説明

廃棄材料を処理するための装置、システム、および方法

都市廃棄物を処理するための方法、装置、およびシステムは、少なくとも1つの蒸気オートクレーブにおいて処理されたバイオマスによって開始し、結果として得られたバイオマスを、効果的な温度で十分な量だけ撹拌しながら希釈タンクの中で希釈し、オートクレーブ中での処理中にねじられて絡み合ったバイオマス中のセルロース繊維をほぐしてまっすぐにする。バイオマス混合物はハイブリッド嫌気性消化装置に給送され、ハイブリッド嫌気性消化装置は、バイオマスの固体部分とバイオマスの流体部分とを消化するための個別のゾーンを有する。ハイブリッド嫌気性消化装置は、バイオマスの固体部分を消化するための内側ゾーンと、バイオマスの流体部分からバイオガスを生成するメタン生成微生物を保持する付着成長媒体を持つ同心の外側ゾーンとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して都市廃棄材料などのプロセス材料の処理に関する。特に本発明は、蒸気オートクレーブの中で既に予備処理を受けたプロセス材料を処理するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通例、多くの異なる形式の廃棄材料を処分するために埋立てが使用されている。これらの廃棄材料には、紙製品、食品屑、庭の廃棄物、金属、ガラス、プラスチック、および多数のその他の材料が含まれることが可能である。埋立てにおいて堆積される廃棄材料の量を減らすという企てにおいて、リサイクル計画の形として源泉(source)仕分けの努力が始められた。これらの計画が使用される限りでは、このようなリサイクル計画は埋立てへの依存度を減らす助けになる。しかし、このようなリサイクル計画は、結果的に廃棄材料全体の比較的小さな比率を除去するだけであることがわかった。紙製品およびその他の材料などの、少なくともいくつかの材料の場合には、比較的小さな回収率は少なくとも部分的に、製品の大きな割合が食品汚染物であり、したがって分別してリサイクルすることがかなり困難であるという事実に帰することができる。
【0003】
本明細書に参照によって組み込まれている本出願人に譲渡された米国特許第5445329号および同第5655718号は、処理された材料を処理するために開示された装置、システム、および方法が、都市固体廃棄物を含めて多くの異なる形式の材料を効果的かつ効率的に処理するためにうまく適している。有機材料および無機材料を、処理パラメータを変えることによって状態調節することができ、これによってその主要構成部分への寸法および密度仕分けによる分類を容易にする。上に言及した特許に開示された要旨は、金属、ガラス、および紙などの、多数の基礎材料から食品廃棄物、インク、油、グリース、およびその他の関連製品を分離することを可能にする。例えば食品を可溶性にして、それから廃棄物流から抽出することができる。この他に、廃棄物流から比較的清浄な高品質の形のセルロースを回収することができる。様々な業界のための供給原料としてさらに容易に受入れ可能である清浄な金属製品を得ることも可能である。同様に、紙製品を処理して、様々な業界で使用するために分離することができる高品質のリサイクル可能な製品を作ることができる。例えば、分留塔を使用して、長繊維材料を短繊維材料から分割することができ、前者の材料はリサイクル紙として製紙工業における使用に可能性があり、後者の材料は燃料に変換されて発電業界における使用に可能性がある。
【0004】
上に述べた特許に開示された方法、装置、およびシステムは、結果的に得られる都市廃棄物から作られる供給原料の品質を向上するために、水分の変化と制御された通気および混転と組み合わせて熱と圧力を使用する。上に述べた特許に開示された蒸気オートクレーブには、オートクレーブ内の廃棄材料に蒸気を加えて直接接触させることによって、ならびに蒸気オートクレーブの中に置かれた材料を加熱および/または乾燥するために、容器の内部を通じて導管内に搬送される加熱された流体を導入することによって、熱を加える。蒸気オートクレーブ内の熱と圧力を、蒸気が飽和状態に達するように増加し、所定の時間が経った後に、容器内の圧力を高圧から負圧に急速に低下させるために蒸気を急速に抜き、こうして沸点以上の状態(superheated)にし、容器内の状態調節された廃棄材料からエンタルピーを放出させる。次に、上に述べた特許に開示された方法から得られるバイオマスをふるい(screen)に通すことができ、蒸気オートクレーブからの篩い分けされた廃棄材料は、ふるいが約1/2インチ(約1.3cm)の開口部を備えている場合には、入って来る廃棄物流全体の約70%を構成する。入って来る廃棄物流全体のこの部分はさらに、都市廃棄物の中に存在する有機物質全体の約95%を含む。
【特許文献1】米国特許第5445329号
【特許文献2】米国特許第5655718号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、様々な処理から結果として生ずる材料を処理するための有用な適用も有するが、上に述べた特許に開示された蒸気オートクレーブの内部における処理から結果的に生ずる分離されたバイオマスを処理するための装置、システム、および方法を提供する。本発明はさらに、多くのリサイクル産業および二次産業のために供給原料としてのバイオマスの使用を最適化するために、上記の蒸気オートクレーブによって生成した分離されたバイオマスの品質を向上させる。本発明による方法、装置、およびシステムによって生成された最終生成物は、製紙工業のために容易にリサイクル可能な、および/またはセルロース絶縁のために有用なセルロース繊維、土壌改良剤として堆肥の中で使用可能な、または直接燃料として使用可能な残留微細繊維部分、および燃料としても有用なバイオガスを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リサイクル業界での使用のためにバイオマスを向上させた結果として、上記の特許に開示された方法とシステムによって生成されたバイオマスを共同作用的に取り扱うものである。上記の特許による方法とシステムによって生成されたバイオマスに対する重要な向上の一部は、蒸気オートクレーブ内で発生する有機物質の加圧煮沸と可溶化から結果として得られる有機物質に対する向上である。蒸気オートクレーブを通じて処理された食品廃棄物およびその他の有機物質は、十分に可溶化され、蒸気オートクレーブを通じて処理されなかった繊維と比較すると、高くなった生分解性を有する。蒸気オートクレーブの混転作用はまた、故紙をパルプにするために現在使用されている慣用のハイドロパルプ化工程における同じエネルギー消費の後に結果として得られるものよりも微細な粒子を結果として提供する。蒸気オートクレーブによって生成されるバイオマスに対するその他の向上策としては、油の分散、ラッカおよびインクの懸濁、コーティングの可溶化、およびいくつかの連続的な重力および密度分離とサイズ選別ならびに希釈水洗の後の、屑が非常に少なくて製紙に使用される二次繊維パルプ内への組み込みに適した清浄なリグノセルロース繊維の生成がある。
