがある。
【0037】
また、本発明の底目地形成部材1は、溝部2を挟んだ両側の側片31と32とを、溝部2で切り離し可能とすることができる。特に、図6(b)において示されるように、溝部2の底部2cの最下端2cの位置は、側片31の裏面31cとの厚みが最も薄い箇所であるので、この位置の強度を調整することにより、底部2cの最下端2c1を境に側片31と32とを切離し可能とすることができる。この強度は、最下端2cと裏面31cとの距離L23を所定の範囲に設定することにより調整できる。距離L23の好適な範囲は、底目地形成部材1の材質によって左右されるが、材質が樹脂の場合は、0.1〜1.0mmであることが好ましく、0.2〜0.5mmであることがより好ましい。
距離L23が大きすぎると、溝部2を挟んだ両側の支持部3を、溝部2の底部2cの最下端2cを境に切離することが困難となり、逆に小さすぎると、側片31と32が搬送時や作業時に切離してしまい、作業性が低下するおそれがある。
【0038】
本発明の底目地形成部材1が溝部2の位置で側片31と32に切り離し可能であると、本発明の底目地形成部材1上に厚い壁紙を施工することが容易となる。以下、図を用いて説明する。
【0039】
図7(a)は、下地面5上に本発明の底目地形成部材1を施工し、その上に、厚さが厚い壁紙4を施工しようとする状態を表す図である。
壁紙4の片方の端部41は、壁紙4の継目を隠蔽すべく、底目地形成部材1の溝部2の底部2cまで挿入されて施工されている。図示するように、壁紙4の厚さが所定以上厚い場合、片方の端部41が挿入された状態では、他方の端部42は挿入できず、施工できなくなってしまう。
【0040】
これに対し、図7(b)及び(c)は、いずれも本発明の底目地形成部材1の支持部3を切離した状態で下地材5上に施工し、その上に厚さが厚い壁紙4を施工した状態を表す図である。このように、支持部3を溝2の位置で切離された状態で施工することにより、溝部2の幅を広くして、厚さが厚い壁紙4の片方の端部41のみならず、他方の端部42もまた溝部2に挿入することができ、厚さが厚い壁紙4の施工を可能とすることができる。
図7(b)は、側片31と32の距離を2枚の壁紙4の厚さを僅かに上回る程度に離して施工した場合を示している。この場合は、壁紙4の表面が溝部2内部で僅かに離間して施工されるので、溝2の内部に幅の狭い空間が形成されることとなる。幅の狭い空間は、外光を遮蔽する作用があるので、陰影Sが顕著に形成されることとなる。この結果、本発明の底目地形成部材1は、壁面に陰影Sをより強く創出することでき、本発明の陰影創出による意匠性向上効果をより顕著に発揮することができる。
また、図7(c)は、側片31と32の距離を2枚の壁紙4の厚さと同等程度として、2枚の壁紙4の表面が溝部2内部で接するように施工した場合を示している。この場合は、2枚の壁紙4が共に側片31と32によって挟み込まれた状態で施工されるので、施工後に側片31と32が端部41と42を強固に固定することとなる。このため、壁紙間の継目から水分が浸透することを防ぐことができ、水分の浸透により生じる壁紙4の剥離などの不具合を防止する効果をより顕著に発揮することができる。また、側片31と32により端部41と42が挟み込まれている為、水分の浸透以外の原因によって発生する端部剥離も生じにくくなっている。従って、本発明の底目地形成部材1は、壁面に陰影Sを創出するという本発明の陰影創出による意匠性向上効果を発揮しつつ、壁紙4の剥離を防止する効果をより顕著に発揮することができる。
【0041】
[支持部]
支持部3は、溝部2の両側に位置する2つの側片31、32より構成されており、溝部2の両側で対峙することにより空間を挟持し、溝部2を形成する部材である。
【0042】
図8は支持部3の側片32を説明するための断面図である。側片31も溝部2の配置を除いて同様の構成なので、同一部分の説明は省略する。側片32は、端部32aと、溝部2から端部32aに向かって厚みが薄くなる傾斜部32bと、底面32cを有する。
端部32aの高さH31は、2.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましい。
