説明

廃棄物処分方法及び廃棄物処分設備

【課題】浸出水の処理施設を必要とせず、廃棄物の分解及び安定化が完了するまでの維持管理期間を短縮することができる廃棄物処分技術を提供する。
【解決手段】被覆型埋立地20に廃棄物が埋め立てられて形成された廃棄物層24の上方から当該廃棄物層24に向かって、給水設備30により水が供給される。供給された水は、廃棄物層24を通過し、底部の集水ライン62を通じて、集水ピット64に集められる。集められた水は、集水ポンプ66によって汲み上げられ、廃棄物層24に供給する水として循環使用される。一方、廃棄物層24の底部から上方に向かって、送気設備40により空気が供給される。空気は廃棄物層24の底部から上方へ流れ、廃棄物層24中の廃棄物全体に空気が行き渡る。廃棄物層24中に含まれる一部の有機物は廃棄物中に生息する微生物によって生物学的に分解される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最終処分場に集積される一般廃棄物や産業廃棄物などの各種廃棄物を分解及び安定化する廃棄物処分技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般廃棄物や産業廃棄物などの各種廃棄物は最終処分場に集められ、埋め立て処分されていた。廃棄物に含まれる一部の有機物は埋立層内に生息する微生物によって生物学的に分解され、その他の有機物及び無機物は降水による洗い出し効果により浸出水として流出し、所定の水処理設備にて処理され、公共用水などに放流されていた。水処理設備は浸出水の水質が排水基準等を下回るまで稼働されるが、その期間は30年以上ともいわれており、長期間にわたって維持管理の手間と費用を必要とする。
【0003】
また、最終処分場は、一般に埋立期間は15年程度であるが、埋立終了後、浸出水の水質が一定の水質に安定するまで廃止することができない。即ち、埋立終了後も浸出水処理施設を稼働し続けなければならない。その期間は10年から20年以上といわれており、埋立期間中だけでなく、埋立終了後を通じ、30年以上、浸出水処理施設を稼働し続けなければならない。このため、長期間にわたる維持管理の手間と費用を要する。
【0004】
一方、本願発明に関連する従来の廃棄物処分技術として、例えば、特許文献1記載の「廃棄物処分場」、特許文献2記載の「被覆型廃棄物処分場の埋立構造」あるいは特許文献3記載の「焼却灰の処理方法」などがある。
【0005】
特許文献1記載の「廃棄物処分場」は、処分場の上に屋根を設け、その内側にノズルを設けて処分場内の廃棄物に散水し、この散水に基づく浸出水を下部の浸出水収容部に落下させ、ポンプで排水するものである。
【0006】
特許文献2記載の「被覆型廃棄物処分場の埋立構造」は、処分場の底盤に配設された浸出水集排水管と、この浸出水集排水管と連通する竪型浸出水集排水管とを備え、排気ファンを備えた換気ダクトを竪型浸出水集排水管に接続し、換気ファンにより、竪型浸出水集排水管及び浸出水集排水管を介して、埋立層内への給気と埋立層内の排気とを行うものである。
【0007】
特許文献3記載の「焼却灰の処理方法」は、最終処分場での焼却灰の埋立前に、管理された敷地内において、焼却灰に対して前処理(散水処理及び通気処理)を施すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−277022号公報
【特許文献2】特開2005−28234号公報
【特許文献3】特開2006−281006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1記載の「廃棄物処分場」においては、散水に基づく廃棄物中の浸出水をポンプによって迅速に排水することができるが、当該浸出水の処理施設が必要である。また、特許文献2記載の「被覆型廃棄物処分場の埋立構造」は、強制的に給気することにより廃棄物の好気的な分解を促進することができるが、廃棄物から浸出水が浸出するので、その処理施設が必要である。
【0010】
