説明

座席

【課題】 骨格のサイズや体重が大きく異なる大人と子供の両者に対して最適な弾性力を付与できる座席を提供する。
【解決手段】 座席フレーム5に取り付けられるクッション支持部材2によりシートクッション3を下面側から支持して成る座席。クッション支持部材2は、座骨結節点4が位置する後方領域41にてシートクッション3を支持する第1支持部21と、後方領域41の手前側の前方領域42にて前記第1支持部21より弱い弾性力でシートクッション3を支持する第2支持部22とを有する。第1支持部21は、座骨結節点4を挟むように各々座席の左右方向に沿って張設された少なくとも2本の主Sバネ25a,25bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション支持部材によりシートクッションを下面側から支持して成る座席に関する。詳しくは、座席深く着座する大人に対しても、また、座席前寄りの位置に浅く着座する子供に対しても、それぞれ良好な弾力を付与できるようにした座席に関する。特に、車両用として好適な座席に関する。
【背景技術】
【0002】
電車等の車両用座席として、車体側の座席フレームに取り付けたシートパン上に、シートクッションを設けたものが提供されている。このシートクッションとして、以前は、弾力の有るポリウレタン製のものが用いられていたが、近年は、環境問題に鑑み、ポリエステル製のものが用いられている。しかし、ポリエステル製のシートクッションは、ポリウレタン製のシートクッションと比較すると、使用開始当初から弾力性が少なく、更に、経年での弾性力の劣化が顕著である。
【0003】
特開平08−010095号公報(特許文献1)には、クッションフレーム上にバネを取り付け、その上にクッションパッドを載置するとともに、気体を封入したエアマットをクッションパッドとバネの間に設け、エアマットの封入気体を給排可能と成すことで、その硬度を調整できるようにしたものが開示されている。
特開2007−216858号公報(特許文献2)には、シートフレームにより複数本のSバネを左右方向に張設・支持し、その上にシートを配置したものであって、座席左右方向を鉄道車両の進行方向と成した鉄道車両用椅子が開示されている。この鉄道車両用椅子では、Sバネが座席左右方向(車両進行方向)に沿って設けられているため、進行方向の揺れが生じたとしても、着座者の乗り心地を良くできる旨、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−010095号公報
【特許文献2】特開2007−216858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエステル製のシートクッションはポリウレタン製のシートクッションより弾力性が乏しいため、座り心地を改善したいという要請がある。座席の座り心地は、着座者に対して座席から加わる弾性力、即ち、座骨結節点に於いて着座者に加わる弾性力を最適化することにより改善できる。
しかるに、車両用等の座席では、大人ばかりでなく子供も着座する。大人と子供では骨格のサイズが大きく異なるため、弾性力を最適化すべき座骨結節点の部位が、それぞれ異なる。のみならず、大人と子供では体重も大きく異なるため、付与すべき最適な弾性力の大きさ自体もそれぞれ異なる。
【0006】
本発明は、大人と子供とで座骨結節点の部位が異なること、及び、座骨結節点に於いて付与すべき最適な弾性力の大きさも大人と子供とで異なることを考慮して、大人に対しても子供に対しても最適な弾性力を付与できる座席を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記[1]〜[7]のように構成される。
本項「課題を解決するための手段」と、次項「発明の効果」に於いて、各符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
【0008】
[1]構成1
座席フレーム5に取り付けられるクッション支持部材によりシートクッション3を下面側から支持して成る座席であって、
前記クッション支持部材は、座骨結節点4が位置する奥側の領域である後方領域41にてシートクッション3を支持する第1支持部21と、前記後方領域41の手前側の領域である前方領域42にて前記第1支持部21より弱い弾性力でシートクッション3を支持する第2支持部22とを有し、
前記第1支持部21は、座骨結節点4を挟むように各々座席の左右方向に沿って張設された少なくとも2本の主バネ25(25a,25b)を有する、
ことを特徴とする座席。
主バネ25(25a,25b)としては、例えばSバネを用いることができるが、Sバネに限定されず、他に、コイルバネ等を用いることができる。
[2]構成2
