座標測定デバイスのためのカウンタバランス
可搬型の関節アーム座標測定デバイスが、提供される。座標測定デバイスは、基部と、少なくとも1つのアームセグメントを有する関節アーム部とを含む。付勢部材が、基部に第1の端部で結合され、関節アーム部に第2の端部で結合される。付勢部材の第1の端部は、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる。アジャスタが、基部と付勢部材の間に結合される。アジャスタは、付勢部材の第1の端部を第1の位置から第2の位置に動かすために結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より詳細には、調整可能なカウンタバランスシステムを有する可搬型の関節アーム座標測定機(articulated arm coordinate measuring machine)に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【0005】
関節アームは、典型的には、例えば、2フィートと4フィートの間のさまざまな長さである可能性がある。アームの使用を容易にするために、カウンタバランス構成が、関節アームの重さによってかけられるトルクを相殺するために、固定された基部に結合される可能性がある。カウンタバランスは、関節アームが少ない労力でユーザによって動かされることを可能にし、ユーザによって放された場合に関節アームが落下することを防ぐ。残念なことに、場合によっては、カウンタバランスは、関節アームのコンポーネント、許容誤差、構成、およびアクセサリの違いによって過大なまたは過小なトルクをかける可能性がある。結果として、自由に動くというよりも、関節アームは、過小なカウンタバランスがかけられるか、それとも過大なカウンタバランスがかけられるかによって、下降するか、または動きを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、既存の関節アームはそれらの関節アームの意図された目的に適しているが、必要とされるのは、関節アームのためのカウンタバランスの改善された調整および校正を有するAACMMである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)が、提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は基部に回転可能に結合され、アームセグメントは複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路が、設けられる。回転組立体が基部への第2の端部に結合され、回転組立体は第1の回転軸、および第1の回転軸に対して実質的に垂直な第2の回転軸を有する。付勢部材が、第2の端部に第2の回転軸まわりで力を加えるために回転組立体と第2の端部の間に動作可能に結合され、付勢部材は、少なくとも1つの凸部を上に有する。ねじ部を有するアジャスタが、少なくとも1つの凸部に係合するように配置され、付勢部材によってアーム部にかけられる力が、アジャスタの動きに応じて変化する。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、別のAACMMが提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路が、設けられる。付勢部材が、基部と第2の端部の間に動作可能に結合され、付勢部材は、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる少なくとも1つの凸部を有する。ねじ部を有するアジャスタが、基部と付勢部材の間に動作可能に結合され、ねじ部は、少なくとも1つの凸部を第1の位置と第2の位置の間で動かすために少なくとも1つの凸部に係合される。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、空間内の物体の座標を測定するための別のAACMMが、提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路が、設けられる。回転組立体が、基部への第2の端部に、第1の回転軸および第2の回転軸まわりで回転可能に結合され、第2の回転軸は、第1の回転軸に対して実質的に垂直である。付勢部材が、回転組立体内に配置され、第2の端部に動作可能に結合された第3の端部を有し、付勢部材は、第3の端部の反対側に第4の端部を有し、第4の端部は、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる。調整部材が、基部に回転するように動作可能に結合され、第4の端部に動作可能に結合され、第4の端部は、調整部材の回転に応じて第1の位置と第2の位置の間を動く。
【0010】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】第1の位置の図1のAACMMの部分的な斜視図である。
【図5】第2の位置の図1の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的な斜視図である。
【図6】図5の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的な分解斜視図である。
【図7】図5の第1の軸受カートリッジ組立体の別の部分的な分解斜視図である。
【図8】筐体カバーが外された図4の第1の軸受カートリッジ組立体の別の部分的な斜視図である。
【図9】図4の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的に断面図である別の部分的な斜視図である。
【図10】図4の第1の軸受カートリッジ組立体のためのカウンタバランス組立体の断面図である。
【図11】図9のカウンタバランス組立体の分解図である。
【図12】図1の座標測定デバイスのためのカウンタバランス組立体の別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可搬型の関節アーム座標測定機は、部品、コンポーネント、および物体の高品質、高精度な測定を行うための便利で柔軟な方法を製造業者などに提供する。この柔軟性を提供するために、AACMMは、多くの自由度を有する複数のセグメントに分けられたアームを持つ可能性がある。本発明の実施形態は、オペレータが、比較的少ない労力で、比較的信頼性の高い測定を行うことを可能にする複数のセグメントに分けられたアームの重さを相殺することに利点をもたらす。本発明の実施形態は、複数のセグメントに分けられたアームに関連する重さ、許容誤差、およびアクセサリの違いを補正するために調整可能なカウンタバランスを提供することにも利点をもたらす。
