説明

店内ディスプレイシステム

店内ディスプレイシステムと製品を店内で展示する方法とが開示される。一実施形態では、店内ディスプレイシステムには、ディスプレイ構造体と少なくとも1つのサンプル表面材料とが含まれる。ディスプレイ構造体は、サンプル表面材料を保持するのに好適ないかなるタイプの構造体にもすることができる。サンプル表面材料は、建築表面被覆製品をこれに適用することを実例説明するのに使用されてもよい。一実施形態では、建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明するための方法が提供される。そのような方法の1つのバージョンでは、方法には、建築表面被覆製品のある区域を損なう工程と、損なわれた表面を補修する工程とが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内ディスプレイシステムと店内で製品を展示するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
室内用塗料などの幾つかの製品の場合では、店内ディスプレイは、一般に、棚の中に置かれた塗料「小片」サンプルからなる。塗料小片のディスプレイ棚は、オーバヘッド・ライトで照明されていてもよい。
【0003】
塗料小片を展示するもののようなディスプレイ棚に関連する多数の欠点がある。幾つかの欠点は、塗料小片サンプルが通常は非常に小さいこと、及び多くの場合、塗料缶から壁などの表面上に塗布する時の塗料の色に正確に対応しないことである。別の欠点は、ディスプレイ棚に関連する照明は、顧客が塗料を塗布しようと意図する部屋(又は他の環境)で用いられているものと異なる可能性があることである。このことが、意図される表面上に塗布された時の塗料の色に塗料小片サンプルの色が正確に対応しないことの理由の1つである可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の欠点に加えて、現在の店内ディスプレイは、特殊装飾製品のような新しい製品の使用法を顧客に展示、実例説明、及び/又は伝達するのに適するものではない。特殊装飾製品の例は、米国特許出願公開番号US2004/0200564A1(キンセイ(Kinsey)ら、2004年10月14日公開)にて開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、店内ディスプレイシステムと店内で製品を展示するための方法とに関する。本明細書には、下記実施形態を含めて、店内ディスプレイシステム及び方法の多数の非限定的な実施形態が説明されている。
【0006】
一実施形態では、建築表面被覆製品との組合せで使用のための店内ディスプレイシステムが、提供される。この実施形態では、店内ディスプレイシステムは、ディスプレイ構造体と少なくとも1つのサンプル表面材料とを含んでおり、後者は、ディスプレイ構造体上に展示されてもよい、交換可能なボード又はパネルの形体であってもよい。店内ディスプレイシステムは更に、サンプル表面材料に適用するための建築表面被覆製品の少なくとも1つのサンプルを含んでもよい。建築表面被覆製品は、長さ、幅、1対の対向表面を有するシートの形体であってもよい。建築表面被覆製品は更に、その一方の表面上に感圧性接着剤を含んでもよい。店内ディスプレイシステムは又、建築表面被覆製品をサンプル表面材料に適用するための1つ以上のアプリケータに関連付けられていてもよい。
【0007】
別の実施形態では、建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明するための方法が提供される。その方法には、見込み客が建築表面被覆製品のシートを表面に適用することを可能とする工程が含まれてもよい。
【0008】
別の実施形態では、建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明するための方法が提供されており、これには、潜在的購入者が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第1のシートのある区域を損なう工程と、潜在的購入者が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第1のシートの損なわれた区域を覆って表面に建築表面被覆製品の第2のシートを適用する工程とが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、店内ディスプレイシステムと店内で製品を展示するための方法とに関する。
【0010】
図1は、店内ディスプレイシステム20の1つの非限定的な実施形態を示し、これは少なくとも1つのサンプル表面材料24を含むディスプレイ構造体22を含んでいる。ディスプレイ構造体22は、サンプル表面材料24を保持するのに好適な、いかなるタイプの構造体をも含むことができる。ディスプレイ構造体は、店又は他の建物の内部建築表面と異なってもよい。好適なタイプの構造体には、ディスプレイボード、ディスプレイスタンド、ディスプレイブース、及び簡易売店(kiosk)が挙げられるが、これらに限定されない。店内ディスプレイシステム20が壁装飾製品のディスプレイを意図される時、ディスプレイ構造体22がサンプル表面材料24を概ね垂直位に保持して壁の表面を模擬するのが望ましいことがある。