構成1に於いて、前記クッション支持部材は、少なくとも前記第2支持部22にシートパン28を有する、
ことを特徴とする座席。
【0009】
[3]構成3
構成1又は構成2に於いて、前記クッション支持部材は、前記主バネ25(25a,25b)より前方側の位置において座席の左右方向に張設された、前記主バネ25(25a,25b)より弾性力が弱い、少なくとも1本のサブバネ26を、前記第1支持部21及び/又は前記第2支持部22に有する、
ことを特徴とする座席。
サブバネ26としては、主バネと同様に、例えばSバネを用いることができるが、Sバネに限定されず、他に、コイルバネ等を用いることができる。
[4]構成4
構成3に於いて、前記クッション支持部材は複数本のサブバネ26,26を有し、相互に隣接するサブバネ26,26の弾性力は等しいか又は奥側ほど強い、
ことを特徴とする座席。
[5]構成5
構成4に於いて、前記少なくとも2本の主バネ25,25の弾性力、及び/又は、前記複数本のサブバネ26,26の弾性力は、奥側ほど強い、
ことを特徴とする座席。
【0010】
[6]構成6
構成3に於いて、前記第1支持部21は、座骨結節点4を挟み弾性力が同じである2本の主バネ25a,25bと、1本のサブバネ26aとを、構成要素として有する、
ことを特徴とする座席。
サブバネ26の配置部位が、2本の主バネ25a,25bと同じ第1支持部21であるため、前方側の主バネ25bに比較的近接した位置となる。
【0011】
[7]構成7
構成3〜構成6の何れかに於いて、前記クッション支持部材は、少なくともサブバネ26の下方にシートパン28を有する、
ことを特徴とする座席。
【発明の効果】
【0012】
構成1は、座席フレーム5に取り付けられるクッション支持部材によりシートクッション3を下面側から支持して成る座席であって、前記クッション支持部材は、座骨結節点4が位置する奥側の領域である後方領域41にてシートクッション3を支持する第1支持部21と、前記後方領域41の手前側の領域である前方領域42にて前記第1支持部21より弱い弾性力でシートクッション3を支持する第2支持部22とを有し、前記第1支持部21は、座骨結節点4を挟むように各々座席の左右方向に沿って張設された少なくとも2本の主バネ25(25a,25b)を有することを特徴とする座席であるため、大人に対しては後方領域41に対する第1支持部21の主バネ25(25a,25b)の十分な弾性力により、また、子供に対しては前方領域42に対する第2支持部22の相対的に弱い弾性力により、それぞれ弾性力を付与することができる。即ち、大人に対しても子供に対しても最適な弾性力を付与することができる効果がある。
構成2は、構成1に於いて、前記クッション支持部材は少なくとも前記第2支持部22にシートパン28を有することを特徴とする座席であるため、構成1の効果に加えて、更に、第2支持部22の相対的に弱い弾性力の下限を確保することができる効果がある。
【0013】
構成3は、構成1又は2に於いて、前記クッション支持部材は、前記主バネ25(25a,25b)より前方側の位置において座席の左右方向に張設された、前記主バネ25(25a,25b)より弾性力が弱い、少なくとも1本のサブバネ26を、前記第1支持部21及び/又は前記第2支持部22に有することを特徴とする座席であるため、大人に対しては後方領域41に対する第1支持部21の主バネ25(25a,25b)の十分な弾性力により、また、子供に対しては前方領域42に対する第2支持部22の相対的に弱い弾性力により、それぞれ、最適な弾性力を付与することができる。また、サブバネ26が前記第1支持部21に設けられている構成では、大人に対する弾性力を前方ほど徐々に弱く成るように設定でき、より快適感を与えることができる効果がある。また、サブバネ26が前記第2支持部22に設けられている構成では、子供に対する弾性力を更に良好に調整することかできる効果がある。
構成4は、構成3に於いて、前記クッション支持部材は複数本のサブバネ26,26を有し、相互に隣接するサブバネ26,26の弾性力は等しいか又は奥側ほど強いことを特徴とする座席であるため、構成3の効果に加えて、大人及び子供又は子供に対する弾性力を前方ほど徐々に弱くなるように更に良好に調整できるとともに、大人と子供の中間の骨格サイズ・体重の着座者に対しても最適な弾性力を付与することができる効果がある。
構成5は、構成4に於いて、前記少なくとも2本の主バネの弾性力、及び/又は、前記複数本のサブバネの弾性力は、奥側ほど強い、ことを特徴とする座席であるため、構成3の効果に加えて、大人及び/又は子供に対する弾性力を前方ほど徐々に弱くなるように更に良好に調整できるとともに、大人と子供の中間の骨格サイズ・体重の着座者に対しても最適な弾性力を付与することができる効果がある。