【0013】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸有関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動きを決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0014】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116のまわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0015】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0016】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0017】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110,112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸のまわりでの、アームセグメント106、108のそれぞれの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0018】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイ画面などのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0019】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、次のものを含みまたは収容する。すなわち、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。
【0020】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取り外し可能なハンドル126に取り付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0021】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、次のものを含む。すなわち、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0022】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0023】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの組110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Incから販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0024】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0025】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0026】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネット(登録商標)ネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、および並列・直列通信(PSC)機能314を介してBluetooth(登録商標)モジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0027】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0028】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまなオペレーションの特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0029】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0030】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合された機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0031】
ここで図4〜11を参照して、調整可能なカウンタバランスシステムを有するAACMM100の実施形態が示される。AACMM100は、基部116と第1のアームセグメント106の間に配置された軸受カートリッジの組402を含む第1の回転組立体402を含む。第1の回転組立体402は、第1の軸404および第2の軸406まわりで回転するように構成される。一実施形態において、第1の軸404は、第2の軸406に対して実質的に垂直である。第1の軸404は、通信および電力の導管が第1のアームセグメント106から基部116まで通ることを可能にする、基部116内に配置された回転軸受カートリッジ405(図7)によって画定される。
【0032】
第1の回転組立体402は、第1の部分408および第2の部分410を含む。第1の部分408は、第2の軸406に対して固定される。第1の部分408は、第1の筐体部材412および第2の筐体部材414を含む。第2の筐体部材414は、停止部材418を有する凸部416を含む。例示的な実施形態において、停止部材418は、第1のアームセグメント106が第1の軸404と実質的に同一直線上の位置にまで回転されるときに、第2の部分410の衝撃を和らげる弾性材料である。本明細書においてより詳細に検討されるように、カウンタバランス組立体が、第1の部分408内に少なくとも部分的に配置される。
【0033】
第2の筐体部材414は、シャフト436を受けるように大きさが決められる第1の開口434(図7)を含む。第2の筐体部材414は、例えばねじりばね440などの付勢部材を受けるように大きさが決められた第2の開口438(図9)をさらに含む。例示的な実施形態において、第1の開口434および第2の開口438は、実質的に同一直線上にある。第3の開口442が、第2の筐体部材414内の第2の開口438の近くに配置される。本明細書においてより詳細に検討されるように、第3の開口442は、ねじりばね440の一端に配置された少なくとも1つの凸部444がウォームギア446に係合することを可能にするために、第2の開口438と交差するように配置される。一実施形態において、少なくとも1つの凸部444は、ギアの歯を形成する複数の突起を含む。例示的な実施形態において、ねじりばね440は、140度の弧長にわたって配置された28〜30個の歯を有する。例示的な実施形態において、ウォームギア446は、一条ねじを有し、ピッチ円直径が約0.45インチであり、長さが約1インチである。ウォームギア446は、ねじりばね440によってかけられる力によって適切な位置に保たれる。
【0034】
実施形態はねじりばねの端部に配置されているギアの歯を示すが、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。一実施形態において、ねじりばねは、ギアの歯が中間部分のあたりに形成された2つの逆に巻かれたねじりばねを備える。
【0035】
ギアの歯444は、ウォームギア446の回転に応じてねじりばね440の端部を回転させるように構成される。ギアの歯444およびウォームギア446は、協力して、第1のアームセグメント106にかけられるトルクに関するアジャスタ組立体を形成する。ウォームギア446の回転は、ねじりばね440の端部を、ねじりばね440によってかけられているトルクの変化をもたらすように動かすかまたは回転させることを理解されたい。
【0036】
一実施形態において、第1のボア開口448が、第3の開口442の一端から延びる。第1のボア開口448は、ウォームギア446を回転させるために結合する工具(図示せず)を受けるように大きさが決められる。別の実施形態において、第2の筐体部材414は、壁部450を含む。この実施形態においては、第2のボア開口452が、ウォームギア446への工具の接触を可能にするために、ボア開口448と同一直線上に配置される。
