説明

廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置及び方法

【課題】廃マンガン電池及びアルカリ電池の埋め立て時に発生する社会的費用の所要及び環境汚染の問題を解消するための廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置及び方法を提供する。
【解決手段】廃マンガン電池及びアルカリ電池をその形状に応じて第1に鉄材被服電池と第2に一名ランタン電池と呼ばれる国際規格4R25ランタン電池又はアメリカ規格4FMランタン電池(以下、非鉄材被服電池とする)に選別して、前記鉄材被服電池は、破砕、粉砕、粒度選別、磁力線別工程を介して、鉄材片と二酸化マンガンを主に含む廃電池粉末を回収してリサイクル処理し、前記鉄材被服電池の可燃性残渣物と前記非鉄材被服電池は、熱分解炭化、1次粉砕、1次粒度選別、2次粉砕、2次粒度選別を介して亜鉛塊、炭素棒、及びその他残りの炭化物の総混合物である二酸化マンガンを主に含む廃電池粉末を有価物として回収して100%リサイクル処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃電池リサイクル技術に関し、さらに詳細には廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電池は、その再使用の有無によって使い捨て1次電池と充電用2次電池とに区分され、特に、マンガン電池とアルカリ電池とは、代表的な1次電池であって、産業用電池類を除いて一般生活系ごみに含まれて排出される電池類のうち、90%以上を占める。
【0003】
一方、このように多量に排出する廃マンガン電池及びアルカリ電池は、主に地中に埋め立てて廃棄するが、この場合、埋め立てによる社会的費用の発生だけでなく、土壌及び地下水汚染などの環境汚染を引き起こすという問題点があるため、最近では、単純埋め立てより廃マンガン電池及びアルカリ電池に含まれている有価物(例えば、鉄、マンガン、亜鉛等)の回収及び無害化処理のための多様なリサイクル技術が開発されている。
【0004】
例えば、湿式分離方式は、廃マンガン電池及びアルカリ電池を形状の差に無関係に一度に破砕した後、鉄−スクラップを磁力線別に回収した後、硫酸浸出法で残余鉄成分、亜鉛及びマンガンを浸出及び沈殿させて、軟質フェライトを製造するリサイクル技術であって、純度の高いリサイクル金属原料を獲得することができるという長所がある。
【0005】
中温処理方式は、廃電池の形状の差に無関係に一度に廃マンガン電池及びアルカリ電池を700℃の温度で熱処理した後、樹脂系及びビニール系成分を焼却した後、破砕及び鉄−スクラップ回収過程を経、残余微粉末と亜鉛酸化物とをリサイクル事業体で処理するリサイクル技術であって、最終廃棄物の体積を縮小することができ、酸化亜鉛をリサイクルできるという長所がある。
【0006】
高温処理方式は、廃マンガン電池及びアルカリ電池を含むさらに広範囲な廃電池(例えば、酸化銀電池等、その他生活系廃電池などを含む)を、1000℃に還元焙燒した後亜鉛蒸気を凝縮した後、水銀を分離し、残渣物とフェロマンガンを回収するリサイクル技術であって、処理工程が簡単で、かつ大量処理が容易であるという長所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述の湿式分離方式は、リサイクル金属原料の純度が高い分だけ処理費用が上昇して経済性を深刻に低下させ、特に、導電性カーボンにリサイクル可能な炭素棒が流失するだけでなく、多量の最終廃棄物及び廃液が発生するという短所がある。
【0008】
また、上述の中温処理方式は、依然として導電性カーボンにリサイクル可能な炭素棒が流失するだけでなく、多量の最終廃棄物が発生するという短所があり、特に、熱処理による鉄の回収率が減少するという短所がある。
【0009】
また、上述の高温処理方式は、選別費用は低減されても、回収される亜鉛の純度が低く底質フェロマンガンの需要処を探すのが難しいという短所がある。
【0010】
そこで、本発明は、前記のような従来の方法において廃電池の互いに異なる形状に応じて適した解体工程を対応できなくて発生する費用上昇の問題点及び有価物の純度低下などの問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、廃マンガン電池及びアルカリ電池をその形状に応じて第1に鉄材被服電池と第2に一名ランタン電池と呼ばれる国際規格4R25ランタン電池又はアメリカ規格4FMランタン電池(以下、非鉄材被服電池とする)に別に選別して、前記鉄材被服電池は、破砕、粉砕、粒度選別、磁力線別工程を介して、鉄材片と廃電池粉末を有価物として回収してリサイクル処理し、前記鉄材被服電池の可燃性残渣物と前記非鉄材被服電池は、熱分解炭化、1次粉砕、1次粒度選別、2次粉砕2次粒度選別を介して、亜鉛塊、炭素棒、鉄材端子スプリング及びその他残りの物質の総混合物である二酸化マンガンを主に含む廃電池粉末を有価物として回収する廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置並びに方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成すべく、本発明による廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置は、