説明

店舗・携帯連動ゲームシステム

【課題】店舗内の業務用メダルゲーム装置で獲得したメダルに基づいて携帯端末でゲームプレイを続行する。
【解決手段】店舗装置は、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付け、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を店舗サーバを介してメインサーバに送信し、メインサーバは、プレイヤの携帯端末への通知もしくは当該携帯端末からのアクセスにより、当該携帯端末にポイントおよび抽選結果メダル数を通知し、当該携帯端末でポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行させ、店舗サーバにメダルの支払要請待機を命じ、店舗装置は、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置は、遊戯施設等に設置される業務用ゲーム装置と、家庭内で用いられる家庭用ゲーム装置に大別される。昨今では、携帯電話等の携帯端末によりビデオゲームを楽しむこともできるようになってきている。この場合の携帯端末は、家庭用ゲーム装置の範疇に入るものとする。
【0003】
ところで、業務用ゲーム装置として、メダルの投入によりゲームプレイが可能となり、ゲームの進展に応じてメダルが消費あるいは払い出されるタイプのメダルゲーム装置の人気は非常に根強い。
【0004】
この種のメダルゲーム装置の愛好者には、取得したメダルを原資としたメダルゲームをゲームセンター等の外においても携帯端末において継続してプレイしたいというニーズが強い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−232054号公報
【特許文献2】特開2001−246146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、取得したメダルを原資としたメダルゲームをゲームセンター等の外においても携帯端末において継続してプレイしたいというニーズが強い。しかしながら、現在の日本国内においては、メダルを現金化する等によりメダルゲームが実質的な賭博行為となることを防止するため、店外へのメダルの持ち出しが法的に禁じられている。メダルの持ち出し禁止に対応し、店舗はメダルを所定の期間にわたり預かることとしている。従って、店外でのメダル数の増減を行うこととなるゲームを携帯端末により行わせることはできない。
【0007】
一方、上記のような法規制とは別に、特許文献1、2には、業務用ゲーム装置と携帯端末とでメダルの情報を共通に用いることを可能とした技術が開示されている。
【0008】
しかし、このような特許文献1、2に開示される技術では、業務用ゲーム装置を管理する運営者にとって、自己の管理範囲外でメダル数の増減が行われ、正常なゲーム動作の範囲ではメダル数の増減の幅を所定の範囲内に抑えることが可能であるが、特にゲームプログラムやメダル数データの改変等が行われた場合には不利益を受ける可能性があり、また、その損害は甚大である。
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、業務用メダルゲーム装置のメダルを店外に持ち出すことを禁ずる法規制下でも実施が可能であるとともに、業務用ゲーム装置の運営者に不測の不利益を与えることのない、店舗内の業務用メダルゲーム装置で獲得したメダルに基づいて携帯端末でゲームプレイを続行することのできる店舗・携帯連動ゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備え、前記店舗装置の制御部は、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付け、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記店舗サーバを介して前記メインサーバに送信し、前記メインサーバの制御部は、プレイヤの携帯端末への通知もしくは当該携帯端末からのアクセスにより、当該携帯端末にポイントおよび抽選結果メダル数を通知し、当該携帯端末でポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行させ、前記店舗サーバにメダルの支払要請待機を命じ、前記店舗装置の制御部は、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う店舗・携帯連動ゲームシステムを要旨としている。
【0011】
また、請求項2に記載されるように、店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備え、前記店舗装置の制御部は、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信し、前記店舗サーバの制御部は、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記メインサーバに送信し、前記メインサーバの制御部は、プレイヤの携帯端末への通知もしくは当該携帯端末からのアクセスにより、当該携帯端末にポイントおよび抽選結果メダル数を通知し、当該携帯端末でポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行させ、前記店舗サーバにメダルの支払要請待機を命じ、前記店舗装置の制御部は、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う店舗・携帯連動ゲームシステムとして構成することができる。
