説明

店舗情報提供システム

【課題】利用者が店舗における混雑度に係る情報も含め取得することが可能な店舗情報提供システムを提供する。
【解決手段】本発明の店舗情報提供システムは、移動体端末装置から、店舗検索条件と、前記移動体端末装置の位置情報及び移動速度情報を受信する手段と、前記移動体端末装置から受信した前記店舗検索条件に基づいて候補店舗を抽出する手段と、前記移動体端末装置から受信した位置情報及び移動速度情報に基づいて前記移動体端末装置利用者の状態情報を判定する手段と、前記候補店舗と前記状態情報とに基づいて前記移動体端末装置利用者が前記候補店舗に到着する到着時刻を予測する手段と、前記到着時刻における混雑度を前記候補店舗に設置される店舗端末装置に問い合わせる手段と、前記店舗端末装置から前記到着時刻における混雑度を受信する手段と、前記候補店舗と前記到着時刻と前記混雑度を前記移動体端末装置に送信する手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に店舗内の混雑度情報を提供することを可能とする先行型オーダリングシステムなどと共に用いるのに好適な店舗情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブスルーシステムは、利用者が自動車などの車両に乗車したままで店舗内にいる店員に注文をすることで商品売買を行う設備である。ドライブスルーシステムでは、利用者は店舗外に設置されたメニューボードなどを車内から参照し、所望とする商品を店舗内にいる店員に伝達することによってオーダーを行うようになっている。このようなシステムでは、店舗に到着してから発注を行うため、商品が準備できるまでの時間が発生してしまうことである。すぐに商品を受け取りたい利用者にとっては無駄な時間となるため、満足度の低下につながっていた。また、商品の準備ができるまでの時間により待ち行列が発生するため、店舗の回転率が低下してしまうことなる。
【0003】
そこで、迅速な商品の受け渡しを可能とする先行予約型のドライブスルーシステムが種々提案されている。例えば、特許文献1(特開2002−358578号公報)には、ドライブスルー店舗の端末と、利用者の端末及び前記ドライブスルー店舗の端末に通信ネットワークを介して相互に接続され前記利用者からの注文を受け付けるサーバと、前記利用者の到着を認識する前記ドライブスルー店舗の到着認識装置とからなるドライブスルーオーダリングシステムにおいて、前記サーバは、前記利用者の端末から前記利用者の購入する商品に関する情報と、前記利用者を一意に識別できる情報とを含む注文情報を受信する受信部と、前記受信した注文情報を前記ドライブスルー店舗の端末に送信する送信部と、前記ドライブスルー店舗の端末は、前記注文情報を受信し、前記受信した注文情報に基づいて前記利用者の購入する商品を用意させる手段を備え、前記ドライブスルー店舗の到着認識装置は、前記利用者を一意に識別できる情報により前記利用者の到着を認識し、前記利用者の到着を前記ドライブスルー店舗の店員に報知する手段を備えることを特徴とするドライブスルーオーダリングシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−358578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の発明において用いられている、利用者が注文情報を入力する端末はカーナビゲーションシステムであり、車載に係るものである。ところで、近年は携帯電話などの移動体端末装置が個人に広く普及しており、先行予約型のオーダリングシステムとしては、ドライブスルー型店舗のみならず、対面販売などを行う通常店舗に対しても適用の可能性が広がりつつある。
【0005】
ドライブスルー型店舗の場合、利用者は商品を受け取った後に車両で店舗から走り去るので、店舗の回転率はある程度予測可能であるのに対して、通常型店舗の場合、利用者は店舗内の座席で飲食し所定時間滞在するので、店舗の回転率は予測が非常に困難である。店舗内における利用者の滞在時間には個人差、グループ差があり、滞在時間が長い利用者が多いような場合には店舗内の座席は満席に近い状態となり、店舗の混雑度が非常に高くなる。
【0006】
特許文献1記載のオーダリングシステムを通常型店舗に適用すると、利用者が店舗に到着した時点において商品の用意が完了して、利用者に対して受け渡しが可能とはなるが、店舗の混雑度が非常に高いような場合には、利用者は着席して食事をとることが不可能と
