説明

座標相互変換モジュール

世界メッシュコードを容易に利用することが可能な座標相互変換モジュールを提供する。求める地点の経度よりゾーン番号(I〜VI)およびブロック内の東西番号を求める(S1)。求める地点の緯度よりブロック番号および南北番号を求める(S2)。東西番号と南北番号とによりユニット番号を求める(S3)。当該地点の経度から求めたユニットの西端経度を引いた差を2160秒で除し(S4)、その数値に10のn乗を乗じ、整数部分をメッシュの東西番号とする(S5)。求めたユニットの北端緯度から当該地点の緯度を引いた差をユニットの間差Aを秒数に換算した数値で除し(S6)、その数値に10のn乗を乗じ、整数部分をメッシュの南北番号とする(S7)。ブロック番号、ユニット番号、東西番号、南北番号の順に並べてNコードとする(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来、新、旧測地系座標の緯度・経度やX、Y座標等の使い難い座標系で表現されていた位置情報と、人が理解しやすい10進法、整数表示を用い、全世界を1つの系で表現できる特開2000−181345号公報に開示されたNコードとを相互変換することによって移動体、地理情報、危機管理、流通、サービス、レジャー観光、防災、教育、環境調査、福祉、資源調査、軍事、その他位置情報が伴う分野において位置情報を効率的に行うことを可能にする座標相互変換モジュールに関する。
【0002】
本明細書では、特開2000−181345号公報における世界メッシュコードをNコードとし、世界メッシュコードで用いられている「メッシュ」を「ユニット」、「細メッシュ」を「メッシュ」と呼称変更する。また、日本測地系座標を旧測地系と表現し、新測地系座標の座標系を新測地系と表現する。なお、新測地系座標とは、日本測地系の世界測地系とのずれを修正した成果品であり、事実上、世界測地系と同一となるため、世界測地系座標と表現する場合もある。
【背景技術】
【0003】
従来の位置情報配信技術において、全地球的な表現方法としては緯度・経度がある。しかし緯度・経度は球体の位置を表現するには適しているが、60進法であるため使い難く、距離や面積を測定する座標系としては適さない。そのために測量用などでは球面を擬似平面に見なした平面直角座標(X、Y座標)が必要となり、国際的には地球を経線に沿って60の帯に分割し、各帯の中心経線と赤道との交点を原点とするUTM(Universal traversal Mercator)座標系が用いられている。
【0004】
わが国は5つの帯に跨っているため5つの座標原点があることになる。しかし、日本は赤道上の原点からの距離が遠く、歪みが大きくなり、桁数も多くなる欠点がある。そのため、わが国では公共測量用座標系として、数府県毎が1つの原点を共有する形の19座標系が用いられている。この座標系は名前のとおり日本全体で19の座標原点を有するものである(以降、19座標系およびUTM座標系についても、X、Y座標として総称するものとする)。
【0005】
平面直角座標系の欠点は球面を擬似的平面に見なすために、多くの原点や補正用の基準点が必要になり、それぞれの原点内の局地的用途にしか利用できないことである。すなわち日本全国を1系として表現できない。このため公共測量等の限定的用途にしか利用することができず、交通、流通他日常生活に関係の深い多くの用途には利用できない。
【0006】
緯度・経度やX、Y座標の座標値は位置そのものを表現する場合や、距離や面積を測定する場合に用いられるが、これらの座標系はいずれもその点を示すだけの点情報である。ところが例えば人口分布といった統計処理に用いる場合には点ではなく領域を持っていなければならない。すなわちメッシュ構造をしている必要がある。
【0007】
世界的なメッシュコードとして、マースデンスクエア・コード、GEBCO(General Bathymetric Chart of the Oceans)メッシュコードなどがある。これらのコード系はいずれも先ず緯度・経度を10度毎に分割し、それに番号をつけているが、この付け方は規則性に欠け、さらに細分化する過程で4等分ということをしているため連続性がなく使い難い。またオラクル社が独自の世界対応のメッシュコードを使っているが4等分を繰り返す方式であり、数学的には効率的とされるが人が見て分かり難い物である。
【0008】
また我が国においては地域メッシュコードというJIS(Japanese Indastrial Standards)に定められたメッシュコード系がある。
【0009】
これは緯度・経度を基に作成されたものであるが、このコードの欠点は2次メッシュを作る際に1次メッシュを縦横8等分しているために、やはり数字に連続性が無く、また東西は経度1度、南北は緯度40分で一律に区切り、正方形と見なしているがこれが当てはまるのは東北地方のみで、日本の南部に位置する鹿児島あたりになるとかなりメッシュ形状が横長になり、縦横の単位長さが違ってしまう欠点がある。
【0010】
さらに位置表示の基本になる緯度・経度において、日本の日本測地系と世界測地系との間にずれが有るため、航空機の利用などでは以前からこの点が問題であると指摘されてきた。また海洋レジャー用などのGPSが市販されているが、その出力は米国の基準であるWGS84による緯度・経度であり、一般に市販されている日本測地系の地図の緯度・経度とは400〜500mのずれを生じるという問題点があり、普及が進んでいない。
【0011】
このように世界測地系座標と旧測地系座標にずれが有ることの問題点が顕在化してきたため国土交通省はこのずれを修正するために全国的に詳細な測量を実施して新たな座標系を測地成果2000(Geodetic Coordinates2000)として発表した。そしてこの新測地系座標の利用が法制化され、国土交通省はその普及に努めている。ところが、新測地系対応の紙地図やGIS(地理情報システム:Geographic Information System)を作成している業者は殆ど無く、その移行は遅々として進んでいない。理由としては、新旧の座標系のずれが全国一律に平行移動するわけではなく、地方によって補正量が異なるために地図に表す際に、従来の地図に新座標の緯線、経線を入れると歪みを生じるという問題があり、地図の作り変えが大変であるとともに、民間での通常の利用では、敢えて変換しないと困るような状況でもないからである。むしろ、新測地系と旧測地系が市場で存在すると同じ緯度・経度の数値が約500m離れた別の場所を示し、どの座標系かを明確にしないと混乱をきたすことのほうがより大きな問題となる。また、新旧の測地系のずれが単純な平行移動ではないため、旧測地系に基づく地域メッシュコードで整理された既存の膨大な統計データと新測地系に基づくデータでは、ずれを生じ、統計の連続性が無くなることも大きな問題となっている。よって強引に移行を進めることは難しい状況である。行政では、公共測量作業規定において、平成14年4月より測量する地図は、新座標系での測量を行うように規定されており、民間の発行する地図は、行政の作る地図をベースに図化しているため、旧測地系をこのまま継続できなくなるのは、必然的に迎えざるをえない。
【0012】
また、国際的な交流面の視点から見ても、航空機など、国際的な基準とずれている旧測地系を使い続けることには問題があるために、今後徐々に移行は進むと考えられる。
【0013】
しかし、移行が徐々に進むと、新旧座標の混在期間が長くなり新たな問題を引き起こすことが考えられる。新旧の座標系の違いが見た目ではっきり違えば間違うこともないが、同じ緯度・経度表現となるため、同じ数値で、新旧座標のずれは400〜500mと言われており、同一表現であるために新旧の区別を忘れるとナビゲーションシステムなどで混乱を引き起こしてしまうことが予想される。現実に、新測地系の利用が法制化されたこの時期になっても未だにこれらの区別が必要だという認識のないまま旧測地系を基にした緯度・経度データベースの販売が盛んに行われている。
【0014】
このような専門的な座標とは別に、一般の人間に馴染みの深い、道路地図、観光地図などの紙地図においては、欄外の縦横に記入したA,B,C…、1,2,3…といった記号によって座標表現をしている。しかし、この座標はその地図だけにしか通用せず、地図ごとに索引が必要となる不便さがある。そして一般的な位置表現法は座標ではなく、住所や目標物が使われる。しかし座標構造になっていないこれらの位置表現法は冗長であり、規則性が無く、ローカル情報であるために地元の人間にしか通用しないという欠点がある。そこでGIS上では便宜的に電話番号や郵便番号などの間接的検索手法が用いられている。ところがこれらの補完的方法も規則性に欠け、基本的に人の住んでいる場所、登録されている場所しか対応できず、山間部や海上などでは使えないという難点がある。
【0015】
このような状況の中で、わが国において阪神淡路大震災以後、GISの重要性が認識され急速に普及が進んでいる。ところが防災問題から発展したGISは災害の事前予測や事後検証には使えてもリアルタイムに対応できるものは無く十分な機能を発揮していない。原因は現状のGISは住民からの位置情報を直接的に入力できず、また得られる情報を住民に効率的に伝える方法がないからである。
【0016】
災害情報の伝達は主に電話等によって音声で行われるが、通常使われる住所や目標物による情報は、地域に精通した担当者でないと迅速に対応できない。このため、通常使われる住所や目標物による情報は、同一町内であれば問題ないが、町名が異なると、たとえ隣の町であったとしても互いの場所の位置関係は、地域に精通していない者にとっては理解し難く、地域に精通した者しか対応できないという問題を含んでいる。また、この通常使われる住所や目標物による情報は、コンピュータ入力に適さない方法であるために時間がかかり、不正確になりやすい。そして阪神大震災の時のようにエリアが自治体を越えて、県レベル、国レベルの対応となると、地域に精通していない人間が殆どで、場所探しに忙殺されて肝心の救援活動に手が回らず、危機管理の大きな問題となった。
【0017】
現状のカーナビゲーションシステムの問題点のひとつとして、目的地入力が簡単、かつ正確にできないこと点が挙げられる。目的地を検索する現状の方法としては、画面の地図上で探すか住所や郵便番号、電話番号、施設名等により検索する方法が用いられる。しかし画面上で探す方法は市街地で分かり易いランドマークの有る部分では良いが、郊外、山間部、海岸線などでランドマークが無い場合には入力が困難になる。また住所や郵便番号検索では町丁単位までの大雑把な把握しかできないし、電話番号検索、施設名検索の場合にはピンポイント検索は可能であるが登録されていないと利用できず、ヒット率が低いという難点がある。また、電話番号検索の場合は、電話番号が変わる恐れもある。そしてこれらの方法は基本的に人が住んでいる所しか対応できず、例えば、ごみが不法投棄される場所は山中、河川敷、海岸線などであり、郊外の観光スポットなども検索できないことが多い。さらに現状のカーナビゲーションシステムでは自己位置の発信がうまくできない欠点がある。例えば待ち合わせやトラブルの際に画面上では自己位置をピンポイントで捉えながら、相手に携帯電話等で自分の位置をうまく説明できないのである。
【0018】
最近GPS(Global Positioning System)内蔵の携帯電話が出回り始め、歩行者ITS(Intelligent Transport Systems)が可能な時代に入った。ところが現在のシステムには問題がある。画面の大きさや記憶容量において携帯電話にカーナビゲーションシステムのような機能を期待することは無理であるのに、カーナビゲーションシステムと同じような開発手法をとろうとしているからである。すなわち歩行者ITSでは地図情報を自己記憶することができないためにダウンロードによって取得しなければならないが、地図画面は多くの情報量を必要とし、時間と料金がかかる割りには貧弱な地図しか得られず、目立ったランドマークの無い所では地図画面を見てもどこの地図なのか分からないという欠点がある。
【0019】
最近、警察庁の発表によると警察への緊急通報が年間880万件あり、消防署への緊急通報を加えるとさらに大きな数になるわけであるが、その内50%以上が移動電話からのものだとされており、その比率は今後益々高まると言われている。移動電話の場合、場所の特定は、固定電話のように番号検索で特定できず、通報者による説明に頼っているが、通報者が短時間で正確に場所を説明するのが難しい。そのため場所の特定ができないままに切られてしまうケースが多く、現場到着時間が送れるということが問題になっている。警察庁はその対策として電話番号が非通知設定になっていると掛け直しができないので、電話番号の非通知設定がなされている場合でも警察側で緊急性があると判断した場合には
電話番号を強制的にモニターし、かけ直すことができるシステムの導入が検討されているとのことである。しかし緊急を要する時にかけ直して位置を特定するというシステムでは十分な問題解決が図れない。
【0020】
現状のナビゲーションシステムは前述の如く地図画面を前提としており、携帯電話の小さな画面に粗い情報が表示される歩行者ITSは、地図を見ることが困難な高齢者、視覚障害者用、あるいは地図が苦手な者が利用できるシステムになっていない。また我が国において外国人観光客も携帯ナビゲーションシステムを利用できるようにすることで観光誘致にも繋がるが、現状ではローマ字表示の地図はなく、仮にローマ字表示をしようとしてもローマ字表示の場合、漢字の3〜4倍の字数が必要であるため実用になる携帯画面用の地図の作成は困難と考えられる。よって地図を前提とした現在のやり方では外国人向けのナビゲーションシステムの開発は困難である。
【0021】
古い旅行写真などを見た時、写真の隅に記載された日付によって何時撮ったかは分るが、何処で撮ったのか思い出せないことが多い。そして最近のテレビ番組には旅行番組やグルメ番組が多いが、視聴者が行ってみたいと思っても地元の人間でさえ分り難い大雑把な地名や略図しか表示されないために結局、殆どの場合、場所が分らない。またニュース番組においても位置情報は重要な要素であるが、たとえば日航機の墜落した御巣鷹山、上九一色村といった地名は連日繰り返し放送されたが、恐らく全国の視聴者は富士山の周辺らしいという漠然とした場所しか分らなかった筈である。このように多くのテレビ番組において位置情報は非常に重要であるにも拘わらず、これまで簡単に扱われ、視聴者の知りたい情報をうまく伝えられなかった。