高さH31が余りに高いと、壁面に施工した際に壁面と端部32aの段差が大きくなり、パテ剤を用いた整形が困難になるおそれがある。パテ剤を用いた整形が不十分になると、施工した壁紙に段差が生じて壁面の美観を損ねるおそれがある。
なお、端部31a、32aは、平面に限らず、図9に示すように断面視尖状としてもよい。
端部31a、32aを断面視尖状とすることにより、支持部3と、壁面との段差を可及的に低くすることができ、支持部3と、下地材との境界をパテ剤で整形する作業が容易となる。
【0043】
図8において、高さH32は、溝部2を形成する両側の側片32の上端部2aと、裏面32cとの距離である。高さH32は、1.0〜5.0mmであることが好ましく、2.0〜3.0mmであることがより好ましい。
高さH32が余りに高いと、壁面に施工した際に壁面上で目立ち過ぎ、意匠性を損ねるおそれがある。一方、高さH32が余りに低いと、溝部2の深さが不充分となり本発明の陰影創出効果及び段差形成効果が不充分となるおそれがあり、また、溝部2を形成し難くなるおそれがある。
【0044】
図8に示される支持部3の片側の側片32において、溝部2を形成する支持部3の上端部2aと、支持部3の外端部32aとの距離を幅L31とする。幅L31は、10〜50mmであることが好ましく、20〜30mmであることがより好ましい。
幅L31が余りに大きいと、壁面に施工した際に目立ち過ぎ、壁面の意匠性を損ねるおそれがある。一方、支持部3の片側の幅L31が余りに小さいと、下地材に強固に接着できないおそれがある。
【0045】
本実施形態において、図5に示されるように、支持部3の裏面3cは、平面であることが好ましい。支持部3の裏面3cが平面であると、下地材5の継目上に容易に底目地形成部材1を施工することができ、且つ、壁面上の、下地材5の継目が存在しない平面上であっても施工することができるので、所望の位置に底目地を形成することができる。尚、支持部3の裏面3cに、接着性を向上させるために、メカニカルエンボス、サンドブラストなどによる加工や不織布、織布の貼付などを施しても良い。
【0046】
上記底目地形成部材1を形成する材料としては、特に限定されないが、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS等の合成樹脂が挙げられる。なかでも、成形が容易で耐久性に優れる点で、塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0047】
本発明は、また、上記底目地形成部材を壁面に施工する底目地形成部材の施工方法であって、上記底目地形成部材を下地材上に施工する工程と、上記底目地形成部材の支持部と、下地材との境界を、パテ剤で整形する工程と、上記底目地形成部材が施工された下地材上に、壁紙を施工する工程とを有する底目地形成部材の施工方法でもある。
上記底目地形成部材の施工方法によれば、壁紙間の継目を隠蔽し、壁紙が下地材から剥れ難く、壁紙の継目から汚れが浸透し難く、下地材の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材を壁面上に容易に施工することができる。
また、底目地形成部材の支持部と、下地材との境界を、パテ剤で整形することにより、支持部と下地材とにより形成される段差を隠蔽することができる。これにより、壁面上で底目地形成部材を目立たなくすることが可能となる。
【0048】
下地材5上に上記底目地形成部材1を施工する方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤、両面テープ、粘着剤による方法が挙げられる。
なかでも、底目地形成部材1の裏面全面に容易に塗布可能であり、強固に接着できる点で接着剤による方法が好ましい。接着剤としては、変成シリコーン樹脂系、エチレン−酢酸ビニル系、アクリル樹脂系等の接着剤を用いることができる。
【0049】
上記底目地形成部材1の支持部と、下地材5との境界をパテ剤8で整形する方法としては、例えば、図10(a)に示すように、支持部3の外端部32aと、下地材5とにより形成される段差部分にパテ剤8を充填し、図10(b)に示されるように、支持部3の表面32bと下地材5の表面5aとが連続するように、コテやへら等の施工用治具によってパテ剤8の表面を平滑にならして養生硬化させる方法が挙げられる。