【0037】
第2の部分410は、第1の部分408と第1のアームセグメント106の間に配置される。第2の部分は、第3の筐体部材420および第4の筐体部材422を含む。第2の部分410は、第2の軸406まわりで回転する。表面426を有する凸部424が、第3の筐体部材420から延びる。凸部424は、第1のアームセグメントが第1の軸404と実質的に同一直線上の位置(「初期位置」)にまで回転されるときに、表面426が停止部材418に接触するように配置される。例示的な実施形態において、第2の部分410は、初期位置に対して少なくとも165度回転することができる。第2の部分410は、第1のアームセグメント106に結合するテーパー部428をさらに含む。凸部430が、テーパー部428から延びる。ブラケット432が、凸部430に結合される。ブラケット432は、第1のアームセグメント106および第2のアームセグメント108が平行に位置付けられるときに、第2のアームセグメント108を支持するように構成される。
【0038】
第3の筐体420は、第2のシャフト454に結合される。第2のシャフト454は、外側部分470、中間部分472、および内側部分474を有する。外側部分470は、第3の筐体420に係合および結合するように大きさが決められる直径を有する。外側部分470は、へり476において中間部分472に移行する。例示的な実施形態において、へり476は、第3の筐体420の対応する特徴が接触する停止用の特徴を提供する。中間部分の直径は、ねじりばね440の内径を受けるように大きさが決められる。第2のシャフト454は、中間部分472から内側部分474まで次第に細くなる。内側部分474は、第1のアームセグメント106が回転されるときにねじりばね440の内径の変化に対応するための遊びを設けるために、ねじりばね440の内径よりも小さい直径を有する。
【0039】
第2のシャフト454は、第1のシャフト436のまわりに配置される実質的に中空の内部を有する。第2のシャフト454は、例えば、玉軸受けまたはころ軸受けなどの軸受け456、458の組によって第1のシャフト436に結合される。軸受け456、458は、第2の軸406のまわりの、第1の部分408に対する第2の部分410の回転を可能にする。また、スペーサー478、カラー480、およびワッシャー482などのさらなるコンポーネントが、組立体の所望の間隔および支持を与えるために含まれ得る。一実施形態において、光学式のエンコーダ組立体464が、第2のシャフト454に結合され、第1のシャフト436と第2のシャフト454の間の回転運動を測定するように構成される。
【0040】
ねじりばね440は、シャフト436、454のまわりに配置される。例示的な実施形態において、ねじりばねは、ウォームギア446の近くの第1の端部460と、第2の部分410に結合された第2の端部462とを含む。例示的な実施形態において、第2の端部462は、少なくとも1つの締め具466によって第4の筐体部材422に結合される(図6)。締め具466は、第1のアームセグメント106が第2の軸406まわりで回転されるときに、トルクがねじりばね440によって第1のアームセグメント106にかけられるように、第2の端部462を第2の部分410に結合する。ねじりばね440は、アームセグメント106、108が所望の位置に関節で動かされるときにアーム部104の重さと実質的に釣り合うように選択される。例示的な実施形態において、ねじりばね440は、第1のアームセグメントが、オペレータが測定デバイス102を放すときに下降する(例えば、重力を受けて下に動く)または(例えば、初期位置に向かって)跳ね戻ることなく所望の角度位置に留まることを可能にするトルクレベルを与えるように構成される。
【0041】
アーム部104のコンポーネントの製造プロセスのばらつきは、ねじりばね440によって与えられるトルクが過大である(跳ね戻りを引き起こす)か、または過小である(下降を引き起こす)かのどちらかであるという結果をもたらす可能性があることを理解されたい。コンポーネントのばらつきを補正するために、AACMM100は、トルクを変えるための手段を提供するアジャスタを含む。例示的な実施形態において、トルクの調整は、第1のボア開口448を通して工具を挿入し、ウォームギア446の端部の特徴468に係合することによって、第3の開口442内のウォームギア446を回転させることにより行われる。特徴468は、これらに限定されないが、マイナス溝、フィリップス溝、Frearson溝(Frearson slot)、六角穴、アレン穴、星形穴、またはトルクス(登録商標)穴などの、工具に係合するのにふさわしい任意の好適な特徴である可能性がある。時計回りまたは反時計回りにウォームギア446を回転させることによって、ねじりばね440の第1の端部460が、第1の位置から第2の位置に動かされる。
【0042】
第1の端部460が動かされるにつれて、ねじりばね440によって第2の部分410およびひいては第1のアームセグメント106にかけられるトルクが、増加または減少する。これは、特定のアーム部104内のコンポーネントへのカウンタバランスのトルクを調整することに利点をもたらす。例示的な実施形態において、トルクは、ウォームギア446とギアの歯444の係合の回転の70度の範囲にわたって0ft−lbから63ft−lbまで調整され得る。一実施形態において、ねじりばね440の校正が、組立体の製造中に実行され、キャップまたはプラグ(図示せず)が、みだりな変更を防ぐために第1のボア開口448または第2のボア開口452に挿入される。一実施形態において、止めねじが、動かないようにウォームギア446を固定するために使用される。
【0043】
アジャスタ組立体の別の実施形態が、図12に示される。この実施形態において、第2の筐体部材414は、壁部450、486、および488によって画定される実質的に中空の内部484を有する。内部484内に配置されるのは、例えば、ねじ棒などのねじ部材490である。ねじ部材490は、壁部450、486の間に回転するように結合される。ねじ部材490は、ユーザがねじ部材を回転させるための工具を挿入することを可能にする、例えば特徴486と同様の特徴(図示せず)を含み得る。カラー492が、ねじ部材490に結合される。カラー492は、ねじ部材490が回転されるときにカラー492がねじ部材490の長手方向軸に沿って平行移動するように、ねじ部材490のねじ山に係合する内側のねじ山を含む。アーム494が、カラー492とねじりばね440の間に延びる。アーム494は、ねじりばね440とは別の部材であっても、またはねじりばね440と一体であってもよい。したがって、カラーがねじ部材に沿って平行移動するとき、ねじりばね440の第1の端部460が、第1の位置から第2の位置に動く。上述のように、第1の端部460の動きは、所望のレベルのカウンタバランスをもたらすための、ねじりばね440のトルク出力の校正を可能にする。
【0044】
本発明の実施形態は手動で調整されるアジャスタを示すが、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。一実施形態において、ステッピングモーターなどのモーターが、アジャスタを回転させるために結合される。一実施形態において、ステッピングモーターは、アームの位置に基づいてねじりばねのトルクを調整するコントローラに結合される。
【0045】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より詳細には、調整可能なカウンタバランスシステムを有する可搬型の関節アーム座標測定機(articulated arm coordinate measuring machine)に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【0005】