【0022】
従来、位置の表現法は目的、用途によって、住所、地名、目標物、緯度・経度、19座標系、あるいは地図による方法などそれぞれが統一されることなく個々の方法を用いており、このことがGISの発展を妨げている。例えて言うなら、ばらばらの言語で話される位置情報をコンピュータという通訳を介して話しているようなもので、単に通訳を介する不便さだけでなく、この通訳が緯度・経度と19座標の間の通訳は得意であるが、遥かに使用頻度の高い住所や目標物という位置言語の通訳が苦手なために疎外されているようなものである。これを解決するには通訳無しで話し合える共通言語が必要になる。
【0023】
この位置の共通言語となるのが人が理解し易い座標であるが、全国を連続的に表現できる座標であり、積み上げられた膨大なGISの資産を活用するには緯度・経度に基づくしかない。GISにおいて19座標系で整理されたものも多いが、この座標系は局地座標であり、全国を一系として表現できる汎用性は無いが緯度・経度との関係はコンピュータ処理が可能である。よって基本的には緯度・経度を人が分かり易い形の座標系に変換することによってこの資産を活用することができる。
【0024】
しかし、分り易い座標とするためには10進法、整数表示など多くの条件を満たす必要がある。このような条件を満たすコード系が開示されている(特開2000−181345号公報参照)。
【発明の開示】
【0025】
しかしながら、特開2000−181345号公報には、世界メッシュコード(Nコード)の利用法について十分に開示されておらず、その普及のためのシステムが必要である。
【0026】
そこで、本発明は、Nコードと、新、旧測地系座標の緯度・経度およびそれぞれに対応するX、Y座標からなる群より選択された一の座標系とを変換することで、Nコードを容易に利用することが可能な座標相互変換モジュールを提供することを目的とする。
【0027】
さらには、座標相互変換モジュールを適用した、地理情報システム、汎地球測位システム、携帯端末、撮像装置、ナビゲーションシステム、航行制御システム、現場撮影用テレビカメラ、および車両管理システムを提供することを目的とする。
【0028】
本発明の座標相互変換モジュールは、地球を、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割し、かつ緯線に沿って南北方向に少なくとも3分割する、番号が付された複数のブロック、各ブロックを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ100分割する、番号が付された複数のユニット、および各ユニットを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ10分割する、番号が付された複数のメッシュにより分割し、ブロックのブロック番号、ユニットのユニット番号、およびメッシュのメッシュ番号の組み合わせにより位置表示するメッシュコードと、新測地系座標および旧測地系座標の各緯度・経度、新測地系座標および旧測地系座標のそれぞれに対応するX、Y座標の座標値と、を相互に変換する座標相互変換モジュールであって、各緯度・経度と、座標値とを入力する入力手段と、各緯度・経度と、座標値とが、各ブロックの何れのブロック内に位置するかを求めるブロック番号選択手段と、各緯度・経度と、座標値とが、ブロック番号選択手段で求められたブロック内の何れのユニット内に位置するかを求めるユニット番号選択手段と、各緯度・経度と、座標値とが、ユニット番号選択手段で選択されたユニット内の何れのメッシュ内に位置するかを求めるメッシュ番号選択手段と、メッシュコードによる位置に対応する、緯度・経度、座標値を求め出力する出力手段とを有する。
【0029】
また、本発明の座標相互変換モジュールは、任意の位置をホームポジションとして設定し、ホームポジションを中心としてユニットと略同じ大きさの範囲を規定するホームポジション設定手段を有するものであってもよい。
【0030】
また、本発明の座標相互変換モジュールは、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号のうち、用途に応じ選択された桁数のメッシュコードを入力するメッシュコード入力手段を有するものであってもよい。
【0031】
さらに、本発明の座標相互変換モジュールは、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号からなるメッシュコードのうち、用途に応じ必要とされる桁数を選択して出力するメッシュコード出力手段を有するものであってもよい。
【0032】
上述の通りの構成の本発明の座標相互変換モジュールは、メッシュコードと、新、旧測地系座標の緯度・経度または19座標系に基づくX、Y座標の座標値を相互に容易に変換することができる。
【0033】
国土地理院は、新測地系座標を発表する際に、旧日本測地系の緯度・経度、新測地系座標の緯度・経度、および両者に対応する19座標系に基づくX、Y座標の関係を示すプログラムとしてTKY2JGDを提供している。本発明の座標相互変換モジュールは、これらのうち選択された一の座標系と、メッシュコード(例えば、特開2000−181345号公報に開示されたNコード)との相互変換を行うモジュールを提供するものである。
【0034】
なお、日本新測地系座標と汎地球測位システムで使われているWGS84座標系との誤差は非常に小さいため実用上は同一とみなしても支障はないとされるため、メッシュコードとWGS84との間の変換モジュールとしても利用可能である。
【0035】
また、本発明の座標変換モジュールは、国際的な利用の場合、19座標系ではなく、UTM座標をメッシュコードに変換することも可能である。メッシュコードは、その構造上、例えば、日本国内で使う際にはブロック番号6Aが不要となり、また、ユニットのサイズは約50km四方の大きさを持つため、1つの市外局番で通話可能な領域より遥かに広いエリアをカバーできる。このため、メッシュコードは、約50km四方、すなわち、日常生活における行動範囲内では、ブロック番号およびユニット番号を省略することができるため、桁数が少なくて済む。一方、メッシュコードは、台風情報や外国の位置を表す場合など、50km程度の精度でよい場合にはメッシュ番号を省略することができる。なお以下の説明において、メッシュコードと表現する場合は原則として、前記の如く必要に応じて選択された桁数のメッシュコードを指すものとする。
【0036】
本発明の地理情報システムは、本発明の座標相互変換モジュールと、緯度・経度、およびX、Y座標値を含むデータベースとを有し、デジタル化された地図をコンピュータ上で管理し、位置を表示する地理情報システムであって、座標相互変換モジュールは、データベースの緯度・経度およびX、Y座標値をメッシュコードに変換することでデータベースを利用し、緯度・経度およびX、Y座標値をメッシュコードに変換してメッシュコードによるデータベースを作成するものである。すなわち、本発明の地理情報システムは、旧測地系座標の緯度・経度、X,Y座標および新測地系座標の緯度・経度、X、Y座標で整理されたデータベースをメッシュコードに変換して整理し、メッシュコードを入力することによって従来のデータベースの資産を活用することができる。
【0037】
また、上述したように、本発明の座標変換モジュールへのメッシュコードの入力桁数は、用途に応じて必要な整数の桁数を選択することができるので、従来に較べ大幅に入力作業が少なくて済む。つまり、本発明の座標変換モジュールを有する地理情報システムは、用途に応じて必要なメッシュコードの桁数を選択することができるので、世界文化圏、国、都市、地域、建物、街路灯など、任意の規模での検索を容易にする。
【0038】
また、本発明の地理情報システムは、地図およびメッシュコードを重畳して表示する表示手段と、任意の位置を、選択された桁数のメッシュコードとして入力する直接入力手段と、任意の位置のメッシュコード、および直接入力手段で入力されたメッシュコードのいずれか一方のメッシュコードに基づき、位置を検索する手段と、を有するものであってもよい。
【0039】
上述したように、日本新測地系座標と汎地球測位システムで使われているWGS84座標系との誤差は非常に小さいため実用上は同一とみなしても支障はないとされている。よって、本発明の汎地球測位システムは、本発明の座標相互変換モジュールを有し、現在地の情報を汎地球測位システム用の座標系から取得する汎地球測位システムであって、取得された緯度・経度の情報を、新測地系座標の緯度・経度と同一とみなし、座標相互変換モジュールによってメッシュコードに変換して出力する。
【0040】
現在使われている汎地球測位システムは、WGS84の緯度・経度座標が出力されており、緯度・経度が一般には使い難いことと、わが国においては市販の殆ど全ての地図が旧測地系の緯度・経度に基づいており、WGS84はこの座標系と400〜500mのずれがあるため、実用上さまざまな支障がある。本発明の汎地球測位システムは、これらの問題を解決する手段を提供するものであり、その手法として、本発明の座標変換モジュールを用いている。本発明の座標変換モジュールを用いた汎地球測位システムは、WGS84の緯度・経度で出力された情報を選択された一の座標系または選択された桁数のメッシュコードで出力することを可能にし、利便性を向上させることができる。
【0041】
なお、現在わが国で使われている汎地球測位システムは、複数の人工衛星から送られた時間情報をWGS84の緯度・経度に変換されたものを利用しているが、本発明の汎地球測位システムは、WGS84の緯度・経度情報に変換せず、時間情報からメッシュコードを直接に演算して出力することも可能である。またヨーロッパに米国のGPSに対抗したガリレオ計画があり、日本においても測地衛星の計画があり、本発明の汎地球測位システムは、これらの位置情報をメッシュコードに変換して出力することも可能である。
【0042】
本発明の携帯端末は、本発明の汎地球測位システムを備えた携帯端末であって、任意の位置を、選択された桁数のメッシュコードとして入力する直接入力手段と、選択された桁数のメッシュコードとともに、必要に応じて現在地、目的地周辺の地図を表示し、目的地までの距離、方向を表示する機能とを有する。
【0043】
すなわち、本発明の携帯端末は、目的地の位置を選択された桁数のメッシュコードによって手入力によって直接入力することができる、入力作業が簡単となる。また、本発明の携帯端末は、汎地球測位システムによって取得した位置情報を選択された桁数のメッシュコードを表示出力するので、その表示は、目的地の方向および目的地までの距離が分かり易く、かつ見やすいものとなっている。
【0044】
また、本発明の携帯端末は、用途に応じ選択された桁数のメッシュコードを音声によって入出力する手段を有するものであってもよく、この場合、地図を見ることが苦手な者、視覚障害者、高齢者等にとって便利な機能を提供することが可能となる。
【0045】
また、本発明の携帯端末は、画像を撮像する撮像手段と、汎地球測位システムによって取得した撮像場所のメッシュコード、および直接入力手段で入力されたメッシュコードのいずれか一方のメッシュコードを撮像された画像に写し込んで記録する画像記録手段と、画像記録手段に記録された画像を送信する送信手段と、を有するものであってもよい。
【0046】
本発明の撮像装置は本発明の汎地球測位システムを備えた、撮像した画像を記録する撮像装置であって、現在地を、選択された桁数のメッシュコードとして入力する直接入力手段と、汎地球測位システムによって取得した撮像場所の位置情報のメッシュコード、および直接入力手段で入力されたメッシュコードのいずれか一方のメッシュコードを撮像された画像に写し込む手段と、を有する。この撮像装置はテレビカメラも含むものである。
【0047】
また、本発明の撮像装置は、撮像装置から被写体までの距離と、撮像装置に対する被写体の方向とに基づき、被写体の位置のメッシュコードを算出する算出手段と、算出手段によって算出されたメッシュコードを選択された桁数で撮像された画像に表示する手段を有するものであってもよい。すなわち、本発明の撮像装置は、取得した位置と、自動焦点装置等により求めた被写体との距離、方位測定装置を組み合わせることにより被写体の位置のメッシュコードを算出し、そのメッシュコードを撮影画像の一部に表示するようにしても良い。また、本発明の撮像装置は、航空機から撮影時には、俯角も入れて演算することにより、災害時等に上空から撮影した被災地の画像にその位置のメッシュコードを算出して入れるようにしてもよい。
【0048】
従来のナビゲーションシステムは住所、登録された電話番号、目標物、郵便番号などを検索手法としているが、非常に限られた場所しかうまく目的地が入力できず、また地図画面上では現在地がピンポイントで表示されているが、山間部などで事故を起こした時などに助けを呼びたいと思っても、画面に分りやすい目印になるものが無いとその位置を携帯電話などで簡単に他に伝える手段が無いという欠点があった。
【0049】
本発明のナビゲーションシステムは、これらを解決する手段を提供するものである。本発明のナビゲーションシステムは、本発明の汎地球測位システムを備え、移動体の現在地を検出し、検出された現在置から目的地までの移動経路を検索するナビゲーションシステムであって、目的地を、選択された桁数のメッシュコードとして入力する直接入力手段と、選択された桁数のメッシュコードによって現在位置を表示する手段と、選択された桁数のメッシュコードで位置の検索を行う手段を有する。本発明のナビゲーションシステムは、現在地の情報を単に地図画面上に点として表示するだけでなく、メッシュコードを併せて表示することによって、他に位置情報を簡単に発信することができる。また本発明のナビゲーションシステムは、メッシュコードによって目的地を手入力する直接入力手段を具備しているので、市街地に限らず、山間部などの住所、電話番号、目標物の無いような場所であってもメッシュコードによって分りやすく少ない桁数で入力が可能である。
【0050】
測量などで厳密な精度が要求される場合には新測地系座標とメッシュコードを対応させることが必要であるが、汎地球測位システム(GPS)から得られる座標はWGS84であり、新測地系座標とは数cmの誤差ということである。よって、GPSから出力されるWGS84座標を新測地系座標とみなして利用する本発明の汎地球測位システムを用いた本発明のナビゲーションシステムは、数mの誤差が許容される車両用等の移動体のナビゲーションシステムなどの一般的利用については実用上問題はない。
