説明

廃棄物管理支援装置および廃棄物管理支援プログラム

【課題】廃棄物の収集から中間処理、最終処理に至るまでの業者について、排出事業者が容易に把握することができることで、廃棄物の処理に関する全体の把握を容易に行うことができる廃棄物管理支援装置および廃棄物管理支援プログラムを提供する。
【解決手段】廃棄物管理支援サイトを提供するサーバは、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、業者情報が示す業者名を、廃棄物の収集から最終処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置からの要求に応じてインターネットを通じて送信する。排出事業者は、管理ページを参照することで、排出事業者が委託している業者を容易に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物の収集から最終処理までの管理を容易に行うことができる廃棄物管理支援装置および廃棄物管理支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
事業者から排出される廃棄物でも、燃え殻、汚泥、金属屑、瓦礫類などの産業廃棄物は、これらを排出する排出事業者に処理責任がある。産業廃棄物の処理にあたっては、マニフェストと称される産業廃棄物管理票により管理することが義務付けられている。このような状況下にあって、産業廃棄物の管理技術に関する提案が、例えば、特許文献1〜3によりなされている。
【0003】
特許文献1には、マニフェスト伝票と同位置に配置したデータベース画面を構築し、画像データ、経理データを同一のデータベースに関連付けたことにより、入力ミスの原因を排除し、廃棄物の特定を明確にでき、会計アプリケーションなどの他のアプリケーションを立ち上げないため、業務の時間短縮に効果がある産業廃棄物処理、処分にかかる管理票システムを応用した管理プログラムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、廃棄物種類の中間処理後に変化した質量及び容量を、同じ中間処理後の廃棄物種類毎に受託した産業廃棄物マニフェストデータの管理番号と、廃棄物種類の質量及び容量を蓄積記憶する振分データと、指定された廃棄物種類毎に振分データに記憶されている受託した産業廃棄物マニフェストデータの管理番号と、廃棄物種類の質量及び容量を質量及び容量の合計値と共に表示装置に表示させるようにした産業廃棄物マニフェストデータ管理装置および方法が記載されている。
【0005】
更に、特許文献3には、廃棄物搬出、搬送、処理場への到着等の日時と処理場までの搬送経路の位置情報とを記録する廃棄物搬送処理監視装置を、処理終了時に、中間処理業者若しくは最終処理業者から所要のマニュフェスト伝票と共に廃棄物排出者、中間処理業者または管理を委任した者に返送させることで、合法的に廃棄物が処理されたことを監視し得るようにした廃棄物搬送処理監視装置および方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−42471号公報
【特許文献2】特開2003−12108号公報
【特許文献3】特開2003−44576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
産業廃棄物を処理しようとする排出事業者には、その産業廃棄物の処理に関して責任があるため、廃棄物の収集から最終処理までの間に委託しているいくつもの業者を把握する必要がある。また、事業系一般廃棄物や専ら物では、産業廃棄物のように産業廃棄物管理票による管理をする必要はないが、事業規模によっては毎年の事業系ごみについて減量報告書を提出する必要があり、やはり、廃棄物の収集から最終処理までの間に委託しているいくつもの業者を把握する必要がある。更に排出事業者は、排出している廃棄物の種類や数量の把握も必要である。例えば、産業廃棄物であれば「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」、事業系一般廃棄物であれば「事業系一般廃棄物減量計画書」で廃棄物ごとの種類や数量を年次で報告する必要がある。しかし、いくつもの種類の廃棄物について、収集から最終処理までの間にいくつもの業者に委託しているので、排出事業者が全体を把握するのが難しい面がある。
【0008】
それは、排出事業者がこれらの委託している業者に廃棄物の処分を任せっきりにしているため、どのように廃棄物が処分されているか知らなかったり、廃棄物の種別によって異なる業者が担当していたり、収集業者や最終処理業者が変更となったり、また、排出事業者の担当者が変わってしまったりすることがあるからである。
【0009】
