説明

廃トナー収容ケース及びプロセスユニット

【課題】画像形成装置用の廃トナーを収容するための廃トナー収容ケースを提供する。
【解決手段】かかる廃トナー収容ケースには廃トナーが収容され、前記廃トナー収容ケースは現像ユニットと感光体ユニットとの連合体に固定接続され、前記現像ユニットは前記感光体ユニットの感光体にトナーを供給し、前記感光体ユニットは前記感光体の外周面にトナー像を形成し、前記感光体ユニットはトナー像の記録媒体への転写後に外周面に残留する廃トナーを除去するように構成されたクリーニング部材をさらに有し、除去された前記廃トナーは前記廃トナー収容ケースに収容され、前記廃トナー収容ケースの感光体から離れた上壁には廃トナー排出口が設けられ、前記廃トナー排出口は前記感光体の軸方向に前記上壁の一端部に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用の廃トナー収容ケース及び該廃トナー収容ケースを含むプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置においては、装置の小型化の要求から、現像ユニット、感光体ユニット、及び廃トナー収容ケース等の他の部材を一体化したプロセスユニットが用いられるようになってきている。このようなプロセスユニットは、現像ユニットにより感光体ユニットの感光体へトナーを供給し、現像を行う。
【0003】
従来技術において、現像ユニットは、現像ローラ、補給ローラ、現像ブレード及びトナータンク等を備え、感光体ユニットは、感光体、帯電部材、及びクリーニング部材等を備えている。画像形成装置の動作時、現像ユニットにおいては、トナータンク内に収納されているトナーが現像ローラに供給され、静電力の作用下、現像ローラの表面上にトナーが付着し、現像ブレードにより均一な厚さのトナー薄層が形成されるとともに、トナーが摩擦帯電される。さらに、感光体ユニットにおいては、回転駆動される感光体の表面に帯電部材が接触し、帯電部材によりトナーの電極性と同極性の電圧が印加され、感光体の表面が均一に帯電される。該帯電した感光体の表面は、レーザー光が走査され、静電潜像が形成され、静電潜像の形成された感光体表面に現像ユニットの現像ローラ上の帯電したトナーが転移し、感光体上にトナー画像が形成される。
【0004】
感光体上に担持されたトナー画像は、記録紙が感光体と転写ローラ間の転写位置を通過時、転写ローラに印加された転写バイアスにより、記録紙上に転写される。さらに、トナー画像の記録紙への転写後に、感光体上に残留した未転写トナーは、クリーニング部材により感光体表面上から掻き取られ、廃トナーとして廃トナーケースに収納される。その後、未転写トナーの除去された感光体は、再度、帯電部材により帯電され、前述の工程は繰り返される。
【0005】
また、従来、廃トナーケース内の現像剤であるトナーが無くなると、プロセスユニットごと交換されることになっている。近年、コストダウンの目的で、使用済みのプロセスユニットは、そのまま廃棄することなく、プロセスユニット中の部品や容器を清掃して、再利用するようになってきている。この再利用に際しては、廃トナーを廃トナーケースから排出のうえ、廃トナーケースを清掃する必要がある。しかしながら、廃トナーケースから廃トナーを排出するためには、プロセスユニットから感光体、帯電部材及びクリーニング部材を順に取り外した後に、廃トナーケースから廃トナーを排出する必要がある。このような作業は、利便性が悪いとともに、廃トナーの排出作業を行う際に廃トナーが飛散するおそれがあり、画像形成装置の他の部品の汚れを生じさせ、プロセスユニットの再利用性を下げていた。
【0006】
従来技術においては、前記課題を解決する関連技術が提案されている。例えば、日本特開2001−117470号では、廃トナーケースの幅方向に、廃トナーケースの上部の中央箇所に複数の廃トナー排出口を設けている。使用済みのプロセスユニットのリサイクル時に、感光体、帯電部材及びクリーニング部材等を取り外すことなく、プロセスユニット全体を回転させ、上壁の廃トナー排出口を下向きにするのみで、該排出口により廃トナーを廃トナーケースから排出することができる。このような構成により、トナー飛散を抑制して、廃トナーケースから未転写トナーを飛散させることなく排出することができ、プロセスユニットのリサイクル性を向上するとともに、廃トナーを排出する作業性を向上することができる。
【0007】