【0011】
ディスプレイ構造体22は、裏材又は壁(又は「裏壁」)26などの表面を含むことができる。壁装飾製品がサンプル表面材料24に付着された時に、裏材26及びサンプル表面材料24が動かないように、裏材26は、少なくとも一時的に静止位置に固定されてもよい。別の実施形態では、裏材26が除かれてもよく、及びディスプレイ構造体22の残余部を、壁又は他の表面に直接取付けできるようにすることが可能である。
【0012】
ディスプレイ構造体22は、サンプル表面材料24をその中に又は裏材26に保持するのに好適ないずれかの物品を含むことができる。好適な物品には、クランプ、クリップ、フレーム、及び他のタイプの物品又は構造体が挙げられるが、これらに限定されない。この特定の実施形態では、ディスプレイ構造体22は、サンプル表面材料24を裏材26に保持するための、裏材26に結合されたフレーム28を更に含む。フレーム28は、その境界の内側に大きな開放窓タイプの区域を提供する。フレーム28は、いずれかの好適な材料で作製することができ、木材が挙げられるが、これに限定されない。
【0013】
用語「結合された」は、本明細書で使用するとき、要素を他の要素に直接固着することによって、ある要素が他の要素に直接固定される配置と、要素を中間部材(単数または複数)に固着し、これを他の要素に順に固着することによって、その要素が他の要素に間接的に固定される配置と、1つの要素が他の要素と一体である、すなわち、1つの要素が本質的に他の要素の一部である配置とを包含する。
【0014】
フレーム28は、あらゆる好適な方法で裏材26に結合することができる。図1に示される非限定的な実施形態では、フレーム28は、1つ以上のヒンジ30によって裏材に結合されており、フレーム28が開放位置と閉止位置の間をスイングして、サンプル表面材料24の挿入及び取出しができるようになっている。図1に示されるディスプレイ構造体22の実施形態は又、閉じた位置のフレーム28を保持するために、ピン、ラッチ、又はロック32などの閉じ機構を含む。
【0015】
図1に示されるサンプル表面材料24は、壁又は他の表面に、例えばディスプレイスタンドの表面などに取り付けられてもよい。図1に示されるように、サンプル表面材料24が上に取り付けられる壁、ディスプレイスタンド、又は他の表面は、それらに関連する追加要素を有してもよい。「関連する」という句は、本明細書で使用するとき、ディスプレイ構造体22に結合されてもよく、又はディスプレイ構造体22との組合せで使用されてもよい要素についていう。要素は、ディスプレイ構造体との組合せで、例えば、本明細書で説明される1つ以上の方法の一部として使用されてもよい。そのような追加要素には、サンプル表面材料、製品サンプル、フルサイズ製品、製品を表面に適用するためのアプリケータ、テキスト及び/又はグラフィック、製品を描写するための並びに/あるいは音声及び/又は視覚形態で本明細書にて説明される方法のいずれかを説明若しくは描写するためのテレビ及び/又はコンピュータ画面のような装置が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
ディスプレイシステム20は、サンプル表面材料24の1つ以上の小片を含んでもよい。新規デモンストレーションを行う時、新しい表面を見込み客に提示できるように、サンプル表面材料24の2つ以上の小片が、望ましいことがある。サンプル表面材料24は、いずれかの好適な材料であることができる。サンプル表面材料24は、製品の適用が意図される表面の材料タイプに類似の特性を有するのが望ましい場合がある。幾つかの異なるタイプのサンプル表面材料を提供して、異なる表面を模擬することができる。米国内で利用する場合、壁表面被覆が適用される表面のタイプは、セッコウボード又は「乾式壁体」材料であることが多い。乾式壁体材料は、米国では一般に、1.3cm(1/2インチ)の厚さのシートで供給される。しかしながら、乾式壁体材料はかなり重く、製品ディスプレイ及びデモンストレーションに関連して扱うのは困難な可能性がある。したがって、サンプル表面材料24が、標準的な1.3cm(1/2インチ)の厚さの米国乾式壁体材料の密度未満の密度を有するのが、望ましいことがある。標準的な1.3cm(1/2インチ)厚さの米国乾式壁体材料の密度は、約640g/L(640kg/m3(約40lbs/ft3))である。乾式壁体の小片も、甚だしく取り扱われると、割れ又は破断されやすい。サンプル表面材料24が割れ又は破断されにくいことが望ましいことがある。
【0017】