なってしまう、という問題がある。すなわち、特許文献1の先行予約型のオーダリングシステムでは、店舗内の混雑度のことが一切考慮されておらず、店舗に行ったとしても店舗利用が出来ず、都合がよい店舗を事前に選択することができず、また店舗側でも極度の混雑状況を予め回避できない等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、移動体端末装置から、店舗検索条件と、前記移動体端末装置の位置情報及び移動速度情報を受信する手段と、前記移動体端末装置から受信した前記店舗検索条件に基づいて候補店舗を抽出する手段と、前記移動体端末装置から受信した位置情報及び移動速度情報に基づいて前記移動体端末装置利用者の状態情報を判定する手段と、前記候補店舗と前記状態情報とに基づいて前記移動体端末装置利用者が前記候補店舗に到着する到着時刻を予測する手段と、前記到着時刻における混雑度を前記候補店舗に設置される店舗端末装置に問い合わせる手段と、前記店舗端末装置から前記到着時刻における混雑度を受信する手段と、前記候補店舗と前記到着時刻と前記混雑度を前記移動体端末装置に送信する手段と、を有することを特徴とする店舗情報提供システムである。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の店舗情報提供システムにおいて、前記送信手段は、前記到着時刻と前記混雑度に基づいて前記候補店舗を選択し、該選択された候補店舗及び該候補店舗に対応する到着時刻と混雑度を前記移動体端末装置に送信することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の店舗情報提供システムにおいて、前記店舗端末装置は店舗内の様子を撮像する撮像装置を有し、前記撮像装置により撮像された撮像データから混雑度を算出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に記載の店舗情報提供システムにおいて、前記店舗端末装置は過去の来店客の履歴を記憶する来店客推移データベースを有し、前記来店客推移データベースに基づいて混雑度を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4に記載の店舗情報提供システムにおいて、前記店舗端末装置は、前記撮像データに基づいて現在の混雑度と混雑寄与度及び前記来客推移データベースから混雑緩和度を算出し、前記現在の混雑度と前記混雑寄与度及び前記混雑緩和度に基づいて前記到着予測時刻における前記混雑度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る店舗情報提供システムによれば、利用者は店舗の混雑度に係る情報を取得することが可能となり、利用者側はこのような混雑度を参照することで、自らに都合がよい店舗を選択することができるし、また店舗側でも極度の混雑状況を予め回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの概念を説明する図である。図1において、10はサービス利用者、20は店舗情報提供システム管理センター、30は店舗情報提供システム加盟店舗群、100は移動体端末装置、200はセンターサーバーをそれぞれ示している。
【0014】
本実施形態に係る店舗情報提供システムは、サービス利用者10が、店舗情報提供システム管理センター20を介して、前記店舗情報提供システム管理センター20が管轄する
店舗情報提供システム加盟店舗群30の各店舗N1、N2、N3・・・における混雑度に関する情報を受け取ることを可能とするシステムである。
【0015】
サービス利用者10が本実施形態に係る店舗情報提供のサービスを受けるために利用するものが移動体端末装置100であり、これには携帯電話やカーナビゲーションシステムを用いることができる。移動体端末装置100は、店舗情報提供システム管理センター20と無線などによって情報通信可能に構成されている。
【0016】
店舗情報提供システム管理センター20にはセンターサーバー200が設置されている。センターサーバー200は汎用のサーバーシステムを用いて実現することができる。センターサーバー200は、各移動体端末装置100と携帯電話通信網などを介して情報通信可能に接続されると共に、各店舗に設置される店舗端末装置300とインターネット、公衆回線網などの通信回線を介して情報通信可能に接続される。
【0017】
店舗情報提供システム加盟店舗群30における各店舗N1、N2、・・・には、店舗端末装置300が設置されており、店舗端末装置300はそれぞれの店舗内の情報を収集して、センターサーバー200は店舗内の情報を収集したり、センターサーバー200の要求に応じて収集した情報をセンターサーバー200に送信したりする。店舗端末装置300は、回線接続可能なパーソナルコンピュータなどの汎用の情報処理装置を用いることができる。この店舗端末装置300に必要となるハードウエアを接続することによって店舗情報提供システムにおける店舗側装置を実現する。
【0018】
次に、移動体端末装置100を構成する上で好適なハードウエアの概略について説明する。図2は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムで用いる移動体端末装置のブロック構成の一例を示す図である。図2において、100は移動体端末装置、101はCPU、102はバス、104はRAM、105は入力操作部、106は入力回路、108は音声制御回路、109はマイクロフォン、112はスピーカ、114は表示制御回路、115はディスプレイ、116は通信制御回路、119はGPS受信部、120はデータ保存部をそれぞれ示している。
【0019】