【0012】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の店舗・携帯連動ゲームシステムにおいて、前記メインサーバの制御部は、前記携帯端末でポイントが全て消費された際の携帯ゲーム上の現メダル数と抽選結果メダル数とが一致するか否か判断し、不一致の場合に前記携帯端末にエラー表示を行わせるようにすることができる。
【0013】
また、請求項4に記載されるように、店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおける店舗装置であって、前記店舗装置の制御部が、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付け、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記店舗サーバを介して前記メインサーバに送信する手段と、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う手段とを備える店舗装置として構成することができる。
【0014】
また、請求項5に記載されるように、店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおける店舗装置であって、前記店舗装置の制御部が、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信する手段と、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う手段とを備える店舗装置として構成することができる。
【0015】
また、請求項6に記載されるように、店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバと、携帯端末とを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおいて、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信し、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う店舗・携帯連動ゲームシステムであって、前記携帯端末の制御部が、前記メインサーバから携帯ゲーム用のポイントおよび抽選結果メダル数を取得し、前記ポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行する手段と、前記ポイントが全て消費された場合に前記メインサーバにその旨を通知する手段とを備える携帯端末として構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の店舗・携帯連動ゲームシステムにあっては、店舗内でメダルから携帯ゲーム用のポイントへの変換指示を受け付けた時点で抽選を行い、その抽選結果をその後の携帯端末でのゲーム結果として時間差で表示しているため、業務用メダルゲーム装置のメダルを店外に持ち出すことを禁ずる法規制下でも実施が可能であるとともに、業務用ゲーム装置の運営者に不測の不利益を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【図2】メインサーバおよび店舗サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】メダルゲーム装置の構成例を示す図である。
【図4】メダル預払装置の構成例を示す図である。
【図5】メダル貸出装置の構成例を示す図である。
【図6】携帯端末の構成例を示す図である。
【図7】メインサーバおよび店舗サーバのユーザデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図8A】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図8B】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図9】携帯端末の画面例を示す図である。
【図10A】実施形態の他の処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図10B】実施形態の他の処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0019】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【0020】