幾つかの実施形態では、サンプル表面材料24は、紙又は厚紙よりも構造的に「堅固」であって、同じように曲がる、反るなどをする表面に本明細書で説明の製品を付着させられるように、約0.5cm(約3/16インチ)以上などの最小厚さを有するのが望ましいことがある。幾つかの実施形態では、サンプル表面材料24は、取り扱いの容易化のために、ある最大厚さを有するのが望ましいことがある。1つの好適な最大厚さは、約3.8cm(約1.5インチ)以下であってもよい。サンプル表面材料24が、最小密度を有するのも望ましいことがある。1つの好適な最小密度は、約8g/L(8kg/m3(約0.5lb/ft3))以上であってもよい。
【0018】
これらの要求を満たす1つの好適な材料に、発泡体コアと木材系外層を有するボード材料がある。そのような材料の購入可能な例に、ガトーフォーム(GATORFOAM:登録商標)発泡体ボードとして知られる、又は「ガトーボード(Gatorboard)」と呼ばれる、製品がある。ガトーフォーム(GATORFOAM:登録商標)発泡体ボードは、米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のアルキャンコンポジット(Alcan Composites)から入手可能である。ガトーフォーム(GATORFOAM:登録商標)発泡体ボードは、ポリスチレンの発泡体コアを有して、そのそれぞれの平らな表面が木材繊維ベニヤで覆われた、ボード材料である。ガトーフォーム(GATORFOAM:登録商標)発泡体ボードは、多くの利点を提供する:軽量であって、約240g/L(240kg/m3(約15lb/ft3))の密度を有する;乾式壁体に類似の表面を有する;カール、反り、又は変形すること無く、標準タイプのラテックス内部壁塗料で塗装することができる;並びに乾式壁体材料のようには、この材料に関連する粉塵問題又は割れ及び破断問題を有さない。
【0019】
他のサンプル表面材料は、フレームにより実質的に平らに支持及び保持されて、曲げ及び反りが最小限である限り、使用されてもよい。この目的のために、ある種のより薄い材料が使用されてもよい。1つの代表的なサンプル表面材料には、平方メートル当たり270グラムの坪量及び約0.381mm(約15.0ミル)の厚さを有する、モホーク・ペーパー・ビア・フェルト(Mohawk Paper Via Felt:商標)ブランドのクリームホワイト色の紙がある。この材料は、モホークミル(Mohawk Mill)( HYPERLINK "http://www.mohawkpaper.com" www.mohawkpaper.com)から入手可能である。第2の代表的なサンプル表面材料には、平方メートル当たり216グラムの坪量及び約0.26mm(約10.4ミル)の厚さを有する、ニーナー・ペーパー・アイテム(Neenah Paper Item)#905731高級亜麻布等級のクランベリー色の紙がある。この材料は、ニーナー・ペーパー(Neenah Paper)( HYPERLINK "http://www.neenahpaper.com" www.neenahpaper.com)から入手可能である。第三の代表的なサンプル表面材料には、米国ジョージア州アウステル(Austell, Georgia, U.S.A.)のスイートウオーター・ペーパーボード(Sweetwater Paperboard)により提供され、カラウスター・ミル・グループ(Caraustar Mill Group)から入手可能な乾式壁体紙がある。この材料は、米国カリフォルニア州サンタアナ(Santa Ana, CA, U.S.A.)のベール社(Behr Corporation)から入手可能なベール・プレミアムプラス・ニュードライウォール・プライマー(Behr Premium Plus New Drywall Primer)及びシーラー・ホワイト(Sealer White)#73などの、購入可能な下塗り材の1回塗りで下塗りされている。下塗りは風乾するままにされ、次に、またベール社(Behr Corporation)から入手可能なベール・インテリア・サティンエナメル・ウルトラピュアホワイト(Behr Interior Satin Enamel Ultra Pure White)などの、購入可能な内部壁塗料の1回塗りで塗装されている。これらの材料には、標準的な米国乾式壁体と比べると、比較的薄くて軽量の表面が得られるという利点がある。加えて、これらは、屈曲及び割れることなく巻いて輸送して空間を節約する可能性があるほど充分に可撓性である。上で説明されたモホークミル(Mohawk Mill)からのサンプル表面材料は、塗装を用いる必要性無しに、塗装された乾式壁体のミクロな質感を模擬するという追加効果を有する。
【0020】