移動体端末装置100は、CPU(中央処理装置)101を搭載している。CPU101はバス102を通じて装置内の各部と接続されている。このうちROM103はこの移動体端末装置100の各部を制御するためのプログラムを格納したリード・オンリ・メモリである。RAM104はプログラムを実行するときに必要となる一時的なデータおよび画像等を含んだ通信データを一時的に格納するランダム・アクセス・メモリである。
【0020】
入力操作部105は利用者が操作するキースイッチ群から構成されており、この入力操作部105の操作により発生した信号は入力回路106を介してバス102に伝達されるようになっている。
【0021】
音声制御回路108は音声の入出力を行う回路で、マイクロフォン109から音声を入力すると共に、スピーカ112から音声を出力するようになっている。表示制御回路114は、ディスプレイ115の表示を制御するようになっている。通信制御回路116は、不図示の無線基地局と無線で通信を行うになっている。GPS受信部119は不図示のGPS衛星の複数から電波を受信して移動体端末装置100の現在位置を判別する装置である。データ保存部120は電源が切れた時でもデータを保持できるようになっている記憶部であり、例えばフラッシュメモリー、ハードディスク等である。
【0022】
本実施形態に係る店舗情報提供システムで用いる移動体端末装置100としては、GPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位で自装置の位置情報を取得する機能の
他に、取得した位置情報を時間情報と対応させて保存しておくことにより移動速度情報を算出する機能を有するものであることが望ましい。これらの機能を実現するためのプログラムはROM103に記憶させておくことができるし、或いはデータ保存部120に記憶させておくことができる。
【0023】
次に、本実施形態に係る店舗情報提供システムにおけるセンターサーバーの機能について説明する。図3は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムのセンターサーバー200の概要を示す図である。図3において、210は演算部、220は店舗情報データベース、230は地図データベース、240は第1通信部、250は第2通信部をそれぞれ示している。
【0024】
センターサーバー200における演算部210は、後述するフローに係る各処理を中心的に実行するものである。店舗情報データベース220には、店舗情報提供システム加盟店舗群30における各店舗N1、N2、・・・の店舗に係る情報が記憶されている。このような店舗情報データベース220に記憶されるデータの構造について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの店舗情報データベースに記憶されるデータ構造例を示す図である。図4に示すように「店舗」、「所在情報」、「メニュー情報(価格情報)」、「座席情報」、「営業時間情報」、「その他情報」などの項目の情報が記憶されている。「店舗」は店舗名や店舗IDなどの基礎となる情報であり、「所在情報」は当該店舗のどこに位置しているのかに係る情報であり、「メニュー情報(価格情報)」は当該店舗でどのような商品を提供しているのかに係る情報であり、「座席情報」は当該店舗にどの程度の利用者収容数があるのかに係る情報であり、「営業時間情報」は当該店舗が営業している時間帯に係る情報であり、「その他情報」は、例えば、当該店舗に子供用の遊戯施設があるか、などの付加的な情報である。このようなデータベースを検索することにより、利用者の検索条件にマッチした店舗を抽出することが可能となる。
【0025】
地図データベース230は、全国の詳細なディジタル地図情報と、この地図情報上における各地域における道路情報、電車の線路情報、商業施設、建造物などが格納されている。これらの情報は、最新の情報に逐次更新される。また、これら道路等に対する工事が行われる場合には、それについて提出される情報に基づいて情報の一時的な変更や訂正が行われるようになっている。
【0026】
また、第1通信部240は各移動体端末装置100との間の通信を司るものであり、第2通信部250は各店舗端末装置300との通信を司るものである。いずれの通信においても、従来周知のごく一般的なものを用いることができる。
【0027】
次に、店舗情報提供システム加盟店舗群30における各店舗N1、N2、・・・に設置される店舗端末装置300とそれに関連する構成について説明する。図5は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの店舗端末装置及びこれに接続されるハードウエアを示す図である。
【0028】
本実施形態に係る店舗情報提供システムでは、POS(Point of Sale)が導入されている店舗(POS導入店舗)と、POSが導入されていない店舗(POS非導入店舗)とによって店舗端末装置300周辺のハードウエア構成が異なっている。前者のハードウエア構成の概要が図5(A)に示されており、後者のハードウエア構成の概要が図5(B)に示されている。
【0029】