しかしながら、従来技術においては、廃トナー収容ケースの上部の中央位置に廃トナー排出口を設けた場合、感光体の回転とともに廃トナーが廃トナー収容ケースに入ってしまい、廃トナー収容ケース内で、感光体の軸方向に廃トナーが分散することから、中央位置に設けられた排出口からの廃トナーの排出時の排出が不十分となる問題があった。このため、作業者は、可能な限り中央位置にある排出口から廃トナーが排出できるように、プロセスユニットを左右に揺らす必要があるが、これは作業者には非常に煩わしい作業であった。さらに、トナー自身のブロッキング性から、作業者ができる限り十分な量の廃トナーを排出しようと力いっぱい廃トナー収容ケースを叩くことがあるが、このような動作はトナー飛散を生じさせ、画像形成装置内の他の部品を汚染させることにより、画質の悪化のみならず、このような衝撃による廃トナー収容ケースの破損を招くおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述の問題に鑑み、廃トナーが収容される画像形成装置用の廃トナー収容ケース及び該廃トナー収容ケースを含むプロセスユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明の一側面によれば、画像形成装置用の廃トナー収容ケースが提供される。前記廃トナー収容ケースには、廃トナーが収容され、前記廃トナー収容ケースは、現像ユニットと感光体ユニットとの連合体に固定接続される。前記現像ユニットは、前記感光体ユニットの感光体にトナーを供給する。前記感光体ユニットは、前記感光体の外周面にトナー像を形成する。前記感光体ユニットは、トナー像の記録媒体への転写後に外周面に残留する廃トナーを除去するように構成されたクリーニング部材をさらに有する。除去された前記廃トナーは、前記廃トナー収容ケースに収容される。前記廃トナー収容ケースの感光体から離れた上壁には、廃トナー排出口が設けられ、前記廃トナー排出口は、前記感光体の軸方向に前記上壁の一端部に設けられている、廃トナー収容ケース。
【0010】
前記連合体は、前記感光体の軸方向に前記連合体の一方側に設けられた、前記連合体の各部材を駆動するように駆動される駆動伝達機構をさらに有する。前記廃トナー排出口は、前記感光体の軸方向に、前記上壁の前記駆動伝達機構の位置する側から離れた一端部に位置する。
【0011】
前記廃トナー収容ケースの少なくとも1つの周壁の内面には、複数の補強リブが設けられる。
【0012】
前記感光体の軸方向に直交する断面における前記複数の補強リブの分布面積は、前記廃トナー収容ケースの周壁囲い面積の10%〜50%である。
【0013】
前記廃トナー収容ケースの前記少なくとも1つの周壁は、前記感光体から離れた側壁又は上壁である。
【0014】
前記複数の補強リブは、前記感光体の軸方向と直交方向に延伸されている。
【0015】
前記上壁の外面には、突出部が設けられ、前記廃トナー排出口は、前記突出部に設けられている。
【0016】
前記突出部の突出量は、3〜8mmである。
【0017】
また、本発明の他の側面によれば、画像形成装置用のプロセスユニットが提供される。前記画像形成装置用のプロセスユニットは、現像ユニットと感光体ユニットとの連合体、及び、前述の廃トナー収容ケースを備える。
【0018】
前記プロセスユニットの上壁には、トナーを充填するための充填口が設けられている。
【0019】
また、本発明の他の側面よれば、画像形成装置が提供される。前記画像形成装置は、前述のプロセスユニットを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例によれば、画像形成装置用の廃トナー収容ケース及び該廃トナー収容ケースを含むプロセスユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施例におけるプリンタの全体構成断面図である。
【図2】図1に示されたプリンタのプロセスユニットの内部構成断面図である。
【図3】図1に示されたプリンタのプロセスユニットの平面図である。
【図4】図1に示されたプリンタのプロセスユニットの立体図である。
【図5】図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの、感光体の軸方向と垂直する方向の断面図である。