関節アームは、典型的には、例えば、2フィートと4フィートの間のさまざまな長さである可能性がある。アームの使用を容易にするために、カウンタバランス構成が、関節アームの重さによってかけられるトルクを相殺するために、固定された基部に結合される可能性がある。カウンタバランスは、関節アームが少ない労力でユーザによって動かされることを可能にし、ユーザによって放された場合に関節アームが落下することを防ぐ。残念なことに、場合によっては、カウンタバランスは、関節アームのコンポーネント、許容誤差、構成、およびアクセサリの違いによって過大なまたは過小なトルクをかける可能性がある。結果として、自由に動くというよりも、関節アームは、過小なカウンタバランスがかけられるか、それとも過大なカウンタバランスがかけられるかによって、下降するか、または動きを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、既存の関節アームはそれらの関節アームの意図された目的に適しているが、必要とされるのは、関節アームのためのカウンタバランスの改善された調整および校正を有するAACMMである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)が、提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は基部に回転可能に結合され、アームセグメントは複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路が、設けられる。回転組立体が基部への第2の端部に結合され、回転組立体は第1の回転軸、および第1の回転軸に対して実質的に垂直な第2の回転軸を有する。付勢部材が、第2の端部に第2の回転軸まわりで力を加えるために回転組立体と第2の端部の間に動作可能に結合され、付勢部材は、少なくとも1つの凸部を上に有する。ねじ部を有するアジャスタが、少なくとも1つの凸部に係合するように配置され、付勢部材によってアーム部にかけられる力が、アジャスタの動きに応じて変化する。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、別のAACMMが提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路が、設けられる。付勢部材が、基部と第2の端部の間に動作可能に結合され、付勢部材は、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる少なくとも1つの凸部を有する。ねじ部を有するアジャスタが、基部と付勢部材の間に動作可能に結合され、ねじ部は、少なくとも1つの凸部を第1の位置と第2の位置の間で動かすために少なくとも1つの凸部に係合される。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、空間内の物体の座標を測定するための別のAACMMが、提供される。AACMMは、基部を含む。反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部が提供され、アーム部は複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。測定デバイスが、第1の端部に装着される。トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路が、設けられる。回転組立体が、基部への第2の端部に、第1の回転軸および第2の回転軸まわりで回転可能に結合され、第2の回転軸は、第1の回転軸に対して実質的に垂直である。付勢部材が、回転組立体内に配置され、第2の端部に動作可能に結合された第3の端部を有し、付勢部材は、第3の端部の反対側に第4の端部を有し、第4の端部は、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる。調整部材が、基部に回転するように動作可能に結合され、第4の端部に動作可能に結合され、第4の端部は、調整部材の回転に応じて第1の位置と第2の位置の間を動く。
【0010】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】第1の位置の図1のAACMMの部分的な斜視図である。
【図5】第2の位置の図1の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的な斜視図である。
【図6】図5の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的な分解斜視図である。
【図7】図5の第1の軸受カートリッジ組立体の別の部分的な分解斜視図である。
【図8】筐体カバーが外された図4の第1の軸受カートリッジ組立体の別の部分的な斜視図である。
【図9】図4の第1の軸受カートリッジ組立体の部分的に断面図である別の部分的な斜視図である。
【図10】図4の第1の軸受カートリッジ組立体のためのカウンタバランス組立体の断面図である。
【図11】図9のカウンタバランス組立体の分解図である。
【図12】図1の座標測定デバイスのためのカウンタバランス組立体の別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可搬型の関節アーム座標測定機は、部品、コンポーネント、および物体の高品質、高精度な測定を行うための便利で柔軟な方法を製造業者などに提供する。この柔軟性を提供するために、AACMMは、多くの自由度を有する複数のセグメントに分けられたアームを持つ可能性がある。本発明の実施形態は、オペレータが、比較的少ない労力で、比較的信頼性の高い測定を行うことを可能にする複数のセグメントに分けられたアームの重さを相殺することに利点をもたらす。本発明の実施形態は、複数のセグメントに分けられたアームに関連する重さ、許容誤差、およびアクセサリの違いを補正するために調整可能なカウンタバランスを提供することにも利点をもたらす。
【0013】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸有関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動きを決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0014】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116のまわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0015】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0016】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0017】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110,112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸のまわりでの、アームセグメント106、108のそれぞれの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0018】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイ画面などのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0019】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、次のものを含みまたは収容する。すなわち、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。