【0051】
また、本発明のナビゲーションシステムは、汎地球測位システムによって取得した位置情報のメッシュコード、および直接入力手段で入力されたメッシュコードのいずれかを発信する手段を有するものであってもよい。この場合、取得された位置情報、あるいはメッシュコードを発信することで事故時などに効率的に対応できる。
【0052】
また、本発明のナビゲーションシステムは、取得した任意の位置のメッシュコードの記録および印刷を行う手段を有するものであってもよい。本発明のナビゲーションシステムは、タクシーにナビゲーションを搭載した場合にあっては、乗客の乗車位置や降車位置を領収書に記載したり、次回乗車の際に目的地が簡単に伝えられるサービスが可能になる。
【0053】
本発明の移動体は、本発明の汎地球測位システムを備えた移動体であって、船舶、および航空機からなる群より選択された一の移動体である。
【0054】
本発明のテレビカメラは、本発明の汎地球測位システムを備えた、現場撮影用のテレビカメラであって、テレビカメラの現在地を、選択された桁数のメッシュコードとして入力する直接入力手段と、汎地球測位システムによって取得したテレビカメラの位置情報のメッシュコード、および直接入力手段で入力されたメッシュコードのいずれか一方のメッシュコードを撮像された画像に表示する表示手段を有するテレビカメラである。
【0055】
本発明の車両管理システムは、車両と、車両の運行を管理する管理センターとを有する車両管理システムであって、
車両は、本発明の汎地球測位システムを有し、汎地球測位システムは、選択された桁数のメッシュコードによる現在地および目的地、現在地から目的地までの移動経路、および地図を表示する表示手段と、選択された桁数のメッシュコードによって車両の移動経路、現在地および目的地の位置を検索する検索手段と、選択された桁数のメッシュコードによって目的地を入力する入力手段と、管理センターから送信されてきたメッシュコードを受信する手段と、現在地を示す信号を発信する発信手段と、各時刻における車両の位置情報を含む各種情報を記録する記録手段とを有し、管理センターは、選択された桁数のメッシュコードによって目的地を入力する手段と、車両の現在地を表示する手段と、車両の現在地および目的地を、選択された桁数のメッシュコードにより検索する手段と、選択された桁数のメッシュコードを車両に送信する手段と、各時刻における車両の位置情報を含む各種情報を記録する情報記録手段を有する管理手段を含む。
【0056】
本発明の汎地球測位システムを有する車両の運行を管理するためのサーバであって、選択された桁数のメッシュコードによって目的地を入力する手段と、車両の現在地を表示する手段と、車両の現在地、および目的地を選択された桁数のメッシュコードにより検索する手段と、選択された桁数のメッシュコードを車両に送信する手段とを有する。
【0057】
本発明の汎地球測位システムを有する車両の運行を管理するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、選択された桁数のメッシュコードによって目的地を入力する処理と、車両の現在地を表示する処理と、車両の現在地、および目的地を選択された桁数のメッシュコードにより検索する処理と、選択された桁数のメッシュコードを車両に送信する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0058】
なお、本発明において直接入力手段を有する発明は、汎地球測位システムが室内等で人工衛星からの情報が得られない場合等、メッシュコードに関する情報を取得できない場合であっても、その場所のメッシュコードが分っている場合にはそのメッシュコードを直接入力手段によりユーザが手入力することが可能である。
【0059】
本発明のプログラムは、世界地図を、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割し、かつ緯線に沿って南北方向に少なくとも3分割する、番号が付された複数のブロック、各ブロックを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ100分割する、番号が付された複数のユニット、および各ユニットを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ10分割する、番号が付された複数のメッシュにより分割し、ブロックのブロック番号、ユニットのユニット番号、およびメッシュのメッシュ番号の組み合わせにより位置表示するメッシュコードと、新測地系座標および旧測地系座標の各緯度・経度、新測地系座標および旧測地系座標のそれぞれに対応するX、Y座標の座標値と、を相互に変換する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、入力された各緯度・経度と、座標値とが、各ブロックの何れのブロック内に位置するかを求めるブロック番号選択処理と、各緯度・経度と、座標値とが、ブロック番号選択処理で求められたブロック内の何れのユニット内に位置するかを求めるユニット番号選択処理と、各緯度・経度と、座標値とが、ユニット番号選択処理で選択されたユニット内の何れのメッシュ内に位置するかを求めるメッシュ番号選択処理と、任意の位置をホームポジションとして設定し、ホームポジションを中心として前記ユニットと略同じ大きさの範囲を規定するホームポジション設定処理と、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号からなるメッシュコードのうち、用途に応じ必要とされる桁数を選択して出力するメッシュコード出力処理と、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号のうち、用途に応じ選択された桁数のメッシュコードが入力されるメッシュコード入力処理と、メッシュコードによる位置に対応する、緯度・経度、座標値を求め出力する出力処理とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0060】
以上説明したように本発明によれば、分り易い座標であるNコードを含むメッシュコードと、旧日本測地系座標、および新測地系座標との座標を相互に容易に変換することができる。また、本発明の座標変換モジュールは、地理情報システム、汎地球測位システム、携帯端末、撮像装置、ナビゲーションシステム、現場撮影用のテレビカメラ、および車両管理システムにNコードを適用することができるため、これらの利便性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
[図1]本発明の一実施形態の変換モジュールに適用可能な、Nコードによる世界ブロック図である。
[図2]図1に示したブロック6A内の東西方向32〜64、南北方向64〜95の領域を示した地図である。
[図3]東京都23区、川崎市、横浜市を含む、ユニット番号4986近辺を表示した地図である。
[図4]ユニット番号4288を、5kmメッシュによって東西方向および南北方向のそれぞれに10分割した地図である。
[図5]堺市役所付近の50mメッシュを示した地図である。
[図6]本発明の一実施形態である変換モジュールのブロック構成である。
[図7]本発明の一実施形態である変換モジュールを地理情報システムに組み込んだ場合のモニタ画面の一例である。
[図8]本発明の一実施形態である変換モジュールの変換プロセスを示すフローチャートである。
[図9]図4に示した大阪府近辺に対応するユニットの6A、4288を東西南北に10分割したNコードの5kmメッシュである。
[図10]図9に示したメッシュ番号4−2を東西南北に50m毎に10分割したNコードの500mメッシュである。
[図11]図10に示したメッシュ番号49−27を東西南北に5m毎に10分割した50mメッシュである。
[図12]図11に示したメッシュ番号493−270を東西南北に0.5m毎に10分割した5mメッシュを示したものである。
[図13]図4に示した大阪府近辺に対応するユニットの6A、4288において、大阪駅中央口改札付近である、6A、4288/4935−2702を直接的に示した図である。
[図14]本発明の一実施形態である変換モジュールを備えたGISのブロック構成図である。
[図15]本発明の一実施形態である変換モジュールを備えたGPSのブロック構成図である。
[図16]本発明の一実施形態である変換モジュールを備えたナビゲーションシステムおよび車両管理システムのブロック構成図である。
[図17]本発明の一実施形態である変換モジュールを備えた携帯端末のブロック構成図である。
[図18]図17に示した携帯端末のGPS初期画面である。
[図19]本発明の一実施形態である変換モジュールを備えた撮像装置のブロック構成図である。
[図20]ホームポジション機能を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0063】
まず、本発明の概要について説明する。
【0064】
本発明は、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割され、かつ緯線に沿って南北方向に少なくとも3分割されたブロックと、各ブロックを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ100分割したユニットと、各ユニットを東西方向および南北方向に略正方形状に10分割したメッシュとにより世界地図をメッシュ分割したメッシュコード、例えば特開2000−181345号公報に開示されている世界メッシュコード(Nコード)と、世界測地系座標(WGS84)、日本測地系座標(旧測地系)、測地成果2000(新測地系)とを相互に変換するモジュールである。
【0065】
以下にNコードの概略、および地図とNコードの親和性について説明する。
【0066】
図1は、Nコードによる世界ブロック図である。
【0067】
Nコードは、世界地図を、東西南北に正方形の領域を基本形状としたブロック番号1A〜6Cで示されるブロック80により、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割し、かつ緯線に沿って南北方向に3分割しており、さらに各ブロック80を東西方向に100分割(00〜99)し、南北方向に100分割(00〜99)の略正方形状のユニットに分割している。
【0068】
Nコードは、電子地図及び紙地図に格子状に記載可能であり、Nコードのブロック80は世界をほぼ文化圏により非常にうまく分割している。図1に示すように、極東は6A、ヨーロッパは4A、北アメリカは2A、南アメリカは3B、アフリカは4B、インドは5B、インドネシアやオーストラリアは6Bに位置する。
【0069】
図2は、図1に示したブロック6A内のユニット80のうち、東西方向32〜64、南北方向64〜95の領域を示した地図である。図2には、日本全域が表示されており、日本の主要都市をNコードのユニット番号で表すと、例えば、東京は、東西方向の番号49と、南北方向の番号86とを組み合わせた4桁のユニット番号4986で表される。また、札幌は5270、大阪は4288となる。Nコードは、日本全域をNコードの連続数による1つの系により連続的に位置表現できるため、日本を19の原点で分割している平面直角座標に比べ、広域行政などでの有効性が想起できる。
【0070】
図3は、東京都23区、川崎市、横浜市を含む、ユニット番号4986近辺のユニット81を表示した地図である。1つのユニット81は、1つの市外局番で通話可能な領域より遥かに広い領域を持っている。すなわち、Nコードのユニット81は、市町村レベルで用いる場合、あるいは日常生活における行動範囲を表現する上で十分に有効な領域を有していることを示している。
【0071】
また、Nコードは、10進数の連続数字でユニット、メッシュを表現しているので、ユニットを跨いだ都道府県であっても、隣のコード番号を容易に推定でき、容易に位置を理解することができる。
【0072】
図4は、50km四方からなるユニット番号4288を、1辺5kmのメッシュ311である5kmメッシュによって東西方向および南北方向のそれぞれに10分割した地図である。図4に示すように、ユニット番号4288は、大阪市、堺市といった大阪府の主要部を包含しているため、1つの行政区画内では、電話の市外局番が省かれるのと同様に、ユニット番号4288内では、ユニット番号4288を省略して位置情報を表すことができる。また、Nコードは、陸上海上問わず網羅的に位置表現でき、数字の大小差で2地点間の相対方向と距離が推定できる。
【0073】
図5は、堺市役所付近の50mメッシュ(1辺50mのメッシュ3111)を示した地図である。市役所やその周辺も建物などの相対位置の方向、距離は、Nコードの差により感覚的に推定できる。
【0074】
以上、Nコードの日本国内での利用について説明したが、Nコードの数字の配列の仕方は、表計算ソフトと同じであり、全世界をカバーするコード系である。そこでNコードを外国について利用した場合の利便性について述べる。Nコードは、ヨーロッパ、北アメリカ文化圏などの西半球について非常に上手く分割されている。従来の方式は、西半球では経度が右から左へ向かって数字が増えるため、通常の数字の並びと逆になり、感覚的に使い難いものであった。一方、Nコードの数字の配列は、東西は左から右へと数字が増え、また、南北は北から南へ数字が増える通常の数字配列となっており、全世界で統一した配列としている。
【0075】
本実施形態の変換モジュールは、以上のような特徴を備えたNコードと、旧日本測地系座標、および新測地系座標の緯度・経度およびX、Y座標とを相互に変換するモジュールである。
【0076】
図6(a)及び(b)は、本実施形態の変換モジュールのブロック関連図と機能図である。図7は、本発明の一実施形態である、Nコードと緯度・経度またはX、Y座標とを相互に変換する変換モジュールを地理情報システムに組み込んだ場合におけるモニタ画面を示す図である。また、表1−a、表1−bは、本発明の一実施形態であるNコードと緯度・経度とを相互に変換する変換モジュールの引数を示す表である。
【0077】