製品サンプル及びフルサイズ製品は、所望される実施形態に依存して、いかなる好適なタイプの製品にもすることができる。本明細書で説明される店内ディスプレイシステム20で展示可能な製品のタイプには、塗料、壁紙、及び特殊装飾製品が挙げられるが、これらに限定されない。特殊装飾製品の例が、米国特許出願公開番号US2003/0134114A1(パロッタ(Pallotta)ら、2003年7月17日公開)、US2004/0076788A1(ステインハーツ(Steinhardt)ら、2004年4月22日公開)、US2004/0200564A1(キンセイ(Kinsey)ら、2004年10月14日公開)、US2004/0253421A1(トルオグ(Truog)ら、2004年12月16日公開)、US2005/0003129A1(トルオグ(Truog)ら、2005年1月6日公開)、及びUS2005/0196607A1(シー(Shih)ら、2005年9月8日公開)、並びにPCT国際公開特許WO2004/074003A2、WO2004/074009A2、WO2005/087490A1、及びWO2005/087492A1にて開示されている。これらの特許出願は、乾燥色の構成要素のシートを含む建築表面被覆製品の形体の物品を開示する。乾燥色構成要素のシートは、乾燥塗料の不透明層を含む。その物品は、建築表面被覆製品を壁又は他のタイプの建築表面に適用するための接着剤を、乾燥色構成要素のシートの片面上に含む。
【0021】
前述の特許出願に記載されている建築表面被覆製品の場合、典型的な塗料小片よりもはるかに大きい寸法の製品サンプルが、顧客に提供可能である。これによって、より有用なサンプルが顧客に提供される。加えて、製品サンプルは、塗料小片とは異なって、適用された時の製品の外観を正確に表現する。フルサイズ製品は、いずれかの好適な幅のロール形体で提供されてもよく、壁用途のための30.5cm(約12インチ)、15cm(約6インチ)、及び2つの壁が交差する角部用途のための5cm(約2インチ)が挙げられるが、これらに限定されない。建築表面被覆製品の接着剤の反対側上には、剥離性ライナーが、次の目的のいずれかのために設けられてもよい:製品表面を保護する;ロール形体の製品を提供する、及び接着剤に粘着無しで巻き戻すことを可能にする;及び/又はいずれか他の好適な目的。本明細書で説明される建築表面被覆製品の場合、サンプル表面材料24が、建築表面被覆製品のシートの長さ又は幅の少なくとも1つよりも大きい寸法のパネルの形体であるのが望ましいことがある。
【0022】
前述の特許出願に記載される建築表面被覆製品の30.5cm(約12インチ)幅のロールを適用するのに好適なアプリケータが、米国特許第6,808,586B1号(ステインハーツ(Steinhardt))及び米国特許出願公開番号US2005/009420A1(キネ(Kinne)ら、2005年5月5日公開)に記載されている。建築表面被覆製品の5cm(約2インチ)幅のロールの付着に使用するのに好適なアプリケータが、米国特許出願シリアル番号10/980,215(ステインハーツ(Steinhardt)ら、2004年11月3日出願)に記載されている。
【0023】
図1は、ディスプレイ構造体22がその上にテキスト及び/又はグラフィック34を更に含むことを示す。
【0024】
図2は、店内ディスプレイシステム20の別の実施形態を示し、これは少なくとも1つのサンプル表面材料24を含むディスプレイ構造体22を含んでいる。図2に示されるディスプレイシステム20も、裏材26、フレーム28、ヒンジ30、ラッチ32、並びにテキスト及び/又はグラフィック34を含む。加えて、ディスプレイシステム22には、1つ以上の製品サンプル36が含まれてもよい。図2に示されるディスプレイ構造体22は、図1に示されるディスプレイシステム20に類似の構成要素を含んでいるが、ディスプレイブース又は簡易売店(kiosk)の形体になっている。
【0025】
図2に示されるディスプレイ構造体22は又、1つ以上のサイドパネル又は側壁38を含んでもよい。サイドパネル又は側壁38は、裏材26から直角(例えば90)で、又は裏材26に関して90度を超える角度で、外向きに延びてもよい。所望の場合、ディスプレイ構造体22には、装飾材又は回り縁40が設けられて、内部室の仕上げを模擬してもよい。
【0026】
図2に示されるディスプレイシステム20は更に、一体型照明システム42を含んでもよい。用語「一体型」は、本明細書で使用するとき、ディスプレイシステム20及び/又はディスプレイ構造体22の一部であって、これに結合されている照明システムを指す。そのような一体型照明システム42は、他の方法で店内に存在する照明システムと区別することを意図されている。一体型照明システム42は、いずれかの好適な照明設備であってもよい1つ以上の照明球又は光源44と、1つ以上の制御器46とを含む。一体型照明システム42が、図2に示されるタイプのディスプレイ構造体22での使用に限定されないことを理解すべきである。図1に示されるディスプレイ構造体22を含めていかなる他のタイプのディスプレイ構造体22も、一体型照明システム42を装備することができる。
【0027】
一体型照明システム42は、光源44用に好適ないかなるタイプの照明方法を含んでもよい。好適なタイプの照明方法には、ハロゲン光源、白熱光源、蛍光光源、昼光模擬光源、光ファイバ光源、発光ダイオード(LED)、ブラックライト、紫外線、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