【0050】
上記パテ剤8を充填する方法としては、特に限定されず、例えば、へらによる塗布などの従来公知の方法を用いることができる。
上記パテ剤8の表面を平滑にならして養生硬化させる方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、コテやへら、サンダー等を用いて周囲の高さと合うように調整しながらパテ剤8の表面を平滑にならし、自然乾燥させて養生硬化する方法が挙げられる。
【0051】
上記パテ剤8は、支持部3の外端部3aと、下地材5の表面5aとにより形成される段差部分を充填できれば特に限定されないが、例えば、石膏系パテ剤、炭酸カルシウム系パテ剤、エポキシ系パテ剤、ポリエステル系パテ剤、アクリル系パテ剤等が挙げられる。
【0052】
上記パテ剤8は、充填される箇所の幅や深さ等に応じて適宜選択して使用すればよく、いずれか一種のみを使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
また、パテ剤8の充填前には、予めバックアップ材の充填やプライマー塗付等の処理を行ってもよいし、充填後には、表面研磨、補強材積層等の処理を行ってもよい。
【0053】
上記壁紙4を施工する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、壁紙4の裏面に接着剤を塗布し、これを上記底目地形成部材1が施工された下地材5上に貼り付ける方法が挙げられる。
上記壁紙4は特に限定されず、従来公知の壁紙を用いることができる。また、上記接着剤も特に限定されず、壁紙の施工に用いられる従来公知の接着剤を用いることができる。上記接着剤としては、例えば、でんぷん系、セルロース系、エチレン−酢酸ビニル系等の接着剤が挙げられる。
【0054】
以上説明した底目地形成部材1によれば、図4及び図5に示すように、長手方向に形成された溝部2と、該溝部2の側面両側に長手方向に沿って設けられた支持部3とを有し、上記溝部2は、その底部2cが該溝部2の側面両側に設けられた支持部3のうち片側の支持部3の内部31に向かって形成されてなるので、下地材間の隙間に底目地形成部材1の溝部2を嵌合させて施工する必要がない。このため、壁面において、下地材間の隙間が存在しない箇所にも施工可能である。
また、図2(a)に示すように、下地材間の隙間に底目地形成部材1の溝部2を嵌合させて施工する必要がない。このため、下地材の施工の際に割り付けが不要となり、下地材の施工位置の変更が容易となる。
また、長手方向に形成された溝部2により陰影Sを創出することができるので、壁面に奥行きがあるかのような風合いを表現することができ、これにより意匠性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、図2(a)に示すように、裏面3cを平面状に形成することで、従来の目地部材の溝部を嵌合させるために十分な幅を有しない下地材間の隙間上に、容易に底目地形成部材1を施工することができ、且つ、図1(a)に示すように、壁面上の、下地材間の隙間が存在しない箇所であっても施工することができる。従って、壁面の所望の位置に底目地を形成可能であり、壁面の意匠性を向上させることができる。
【0056】
また、図5に示すように、溝部2が対向する2つの平面からなる側壁により形成された構成とすることで、射出成形や、成形後の切削等の方法による溝部2の形成が容易となる。
【0057】
また、図7(b)に示すように、溝部2を挟んだ両側の支持部3の側片31と32とが、溝部2を境に切離し可能な構成とすることで、底目地形成部材1上に、厚さが厚い壁紙を施工することが可能となる。
【0058】
また、以上説明した壁面構造によれば、図1(a)、及び、図2(a)に示すように、下地材5上に施工された上記底目地形成部材1と、上記底目地形成部材1上に施工された壁紙4とを備え、上記壁紙4の継目が、底目地形成部材1の溝部内部に収容されてなるので、壁紙4が経時的に収縮することによる隙間の発生を抑制することができる。