【0078】

【0079】
変換モジュール1は、旧日本測地系座標、および新測地系座標の緯度・経度またはそれぞれに対応するX、Y座標を入力する入力部1a1、Nコード(用途に応じ選択された桁数のNコードを含む)によるブロック番号等を入力するNコード入力部1a2を有する入力部1aと、入力された緯度・経度に対応するブロックを選択するブロック選択部1b1、ユニットを選択するユニット選択部1b2、メッシュを選択するメッシュ選択部1b3と、緯度・経度Nコード変換テーブルとを有する選択部1bと、選択部1bにより選択されたブロック番号、ユニット番号、メッシュ番号より生成されるNコードを出力するコード出力部1c1、およびNコード入力部1a2で入力された、ブロック番号、ユニット番号、メッシュ番号からなるNコードに対応する緯度・経度を求め、出力する緯度・経度出力部1c2を有する出力部1c、を備えている。
【0080】
表1−a中、PANcdNToB(table、Jb、Jl、Jx、Jy、Wb、Wl、Wx、Wy、Int、Nb、Nu、New、Nns)で示される本実施形態の変換モジュールは、旧日本測地系座標、新測地系座標の緯度・経度またはX、Y座標を入力データとして、本発明の変換モジュールに投入することによりNコードを出力するものである。本実施形態の変換モジュールは、引数として、緯度・経度Nコード変換テーブルの他、旧日本測地系の緯度Jb、経度Jl、旧日本測地系の平面直角座標のx座標Jx、y座標Jy、新測地系座標の緯度Wb、経度Wl、新測地系座標の平面直角座標のx座標Wx、y座標Wyを入力引数とし、Nコードの、メッシュ縮尺Int、ブロック番号Nb、ユニット番号Nu、東西メッシュ番号New、南北メッシュ番号Nnsを出力引数としている。
【0081】
また、表1−b中、PANcdBToN(table、Nb、Nu、New、Nns、Jb、Jl、Jx、Jy、Wb、Wl、Wx、Wy)で示される本実施形態の変換モジュールは、表1−aに示す変換モジュールとは逆に、Nコードを入力データとして、本発明の変換モジュールに投入することにより旧日本測地系座標、新測地系座標の緯度・経度またはX、Y座標を出力するものである。すなわち、表1−bに示す変換モジュールは、引数としては、緯度・経度Nコード変換テーブルの他、Nコードの、ブロック番号Nb、ユニット番号Nu、東西メッシュ番号New、南北メッシュ番号Nnsを入力引数とし、旧日本測地系の緯度Jb、経度Jl、旧日本測地系の平面直角座標のx座標Jx、y座標Jy、新測地系座標の緯度Wb、経度Wl、新測地系座標の平面直角座標のx座標Wx、y座標Wyを出力引数としている。
【0082】
表1−a、表1−bに示す各入力引数は、図7に示す画面4にて入力され、変換された出力引数が表示される。図7中、矢印41は旧日本測地系の平面直角座標Jx、Jyと旧日本測地系の緯度Jb、経度Jlとの変換を示している。矢印42は、旧日本測地系の緯度Jb、経度Jlと新測地系座標の緯度Wb、経度Wlとの変換を示している。矢印43aは、新測地系座標の緯度Wb、経度Wlと新測地系座標の平面直角座標Wx、Wyとの変換を示している。矢印43bは、新測地系座標の緯度Wb、経度Wlと、Nコードの、ブロック番号Nb、ユニット番号Nu、東西メッシュ番号New、南北メッシュ番号Nnsとの変換を示している。矢印43cは新測地系座標の平面直角座標Wx、Wyと、Nコードの、ブロック番号Nb、ユニット番号Nu、東西メッシュ番号New、南北メッシュ番号Nnsとの変換を示している。
【0083】
例えば、地理情報システムから旧日本測地系の平面直角座標系の位置情報を入力することによってのNコードの取得は、平面直角座標Jx、Jyを入力し、Nコードのメッシュ縮尺Intを指定して行う。例えば、5kmメッシュでは、ユーザは、ユニットの50km四方の1/10として10を指定する。同様に、ユーザは、500mメッシュは100、50mメッシュは1000、5mメッシュは10000と指定する。本実施形態の変換モジュールは、入力結果が正しい情報であれば、戻り値として、TRUE、正しくなければFALSEを返却する。本実施形態の変換モジュールは、正しい入力情報であれば、結果として、入力情報に指定した位置を含むNコードが算出され、Nコードのブロック番号Nb、ユニット番号Nu、指定したメッシュ縮尺Intの東西メッシュ番号New、南北メッシュ番号Nnsを出力する。
【0084】
また、変換したいNコード、例えば、6A、4288/256−567を緯度・経度、あるいはX,Y座標に変換したい場合には、ユーザは、ブロック番号Nbの6A、ユニット番号Nuの4288、東西メッシュ番号Newである256、南北メッシュ番号Nnsである567のそれぞれには桁数の末尾に5を加え、東西メッシュ番号Newを2565、南北メッシュ番号Nnsを5675として入力する。本実施形態の変換モジュールは、入力結果が正しい情報であれば、戻り値として、TRUE、異常処理であれば、FALSEを返却し、正常処理であれば、変換したいメッシュの中心位置を算出する。また、本実施形態の変換モジュールは、5を加えなければ、メッシュの西北端を算出する。
【0085】
次に、本変換モジュールに搭載する表2〜表13の緯度・経度Nコード変換テーブルを使った緯度・経度データからNコードに変換するプロセスを、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0086】
以下の説明に用いる表2〜表11は、北半球ではユニットの南端緯度、南半球では北端緯度およびユニット形状の計算表であり、表12および表13はNコードの各ブロックの東端経度計算表である。表4および表5は図1のAブロックに対応し、表6および表7は図1のBブロックに対応し、表8および表9は図1のCブロックに対応する。
【0087】
表2および表3は、北極圏を分割したXブロック、表10および表11は南極圏を分割したYブロックに対応する計算表である。これらXブロックおよびYブロックは、Nコードの作成ルールに従い、A〜Cブロックに加え、さらに両極圏に緯線に沿って正方形のメッシュができるよう100本の線を引き、北極圏をXブロック、南極圏をYブロックとしたものである。すなわち、本実施形態で用いるブロックは、特開2000−181345号公報に開示されている世界メッシュコードではブロック分割されていない北極圏および南極圏についても同一のルールによってブロック分割したものである。
【0088】
なお、表4、表5および表6は、特開2000−181345号公報に開示されている第1表〜第3表を転載したものである。
【0089】