照明システム42用の制御器46は、様々な態様の照明システムのいずれかを制御するのに好適な、いかなるタイプの制御器を含んでもよい。制御器46は、オン/オフスイッチに加えて、他のタイプのスイッチ、ダイアル、及び調光器を包含することができる。照明設備及び/又は制御器46を使用すると、照明角度、照明の色、照明のタイプ(例えば、前のパラグラフで説明された照明方法の1つ以上のタイプなど)、照明持続時間、及び強度、の1つ以上が制御可能である
図3は、店内ディスプレイ構造体22の別の実施形態を示す。図3に示される店内ディスプレイ構造体22は、折り曲げ可能なイーゼルの類のものである。このディスプレイ構造体22は、図1及び2に示されるディスプレイ構造体22よりも携帯に適することがある形体である。
【0029】
図3に示されるディスプレイ構造体22には、図1に示されるディスプレイシステム20に類似する幾つかの構成要素が含まれる。例えば、図3に示されるディスプレイ構造体22は、サンプル表面材料24、裏材26、及びフレーム28を含む。ヒンジの代わりに、ディスプレイシステムは、幾つかのばねクリップ50を含む。図3に示される実施形態では、フレーム28の周辺周りに間隔をおいて、複数のばねクリップ50がある。加えて、図3に示されるディスプレイ構造体22は、共に折り畳み可能な対の脚52及び54を含み、このためディスプレイ構造体22は容易に持ち運びができる。
【0030】
図4は、店内ディスプレイ構造体22の別の実施形態を示す。図4に示される店内ディスプレイ構造体22は、建築表面被覆製品を適用するための2つ以上の側面又は表面(サンプル表面材料)24を有するユニットである。図4に示される店内ディスプレイ構造体22の表面24は、乾式壁体材料が挙げられるがこれに限定されない、本明細書で説明の材料のいずれかで作製することができる。この特定の実施形態では、安定性のために及び別個の裏材が必要とされないように、乾式壁体材料が使用される。したがって、裏材はサンプル表面材料と一体であると考えることができ、及びサンプル表面材料はディスプレイ構造体22の一体部分とすることができる。図4に示される実施形態では、店内ディスプレイ構造体22は、基部56及び頂部58を有する柱の形体である。その柱は、いずれかの好適な形状の断面を有することができる。好適な断面には、多角形形状のものが含まれる。図示される実施形態では、柱は、建築表面被覆製品を適用するための4つの表面24が付いた矩形断面を有する(これらの表面の2つは視角から隠れている)。
【0031】
図4に示されるように、店内ディスプレイ構造体22には、店内ディスプレイ構造体22の各側面を形成する表面24の1つ以上の延長部60が設けられてもよい。これらの延長部60を使用すると、建築表面被覆製品を店内ディスプレイ構造体22に付着させている最中に、部屋の壁の90度内角部62を模擬する表面24の部分を提供することができる。それに加えて、店内ディスプレイ構造体22には、内部壁の他の態様を模擬する他の機構が設けられてもよい。そのような他の機構には、コンセント取り付けプレート、天井部回り縁、及び幅木装飾材(図示せず)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
店内ディスプレイシステム20は、新製品の売り出しとの組合せで使用される時に特に有用な可能性があるのは、消費者が、このような製品の効果について知らされる必要があるからであり、及びそのような製品をどのように使用するか又は適用するかなど、かかる製品についての疑問を有することが多いからである。店内ディスプレイシステム20を使用すると、塗料、壁紙などのような既知の製品を含む、本明細書で説明される製品のいずれかのタイプの適用を展示及び/又は実例説明することができる。店内ディスプレイシステム20は又、乾燥色構成要素のシート及び接着剤を含む少なくとも1つの建築表面被覆製品の適用について、塗料、模擬仕上げ塗装、及び壁紙製品の少なくとも1つとの比較デモンストレーションを提供するように構成できる。そのような比較デモンストレーションは、建築表面被覆製品と他の製品を同一又は異なるサンプル表面材料24の上に並べて置くことを必要とする場合もある。
【0033】
本発明は又、店内ディスプレイシステムを利用する、店内で製品を展示する方法に関する。その方法を用いて、建築表面被覆製品、塗料、模擬仕上げ塗装、及び壁紙製品の少なくとも1つの適用を展示及び/又は実例説明するか、又はこれらのいずれかを他のそれぞれと比較することができる。
【0034】
一実施形態では、方法は、建築表面被覆製品の潜在的購入者へのデモンストレーションを提供する。そのような方法の1つの非限定版では、方法は、乾燥塗料の不透明層を含む少なくとも1枚のシートの形体で、建築表面被覆製品を入手する工程を含む。
【0035】