以下、ファーストフードにおける業務形態を例にとって説明するが、本発明はこれ以外の業態についても適用することが可能であることは言うまでもない。図5(A)における店舗端末装置300には、来客推移データベース310、レジ前の様子を撮像する撮像装
置320と、レジなどにおけるPOS端末装置330と、店舗内の様子を撮像する撮像装置340と、が接続されている。POS端末装置や撮像装置は店舗端末装置300と情報通信可能に接続することができるごく一般的なものを用いることができる。
【0030】
なお、来客推移データベース310は店舗端末装置300内蔵の記憶装置(不図示)に設けることもできる。また、ファーストフード以外の業態においては、撮像装置320は座席に案内される前段階の利用者の様子を撮影するようにする。
【0031】
来客推移データベース310には、曜日や時間帯別の来客の推移が記憶されるデータベースであり、POS端末装置330から得られるデータによって随時更新され、最新のものとされる。また、撮像装置320で撮影された撮像データは店舗端末装置300によって画像解析処理がされ、レジ前に並んでいる人の数が算出される。店舗端末装置300はPOS端末装置330によって入力される売り上げに係る情報が入力される。POS端末装置330から得られる売り上げデータによって、店舗端末装置300は来客推移データベース310を更新することができるし、また、利用者の食事時間の長短を推定することが可能となる。撮像装置340で撮影された撮像データは店舗端末装置300によって画像解析処理がされ、店舗内で座席に着席している人の数が算出される。
【0032】
図5(B)における店舗端末装置300には、来客推移データベース310、店舗内の様子を撮像する撮像装置350と、が接続されている。撮像装置は店舗端末装置300と情報通信可能に接続することができるごく一般的なものを用いることができる。
【0033】
来客推移データベース310には、曜日や時間帯別の来客の推移が記憶されるデータベースである。また、撮像装置350で撮影された撮像データは店舗端末装置300によって画像解析処理がされ、店舗内で座席に着席している人の数が算出される。なお、図5(B)における店舗端末装置300における来客推移データベース310の構築にはPOS以外の手法によって適宜行う。
【0034】
次に、以上のように構成される店舗情報提供システムにおける処理フローについて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける処理フローの一例を示す図である。なお、ここで説明する処理フローはあくまで処理の一例であり、本実施形態に係る店舗情報提供システムの全ての処理がこの処理と全く同様の処理を行うものでない。
【0035】
図6の制御フローは、移動体端末装置100、センターサーバー200、店舗N1の店舗端末装置300、店舗N2の店舗端末装置300、店舗N3の店舗端末装置300それぞれにおける内部処理、及びそれぞれの間のトランザクションを簡略的に示すものとなっている。
【0036】
移動体端末装置100において、利用者による操作によって店舗情報提供システムを利用するための処理が起動されると、ステップS101で、移動体端末装置100自体の位置情報及び移動速度情報が取得される。そして、ステップS102で、利用者操作によって店舗検索条件が入力されると、続いて、ステップS103で、上記の位置情報、移動速度情報及び店舗検索条件がセンターサーバー200側に送信される。
【0037】
センターサーバー200において、ステップS201で、移動体端末装置100から位置情報、移動速度情報及び店舗検索条件を受信すると、ステップS202に進み、移動手段の検出処理のサブルーチンを実行する。このようなサブルーチンは、利用者がどのような移動手段によって店舗に向かうかなどを推測するルーチンである。このサブルーチンを状態判定処理のサブルーチンと称することとする。
【0038】
ここで、このサブルーチンについてより詳しく説明する。図7は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける状態判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。図7において、ステップS401で、サブルーチンが開始されると、次にステップS402に進み、地図データベース230と、これらの情報を照合する。
【0039】
ステップS403では、(位置情報)=(建物位置)であるか否かが判定される。建物位置は地図データベース230にデータに基づくものである。ステップS403の判定結果がYESであるときにはステップS409に進み、移動体端末装置100の利用者の状態は、建物内にいるものと判定する。ステップS410に進み、リターンする。
【0040】
ステップS403の判定結果がNOであるときにはステップS404に進む。ステップS404においては、(移動速度)>(所定速度以上)であるか否かが判定される。
【0041】
ステップS404における判定の結果がNOであるときにはステップS408に進む。ステップS408では、移動体端末装置100の利用者の状態は、徒歩により移動中と判定する。ステップS410に進み、リターンする。