【0020】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取り外し可能なハンドル126に取り付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0021】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、次のものを含む。すなわち、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0022】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0023】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの組110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Incから販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0024】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0025】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0026】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネット(登録商標)ネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、および並列・直列通信(PSC)機能314を介してBluetooth(登録商標)モジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0027】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0028】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまなオペレーションの特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0029】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0030】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合された機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0031】
ここで図4〜11を参照して、調整可能なカウンタバランスシステムを有するAACMM100の実施形態が示される。AACMM100は、基部116と第1のアームセグメント106の間に配置された軸受カートリッジの組402を含む第1の回転組立体402を含む。第1の回転組立体402は、第1の軸404および第2の軸406まわりで回転するように構成される。一実施形態において、第1の軸404は、第2の軸406に対して実質的に垂直である。第1の軸404は、通信および電力の導管が第1のアームセグメント106から基部116まで通ることを可能にする、基部116内に配置された回転軸受カートリッジ405(図7)によって画定される。
【0032】
第1の回転組立体402は、第1の部分408および第2の部分410を含む。第1の部分408は、第2の軸406に対して固定される。第1の部分408は、第1の筐体部材412および第2の筐体部材414を含む。第2の筐体部材414は、停止部材418を有する凸部416を含む。例示的な実施形態において、停止部材418は、第1のアームセグメント106が第1の軸404と実質的に同一直線上の位置にまで回転されるときに、第2の部分410の衝撃を和らげる弾性材料である。本明細書においてより詳細に検討されるように、カウンタバランス組立体が、第1の部分408内に少なくとも部分的に配置される。
【0033】
第2の筐体部材414は、シャフト436を受けるように大きさが決められる第1の開口434(図7)を含む。第2の筐体部材414は、例えばねじりばね440などの付勢部材を受けるように大きさが決められた第2の開口438(図9)をさらに含む。例示的な実施形態において、第1の開口434および第2の開口438は、実質的に同一直線上にある。第3の開口442が、第2の筐体部材414内の第2の開口438の近くに配置される。本明細書においてより詳細に検討されるように、第3の開口442は、ねじりばね440の一端に配置された少なくとも1つの凸部444がウォームギア446に係合することを可能にするために、第2の開口438と交差するように配置される。一実施形態において、少なくとも1つの凸部444は、ギアの歯を形成する複数の突起を含む。例示的な実施形態において、ねじりばね440は、140度の弧長にわたって配置された28〜30個の歯を有する。例示的な実施形態において、ウォームギア446は、一条ねじを有し、ピッチ円直径が約0.45インチであり、長さが約1インチである。ウォームギア446は、ねじりばね440によってかけられる力によって適切な位置に保たれる。
【0034】
実施形態はねじりばねの端部に配置されているギアの歯を示すが、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。一実施形態において、ねじりばねは、ギアの歯が中間部分のあたりに形成された2つの逆に巻かれたねじりばねを備える。
【0035】
ギアの歯444は、ウォームギア446の回転に応じてねじりばね440の端部を回転させるように構成される。ギアの歯444およびウォームギア446は、協力して、第1のアームセグメント106にかけられるトルクに関するアジャスタ組立体を形成する。ウォームギア446の回転は、ねじりばね440の端部を、ねじりばね440によってかけられているトルクの変化をもたらすように動かすかまたは回転させることを理解されたい。
【0036】
一実施形態において、第1のボア開口448が、第3の開口442の一端から延びる。第1のボア開口448は、ウォームギア446を回転させるために結合する工具(図示せず)を受けるように大きさが決められる。別の実施形態において、第2の筐体部材414は、壁部450を含む。この実施形態においては、第2のボア開口452が、ウォームギア446への工具の接触を可能にするために、ボア開口448と同一直線上に配置される。
【0037】
第2の部分410は、第1の部分408と第1のアームセグメント106の間に配置される。第2の部分は、第3の筐体部材420および第4の筐体部材422を含む。第2の部分410は、第2の軸406まわりで回転する。表面426を有する凸部424が、第3の筐体部材420から延びる。凸部424は、第1のアームセグメントが第1の軸404と実質的に同一直線上の位置(「初期位置」)にまで回転されるときに、表面426が停止部材418に接触するように配置される。例示的な実施形態において、第2の部分410は、初期位置に対して少なくとも165度回転することができる。第2の部分410は、第1のアームセグメント106に結合するテーパー部428をさらに含む。凸部430が、テーパー部428から延びる。ブラケット432が、凸部430に結合される。ブラケット432は、第1のアームセグメント106および第2のアームセグメント108が平行に位置付けられるときに、第2のアームセグメント108を支持するように構成される。
