説明

廃棄物処理方法

【課題】
本発明の目的は、剪定枝、枯草の廃棄物の熱効率の改善を図った廃棄物処理方法を提供するものである。
【解決手段】
廃棄物処理方法は、剪定枝、枯草の廃棄物を粉砕し、粉砕した前記廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm〜約15mmの大きさの前記廃棄物を燃焼室に供給して浮遊燃焼させて、該浮遊燃焼による燃焼熱をボイラ内の水と熱交換させて、前記廃棄物を処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理方法に係り、特に、剪定枝の廃棄物の熱効率の改善を図った廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、剪定枝は粉化し、粉化後乾燥し、乾燥後ペレット状に成形して、バイオマス燃料としていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−24393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した剪定枝の処理にあっては、剪定枝すべてをバイオマス燃料としているため、剪定枝の内、熱量の低い葉も含まれており、バイオマス燃料として、熱効率の点で良好でないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたもので、剪定枝の内、熱量の小さい葉を除いて剪定枝の廃棄物を処理する廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の廃棄物処理方法は、剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、粉砕した前記廃棄物から、葉又は草を取り除き、前記葉又は草を取り除いた前記廃棄物を燃焼装置の燃料として処理するものである。
【0007】
また、請求項2記載の廃棄物処理方法は、剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、粉砕した前記廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm〜約15mmの大きさの前記廃棄物を燃焼室に供給して浮遊燃焼させて、該浮遊燃焼による燃焼熱をボイラ内の水と熱交換させて、前記廃棄物を処理するものである。
【0008】
また、請求項3記載の廃棄物処理方法は、請求項1又は請求項2記載の廃棄物処理方法において、粉砕した廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm未満の大きさの前記廃棄物を堆肥の原料として、前記廃棄物を処理するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の廃棄物処理方法によれば、剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、粉砕した前記廃棄物から、葉又は草を取り除き、前記葉又は草を取り除いた前記廃棄物を燃焼装置の燃料として処理するため、つまり、剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物の内、熱量の小さい剪定枝の葉、草を排除し、熱量の大きい剪定枝の木質系を抽出し、燃焼装置の燃料として効率良く処理することができる。
【0010】
また、請求項2記載の廃棄物処理方法によれば、剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、粉砕した前記廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm〜約15mmの大きさの廃棄物を燃焼室に供給して浮遊燃焼させて、該浮遊燃焼による燃焼熱をボイラ内の水と熱交換させて、前記廃棄物を処理するため、つまり、剪定枝、刈草の廃棄物の内、熱量の小さい剪定枝の葉、刈草を排除し、熱量の大きい剪定枝の木質系を抽出し、浮遊燃焼に適した約7mm〜約15mmの大きさの廃棄物を燃焼室に供給して浮遊燃焼させて、ボイラ内の水と効率良く熱交換させて、廃棄物を処理することができる。
【0011】
また、請求項3記載の廃棄物処理方法によれば、上述した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、粉砕した廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm未満の大きさの前記廃棄物を堆肥の原料として、堆肥化が促進され、廃棄物を迅速に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施例の廃棄物処理方法の概略的工程図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例の廃棄物処理方法に使用される燃焼装置の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施例の廃棄物処理方法を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例の廃棄物処理方法の概略的工程図で、燃焼装置10(図2参照)に供給される燃料を生成する過程を示したものである。
剪定枝と刈草の廃棄物は、図示しない粉砕機(例えば、タブグラインダ)で粉砕される。粉砕は、例えば、約2インチの大きさに粉砕(一次粉砕工程1 図1参照)し、粉砕後、更に、約1インチの大きさに粉砕(二次粉砕工程2 図1参照)される。
【0014】
本実施例の廃棄物処理方法は、粉砕した前記廃棄物から、葉又は草を取り除き、前記葉又は草を取り除いた前記廃棄物を燃焼装置10の燃料として処理するものである。
粉砕した前記廃棄物から、葉又は草を取り除く手段として、例えば、図示しない篩分機を使用する。
粉砕した前記廃棄物は、図示しない篩分機で、前記廃棄物を「約7mm未満の大きさのもの」、「約7mm〜約15mm(より望ましくは、約7mm〜約10mm)の大きさのもの」、「約15mm(より望ましくは、約10mm)を超える大きさのもの」と3つに篩分する(篩分工程3 図1参照)。
「約7mm未満の大きさのもの」は、堆肥の原料(堆肥原料工程4 図1参照)として使用され、また、「約7mm〜約15mm(より望ましくは、約7mm〜約10mm)の大きさのもの」は、剪定枝と刈草の廃棄物の内、熱量の小さい剪定枝の葉、刈草を排除するようにしたもので、熱量の大きい剪定枝の木質系のものとなっている(燃料生成工程5 図1参照)。
なお、「約15mm(より望ましくは、約10mm)を超える大きさのもの」は、約15mm(より望ましくは、約10mm)の大きさに粉砕(三次粉砕工程6 図1参照)され、粉砕後、再度、篩分工程3へと送られる。
【0015】
燃料生成工程5で得られた約7mm〜約15mm(より望ましくは、約7mm〜約10mm)の大きさの粉砕した剪定枝と刈草の廃棄物は、図2に示す燃料供給通路11を介して燃焼室12に供給される。燃焼室12内には、上部にボイラ内の水を温める熱交換器13、燃焼室12内に空気を供給する空気供給通路14、下部に燃焼室12内で生じた焼却灰を排出する焼却灰排出通路15が設けられている。
燃焼室12内に供給された約7mm〜約15mm(より望ましくは、約7mm〜約10mm)の大きさの粉砕した剪定枝と刈草の廃棄物は、燃焼室12内で浮遊燃焼し、該浮遊燃焼による燃焼熱をボイラ内の水と熱交換器13を介して熱交換させて、廃棄物を効率良く処理することができる。
なお、約7mm未満の大きさの粉砕した剪定枝、刈草の廃棄物は、堆肥の原料として、大きさが小さい分、堆肥化が促進され、廃棄物を迅速に処理することができる。
また、上述した燃焼装置10は、例えば、燃料(葉又は草を取り除いた廃棄物)消費量は、約30Kg/H〜約150Kg/H、燃焼温度は約600℃〜約1000℃、発生熱量は約81,000kcal/H〜約410,000kcal/Hのものである。
【0016】
なお、上述した実施例においては、廃棄物を剪定枝と刈草の混合体として説明したが、本願発明にあっては、これに限らず、廃棄物を剪定枝として良い。
【符号の説明】
【0017】
10 燃焼装置
11 燃料供給通路
12 燃焼室
13 熱交換器
14 空気供給通路
15 焼却灰排出通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、
粉砕した前記廃棄物から、葉又は草を取り除き、
前記葉又は草を取り除いた前記廃棄物を燃焼装置の燃料として処理する
ことを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項2】
剪定枝と刈草又は剪定枝の廃棄物を粉砕し、
粉砕した前記廃棄物を篩分し、
該篩分で得られた約7mm〜約15mmの大きさの前記廃棄物を燃焼室に供給して浮遊燃焼させて、該浮遊燃焼による燃焼熱をボイラ内の水と熱交換させて、前記廃棄物を処理する
ことを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項3】
粉砕した廃棄物を篩分し、該篩分で得られた約7mm未満の大きさの前記廃棄物を堆肥の原料として、前記廃棄物を処理する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の廃棄物処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−111568(P2013−111568A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263225(P2011−263225)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(596134079)南榛原開発株式会社 (3)
【Fターム(参考)】