【0014】
構成6は、構成3に於いて、前記第1支持部21は、座骨結節点4を挟み弾性力が同じである2本の主バネ25a,25bと1本のサブバネ26aとを構成要素として有することを特徴とする座席であるため、大人に対しては後方領域41に対する第1支持部21の主バネ25(25a,25b)の十分な弾性力により、また、子供に対しては前方領域42に対する第2支持部22の相対的に弱い弾性力により、それぞれ、最適な弾性力を付与することができる。また、大人に対する弾性力を前方ほど徐々に弱く成るように設定してより快適感を与える効果を、最小の本数の主バネ及びサブバネにより得ることができる効果がある。
【0015】
構成7は、構成3〜6の何れかに於いて、前記クッション支持部材は少なくともサブバネ26の下方にシートパン28を有することを特徴とする座席であるため、それぞれ対応する構成3〜6の効果に加えて、更に、弾性力が相対的に弱いサブバネの下方への曲げ度合いを或る値にて規制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の構成例の要部を示す模式図。(a)〜(c)は第1の構成例を示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(b1)〜(b3)は(b)内シートパン28の変形例を示す図、(c)は正面図。(x)〜(y)は第2の構成例を示し、(x)は上面図、(y)は側面図、(y1)〜(y4)は(y)内シートパン28の変形例を示す図。
【図2】本発明の構成例の要部を示す模式図。(h)〜(j)は第3の構成例を示し、(h)は上面図、(i)は側面図、(i1)〜(i3)は(i)内シートパン28の変形例を示す図、(j)は正面図。(p)〜(q)は第4の構成例を示し、(p)は上面図、(q)は側面図、(q1)〜(q4)は(q)内シートパン28の変形例を示す図。
【図3】図1(a)〜(c)に示す第1の構成例に対応する第1の実施の形態の車両用座席を示し、(a)は上面図に於いてシートクッションを透視してSバネとシートパンを示した図、(b)は正面図に於いてSバネを破線で示した図、(c)は側面図に於いて透視してSバネを示した図である。
【図4】Sバネの斜視図(a)と、取り付け部位を示す上面図(b)
【図5】図2(h)〜(j)に示す第3の構成例に対応する第2の実施の形態の車両用座席を示し、(a)は上面図に於いてシートクッションを透視してSバネとシートパンを示した図、(b)は正面図に於いてSバネを破線で示した図、(c)は側面図に於いて透視してSバネを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1)第1の実施の形態
図3、図1(a)〜(c)、図4を参照して、第1の実施の形態を説明する。
図3に示す座席は、鉄道車両用の3人掛の座席であり、車両の内壁部6に取り付けられる。即ち、座席フレーム5が、その背部5aを、車両の内壁部6に公知の手法で取り付けられる。その座席フレーム5に、クッション支持部材やバック支持部材29が公知の手法で取り付けられ、それぞれ、シートクッション3や背部クッション35を支持する。
【0018】
座席フレーム5は、背部5aと、背部5aの下端から前方(図3(c)で左方)へ延設された座部5bから成る。座部5bは、背部5aの下端から前方へ延設され2本づつで着座区画59の横枠を成す合計6本の横枠体5bsと、該6本の横枠体5bsの前端部に架設された前枠体5bfを有する。隣接する着座区画59の間に位置する2本づつの横枠体5bsは、相互に固着されて一体化されている。
【0019】
各着座区画59には、シートパン28が設けられている。シートパン28は金属製の平板であり、両縁部を横枠体5bs,5bsにより、前縁部を前枠体5bfにより、後縁部を背部5aの下端部により、それぞれ支持されている。シートパン28は、その大部分が平板であるが、該平板部分を設置すべき高さやシートパン28を支持する部位の高さ(横枠体5bs、前枠体5bf、背部5aの下端部、の各取付位置の高さ)等との関係で、適宜、盆形状等に形成されていてもよい。
【0020】
シートパン28の上方には、3本のSバネ25a,25b,26aが、それぞれの両端部を横枠体5bs,5bsにより支持されて(図3(a)参照)、それぞれ上に凸となるキャンバーを持たせて(図3(b),図4(a)参照)、座席左右方向に沿って張設されている。ここで、Sバネ25a,25bは弾性力の強いバネ(請求項記載の主バネ)であり、これら主バネ25a,25b間に、座骨結節点4(図1(a)参照)が位置する。換言すれば、2本の主バネ25a,25bは、座骨結節点4を挟むように設けられている。この座骨結節点4の位置は周知であるが、概ね、座部の最後部から前方へ12〜18cm程度、略10数cm程度の位置である。一方、Sバネ26aは、主バネ25a,25bより弾性力が小さいバネ(請求項記載のサブバネ)である。