【0007】
蒸気オートクレーブによって生成されたバイオマスから分離されたセルロース繊維はさらに、リサイクルされた古い段ボール容器および砕木繊維などの慣用の繊維源と比較すると、かなり高いろ水度(feeness)すなわち速い排水能力を有するとして示されている。本発明による方法と装置によって分離された繊維のより高いろ水度ならびに改善された強度特性は、エネルギーの必要量は少なくて製紙機械はより速く稼動することができるので、製紙工業に対するこれらの処理されたセルロース繊維の価値を著しく高める。
【0008】
蒸気オートクレーブの内部で達成される260°F〜270°F(127℃〜132℃)の温度はまた、オートクレーブによって生成されたバイオマスから分離されたセルロース繊維の特性を強化することがわかっている。紙繊維は一般に、セルロース繊維に結合するリグニン、セルロースの可溶性部分であるヘミセルロース、および酸などによって処理されない限り基本的に可溶化が非常に困難なセルロースを含む。リグニンの軟化点は約262°F(約128℃)であるから、蒸気オートクレーブの中で到達する温度は、セルロース繊維に結合したリグニンを軟化させるが、リグニンは結晶化に十分なほど加熱されない。バイオマス内の低融点プラスチックは小さなビーズになり、これらのビーズは、製紙工業によって使用されるセルロース繊維と共に含まれないように、連続する密度およびサイズ分離中に容易に分離される。
【0009】
本発明の一実施形態による廃棄材料を処理する方法では、廃棄材料はまず蒸気オートクレーブの中で高い温度、圧力、および機械的せん断作用を受けて、バイオマスの様々な分離された部分を使用するリサイクル産業において望ましい一群の特性から選択された少なくとも1つの特性を有するバイオマスが生成されている。バイオマスの分離された部分の強化された特性は、紙リサイクル産業に提供される高いろ水度すなわちセルロース繊維の水を急速に排水する能力、リサイクルされた古い段ボール容器および砕木繊維と比較してすぐれた強度特性、同量のエネルギー消費について廃棄材料の慣用のハイドロパルプ化によって達成されるものより微細な粒子サイズ、高温と高圧に上げられて次に急速に負圧に下げられた蒸気オートクレーブにおいて材料から結果的に得られる無菌性、バイオマスにおける有機物質の大部分が可溶化されること、およびオートクレーブで処理されなかった繊維と比較してセルロース繊維の生分解性が高いことを含む。
【0010】
本発明の一実施形態による方法、装置、およびシステムでは、これらの強化された特性を有するバイオマスを分離工程にかけることができ、バイオマスの成分は篩い分けなどの密度および/またはサイズ分離工程によって分離され、成分はサイズによって分離される。本発明の一実施形態による方法はまた、バイオマスをプロセス水(process water)で希釈して、この希釈された混合物を緩やかな混合作用にかける工程を含んでもよく、選択された温度と混合の作用は、蒸気オートクレーブ工程中にねじられて絡み合ったセルロース繊維をほぐしてまっすぐにするために有効である。この潜在物除去工程は、結果的に得られたセルロース繊維をリサイクル製紙工業によって使用するために処理しようとするときに使用される。
【0011】
本発明の別の実施形態による方法では、蒸気オートクレーブから得られたバイオマスを、固体および流体を生物学的に処理するための個別のゾーンを含むハイブリッド嫌気性消化装置(hybrid anaerobic digester)から得られた流体と共に、サンプまたはリザーバに加えて、液体サイクロンにおけるなどの重力分離工程にポンプ輸送および導入するための適正な固液比を有する溶液を生成することができる。ハイブリッド嫌気性消化装置は、固体と流体の独立した処理を可能にし、したがって液体サイクロンの動作に必要な流体のすべてを提供することができ、こうして液体サイクロンと共に本質的に閉じたループで働く。
【0012】
本発明によるバイオマス材料および/または微細繊維部分の追加的処理を、ハイブリッド嫌気性消化装置の中で起こすことができ、このハイブリッド嫌気性消化装置は、固体材料と流体材料の生物学的処理のための個別ゾーンを有する容器であり、流体材料の処理は固体材料の処理とは独立している。ハイブリッド嫌気性消化装置を形成する容器は、円錐形の底を有する円筒形であることが好ましい。この容器は外壁を有し、この外壁は、容器の高さの一部分にわたって円筒形を成し、容器の底部分では円錐形を成す。円筒形の中間壁が外壁から内側に離隔しており、水力リザーバが中間壁と外壁との間に画定されている(defined)。内部の円筒状壁が中間壁から内側に離隔し、付属の成長媒体ゾーンが内壁と中間壁との間に画定された成長媒体を含む。内壁の下部分は孔あけされて、内壁の中に画定された内側ゾーンと付属の成長媒体ゾーンとの間の流体連絡をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるシステムは、開示内容が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5445329号および同第5655718号に詳細に記載されているものなどの、蒸気オートクレーブ工程から得られる分離されたバイオマスの処理における屑の除去に必要な様々なデバイスを含む。本発明には様々な源泉(source)からの廃棄材料を処理するための有用な用途があるが、以下は、上述の2つの特許に記載された蒸気オートクレーブから結果的に得られる分離されたバイオマスの処理に関して、本発明を説明する。蒸気オートクレーブに供給された都市廃棄物は、一般に約60%の有機材料と約40%の無機材料とから成る。蒸気オートクレーブによって生成されるバイオマスのリサイクル可能成分の向上は、本発明の実施形態によって実施されるさらなる処理と共同作用的に働く。