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、鉄材被服電池の格納される第1ホッパーと、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、非鉄材被服電池の格納される第2ホッパーと、前記第1ホッパーに格納された後、移送される鉄材被服電池を破砕する破砕機と、前記破砕機により破砕された鉄材被服電池を粉砕して微粉化する第1粉碎機と、前記第1粉碎機により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物を、粒度選別用金網を利用して廃電池粉末、電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物に区分して選別し、前記廃電池粉末を回収する第1振動選別機と、前記第1振動選別機により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片を磁力選別して回収し、前記鉄材被服電池の最終残渣物を濾す磁力選別機と、前記第2ホッパーに格納された非鉄材被服電池と前記第1磁力選別機により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解を介して完全炭化させる熱分解炉と、前記熱分解炉により熱分解された廃電池炭化物を1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに剥離する第2粉碎機と、前記第2粉碎機により剥離吐き出された前記1次粉砕廃電池吐き出し物から1次粉砕廃電池炭化物を選別し、前記非鉄材被服電池の炭素棒を回収する第2振動選別機と、選別された前記1次粉砕廃電池炭化物を2次粉砕して微粉化する第3粉碎機と、前記第3粉碎機により微粉化された2次粉砕廃電池炭化物を、粒度選別用金網を利用して廃電池粉末と非鉄材被服電池の陰極用亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングに区分して選別、回収する第3振動選別機とから構成される。
【0012】
また、本発明の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置の前記第1粉碎機は、高速横型回転式衝撃せん断破砕機であり、第2粉碎機及び第3粉碎機は、ロール粉碎機であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置の前記第2粉碎機は、前記熱分解炉により熱分解された廃電池炭化物を一定間隔に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過させて1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに選別し、前記非鉄材被服電池の炭素棒を回収するロール粉碎機であることを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成すべく、本発明による廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法は、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、鉄材被服電池を第1ホッパーに格納する第1工程と、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、非鉄材被服電池を第2ホッパーに格納する第2工程と、前記第1ホッパーに格納された後鉄材被服電池を破砕機で破砕する第3工程と、前記破砕機により破砕された鉄材被服電池を第1粉碎機で粉砕して微粉化する第4工程と、前記第1粉碎機により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物を、粒度選別用金網を備えた第1振動選別機を利用して廃電池粉末、電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物に区分して選別し、前記廃電池粉末を回収する第5工程と、磁力選別機を利用して、前記第1振動選別機により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片を磁力選別して回収し、前記鉄材被服電池の最終残渣物を濾す第6工程と、前記第2ホッパーに格納された非鉄材被服電池と前記磁力選別機により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を熱分解炉に投入して、直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解を介して完全炭化させる第7工程と、前記熱分解炉により熱分解された廃電池炭化物を第2粉碎機で1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに剥離吐き出す第8工程と、前記第2粉碎機により剥離吐き出された1次粉砕廃電池吐き出し物のうち、第2振動選別機で1次粉砕廃電池炭化物を選別し、非鉄材被服電池の炭素棒を回収する第9工程と、前記第2振動選別機により選別された前記1次粉砕廃電池炭化物を第3粉碎機で2次粉砕して微粉化する第10工程と、前記第3粉碎機により微粉化された2次粉砕廃電池炭化物を、粒度選別用金網を備えた第3振動選別機を利用して廃電池粉末と非鉄材被服電池の陰極用亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングに区分して選別、回収する第11工程とからなる。