また、以上説明した壁面構造によれば、壁紙間の継目から湿気等に起因する水分が浸透することによる壁紙4の下地材からの剥離を抑制することが可能となり、継目から浸透する拭き取り困難な汚れを抑制し、壁面の美観を保つことが可能となる。
また、以上説明した壁面構造によれば、陰影Sを創出することにより意匠性を向上させることが可能となる。
また、図1(a)のように、上記底目地形成部材1を下地材間の隙間が存在しない箇所にも施工することができるので、壁面上の所望の位置に目地が追加可能となる。
さらに、図2(a)のように、並設された下地材51,52の間に上記底目地形成部材1を施工した場合には、従来の目地部材のように下地材間の隙間に目地部材を嵌合させて施工する必要がないため、下地材5の施工の際に割り付けを不要とすることができ、また、下地材51,52の施工位置の変更が容易となる。
【0059】
また、以上説明した底目地形成部材1の施工方法によれば、上記底目地形成部材1を下地材上に施工する工程と、上記底目地形成部材1の支持部3と、下地材5との境界を、パテ剤で整形する工程と、上記底目地形成部材が施工された下地材上に、壁紙4を施工する工程とを有するので、壁紙間の隙間の発生を抑制し、壁紙4が下地材5から剥れ難く、壁紙4の継目から汚れが浸透し難く、下地材5の施工の際に割り付けが不要であり、目地の追加や位置変更が容易である底目地形成部材1を壁面上に容易に施工することができる。
【0060】
なお、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0061】
例えば、上記の実施形態では、図5において、溝部2が、対向する2つの平面からなる側壁により形成されている例を示したが、これに限らず、図11に示すように、溝部2が対向する2つの曲面からなる側壁により形成された構成とすることができる。
【0062】
溝部2を対向する2つの曲面からなる側壁により形成された構成とすることで、底部2cが隠蔽され、壁面に一層濃い陰影が創出されて、より深い奥行きを有するかのような風合いを表現することが可能となる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の実施例を示す。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
塩化ビニル樹脂を二軸遠心押出機により溶融混練し、押出成形することにより、長手方向の長さ2700mmの底目地施工用部材1を形成した。
底目地施工用部材1の溝部2は、主に対向する2つの平面からなる側壁2d、2dと底部2cよりなり、支持部3の側片31の内部に底部2cが位置するように形成した。
また、底目地形成部材1の裏面3cは、平面状に形成した。
このように形成された底目地形成部材1の支持部3の片側の幅は、25mmであり、高さは3.0mmであった。また、溝部2の深さは4.0mmであり、幅は2.0mmであった。また、溝部2の最下端2cと、支持部3の裏面3cとの距離は、0.3mmであり、溝部2を挟んだ両側の支持部3が、溝部2の底部2cの最下端2cを境に切離し可能であった。
以上によって、実施例1に係る底目地形成部材1を製造した。
【0065】
次に、下地材5として、石膏ボード(吉野石膏株式会社製、商品名「タイガーボード」(登録商標))を1枚用意した。この上に、変成シリコーン樹脂系接着剤(東リ株式会社製、商品名「WMPX−1」)を用いて底目地形成部材1を施工した。下地材5と、支持部3の端部との境界の段差を、パテ剤(ヤヨイ化学工業株式会社製、商品名「ワイド」)で充填して、樹脂製のへらにより整形した。
【0066】
次に、壁紙4(東リ株式会社製、商品名「リアルデコ」(登録商標))を2枚用意し、でんぷん系接着剤(東リ株式会社製、商品名「ピュアボンド」)を用いて、下地材5と底目地形成部材1の上に施工した。2枚の壁紙4の端部は、底目地形成部材1の溝部2に収容された。
以上によって、実施例1に係る壁面構造を形成した。
【0067】