【0014】
蒸気オートクレーブ工程の後に、都市廃棄物からの60%有機物質の約95%は、半インチ(1.3cm)ふるいを通過することになる。半インチ(1.3cm)ふるい(screen)を通過するバイオマスは一般的には、最初に蒸気オートクレーブ工程に投入された材料全量の約65重量%を占める。60%有機物質の約95%の他に、全量の65%はあるガラスとその他の屑を含むことがある。蒸気オートクレーブで最初に処理された都市廃棄物の全量の65重量%は水のほとんどを含み、水は可溶性の有機物質の大部分を含む。蒸気オートクレーブで処理された後に半インチ(1.3cm)ふるいを通過しない全都市廃棄物の35重量%は一般に、スズ、プラスチック、ガラス、およびぼろなどの、通常のリサイクル法を使用してリサイクル可能な要素を含む。
【0015】
蒸気オートクレーブから出た後に半インチ(1.3cm)ふるいを通過するバイオマスの65重量%は、一般に50%の水と50%の固体である。水は、2つの主要成分に分けることができる可溶化された有機物を含む。可溶化された有機物の1つは、蒸気オートクレーブの中で起こる圧力煮沸の結果として可溶化された廃棄物、食品、およびその他の澱粉類に由来する。有機物のもう1つの主要成分は、セルロース材料とセルロースに結合するリグニンである。有機物のセルロース部分は一般に紙に由来し、さらに主として炭水化物でもあり、食品澱粉類との相違は、セルロース材料の大部分の炭水化物が容易に可溶化されず、したがってバイオマスの固体部分として残ることである。
【0016】
図1に示すように、セルロース材料が紙リサイクル産業による使用のために処理される実施形態では、約50%の固体稠度(solid consistency)を有するオートクレーブ処理されたバイオマス20(例えば、上述の特許に記載された蒸気オートクレーブの動作から結果として得られたバイオマス)を、ほぼ4%の固体と96%の水へ稠度(consistency)をもたらすために、十分な量の希釈水21を有する希釈タンク30に加えることができる。希釈タンク30の温度は、約130°F(約54℃)に保たれることが好ましく、蒸気オートクレーブ工程中でねじられて絡み合ったセルロース繊維をほぐしてまっすぐにすることになる緩やかな混合作用を与える。希釈タンク30において温度を約130°F(約54℃)に保ちながらバイオマスを希釈および混合した結果として生ずるセルロース繊維をほぐしまっすぐにすることは、セルロース繊維をリサイクル製紙工程において下流側で使用するときにセルロース繊維の挙動を改善することがわかっている。
【0017】
希釈タンク30において起こる希釈およびほぐしまたは潜在物の除去工程の後に、バイオマスをポンプ40によって液体サイクロン50にポンプ輸送することができ、液体サイクロン50は重力分離工程を実施し、液体サイクロン50はバイオマスをその成分の密度によって分離する。液体サイクロン50は、ガラスおよび砂などのより重い材料52を回転して飛ばし、これらのより重い一般に無機の材料を有機材料の残りから除去されるようにする。液体サイクロン50の中で起こる密度分離工程の結果、分離された材料の第1部分52は、密度がより重い砂屑を含み、残りの材料54を、汚染物除去のために粗い圧力選別機(pressure screen)60に供給することができる。圧力選別機60は、液体サイクロン50において分離されないプラスチックおよびその他の浮遊可能な屑62を分離する助けになる。
【0018】
液体サイクロン50において起こる密度分離と粗い圧力選別機60において起こる屑分離の後に、全屑の約98%が除去される。粗い圧力選別機60を出るスクリーンにかけられたバイオマスからプラスチックおよび浮遊可能な屑62を分離した後に、セルロース繊維を、製紙工業に有用な長繊維と、固体燃料または堆肥の製造用に嫌気性消化装置に供給する短繊維と、に分離または細分するために、バイオマスの残り部分をさらに篩い工程、加圧工程および希釈工程にかけることができる。
【0019】
粗い圧力選別機60によって分離されて図1に示す流れ66に到る長いセルロース繊維は、製紙工業によるリサイクルに適しており、上述の2つの特許に記載されている蒸気オートクレーブ装置および工程から得られるバイオマス20から導き出された結果として、向上した特性を示す。バイオマスの改善された挙動は、蒸気処理および続く湿式処理によってのみ生じる様々な形式の有機物の改質に関係する多くの分野において、明白に実証されている。実施されたある調査では、市場品質の紙パルプの製造において改善されたろ水度と強度の特性を示した。次いでこれらの向上した特性は、製紙機をより急速に稼動させるので、エネルギー必要量を低減することによって製紙を改善し、同時に必要とされる精製工程の数を減らす。蒸気オートクレーブの内部で使用される温度域は、リグニンの融点に達するように選択され、これは、飽和蒸気条件に達した後に制御された多様な脱気または高速の圧力軽減と組み合わせたときに、パルプ回収用の好ましい向上を生み出す助けになる。
【0020】
処理可能性の調査が蒸気オートクレーブ装置と工程から結果的に得られたバイオマスの向上した特性を立証した第2区域は、可溶化されたときに、腐敗しやすい有機物の改善された生分解性を必然的に伴う。これらの改善された特性は、可溶化された有機物の完全な消化(digester)が非常に短い時間で達成された高速度の嫌気性消化装置において実証された。
【0021】
