説明

座布団カバー

【課題】椅子などを持ち上げたり、傾けた場合に滑り落ちにくく、座布団が汚れた場合には、座布団からの取り外し、取り付けが容易に出来る座布団カバーを提供する。
【解決手段】任意の座布団表面を覆う表面と折り返し片部とが一体となった座布団カバーであり、折り返し片部に載置する滑り止めマットが着脱可能な固定手段となった座布団カバーとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座布団カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子などを持ち上げたり、傾けた場合に、座布団が椅子からの転落やズレが生じるため、落下を防ぐ措置として、従来は座布団に縫い付けてある紐を椅子に結び付けていた。また、座布団の汚れを防ぐために座布団にカバーをかけるが、従来の座布団カバーは、ファスナーの開け閉めや紐で結び付けることにより座布団を出し入れしている。
【0003】
椅子の上に座布団を置いただけの場合は、掃除機をかけるときなど、椅子を移動する際に椅子の傾きにより、座布団がズレ、床に落ちてしまい、その度に拾う煩わしさがある。
【0004】
台所の座布団などは、食事の際に汚れが付きやすく、度々洗濯をしたいところであるが、ファスナーや紐を結ぶ従来の座布団カバーの取り付けは、座布団を座布団カバーの四隅の奥まで座布団の角を合わせ、押し込まなければきれいに取り付けられない手間と煩わしさがある。
【0005】
また、従来の座布団に取り付けられている紐の位置と椅子大きさが違う場合があり、紐が結びにくい位置であったり、紐の長さが足りなかったり、椅子の形によっては、紐が結べないものもある。
【0006】
座布団のズレ防止として、座布団本体の裏面に滑り止めのある座布団もあるが、座布団を洗濯する際、綿の厚みにより乾きにくい上、綿の偏りなどの問題が発生する。
【0007】
椅子と座布団の間に滑り止めマット2を置いた場合でも、立ったり座ったりの動作により滑り止めマット2がよれる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−013404号公報
【特許文献2】特開2003−89945公報
【特許文献3】実開平06−77606号公報
【特許文献4】実登3096002号公報
【特許文献5】実登3135116号公報
【0009】
特許文献1は、椅子の座面に載置される座布団本体と、座布団本体に連結され、座布団の周囲の少なくとも2方向に、椅子の座面裏面においてそれぞれ対向するように設けられた裏面部と、前記の裏面部の先端に設けられ、対向する裏面部同士を固着するために設けられた固着部材とから椅子固着用座布団を構成し、椅子に載置した状態で、一対の固着部材同士をそれぞれ固着して固定するものであるが、座布団の設置には、椅子の裏側にて固着しなければいけないため、椅子の下側に体を回らせるか、或いは椅子を引っくり返して固着しないといけない手間がかかる問題がある。また、椅子の大きさや形により座布団本体に連結された裏面部が余ったり、足りないという不都合が生じる場合がある。
【0010】
特許文献2は、滑止クッションS1表面を構成する滑止シートは、たて糸として摩擦抵抗が大きいポリウレタン裸糸Cを用いた搦み織りで織られている。したがって、滑止シート表面には多数の凹凸が形成され、滑止シートは優れた滑り止め作用を発揮する。また、よこ糸間の隙間によって形成される透けた空隙部分と多数の凹凸により、滑止クッションS1が身体に密着しても空気が流通しやすく、蒸れにくいものであるが、汚れた場合に洗濯機に入れ丸洗いできない問題がある。
【0011】
特許文献3は、椅子の座板上面と、座布団の裏面に面状ファスナーを取着し、両面状ファスナー同士を係合させることによって、椅子の座板上面に座布団を固定するようにしてなる座布団の滑り止め構造であるが、椅子の座板上に面状ファスナーを取着することは、椅子のデザイン性が損なわれることになる。また、座布団の裏面に夫々面状ファスナーの位置が特定されるため、椅子の座板上面とピッタリと合わせなければ固定の効果がないので、設置に方向、位置等の調整が必要となる上、椅子と座布団をセットで使用しなければ固定の効果がない不都合がある。
【0012】
特許文献4は、座布団本体を椅子の座面及び背凭れ面に簡単に装着でき、また座布団本体の裏面が滑り止め加工したシートによって形成されているものであるが、座布団の四隅に椅子に固定するための紐を設けたことを特徴しているため、紐の取り付け、洗濯の際は、乾きにくく、座布団内の綿の偏ってしまうことがある。