図1において、メインサーバ1はインターネットあるいはプライベートネットワーク等のネットワーク2に接続され、ゲームセンター等の店舗3A、3B、・・の店舗サーバ31はネットワーク2を介してメインサーバ1に接続可能となっている。メインサーバ1は複数の店舗3A、3B、・・の情報を管理し、店舗サーバ31は各店舗3A、3B、・・内でプレイヤが直接に操作するプレイヤ利用店舗装置32の情報を店舗毎に管理する機能を有している。
【0021】
プレイヤ利用店舗装置32として、メダルの投入によりゲームプレイが可能となってゲームの進展に応じてメダルが消費あるいは払い出されるメダルゲーム装置33と、手持ちのメダルを預かりあるいは払い出すメダル預払装置34と、紙幣もしくはコインの投入によりメダルを払い出すメダル貸出装置35とが設けられている。
【0022】
また、ネットワーク2には携帯電話ネットワーク等の移動無線ネットワーク4が接続され、メインサーバ1と利用者(プレイヤ)の所持する携帯端末5との間で通信が行えるようになっている。
【0023】
図2はメインサーバ1および店舗サーバ31のハードウェア構成例を示す図である。
【0024】
図2において、メインサーバ1および店舗サーバ31は、システムバス1001に接続されたCPU(Central Processing Unit)1002、ROM(Read Only Memory)1003、RAM(Random Access Memory)1004、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)1005、I/F(Interface)1006と、I/F1006に接続された、キーボード、マウス、モニタ、CD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等のI/O(Input/Output Device)1007、HDD(Hard Disk Drive)1008、NIC(Network Interface Card)1009等を備えている。Mはプログラムもしくはデータが格納されたCD/DVD等のメディア(記録媒体)である。
【0025】
図3はメダルゲーム装置33の構成例を示す図である。
【0026】
図3において、メダルゲーム装置33は、主たる制御動作を行うCPU3301と、実行中のプログラムおよびデータを保持するRAM等のシステムメモリ3302と、制御プログラムおよび各種データを保持するROM、HDD、フラッシュメモリ、CD/DVDドライブ等の記憶装置3303と、起動プログラムを保持するブートROM3304と、ペリフェラルデバイスとのインタフェースを行うペリフェラルI/F3305とを備え、これらはシステムバスの調停を行うバスアービタ3310に接続されている。ペリフェラルデバイスとしては、プレイヤの指の接触により操作指示を受け付けるタッチパネル3306(タッチパネル以外の操作部とすることも可)と、カード読取や指紋読取により個人認証情報を読み取る個人認証情報読取部3307と、メダルの投入を検出するメダル投入検出部3308と、メダルを払い出すメダル支払部3309とが設けられている。
【0027】
また、バスアービタ3310には、グラフィックメモリ3312を用いてポリゴンを使用した3次元グラフィックスの描画処理を行うGPU(Graphics Processing Unit)3311が接続され、このGPU3311には表示用のモニタ3313が接続されている。また、バスアービタ3310には、オーディオメモリ3315を用いて音声出力を行うオーディオプロセッサ3314が接続され、このオーディオプロセッサ3314には音声出力用のスピーカ3316が接続されている。更に、バスアービタ3310には通信I/F3317が接続され、この通信I/F3317の他端はネットワーク2に接続されている。
【0028】
図4はメダル預払装置34の構成例を示す図である。
【0029】
図4において、メダル預払装置34は、主たる制御動作を行う制御部(CPU)341と、利用者に対し操作についての指示等を表示する表示部342と、利用者が操作するボタン、タッチパネル(接触位置検出手段)等の操作部343と、利用者を特定するためのカードを受け付けるカード入力部344と、指紋等の個人認証情報を入力する個人認証情報入力部345と、新規にカードを発行するカード発行部346とを備えている。また、メダル預払装置34は、メダルを受け入れるメダル預入部347と、メダルを払い出すメダル支払部348と、店舗サーバ(31)と通信するための通信I/F349とを備えている。
【0030】
図5はメダル貸出装置35の構成例を示す図である。
【0031】
図5において、メダル貸出装置35は、主たる制御動作を行う制御部(CPU)351と、利用者に対し操作についての指示等を表示する表示部352と、利用者が操作するボタン、タッチパネル(接触位置検出手段)等の操作部353と、紙幣もしくはコインの投入を検出する紙幣・コイン検出部354と、利用者を特定するためのカードを受け付けるカード入力部355と、指紋等の個人認証情報を入力する個人認証情報入力部356と、新規にカードを発行するカード発行部357とを備えている。また、メダル貸出装置35は、メダルを払い出すメダル支払部358と、店舗サーバ(31)と通信するための通信I/F359とを備えている。
【0032】