残留するセルロース微細片を分別して水洗するためにベルトプレス・デバイス61に蒸気を通過させることによって、図1において66で示すように、製紙工業で好ましい長い繊維を除去した後に、バイオマスの固体部分64と流体部分68は浄化器デバイス(clarifier device)63に導かれる。浄化器デバイス63は、固体部分64と流体部分68を移送する(decant)ことによってさらなる分離を可能にする。バイオマスの残りの固体部分64を、本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性消化装置100に供給することができる。長い繊維の水洗の後に分離されて出たバイオマスの流体部分68はプロセス水(process water)を含み、このプロセス水はここでは可溶化された有機物を含んでおり、これを、電気コジェネレーションに適するバイオガスを生成するために嫌気性蒸解用の高速嫌気性消化装置に利用可能にすることができる。バイオマスの固体部分64は、主として製紙工業によるリサイクルには従わない短いセルロース繊維または微細片を含み、したがってハイブリッド嫌気性消化装置、特にバイオガス燃料、ならびに堆肥および土壌改良剤に適した残留スラッジの両方を生成する、本発明によるハイブリッド嫌気性消化装置に向けられる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態では、図3に示すように、残留スラッジを、ハイ・ソリッド・ポンプ113を使用して本発明によるハイブリッド嫌気性消化装置100の出口112からポンプ輸送することができ、必要な場合にはプレス114における押圧動作にかけて、残留スラッジからあらゆる残りの流体をさらに分離することができる。次にプレス114からのプレス液115、115aをポンプによってサンプまたはリザーバ31に送るか、または代わりに好気性水処理のために経路指定することができる。サンプ31に供給されたプレス液115を、オートクレーブ処理されたバイオマス20、セルロース微細片64、および望むならば、ハイブリッド嫌気性消化装置100の中でさらに処理するためにハイブリッド嫌気性消化装置から再循環される流体の一部分125’と組み合わせることができる。この部分125’は、サンプ31内の混合物に微生物を植え付ける働きをすることができ、これらの微生物はバイオマスの分解を助け、ならびに必要な量の流体を供給してオートクレーブ処理されたバイオマスをポンプ輸送できるように希釈する。次にサンプ31からの希釈された混合物を、液体サイクロン50におけるさらなる密度分離にかけることができ、次いで入口108を通じてハイブリッド嫌気性消化装置100に再導入することができる。
【0023】
製紙工業のためには短すぎる微細片として知られるセルロース繊維のある一定の部分は、図1に示すように分離されて個別の流れ64に集められる。この流れをハイブリッド嫌気性消化装置に向けることができ、さらに好ましくは図3におけるサンプ31へ導くなどの本発明によるハイブリッド嫌気性消化装置に供給することができる。ハイブリッド嫌気性消化装置の最終生成物はバイオガスを含み、このバイオガスを、燃料、および堆肥または土壌改良剤としての使用のために適した高品質残留材料のために使用することができる。
【0024】
図2に示す本発明の好ましい実施形態によれば、ハイブリッド嫌気性消化装置は、ハイソリッド嫌気性消化装置と高速嫌気性消化装置の両方を組み合わせている。処理されたバイオマス20を、希釈した後に入口108を通じてハイブリッド嫌気性消化装置100に供給することができ、また望む場合には図3に示すように重力分離工程にかけて屑を除去する。製紙工業によって直接使用されるべき長いセルロース繊維から分離された微細片を含む処理されたバイオマス20の固体部分64を、特に、処理されたバイオマス20と混合して望む場合には屑を除去するためにさらなる重力分離工程にかけた後に、入口108を通じてハイブリッド嫌気性消化装置100に提供することもできる。
【0025】
処理されたバイオマスおよび短いセルロース繊維または繊維微細片の組合せ流は、ポンプによって入口108を通じてハイブリッド嫌気性消化装置100の中に送られ、この材料は約98°F(約37℃)から120°F(約49℃)までの温度範囲で消化装置100の中で処理され、この温度範囲は消化装置100の様々なゾーンにおいて使用される特定の中等温度好性のおよび/または好熱性生物学的培養物に対応する。
【0026】
図2に示すように、本発明の好ましい一実施形態によるハイブリッド嫌気性消化装置100は、実質的に円筒状の外壁102を有する容器であって、容器の下部分において内側に細くなって円錐形の底部分104となり、底部分は容器の底から残留材料を除去するために開口部112を有する。中間壁120が径方向に内側に形成され、実質的に外壁102と同心であり、中間壁120と外側円筒壁102との間に環状液圧リザーバ124を画定する。内壁130が径方向に内側に形成され、実質的に中間壁120と同心であり、環状のバイオガスが付着成長する媒体ゾーン(attached growth media zone)122が内壁130と中間壁120との間に形成されている。
【0027】
容器の内部は5つの主要ゾーンに区分されている。バイオガス・ヘッド空間135が、内壁130内に画定された少なくとも内部ゾーンまたはハイ・ソリッド・ゾーン134の上部分に画定されている。内壁130内に画定されたハイ・ソリッド・ゾーン134は、容器100の頂部において入口108を通じてハイブリッド嫌気性消化装置の中に給送されるバイオマス材料を受け入れる。浸出ゾーン136がハイ・ソリッド・ゾーン134の下端部に形成されて、内壁130の孔あき部分132によってその外側周辺に画定されている。ハイ・ソリッド・ゾーン134からの液体は、孔あき部分132を通過して、内壁130と中間壁120との間に画定された付着成長媒体ゾーン(attached growth media zone)122に入る。ハイ・ソリッド・ゾーン134からの固体は、容器の直径にわたって置くことができるバーを通って落下し、これらのバーは、容器100の下円錐部分104によって画定された円錐状圧密ゾーン(conical compaction zone)138に固体が移るときに破砕する助けになる。
【0028】