【0021】
これら3本のSバネ25a,25b,26aは、本例では、後方領域41内の比較的前方寄りの領域に、等間隔に張設されている。ここで、後方領域41とは、着座区画59内背部5a寄りの領域であり、大人が着座することが想定されている領域である。この後方領域41の前方に、子供が着座することが想定されている前方領域42が位置する。この前方領域42には、本実施の形態ではSバネは設けられてなく、シートパン28のみによってシートクッション3が支持されている。即ち、子供用の前方領域42にてシートクッション3が支持される弾性力は、大人用の後方領域41にてシートクッション3が支持される弾性力よりも小さい。なお、2本の主Sバネ25a,25bの弾性力は本例では等しく、大人を支えるのに十分な大きさである。
【0022】
各Sバネ(主バネ25a,25b、サブバネ26a)は、端部を図4(b)に示すような取付金具510に連結されており、この取付金具510が、横枠体5bsの所定の取付部51(図1(b)参照)に固着される。即ち、各Sバネ(主バネ25a,25b、サブバネ26a)が、横枠体5bsに取り付けられる。なお、図4(b)には、隣接する着座区画59,59の間の2本で一体の横枠体5bs,5bsにSバネを取り付けるための取付金具510が示されているが、3人掛座席両端部の横枠体5bsにSバネを取り付けるための取付金具は、図3(b)に示す取付金具の略右半分(又は略左半分)に該当する形状を成す。
【0023】
このように構成される第1の実施の形態では、子供用の前方領域42にはSバネが無くシートパン28のみでシートクッション3を支持するため、子供用の前方領域42にてシートクッション3を支持する弾性力は、大人用の後方領域41にてシートクッション3を支持する弾性力よりも小さい。このため、座席に浅く腰掛ける子供に対しては前方領域42の軽い弾性力で良好な着座感を与えることができる。また、座席に深く着座する大人に対しては、後方領域41の十分な弾性力により、良好な着座感を与えることができる。また、大人が若干浅く腰掛けた場合でも、サブSバネ26aにより、ある程度の弾性力を付与できるため、適度に良好な着座感を与えることができる。さらに、各Sバネの下方にシートパン28が設けられているため、当該Sバネの許容範囲を越えるような過大な荷重が加わった場合でも、下方への曲げをシートパン28で下限を規制される所定範囲内に抑えることができる。
【0024】
なお、着座区画の全域を支えるシートパン28に代えて、図1(b1)〜(b3)に点線で示すような、着座区画内の後方寄り領域を適宜に除く着座区画内の一部領域(少なくとも前方領域42を含む一部領域)のみを支えるシートパン28−1,28−2,28−3を設けるようにしてもよい。
【0025】
(2)第2の実施の形態
図5、図2(h)〜(j)を参照して、第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同様の内容についての説明は省略し、異なる内容のみを説明する。
第2の実施の形態では、Sバネとして主バネ25a,25bのみを設けており、第1の実施の形態のサブバネ26aは設けていない。これにより、部品点数を削減している。このようにサブバネを省略しても、弾性力調整に関するきめ細やかさに於いて第1の実施の形態よりも若干劣るものの、概ね、同等の効果を達成することができる。
【0026】
(3)第3の実施の形態
図1(x)〜(y)を参照して説明する。なお、第1や第2の実施の形態と同様の内容についての説明は省略し、異なる内容のみを説明する。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態に於いて、座部内の中央部分から若干前方寄りの領域(子供用の前方領域42内の比較的後方寄りの部位)に、主バネ25a,25bより弾性力が小さいサブバネ26bを追加して設けたものである。このように構成されているため、座席に浅く腰掛ける子供が若干重くても、前方領域42の軽く、しかし、或る程度の弾性力で良好な着座感を与えることができる。
【0027】
なお、着座区画の全域を支えるシートパン28に代えて、図1(y1)〜(y4)に点線で示すような、着座区画内の後方寄り領域を適宜に除く着座区画内の一部領域(少なくとも前方領域42内のSバネ26bの無い領域を含む一部領域)のみを支えるシートパン28−1,28−2,28−3,28−4を設けるようにしてもよい。
【0028】
(4)第4の実施の形態