図6は携帯端末5の構成例を示す図である。携帯端末5には、携帯電話をはじめとして、PC(Personal Computer)や家庭用ゲーム機等の情報処理機能を有する機器が含まれる。
【0033】
図6において、携帯端末5は、全体的な制御を行うCPU等の制御部51と、無線信号を送信する送信処理部53および無線信号を受信する受信処理部54を有する通信処理部52と、アンテナ55とを備えている。
【0034】
また、携帯端末5は、液晶ディスプレイ等の表示部56と、ユーザにより操作されるテンキー、タッチパネル(接触位置検出手段)等の操作部57と、通話のためのスピーカ58およびマイク59とを備えている。
【0035】
図7はメインサーバ1および店舗サーバ31のユーザデータベースのデータ構造例を示す図である。
【0036】
図7(a)はメインサーバ1のユーザデータベースのデータ構造例を示しており、「ユーザID」「店舗ID」「個人認証情報」「携帯ユーザID」「携帯固有識別情報」「メダル預かり数」「預かり日時」「変換対象メダル数」「ポイント」「抽選結果メダル数」等の項目を有している。
【0037】
「ユーザID」は、ユーザを特定する識別情報である。「ユーザID」はシステム全体でユニークな値である場合と、店舗(3A、3B、・・)単位でユニークな値である場合とがある。「店舗ID」は、店舗を特定する識別情報である。「個人認証情報」は、パスワードや指紋特徴情報等の正当なユーザであるか否かを確認するために用いられる情報である。「携帯ユーザID」は、当該ユーザの携帯電話の宛先を特定する情報である。「携帯固有識別情報」は、当該ユーザの携帯電話の機器固有の情報である。
【0038】
「メダル預かり数」は、当該ユーザから預かり中のメダル数を示す情報である。「預かり日時」は、当該ユーザからメダルを預かった最終日時を示す情報である。「変換対象メダル数」は、プレイヤの指示により「ポイント」への変換対象となったメダル数である。「ポイント」は、携帯端末(5)でのゲームプレイを可能とする数値情報であり、利用者からの指示で所定のメダル数から変換した値である。「抽選結果メダル数」は、ポイントへの変換を行う際にほぼ同時に行われるメダル数を増減させる抽選結果である。
【0039】
図7(b)は店舗サーバ31のユーザデータベースのデータ構造例を示しており、「ユーザID」「メダル預かり数」「預かり日時」「変換対象メダル数」「ポイント」「抽選結果メダル数」「支払要請待機フラグ」等の項目を有している。「ユーザID」「メダル預かり数」「預かり日時」「変換対象メダル数」「ポイント」「抽選結果メダル数」は上述したものと同様である。「支払要請待機フラグ」は、携帯端末(5)でのゲームプレイが終了し、「抽選結果メダル数」の利用者への表示が完了して、メダルの支払が可能になったことを示す情報である。なお、後述する処理において使用しない情報を図7(b)のユーザデータベースから除外してあるが、図7(a)のユーザデータベースの項目に「支払要請待機フラグ」を追加した内容としてもよい。また、図7(a)のユーザデータベースの項目に「支払要請待機フラグ」を追加した内容をメインサーバ1と店舗サーバ31の両方のユーザデータベースの項目としてもよい。
【0040】
<動作>
図8Aおよび図8Bは上記の実施形態の処理例を示すシーケンス図である。
【0041】
図8Aにおいて、プレイヤからプレイヤ利用店舗装置32に対してメダル数、ユーザIDおよび個人認証情報を伴って変換指示が行われる(ステップS101)。プレイヤ利用店舗装置32がメダルゲーム装置33である場合は、メダルゲーム装置33内部にクレジットとして滞留しているメダルのうちのプレイヤによって指定されたメダル数もしくは全メダル数が変換の対象となる。ユーザIDはゲームプレイに先立ってカード等の挿入によりログインが要求される場合にはそのユーザIDとなり、ログインが要求されない場合には変換指示の時点でカード等の挿入により入力されるユーザIDである。個人認証情報はカード等の挿入の際に併せて入力される。
【0042】
プレイヤ利用店舗装置32がメダル預払装置34である場合は、メダル預払装置34に預けられているメダルのうちのプレイヤによって指定されたメダル数もしくは全メダル数が変換の対象となる。ユーザIDはメダル預払装置34の利用開始時もしくは変換指示の時点でカード等の挿入により入力される。個人認証情報はカード等の挿入の際に併せて入力される。
【0043】
プレイヤ利用店舗装置32がメダル貸出装置35である場合は、紙幣もしくはコインの投入により貸し出されるメダルのうちのプレイヤによって指定されたメダル数もしくは全メダル数が変換の対象となる。ユーザIDはメダル貸出装置35の利用開始時もしくは変換指示の時点でカード等の挿入により入力される。個人認証情報はカード等の挿入の際に併せて入力される。
【0044】
変換指示を受けたプレイヤ利用店舗装置32は、対象となるメダル数に応じたポイントへ変換を行う(ステップS102)。例えば、メダル数と同じポイントに変換する(メダル数「100」に対してポイント「100」等。)。数式や変換テーブルに基づいてメダル数からポイントに変換してもよい。
【0045】
