説明

廃棄物分離機における閉塞防止装置

【目的】 空気輸送による廃棄物の分離機下部における閉塞を防止する。
【構成】 分離機1と集塵機3を接続する管路5にバイパス回路6を設け、バイパス回路をごみ排出装置2のコンパクタ部21に接続し、定期的にバイパス回路を開けることにより分離機内に下降流をつくり、ごみを強制的にコンパクタ部へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物の空気輸送処理システムにおいて、分離機の下部における廃棄物の閉塞を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空気輸送管による廃棄物の集中処理システムは一部の地域、施設において実用になっており、管路を輸送されてくるごみは、図2に示すように収集センターの分離機1まで運ばれ、該分離機1でごみと空気に分離され、ごみ10はさらに分離機1の下部に連接されたごみ排出装置2で圧縮されたのち、コンテナ輸送されるようになっている。分離機1で分離されない微細なダスト10aは集塵機3で分離され、分離機1に回収される。そして集塵機3でダスト10aを分離された空気は最終的に脱臭されたのち大気へ放出されるようになっている。なお、管路の空気流はブロワ4によりつくられ、この空気流にごみをのせて輸送する。
【0003】上記の分離機1は一般にサイクロンにより構成されており、その下部の排出管11内にはごみの貯留量の下限及び上限を検出するためのレベル計LL とLH が取り付けられている。また、この排出管11を介して分離機1の下部に連通せしめられたごみ排出装置2は油圧シリンダからなるコンパクタ部21と、その前方に連接されるコンテナ部22とから構成されている。そして、ごみの輸送中において、ローレベル計LL がONすると、コンパクタ部21を連続的に前後運転し、ごみを圧縮してコンテナ部22へ送り込む。一方、ハイレベル計LH がONになればごみの輸送を中止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような従来の構造ではごみの輸送量が多くなると、ローレベル計LL のONでコンパクタ部21が前進中にハイレベル計LH がONになることがあってごみの輸送が中断する。このため分離機10の下部でごみが絡まったりして閉塞することがあった。このようになるとごみの分離ができないので、分離機10を分解して清掃しない限り再運転ができなくなる。また、ハイレベル計LH を設けていないものにあっては、分離機1内にごみが次第に貯留するので、その一部が閉塞を引き起こし同様の事態となる。
【0005】本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ごみによる分離機下部の閉塞を防止するようにした閉塞防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明に係る閉塞防止装置は、分離機と集塵機を接続する管路にバイパス回路を設けてコンパクタ部に接続し、該バイパス回路を定期的に開けて分離機内に下降流をつくるようにしたものである。
【0007】
【作用】バイパス回路を定期的に開けることにより分離機内に下降流が生じるので、分離機下部における閉塞を防止できる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す概略構成図であり、図において、5は分離機1とその下流の集塵機3を接続する管路、6はこの管路5とコンパクタ部21を接続するバイパス回路で、開閉弁7を備えている。8は管路5に設けた主開閉弁である。その他の構成は図2の従来例と同じであるので同一符号で示す。
【0009】このバイパス回路6は補助的に使用するものであり、通常は管路5を開けバイパス回路6を閉じた状態でごみを輸送し処理する。そして定期的にバイパス回路6を開け、このとき管路5は閉じる。すると、分離機1内に下降流aが発生するので、この下降流aによって分離機1内のごみ10を強制的にコンパクタ部21へ排出させるため分離機1の下部の閉塞を防止することができる。バイパス回路6による閉塞防止操作はごみ輸送の時間帯以外の時に行えばよい。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、バイパス回路を通じて定期的に分離機内に下降流をつくり、ごみを強制的にコンパクタ部へ排出するようにしたので、分離機の下部における閉塞を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】従来例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 分離機
2 ごみ排出装置
3 集塵機
4 ブロワ
5 管路
6 バイパス回路
7 開閉弁
8 主開閉弁
11 排出管
21 コンパクタ部
22 コンテナ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物の分離機と該分離機の下流に設けられた集塵機を接続する管路に開閉弁を持つバイパス回路を設け、該バイパス回路を前記分離機の下部に連接されたごみ排出装置のコンパクタ部に接続したことを特徴とする廃棄物分離機における閉塞防止装置。

【図1】
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【図2】
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