【0013】
特許文献5は、前方が高く後方に低く傾斜角度を持ったクッションを面状ファスナーで座椅子の座面に貼付により、クッションにより座面の前方が高く傾斜するため背もたれにもたれ掛かっても、尻が滑りにくくなるものであるが、クッションの座面の前方が高く傾斜がある特徴は、専用の形のカバーをつけていないことには、汚れが付着した場合に洗濯をすることが出来ない問題がある。
また、座り心地において、座面の前方が高く傾斜になっていると、椅子の形によっては、奥行きが深くなりお尻が沈む形となり、立ち上がりにくい問題が生じる。
【0014】
これら座布団と椅子の関係における欠点であった、椅子の移動の際の傾きにより、座布団が落ちる煩わしさ、座布団を紐による取り付けの不具合と手間、座布団カバーの付け替えが容易に出来る工夫と取り付けの簡便さを提供したい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明が解決しようとする課題は次のとおりである。
(1)
椅子などを持ち上げたり、傾けた場合に、座布団が椅子からの転落やズレが生じにくい座布団としたい。
(2)
汚れたら度々洗濯がしやすい、取替えやすい座布団カバーとしたい。
(3)
椅子の大きさや形により座布団の紐が結べない場合もあるため、紐がなくても椅子に設置できる座布団としたい。
(4)
洗濯した場合、乾きが早く衛生的な座布団カバーとしたい。
(5)
紐、ファスナー等のないシンプルな座布団カバーとし、安価な座布団カバーを提供したい。
【0016】
以上の5点を解決できるものとして、座布団カバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は課題を解決するために、任意の座布団表面を覆う表面と折り返し片部とが一体となった座布団カバーであり、折り返し片部に載置する滑り止めマットが着脱可能な固定手段となった座布団カバーとした。
【0018】
発泡樹脂シートの少なくとも一方の面に、表面に多数の凹部を有する吸着性シートが上記凹部を有する面を外側にして積層されている滑り止めマットを着脱可能とした座布団カバーとした。
【0019】
任意の座布団表面を覆う表面と折り返し片部と滑り止めマットにより構成される座布団カバーとした。
【発明の効果】
【0020】
任意の座布団の下に載置される防滑性の滑り止めマットと該滑り止めマット上に任意の座布団の座布団表面を覆うカバー本体と滑り止めマットを挿み設置する折り返し片部と折り返し片部にて着脱可能な着脱固定手段とよりなる座布団カバーとしたことで、椅子などを持ち上げたり、傾けた場合に滑り落ちにくく、座布団が汚れた場合には、座布団からの取り外し、取り付けが容易に出来る座布団カバーとなった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1を示したものであり、本発明の裏面の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に示した座布団カバーの取り付け方を示した説明斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に示した座布団カバーの展開図である。
【図4】本発明の実施例1に示した座布団カバーを取り付けた状態の断面図である。
【図5】本発明の実施例2を表した構造説明図である。
【図6】本発明の実施例3を表した仕様説明図である。
【図7】本発明の実施例4を表した仕様説明図である。
【図8】本発明の座布団が椅子を傾斜させても滑り落ちにくいことを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の座布団カバーは、載置される防滑性の滑り止めマットにより、椅子の上に載置される座布団が椅子を持ち上げたり、傾けた場合に滑り落ちにくく、座布団からの取り外し、取り付けが容易に出来る座布団カバーであり、以下実施例に沿って詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1〜図4は、本発明の実施例1を表したものであり、図1は本発明の裏面の斜視図、図2は、座布団カバーの取り付け方を示した説明斜視図、図3は本発明の座布団カバーの展開図、図4は、本発明の座布団カバーを取り付けた状態の断面図を示したものである。
【0024】
図1は、本発明の実施例1を表したものであり、図1は本発明の裏面の斜視図で示すように、防滑性の滑り止めマットと該滑り止めマット上に任意の座布団の座布団表面を覆うカバー本体と滑り止めマットを挿み設置する折り返し片部と折り返し片部にて着脱可能な着脱固定手段とで構成される。