【図6】図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの廃トナー回収時の廃トナーの流動図であり、図中の矢印は、廃トナーが廃トナー回収口から廃トナー収容ケースへ進入時の廃トナーの流動方向である。
【図7】図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの廃トナー排出時の廃トナーの流動図であり、図中の矢印は、廃トナー回収口から廃トナーを排出時の廃トナーの流動方向である。
【図8】本発明の第2実施例における廃トナー収容ケースの、感光体の軸方向と垂直する方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1における矢印が示す上、下、左、右、前、後等の方向は、画像形成装置の実例となるレーザプリンタ1の前から見たときの方向であり、以下の説明においては、別途の記載がない限り、上、下、左、右、前、後は、図1に示された矢印の方向に従うものと理解すべきである。
【0023】
図1は、本発明の第1実施例におけるプリンタの全体構成断面図である。図2は、図1に示されたプロセスユニットの内部構成断面図である。図3は、図1に示されたプリンタのプロセスユニットの平面図である。図4は、図1に示されたプリンタのプロセスユニットの立体図である。図5は、図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの、感光体の軸方向と垂直する方向の断面図である。図6は、図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの廃トナー回収時の廃トナーの流動図であり、図中の矢印は、廃トナーが廃トナー回収口から廃トナー収容ケースへ進入時の廃トナーの流動方向である。図7は、図1に示されたプリンタの廃トナー収容ケースの廃トナー排出時の廃トナーの流動図であり、図中の矢印は、廃トナー回収口から廃トナーを排出時の廃トナーの流動方向である。
【0024】
以下、図1〜7を参照して、本発明の第1実施例について詳細に説明する。
【0025】
<プリンタ1の全体構成>
図1に示されたように、プリンタ1は、本体ケース2と、本体ケース2に装着された紙カセット3を有する。紙カセット3には、積載された記録紙4が収納されている。本体ケース2には、給紙機構5と、作像機構6と、定着機構7が収納されている。給紙機構5は、記録紙4を一枚ずつ繰り出す繰り出しローラを有する。さらに、給紙機構5は、繰り出しローラの前部に位置し、繰り出しローラ8から繰り出された記録紙を受け取るように協働し、記録紙を作像機構6へ搬送する1対のレジストローラ(図示せず)を有する。
【0026】
作像機構6は、プロセス機構と、転写機構(図示せず)とを有する。
【0027】
さらに、プロセス機構は、プリンタ1に着脱可能なプロセスユニット9を備えている。例えば、ユーザは、プロセスユニット9内の現像剤であるトナーを使い果たすと、使用済みのプロセスユニット9をプリンタ1から取り外し、新たなプロセスユニットをプリンタ1に装着する。
【0028】
<プロセスユニット9の構成>
次に、図2、3を参照して、プロセスユニット9について詳細に説明する。
【0029】
図2に示されたように、本実施例においては、プロセスユニット9は、現像ユニット21と感光体ユニット22との連合体と、該連合体に固定接続された廃トナー収容ケース23とを有する。現像ユニット21は、トナータンク24と現像タンク25を備えている。トナータンク24は、略水平方向に現像タンク25の後側に設けられている。現像タンク25には現像ローラ26が設けられている。図3は、図2に示されたプロセスユニット9の立体図である。図3と図4に示されたように、プロセスユニット9の外壁のトナータンク24に対応する位置には、トナータンク24にトナーを充填するためのトナー充填口31が設けられている。
【0030】
感光体ユニット22は、略水平方向に現像ユニット21の前部に設けられ、感光体27と帯電器28が備えられている。感光体27は、現像ユニット21における現像ローラ26と接触可能に構成されている。このような構成により、現像ローラ26に担持されたトナーが感光体27の表面に形成された静電潜像に積層されることで、該静電潜像がトナー像に現像される。帯電器28は、感光体27の前上部に位置するとともに、感光体27の表面を帯電するように構成される。さらに詳細には、該好適な実施例においては、感光体27は実例として感光ドラムが用いられ、該感光ドラムは、円柱ドラム形状で、金属ドラム軸上にメインドラム体を被覆してなる。さらに、メインドラム体は、最外層のプラス帯電されたポリカーボネート系感光層からなる。感光体27は金属ドラム軸周りを回転することができ、該金属ドラム軸は、左右方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向)に延伸している。