【0042】
ステップS405における判定の結果がYESであるときにはステップS405に進む。ステップS405では、(位置情報)=(線路上)であるか否かが判定される。線路の位置は地図データベース230にデータに基づくものである。
【0043】
ステップS404における判定の結果がYESであるときにはステップS406に進む。ステップS406では、移動体端末装置100の利用者の状態は、電車により移動中と判定する。ステップS410に進み、リターンする。
【0044】
ステップS404における判定の結果がNOであるときにはステップS407に進む。ステップS407では、移動体端末装置100の利用者の状態は、道路上を走行する車両による移動中であると判定する。ステップS410に進み、リターンする。
【0045】
以上のように、本実施形態の移動体通信システムの状態判定処理のサブルーチンによれば、移動体端末装置100の利用者が、建物の中にいる状態であるのか、車両により移動中の状態であるのか、電車により移動中の状態であるのか、徒歩により移動中の状態であるのかを判定することが可能となる。
【0046】
再び図6の処理フローに戻ると、ステップS203で、センターサーバー200は店舗情報データベース220を参照することによって店舗検索の実行を行う。そして、ステップS204では、検索の実行結果として店舗候補を抽出する。
【0047】
ステップS205では、位置情報、及びステップS202で判明した移動手段情報に基づいて、利用者がそれぞれの店舗に到着する時刻を予測する。図8は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける到着時刻予測の方法の考え方を示す図である。図8は移動体端末装置100が存在する現在位置から、例えば店舗N1に向かうときのパターンを示している。
【0048】
図8(a)はステップS202で利用者が電車で移動中である場合のルートを示しており、この場合は、例えば最適な乗り継ぎを見いだして、到着時刻の予測を行う。また、図8(b)はステップS202で利用者が車両で移動中である場合のルートを示しており、この場合は、例えば最適なルートを見いだして、到着時刻の予測を行う。また、図8(c)はステップS202で利用者が徒歩で移動中である場合のルートを示しており、この場
合は、例えば最適な歩行ルートを見いだして、到着時刻の予測を行う。また、図8(d)はステップS202で利用者が建物内にいる場合のルートを示しており、この場合は、利用者はどのような移動手段によって店舗に向かうか不明であるので、例えば現在位置と店舗間の距離に適用な定数を乗じて求めた時間によって、到着時刻の予測を行う。
【0049】
ステップS206では、抽出された店舗に対して、当該店舗に到着予測時刻における混雑度の問い合わせを行う。ここでは、店舗N1、店舗N2、店舗N3・・に対して問い合わせを行っている様子が示されているが、店舗N1を代表として説明する。
【0050】
ステップS301で、店舗端末装置300が到着予測時刻受信すると、次のステップS302では、当該到着予測時刻と現在時刻とが所定時間T以下であるか否かを判定する。ステップS302における判定の結果がYESであるときにはステップS303に進む。ここで、所定時間Tは例えば30分以下程度の時間で、この場合、今後の混雑度が現在の混雑度からある程度予測可能となる。すなわち、ステップS303では、店舗の実状況によよって混雑度の予測を行う。
【0051】
また、ステップS302における判定の結果がNOであるときにはステップS304に進む。この場合は、当該到着予測時刻と現在時刻との差が大きく、現在の混雑度から将来の混雑度が困難である。すなわち、ステップS304では、これまでの過去の来客履歴による混雑度の予測を行う。そして、ステップS305では、求められた混雑度予測をセンターサーバー200に向けて送信する。
【0052】
ここで、ステップS303における店舗実状況に基づく混雑度の予測サブルーチンについて説明する。図9は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける店舗実状況による混雑度予測処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【0053】
ステップS500において、店舗実状況による混雑度予測処理のサブルーチンが開始されると、次にステップS501に進み、当該店舗がPOS導入店舗であるか否かが判定され、判定結果に応じてステップS502(YES)又はステップS509(NO)に進む。
【0054】
POS導入店の場合は、ステップS502において、撮像装置320によって店舗内画像が取得される。次のステップS503では、撮像装置320によって得られた撮像データを画像解析処理することにより、座席数の埋まり具合等を求め、現在の混雑度を求める。この混雑度については適宜定義することができるが、例えば席の混み具合が上がれば上がるほど、大きくなる数値とすれば分かりやすい。
【0055】