【0015】
また、本発明の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法の前記第4工程では、前記第1粉碎機として高速横型回転式衝撃せん断破砕機を利用し、第8工程及び第10工程では、第2粉碎機及び第3粉碎機としてロール粉碎機を利用することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法の前記第8工程では、前記熱分解炉により熱分解された廃電池炭化物を前記第2粉碎機の一定間隔に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過させ、1次粉砕して前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池が損傷しなく、かつ残りの1次粉砕廃電池炭化物を剥離できるロール粉碎機を利用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来の廃マンガン電池及びアルカリ電池の埋め立て時に発生する社会的費用の消費及び環境汚染の問題を完壁に解消し、従来の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル技術と比較するとき、従来の技術では回収できなかった導電性炭素棒を含んで鉄材片、亜鉛塊、及びその他残りの物質の総混合物である二酸化マンガンを主に含む廃電池粉末などの有価物を相対的に低廉な費用で回収することができる。
【0018】
また、前記鉄材被服電池の可燃性残渣物と前記ランタン電池を熱分解炭化処理する時に発生する排気ガスの廃熱を回収して、暖房あるいは温水用として活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、添付された図面を参照してさらに詳細に説明する。
図1に示すように、第1ホッパー100は、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、鉄材被服電池が格納される。
【0021】
第2ホッパー110は、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、非鉄材被服電池が格納される。
【0022】
破砕機120は、前記第1ホッパー100に格納された後、移送される鉄材被服電池を破砕する。
【0023】
第1粉碎機130は、前記破砕機120により破砕された鉄材被服電池を粉砕して微粉化する。前記第1粉碎機130には、多様な形態の粉碎機を使用することができ、特に、高速横型回転式衝撃せん断破砕機を使用することが好ましい。
【0024】
第1振動選別機140は、前記第1粉碎機130により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物を、粒度選別用金網を利用して廃電池粉末、電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物に区分して選別し、前記廃電池粉末を回収する。
【0025】
磁力選別機150は、前記第1振動選別機140により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片を磁力選別して回収し、前記鉄材被服電池の最終残渣物を濾す。
【0026】
熱分解炉160は、前記第2ホッパー110に格納された非鉄材被服電池と前記第1磁力選別機140により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解により完全炭化させる。
【0027】
前記熱分解炉160は、本発明者の既出願発明である韓国特許出願番号第10−2007−0032554号による1次廃電池のリサイクル装置として紹介された熱分解炉を使用することが好ましい。
【0028】
前記熱分解炉160は、略1〜2時間の間に600〜700℃の輻射熱を加えて、前記非鉄材被服電池と前記磁力選別機140により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を完全炭化させる。この過程において形状を維持させていた非鉄材被服電池の外形維持材であるP.P樹脂類、タール、紙類は、可燃性ガスを発生させつつ炭化して解体され、このときに発生する可燃性ガスは、前記熱分解炉160の火口に引き込んで電池自身を分解する燃料として再度用いられ、前記熱分解炉160から排出する不完全燃焼ガスは、別途に設備された排出ガス完全燃焼システムを適用して、1,250℃以上の温度で完全燃焼させることが好ましく、特に、この過程で発生する廃熱を回収して温水及び暖房用等としてリサイクルできる。
【0029】
前記熱分解炉160の代わりに、通常の廃棄物焼却炉に前記非鉄材被服電池と前記第1磁力選別機140により濾された可燃性物質である前記鉄材被服電池の最終残渣物を投入して、外皮のみを焼却させることもできる。
【0030】
第2粉碎機170は、前記熱分解炉160により熱分解された廃電池炭化物を1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに分離されるように剥離、吐き出す。
【0031】
前記第2粉碎機170には、多様な形態の粉碎機を使用することができ、特にロール粉碎機を使用することが好ましい。