【0031】
さらに、感光体ユニット22は、クリーニング部材30が設けられ、該クリーニング部材30は、感光体27の前上部に位置するとともに、一端部が感光体27の外面(図中の下端部)に接続されている。感光体27上に形成されたトナー像が記録媒体に転写された後は、感光体27に残留している未転写の廃トナーがクリーニング部材30の一端部により除去され、除去された未転写の廃トナーが感光体27の回転とともに、廃トナー収容ケース23内に収容される。
【0032】
さらに、廃トナー収容ケース23は、略水平方向に感光体ユニット27の前部に位置し、現像ユニット21と感光体ユニット22の連合体に固定接続される。具体的に、該実施例においては、図2に示されたように、廃トナー収容ケース23が連合体に固定接続された場合、感光体27の回転とともに、廃トナーが廃トナー収容ケース23の下後部に位置する廃トナー回収口234から該廃トナー収容ケース23へ回収される。さらに、感光体27の連続回転とともに、廃トナー収容ケース23に回収された廃トナーが廃トナー収容ケース23内に順次堆積されていく。なお、当業者は、本発明から、例えば、ねじ込み式接続やスナップ式接続等の従来の任意の接続方式を用いて廃トナー収容ケース23を現像ユニット21と感光体ユニット22との連合体に接続してもよいことは容易に想到できる。なお、該廃トナー収容ケース23は、現像ユニット21と感光体ユニット22との連合体と一体に形成されてもよい。
【0033】
さらに、本発明の好適な実施例においては、図3に示されたように、現像ユニット21と感光体ユニット22との連合体が駆動伝達機構29をさらに備えている。具体的に、図3に示されたように、該駆動伝達機構29は、感光体27の軸方向(図3における左右方向)に連合体の一側に設けられるとともに、駆動して前記連合体の各部材をさらに駆動するように構成されている。詳細には、該好適な実施例においては、図3に示されたように、駆動伝達機構29が連合体の右側に設けられており、プリンタ1の駆動モータからの駆動力を受け取る1対の同軸ギヤと、連合体と同側に設けられた、連合体の各部材をそれぞれ駆動するためのギヤ伝動チェーン(例えば、現像ユニット21の現像ローラ駆動ギヤ、トナータンク攪拌器駆動ギヤ、感光体ユニット22の感光体駆動ギヤ等を含む)を備えている。さらに詳細には、該1対の同軸ギヤは、プリンタ1の駆動モータからの駆動力を受けて回転する被駆動ギヤと、該駆動ギヤと同期に回転して、連合体の各部材を駆動可能な連合体駆動ギヤとを備えている。具体的に、プリンタ1の駆動モータからの駆動力が被駆動ギヤに伝送されることで、該被駆動ギヤが駆動し、該被駆動ギヤの回転により、同軸上の連合体駆動ギヤが同期に回転する。さらに、連合体駆動ギヤと、連合体と同側に設けられた、連合体の各部材をそれぞれ駆動するためのギヤ伝動チェーン(例えば、現像ユニット21の現像ローラ駆動ギヤ、トナータンク攪拌器駆動ギヤ、感光体ユニット22の感光体駆動ギヤ等を含む)と噛み合うことから、連合体駆動ギヤの回転時、該ギヤ伝動チェーンの各ギヤが回転することにより、連合体の各部材が駆動されることになる。
【0034】
本発明の好適な実施例においては、前述の一対の同軸ギヤとギヤ伝動チェーンを駆動伝達機構29としているが、本発明はこれに限られるものではない。該駆動伝達機構29が連合体の一側に設けられ、プリンタ1の駆動モータからの駆動力を受けて連合体の各部材を駆動することさえできれば、実際の使用と設計需要に応じて、該駆動伝達機構29の形式を任意に選択してもよい。
【0035】
さらに、図1に示されたように、プリンタ1内には、感光体27の下部に位置する転写ローラ(未図示)がさらに設けられ、プリンタ1の動作中に、感光体27と該転写ローラの協働により、感光体27上のトナー像が搬送されてきた記録媒体に転写される。
【0036】
<廃トナー収容ケース23の構成>
次に、図2〜7を参照して、本発明の第1実施例の廃トナー収容ケース23の詳細構成について詳細に説明する。
【0037】