さらに、特許文献3記載の「焼却灰の処理方法」においては、前処理(散水処理及び通気処理)が施された焼却灰は最終処分場に埋め立てられ、散水処理が行われるので、焼却灰層を透過して排水層に至った浸出水の処理施設が必要である。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、浸出水の処理施設を必要とせず、廃棄物の分解及び安定化が完了するまでの維持管理期間を短縮することができる廃棄物処分技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行い、その過程において、最終処分場に埋め立てられた廃棄物層への散水量及び送気量を制御することにより、浸出水を浸出させることなく、微生物による分解に好適な好気的環境を形成することが可能であることを見出した。また、埋立前に廃棄物を予め洗浄することにより廃棄物を低負荷化すること、及び、廃棄物層に酸化剤を供給して難分解性有機物を分解することによって、廃棄物の分解・安定化に要する期間を短縮できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、本発明の廃棄物処分方法は、廃棄物を水で洗浄する水洗工程と、前記水洗工程を終えて積層された廃棄物層に水及び空気を供給する第1処理工程と、前記第1処理工程を終えた廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程と、を備え、
前記第1処理工程における廃棄物層に対する水の供給量を当該廃棄物層から浸出水が生じない状態を保持するように制御しながら給水することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の廃棄物処分方法は、廃棄物を水で洗浄する水洗工程と、前記水洗工程を終えて積層された廃棄物層に水及び空気を供給する第1処理工程と、前記第1処理工程を終えた廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程と、を備え、
前記第1処理工程において、廃棄物層から浸出する水を、当該廃棄物層に供給する水の少なくとも一部として循環使用することを特徴とする。
【0015】
ここで、前記第1処理工程において、廃棄物層の含水率が5質量%〜40質量%を保持するように水を供給し、廃棄物層に0.5〜50L/(廃棄物1m3・分)の割合で空気を供給することが望ましい。
【0016】
また、前記第2処理工程が終了した後に、廃棄物層を水で洗浄する後水洗工程を設けることが望ましい。
【0017】
一方、前記第1処理工程において、廃棄物層の上方から当該廃棄物層に対する散水による給水と、廃棄物層の底部から当該廃棄物層の上方に向かう通気による空気の供給と、を行うことが望ましい。
【0018】
さらに、前記第2処理工程において、前記廃棄物層の上方から当該廃棄物層に対する散布による酸化剤の供給と、廃棄物層の底部から当該廃棄物層の上方に向かう通気による空気の供給と、を行うことが望ましい。
【0019】
次に、本発明の廃棄物処分設備は、廃棄物を集積可能な被覆型埋立地に、集積された廃棄物層に散水する給水手段と、廃棄物層に酸化剤を散布する酸化剤供給手段と、廃棄物層の底部に空気を供給する給気手段と、廃棄物層から浸出した水を当該廃棄物層に散水する水循環手段と、廃棄物層の含水率を所定範囲内に保つため前記給水手段からの散水量を調整する制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、浸出水処理施設を必要とせず、廃棄物の分解及び安定化が完了するまでの維持管理期間を短縮することができる廃棄物処分技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る廃棄物処分方法における水洗工程を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る廃棄物処分方法における第1処理工程を説明するための概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る廃棄物処分方法における第2処理工程を説明するための概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係る廃棄物処分方法における後水洗工程を説明するための概略図である。
【図5】安定化された廃棄物の利用形態を説明するための概略図である。
【図6】安定化された廃棄物の利用形態を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、廃棄物を水で洗浄する水洗工程と、水洗工程の後、洗浄された廃棄物が埋め立てられて形成された廃棄物層に当該廃棄物層の含水率が5〜40質量%となるように水を供給しながら当該廃棄物層に0.5〜50L/(廃棄物1m3・分)の割合で空気を供給する第1処理工程と、第1処理工程の後、当該廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程と、を有する廃棄物処分方法に関する。