【0032】
例えば、前記第2粉碎機170には、前記熱分解炉160により熱分解された廃電池炭化物を一定間隔(炭素棒は、損傷しない程度の間隔)に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過させて1次粉砕して、前記廃電池炭化物が非鉄材被服電池炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに互いに剥離されて吐き出されるように製作されたロール粉碎機を使用することが好ましい。
【0033】
第2振動選別機180は、粒度選別用金網が備えられて前記第2粉碎機170により剥離、吐き出された吐き出し物から前記1次粉砕廃電池炭化物を振動選別し、非鉄材被服電池の炭素棒を回収する。
【0034】
前記第2振動選別機180には、多様な形態の選別機を使用することができ、特に振動選別機を使用することが好ましい。
【0035】
第3粉碎機190は、前記第2振動選別機180により選別された1次粉砕廃電池炭化物をリサイクル原料として使用できるように、さらに細かく微粉化する2次粉砕を行う。第3粉碎機190は、多様な形態の粉碎機を使用することができ、特に、ロール粉碎機を使用することが好ましい。
【0036】
第3振動選別機200は、前記第3粉碎機から微粉化された2次粉砕廃電池炭化物中に含まれた廃電池粉末と電池外皮用亜鉛管が溶融されてから冷却凝固された亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングを選別、回収する。
【0037】
上記のように構成される本発明による廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置は、図2に示したような方法により、以下のように作動する。
【0038】
本発明では、廃マンガン電池及びアルカリ電池をその外観の形状に応じて鉄材被服電池と非鉄材被服電池とに選別した後、前記鉄材被服電池は、破砕、粉砕、粒度選別、磁力選別工程を介して、そして前記鉄材被服電池の最終残渣物と前記非鉄材被服電池とは、熱分解炭化、1次粉砕、1次粒度選別、2次粉砕、2次粒度選別−工程を介して最終的に次のような有価物を回収してリサイクル原料として使用する。第1に、鉄材片(例えば、鉄材被服電池の外皮用鉄材片、非鉄材被服電池の端子スプリング)、第2に、炭素棒(非鉄材被服電池の炭素棒)、第3に、亜鉛塊(非鉄材被服電池の亜鉛管が熱分解工程で溶融されてから再度冷却凝固された塊)、第4に、廃電池粉末(第1から第3までのリサイクル原料を除いた残りの物質の総混合粉末、−鉄材被服電池でも発生し非鉄材被服電池でも発生)のそのものが廃マンガン電池及びアルカリ電池から回収する最終的なリサイクル原料になるものである。
【0039】
参考に、前記非鉄材被服電池は、一般生活系ごみに含まれて排出される廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、略20%を占め、外皮が紙又はP.P系樹脂からなっており、内部にタールで密封した亜鉛管が4ケ組合せで構成される一名ランタン電池のことを言う。このように構成される非鉄材被服電池は、リサイクル処理のために鉄材被服電池と同じ工程で破砕、粉砕、振動選別する場合、粉砕過程において膨らんで盛り上がった紙質繊維とタールとが粉碎機の網と振動選別機の金網にねばねばと絡み付いてその機能をマヒさせるだけでなく、磁性のない片状亜鉛は、選別が難しく、炭素棒も破損されると、選別作業が難しくなり回収率も急激に落ちるようになる。したがって、本発明では、前記非鉄材被服電池は、鉄材被服電池とは別途に、熱分解炭化方式を採択して外皮の構成物質がリサイクル過程で不純物として取扱われる蓋然性をなくす。
【0040】
図2に示すように、収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池は、その形状に応じて鉄材被服電池と非鉄材被服電池とに選別された後、前記鉄材被服電池は、第1ホッパー100に格納され(S100)、前記非鉄材被服電池は、第2ホッパー110に格納される(S110)。
【0041】
次に、前記鉄材被服電池のリサイクル処理が行われるが、前記第1ホッパー100に格納された鉄材被服電池は、破砕機120に移送されて破砕(S120)された後、前記第1粉碎機130により微粉化される(S130)。
【0042】
次に、前記第1粉碎機130により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物は、粒度選別用金網を備えた前記第1振動選別機140の粒度選別用金網上に投入されて、下に濾される微細粉末は、リサイクルのための廃電池粉末として回収され(S140)、前記粒度選別用金網上に残存する電池外皮用鉄材片及び前記粒度選別用金網により濾されない太い炭素粉末を含む可燃性残渣物から構成される鉄材被服電池の最終残渣物は、磁力選別機150に投入される。
【0043】
このとき、第1振動選別機から回収される前記廃電池粉末は、主に二酸化マンガンを含む粉末であり、煉瓦や床材などの着色剤として有用に活用でき、実際に本発明者の既出願である韓国特許出願番号第10−2007−0021344号による廃乾電池破砕粉末を利用した粘土煉瓦の製造方法に紹介されたように、煉瓦製造用着色剤として活用される。
【0044】