図2(p)〜(q)を参照して説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同様の内容についての説明は省略し、異なる内容のみを説明する。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態に於いて、子供用の前方領域42内に数本(図示の例では3本)のサブSバネ26b〜26dを追加して設けて、座部内前方側へ行くほど弾性力が弱くなるようにしたものである。このように構成されているため、腰掛ける深さが、着座者の身体サイズが大きいほど深くなるという事情に十分に対応した、良好な着座感を与えることができる。即ち、子供〜大人の中間サイズの着座者に対しても、良好な着座感を与えることができる。
【0029】
なお、着座区画の全域を支えるシートパン28に代えて、図2(q1)〜(q4)に点線で示すような、着座区画内の後方寄り領域を適宜に除く着座区画内の一部領域(少なくとも前方領域42内の弾性力の弱いSバネ26c,26d領域を含む一部領域)のみを支えるシートパン28−1,28−2,28−3,28−4を設けるようにしてもよい。
【0030】
(5)その他の変形例
第1〜第4の実施の形態を、適宜に変形してもよい。
例えば、
(a)主Sバネ25a,25bについても奥側ほど弾性力が強くなるように、つまり、主Sバネ25aの方が主Sバネ25bより弾性力が強くなるように構成してもよい。
(b)シートパンを設ける領域を、適宜に設定してもよい。例えば、比較的弾性力が強いSバネでカバーされる領域にはシートパンを設けないようにしてもよい。或いは、Sバネの無い領域のみにシートパンを設けるようにしてもよい。
(c)Sバネとして、通常のSバネに代えて、例えば、コーナー部が角形もしくは丸角形のSバネ(フォームドワイヤと通称されているSバネ)等、若干、通常のSバネとは種類の異なるSバネを用いてもよい。
(d)Sバネによっては、キャンバーを持たせなくてもよい。
(e)Sバネに代えて、又は、Sバネとともに、例えば、コイルバネを用いてもよい。
等の変形を行ってもよい。
【符号の説明】
【0031】
21 第1支持部
22 第2支持部
25 主Sバネ
25a,25b 主Sバネ
26 サブSバネ
26a,26b,26c,26d サブSバネ
28,28−1,28−2,28−3,28−4 シートパン
3 シートクッション
35 背部クッション
4 座骨結節点
41 後方領域
42 前方領域
5 座席フレーム
5a 座席フレームの背部
5b 座席フレームの座部
51,51−1,51−2,51−3,51−4 取付部
510 取付金具
59 着座区画
6 車両内壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席フレームに取り付けられるクッション支持部材によりシートクッションを下面側から支持して成る座席であって、
前記クッション支持部材は、座骨結節点が位置する奥側の領域である後方領域にてシートクッションを支持する第1支持部と、前記後方領域の手前側の領域である前方領域にて前記第1支持部より弱い弾性力でシートクッションを支持する第2支持部とを有し、
前記第1支持部は、座骨結節点を挟むように各々座席の左右方向に沿って張設された少なくとも2本の主バネを有する、
ことを特徴とする座席。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記クッション支持部材は、少なくとも前記第2支持部にシートパンを有する、
ことを特徴とする座席。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、
前記クッション支持部材は、前記主バネより前方側の位置において座席の左右方向に張設された、前記主バネより弾性力が弱い、少なくとも1本のサブバネを、前記第1支持部及び/又は前記第2支持部に有する、
ことを特徴とする座席。
【請求項4】
請求項3に於いて、
前記クッション支持部材は複数本のサブバネを有し、相互に隣接するサブバネの弾性力は等しいか又は奥側ほど強い、
ことを特徴とする座席。
【請求項5】
請求項4に於いて、
前記少なくとも2本の主バネの弾性力、及び/又は、前記複数本のサブバネの弾性力は、奥側ほど強い、
ことを特徴とする座席。
【請求項6】
請求項3に於いて、
前記第1支持部は、座骨結節点を挟み弾性力が同じである2本の主バネと、1本のサブバネとを、構成要素として有する、
ことを特徴とする座席。
【請求項7】
請求項3〜請求項6の何れかに於いて、
前記クッション支持部材は、少なくともサブバネの下方にシートパンを有する、
ことを特徴とする座席。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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