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張している個所があるので、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
【0024】
図1〜6に示すように、最終処分場10は、被覆型埋立地20に、給水設備30、送気設備40、酸化剤供給設備50及び集水設備60などを備えた構成となっている。
【0025】
[水洗工程]
本実施形態の廃棄物処分方法においては、初めに、廃棄物を水で洗浄する水洗工程を行う。図1は当該水洗工程を説明するための概略図である。図1に示すように、水洗工程においては、被覆型埋立地20に集積された廃棄物22に給水設備30を用いて散水することにより、廃棄物22を洗浄する。
【0026】
本実施形態における廃棄物22は、特に制限はないが、一般廃棄物、産業廃棄物あるいはこれらの焼却物などを含んでいる。また、水洗工程(A)で使用される水は、後工程及び自然環境に悪影響を与えない水であれば特に制限はなく、水道水、河川水、湖沼水あるいは貯留した雨水などを使用することができる。
【0027】
水洗工程において使用される水量も特に制限はないが、例えば、廃棄物1m3に対して、1〜3m3程度の割合の水量で洗浄することが好ましい。
【0028】
洗浄工程において、微生物の生育阻害となり得る成分(例えば、塩分)が水に溶解して洗い流され、廃棄物22中から除去される。なお、水洗工程においては廃棄物22中の塩分濃度が5000mg/kg以下となるまで洗浄を行うことが好ましい。なお、本実施形態において、廃棄物22中の塩分濃度は、JIS規格(例えば、JIS K0102など)に基づいて測定された値を採用する。
【0029】
また、洗浄工程において、酸性若しくはアルカリ性に偏った廃棄物22中のpHを、微生物の生育に適した中性付近(好ましくはpH5.0〜9.0)に調整することができる。この場合、本実施形態における廃棄物22中のpHはJIS規格(例えば、JIS K0102など)に基づいて測定される値を採用する。
【0030】
廃棄物22の洗浄のために使用された水は、図1に示す集水ライン62を通じて集水ピット64に集められる。集水ピット64中の水は集水ポンプ66で汲み上げられ、タンクローリー車82などによって所定の水処理設備(図示せず)へ搬送されて処理される。
【0031】
[第1処理工程]
前述した水洗工程が終わると、洗浄された廃棄物が埋め立てられて形成された廃棄物層に当該廃棄物層の含水率が5〜40質量%となるように水を供給するとともに、当該廃棄物層に0.5〜50[L/(廃棄物1m3・分)]の割合で空気を供給する第1処理工程が行われる。
【0032】
図2は、第1処理工程を説明するための概略図である。図2によると、被覆型埋立地20に廃棄物22(図1参照)が埋め立てられ、廃棄物層24が形成されている。そして、給水設備30により、廃棄物層24の上方から当該廃棄物層24に向かって散水が行われる。散水によって廃棄物層24表面に供給された水は廃棄物層24を透過し、底部の集水ライン62を通じて、集水ピット64に集められる。集水ピット64に集められた水は、集水ポンプ66によって汲み上げられ、廃棄物層24に散水する水として循環使用される。
【0033】
一方、廃棄物層24の底部から当該廃棄物層24の上方に向かって、送気設備40(圧力送風機44及び送気ライン42)により空気が供給される。空気は廃棄物層24の底部から上部へと流れ、廃棄物層24中の廃棄物全体に空気が行き渡る。
【0034】
第1処理工程において使用される水は特に制限はないので、後工程及び自然環境に悪影響を与える水でなければ、水道水、河川水、湖沼水あるいは貯留した雨水などを使用することができる。散水による水の供給は、廃棄物層24の含水率が5〜40質量%となるように調節しながら行われる。
【0035】
このように廃棄物層24の含水率を5〜40質量%とすることにより、廃棄物層24からの浸出水が発生しない状態を保持しながら、若しくは廃棄物層24からの浸出水を集水設備60(集水ライン62、集水ピット64及び集水ポンプ66)によって廃棄物層24に散水しながら、微生物の生育に必要な水分を確保することができる。なお、廃棄物層24の含水率が40質量%を越えると、浸出水が増大してしまう虞があるため、好ましくない。なお、本実施形態における廃棄物層の含水率は、水分計あるいはJIS規格(例えば、JIS K0102など)の方法により測定された値を採用する。
【0036】