中間壁120の頂端部(top edge)121はせき(weir)を画定し、このせきを越えて、付着成長媒体ゾーン122内からの液体が、容器100の中間壁120と外壁102との間に画定された液圧リザーバ・ゾーン124に流入することができる。リサイクル管路125が液圧リザーバ124から出ており、液圧リザーバからの液体の一部分をハイ・ソリッド・ゾーン134の頂部に戻してリサイクルすることができる。リサイクル・ループ125は、容器100内部に、廃棄材料を破壊する微生物の成長に重大な所望の温度を維持するときの助けにするために、図2および3に示す熱交換器127を含むことができる。
【0029】
付着成長媒体ゾーン122に備えられた特定の付着成長媒体123の選択は、所望の処理特性を得るために容器の全容積のある割合として必要である付着成長媒体ゾーン122の容積に影響する。粗い岩石などの安価な媒体では、他のより高価な付着成長媒体の場合よりも小さな容積当り全表面積を提供するので、より高い付着成長媒体ゾーンを必要とすることになる。費用/利益の分析によって、より大きなタンク・サイズを必要とするより安価な成長媒体を使用すべきか、またはより小さなタンク・サイズの使用ができるより高価な成長媒体を使用すべきかを決定することができる。
【0030】
ヘッド空間135、135aが、ハイ・ソリッド・ゾーン134と付着成長媒体ゾーン122と液圧リザーバ124の上方に残っている。ヘッド空間135はヘッド空間135aと隣接し、またはこれらの2つは分離されて、個別のバイオガス出口110を備えることができる。ハイ・ソリッド・ゾーン134における固体の嫌気性蒸解と付着成長媒体ゾーン122における流体の嫌気性蒸解によって生成されたバイオガスは、ヘッド空間135、135aに集まり、燃料として使用するために出口110から除去される。バイオガスは一般的には二酸化炭素とメタンとの混合物であり、通常は60%〜65%のメタンを有し、残りは二酸化炭素である。
【0031】
液圧リザーバ124から出されて、リサイクル管路125を通じて入口108を経てハイ・ソリッド・ゾーンに戻される液体は、流体内に含有される微生物の一部分を戻すことによって媒体を再植え付けする(re-innoculating)こと、および熱分布を提供することの2つの目的を果す。リサイクル管路125中に設けられた熱交換器127は、所望の範囲内で反応器内部の温度を維持する助けをする。
【0032】
ハイ・ソリッド・ゾーン134からの固体は、孔あき部132を通じて付着成長媒体ゾーン122の中に浸出していないあらゆる流体と共に、破壊バー(breaker bar)を通じて落下し、反応器の下部円錐状部分104内の圧密ゾーン138に入る。圧密ゾーンは生物学的には活性ではなく、したがって、固体の沈殿を抑えようとするガス泡の形成はない。これは静止したゾーンであり、下部出口112からポンプで出される残留物はガラス、プラスチック、および未反応セルロース繊維を高濃度で含んでいる。下部出口112からポンプで出される残留物に、加圧を含む図3に示すなどのさらなる処理にかけることができ、固体部分はさらにスクリーンを通じてサイズ別に分離され、ガラス、プラスチック、およびその他の屑を除去し、次いで燃料または特に土壌改良形成するために堆肥として直接使用される。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態では、ハイ・ソリッド・ゾーン134内の固体は、バイオマスが頂部入口108に加えられるときから、残留材料が下部出口112からポンプで出されるときまで、約15日のサイクル時間を有する。入口108を通じて反応容器100に加えられたバイオマスの約50%は、ハイブリッド嫌気性ゾーン134の中で微生物によって消化され、メタンと二酸化炭素を含むバイオガスに変換され、残りの50%は出口112から抽出される部分であり、固体燃料として使用されるか、またはスクリーンにかけられ、さらに処理され、および/または追加期間だけ堆肥にされる。
【0034】
可溶化された有機物を含む流体は、浸出ゾーン136から付着成長媒体ゾーン122の中に送られる。流体はハイブリッド嫌気性消化装置100から分離されているので、流体と固体の処理もまた互いに独立させることができる。この構成は慣用のハイ・ソリッド消化装置に勝る重要な利点をもたらし、ハイ・ソリッド消化装置に加えられたバイオマスの流体部分は、固有に固体の処理と結ばれている。本発明の一実施形態による組み合わせたシステムの利点の1つは、流体部分における可溶化された有機物のバイオガスへの変換が、ハイ・ソリッド・ゾーン134内の固体有機物の変換よりもはるかに効率的であることである。実際に、流体部分内の可溶化された有機物のほぼ100%が消化されるが、固体部分はその50%だけが消化される。
【0035】
図2に示すようなハイブリッド嫌気性消化装置の構成における別の利点は、液圧リザーバ124からの流体の一部分をリサイクルしてハイ・ソリッド・ゾーン134に戻し、ハイ・ソリッド・ゾーン内におけるバイオマスの再植え付け、ならびに容器内に維持される温度の制御のための手段を提供できることである。付着成長媒体ゾーン122に含まれる付着成長媒体、ならびに液圧リザーバ・ゾーン124内の流体は、容器100を実質的に自己遮断させる。さらにまた、リサイクル管路125によって、容器に戻される流体の部分に熱を加えることができる。
【0036】
図2および4A〜4Fに示すような個別のハイ・ソリッド・ゾーンおよび液圧または流体ゾーンを有するハイブリッド嫌気性消化装置の配置におけるもう1つの重要な利点は、流体が容器の中に保持される時間量を、固体が容器の中に保持される時間量とは関係なく制御できることである。入口108を通って容器に加えられるバイオマスの流体部分は、ハイ・ソリッド・ゾーン134から浸出され、浸出ゾーン136から内壁130の孔あき部分132を経て付着成長媒体ゾーン122の中に移る。
【0037】
付着成長媒体ゾーン122の中で、可溶化された有機物を含む流体は、ハイ・ソリッド・ゾーン134からの固体が圧密ゾーン138の中に沈殿して容器100の出口112から除去されるにつれて、媒体に付加された微生物によって消化され続ける。この結果、固体は容器の中で処理され、消化され、15日サイクルなどの比較的短い期間内に容器から除去されるが、流体は付着成長媒体ゾーン122と液圧リザーバ124からハイ・ソリッド・ゾーン134へ再循環され続けて戻される。通常は固体保持時間(SRT)と呼ばれる固体が容器内に保持される時間量の、通常は液圧保持時間(HRT)と呼ばれる流体が容器内に保持される時間量からの分離は、少なくとも下記の理由からはるかに大きな工程の柔軟性(flexibility)をもたらす。
