説明

底面平面タイプATMの設置

【課題】防犯性の高い底面が平面のタイプの装置を、防犯性を維持しつつ、従来のアジャスタ付装置のように、簡単に省スペ−スで運搬・設置を行なう。
【解決手段】ATM1の底面12が平面であり、金庫5を有し、金庫5の下部の例えば4箇所に、ボルト7を通すネジ穴があり、着脱可能なボルト7がある。ATM1の運搬・設置時に、金庫扉8を開けて、ATM1内の例えば紙幣ユニット6を引き出して、ボルト7を上から挿入して、スパナ等で締め付けてATM1の底にボルト7を出してATM1を上に持ち上げる。4箇所のボルト7を順番に少しずつ締め付けて、ATM1の底にポ−タが入る高さまでATM1を持ち上げる。その後、ポ−タをATM1の底に差し込んでATM1を持ち上げて設置場所まで運ぶ。ポ−タを抜いてから、4箇所のボルト7を順番に少しずつ緩め、ボルト7を抜き取って設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば金融機関等に設置される現金自動取引装置等にて、ポ−タ・リフト等によって、装置毎盗難されることを防止するため、ATM底面にアジャスタやキャスタ等が無く、底面を平面にした装置を、運搬・設置する対策を施した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
底面が平面である現金自動取引装置(ATM)を、現地に設置する方法として、リフトで設置場所まで運び、設置位置にブロックや金属板を置き、その上にATMを降ろした後で、ジャッキやバ−ルにて底面を持ち上げながら、少しずつ薄い金属板に変更し、最後に床面にATMを降ろす方法がある。
【0003】
また、特開平6−173531号公報がある。この公報には、「設置場所にて盗難防止を考慮した金庫を組立てて設置する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−173531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ジャッキやバ−ルにて底面を持ち上げながらATMを設置するには、バ−ル等の操作のため、ATM設置場所の前後または左右の周囲に広い作業エリアが必要となる。しかし銀行等の設置場所は狭く、広い作業エリアを取れず、この方法では非常に困難または不可能である。
【0006】
また、中身が空の収納用金庫とは違い、ATMは精密なユニットを搭載しているため、設置場所にて簡単に組立てることもできない。
【0007】
本発明の目的は、防犯性の高い底面が平面のタイプの装置を、防犯性を維持しつつ、従来のアジャスタ付装置のように、簡単に省スペ−スで運搬・設置を行なうことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明による取引装置においては、装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下部の例えば4箇所に、ボルトを通すネジ穴があり、着脱可能なボルトがある。装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、装置内の例えば紙幣ユニットを引き出して、ボルトを上から挿入して、スパナ等で締め付けて装置の底にボルトを出して装置を上に持ち上げる。4箇所のボルトを順番に少しずつ締め付けて、装置の底にポ−タが入る高さまで装置を持ち上げる。その後、ポ−タを装置の底に差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運ぶ。ポ−タを抜いてから、4箇所のボルトを順番に少しずつ緩め、ボルトを抜き取って設置することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の発明による取引装置においては、装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下方の底面に、例えば2個の着脱可能な保護板金がある。保護板金は設置状態では、金庫の下方にネジ等にて固定してあり、装置の底面と同様の位置にて平面となり、装置の後方と同等の位置にて平面となる。装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、装置内の例えば紙幣ユニットを引き出して、保護板金を固定しているネジ等を外して、保護板金を取外しポ−タ挿入エリアを設ける。その後、ポ−タを装置のポータ挿入エリアに差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運ぶ。ポ−タを抜いてから、保護板金を装置の底に固定して元に戻し設置することを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第3の発明による取引装置においては、装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下部の例えば2箇所に、リフト挿入部を設ける。装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、開けたままの状態で、リフト挿入部にリフトを差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運ぶ。その後リフトを抜いて設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、装置設置後に、防犯性の高い底面が平面のタイプの装置の、防犯性を
持しつつ、従来のアジャスタ付装置のように、簡単に省スペ−スで運搬・設置を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1のボルトで持ち上げるATMの外観図である。