【0038】
第3の筐体420は、第2のシャフト454に結合される。第2のシャフト454は、外側部分470、中間部分472、および内側部分474を有する。外側部分470は、第3の筐体420に係合および結合するように大きさが決められる直径を有する。外側部分470は、へり476において中間部分472に移行する。例示的な実施形態において、へり476は、第3の筐体420の対応する特徴が接触する停止用の特徴を提供する。中間部分の直径は、ねじりばね440の内径を受けるように大きさが決められる。第2のシャフト454は、中間部分472から内側部分474まで次第に細くなる。内側部分474は、第1のアームセグメント106が回転されるときにねじりばね440の内径の変化に対応するための遊びを設けるために、ねじりばね440の内径よりも小さい直径を有する。
【0039】
第2のシャフト454は、第1のシャフト436のまわりに配置される実質的に中空の内部を有する。第2のシャフト454は、例えば、玉軸受けまたはころ軸受けなどの軸受け456、458の組によって第1のシャフト436に結合される。軸受け456、458は、第2の軸406のまわりの、第1の部分408に対する第2の部分410の回転を可能にする。また、スペーサー478、カラー480、およびワッシャー482などのさらなるコンポーネントが、組立体の所望の間隔および支持を与えるために含まれ得る。一実施形態において、光学式のエンコーダ組立体464が、第2のシャフト454に結合され、第1のシャフト436と第2のシャフト454の間の回転運動を測定するように構成される。
【0040】
ねじりばね440は、シャフト436、454のまわりに配置される。例示的な実施形態において、ねじりばねは、ウォームギア446の近くの第1の端部460と、第2の部分410に結合された第2の端部462とを含む。例示的な実施形態において、第2の端部462は、少なくとも1つの締め具466によって第4の筐体部材422に結合される(図6)。締め具466は、第1のアームセグメント106が第2の軸406まわりで回転されるときに、トルクがねじりばね440によって第1のアームセグメント106にかけられるように、第2の端部462を第2の部分410に結合する。ねじりばね440は、アームセグメント106、108が所望の位置に関節で動かされるときにアーム部104の重さと実質的に釣り合うように選択される。例示的な実施形態において、ねじりばね440は、第1のアームセグメントが、オペレータが測定デバイス102を放すときに下降する(例えば、重力を受けて下に動く)または(例えば、初期位置に向かって)跳ね戻ることなく所望の角度位置に留まることを可能にするトルクレベルを与えるように構成される。
【0041】
アーム部104のコンポーネントの製造プロセスのばらつきは、ねじりばね440によって与えられるトルクが過大である(跳ね戻りを引き起こす)か、または過小である(下降を引き起こす)かのどちらかであるという結果をもたらす可能性があることを理解されたい。コンポーネントのばらつきを補正するために、AACMM100は、トルクを変えるための手段を提供するアジャスタを含む。例示的な実施形態において、トルクの調整は、第1のボア開口448を通して工具を挿入し、ウォームギア446の端部の特徴468に係合することによって、第3の開口442内のウォームギア446を回転させることにより行われる。特徴468は、これらに限定されないが、マイナス溝、フィリップス溝、Frearson溝(Frearson slot)、六角穴、アレン穴、星形穴、またはトルクス(登録商標)穴などの、工具に係合するのにふさわしい任意の好適な特徴である可能性がある。時計回りまたは反時計回りにウォームギア446を回転させることによって、ねじりばね440の第1の端部460が、第1の位置から第2の位置に動かされる。
【0042】
第1の端部460が動かされるにつれて、ねじりばね440によって第2の部分410およびひいては第1のアームセグメント106にかけられるトルクが、増加または減少する。これは、特定のアーム部104内のコンポーネントへのカウンタバランスのトルクを調整することに利点をもたらす。例示的な実施形態において、トルクは、ウォームギア446とギアの歯444の係合の回転の70度の範囲にわたって0ft−lbから63ft−lbまで調整され得る。一実施形態において、ねじりばね440の校正が、組立体の製造中に実行され、キャップまたはプラグ(図示せず)が、みだりな変更を防ぐために第1のボア開口448または第2のボア開口452に挿入される。一実施形態において、止めねじが、動かないようにウォームギア446を固定するために使用される。
【0043】
アジャスタ組立体の別の実施形態が、図12に示される。この実施形態において、第2の筐体部材414は、壁部450、486、および488によって画定される実質的に中空の内部484を有する。内部484内に配置されるのは、例えば、ねじ棒などのねじ部材490である。ねじ部材490は、壁部450、486の間に回転するように結合される。ねじ部材490は、ユーザがねじ部材を回転させるための工具を挿入することを可能にする、例えば特徴486と同様の特徴(図示せず)を含み得る。カラー492が、ねじ部材490に結合される。カラー492は、ねじ部材490が回転されるときにカラー492がねじ部材490の長手方向軸に沿って平行移動するように、ねじ部材490のねじ山に係合する内側のねじ山を含む。アーム494が、カラー492とねじりばね440の間に延びる。アーム494は、ねじりばね440とは別の部材であっても、またはねじりばね440と一体であってもよい。したがって、カラーがねじ部材に沿って平行移動するとき、ねじりばね440の第1の端部460が、第1の位置から第2の位置に動く。上述のように、第1の端部460の動きは、所望のレベルのカウンタバランスをもたらすための、ねじりばね440のトルク出力の校正を可能にする。
【0044】
本発明の実施形態は手動で調整されるアジャスタを示すが、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。一実施形態において、ステッピングモーターなどのモーターが、アジャスタを回転させるために結合される。一実施形態において、ステッピングモーターは、アームの位置に基づいてねじりばねのトルクを調整するコントローラに結合される。
【0045】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、前記基部に回転可能に結合され、アームセグメントが複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記第2の端部を前記基部に結合する回転組立体であって、第1の回転軸、および前記第1の回転軸に対して実質的に垂直な第2の回転軸を有する、回転組立体と、
前記第2の端部に前記第2の回転軸まわりで力を加えるために前記回転組立体と前記第2の端部の間に動作可能に結合された付勢部材であって、少なくとも1つの凸部を上に有する、付勢部材と、