図2〜5に示されたように、プロセスユニット9の前側に位置する廃トナー収容ケース23は、略ボックス状であり、感光体27から離れた上壁231と、感光体27と対向した側壁232と、該側壁232から下向きに傾斜して感光体27に向けて延伸した下壁233と、感光体に近接した側壁236を備えている。さらに、図2、5に示されたように、下壁233の感光体に近接する位置に廃トナー回収口234が設けられている。廃トナー収容ケース23が連合体に固定接続された場合、廃トナーは、感光体27の回転とともに、該廃トナー回収口234から廃トナー収容ケース23に回収されていく。さらに、廃トナー収容ケース23に回収される廃トナーは、感光体27の連続回転により、廃トナー収容ケース23内に徐々に堆積していき、最終的に廃トナー収容ケース23全体が充満されることになる。
【0038】
さらに、図5〜7に示されたように、本発明の第1実施例においては、廃トナー収容ケース23の少なくとも1周壁の内面に複数の補強リブが設けられている。さらに、図5〜7に示されたように、本発明の第1実施例においては、廃トナー収容ケース23の周壁内面に設けられた複数の補強リブが感光体27の軸方向の垂直方向に延伸している。このような構成により、図6に示されたように、廃トナーが感光体27の回転により、廃トナー回収口234から廃トナー収容ケース23に回収される際に、隣り合う補強リブ間の廃トナーが補強リブの延伸方向にスムーズに流動することで、廃トナーが廃トナー収容ケース23に流れ込み、廃トナーの廃トナー収容ケース23における流動方向が一致することで、廃トナーの流動性が大幅に改善され、廃トナーの流動の滞りや堆積が生じることなく、廃トナーの廃トナー収容ケース23への回収時、及び廃トナー収容ケース23中の、スムーズな流動を確保することができる。
【0039】
このような構成により、廃トナー収容ケース23全体の強度を大幅に増強することができ、廃トナーの排出時、ユーザが廃トナー収容ケースの周壁内面に付着した廃トナーを容易に落とし、廃トナーのより十分な排出が可能になるように、必要に応じて適当に廃トナー収容ケースの周壁を叩くことができるのみならず、このような叩きによる廃トナー収容ケースの損傷も抑制することができる。さらに、複数の補強リブを感光体27の軸方向の直交方向に延伸させることで、廃トナーの廃トナー収容ケースへのスムーズな回収が可能になり、廃トナー収容ケースにおける廃トナーの流れの滞りや滞積を招くことがない。
【0040】
さらに、図2に示されたように、本発明の好適な実施例においては、廃トナー収容ケース23においては、前記廃トナー収容ケースの上壁231及び廃トナー収容ケース23内の前記感光体27から離れた内面に補強リブが設けられている。
【0041】
このような構成により、廃トナー収容ケース23全体の強度をより一層効率的に増強することができるのみならず、廃トナー収容ケースからの廃トナーのスムーズな排出が可能になる。さらに、少なくとも感光体27に近接する側壁236の内面には補強リブが設けられていないことから、廃トナー収容ケース23からの廃トナーの排出時、該側壁236の内面に沿って廃トナーがスムーズに流動することが可能になることで、補強リブの障害を受けることなく、スムーズに廃トナー収容ケース23から排出できる。
【0042】
さらに、廃トナー収容ケース23の構造の剛性及び廃トナーの廃トナー収容ケース23におけるスムーズな流動をより一層向上させるために、本発明の好適実施例においては、側壁232から斜め下向きに感光体27に向けて延伸する下壁233の内面にも補強リブが設けられているが、本発明はこれに限らず、廃トナー収容ケース23の剛性及び廃トナーのスムーズな排出を確保することができれば、実際の使用と設計需要に応じて、廃トナー収容ケース23の少なくとも1つの周壁内面に補強リブを設けてもよいことはいうまでもない。
【0043】
また、本発明においては、感光体27の軸方向に直交する断面における前記複数の補強リブの分布面積が、前記廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の10%〜50%である。より具体的に、図5に示されたように、本発明の第1実施例においては、感光体27の軸方向に直交する断面における廃トナー収容ケース23の上壁231、側壁232、下壁233の内面に設けられた補強リブの分布面積(図5中、陰影で示されたように、本発明において、用語の「分布面積」とは、廃トナー収容ケースの断面において、各周壁内面に設けられた補強リブの占有面積の総和をいう)が、該廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積(図5に示されたように、本発明において、用語の「周壁囲い面積とは、該断面における、廃トナー収容ケース23の各周壁(本実施例においては、上壁231、側壁232、下壁233、他の側壁236を含む)で囲う領域の面積をいう)の19%を占めている。