【0038】
容器100の中に導入されたバイオマスの中に植え付けられた微生物は、一般には、廃棄材料の処理において様々な機能を実施する様々な有機物の分類を含む混合培養媒体である。一例として、これらの微生物によるセルロース材料の処理中に、セルロースをまず、酸形成体と呼ばれる一群の有機物によって加水分解しなければならない。酸形成微生物(acid forming organism)はセルロース内の炭水化物を分解し、これを長鎖揮発性脂肪酸に変換する。水素還元微生物(hydrogen reducing organism)である他の群の微生物が揮発性脂肪酸に作用して、水素分子を剥ぎ取り、揮発性脂肪酸を酢酸に還元する。最後に、すべての微生物の中で成長が最も遅いメタン形成体(methan forming organism)として知られる微生物の群は、酢酸を二酸化炭素、メタン、および水に変換する。
【0039】
メタンを形成する微生物(organism)はすべての微生物の中で最も成長が遅いので、バイオマス内の流体が、15日だけのサイクル時間またはこれより短い期間に固体と共に除去された場合には、メタンを形成する微生物は、再生の機会を有する前に容器から洗い流される。本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性蒸解容器100は、12〜15日サイクル時間などの比較的低いSRTを可能にするが、付着成長ゾーンにおいて緩やかに成長するメタン生成微生物をなおも保持する。次に、付着成長媒体ゾーン122は、これはメタンを生成する微生物を消化工程中にバイオガスの有効な生成を可能にするために十分な時間だけ保持するので、有機コンデンサのような作用をする。
【0040】
本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性蒸解容器の一例を図4A〜4Fに示すが、ここでは容器の実施形態の概略寸法と、容器内の各ゾーンの各々に割り当てられた容器の全容量の比率が図示されている。これらの寸法は決して限定しようとするものではなく、本発明による利点をもたらすハイブリッド反応容器の一実施形態を単に例示するものであることは、当業者には理解されよう。
【0041】
図4A〜4Fに示す例では、ハイブリッド嫌気性蒸解容器は、約65フィート(約20m)の直径と70フィート(約21m)の高さとを有し、高さのうち下部の円錐状部分は約25フィート(約7.4m)であり、上部の円筒状部分は約45フィート(13.6m)の高さを有する。反応器の全容量は約188,034立方フィート(約5325m)である。全液圧または流体の容積(容器に加えられたバイオマスは約50%固体および50%流体であるからハイ・ソリッド・ゾーンの容積、付着成長媒体ゾーンの容積、および円筒状ハイ・ソリッド・ゾーンの下方における円錐状圧密ゾーンの容積を含む)は全反応器容積の約74%、すなわち138,617立方フィート(3923m)である。本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性消化装置のこの特定の例については、図4Bに示すように直径は約50フィート(約15.2m)であり高さは約45フィート(13.7m)である。
【0042】
付着成長媒体ゾーン122は、選択される成長媒体123の特定の形式に応じて容積が変化する。容積比に対して大きな表面積を有する高度に専門化された成長媒体は、付着成長媒体ゾーン122の容積がハイ・ソリッド・ゾーン134の容積の約40%であることを必要とするだけである。粗い岩石などの低コストの媒体は、ハイ・ソリッド・ゾーンの容積の約60%である付着成長媒体ゾーンの容積を必要とする場合がある。高度に専門化された媒体を含む付着成長媒体ゾーンは、ハイ・ソリッド・ゾーンの容積の約42%である容積を達成するために、約50フィート(約15.2m)の内径と約60フィート(約18.3m)の外径を有する。
【0043】
図4Dに示す事例における圧密ゾーン138は、容器の下部円錐状部分104において約20フィート(6.1m)の深さを有し、この最大直径は約50フィート(約15.2m)である。
【0044】
図4Eに示すように、ハイ・ソリッド・ゾーン134の底部における浸出ゾーン136は、内壁130の透過性区分132すなわちスクリーンを含み、この開口部は、ろ過ゾーンの全周囲区域の約60%を構成する。
【0045】
外側液圧リザーバ・ゾーン124は,中間壁120と外側容器壁120との間に画定され、図4A〜4Fに示す例によって表されるサイズの容器については、一般的に30,000〜40,000ガロン(113,000〜151,000リットル)の容量を備えることができる。流体は、内壁130の内側におけるハイ・ソリッド・ゾーン134の中に発達した液圧ヘッドの関数として、中間壁120の頂端部によって形成されたせき121を越えて移送する。液圧リザーバ124に集められた流体の一部分は、管路125を通じてリサイクルされて、入口108を通じてハイ・ソリッド・ゾーン134の頂部に再導入されることが可能である。容器内の温度を、含まれる微生物の成長に最適の特定範囲に維持しようとする場合には、(図2および3における127などの)熱交換器をリサイクル管路125に備えることもできる。図3に示す実施形態の本質的に閉じたループでは、リサイクル管路125を通じてリサイクルされる流体の一部分125’を、プレス液115、処理されたバイオマス20、およびセルロース繊維微細片64と組み合わせて、ハイブリッド消化装置100の中に再導入する前に、液体サイクロン50におけるさらなる密度分離のための正しい流体割合を有する混合物を得ることができる。付着成長媒体122は、十分な量の流体を除去して液体サイクロン50の動作のために必要な希釈が、ハイブリッド消化装置100の中における流体の効率的な処理とバイオガスの変換を阻害することなく可能であるように、メタン生成微生物を保持する。
【0046】