次のステップS504では、POS端末装置330からPOSデータを取得し、ステップS505では、POSデータから、今後予測される混雑緩和の程度−混雑緩和度−が求められる。POSデータには、利用者がどのようなメニューを選んだか、或いは利用者のうちに子供が含まれるか、などが反映されており、そのようなデータを利用することにより、それぞれの利用者の食事の進行具合を予測し、もって混雑緩和がどの程度となるかを予測することを可能となる。この混雑緩和度についても特段の定義を行うわけではないが、例えばこの値が高いほど混雑度合いが解消する方向に向かうものとすれば分かりやすい。
【0056】
ステップS506では、撮像装置340によってレジ前画像が取得される。ステップS507では、撮像装置340によって得られた撮像データを画像解析することにより、混雑がどの程度進行するかに係る度合いである混雑寄与度が求められる。混雑寄与度に対する厳密な定義をすることはないが、画像解析によってレジ前の人数が多ければ多いほど将
来の店舗内の混雑に寄与することとなるので、人数が多いほど大きな数値となるようにすると分かりやすい。
【0057】
ステップS508では、混雑度を(混雑度)=(現在混雑度)−(混雑緩和度)+(混雑寄与度)によって算出する。ステップS511にて、メインのルーチンにリターンする。
【0058】
ステップS502での判定がNOでるときは当該店舗がPOS非導入店舗の場合である。この場合、ステップS509に進み、撮像装置350によって店舗内画像を取得し、ステップS510で、得られた撮像データを画像解析することにより混雑度の算出を行う。POS非導入店舗の場合には、将来の混雑度の増減を加味するためのデータを得ることはできないので、店舗内の画像データのみによって混雑度を測る。ステップS511で、リターンしメインルーチンに戻る。
【0059】
次に、ステップS304における過去履歴に基づく混雑度の予測サブルーチンについて説明する。図10は本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける履歴による混雑度予測処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【0060】
ステップS600で、履歴による混雑予測サブルーチンが開始されると、続いてステップS601に進み、来客推移データベース310が参照されて、過去の来店客推移情報が取得される。このような来店客推移情報は曜日、祝祭日、時刻などが考慮されたものとなる。ステップS602では、上記のような来店客推移情報に基づいて到着予測時刻における混雑度が算出され、ステップS603でメインルーチンにリターンする。
【0061】
再び、図6の処理フローに戻り説明を続ける。ステップS207では、各店舗の店舗端末装置300から、センターサーバー200に向けて送信された混雑度予測が受信される。ステップS208では、検索された店舗に係る情報、センターサーバー200側で求めた到着予測時刻と、店舗端末装置300で算出された混雑度予測を合わせて、移動体端末装置100に向け送信する。なお、ステップS208では移動体端末装置100に向けて送信する前に、ステップS102で入力された店舗検索条件に基づいてステップ204で検索された検索店舗候補を到着予測時刻と混雑度予測に基づいてさらに選択する。すなわち、例えば、ステップS208で受信した検索店舗候補が20店舗あったとすると、この到着予測時刻と混雑度予測から予め設定された条件に合わない店舗が除かれて10店舗に絞られて(選択されて)移動体端装置100に向けて送信されることになる。ところで、本実施例では、ステップS208で移動体端末装置100に送信する前に到着予測時刻と混雑度予測に基づいてステップS204で検索された検索店舗候補を絞った(選択した)が、後述するステップS105で店舗リストとして表示する際に到着予測時刻と混雑度予測に基づいて絞っても(選択しても)良い。到着予測時刻と混雑度予測は、予め設定された所定の条件と比較されることで検索店舗候補が選択されることになるが、予め設定された所定の条件は、到着予測時刻と混雑度予測にそれぞれ決められた条件、例えば、到着予測時刻の5分以内、混雑度予測で60%以内という条件が設定されていても良いし、到着予測時刻の5分以内であって混雑度予測60%以内というように複合された条件が設定されてあってもよい。
【0062】
移動体端末装置100は、ステップS104で店舗情報・到着予測時刻・混雑度予測を受信すると、ステップS105で、到着予測時刻・混雑度予測付きの店舗リストをディスプレイ115に表示する。ユーザーは例えば、ステップS106に示すように、店舗リストから店舗を選択したり、或いは、ステップS107に示すように、移動体端末装置100がカーナビゲーションシステムである場合などには、目的地としてセットしたりする。
【0063】