そこで本発明は、廃棄物の収集から中間処理、最終処理に至るまでの業者について、排出事業者が容易に把握することができることで、廃棄物の処理に関する全体の把握を容易に行うことができる廃棄物管理支援装置および廃棄物管理支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の廃棄物管理支援装置は、排出事業者が排出する廃棄物が、収集され、処理されるまでの間に介在する業者に関する業者情報、該排出事業者に関する排出事業者情報、廃棄物の種別に関する廃棄物情報がそれぞれ関連付けられ、管理情報として格納された記憶手段と、前記記憶手段から管理情報を読み取り、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、業者情報が示す業者名を、廃棄物の収集から処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置からの要求に応じて電気通信回線を通じて送信する管理ページ制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の廃棄物管理支援装置では、管理ページ制御手段が、廃棄物の種別ごとに、業者名を、廃棄物の収集から処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置へ要求に応じて電気通信回線を通じて送信するので、排出事業者は管理ページを参照することで、排出事業者は廃棄物の収集から中間処理、最終処理に至るまでの業者について廃棄物の種別ごとに容易に把握することができる。
【0012】
前記管理ページ制御手段は、該業者の評価が基準を満たしていることを示す識別標識を表示した管理ページを生成するのが望ましい。管理ページ制御手段により管理ページに、業者名と共に、許可番号と、該業者の評価が基準を満たしていることを示す識別標識とが表示されていることで、排出事業者は委託している業者が一定の評価を得ていることを、すぐに把握することができるので、安心して業者に委託することができる。
【0013】
前記管理ページ制御手段は、廃棄物が収集され、最終処理されるまでの間に介在する業者の許可証、再生事業者登録証、または廃棄物の排出事業者との契約書の少なくとも一つのイメージデータとのリンクが設けられた管理ページを生成するのが望ましい。業者の許可証、再生事業者登録証、または契約書のイメージデータの少なくとも一つが参照できることで、排出事業者は業者の信頼性をイメージデータで確認することができる。
【0014】
前記管理ページ制御手段は、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、排出された廃棄物の総重量を表示した管理ページを生成するのが望ましい。管理ページに排出された廃棄物の総重量を、廃棄物の種別ごとに表示されていることで、廃物の排出量の目安として容易に把握することができる。
【0015】
この本発明の廃棄物管理支援装置は、コンピュータを、排出事業者が排出する廃棄物が、収集され、最終処理されるまでの間に介在する業者に関する業者情報と、該排出事業者に関する排出事業者情報と、および廃棄物の種別に関する廃棄物情報とがそれぞれ関連付けられ、管理情報として格納された記憶手段、前記記憶手段から管理情報を読み取り、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、業者情報が示す業者名を、廃棄物の収集から最終処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置へ要求に応じて電気通信回線を通じて送信する管理ページ制御手段として機能させることにより実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、排出事業者が管理ページを参照することで、廃棄物の収集から中間処理、最終処理に至るまでの業者について廃棄物の種別ごとに容易に把握することができる。よって、本発明は、廃棄物の処理に関する全体の把握を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃棄物管理支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す廃棄物管理支援システムのサーバの構成を示す図である。
【図3】図1に示す廃棄物管理支援システムの端末装置の構成を示す図である。
【図4】端末装置の表示手段に表示される認証ページの一例を示す図である。
【図5】端末装置の表示手段に表示されるトップページの一例を示す図である。
【図6】端末装置の表示手段に表示される管理ページの一例を示す図である。
【図7】端末装置の表示手段に表示される入力基本ページの一例を示す図である。
【図8】端末装置の表示手段に表示される排出量入力ページの一例を示す図である。
【図9】端末装置の表示手段に表示される処理情報入力ページの一例を示す図である。
【図10】端末装置の表示手段に表示される検索トップページの一例を示す図である
【図11】端末装置の表示手段に表示される検索詳細ページの一例を示す図である
【図12】端末装置の表示手段に表示される分析ページの一例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る廃棄物管理支援システムについて、図面に基づいて説明する。廃棄物管理支援システムは、マニフェストと称される産業廃棄物管理票に基づいて処理される産業廃棄物だけでなく、専ら物、事業系一般廃棄物などを、廃棄物管理支援サイトにより管理することができるものである。