本発明の原理、好ましい実施形態、および動作様式を上記の明細書に説明した。しかしながら、保護しようとする本発明は、開示された特定の実施形態または実施例に限定されるものと解釈すべきではない。さらにまた、本明細書に説明した実施形態または実施例を限定的ではなくて例示的なものであるとすべきである。本発明の精神から逸脱することなく、使用されるその他の形態および均等物によって変更と変化を行うことができる。したがって、特許請求の範囲に定められるようにすべてのこのような変更、変化、および均等物もすべて本発明の範囲と精神の中に含まれることが、明白に意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態による廃棄材料を処理するためのシステムと方法の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性消化装置を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による廃棄材料を処理するためのシステムと方法の概略図である。
【図4A】、
【図4B】、
【図4C】、
【図4D】、
【図4E】、
【図4F】本発明の一実施形態によるハイブリッド嫌気性消化装置内の様々なゾーンの相対容量の一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉とセルロースと他の炭水化物とを含む有機材料と、無機材料とを含む廃棄材料を処理する方法であって、
蒸気を装置の中に導入することによって、前記廃棄材料を前記装置中で高温、高圧および高湿にさらす工程と、
前記蒸気が前記装置内で飽和状態に達するように、前記装置内の温度と圧力を効果的な量づつ上昇させる工程と、
前記装置内の圧力を急速に低下させて圧力を大気圧未満にして、前記蒸気を沸点以上の状態(superheated)にする工程と、
前記装置から前記廃棄材料を取り出して、前記廃棄材料をふるい(screen)に通して前記廃棄材料をサイズ別に分離する工程と、
結果として得られる希釈された混合物を十分な量だけ効果的な温度で撹拌しながら、前記廃棄材料の少なくとも第1部分を水で希釈して、前記装置内での処理中にねじられて絡み合ったセルロース繊維をほぐしてまっすぐにするまたはほどくようにする工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記材料の前記第1部分が0.5インチ(1.3cm)ふるいを通過した部分であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記希釈する工程により、約4%の固体と96%の流体とからなる混合物が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記希釈された混合物を液体サイクロン中で密度により分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記希釈された混合物をふるいを使用してサイズにより分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記希釈されて分離された混合物の少なくとも一部分を嫌気性消化装置(anaerobic digester)に加え、前記混合物の一部分が、燃料として使用するために適した1種またはそれ以上のバイオガスと、堆肥、土壌改良剤および固体燃料として使用するために適した残留スラッジと、に変換される工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記希釈された混合物の有効温度が約130°F(約54℃)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記希釈された混合物を密度により分離する工程と、前記希釈された混合物をサイズにより分離する工程と、前記希釈された混合物を圧搾または他の処理によって濃縮して、ほぼ約50%の固体と50%の流体の稠度(consistency)に到達させる工程と、前記50%の固体と50%の流体の混合物を嫌気性消化装置に加える工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記嫌気性消化装置内の前記固体から前記流体を分離する工程と、酸形成微生物、水素還元微生物、およびメタン形成微生物から成る一群の微生物から選択された微生物の生物学的作用によって、COとメタンとを含むバイオガスと、固体燃料および/または堆肥として使用するのに適した残留材料とを生成する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記流体が、前記嫌気性消化装置の中央ゾーン内に収容された前記固体から浸出し、前記流体が前記中央ゾーンをとり囲んで付着成長媒体ゾーン(attached growth media zone)に入ることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記付着成長媒体ゾーン内の流体が、前記付着成長媒体ゾーンの外周辺を画定する(defining)中間壁の頂端部に形成されたせき(weir)を越えて移送され、前記嫌気性消化装置の中間壁と外壁との間に画定された液圧リザーバの中に入ることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
廃棄材料を処理する方法であって、
装置の中で廃棄材料を、高温、高圧、および機械的せん断作用にさらして、慣用のリサイクル可能な粉砕木材パルプよりも高いろ水度(freeness)すなわち急速に排水するより大きな能力と、同じエネルギー消費量で廃棄材料の慣用のハイドロパルプ化によって達成されるものより微細な粒子サイズと、無菌性と、バイオマス中の有機材料の大部分が可溶化されることと、同様な処理にさらされなかったセルロース繊維と比較してセルロース繊維の向上した生物分解性とからなる特性群から選択される少なくとも1つの特性を有するバイオマスを生成する工程と、