また、第1処理工程においては、廃棄物層24に0.5〜50[L/(廃棄物1m3・分)]の割合で空気を供給する。当該送気量は、好ましくは0.5〜50[L/(m3・分)]であり、より好ましくは5.0〜50[L/(m3・分)]である。これにより、廃棄物層24を、微生物による有機物の分解に好適な好気的環境に保つことができる。
【0037】
前述したように、第1処理工程において、水分供給量と送気量とのバランスをとることにより、廃棄物層24からの浸出水を発生させることなく、廃棄物に含まれる易分解性有機物を分解することができる。なお、第1処理工程は、廃棄物層24中のBOD(生物化学的酸素要求量)が20mg/L以下となるまで行われる。なお、本実施形態におけるBODはJIS規格(例えば、JIS K0102など)の方法により測定された値を採用する。
【0038】
[第2処理工程]
前述した第1処理工程が終わると、廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程を行う。図3に示すように、酸化剤タンク54、酸化剤供給ポンプ56及び酸化剤供給ライン52を備えた酸化剤供給設備50により、廃棄物層24の上部から当該廃棄物層24に向かって酸化剤が散布される。また、廃棄物層24の底部から当該廃棄物層24の上方に向かって、送気設備40(圧力送風機44及び送気ライン42)により空気が供給される。廃棄物層24を透過した酸化剤は、底部の集水ライン62を通じて集水ピット64に集められ、集水ポンプ66で汲み上げられ、循環使用される。
【0039】
第2処理工程において使用される酸化剤は、特に制限はないが、例えば、オゾン水、過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは過マンガン酸カリウム水溶液などを使用することができる。これらの酸化剤は1種のみ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、酸化剤の効果を持続させるため、リン酸、クエン酸、アミノ酸などを助剤として用いることもできる。
【0040】
酸化剤の濃度は特に制限はないが、酸化剤として、例えば、過酸化水素水を使用した場合、その濃度は0.1〜3.0%(w/v%)であることが望ましい。また、使用される酸化剤の分量についても特に制限はないが、酸化剤投入前に、ビーカー試験などにより酸化剤消費量を事前に確認して定めることが好ましい。
【0041】
第2処理工程においては、前述した第1処理工程における微生物による分解では分解されなかった難分解性有機物を分解し、また、アンモニア性窒素を硝化することができる。なお、第2処理工程はCOD(化学的酸素要求量)が20mg/L以下となるまで行われる。なお、本実施形態におけるCODはJIS規格(例えば、JIS K0102など)の方法により測定された値を採用する。
【0042】
なお、廃棄物層24中の廃棄物が金属イオンを含んでいる場合は、必要に応じて、廃棄物層24にキレート剤を添加してもよい。キレート剤としては、特に制限はないが、有機系あるいは無機系のキレート剤を好適に使用することができる。
【0043】
[後水洗工程]
前述した第2処理工程が終わったら、廃棄物層24中の分解残渣を洗い流すために、必要に応じて、廃棄物を水で洗浄する後水洗工程を行うことができる。図4に示すように、後水洗工程においては、廃棄物層24の上方から当該廃棄物層24に向かって給水設備30を用いて散水することにより、廃棄物層24中の廃棄物を洗浄する。
【0044】
後水洗工程において使用する水は特に制限はないので、この後の排水処理や自然環境に悪影響を与えない水であれば、水道水、河川水、湖沼水あるいは貯留した雨水などを使用することができる。
【0045】
廃棄物の洗浄のために使用された水は、図4に示すように、廃棄物層24を透過し、集水ライン62を通じて集水ピット64に集められる。集水された水は、集水ポンプ66によって汲み上げられ、タンクローリー車82などによって所定の水処理設備へ搬送され処理される。
【0046】
以上の工程によって、廃棄物の分解及び安定化が完了する。本実施形態の廃棄物処分方法によると、以下の効果が得られる。即ち、水洗工程において、微生物の生育の阻害要因となる成分を水洗浄で予め除去することにより、第1処理工程での微生物分解が効率的に行われ、第2処理工程において給水量及び送気量を調整することにより、浸出水を発生させずに(若しくは浸出水を循環使用しながら)微生物分解に好適な好気的環境を形成することができ、第2処理工程で酸化剤及び空気を供給することにより、難分解性有機物を短期間で分解し、また、アンモニア性窒素を硝化することができる。