【0044】
本発明の発明者は、このような構成を有すると、廃トナーの廃トナー収容ケース23へのスムーズな流れのみならず、廃トナー収容ケース23からの廃トナーのスムーズな排出も確保することができることを見出した。さらに、本発明の発明者は、感光体27の軸方向に直交する断面における複数の補強リブの分布面積が、廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の10%〜50%であれば、前記技術効果を奏することができることを見出した。一方、複数の補強リブの分布面積が、廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の10%未満であると、補強リブによる廃トナー収容ケース23の全体強度の補強が不可能になり、廃トナー収容ケース23の叩かれた際の変形を防ぐことができず、廃トナー収容ケース23と周辺の関連筐体と部材間の位置決め精度に影響を及ぼすことになる。さらに、補強リブの分布面積が小さすぎると、補強リブによる、廃トナー回収口234から廃トナー収容ケース23へ流れ込む廃トナーの流動方向のガイドができず、これにより、廃トナーの該廃トナー収容ケース23へのスムーズな流れ込みができなくなる。なお、複数の補強リブの分布面積が、廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の50%を超えると、補強リブの分布面積が大きすぎることから、廃トナー収容ケース23からの廃トナーの排出時、該補強リブが廃トナー収容ケース23から流れ出る廃トナーの妨げになる恐れがあり、廃トナーの該廃トナー収容ケース23からのスムーズな排出ができなくなる。
【0045】
さらに、図3、4に示されたように、本発明の好適な実施例においては、廃トナー収容ケース23の前記感光体27から離れた上壁231に廃トナー排出口235がさらに設けられ、また、該廃トナー排出口235が感光体27の軸方向(図中の左右方向)に該上壁231の少なくとも一端部に設けられている。さらに具体的に、本発明の好適な実施例においては、廃トナー排出口235が該上壁231の感光体27の軸方向における一端部(図3、4に示されたように、左端部に位置)に設けられている。本発明は、これに限られるものではなく、廃トナー排出口235は、上壁231の他端部に設けられてもよく、上壁231の両端部に同時に設けられてもよい。さらに、本実施例においては、廃トナー排出口235が、廃トナー収容ケース23の前記感光体27から離れた上壁231に設けられているが、本発明は、これに限られず、実際の使用と設計需要に応じて、該廃トナー排出口235を、例えば、感光体27から離れた側壁232に設けるか、廃トナー収容ケース23の感光体27の軸方向上の端壁(未図示)に設ける等、廃トナー収容ケース23の任意の周壁に設けてもよいことは言うまでもない。
【0046】
前述の構成により、廃トナー収容ケース23内の廃トナーが満杯になると、ユーザが先ず廃トナー排出口235の蓋(未図示)を取り除き、廃トナー排出口235が該廃トナー収容ケース23の最下部になるように、該廃トナー収容ケース23を全体に回転する。廃トナー収容ケース23内の廃トナーが、重力により、廃トナー排出口235の付近に集まり、廃トナー排出口235から排出される。このような方式により、廃トナーの廃トナー収容ケース23の外部への排出が十分となり、操作の利便性が向上するとともに、処理ユニットのリサイクルに有利になる。
【0047】
また、図3、4に示されたように、本発明の好適な実施例において、廃トナー排出口は、基本的に矩形に形成されているが、廃トナー排出口の形状はこれに限られるものではない。当業者は、実際の使用と設計需要に応じて、廃トナー排出口を円形や他の形状に任意に設定することができる。
【0048】
図3、4に示されたように、本発明の第1実施例においては、廃トナー排出口235を廃トナー収容ケース23の上壁231の駆動伝達機構29の位置する側(図中の右側)から離れた端部(図中の左端部)に位置している。