前記バイオマスを重力分離工程にさらして、前記バイオマスの構成部分を密度により分離する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記バイオマスをプロセス水で希釈する工程と、結果として得られる前記希釈した混合物をパルプ化または混合作用にさらす工程とをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バイオマスが約4%の固体含有量に希釈されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記希釈された混合物が約130°F(約54℃)で約30分間維持されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記希釈された混合物をほぼ50%の固体と50%の流体の稠度に濃縮する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記濃縮された混合物を嫌気性消化装置に加える工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記嫌気性消化装置中で流体を固体から分離する工程と、メタン生成微生物の生物学的作用によるCOおよびメタンを含むバイオガスと、固体燃料および/または堆肥として適した残留材料とを生成する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記流体が、前記嫌気性消化装置の中央ゾーン内に収容された固体から浸出され、前記中央ゾーンをとり囲んで付着成長媒体ゾーンに入り、前記メタン生成微生物は、前記付着成長媒体ゾーン内に含まれる媒体に付着したままであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記付着成長媒体ゾーン内の流体が、前記付着成長媒体ゾーンの外周辺を画定する中間壁の頂端部によって形成されたせきを越えて移送され、前記嫌気性消化装置の中間壁と外壁との間に画定された液圧リザーバの中に入ることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記重力分離工程中に分離された前記バイオマスの一部分を、前記バイオマスの固体部分と前記バイオマスの流体部分とを生物学的に処理するために個別のゾーンを有するハイブリッド嫌気性消化装置に加える工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記バイオマスの流体部分が、前記ハイブリッド嫌気性消化装置の中央ゾーン内に収容された前記バイオマスの固体部分から浸出され、前記流体部分が前記中央ゾーンを囲む付着成長媒体ゾーンに入り、前記メタン生成微生物は前記付着成長媒体ゾーン内に含まれる媒体に付着したままであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記付着成長媒体ゾーン内の流体が、前記付着成長媒体ゾーンの外周辺を画定する中間壁の頂端部によって形成されたせきを越えて移送され、前記嫌気性消化装置の中間壁と外壁との間に画定された液圧リザーバの中に入ることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記液圧リザーバからの流体が前記装置からバイオマスに加えられ、前記混合物は、前記ハイブリッド嫌気性消化装置に加えられる前に前記重力分離工程にさらされることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ハイブリッド嫌気性消化装置であって、
外壁を有する容器と、
前記外壁から内側に一定間隔で配置された中間壁と、前記中間壁と前記外壁との間に画定された液圧リザーバと、
前記中間壁から内側に一定間隔で配置された内壁と、前記内壁と前記中間壁との間に画定された付着成長媒体ゾーンと、
前記内壁中に画定された内側ゾーンと前記付着成長媒体ゾーンとの間を流体連絡させるために透過性のある前記内壁の下部分と、
を含むことを特徴とするハイブリッド嫌気性消化装置。
【請求項26】
バーが前記内側ゾーンの下部分を横切って配置され、前記バーは前記内側ゾーンから前記バーを通って落ちる材料を破壊するようになっていることを特徴とする請求項25に記載のハイブリッド嫌気性消化装置。
【請求項27】
前記容器がその下端部において先細になり、前記内側ゾーンの下方で円錐状圧密ゾーンを形成することを特徴とする請求項25に記載のハイブリッド嫌気性消化装置。
【請求項28】
出口が前記外壁を通って前記液圧リザーバと流体連絡して設けられており、リサイクル管路を通じて前記内側ゾーンの頂部に連結していることを特徴とする請求項25に記載のハイブリッド嫌気性消化装置。
【請求項29】
温度が前記リサイクル管路の中で制御され、前記容器内の温度を所望の範囲内に維持することを特徴とする請求項28に記載のハイブリッド嫌気性消化装置。
【請求項30】
前記容器内で生成されたガスを集めるためのヘッド空間が、少なくとも前記内側ゾーン上の前記容器の頂部に画定されることを特徴とする請求項25に記載のハイブリッド嫌気性消化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【公表番号】特表2006−504524(P2006−504524A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549945(P2004−549945)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/028198
【国際公開番号】WO2004/041733
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(505161323)コンプリヘンシブ リソーシーズ,リカバリー アンド リユース,インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】COMPREHENSIVE RESOURCES, RECOVERY & REUSE, INC.
【住所又は居所原語表記】1755 E. Plumb Lane, Suite 265A, Reno, NV 89502, U. S. A.
【Fターム(参考)】