【0090】


【0091】


【0092】


【0093】


【0094】


【0095】


【0096】


【0097】


【0098】


【0099】


【0100】


【0101】
なお、緯度・経度は、南・北半球で緯度が異なり、東・西半球では経度の増加の方向が異なるため、4つの半球毎に変換方法は異なる。ここでは日本が属する北半球のうちの東半球部分の変換方法について述べるが、他の各半球の変換も以下に準じて行うことができる。
【0102】
この変換は、変換モジュール1の選択部1bのブロック選択部1b1、ユニット選択部1b2およびメッシュ選択部1b3と、出力部1cのNコード出力部1c1とにより、以下のステップS1〜S8の処理を経てなされる。
【0103】
1.まず、ブロック選択部1b1は、求める地点の経度を表12および表13と比較し、当該位置がI〜VIのゾーン番号およびブロック内の2桁の東西番号のどの範囲に入るかを求める(ステップS1)。
【0104】
2.次に、ユニット選択部1b2は、求める地点の緯度を表2〜表11と比較し、ブロック番号および2桁の南北番号のどの範囲に入るかを求める(ステップS2)。
【0105】
3.ユニット選択部1b2は、以上の過程から当該地点のブロック番号を定め、ブロック内の00〜99までの2桁の東西番号と00〜99までの2桁の南北番号を並べてできる4桁の数値を当該地点のユニット番号とする(ステップS3)。
【0106】
4.メッシュ選択部1b3は、当該地点の経度から、求めたユニットの西端経度を引いた差を秒数に換算し、36分を秒に換算した2160秒で除す(ステップS4)。
【0107】
5.東西がn桁のメッシュ番号を求める場合には、メッシュ選択部1b3は、上記で求めた数値に10のn乗を乗じ、その整数部分をメッシュの東西番号とする(ステップS5)。
【0108】
6.メッシュ選択部1b3は、求めたユニットの北端緯度から当該地点の緯度の差を求め、秒数に換算し、表2〜表11のいずれかより求めたユニットの間差Aを秒数に換算した数値で除す(ステップS6)。
【0109】
7.南北がn桁のメッシュ番号を求める場合には、メッシュ選択部1b3は、求めた数値に10のn乗を乗じ、その整数部分をメッシュの南北番号とする(ステップS7)。
【0110】
8.Nコード出力部1c1は、ブロック番号、ユニット番号、東西番号、南北番号の順に並べたものを当該地点のNコードとする(ステップS8)。例えば大阪駅を例にとると6A、4288/502−266というように表現する。
【0111】
また、ステップS8については、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号からなるNコードのうち、用途に応じ必要とされる桁数を選択して出力するメッシュコード出力してもよい。
【0112】
また、ブロック番号、ユニット番号、およびメッシュ番号のうち、用途に応じ選択された桁数のメッシュコードが入力され、これを処理するものであってもよい。
【0113】
以上の緯度・経度からNコードを変換するプロセスについて大阪駅を例に具体的に説明する。
【0114】
現状市販されている地図帳は、旧測地系で表示されており、例えば大阪駅中央口は東経135度29分56秒、北緯34度41分57秒となっている。しかしNコードは新測地系座標の緯度・経度と対応しているため、国土地理院の開示している新旧変換ソフトTKY2JGDによって新測地系の緯度・経度に変換すると東経135度29分46秒、北緯34度42分09秒と表現される。
【0115】
この緯度・経度を上記のルールに従って変換すると、まずステップS1より、その経度を表12および表13に当てはめるとゾーンはVIであり、東西番号は42である。
【0116】
次に、ステップS2によって、その緯度を表2〜表11にあてはめると、表5のAブロックで南北番号は88に属することがわかる。よってステップS3によってブロック番号およびユニット番号は6A、4288と表される。すなわち、ユニット番号は東西番号の42と南北番号の88とを組み合わせて表される。
【0117】
次に、ステップS4に従い、当該経度から表12の東西番号42の西端経度、すなわち、東西番号41の東端経度の東経135度12分を引いた差の17分46秒を、秒に換算した1066秒を2160で除すと、その値は、0.4935185となる。
【0118】
次に、ステップS5により、東西のメッシュ番号の桁数を3桁としたい場合には、上記の数値に10の3乗を乗じた値の493.518の整数部をとることでその値は493となり、4桁としたい場合には同様にすることで4935となる。
【0119】
続いてステップS6により、表5の南北番号88の北端緯度、すなわち南北番号87の南端緯度34度50分10秒から大阪駅の緯度を引いた差の8分01秒を秒数に換算した481秒を、表5の南北番号88の間差Aの29分40秒を秒数に換算した1780秒で除すと、その値は0.27022となる。
【0120】
次に、ステップS7により、南北のメッシュ番号の桁数を3桁としたい場合には上記の数値に10の3乗を乗じた値の270.22の整数部をとることでその値は270とし、4桁としたい場合には同様にすることで2702となる。
【0121】
最後にステップS8により、以上のようにして求めたブロック番号、ユニット番号、メッシュ番号を並べることで、大阪駅中央口のNコードは、メッシュ番号の桁数を3桁(約50mの精度)とする場合は6A、4288/493−270と表現され、4桁(約5mの精度)の場合は6A、4288/4935−2702と表示されることとなる。
【0122】
ここで、大阪駅周辺を例に本変換モジュールにより出力されるNコードの対象の広さによるエリア表現の有効性を説明する。
【0123】
図9は、図4に示した大阪府近辺に対応するユニットの6A、4288を、東西南北に10分割して東西に0〜9、南北に0〜9の番号を付したNコードの5kmメッシュを示す図である。
【0124】
図9は、50kmユニット3を5km毎にメッシュ分割したものを50kmメッシュ31としている。目標を大阪市付近に絞り込むと、大阪市付近は、50kmメッシュ31では、東西方向4、南北方向2のメッシュ、すなわち、メッシュ番号4−2(5kmメッシュ311)が対応することとなる。
【0125】
図10は、図9に示した4−2(5kmメッシュ311※左側の図は31になっており、以下1桁づつずれている)を、さらに東西南北に500m毎に10分割したNコードの5kmメッシュを示したものである。4−2(5kmメッシュ311)において大阪駅付近に目標を絞り込むと、大阪駅付近は、5kmメッシュ311の東西方向9、南北方向7のメッシュ、メッシュ番号9−7が対応することとなる。ここで、図9に示したメッシュ番号4−2と、図10に示すメッシュ番号9−7とを組み合わせることで、大阪駅付近は、メッシュ番号49−27(500mメッシュ3111)として表される。
【0126】
図11は、図10に示したメッシュ番号49−27(500mメッシュ3111)を、さらに東西南北に50m毎に10分割した500mメッシュを示したものである。メッシュ番号49−27(500mメッシュ3111)において大阪駅中央口に目標を絞り込むと、大阪駅中央口は、500mメッシュ3111の東西方向3、南北方向0のメッシュ、メッシュ番号3−0が対応することとなる。ここで、上述したメッシュ番号49−27と、図11に示すメッシュ番号3−0とを組み合わせることで、大阪駅中央口は、メッシュ番号493−270(50mメッシュ31111)として表される。
【0127】
図12は、図11に示したメッシュ番号493−270(50mメッシュ)を、さらに東西南北に5m毎に10分割した50mメッシュを示したものである。メッシュ番号493−270(50mメッシュ31111)において大阪駅中央口改札付近に目標を絞り込むと、大阪駅中央口改札は、5mメッシュ31111の東西方向5、南北方向2のメッシュ、メッシュ番号5−2が対応することとなる。ここで、上述したメッシュ番号493−270と、図12に示すメッシュ番号5−2とを組み合わせることで、大阪駅中央口改札は、メッシュ番号4935−2702(5mメッシュ)として表される。
【0128】
図13は、大阪府を示すユニットの6A、4288(50kmメッシュ)において、大阪駅中央口改札付近である、6A、4288/4935−2702(5mメッシュ)を直接的に示したものである。
【0129】
Nコードは、10進数により東西番号、南北番号を表現するため、目標を絞り込む際に、メッシュの細分化を1/10ずつ繰り返して絞り込むことも、あるいは1/1000などで直接必要な領域を示すことも自由に表現でき、10進数の桁数により、要求する位置の要求する領域を選択できる。このことを、大阪駅中央口改札付近のメッシュ番号4935−2702のメッシュ西端4935を例に説明すると、以下の各式のように、メッシュ西端4935の各桁は、左辺のように1/10を繰り返して絞り込むことも、あるいは右辺のように1/10000で直接的に必要な領域を示すことも自由に表現できる。
4:1/10×4=1/10000×4000
9:1/100×9=1/10000×900
3:1/1000×3=1/10000×30
5:1/100000×5=1/10000×5
以上説明したように、本実施形態の変換モジュールは、あらゆる分野の位置表現が必要な分野に適用し、世界の文化圏から海上も含めた地球上の目的に合った大きさの位置にNコードによる位置表現が可能となる。つまり、本実施形態の変換モジュールは、専門家にしか理解できないような難解な位置表現を、Nコードという連続した10進数による表現することができるので、一般市民にも容易に理解することができる。また、本実施形態の変換モジュールは、都市部の位置確認の他、住所が無い山間部、河川敷、水域部の真位置といった、地球上の全ての位置を10進数で表現できる。
【0130】
例えば、今までは、都市計画区域内では、住所表示による位置表現はできたが、道路内のゴミ収集場所の位置、マンホールや事故現場の位置は、相対的な位置表現しかできなかった。また、番外地、河川敷や山間部、水域においては、全ての場所に正確な位置が特定できず、相対的に表現せざるを得なかった。しかし、Nコードは、これら全てに10進数の連続数字で位置表現することができ、その効果は、行政、防災、消防、警察、交通、物流、観光、報道、福祉、資源開発、ビジネス、教育、環境、防衛、農林水産業、文化などあらゆる分野に及ぶ。
【0131】
また、Nコードは位置表現が10進数の連続的な表現によるため、数字の差により、2地点間の相対方向、距離を容易に把握できる。
【0132】
本実施形態の変換モジュールは、地球上の殆ど全ての位置をこのような特徴を有するNコードとの相互変換できるため、一般市民が地球上のあらゆる位置を簡単に示す手段を得ることとなる。
【0133】
本実施形態の変換モジュールは、逆にNコードを入力データとして本変換モジュールに投入することにより、旧日本測地系座標、新測地系座標およびそれぞれに対するX、Y座標を出力する。本実施形態の変換モジュールは、これにより、10進数、かつ入力桁数も少ないことで利用者が理解し易いNコードを入力データとして、旧日本測地系座標、新測地系座標に基づく地理情報システムからダイレクトに指定した地図の検索を可能とする。
【0134】
特に近年、携帯電話等の携帯端末が世界的に急激に普及してきているが、携帯端末の小さな画面は、地図による位置表現に限界がある。しかしながら、本発明は、小さな画面でも十分に表現できるNコードによる位置表現を可能とする。これにより、一般市民が利用し易い環境が整うこととなり、一般市民が携帯電話を介して位置情報に関して相互に連携することで、上記各分野において、大きな効果が生まれる。
【0135】
その他、位置キーとして管理されたNコードは、テレビなどで報道情報の位置をNコードで表示することで一般市民に位置を知らせる有効な手段となり得る。
【0136】
本実施形態の変換モジュールは、デジタル化された地図をコンピュータ上で管理し、表示するGIS(地理情報システム)にも適用可能である。
【0137】
図14は本実施形態の変換モジュールを備えたGISのブロック構成図を示す図である。
【0138】
GIS10は、変換モジュール1と、19座標系、旧日本測地系座標、あるいは新測地系座標等で整理されたデータベース11と、必要に応じて画像等にNコードを記録する記録部12とを有し、変換モジュール1によって、データベース11をNコードに変換して不図示の表示部により表示する。
【0139】
GIS10は、Nコードの入力によって、従来、緯度・経度や19座標系によって位置検索していた目標物を、緯度・経度の区別や度、分、秒の3つの単位に煩わされない、また19座標系のようにマイナス表示もない、整数による検索を可能とする。また、GIS10は、画面上の目標物の位置をNコード表示するため、その位置を電話などの音声で伝えることも容易にする。また、緯度・経度や19座標系で整理されたデータベースは、19座標系の広域に対応することが困難であるとともに緯度・経度の難解さという問題があったが、本実施形態の変換モジュールを適用したGISは、位置をNコードで整理しなおすため、広域的利用に適するとともに位置を認識し易いGISを提供することができる。
【0140】