次いで、プレイヤ利用店舗装置32は、メダル数を増減する抽選を行う(ステップS103)。この抽選は、乱数を用い、メダル数が多いほど当たるメダル数(抽選結果メダル数)の確率が高くなるものとすることができる。当たりのメダル数は「50」「100」といった切りのよい数としてもよいし、任意の数としてもよい。はずれの場合の抽選結果メダル数は負の数となる。はずれの場合の抽選結果メダル数は元のメダル数(変換対象メダル数)を超えない。
【0046】
そして、プレイヤ利用店舗装置32は、ユーザID、個人認証情報、ポイントおよび抽選結果メダル数を店舗サーバ31に送信する(ステップS104)。
【0047】
データを受信した店舗サーバ31は、内部のユーザデータベース(図7(b))に受信したデータのうち必要なものを記録する(ステップS105)。そして、店舗サーバ31は、自己を示す店舗IDと、プレイヤ利用店舗装置32から受信したユーザID、個人認証情報、ポイントおよび抽選結果メダル数をメインサーバ1に送信する(ステップS106)。
【0048】
データを受信したメインサーバ1は、受信したユーザIDをキーに内部のユーザデータベース(図7(a))から個人認証情報を取得し、受信した個人認証情報と照合することで個人認証を行う(ステップS107)。個人認証が失敗した場合については図示していないが、エラーが発生した旨を店舗サーバ31に返し、店舗サーバ31は同様にエラーが発生した旨をプレイヤ利用店舗装置32に返す。
【0049】
個人認証が成功した場合、メインサーバ1は、内部のユーザデータベース(図7(a))に、ユーザID、店舗IDと対応付けてポイントおよび抽選結果メダル数のデータを記録する(ステップS108)。
【0050】
そして、メインサーバ1は、ユーザIDをキーに内部のユーザデータベース(図7(a))から携帯ユーザIDを取得し、その携帯ユーザIDを宛先にポイントおよび抽選結果メダル数を送信する(ステップS109)。
【0051】
データを受信した携帯端末5は、予めダウンロード等して保持しているゲームプログラム、あるいはメインサーバ1その他のサイトにアクセスして取得したゲームプログラムに基づいてゲームプレイを行う(ステップS110)。ゲームプレイはメインサーバ1から取得したポイントが「0」になるまで可能であり、所定単位のゲームを行う毎にポイントが消費されていく。
【0052】
携帯端末5は、ゲームの進行に応じ、ポイント増減、メダル数増減、現ポイントおよび現メダル数の算出を行う(ステップS111)。そして、算出した結果を表示する(ステップS112)。ここで、メダル数増減の総和は予め決定されている抽選結果メダル数の範囲内で算出される。また、ポイントが全消費された時点のメダル数増減の総和は予め決定されている抽選結果メダル数と一致するように算出される。
【0053】
図9は携帯端末5の画面例を示す図であり、スロットゲームの場合を例にしている。図示の画面には、スロット表示501と当たり表示502と現ポイント表示503と現メダル数表示504とが表示されている。
【0054】
次いで、図8Aに戻り、携帯端末5はポイントが全て消費されたか否か判断し(ステップS113)、全消費でない場合(ステップS113のNo)はゲームプレイ(ステップS110)を続行する。
【0055】
携帯端末5は、ポイントが全消費となった場合(ステップS113のYes)、図8Bにおいて、ユーザID、店舗ID、携帯固有識別情報、現ポイント、現メダル数をメインサーバ1に送信する(ステップS114)。
【0056】
データを受信したメインサーバ1は、ユーザIDをキーに内部のユーザデータベース(図7(a))から抽選結果メダル数を取得し、現メダル数が変換対象メダル数と抽選結果メダル数の和と一致するか否か判断する(ステップS115)。現メダル数が変換対象メダル数と抽選結果メダル数の和と一致しない場合(ステップS115のNo)、携帯端末5においてデータ改竄等の不正行為が行われた可能性があるものとして、不一致があった旨の通知を携帯端末5に送信する(ステップS116)。
【0057】
これを受け、携帯端末5は「データが正常でないためゲームを終了します。メダルの支払は行えません。」等のエラー表示を行う(ステップS117)。
【0058】
一方、現メダル数が変換対象メダル数と抽選結果メダル数の和と一致する場合(ステップS115のYes)、メインサーバ1は念のため携帯端末5から受信した現ポイントに基づいてポイント全消費を確認する(ステップS118)。ポイント全消費の確認が正常に行えなかった場合については図示していないが、現メダル数が抽選結果メダル数と一致しなかった場合と同様にエラー通知を行う。
【0059】
メインサーバ1は、ポイント全消費の確認が正常に行えた場合、内部のユーザデータベース(図7(a))のデータを更新する(ステップS119)。すなわち、ポイントを「0」に更新する。
【0060】
そして、メインサーバ1は、店舗IDにより店舗サーバ31を特定した上で、その店舗サーバ31にユーザIDおよび支払許可を送信する(ステップS120)。
【0061】
データを受信した店舗サーバ31は、内部のユーザデータベース(図7(b))のデータを更新する(ステップS121)。すなわち、ポイントを「0」に更新し、支払要請待機フラグをONにする。これにより、そのユーザについては支払要請待機となる(ステップS122)。