建築表面被覆製品のシートは、長さ、幅、少なくとも1対の対向側縁部、側縁部のそれぞれの内側に配置されたサイドマージン、及び対の対向表面を有する。建築表面被覆製品は、その一方の表面上に感圧性接着剤を含む。全表面にわたる不透明被覆の適用が所望される場合、乾燥塗料の不透明層は、シートの長さにそって及び幅を横切って連続であってもよい。方法は又、建築表面被覆製品を適用するための表面(サンプル表面材料24など)を入手する工程を含む。方法は更に、潜在的購入者がその表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第1のシートを表面に適用する工程を含む。
【0036】
上記方法は、店内で、テレビコマーシャルで、及び/又は見込み客が居る前でじかに実施することができる。方法には、見込み客が建築表面被覆製品のシートを表面に適用することを可能にする工程が含まれてもよい。用語「見込み客」及び「潜在的購入者」には、本明細書で使用するとき、デモンストレーションをじかに又はテレビで見ているいずれかの買い物客又は消費者が含まれ、彼らが製品を購入する実際の意思を有するかどうかには無関係である。前述の場合のいずれにおいても、本明細書で説明されたアプリケータの1つ以上を用いて、建築表面被覆製品を表面に適用することができる。したがって、方法には、建築表面被覆製品のフルサイズ幅のシート(例えば、幅が30.48cm(12インチ))を表面に適用することが、又は見込み客が適用するのを可能にすることが、含まれてもよい。
【0037】
方法は又、縁取りなどのきれいな縁部を表面上に形成するように、建築表面被覆製品のシートを適用する、適用することを実例説明する、又は見込み客が適用することを可能にする工程を含んでもよい。方法のこの変形は、狭幅(例えば、幅が5.08cm(2インチ))の建築表面被覆製品のシートを、そのような目的のために設計されたアプリケータと共に用いることによって、実施されてもよい。
【0038】
方法は又、建築表面被覆製品のシートを隣接壁又は表面の間の角部に適用する、適用することを実例説明する、又は見込み客が適用することを可能にする工程を含んでもよい。方法のこの変形は、狭幅(例えば、幅が5.08cm(2インチ))の建築表面被覆製品のシートを、そのような目的のために設計されたアプリケータ及び平滑化工具と共に用いることによって、実施されてもよい。平滑化のために使用することもできる工具の一例に、米国ノースカロライナ州ステーツビル(Statesville, North Carolina, U.S.A.)のスピードボール・アート・プロダクツ(Speedball Art Products)から入手可能なスピードボール・ブレヤー(Speedball Brayer)がある。平滑化のために使用することもできる工具の別の例が、米国意匠特許第280,247号(ジョーンズ(Jones)、1985年8月20日発行)又はこれに類似の物品に示される。
【0039】
本明細書で説明されたディスプレイ構造体22のフレーム28が、隣接壁又は表面の間の角部を模擬するように使用されてもよい。ディスプレイ構造体22のフレーム28は、サンプル表面材料24がフレーム28の後ろの適所に置かれる時、サンプル表面材料24から外向きに突き出していてもよい。サンプル表面材料24とフレーム28の内側表面とが交差して、建築表面被覆製品のシートを隣接壁又は表面の間の角部に適用することを実例説明するのに有用な角部を形成してもよい。
【0040】
建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明する方法は更に、購入期待客が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第2のシートを表面に付着させて、建築表面被覆製品の第2のシートのサイドマージンが建築表面被覆製品の第1のシートのサイドマージンに重なり合うようにする工程を含んでもよい。このことはいかなる好適な目的のために実施されてもよく、建築表面被覆製品が隣接シート間の継ぎ目を隠す効果を提供するという事実を見込み客に伝えることが含まれる。加えて、建築表面被覆製品が無地色又は充分な程度の無作為性を有するランダムパターンで提供される場合、多数の壁紙の場合でのように、パターン合わせをする必要が無いという事実を見込み客に伝えるために、その方法が使用されてもよい。あるいは、建築表面被覆製品の異なるシートを、そのそれぞれが異なるデザインを有するものを使用すると、異なるデザインの組合せを実例説明することができる。
【0041】
加えて、建築表面被覆製品は不透明であることがあるので、建築表面被覆製品によりもたらされる「被覆」効果が、見込み客に伝えられてもよい。不透明な建築表面被覆製品は、着色表面(例えば、通常ならば2回塗り以上の塗料を必要とするであろう色塗り壁)を完全に覆うことができる。不透明な建築表面被覆製品は又、より暗い色の表面をより明るい色の建築表面被覆製品で、及びより明るい色の表面をより暗い色の建築表面被覆製品で、覆うことができることがある。これらの効果は、第1の場合、カラーコーティングされたサンプル表面材料を用意して、次にこれを建築表面被覆製品で覆うことによって、実例説明できる。これらの効果は、第2の場合、より暗い色の建築表面被覆製品のシートをより明るい色の建築表面被覆製品のシートで、又はより明るい色の表面をより暗い色の建築表面被覆製品のシートで覆うことによって、実例説明できる。