【0049】
このような構成により、連合体内の各部材を駆動する駆動伝達機構が、連合体の一側に設けられ、また廃トナー排出口235が該駆動伝達機構29の位置する側(図中の右側)から離れた端部(図中の左端部)に位置することになる。廃トナー排出口235を駆動伝達機構29から遠ざけることで、廃トナーを廃トナー収容ケース23から排出させる際に、該排出された廃トナーが駆動伝達機構29に付着することがないため、トナー付着による駆動伝達機構29の伝達精度への影響を防ぐことができ、連合体と廃トナー収容ケース23の再利用性を保証することができる。
【0050】
さらに、図4に示されたように、本発明の好適な実施例において、廃トナー収容ケース23の上壁231の外面は、突出部237が設けられ、該突出部237の上壁231の外面からの突出量はTとなる。前記廃トナー排出口235は、該突出部237に設けられている。さらに具体的に、図4に示されたように、本発明の好適な実施例において、廃トナー収容ケース23の上壁231の外面には、突出部237が形成され、該突出部237は、感光体27の軸方向に沿って、上壁231の外面上に延伸している。さらに、本発明の好適な実施例においては、図4に示されたように、廃トナー排出口235が該突出部237上に設けられ、廃トナー収容ケース23の感光体の軸方向における一端部に位置されている。
【0051】
このような構成により、廃トナー排出口235をより一層駆動伝達機構29から遠ざけることができ、廃トナー飛散による駆動伝達機構29への汚染をより一層防ぐことができる。また、本発明の発明者は、このような突出部237を設けることにより、前述の効果を奏するのみならず、廃トナー収容ケース23の収納体積をより一層増加させることが可能なことを見出した。
【0052】
なお、本発明の好適な実施例においては、突出部237が上壁231の外面に対する突出量がTとなる。本発明の発明者は、該突出量Tが大きすぎると、廃トナー収容ケース23の全体の剛性が低下するとともに、廃トナー収容ケース23の製造難易度が増加することを見出した。さらに、該突出量Tが小さすぎると、良好な技術効果を得ることができない。よって、本発明の発明者は、実験から、従来技術における一体型レーザプリンタに対し、該突出量Tを3〜8mm範囲に設定することにより、廃トナー収容ケース23の剛性を確保し加工が容易になるのみならず、良好な技術効果を奏することができることを見出した。
【0053】
前述の第1実施例においては、前述の構成のような突出部237が設けられているが、本発明は、これに限られるものではなく、該突出部237は、廃トナー排出口235が設けられることさえできれば、上壁231の感光体軸方向の端部のみに設けられてもよい。
【0054】
次に、図8を参照して、本発明の第2実施例について説明する。図8は、本発明の第2実施例における廃トナー収容ケースの、感光体の軸方向と垂直する方向の断面図である。該実施例においては、前記第1実施例と同一または類似の部材には同一の図番を付し、説明は割愛する。図8に示されたように、本発明の第2実施例においては、前記第1実施例と異なる部分として、感光体27の軸方向に直交する断面における、複数の補強リブの分布面積が廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の50%となっている。
【0055】
図8に示されたように、本発明の第2実施例においては、複数の補強リブの分布面積が廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の50%となっている。このような構成により、廃トナーが感光体27の回転とともに、図6に示されたように、廃トナーが感光体27の回転により、廃トナー回収口234から廃トナー収容ケース23に回収される際に、隣り合う補強リブ間の廃トナーが補強リブの延伸方向にスムーズに流動することで、廃トナーの廃トナー収容ケース23における流動方向の一致を十分確保し、これにより、廃トナー収容ケース23中の廃トナーの流動の滞りや堆積が生じることがない。さらに、図8に示されたように、複数の補強リブの分布面積が廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の50%を占めることから、廃トナー収容ケース23からの廃トナーの排出時、補強リブが廃トナーの流動の妨げとなるおそれがある。本発明の発明者は、実験により、複数の補強リブの分布面積が廃トナー収容ケース23の周壁囲い面積の50%を超えた場合は、補強リブが廃トナー収容ケース23からの廃トナーの流出時の明らかな妨げとなり、廃トナー収容ケース23からの廃トナーのスムーズな排出ができないことを見出した。