【0025】
座布団カバー3は、図1で示すように座布団カバー本体の裏面には、該座布団カバーの折り返し片部4があり、折り返し片部から防滑性の滑り止めマット2を挿み設置することが出来る。図1は、該座布団カバーを座布団に装着した装着した状態である。
【0026】
座布団カバー3は、図2で示すように座布団カバー3に座布団1を挿入し、広げ整え、防滑性の滑り止めマット2を折り曲げ、挿み込んで広げ整えることにより装着が出来る。
【0027】
座布団カバーの折り返し片部4は、図3で示すように座布団カバーの展開図から座布団カバーの縫い合わせ部5を縫い合わせることにより、座布団カバーの折り返し片部4となる。
【0028】
図4は、座布団カバーを取り付けた状態の断面図であるが、内側の座布団1を覆う座布団カバー3の上に滑り止めマット2を座布団カバーの折り返し片部4により固定している状態となる。
【0029】
座布団カバーとして使用する布地は、綿・ポリエステル・合成皮・皮・等適宜に選択することが出来る。座布団の形については、四角形に限らず円形や三角形等にしてもよい。
【実施例2】
【0030】
図5は、本発明の実施例2を示したものであり、基本的には実施例1の構成と同様になるので、異なる構成についてのみ説明し、共通の内容については割愛する。
【0031】
実施例2においては、布地6の周囲先端に設けられた側部面ファスナー凹面7bと、布地6の角端に設けられた角部面ファスナー凹面8bと、座布団1と、対向する着接するために設けられた滑り止めマット2の周囲4方向の先端に設けられた側部面ファスナー凸面7aと対向する滑り止めマット2の角端に設けられた角部面ファスナー凸面8aとから構成される。
【0032】
実施例2においては、図5に示すように座布団1を布地6と滑り止めマット2で覆い、双方にある側部面ファスナー7a
、7bを係合し、角部面ファスナー8a、8bを係合し装着することができる。
【実施例3】
【0033】
図6は、本発明の実施例3を示したものであり、基本的には実施例1の構成と同様になるので、異なる構成についてのみ説明し、共通の内容については割愛する。
【0034】
実施例3においては、座布団1を覆う座布団カバー本体3と滑り止めマット2をファスナーで固着したものである。
【実施例4】
【0035】
図7は、本発明の実施例4を示したものであり、基本的には実施例1の構成と同様になるので、異なる構成についてのみ説明し、共通の内容については割愛する。
【0036】
実施例4においては、座布団1を覆う座布団カバー本体の折り返し片部4の先端の4辺にゴムを縫い付けたもので、しっかりと座布団が固定出来るものである。
【0037】
次に、実施例1から実施例4の座布団カバーの使用方法について説明する。座布団1の下に滑り止めマット2を取り付けた座布団カバーを表面に向け、椅子の上に載置して座ることが出来る。掃除などで椅子を動かす場合には、図8で示すような角度まで倒しても、滑り落ちにくい座布団カバーとなる。
【符号の説明】
【0038】
1 座布団
2 滑り止めマット
3a 座布団カバー
3b 座布団カバー展開面
4 座布団カバー折り返し片部
5 座布団カバー縫い合わせ部
6 布地
7a 側部面ファスナー凸面
7b 側部面ファスナー凹面
8a 角部面ファスナー凸面
8b 角部面ファスナー凹面
9 ファスナー
10 ゴム紐
11 椅子



【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の座布団表面を覆う表面と折り返し片部とが一体となった座布団カバーであり、折り返し片部に載置する滑り止めマットが着脱可能な固定手段となった座布団カバー。
【請求項2】
発泡樹脂シートの少なくとも一方の面に、表面に多数の凹部を有する吸着性シートが上記凹部を有する面を外側にして積層されている滑り止めマットを着脱可能としたことを特徴とする請求項1記載の座布団カバー。
【請求項3】
任意の座布団表面を覆う表面と折り返し片部と滑り止めマットにより構成されたことを特徴とする請求項1記載の座布団カバー。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−125412(P2011−125412A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284655(P2009−284655)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(309026370)