次に、前記第1振動選別機140により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片が前記磁力選別機150により磁力選別されて回収され、前記鉄材被服電池の最終残渣物が濾される(S150)。
【0045】
このとき、前記磁力選別機150から回収される前記電池外皮用鉄材片は、製鉄所の製鉄過程に投入される重要なリサイクル原料となる。
【0046】
次に、前記非鉄材被服電池のリサイクル処理が行われるが、前記第2ホッパー110に格納された非鉄材被服電池と前記磁力選別機により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物は、前記熱分解炉160に投入されて直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解を介して完全炭化される(S160)。
【0047】
次に、前記熱分解炉160により熱分解された廃電池炭化物は、第2粉碎機170の一定間隔に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過する間に、非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに剥離されて吐き出される(S170)。
【0048】
この場合、前記上部ロールと下部ロールとの間の間隔は、前記廃電池炭化物に含まれた炭素棒を損傷無しで回収できる間隔に適切に調節できる。
【0049】
次に、前記第2粉碎機170により剥離されて吐き出された1次粉砕廃電池炭化物は、第2振動選別機180に移送されて内部に備えられている粒度選別用金網により下部の1次粉砕廃電池炭化物に振動選別され、上部の非鉄材被服電池の炭素棒は回収される(S180)。
【0050】
次に、前記第2振動選別機180により選別された前記1次粉砕廃電池炭化物は、第3粉碎機190に移送されて2次粉砕されて微粉化された後(S190)、最終的に粒度選別用金網を備えた第3振動選別機200により廃電池粉末と非鉄材被服電池陰極管用亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングに区分されて選別、回収される(S200)。
【0051】
このとき、回収される前記廃電池粉末も、主に二酸化マンガンを含む粉末であり、煉瓦や床材などの着色剤として有用に活用でき、実際に本発明者が出願した韓国特許出願番号第10−2007−0021344号による廃乾電池破砕粉末を利用した粘土と煉瓦の製造方法に紹介されたように、煉瓦製造用着色剤として活用される。
【0052】
以上説明した本発明による廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置及び方法は、上述の実施の形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱せずに本発明の属する分野における通常の知識を有した者であれば、誰でも多様に変更して実施できる範囲までその技術的精神があるはずである。
【符号の説明】
【0053】
100 第1ホッパー
110 第2ホッパー
120 破砕機
130 第1粉碎機
140 第1振動選別機
150 磁力選別機
160 熱分解炉
170 第2粉碎機
180 第2振動選別機
190 第3粉碎機
200 第3振動選別機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、鉄材被服電池の格納される第1ホッパー(100)と、
収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、非鉄材被服電池の格納される第2ホッパー(110)と、
前記第1ホッパー(100)に格納された後、移送される鉄材被服電池を破砕する破砕機(120)と、
前記破砕機(120)により破砕された鉄材被服電池を粉砕して微粉化する第1粉碎機(130)と、
前記第1粉碎機(130)により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物を、粒度選別用金網を利用して廃電池粉末、電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物に区分して選別し、前記廃電池粉末を回収する第1振動選別機(140)と、
前記第1振動選別機(140)により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片を磁力選別して回収し、前記鉄材被服電池の最終残渣物を濾す磁力選別機(150)と、
前記第2ホッパー(110)に格納された非鉄材被服電池と前記第1磁力選別機(140)により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解を介して完全炭化させる熱分解炉(160)と、
前記熱分解炉(160)により熱分解された廃電池炭化物を1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに剥離する第2粉碎機(170)と、
前記第2粉碎機(170)により剥離吐き出された前記1次粉砕廃電池吐き出し物から1次粉砕廃電池炭化物を選別し、前記非鉄材被服電池の炭素棒を回収する第2振動選別機(180)と、
選別された前記1次粉砕廃電池炭化物を2次粉砕して微粉化する第3粉碎機(190)と、