また、GIS10は、変換モジュール1によって、データベース11の19座標系、旧日本測地系座標、あるいは新測地系座標等をNコードに変換することでデータベース11を利用し、また、データベース11を構成する19座標系、旧日本測地系座標、あるいは新測地系座標等の緯度・経度および座標値をNコードへと変換することでデータベースを作成する。このように、GIS10は、旧測地系座標の緯度・経度、X,Y座標および新測地系座標の緯度・経度、X、Y座標で整理されたデータベースをNコードに変換して整理し、Nコードを入力することによって従来のデータベースの資産を活用することができる。
【0141】
またGISにおいて統計処理を行うことが多いが、緯度・経度や19座標系が点情報であるのに対してNコードはメッシュ構造をしているために、50km、5km、500m、50mと桁数によって、自由にメッシュサイズを選択して統計利用することができる。このメッシュ形状は正方形になっており、10進法で規則性、連続性があり、従来の矩形で数字に連続性のない地域メッシュコードよりも使い易い。
【0142】
GIS10は、表示部に、地物を含む地理情報、Nコードおよびメッシュを重畳表示させる機能を有するものであってもよい。GIS10は、通常のGISが有する地物間の相対位置を認識する機能だけでなく、Nコードの絶対位置を特定する機能を備えている。よって、ユーザは、表示部に表示された上記重畳表示によって、容易に地物間の相対位置を認識できるとともに地物の絶対位置をも特定することができる。また、GIS10は、相対位置を特定することができないような場所を含め、全地球的な位置の特定が可能であるとともに、Nコードの桁数から地物の規模も把握できる。
【0143】
また、GIS10は、GPSにより位置を特定する他、Nコードをユーザが直接、手入力することで、全地球的な位置検索を可能とする位置検索機能を有するものであってもよい。本発明は、限られた範囲におけるNコードの表示及び検索においては、後述するホームポジション設定機能により位置特定する桁数を最小にすることができる。
【0144】
変換モジュール1は、国際的な利用の場合、19座標系ではなく、UTM座標をNコードに変換することも可能である。Nコードは、他の座標系に比較して元々桁数が少なくて済むだけでなく、その構造上、日本国内で使う際にはブロック番号6Aが不要となり、また、ユニットのサイズは約50km四方の大きさを持つため、1つの市外局番で通話可能な領域より遥かに広いエリアをカバーできる。このため、Nコードは、約50km四方、すなわち、日常生活における行動範囲内では、ブロック番号およびユニット番号を省略することができる。一方、Nコードは、台風情報や外国の位置を表す場合など、50km程度の精度でよい場合にはメッシュ番号を省略することができる。このように、変換モジュール1へのNコードの入力桁数は、用途に応じて必要な桁数を選択することができるので、従来に較べ大幅に入力桁数が少なくて済む。つまり、変換モジュール1を有するGIS10は、用途に応じて必要なNコードの桁数を選択することができるので世界文化圏、国、都市、地域、建物、街路灯など、任意の規模での検索を容易にする。
【0145】
また、変換モジュール1は、メッシュ内の桁数についても必要とされる桁数を自由に選択することが可能であり、どんな精度を求める場合にも上述したように小数点の付かない10進整数表示である。よって、変換モジュール1を備えたGIS10は、位置情報の入力作業の効率を向上させることができ、また従来の緯度・経度等の使い難い座標系で整理されたデータベースが分かり易くなり過去の膨大な資産を有効活用することが可能となる。
【0146】
また、本実施形態の変換モジュールは、車両、船舶、航空機に用いられるGPSにも適用可能である。また、鉄道、ケーブルカー、ロープウェー等、所定の軌道に沿って移動する車両(本発明ではこれらを軌道車両とする)に用いられるGPSにも適用可能である。
【0147】
新幹線等行き先が明確な鉄道を利用する場合、乗客が、その行き先、自分の現在地をいちいち車両内で確認する必要性は少ない。しかし、在来線を利用する場合、乗客は、乗り換えする駅、下車駅を確認するため、現在、自分がどこにいるのか車両内で確認する必要がある。本実施形態の変換モジュールを在来線に適用し、車両内の電光掲示板等にNコードを表示すれば、乗客は、このNコードにより、現在位置を容易に把握することができる。
【0148】
図15は、変換モジュールを備えたGPSのブロック構成図を示す図である。
【0149】
GPS20は、変換モジュール1と、現在地の情報をWGS84座標系等の汎地球測位システム用の座標系から取得する位置取得部21とを有し、変換モジュール1によって変換されたNコードを不図示の表示部により表示する。
【0150】
近年、GPSの精度が高くなり、カーナビゲーションシステムをはじめ用途が広がっている。従来、GPSの出力はWGS84で出力されており、これを緯度・経度の数字情報として出力しても分かり難いだけでなく、旧日本測地系とのずれが有るために日本国内では利用は難しい。そのためカーナビゲーションシステム等の一般的利用においては地図画面上の位置としてしか表示の方法が無かった。本実施形態の変換モジュールはGPSに適用可能であり、GPSの出力をNコードに変換した形で出力することによって、取得した位置を数値情報として取り扱うことができるようになる。
【0151】
なお、日本新測地系座標と汎地球測位システムで使われているWGS84座標系との誤差は非常に小さいため、実用上は同一とみなしても支障はないとされている。よって、GPS20は、取得された緯度・経度の情報を、新測地系座標の緯度・経度と同一とみなし、変換モジュール1によってNコードに変換して表示部から表示、出力する。
【0152】
図16は変換モジュールを備えたナビゲーションシステムのブロック構成図を示す図である。
【0153】
ナビゲーションシステム40は、移動体50に搭載されており、変換モジュール1および位置取得部21を有するGPS20と、選択された桁数のNコードによる現在地および目的地、現在地から目的地までの移動経路、地図等を表示する表示部41、選択された桁数のNコードによって移動体50の移動経路、移動体50の位置等を検索する検索部42、選択された桁数のNコードによる目的地、経度緯度等の位置情報を入力する入力部43、および現在地を示す信号を発信する発信部44、取得した任意の位置のNコードを含む各種データを記録する不図示の記録部を有するナビゲート部45を有する。また、ナビゲーションシステム40は、必要に応じてNコードを印刷して出力する印刷部46、移動体50の航行を制御する航行制御部47を有するものであってもよい。
【0154】
本実施形態の変換モジュール1を適用したGPS20を組み込んだナビゲーションシステム40は、発信部44を備えているので移動体50に故障や事故等のトラブルが発生した場合、GPS20で取得した位置情報、この位置情報のNコード、入力部43からユーザが直接入力したNコードを外部に対して発信できる。そして、GPS20は、現在地情報のNコード表示とすることができるので現在地を正確、かつ容易に伝えることが可能となる。また、ナビゲーションシステム40は、Nコードにより目的地を入力することができるため、目的地入力も容易になる。
【0155】
また、移動体50がタクシーである場合、印刷部46を有するナビゲーションシステム40はより快適なサービスを提供可能とする。降車時等に、タクシーの乗員は、印刷部46によって乗車位置、降車位置のNコードを印刷した領収書などの印刷物を客に渡し、客は、次回乗車時に目的の場所のNコードが印刷物に印刷された印刷物を乗員に渡す。乗員はNコードをナビゲーションシステム40に入力する。目的地までのナビゲートは既に開発されている最短ルート自動検索システムによって案内されるため、タクシー業者は、客から行き先や行き先までのルートの説明を受けずとも、短時間で安く、安心して目的地に到着するサービス提供ができる。
【0156】
ナビゲーションシステム40は、目的地が正確、簡単に入力できるだけでなく、行き先の表示が数字だけであるため、タクシーを利用する外国人、言語障害者も目的地のメモを見せ、運転手がそのコードをナビゲーションシステムに入力するだけで済み、言葉のバリアフリーシステムが可能になる。
【0157】
また、移動体50が船舶、あるいは航空機である場合、航行制御部47を有するナビゲーションシステム40を搭載するものであってもよい。
【0158】
ナビゲーションシステム40は、業務用車両管理システムとして機能させることも可能である。
【0159】
本実施形態の業務用車両管理システムは、ネットワーク52に接続可能な送受信部51およびナビゲーションシステム40を搭載した、業務用車両である移動体50と、ネットワーク52に接続可能なサーバである管理手段54を有する、移動体50の運行を管理する管理センター53とを有する。
【0160】
移動体50に搭載されたナビゲーションシステム40は、上述した機能に加え、ナビゲート部45の記録部が各時刻における移動体50の位置情報等の各種データも記録する。
【0161】
管理センター53の管理手段54は、目的地をNコードにて入力する手段と、移動体50の現在地を表示する手段と、移動体50の現在地および目的地をNコードにより検索する検索部と、ネットワーク52を介してNコードを移動体50に送信部と、各時刻における前記車両の位置情報を含む各種情報を記録する情報記録部とを有する。
【0162】
本実施形態の業務用車両管理システムは、例えば、以下のように運営される。
【0163】
管理センター53の管理手段54に移動体50がこれから向かう目的地がNコードにより入力される。管理手段54は移動体50に対してNコードにより目的地を指示する。
【0164】
管理手段54からの信号をネットワーク52を介し、送受信部51にて受信した移動体50のナビゲーションシステム40は、表示部41に、選択された桁数のNコードによる移動体50の現在地および目的地、現在地から目的地までの移動経路、地図等を表示する。移動体50は、この情報に基づき運転手によって操作されて目的地へと移動する。
【0165】
なお、管理センター53が困難な状況にある場合は、移動体50のナビゲーションシステム40は、入力部43から運転手によって入力された選択された桁数のNコードによる目的地、経度緯度等の位置情報を入力に基づき、検索部42が移動経路、移動体50の位置等を検索し、この情報を表示部41に表示する。そして、この間の各時刻における移動体50の位置情報等の各種データはナビゲート部45の記録部に記録される。記録部に記録された情報は管理センター53との送受信が可能となった後、移動体50から管理センター53へと送信され、管理手段54の情報記録部に記録される。
【0166】
また、管理センター53の管理手段54は、移動体50が移動している際、移動体50に搭載されたナビゲーションシステム40の発信部44から発信された現在地を示す信号を受信し、これを情報記録部に記録する。これにより、管理センター53は各時刻における移動体50の行動を把握する。
【0167】
移動体50の行動を把握している管理センター53は、不測の事態への対処が容易となる。例えば、移動体50が目的地に行くことができない不測の事態が発生した場合、管理センター53は、情報記録部に記録されている各時刻における移動体50の行動に関するデータから、現在、目的地に最も近い位置にいる他の移動体50の現在地をNコードを用いて検索部により検索する。検索の結果、他の移動体50が目的地に向かうことが可能であれば他の移動体50に対して目的地のNコードを送信する。他の移動体50はこれを受信し、目的地に向かう。また、この他の移動体50が目的地に向かうことができないのであれば、検索部はさらに他の移動体50を検索し、同様の指示を与える。
【0168】
このように、本実施形態の業務用車両管理システムは、目的地、移動体50の現在地、移動履歴等をNコードで指示、管理する。すなわち、規則性があるNコードで各戸をピンポイントで指示し、表示する本実施形態の業務用車両管理システムは、従来、位置の報告を聴き取り、指示は地図によるしかなく、簡便に無線機、携帯電話等の音声情報としてやり取りができない、あるいは、郵便番号等による町丁目単位の大雑把な検索しかできず、不測の事態への対処が十分にできないという問題を解消した、効率的なシステムとなる。
【0169】
ところで、地図による位置表現は、以下の問題を有する。ユーザは、大縮尺の地図が表示されてもそれだけでは現在地がどこなのかわからない。よって、地図による位置表現は、1画面だけでも多くの情報量が必要であるのに、数段階の縮尺率の異なる地図が必要になり、多くの情報量を必要とする。さらに、ユーザは、周辺部を見るために表示された地図をスクロールするため、情報量は非常に大きくなる。そのため歩行者ITSは、地図のダウンロードに非常に時間がかかるだけでなく、利用料金も嵩んでしまうという問題があった。
【0170】
従来のナビゲーションシステムは、必ず地図を表示することが前提になっている。勿論地図が表示されるに越したことは無い。しかし地図の表示はナビゲーションに必須であるとは限らない。ユーザは、GPSによって自分の位置を知ることができるが、本当に知りたいのは自分が何丁目何番地に居るということではなく、目的地がどの方向で、どれ位の距離なのかということである。
【0171】