【0062】
その後、プレイヤからプレイヤ利用店舗装置32に対してユーザIDおよび個人認証情報を伴って支払指示が行われると(ステップS123)、プレイヤ利用店舗装置32は、個人認証を行う(ステップS124)。この際、メインサーバ1(店舗サーバ31に個人認証情報がある場合は店舗サーバ31でも可)と通信を行い(ステップS125)、個人認証を依頼し、あるいは、個人認証情報を取得して自ら個人認証を行う。個人認証が失敗した場合については図示していないが、エラーが発生した旨をプレイヤに報知する。
【0063】
個人認証が成功した場合、プレイヤ利用店舗装置32は、ユーザIDおよびメダル数を伴った支払要請を店舗サーバ31に送信する(ステップS126)。
【0064】
これを受け、店舗サーバ31は、受信したユーザIDをキーに内部のユーザデータベース(図7(b))から支払要請待機フラグを参照し、支払要請待機フラグがONとなっていれば支払許可をプレイヤ利用店舗装置32に返答(送信)する(ステップS127)。
【0065】
これを受け、プレイヤ利用店舗装置32は、メダルの支払を行う(ステップS128)。
【0066】
次いで、プレイヤ利用店舗装置32は、ユーザIDおよびメダル数を伴った支払完了を店舗サーバ31に送信する(ステップS129)。
【0067】
これを受け、店舗サーバ31は、内部のユーザデータベース(図7(b))のデータを更新する(ステップS130)。すなわち、メダル預かり数を支払ったメダル数だけ減算したものに更新し、抽選結果メダル数をクリアし、支払要請待機フラグをOFFにする。なお、メダル預かり数が「0」となったレコードはユーザデータベースから消去してもよい。
【0068】
そして、店舗サーバ31は、ユーザID、店舗IDおよびメダル数を伴った支払完了をメインサーバ1に送信する(ステップS131)。
【0069】
これを受け、メインサーバ1は、内部のユーザデータベース(図7(a))のデータを更新する(ステップS132)。すなわち、メダル預かり数を支払ったメダル数だけ減算したものに更新し、抽選結果メダル数をクリアする。なお、メダル預かり数が「0」となったレコードはユーザデータベースから消去してもよい。
【0070】
図10Aおよび図10Bは上記の実施形態の他の処理例を示すシーケンス図である。
【0071】
上述した図8Aおよび図8Bの処理と異なる第1の点は、ポイント変換とメダル数増減抽選を、プレイヤ利用店舗装置32ではなく、店舗サーバ31において行うようにした点(ステップS203、S204)である。
【0072】
異なる第2の点は、メインサーバ1から携帯端末5に対してポイントおよび抽選結果メダル数を通知するのではなく、携帯端末5からメインサーバ1へのアクセスに対してポイントおよび抽選結果メダル数を応答するようにした点(ステップS209、S210)である。
【0073】
その他の処理は図8Aおよび図8Bに示した処理と実質的に同様である。
【0074】
なお、上記の第1、第2の点は個別に図8Aおよび図8Bに示した処理に適用することが可能である。
【0075】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような利点がある。
(1)店舗内でメダルから携帯ゲーム用のポイントへの変換指示を受け付けた時点で抽選を行い、その抽選結果をその後の携帯端末でのゲーム結果として時間差で表示しているため、業務用メダルゲーム装置のメダルを店外に持ち出すことを禁ずる法規制下でも実施が可能である。
(2)既に行われた抽選結果がゲーム結果となるため、業務用ゲーム装置の運営者に不測の不利益を与えることがない。
【0076】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0077】
1 メインサーバ
2 ネットワーク
3、3A、3B 店舗
31 店舗サーバ
32 プレイヤ利用店舗装置
33 メダルゲーム装置
3301 CPU
3302 システムメモリ
3303 記憶装置
3304 ブートROM
3305 ペリフェラルI/F
3306 タッチパネル
3307 個人認証情報読取部
3308 メダル投入検出部
3309 メダル支払部
3310 バスアービタ
3311 GPU
3312 グラフィックメモリ
3313 モニタ
3314 オーディオプロセッサ
3315 オーディオメモリ
3316 スピーカ
3317 通信I/F
34 メダル預払装置
341 制御部
342 表示部
343 操作部
344 カード入力部
345 個人認証情報入力部
346 カード発行部
347 メダル預入部
348 メダル支払部
349 通信I/F
35 メダル貸出装置
351 制御部
352 表示部
353 操作部
354 紙幣・コイン検出部
355 カード入力部
356 個人認証情報入力部
357 カード発行部
358 メダル支払部
359 通信I/F
4 移動無線ネットワーク
5 携帯端末
51 制御部
52 通信処理部
53 送信処理部
54 受信処理部
55 アンテナ
56 表示部
57 操作部
58 スピーカ
59 マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備え、