【0056】
また、本発明の他の側面においては、さらに、画像形成装置のプロセスユニットが提供されている。該プロセスユニットは、現像ユニットと感光体ユニットとの連合体、及び、前述の廃トナー収容ケースが備えられている。
【0057】
以上のように好適な実施例により本発明を説明したが、本発明はこれらに限られるものではない。添付の特許請求範囲に限定された発明範囲を逸脱しない範囲内の種々の変化、修正が可能なことは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置用の廃トナー収容ケースであって、
前記廃トナー収容ケースには、廃トナーが収容され、前記廃トナー収容ケースは、現像ユニットと感光体ユニットとの連合体に固定接続され、
前記現像ユニットは、前記感光体ユニットの感光体にトナーを供給し、
前記感光体ユニットは、前記感光体の外周面にトナー像を形成し、
前記感光体ユニットは、トナー像の記録媒体への転写後に外周面に残留する廃トナーを除去するように構成されたクリーニング部材をさらに有し、
除去された前記廃トナーは、前記廃トナー収容ケースに収容され、
前記廃トナー収容ケースの感光体から離れた上壁には、廃トナー排出口が設けられ、前記廃トナー排出口は、前記感光体の軸方向に前記上壁の一端部に設けられている、廃トナー収容ケース。
【請求項2】
前記連合体は、前記感光体の軸方向に前記連合体の一方側に設けられた、前記連合体の各部材を駆動するように駆動される駆動伝達機構をさらに有し、
前記廃トナー排出口は、前記感光体の軸方向に、前記上壁の前記駆動伝達機構の位置する側から離れた一端部に位置する、請求項1に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項3】
前記廃トナー収容ケースの少なくとも1つの周壁の内面には、複数の補強リブが設けられる、請求項1に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項4】
前記感光体の軸方向に直交する断面における前記複数の補強リブの分布面積は、前記廃トナー収容ケースの周壁囲い面積の10%〜50%である、請求項3に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項5】
前記廃トナー収容ケースの前記少なくとも1つの周壁は、前記感光体から離れた側壁又は上壁である、請求項3又は4に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項6】
前記複数の補強リブは、前記感光体の軸方向と直交方向に延伸されている、請求項3〜5の何れか1項に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項7】
前記上壁の外面には、突出部が設けられ、前記廃トナー排出口は、前記突出部に設けられている、請求項1〜6の何れか1項に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項8】
前記突出部の突出量は、3〜8mmである、請求項7に記載の廃トナー収容ケース。
【請求項9】
現像ユニットと感光体ユニットとの連合体、及び、請求項1〜8の何れか1項に記載の廃トナー収容ケースを備える、画像形成装置用のプロセスユニット。
【請求項10】
前記プロセスユニットの上壁には、トナーを充填するための充填口が設けられている、請求項9に記載のプロセスユニット。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプロセスユニットを含む画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45116(P2013−45116A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184919(P2012−184919)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】