すなわち目的地が指定できれば、目的地の方向の矢印と距離を表示するだけでナビゲーションは可能になる。ところが現状のナビゲーションシステムは、目的地の指定や自己位置を伝えるのに地図上でやろうとするから効率が悪いのである。Nコードは、数字によって目的地をピンポイントで入力することが可能である。よって、ユーザは、待ち合わせなどでは「私は何番、貴方は何番?」というやり取りだけでお互いの位置関係が分かることになる。
【0172】
このように、地図は、必要な時のみ用いられ、通常は地図を用いないナビゲーションシステムとすることで、数バイトの情報交換で済み、短時間で料金も少ないため利用者にとって使い易いシステムとなる。このようなシステムは、本実施形態の変換モジュールを適用することで構成することが可能となる。以下に図17および図18を用いて、本実施形態の変換モジュールを適用したナビゲーションシステムについて説明する。
【0173】
図17は本実施形態の変換モジュールを備えた携帯端末のブロック構成図を示す図である。
【0174】
携帯端末60は、変換モジュール1および位置取得部21を有するGPS20と、画像を撮像する撮像部61と、撮像した画像を記録するとともに、画像にNコードを記録する画像記録部62と、データ、音声等を送信する送信部63と、音声によりNコードを入力する、あるいはNコードを音声として出力する音声入出力部64と、Nコード等を表示する表示部65とを有する。携帯端末60としては、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。
【0175】
図18(a)は、携帯端末60のGPS初期画面を示す図である。
【0176】
表示部65に表示されたGPS初期画面には、現在地入力6a、目的地入力6b、地図表示6cのボタンが表示される。ここで、例えば、*#を入力すると、画面下部に「4288* 2345#5678」といった具合にGPSで取得した現在置が現在地表示6dに表示され、位置が取得できない場合には、「位置を取得できません」との表示がなされる。また、携帯端末60は、GPSで現在置が取得できない場合や、GPSで取得した現在置とは異なる位置を入力した場合は、画面上の現在地入力6aをクリックすることで位置の入力が可能である。現在置6dの地図が欲しい場合は、地図表示6cをクリックすると、携帯端末60は、現在置を中心とした地図をダウンロードする。また、表示部65の画面は、目的地入力6bがクリックされると、図18(b)に示すナビゲーションモードの画面に切り替わる。
【0177】
画面の一番下には現在置6dのNコード「4288* 2345#5678」が表示されており、その上方には、目的地のNコードを入力する目的地入力7aが表示されている。携帯端末60は、目的地入力7aの上方に表示された、目的地ボタン7d1、前回ボタン7d2、および検索ボタン7d3のうちから目的地ボタン7d1がクリックして選択され、目的地入力7aに目的地のNコードが入力されると、現在地から目的地までの距離および方向を距離表示7cおよび方向表示7bにそれぞれ表示する。なお、各ユニットは約50km四方の広さを有しており、任意の1地点を中心とした東西、南北50km四方の中では同じメッシュ番号は出てこない。そして、通常、携帯端末におけるナビゲーションでの目的地の位置は、この範囲内であるため、ユーザは、図18(b)の目的地入力7aの例のようにユニット番号は省略し、メッシュ番号だけを入力すればよい。
【0178】
また、前回ボタン7d2をクリックすると前回の位置が目的地入力7aに入力される。本機能は、途中で何回も目的地の方向や距離を見たい時に便利である。なお、図18(a)のGPS初期画面からの切換時には前回の位置が目的地入力7aに入力されており、前回ボタン7d2を繰り返しクリックすると順に過去に遡った位置が入力される。
【0179】
検索ボタン7d3をクリックすると登録された目的地リストが表示され、選択した位置のコードが目的地入力7aに入力される。
【0180】
また、画面の一番上に表示されている地図ナビボタン7eをクリックすると、地図がダウンロードされ、地図を用いたナビゲーションサービスが開始する。
【0181】
以上のように、本実施形態の変換モジュールを適用したナビゲーションシステムは、地図は必要な時のみ表示し、通常は数バイトの情報交換で済む地図無しでナビゲートするため、短時間で、料金も少なく、利用者にとって使い易いシステムを構成することができる。
【0182】
また、本実施形態の変換モジュールを適用した携帯端末60は、観光案内に活用可能である。例えば、Nコードを固定情報とともに観光ガイドブック、観光マップ、あるいは観光地の案内板や目に付く場所に記載しておき、ユーザは、このNコードを携帯電話60に入力する。これにより、携帯電話60は、現在催されているイベントや、今お勧めする情報をNコードによる位置情報とともに案内する。すなわち、Nコードで観光地に関する情報を案内する本実施形態の変換モジュールを適用したナビゲーションシステムは、小さな画面に無理に地図を表示させることもなく、また、通信コストが嵩むこともないので、観光ナビゲーションを有効活用できる。
【0183】
また、本実施形態の変換モジュールを適用した携帯端末60は、音声入出力部64により、現在地のNコードを音声で聴き取る、さらには目的地を音声で入力することが可能なものとしてもよい。従来、携帯電話の小さな画面に地図が表示されても、高齢者、視覚障害者にとっては利用しにくい場合が多かった。携帯端末60は、音声入出力部64により、位置情報を音声で入力できる、あるいは位置情報を音声で聴き取ることができるので、高齢者、視覚障害者にとって利便性が高い。また、携帯端末60は、地図ではなく方向の矢印、距離を画面表示することができる点でも高齢者、視覚障害者にとって利便性が高い。
【0184】
また、携帯電話は、カメラ、GPSが標準で装備されるようになってきており、撮影した写真をメールで送信することが盛んに行われている。携帯端末60も送信部63によりメール送信することができるが、携帯端末60は、GPS20の位置取得部21で取得した位置のNコード、あるいは手入力されたNコードを画像記録部62が画像に写し込み、これを送信部63によりメール送信することができる。携帯端末60は、このNコード付きの画像を表示部65に表示することもできる。
【0185】
また、本実施形態の変換モジュールは、銀塩カメラ、デジタルカメラ、現場撮影用のテレビカメラ等の撮像装置にも適用可能である。
【0186】
図19は本実施形態の変換モジュールを備えた撮像装置のブロック構成図を示す図である。
【0187】
撮像装置70は、変換モジュール1および位置取得部21を有するGPS20と、画像を撮像する撮像部71と、撮像した画像を記録する画像記録部72と、Nコードを手入力するための入力部73とを有する。
【0188】
旅行写真などを銀塩カメラ、デジタルカメラ等で撮影した時に写真の一部に撮影日時が同時に写し込まれる機能は非常に便利である。ところが古いアルバムを見る際に、このような写真は、何時撮ったかは分るのだが、何処で撮ったものか思い出せないことが多い。既にGPSが携帯電話に組み込まれる程に小型化し手軽な物になっているが、現状のGPSの出力は緯度・経度になっており、これを写真に写し込もうとしても桁数が多く、一般向けとしては使い物にならない。
【0189】
変換モジュール1を適用したGPS20を組み込んだ、銀塩カメラ等の撮像装置70は、撮影時に取得した位置情報をNコードで撮影した日時を写真に写しこむ機能を用いて、この日時とともにNコードを写真に写し込むことが可能となる。Nコードは、ユニット番号と東西、南北各2桁ずつ、4288/23−45という簡単な表示で約500mの精度を持っており、旅行記録としては十分な精度で位置を表現できるので、例えば、日付と2段書きで表示することで便利な機能が実現できる。撮像装置70は、屋内撮影などではGPS20によって位置取得ができないが、その場所のNコードが分っている場合、入力部73によりNコードを手入力により入力することができる。
【0190】
また、本実施形態の変換モジュールは、現場撮影用のテレビカメラにも適用可能である。
【0191】
事件に関するニュース番組には必ず位置情報が付くが、殆どが地名によるものである。地名は地元の人間にしか通じないローカル情報であるため、殆どの視聴者はただ漫然とどこかで起こった事件という捉え方になり、臨場感に欠ける原因になっている。また最近、国内、海外旅行番組、あるいはグルメ番組等々のテレビ番組における地図情報は、現状では非常に大雑把な地名や地元の人間でさえ分かり難い略地図しか表示されないため、視聴者が一度行ってみたいと思っても使い物にならない状態といえる。
【0192】
現場撮影用のテレビカメラである、変換モジュール1を適用したGPS20を組み込んだ撮像装置70は、不図示の表示部により画面の隅に8〜10桁のNコードを表示するようにすると、50〜500mの位置を正確に表示することが可能になる。また台風情報あるいは震源地の位置などは、従来のように足摺岬の南約500kmというような大雑把な表現ではなく、約50km精度のユニット番号の表示で、自宅との位置関係も簡単に把握できるようになる。これはNコードが海洋部分にも適用できるからである。このような位置情報は、GPSが使えない場合や過去のビデオフィルムなどに表示することが必要となる場合もある。この場合、撮像装置70の表示部は、住所、地名、各座標系のデータベースをNコードに変換し、あるいは手入力により入力部73から入力されたテレビカメラの現在位置を、画像記録部72に記録されている画像に表示、記録するものであってもよい。あるいは、位置情報は、システム的にNコードを表示できる放送用のGIS設備、例えば図14に示したGIS10の記録部12により、住所、地名、各座標系のデータベースをNコードに変換されて過去のビデオフィルムなどに表示されるものであってもよい。
【0193】
また、画像に表示される位置は、カメラに装着したGPSの位置情報をそのまま画面に表示するとカメラの位置になってしまう。撮像装置70は、自動焦点装置、レーザ測定装置等によって被写体までの距離を測定し、方位測定器具とを組み合わせることで、被写体の位置のNコードを算出し、これを表示できる。さらに撮像装置70は、俯角を測定する装置を組み合わせると航空機からの撮影時にも被写体の位置のNコードを表示できる。これによって撮像装置70は、例えば遠距離から竜巻を撮影した時の竜巻の中心点の位置や火山活動の様子を航空機から撮影し、火砕流の先端部の位置を正確に時々刻々と住民に知らせたりすることが可能になり、従来とは比較にならないリアルタイムの有効な防災情報を提供することができる。
【0194】
なお、本発明の座標変換モジュールは、本実施形態で説明した動作をコンピュータに実行させるプログラムであってもよい。
【0195】
また、本実施形態の変換モジュール1は、ホームポジション機能を備えるものであってもよい。このホームポジション機能とは、ある任意の位置をホームポジションとして設定することでそのホームポジションを中心とするユニットと同じ大きさの範囲(約50km四方)を規定するものである。
【0196】
図20を用いて以下にホームポジション機能に関して説明する。
【0197】
図20には、ユニット番号4885〜4887、4985〜4987、5085〜5087が示されており、ホームポジションHPは●印で示されている。●印を囲む範囲Pは、ホームポジションHPを中心としたユニットと同じ大きさの範囲を示すものであり、約50km四方である。また、各ユニットの左上隅に示された×印は、各ユニット内におけるメッシュ番号1−1を示している。
【0198】
図20において、ホームポジションHPは、ユニット番号4986のメッシュ番号1−1の位置に設定されているとする。この位置にホームポジションHPが設定されると、メッシュ番号1−1は範囲P内ではユニット番号4986のメッシュ番号1−1以外のメッシュ番号1−1を意味することはない。すなわち、範囲P内には、ユニット番号4986のメッシュ番号1−1しか存在しないので、ユニット番号4986を省略したとしても他のユニット番号のメッシュ番号1−1と混同することはない。よって、本実施形態の変換モジュール1は、ホームポジションHPを設定することでユニット番号を省略することが可能となる。
【0199】
また、本実施形態の変換モジュール1は、ホームポジションHPを設定することでユニット番号を跨いで位置するメッシュ番号についても、ユニット番号を省略してそのメッシュ番号を特定することができる。
【0200】
図20の例では、ホームポジションHPはユニット番号4986のメッシュ番号1−1に設定されている。一方、▲印で示すメッシュ番号3−8は、ユニット番号4985内に位置する。すなわち、ホームポジションHPおよび▲印で示すメッシュ番号3−8は、いずれも同じ範囲P内に含まれているが、ホームポジションHPはユニット番号4986に位置し、▲印で示すメッシュ番号3−8は、ユニット番号4986に隣接するユニット番号4985内に位置し、ユニットを跨いで位置していることとなる。
【0201】
このような場合であっても本実施形態の変換モジュール1は、ホームポジションHPを設定することで、範囲P内におけるメッシュ番号3−8はユニット番号4985内の▲印で示すメッシュ番号3−8以外には存在しないため、ユニット番号を省略して▲印で示すメッシュ番号3−8を特定することができる。
