説明

庭木の剪定、維持、管理メソッド

【課題】自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理したいというニーズに対して、現在提供されている情報や方法、手法がその解決策に至っていないという問題点を解決する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】庭に植樹されている樹木について、庭木としての定義を明確にする手段と、その手段により導かれた問題点について、その問題点と対応する問題解決策を現わす手段と、その項目と問題点を解決するための具体的な目標値と指標の提供によって、系統的に問題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理することを実現する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹木を庭に植樹すると、剪定をはじめとする維持、管理が必須となる。特に剪定は重要で、この分野については植木屋、造園屋といった専門家をはじめとして、書籍やインターネットなど多岐に渡って情報が提供されている。
【0003】
剪定に於いては、近年の住宅事情により庭に樹木を数本配置するに留まるために、植木屋や造園屋に庭木の剪定や管理を依頼する規模に至らないケースが多い。このため、自宅の庭木は自分で剪定しようと考える人(以後ユーザーと表記)やその傾向が強まっているのが現状である。
【0004】
近年では、その現状とニーズに対して、多数の剪定本やインターネット上に剪定に関する情報が提供されているが、これらの提供方法は樹種別であり、多くの樹種をサンプルとして提供するために選択される樹木の殆どが、撮影都合や掲載都合、解説都合や樹種数合わせのために選別される樹木サンプルであるために、その植樹場所が公園であったり、畑であったり緑地であるために、提供される剪定の方法や技術もまた公園樹木の剪定手法であったり単なる緑化剪定法であったりと、ユーザーが求める自宅の庭木を剪定するために必要な情報の提供になっていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−318963
【0006】
【特許文献2】特開2002−41986
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザーの、自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理したいというニーズに対して、現在提供されている情報や方法、手法がその解決策に至っていないという問題が発生している。
また情報提供側に於いて提供されている情報や方法、手法が、ユーザーのニーズに対しての根本的な問題解決に至っていないという現状に対して、本発明は、自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理することを実現するための根本的な解決策の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、個々の庭に植樹した樹木について、夫々の庭に目的と役割などを与えられて植樹された樹木を庭木と定義して、庭に植樹されている樹木について、その定義に由来して明確にする手段と、その手段により導かれた夫々の庭木としての問題点について、その問題点と対応する問題解決策を項目として現わす手段と、更にその項目と問題点を解決するための具体的な目標値と指標の提供とそれらの連動による手段によって、系統的に問題の解決を図るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、庭木の定義に由来して抽出される問題点とその問題点の解決手段と、解決手段に連動して提供される具体的な剪定や維持、管理の目標値と指標を導き出す方法を体系化したメソッドとして提供する効果が得られる。
【0010】
本発明により、自宅に植樹された樹木が目的と役割をもった庭木として、その目的と役割を果たすための剪定、維持、管理方法によって、自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理することを実現可能とする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は自宅の庭木の植樹目的や庭木としての役割などの定義を明確にして再 確認するために用いる配置図の説明図である。
【図2】図2は配置された庭木を分類して、現状の把握とそこから導き出される問題点とその解決策を導き出すための対応項目を配置した説明図である。
【図3】図3は図2から導き出された項目を具体的な目標値と指標として現した樹形表である。
【図4】図4は系統的に導き出された具体的な自宅の庭木の剪定、維持、管理方法を時系列管理表としてまとめるための表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図1から図4に従って説明する。図1から図4に提供される図式、図式形体、項目名、表に配置される項目などは、本発明を総括的に説明するための表現であってこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は自宅の庭木を敷地配置図に配置して、現状を再認識するために提供される庭木配置図で、本発明が定義する庭木としての目的や役割について再認識或いは明確にして、現状把握と庭木としての問題提起をおこなうために用いられるツールである。
【0014】
図1の1は敷地全体を示す。2は敷地内建物部分を示す。3は例えば庭木が生垣として配置されている状態を示す。4は例えば常緑樹や落葉樹、花木などであって、現状この位置にこのような形状で生育していることを示す。5は例えば室内から観賞することを目的に植樹された庭木であることを示している。
【0015】