前記第3粉碎機(190)により微粉化された2次粉砕廃電池炭化物を、粒度選別用金網を利用して廃電池粉末と非鉄材被服電池の陰極用亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングに区分して選別、回収する第3振動選別機(200)と、から構成されることを特徴とする廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置。
【請求項2】
前記第1粉碎機(130)は、高速横型回転式衝撃せん断破砕機であり、第2粉碎機(170)及び第3粉碎機(190)は、ロール粉碎機であることを特徴とする請求項1に記載の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置。
【請求項3】
前記第2粉碎機(170)は、前記熱分解炉(160)により熱分解された廃電池炭化物を一定間隔に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過させて1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに選別し、前記非鉄材被服電池の炭素棒を回収するロール粉碎機であることを特徴とする請求項1に記載の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル装置。
【請求項4】
収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、鉄材被服電池を第1ホッパー(100)に格納する第1工程(S100)と、
収集された廃マンガン電池及びアルカリ電池のうち、非鉄材被服電池を第2ホッパー(110)に格納する第2工程(S110)と、
前記第1ホッパー(100)に格納された後鉄材被服電池を破砕機(120)で破砕する第3工程(S120)と、
前記破砕機(120)により破砕された鉄材被服電池を第1粉碎機(130)で粉砕して微粉化する第4工程(S130)と、
前記第1粉碎機(130)により微粉化された鉄材被服電池の粉砕物を、粒度選別用金網を備えた第1振動選別機(140)を利用して廃電池粉末、電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物に区分して選別し、前記廃電池粉末を回収する第5工程(S140)と、
磁力選別機(150)を利用して、前記第1振動選別機(140)により濾された電池外皮用鉄材片及び鉄材被服電池の最終残渣物のうち、前記電池外皮用鉄材片を磁力選別して回収し、前記鉄材被服電池の最終残渣物を濾す第6工程(S150)と、
前記第2ホッパー(110)に格納された非鉄材被服電池と前記磁力選別機により濾された前記鉄材被服電池の最終残渣物を熱分解炉(160)に投入して、直火ではない間接熱、すなわち酸素供給のない状態で輻射熱による熱分解を介して完全炭化させる第7工程(S160)と、
前記熱分解炉(160)により熱分解された廃電池炭化物を第2粉碎機(170)で1次粉砕して、前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池の炭素棒と1次粉砕廃電池炭化物とに剥離吐き出す第8工程(S170)と、
前記第2粉碎機(170)により剥離吐き出された1次粉砕廃電池吐き出し物のうち、第2振動選別機(180)で1次粉砕廃電池炭化物を選別し、非鉄材被服電池の炭素棒を回収する第9工程(S180)と、
前記第2振動選別機(180)により選別された前記1次粉砕廃電池炭化物を第3粉碎機(190)で2次粉砕して微粉化する第10工程(S190)と、
前記第3粉碎機(190)により微粉化された2次粉砕廃電池炭化物を、粒度選別用金網を備えた第3振動選別機(200)を利用して廃電池粉末と非鉄材被服電池の陰極用亜鉛塊及び非鉄材被服電池端子スプリングに区分して選別、回収する第11工程(S200)と、からなることを特徴とする廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法。
【請求項5】
前記第4工程(S130)では、前記第1粉碎機(130)として高速横型回転式衝撃せん断破砕機を利用し、第8工程(S170)及び第10工程(S190)では、第2粉碎機(170)及び第3粉碎機(190)としてロール粉碎機を利用することを特徴とする請求項4に記載の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法。
【請求項6】
前記第8工程(S170)では、前記熱分解炉(160)により熱分解された廃電池炭化物を前記第2粉碎機(170)の一定間隔に離隔された上部ロールと下部ロールとの間を通過させ、1次粉砕して前記廃電池炭化物を非鉄材被服電池が損傷しなく、かつ残りの1次粉砕廃電池炭化物を剥離できるロール粉碎機を利用することを特徴とする請求項4に記載の廃マンガン電池及びアルカリ電池のリサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−538417(P2010−538417A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522787(P2010−522787)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004215
【国際公開番号】WO2009/028795
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(509247560)
【Fターム(参考)】