ねじ山を有するねじ部を有するアジャスタであって、前記ねじ山が前記少なくとも1つの凸部に係合するように配置され、前記付勢部材によって前記アーム部にかけられる力がアジャスタの動きに応じて変化する、アジャスタとを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のAACMMであって、
前記付勢部材がねじりばねであり、
前記力が前記アーム部に第1のトルクをかけることを特徴とするAACMM。
【請求項3】
請求項2に記載のAACMMであって、
前記少なくとも1つの凸部が、第3の端部に配置された複数のギアの歯を含み、
前記アジャスタが、前記複数のギアの歯に係合可能なように結合されたウォームギアであることを特徴とするAACMM。
【請求項4】
請求項3に記載のAACMMであって、前記ウォームギアが筐体内に回転可能に配置され、前記筐体が、前記第1の回転軸まわりで回転するように前記基部に回転可能に結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項5】
請求項4に記載のAACMMであって、前記ウォームギアが、工具を受けるように大きさが決められた第4の端部の特徴を含み、前記ウォームギアが、前記特徴に前記工具によって第2のトルクがかけられることに応じて回転することを特徴とするAACMM。
【請求項6】
請求項5に記載のAACMMであって、前記筐体が、前記ウォームギアと同軸にそろえられ、前記特徴の近くに第5の端部を有する開口を含み、前記開口が、前記工具を受けるように大きさが決められることを特徴とするAACMM。
【請求項7】
請求項6に記載のAACMMであって、前記ねじりばねが、前記複数のギアの歯と反対側の第6の端部で前記第1の端部と結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項8】
請求項2に記載のAACMMであって、
前記少なくとも1つの凸部が、前記ねじりばねに第3の端部で結合されたアームであり、
前記アジャスタが、前記ねじ部と前記アームの間に結合されたカラーを含み、前記カラーが、前記アジャスタの回転に応じて前記アームを第1の位置から第2の位置に動かすことを特徴とするAACMM。
【請求項9】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記基部と前記第2の端部の間に動作可能に結合された付勢部材であって、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる少なくとも1つの凸部を有する、付勢部材と、
前記基部と前記付勢部材の間に回転するように動作可能に結合された、ねじ部を有するアジャスタであって、前記ねじ部がねじ山を含み、前記ねじ山が、アジャスタが回転されるときに前記少なくとも1つの凸部を前記ねじ山に沿って前記第1の位置から前記第2の位置に動かすために前記少なくとも1つの凸部に係合される、アジャスタとを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項10】
請求項9に記載のAACMMであって、
前記アジャスタがウォームギアであり、
前記少なくとも1つの凸部が複数のギアの歯を含み、前記複数のギアの歯が、前記ウォームギアと係合するように配置されることを特徴とするAACMM。
【請求項11】
請求項10に記載のAACMMであって、前記付勢部材がねじりばねであることを特徴とするAACMM。
【請求項12】
請求項11に記載のAACMMであって、前記ねじりばねが、前記複数のギアの歯が前記第1の位置にあるときに関節可動アームに第1のトルクをかけ、前記複数のギアの歯が前記第2の位置にあるときに第2のトルクをかけることを特徴とするAACMM。
【請求項13】
請求項12に記載のAACMMであって、前記基部に結合された筐体部材をさらに含み、前記筐体部材が、前記ウォームギアを受けて保持するように大きさが決められた第1の開口、および前記第1の開口から延び、工具を受けるように大きさが決められた第2の開口を画定することを特徴とするAACMM。
【請求項14】
請求項9に記載のAACMMであって、
前記アジャスタが、前記ねじ部に動作可能に結合されたカラーを含み、
前記少なくとも1つの凸部が、前記カラーに結合されたアームであることを特徴とするAACMM。
【請求項15】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路と、
前記第2の端部を前記基部に、第1の回転軸および第2の回転軸まわりで回転可能に結合する回転組立体であって、前記第2の回転軸が、前記第1の回転軸に対して実質的に垂直である、回転組立体と、
前記回転組立体内に配置され、前記第2の端部に動作可能に結合された第3の端部を有する付勢部材であって、前記第3の端部の反対側に第4の端部を有し、前記第4の端部が、前記第4の端部の上に一体的に形成された少なくとも1つの凸部を有し、前記第4の端部が、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる、付勢部材と、
ねじ山を有する調整部材であって、前記基部に回転するように動作可能に結合され、前記少なくとも1つの凸部を前記ねじ山に係合するように動作可能に結合され、前記第4の端部が、調整部材の回転に応じて前記第1の位置と前記第2の位置の間を動く、調整部材とを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項16】
請求項15に記載のAACMMであって、前記回転組立体が筐体をさらに含み、前記筐体が、前記調整部材を受けるように大きさが決められた第1の開口を画定することを特徴とするAACMM。
【請求項17】
請求項16に記載のAACMMであって、前記付勢部材がねじりばねであり、前記少なくとも1つの凸部が前記第4の端部の複数のギアの歯であり、前記調整部材が、前記ギアの歯に動作可能に結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項18】
請求項17に記載のAACMMであって、
前記調整部材がウォームねじ部を含み、
前記筐体が、前記第1の開口の第5の端部から延びる第2の開口を含み、前記第2の開口が、工具を受けるように大きさが決められることを特徴とするAACMM。
【請求項19】
請求項15に記載のAACMMであって、前記アジャスタが、ねじ部材、および前記ねじ部材と前記第4の端部の間に配置されたカラーを含み、前記カラーが、前記ねじ部材と係合されるねじ部を有することを特徴とするAACMM。
【請求項20】
請求項19に記載のAACMMであって、前記カラーと前記第4の端部の間に結合されたアームをさらに含み、前記アームが、前記ねじ部材の回転に応じて前記第4の端部を前記第1の位置と前記第2の位置の間で動かすことを特徴とするAACMM。
【請求項1】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、前記基部に回転可能に結合され、アームセグメントが複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記第2の端部を前記基部に結合する回転組立体であって、第1の回転軸、および前記第1の回転軸に対して実質的に垂直な第2の回転軸を有する、回転組立体と、
前記第2の端部に前記第2の回転軸まわりで力を加えるために前記回転組立体と前記第2の端部の間に動作可能に結合された付勢部材であって、少なくとも1つの凸部を上に有する、付勢部材と、