【0042】
別の実施形態では、潜在的購入者が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第1のシートのある区域を損なう工程と、潜在的購入者が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第1のシートの損なわれた区域を覆う表面に建築表面被覆製品の第2のシートを適用する工程とが含まれる、建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明する方法が、提供される。この実施形態は又、建築表面被覆製品の第2のシートを表面に適用する前に、潜在的購入者が表面を見ている間に、建築表面被覆製品の第2のシートを回転させる工程を含んでもよい。
【0043】
建築表面被覆製品の第2のシートを回転させる工程は、建築表面被覆製品が無色又は充分な程度の無作為性を有するランダムパターンで提供されている場合、これを補修するパッチを適用する時に、建築表面被覆製品の方向を気にする必要が無いことを見込み客に伝えるために、使用されてもよい。
【0044】
建築表面被覆材料の補修方法を実例説明する方法は更に、少なくとも1つの建築表面被覆製品を補修することについての、塗料、模擬仕上げ塗装、及び壁紙の少なくとも1つにより覆われた表面を補修する試みとの、比較デモンストレーションを含んでもよい。
【0045】
本明細書全体を通じて言及する、すべての特許、特許出願(及びあらゆるそれらに基づいて発行された特許、並びに関連して公開されたあらゆる外国特許出願)、並びに刊行物の開示を、本明細書に参考として組み込む。しかしながら、参照することにより本明細書に組み込まれる文献のいずれも、本発明を教示又は開示していないことを明言する。本文書における用語のいずれかの意味または定義が、参考として組み込まれた文献における同じ用語のいずれかの意味または定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味または定義が適用されるものとする。
【0046】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定には、それよりも小さいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、包含されることを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、包含される。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲には、こうしたより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、包含される。
【0047】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳密に制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0048】
本発明の特定の実施形態について記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明らかであろう。更に、本発明を特定の具体的な実施形態と関連させて説明してきたが、これは説明を目的とするものであって、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、請求項は従来技術が容認するのと同じくらい幅広く解釈されるべきであることを理解すべきである。
【0049】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、記述の説明を添付図面と併せ読むことで更に理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】店内ディスプレイシステムの1つの実施形態の正面図。
【図2】店内製品ディスプレイシステムの別の実施形態の斜視図。
【図3】店内製品ディスプレイの別の実施形態の簡略化された斜視図。
【図4】店内製品ディスプレイの別の実施形態の簡略化された斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築表面被覆製品との組合せで使用するための店内ディスプレイシステムであって、前記システムが、
(a)少なくとも1つのサンプル表面材料、及び前記少なくとも1つのサンプル表面材料が少なくとも一時的に結合される裏材とを含む、ディスプレイ構造体、