前記店舗装置の制御部は、
店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付け、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記店舗サーバを介して前記メインサーバに送信し、
前記メインサーバの制御部は、
プレイヤの携帯端末への通知もしくは当該携帯端末からのアクセスにより、当該携帯端末にポイントおよび抽選結果メダル数を通知し、当該携帯端末でポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行させ、前記店舗サーバにメダルの支払要請待機を命じ、
前記店舗装置の制御部は、
店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う
ことを特徴とする店舗・携帯連動ゲームシステム。
【請求項2】
店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備え、
前記店舗装置の制御部は、
店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信し、
前記店舗サーバの制御部は、
指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記メインサーバに送信し、
前記メインサーバの制御部は、
プレイヤの携帯端末への通知もしくは当該携帯端末からのアクセスにより、当該携帯端末にポイントおよび抽選結果メダル数を通知し、当該携帯端末でポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行させ、前記店舗サーバにメダルの支払要請待機を命じ、
前記店舗装置の制御部は、
店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う
ことを特徴とする店舗・携帯連動ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の店舗・携帯連動ゲームシステムにおいて、
前記メインサーバの制御部は、
前記携帯端末でポイントが全て消費された際の携帯ゲーム上の現メダル数と抽選結果メダル数とが一致するか否か判断し、不一致の場合に前記携帯端末にエラー表示を行わせる
ことを特徴とする店舗・携帯連動ゲームシステム。
【請求項4】
店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおける店舗装置であって、
前記店舗装置の制御部が、
店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付け、指定されたメダル数に対応するポイントを決定するとともに、メダル数を増減する抽選を行って抽選結果メダル数を決定し、プレイヤを特定する情報とポイントおよび抽選結果メダル数を前記店舗サーバを介して前記メインサーバに送信する手段と、
店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う手段と
を備えたことを特徴とする店舗装置。
【請求項5】
店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバとを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおける店舗装置であって、
前記店舗装置の制御部が、
店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信する手段と、
店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う手段と
を備えたことを特徴とする店舗装置。
【請求項6】
店舗内でプレイヤが直接に操作する店舗装置と、前記店舗装置の情報を店舗毎に管理する店舗サーバと、複数の店舗の情報を管理するメインサーバと、携帯端末とを備えた店舗・携帯連動ゲームシステムにおいて、店舗内のプレイヤからメダルを携帯ゲーム用のポイントに変換する指示を受け付けた場合に、受け付けた内容を前記店舗サーバに送信し、店舗内のプレイヤからメダルの支払指示を受け付けた場合に、前記店舗サーバにメダルの支払確認を行い、許可された場合にメダルの支払を行う店舗・携帯連動ゲームシステムであって、
前記携帯端末の制御部が、
前記メインサーバから携帯ゲーム用のポイントおよび抽選結果メダル数を取得し、前記ポイントが全て消費されるまでに抽選結果メダル数が当たり/はずれの合計結果となる携帯ゲームを実行する手段と、
前記ポイントが全て消費された場合に前記メインサーバにその旨を通知する手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2011−156014(P2011−156014A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18020(P2010−18020)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】