【0047】
このように、本実施形態の廃棄物処分方法によれば、水処理施設を必要とせず、また、廃棄物を短期間(約2年程度)で分解及び安定化することが可能となるため、処分期間を短縮することができる。よって、最終処分場のライフサイクルコストを従来の約半分(約15000円/m3)と大幅に低減することができる。
【0048】
また、廃棄物22(図1参照)が一般廃棄物あるいは産業廃棄物の焼却灰である場合、図5に示すように、本実施形態の廃棄物処分方法によって分解及び安定化が完了した廃棄物26を運搬車両84などで搬出して、セメント原料としてリサイクルすることができる。
【0049】
一方、図6に示すように、分解及び安定化が完了した廃棄物26の表面に最終覆土などを施し、被覆施設を取り除けば、跡地利用すること(例えば、緑地化すること)もできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の廃棄物処理方法は、一般廃棄物や産業廃棄物などの各種廃棄物の処理産業の分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 最終処分場
20 被覆型埋立地
22,26 廃棄物
24 廃棄物層
30 給水設備
32 給水ライン
34 給水タンク
36 給水ポンプ
40 送気設備
42 送気ライン
44 圧力送風機
50 酸化剤供給設備
52 酸化剤供給ライン
54 酸化剤タンク
56 酸化剤供給ポンプ
60 集水設備
62 集水ライン
64 集水ピット
66 集水ポンプ
82 タンクローリー車
84 運搬車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を水で洗浄する水洗工程と、前記水洗工程を終えて積層された廃棄物層に水及び空気を供給する第1処理工程と、前記第1処理工程を終えた廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程と、を備え、
前記第1処理工程における廃棄物層に対する水の供給量を当該廃棄物層から浸出水が生じない状態を保持するように制御しながら給水することを特徴とする廃棄物処分方法。
【請求項2】
廃棄物を水で洗浄する水洗工程と、前記水洗工程を終えて積層された廃棄物層に水及び空気を供給する第1処理工程と、前記第1処理工程を終えた廃棄物層に酸化剤及び空気を供給する第2処理工程と、を備え、
前記第1処理工程において、廃棄物層から浸出する水を、当該廃棄物層に供給する水の少なくとも一部として循環使用することを特徴とする廃棄物処分方法。
【請求項3】
前記第1処理工程において、廃棄物層の含水率が5質量%〜40質量%を保持するように水を供給し、廃棄物層に0.5〜50L/(廃棄物1m3・分)の割合で空気を供給する請求項1または2記載の廃棄物処分方法。
【請求項4】
前記第2処理工程が終了した後に、廃棄物層を水で洗浄する後水洗工程を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物処分方法。
【請求項5】
前記第1処理工程において、廃棄物層の上方から当該廃棄物層に対する散水による給水と、廃棄物層の底部から当該廃棄物層の上方に向かう通気による空気の供給と、を行う請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物処分方法。
【請求項6】
前記第2処理工程において、前記廃棄物層の上方から当該廃棄物層に対する散布による酸化剤の供給と、廃棄物層の底部から当該廃棄物層の上方に向かう通気による空気の供給と、を行う請求項1〜5のいずれかに記載の廃棄物処分方法。
【請求項7】
廃棄物を集積可能な被覆型埋立地に、集積された廃棄物層に散水する給水手段と、廃棄物層に酸化剤を散布する酸化剤供給手段と、廃棄物層の底部に空気を供給する給気手段と、廃棄物層から浸出した水を当該廃棄物層に散水する水循環手段と、廃棄物層の含水率を所定範囲内に保つため前記給水手段からの散水量を調整する制御手段と、を設けたことを特徴とする廃棄物処分設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−94724(P2013−94724A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239294(P2011−239294)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(598015084)学校法人福岡大学 (114)
【Fターム(参考)】