(b)建築表面被覆製品の少なくとも1つのサンプルであって、前記建築表面被覆製品が、長さ、幅、1対の対向表面を有するシートの形体であり、前記建築表面被覆製品がその一方の表面上に感圧性接着剤を含む、建築表面被覆製品の少なくとも1つのサンプル、並びに
(c)前記建築表面被覆製品を前記サンプル表面材料に適用するための1つ以上のアプリケータを含むことを特徴とする、店内ディスプレイシステム。
【請求項2】
前記ディスプレイ構造体が、前記裏材に結合された少なくとも1つの側壁を更に含み、前記側壁が、前記裏材に対して90度を超える角度に配向している、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項3】
前記ディスプレイ構造体が、前記建築表面被覆製品の少なくとも1つのサンプルを照らすための、前記ディスプレイ構造体に結合された少なくとも1つのタイプの照明手段を含む、一体型照明システムを更に含む、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのサンプル表面材料が、前記建築表面被覆製品の前記シートの前記長さ又は前記幅の少なくとも1つよりも大きい寸法のサンプルパネルを含み、前記サンプル表面材料が、640kg/m3未満の密度を有する、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項5】
前記ディスプレイ構造体が、前記建築表面被覆製品の少なくとも1つのサンプルが、前記少なくとも1つのサンプル表面材料に適用される時に、前記少なくとも1つのサンプル表面材料を保持するための、結合されるホルダーを更に含む、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項6】
前記ディスプレイ構造体及び前記ホルダーが、前記少なくとも1つのサンプル表面材料を垂直向きに保持して壁の表面を模擬するように構成されている、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項7】
前記ディスプレイ構造体が、前記少なくとも1つの建築表面被覆製品の適用について、塗料、模擬仕上げ塗装、及び壁紙の少なくとも1つとの比較デモンストレーションを提供するように構成されている、請求項1に記載の店内ディスプレイシステム。
【請求項8】
建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明するための方法であって、
(a)乾燥塗料の不透明層を含む少なくとも1枚のシートの形体の建築表面被覆製品を得る工程であって、前記シートが、長さ、幅、少なくとも1対の対向側縁部、前記側縁部のそれぞれの内側に配置されたサイドマージン、及び1対の対向表面を有し、前記建築表面被覆製品が、その一方の表面上に感圧性接着剤を含む工程、
(b)前記建築表面被覆製品を適用するための表面を提供する工程、および
(c)潜在的購入者が前記表面を見ている間に、前記建築表面被覆製品の第1のシートを前記表面に適用する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
(d)見込み客が前記表面を見ている間に、前記建築表面被覆製品の第2のシートを前記表面に適用して、前記建築表面被覆製品の前記第2のシートのサイドマージンが前記建築表面被覆製品の前記第一のシートのサイドマージンに重なり合うようにする工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
建築表面被覆製品を潜在的購入者に実例説明するための方法であって、
(a)長さ、幅、少なくとも1対の対向側縁部、前記側縁部のそれぞれの内側に配置されたサイドマージン、及び1対の対向表面を有する少なくとも1枚のシートの形体の建築表面被覆製品を得る工程であって、前記建築表面被覆製品がその一方の表面上に感圧性接着剤を含む工程、
(b)前記建築表面被覆製品を適用するための表面を提供する工程、
(c)前記建築表面被覆製品の第1のシートを前記表面に適用する工程、
(d)潜在的購入者が前記表面を見ている間に、前記建築表面被覆製品の前記第1のシートのある区域を損なう工程、及び
(e)潜在的購入者が前記表面を見ている間に、前記建築表面被覆製品の第1のシートの前記損なわれた区域を覆う前記表面に前記建築表面被覆製品の第2のシートを適用する工程を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−528574(P2009−528574A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557422(P2008−557422)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/005483
【国際公開番号】WO2007/103242
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)