ねじ山を有するねじ部を有するアジャスタであって、前記ねじ山が前記少なくとも1つの凸部に係合するように配置され、前記付勢部材によって前記アーム部にかけられる力がアジャスタの動きに応じて変化する、アジャスタとを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のAACMMであって、
前記付勢部材がねじりばねであり、
前記力が前記アーム部に第1のトルクをかけることを特徴とするAACMM。
【請求項3】
請求項2に記載のAACMMであって、
前記少なくとも1つの凸部が、第3の端部に配置された複数のギアの歯を含み、
前記アジャスタが、前記複数のギアの歯に係合可能なように結合されたウォームギアであることを特徴とするAACMM。
【請求項4】
請求項3に記載のAACMMであって、前記ウォームギアが筐体内に回転可能に配置され、前記筐体が、前記第1の回転軸まわりで回転するように前記基部に回転可能に結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項5】
請求項4に記載のAACMMであって、前記ウォームギアが、工具を受けるように大きさが決められた第4の端部の特徴を含み、前記ウォームギアが、前記特徴に前記工具によって第2のトルクがかけられることに応じて回転することを特徴とするAACMM。
【請求項6】
請求項5に記載のAACMMであって、前記筐体が、前記ウォームギアと同軸にそろえられ、前記特徴の近くに第5の端部を有する開口を含み、前記開口が、前記工具を受けるように大きさが決められることを特徴とするAACMM。
【請求項7】
請求項6に記載のAACMMであって、前記ねじりばねが、前記複数のギアの歯と反対側の第6の端部で前記第1の端部と結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項8】
請求項2に記載のAACMMであって、
前記少なくとも1つの凸部が、前記ねじりばねに第3の端部で結合されたアームであり、
前記アジャスタが、前記ねじ部と前記アームの間に結合されたカラーを含み、前記カラーが、前記アジャスタの回転に応じて前記アームを第1の位置から第2の位置に動かすことを特徴とするAACMM。
【請求項9】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記基部と前記第2の端部の間に動作可能に結合された付勢部材であって、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる少なくとも1つの凸部を有する、付勢部材と、
前記基部と前記付勢部材の間に回転するように動作可能に結合された、ねじ部を有するアジャスタであって、前記ねじ部がねじ山を含み、前記ねじ山が、アジャスタが回転されるときに前記少なくとも1つの凸部を前記ねじ山に沿って前記第1の位置から前記第2の位置に動かすために前記少なくとも1つの凸部に係合される、アジャスタとを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項10】
請求項9に記載のAACMMであって、
前記アジャスタがウォームギアであり、
前記少なくとも1つの凸部が複数のギアの歯を含み、前記複数のギアの歯が、前記ウォームギアと係合するように配置されることを特徴とするAACMM。
【請求項11】
請求項10に記載のAACMMであって、前記付勢部材がねじりばねであることを特徴とするAACMM。
【請求項12】
請求項11に記載のAACMMであって、前記ねじりばねが、前記複数のギアの歯が前記第1の位置にあるときに関節可動アームに第1のトルクをかけ、前記複数のギアの歯が前記第2の位置にあるときに第2のトルクをかけることを特徴とするAACMM。
【請求項13】
請求項12に記載のAACMMであって、前記基部に結合された筐体部材をさらに含み、前記筐体部材が、前記ウォームギアを受けて保持するように大きさが決められた第1の開口、および前記第1の開口から延び、工具を受けるように大きさが決められた第2の開口を画定することを特徴とするAACMM。
【請求項14】
請求項9に記載のAACMMであって、
前記アジャスタが、前記ねじ部に動作可能に結合されたカラーを含み、
前記少なくとも1つの凸部が、前記カラーに結合されたアームであることを特徴とするAACMM。
【請求項15】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定デバイス(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路と、
前記第2の端部を前記基部に、第1の回転軸および第2の回転軸まわりで回転可能に結合する回転組立体であって、前記第2の回転軸が、前記第1の回転軸に対して実質的に垂直である、回転組立体と、
前記回転組立体内に配置され、前記第2の端部に動作可能に結合された第3の端部を有する付勢部材であって、前記第3の端部の反対側に第4の端部を有し、前記第4の端部が、前記第4の端部の上に一体的に形成された少なくとも1つの凸部を有し、前記第4の端部が、第1の位置と第2の位置の間を動くことができる、付勢部材と、
ねじ山を有する調整部材であって、前記基部に回転するように動作可能に結合され、前記少なくとも1つの凸部を前記ねじ山に係合するように動作可能に結合され、前記第4の端部が、調整部材の回転に応じて前記第1の位置と前記第2の位置の間を動く、調整部材とを含むことを特徴とする関節アーム座標測定デバイス(AACMM)。
【請求項16】
請求項15に記載のAACMMであって、前記回転組立体が筐体をさらに含み、前記筐体が、前記調整部材を受けるように大きさが決められた第1の開口を画定することを特徴とするAACMM。
【請求項17】
請求項16に記載のAACMMであって、前記付勢部材がねじりばねであり、前記少なくとも1つの凸部が前記第4の端部の複数のギアの歯であり、前記調整部材が、前記ギアの歯に動作可能に結合されることを特徴とするAACMM。
【請求項18】
請求項17に記載のAACMMであって、
前記調整部材がウォームねじ部を含み、
前記筐体が、前記第1の開口の第5の端部から延びる第2の開口を含み、前記第2の開口が、工具を受けるように大きさが決められることを特徴とするAACMM。
【請求項19】
請求項15に記載のAACMMであって、前記アジャスタが、ねじ部材、および前記ねじ部材と前記第4の端部の間に配置されたカラーを含み、前記カラーが、前記ねじ部材と係合されるねじ部を有することを特徴とするAACMM。
【請求項20】
請求項19に記載のAACMMであって、前記カラーと前記第4の端部の間に結合されたアームをさらに含み、前記アームが、前記ねじ部材の回転に応じて前記第4の端部を前記第1の位置と前記第2の位置の間で動かすことを特徴とするAACMM。
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−517498(P2013−517498A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550043(P2012−550043)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021250
【国際公開番号】WO2011/090890
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021250
【国際公開番号】WO2011/090890
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
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