【図2】本発明が適用されるATMの基本構成を示すブロック構成図である。
【図3】実施例2の保護板金付のATMの外観図である。
【図4】実施例3のリフト挿入部付のATMの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明が適用される取引装置としての現金自動取引装置(ATM)の基本構成を図2に示す。ATM1は、カードリーダ2、明細票ユニット3、制御部4、紙幣ユニット6、金庫5を有する。ATM1は、ポ−タ・リフト等によって、装置毎盗難されることを防止するため、ATM1の底面12にアジャスタやキャスタ等が無く、底面12を平面とする。
そのATM1を運搬・設置する対策について説明する。
【0014】
本発明の第1の実施例を図1にて説明する。ATM1の底面12が平面であり、金庫5を有し、金庫5の下部の例えば4箇所に、ボルト7を通すネジ穴があり、着脱可能なボルト7がある。ATM1の運搬・設置時に、金庫扉8を開けて、ATM1内の例えば紙幣ユニット6を引き出して、ボルト7を上から挿入して、スパナ等で締め付けてATM1の底にボルト7を出してATM1を上に持ち上げる。4箇所のボルト7を順番に少しずつ締め付けて、ATM1の底にポ−タが入る高さまでATM1を持ち上げる。その後、ポ−タをATM1の底に差し込んでATM1を持ち上げて設置場所まで運ぶ。ポ−タを抜いてから、4箇所のボルト7を順番に少しずつ緩め、ボルト7を抜き取って設置する。設置後は、ATM1の底面12が平面となるため、防犯性が維持できる。
【0015】
設置後、ボルト7抜き取った後のネジ穴は、ボルト7を入れられないよう金具等で塞いでおいてもよい。
【実施例2】
【0016】
本発明の第2の実施例を図3にて説明する。ATM1の底面12が平面であり、ATM1に金庫5を有し、金庫5の下方の底面12に、例えば2個の着脱可能な保護板金9がある。保護板金9は設置状態では、金庫5の下方にネジ・ボルト等にて固定してあり、ATM1の底面12と同様の位置にて平面となり、ATM1の後方と同等の位置にて平面となる。ATM1の運搬・設置時に、金庫扉8を開けて、ATM1内の例えば紙幣ユニット6を引き出して、保護板金9を固定しているネジ・ボルト等を外して、保護板金9を取外しポ−タ挿入エリア10を設ける。その後、ポ−タをATM1のポータ挿入エリア10に差し込んでATM1を持ち上げて設置場所まで運ぶ。ポ−タを抜いてから、保護板金9をATM1の底に固定して元に戻し設置する。設置後は、ATM1の底面12が平面となるため、防犯性が維持できる。
【実施例3】
【0017】
本発明の第3の実施例を図4にて説明する。ATM1の底面12が平面であり、ATM1に金庫5を有し、金庫5の下部の例えば2箇所に、リフト挿入部11を設ける。ATM1の運搬・設置時に、金庫扉8を開けて、開けたままの状態で、リフト挿入部11にリフトを差し込んでATM1を持ち上げて設置場所まで運ぶ。その後リフトを抜いて設置する。
【0018】
設置後、リフト挿入部11にリフトを差し込まれないように、リフト挿入部11を取外してもよい。
【符号の説明】
【0019】
1…ATM、2…カードリーダ、3…明細票ユニット、4…制御部、5…金庫、6…紙幣ユニット、7…ボルト、8…金庫扉、9…保護板金、10…ポ−タ挿入エリア、11…リフト挿入部、12…底面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下部の例えば4箇所に、ボルトを通すネジ穴があり、着脱可能なボルトがあり、装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、装置内の例えば紙幣ユニットを引き出して、ボルトを上から挿入して、スパナ等で締め付けて装置の底にボルトを出して装置を上に持ち上げ、4箇所のボルトを順番に少しずつ締め付けて、装置の底にポ−タが入る高さまで装置を持ち上げ、その後、ポ−タを装置の底に差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運び、ポ−タを抜いてから、4箇所のボルトを順番に少しずつ緩め、ボルトを抜き取って設置することを特徴とする取引装置。
【請求項2】
装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下方の底面に、例えば2個の着脱可能な保護板金があり、保護板金は設置状態では、金庫の下方にネジ等にて固定してあり、装置の底面と同様の位置にて平面となり、装置の後方と同等の位置にて平面となり、装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、装置内の例えば紙幣ユニットを引き出して、保護板金を固定しているネジ等を外して、保護板金を取外しポ−タ挿入エリアを設け、その後、ポ−タを装置のポータ挿入エリアに差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運び、ポ−タを抜いてから、保護板金を装置の底に固定して元に戻し設置することを特徴とする取引装置。
【請求項3】
装置の底面が平面であり、装置に金庫を有し、金庫の下部の例えば2箇所に、リフト挿入部を設け、装置の運搬・設置時に、金庫の扉を開けて、開けたままの状態で、リフト挿入部にリフトを差し込んで装置を持ち上げて設置場所まで運び、その後リフトを抜いて設置することを特徴とする取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20319(P2013−20319A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151370(P2011−151370)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】