図2は、図1に配置された庭木について、夫々の特徴や現状、問題点の対処法などを分類してまとめる庭木の一覧表で、庭木全体の構成を明確にして、現状把握からの問題提起と、夫々の問題点に対しての対処、解決方法について問題に対応する解決策を分類した項目として現して配置するためのツールである。この表6の作成によって、庭に配置されている庭木の目的や役割を夫々の庭木が持つ性質や特性、機能性などの特徴と状態を把握して、庭木として目的や役割の実現と実現のための適合性を検討して問題提起項目を7に導き出して夫々に対応する対処、解決項目を8に導き出すことを実現するものである。
【0016】
図2に提供される8に導かれる問題の対処、解決のための項目の夫々は、図1より導き出される問題点を分類した分類群項目記載欄7に連動して適応するよう分類された項目である特徴をもつものである。
【0017】
図3は、図1、図2によって系統的に導き出された自宅の庭木の現状と、そこから提起される問題点とその問題点の解決策を導き出す効果によって抽出された項目について、実際の庭木の剪定や維持、管理方法を具体的に実行するための目標値や指標を提供するツールである。
【0018】
図3は、実際の庭木の剪定に於いて、その目的や役割と維持、管理を実現するために、剪定という観点から庭木を分類した10の28種からなる代表的な樹形をパターン化して現す特徴をもつ樹形分類リストである。この28の分類群は、夫々の要素を集約した代表的な樹形と9の特徴的な樹形名として表現することを特徴として、実際の剪定にあたってこの樹形と樹形名によって剪定が目標とする樹形のイメージづくりを可能とする。また9には庭木として望ましい樹高が提供されているので、庭木としての大きさのコントロールを可能とする特徴をもつ。
【0019】
11は、No1群に分類された9、10の樹形と大きさの維持、管理のための剪定ポイントがまとめられている。このポイントは12に集約される樹種に共通する剪定のポイントであり、集約されている樹種によっては13に提供される剪定の適期の提供によって更なる適切な剪定の実現を可能とする。更に14は、同じ分類群に集約された樹種の中で、剪定等に於いて特記すべき特徴や注意点が提供されている。
【0020】
また、12に集約されている樹種欄から選択された樹種について、9、10から目標とする樹形づくりや大きさに剪定をおこなうことが可能であり、10から目的や役割に応じた12からの樹種の選択を可能として、双方向からの庭木の剪定、維持、管理を実施可能とする特徴をもつ。
【0021】
分類群No2からNo28については前記明細項で説明したものと同様の構成であるので、詳細については省略するものとする。
【0022】
図4は、図1から図3によって導かれた夫々について、自宅の庭木の剪定と維持、管理方法を時系列スケジュール表としてまとめるために提供されるツールである。15の一覧表によって、何時、どの庭木にどのような作業をおこなえば良いか、またその目標値や指標によって計画的な剪定と維持、管理を実現して、庭木に与えられた目的と役割を果たしていく剪定と維持、管理を自らが実践していくことを可能とする。
【0023】
近年の生活の多様化などに伴い、庭に提供される樹木にも園芸品種が沢山提供されている。図3の樹形分類リストは、今後これらの諸条件に対応して、剪定という見地から順次適応する9、10の項目の追加や12への樹種の追加が可能である特徴をもつ。
【0024】
本発明によれば、その提供方法は、紙媒体、インターネットや電子媒体による形式での提供を可能として、順次新しい項目の追加を可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、自宅の庭木の剪定と維持、管理の項目を同様の手法で、庭園や公園、緑地などの大規模な樹木の剪定や維持、管理方法の提供を実現する。また、本発明の特徴である剪定や維持、管理方法を系統的、総合的に提供する手法を体系化して提供することによって、講義や講習などの展開を実現可能として、多くのユーザーに対して、自宅の庭木を自分で剪定するための方法を教授することを可能とする。この講義や講習などの展開は、園芸や造園業界への新たな仕事の創出や誘客要素となる可能性をもつ。また本発明のメソッドを利用した情報の提供によって、園芸や造園分野への新たなコンサルティングを可能とする。
【符号の説明】
【0026】
1 配置敷地図
2 建物
3〜5庭に植樹された庭木を現す
6 庭木の現状を把握するための表
7 現状等記載欄
8 問題解決策等記載欄
9 樹形分類リストが現す樹形名欄
10 特徴的な樹形を現す分類樹形欄
11 剪定のポイント
12 樹種名
13 剪定の適期記載欄
14 剪定等注意点記載欄
15 自宅の庭木の時系列管理表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
庭に目的と役割を与えられて植樹された樹木を庭木と定義して、現状植樹されている庭木についてその目的と役割を明確にする手段と、その手段によって抽出された現状把握による問題点と、抽出された問題点と対応する問題解決策を対応項目として提供する手段と、提供される項目に連動した問題点を解決するための具体的な目標値と指標の提供手段によって、自宅の庭木を自分で剪定、維持、管理を実現可能とする庭木の剪定、維持、管理メソッド。
【請求項2】
前記記載の請求項によれば、夫々に提供される手段や項目、目標値や指標を体系化した手段として、講義、講習形式が可能となる庭木の剪定、維持、管理メソッド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−63045(P2013−63045A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204186(P2011−204186)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(592200903)株式会社アイ・アンド・プラス (17)
【Fターム(参考)】