【0202】
以上のようにホームポジション機能は、日常生活における行動範囲内では、ユニット番号を省略してもメッシュ番号を上述したように一義的に決定することができる。この機能は特に携帯電話60に適用すると好適である。ホームポジション機能を備えた変換モジュール1を上述の携帯電話60を有するユーザが、現在地にてホームポジションを設定すると、ユーザの現在地を中心に50km四方の範囲が規定される。この範囲の大きさは日常生活における行動範囲、すなわち、携帯電話が利用されるような行動範囲を十分にカバーする大きさである。よって、携帯電話60のユーザは、変換モジュール1を使用する際、ユニット番号の入力が不要となる。また、携帯電話60は、ユニット番号を省略してメッシュコードを出力することができる。なお、日本国内で使う際にはブロック番号6Aは当然に不要となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球を、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割し、かつ緯線に沿って南北方向に少なくとも3分割する、番号が付された複数のブロック、前記各ブロックを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ100分割する、番号が付された複数のユニット、および前記各ユニットを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ10分割する、番号が付された複数のメッシュにより分割し、前記ブロックのブロック番号、前記ユニットのユニット番号、および前記メッシュのメッシュ番号の組み合わせにより位置表示するメッシュコードと、
新測地系座標および旧測地系座標の各緯度・経度、前記新測地系座標および前記旧測地系座標のそれぞれに対応するX、Y座標の座標値と、を相互に変換する座標相互変換モジュールであって、
前記各緯度・経度と、前記座標値とを入力する入力手段と、
前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記各ブロックの何れの前記ブロック内に位置するかを求めるブロック番号選択手段と、
前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記ブロック番号選択手段で求められた前記ブロック内の何れの前記ユニット内に位置するかを求めるユニット番号選択手段と、
前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記ユニット番号選択手段で選択された前記ユニット内の何れの前記メッシュ内に位置するかを求めるメッシュ番号選択手段と、
前記メッシュコードによる位置に対応する、前記緯度・経度、前記座標値を求め出力する出力手段とを有する座標相互変換モジュール。
【請求項2】
任意の位置をホームポジションとして設定し、前記ホームポジションを中心として前記ユニットと略同じ大きさの範囲を規定するホームポジション設定手段を有する、請求項1に記載の座標相互変換モジュール。
【請求項3】
前記ブロック番号、前記ユニット番号、および前記メッシュ番号のうち、用途に応じ選択された桁数の前記メッシュコードを入力するメッシュコード入力手段を有する、請求項2に記載の座標相互変換モジュール。
【請求項4】
前記ブロック番号、前記ユニット番号、および前記メッシュ番号からなる前記メッシュコードのうち、用途に応じ必要とされる桁数を選択して出力するメッシュコード出力手段を有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の座標相互変換モジュール。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の座標相互変換モジュールと、前記緯度・経度、および前記座標値を含むデータベースとを有し、デジタル化された地図をコンピュータ上で管理し、位置を表示する地理情報システムであって、
前記座標相互変換モジュールは、前記データベースの前記緯度・経度および前記座標値を前記メッシュコードに変換することで前記データベースを利用し、前記緯度・経度および前記座標値をメッシュコードに変換して前記メッシュコードによるデータベースを作成する地理情報システム。
【請求項6】
地図および前記メッシュコードを重畳して表示する表示手段と、
任意の位置を、選択された桁数の前記メッシュコードとして入力する直接入力手段と、
前記任意の位置の前記メッシュコード、および前記直接入力手段で入力された前記メッシュコードのいずれか一方の前記メッシュコードに基づき、位置を検索する手段と、を有する、請求項5に記載の地理情報システム。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の座標相互変換モジュールを有し、現在地の情報を汎地球測位システム用の座標系から取得する汎地球測位システムであって、
取得された緯度・経度の情報を、前記新測地系座標の前記緯度・経度と同一とみなし、前記座標相互変換モジュールによって前記メッシュコードに変換して出力する汎地球測位システム。
【請求項8】
請求項7に記載の汎地球測位システムを備えた携帯端末であって、
任意の位置を、選択された桁数の前記メッシュコードとして入力する直接入力手段と、
選択された桁数の前記メッシュコードとともに、必要に応じて現在地、目的地周辺の地図を表示し、目的地までの距離、方向を表示する機能とを有する携帯端末。
【請求項9】
用途に応じ選択された桁数の前記メッシュコードを音声によって入出力する手段を有する、請求項8に記載の携帯端末。
【請求項10】
画像を撮像する撮像手段と、
前記汎地球測位システムによって取得した撮像場所の前記メッシュコード、および前記直接入力手段で入力された前記メッシュコードのいずれか一方の前記メッシュコードを撮像された前記画像に写し込んで記録する画像記録手段と、
前記画像記録手段に記録された前記画像を送信する送信手段と、を有する請求項8または9に携帯端末。
【請求項11】
請求項7に記載の汎地球測位システムを備えた、撮像した画像を記録する撮像装置であって、
現在地を、選択された桁数の前記メッシュコードとして入力する直接入力手段と、
前記汎地球測位システムによって取得した撮像場所の位置情報の前記メッシュコード、および前記直接入力手段で入力された前記メッシュコードのいずれか一方の前記メッシュコードを撮像された前記画像に写し込むための手段と、を有する撮像装置。
【請求項12】
少なくとも、前記撮像装置から被写体までの距離と、前記撮像装置に対する前記被写体の方向とに基づき、前記被写体の位置の前記メッシュコードを算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記メッシュコードを選択された桁数で撮像された画像に表示する手段を有する、請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
請求項7に記載の汎地球測位システムを備え、移動体の現在地を検出し、検出された前記現在置から目的地までの移動経路を検索するナビゲーションシステムであって、
目的地を、選択された桁数の前記メッシュコードとして入力する直接入力手段と、
選択された桁数の前記メッシュコードによって現在位置を表示する手段と、
選択された桁数の前記メッシュコードで位置の検索を行う手段と、を有するナビゲーションシステム。
【請求項14】
少なくとも、汎地球測位システムによって取得した位置情報、前記位置情報の前記メッシュコード、および前記直接入力手段で入力された前記メッシュコードのいずれかひとつを発信する手段を有する、請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
取得した任意の位置の前記メッシュコードの記録および印刷を行う手段を有する、請求項13または14に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項7に記載の汎地球測位システムを備えた移動体であって、車両、軌道車両、船舶、および航空機からなる群より選択された一の移動体。
【請求項17】
車両と、前記車両の運行を管理する管理センターとを有する車両管理システムであって、
前記車両は、請求項7に記載の汎地球測位システムを有し、
前記汎地球測位システムは、選択された桁数の前記メッシュコードによる現在地および目的地、現在地から目的地までの移動経路、および地図を表示する表示手段と、選択された桁数の前記メッシュコードによって前記車両の移動経路、現在地および目的地の位置を検索する検索手段と、選択された桁数の前記メッシュコードによって目的地を入力する入力手段と、前記管理センターから送信されてきた前記メッシュコードを受信する手段と、現在地を示す信号を発信する発信手段と、各時刻における車両の位置情報を含む各種情報を記録する記録手段とを有し、
前記管理センターは、選択された桁数の前記メッシュコードによって目的地を入力する手段と、前記車両の現在地を表示する手段と、前記車両の現在地および目的地を、選択された桁数の前記メッシュコードにより検索する手段と、選択された桁数の前記メッシュコードを前記車両に送信する手段と、各時刻における前記車両の位置情報を含む各種情報を記録する情報記録手段
を有する管理手段を含む車両管理システム。
【請求項18】
請求項7に記載の汎地球測位システムを有する車両の運行を管理するためのサーバであって、
選択された桁数の前記メッシュコードによって目的地を入力する手段と、
前記車両の現在地を表示する手段と、
前記車両の現在地、および目的地を選択された桁数の前記メッシュコードにより検索する手段と、
選択された桁数の前記メッシュコードを前記車両に送信する手段とを有するサーバ。
【請求項19】
請求項7に記載の汎地球測位システムを有する車両の運行を管理するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
選択された桁数の前記メッシュコードによって目的地を入力する処理と、
前記車両の現在地を表示する処理と、
前記車両の現在地、および目的地を選択された桁数の前記メッシュコードにより検索する処理と、
選択された桁数の前記メッシュコードを前記車両に送信する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
世界地図を、経度60度毎の経線に沿って東西方向に6分割し、かつ緯線に沿って南北方向に少なくとも3分割する、番号が付された複数のブロック、前記各ブロックを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ100分割する、番号が付された複数のユニット、および前記各ユニットを東西方向および南北方向に略正方形状にそれぞれ10分割する、番号が付された複数のメッシュにより分割し、前記ブロックのブロック番号、前記ユニットのユニット番号、および前記メッシュのメッシュ番号の組み合わせにより位置表示するメッシュコードと、新測地系座標および旧測地系座標の各緯度・経度、前記新測地系座標および前記旧測地系座標のそれぞれに対応するX、Y座標の座標値と、を相互に変換する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
入力された前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記各ブロックの何れの前記ブロック内に位置するかを求めるブロック番号選択処理と、
前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記ブロック番号選択処理で求められた前記ブロック内の何れの前記ユニット内に位置するかを求めるユニット番号選択処理と、
前記各緯度・経度と、前記座標値とが、前記ユニット番号選択処理で選択された前記ユニット内の何れの前記メッシュ内に位置するかを求めるメッシュ番号選択処理と、
任意の位置をホームポジションとして設定し、前記ホームポジションを中心として前記ユニットと略同じ大きさの範囲を規定するホームポジション設定処理と、
前記ブロック番号、前記ユニット番号、および前記メッシュ番号からなる前記メッシュコードのうち、用途に応じ必要とされる桁数を選択して出力するメッシュコード出力処理と、
前記ブロック番号、前記ユニット番号、および前記メッシュ番号のうち、用途に応じ選択された桁数の前記メッシュコードが入力されるメッシュコード入力処理と、
前記メッシュコードによる位置に対応する、前記緯度・経度、前記座標値を求め出力する出力処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【国際公開番号】WO2005/001794
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511052(P2005−511052)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009006
【国際出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)
【Fターム(参考)】