以上のような本発明に係る店舗情報提供システムによれば、利用者は店舗の混雑度に係る情報を取得することが可能となり、利用者側はこのような混雑度を参照することで、自らに都合がよい店舗を選択することができるし、また店舗側でも極度の混雑状況を予め回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの概念を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムで用いる移動体端末装置のブロック構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムのセンターサーバーの概要を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの店舗情報データベースに記憶されるデータ構造例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムの店舗端末装置及びこれに接続されるハードウエアを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける処理フローの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける状態判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける到着時刻予測の方法の考え方を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける店舗実状況による混雑度予測処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る店舗情報提供システムにおける履歴による混雑度予測処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10・・・サービス利用者、20・・・店舗情報提供システム管理センター、30・・・店舗情報提供システム加盟店舗群、100・・・移動体端末装置、101・・・CPU、102・・・バス、104・・・RAM、105・・・入力操作部、106・・・入力回路、108・・・音声制御回路、109・・・マイクロフォン、112・・・スピーカ、114・・・表示制御回路、115・・・ディスプレイ、116・・・通信制御回路、119・・・GPS受信部、120・・・データ保存部、200・・・センターサーバー、210・・・演算部、220・・・店舗情報データベース、230・・・地図データベース、240・・・第1通信部、250・・・第2通信部、300・・・店舗端末装置、310・・・来客推移データベース、320・・・撮像装置、330・・・POS端末装置、340・・・撮像装置、350・・・撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体端末装置から、店舗検索条件と、前記移動体端末装置の位置情報及び移動速度情報を受信する手段と、
前記移動体端末装置から受信した前記店舗検索条件に基づいて候補店舗を抽出する手段と、
前記移動体端末装置から受信した位置情報及び移動速度情報に基づいて前記移動体端末装置利用者の状態情報を判定する手段と、
前記候補店舗と前記状態情報とに基づいて前記移動体端末装置利用者が前記候補店舗に到着する到着時刻を予測する手段と、
前記到着時刻における混雑度を前記候補店舗に設置される店舗端末装置に問い合わせる手段と、
前記店舗端末装置から前記到着時刻における混雑度を受信する手段と、
前記候補店舗と前記到着時刻と前記混雑度を前記移動体端末装置に送信する手段と、を有することを特徴とする店舗情報提供システム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記到着時刻と前記混雑度に基づいて前記候補店舗を選択し、該選択された候補店舗及び該候補店舗に対応する到着時刻と混雑度を前記移動体端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の店舗情報提供システム。
【請求項3】
前記店舗端末装置は店舗内の様子を撮像する撮像装置を有し、
前記撮像装置により撮像された撮像データから混雑度を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の店舗情報提供システム。
【請求項4】
前記店舗端末装置は過去の来店客の履歴を記憶する来店客推移データベースを有し、
前記来店客推移データベースに基づいて混雑度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の店舗情報提供システム。
【請求項5】
前記店舗端末装置は、前記撮像データに基づいて現在の混雑度と混雑寄与度及び前記来客推移データベースから混雑緩和度を算出し、前記現在の混雑度と前記混雑寄与度及び前記混雑緩和度に基づいて前記到着予測時刻における前記混雑度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の店舗情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−86300(P2010−86300A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254993(P2008−254993)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】