上記のようにして底目地形成部材1を製造し、下地面上に施工した底目地形成部材1上に壁紙4を施工した壁面構造としたところ、溝部2の底部2cが該溝部の側面両側に設けられた支持部のうち片側の側片31の内部に向かって形成されてなるので、壁紙間の隙間の発生、及び、壁紙4の下地材5からの剥離の発生を抑制することができた。また、壁紙4の継目から拭き取り困難な汚れが浸透するのを抑制し、壁面の美観を保つことができた。さらに、溝部2により壁面に陰影が創出され、深い奥行きを有するかのような風合いを表現することができた。
【0068】
(実施例2)
2枚の下地材51,52を用意し、これらを突き付けて施工した。下地材51,52間には、継目Uが形成された。このようにして形成された継目Uの上に、実施例1と同様の底目地形成部材1を施工した。この上に、実施例1と同様の接着剤を用いて壁紙4を施工した。
上述のように施工した以外は、実施例1と同様にして壁面構造を形成した。
【0069】
前述のようにして製造した底目地形成部材1を下地材間の継目の上に施工したところ、下地材間の継目を隠蔽することができた。また、下地材間の隙間に底目地形成部材1の目地部材の溝部2を嵌合させて施工しないため、下地材51,52の施工の際に割り付けが不要であり、また、下地材の施工位置の変更が容易であった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の底目地形成部材は、一般住宅、マンション、オフィスビルなどの室内の壁面に施工される。
【符号の説明】
【0071】
1…底目地形成部材
2…溝部
2a…溝部開口部
2a,2a…上端部
2b…上端部の中間点
2c…溝部の底部
2c,2c…溝部の底部端部
2d,2d…側壁
2e…溝部の底部の中間点
L21…溝部の深さ
L22…溝部の幅
L23…溝部の底部の最下端と裏面との距離
3…支持部
31,32…支持部3の側片部
31a、32a…支持部の外端部
31b、32b…支持部の傾斜部
3c,31c,32c…支持部の裏面
4…厚い壁紙
41…壁紙の片方の端部
42…壁紙の他方の端部
5,51,52…下地材
5a…下地材表面
6…床面
7…従来の目地部材
72…従来の目地部材の凹部
71、73…従来の目地部材の支持部
8…パテ剤
9…壁材
S…陰影
T…壁紙の継目
U…下地材の継目
V…下地材の隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に底目地を形成する底目地形成部材であって、
長手方向に形成された溝部と、該溝部の側面両側に長手方向に沿って設けられた支持部とを有し、
前記溝部は、底部が該溝部の側面両側に設けられた支持部のうち片側の支持部の内部に向かって形成されてなる
ことを特徴とする底目地形成部材。
【請求項2】
裏面が、平面状に形成された請求項1に記載の底目地形成部材。
【請求項3】
前記溝部は、対向する2つの平面からなる側壁により形成された請求項1又は2に記載の底目地形成部材。
【請求項4】
前記溝部は、対向する2つの曲面からなる側壁により形成された請求項1又は2に記載の底目地形成部材。
【請求項5】
溝部を挟んだ両側の支持部が、溝部を境に切離し可能である請求項1〜4の何れか一項に記載の底目地形成部材。
【請求項6】
下地材上に施工された請求項1〜5の何れか一項に記載の底目地形成部材と、前記底目地形成部材上に施工された壁紙とを備え、
前記壁紙の継目が、底目地形成部材の溝部内部に収容されてなることを特徴とする壁面構造。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか一項に記載の底目地形成部材を壁面に施工する底目地形成部材の施工方法であって、
前記底目地形成部材を下地材上に施工する工程と、
前記底目地形成部材の支持部と、下地材との境界を、パテ剤で整形する工程と、
前記底目地形成部材が施工された下地材上に、壁紙を施工する工程とを有する
ことを特徴とする底目地形成部材の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−177283(P2012−177283A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41794(P2011−41794)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)