【0019】
廃棄物管理支援システムは、図1に示すように、廃棄物を排出する排出事業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータを排出事業者端末C1と称す。)と、管理窓口業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータを管理業者端末C2と称す。)と、収集業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータを収集業者端末C3と称す。)と、中間処理業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータを中間業者端末C4と称す。)と、最終処理業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータを最終業者端末C5と称す。)と、廃棄物管理支援サイトを運営する管理運営業者に設置されたコンピュータ(以下、このコンピュータをサーバSと称す。)とが、電気通信回線の一例であるインターネットNに接続されている。
【0020】
なお、以下の説明においては、排出事業者端末C1と、管理業者端末C2、収集業者端末C3と、中間業者端末C4と、最終業者端末C5とを、単に端末装置Cと称する。
なお、本実施の形態に係る廃棄物管理支援システムにおいては、処理した廃棄物に関する情報の入力は、管理窓口業者、収集業者、または中間処理業者のいずれかが他の実務業者(収集業者,中間処理業者,最終処分業者)に代わって行なっており、廃棄物管理支援サイトにログインするためのIDは、排出事業者と、管理窓口業者と、他の実務業者に代わって入力を代行する収集業者または中間処理業者のいずれかに、管理運営業者から発行される。従って、廃棄物に関する情報の入力を行わない収集業者または中間処理業者、および最終処分は廃棄物管理支援サイトの閲覧ができないので、その場合、端末装置C(収集業者端末C3と中間業者端末C4とのいずれか、または両方と、最終処分業者C5)は省略することができる。
しかし、廃棄物管理支援サイトを通じて実務業者向けのお知らせや通知などを報知するために、管理運営業者はIDの発行を実務業者全部に割り当てることも可能である。その場合には、全部の端末装置Cを設置してもよい。
【0021】
端末装置Cは、デスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータとすることができる。サーバSは、自立型やラックにマウントされるブレード型、性能が満足すればパーソナルコンピュータとすることもできる。
【0022】
次に、サーバSの構成について、図2に基づいて説明する。サーバSは、廃棄物管理支援プログラムを動作させることで、廃棄物管理装置として機能させ、端末装置Cからのアクセス要求に応じて廃棄物管理支援サイトを端末装置Cに提供することができるものである。
サーバSは、主要な構成として、通信手段11と、認証手段12と、トップページ制御手段13と、管理ページ制御手段14と、排出量入力ページ制御手段15と、検索ページ制御手段16と、分析ページ制御手段17と、記憶手段18とを備えている。なお、サーバSは、通常、入力手段や表示手段を必要としないが、メンテナンスの際には必要となることもあるため、図1に示すように入力手段および表示手段を接続しておいてもよい。
【0023】
通信手段11は、インターネットNを介して端末装置Cと通信を行うためのもので、LANとすることができる。
認証手段12は、廃棄物管理支援サイトへログインするために、端末装置Cから送信されたID情報とパスワード情報とに基づいて認証を行う機能を備えている。トップページ制御手段13は、廃棄物管理支援サイトのトップページを生成して端末装置Cへ送信する機能を備えている。
管理ページ制御手段14は、管理ページを生成して端末装置Cへ送信する機能を備えている。排出量入力ページ制御手段15は、産業廃棄物管理票に記載する各項目の情報や、事業系一般廃棄物や専ら物に関する情報を入力するためのページを生成して端末装置Cへ送信し、入力された情報をマニフェスト情報または一廃物情報などの廃棄物処理情報として記憶手段18に格納する機能を備えている。
【0024】
検索ページ制御手段16は、記憶手段18に格納されたマニフェスト情報を検索するためのページを生成して端末装置Cへ送信し、検索された結果を端末装置Cへ通知する機能を備えている。分析ページ制御手段17は、排出量などを廃棄物の種別ごとに集計して分析ページとして生成して端末装置Cへ送信する機能を備えている。
【0025】
記憶手段18には、サーバSが提供する廃棄物管理支援サイトへのログインの認証を得るための認証情報と、各ページの表示画面のデータであるページ情報とが格納されている。また、記憶手段18には、排出事業者に関する情報である排出事業者情報と、管理窓口を行う業者(管理窓口業者)に関する情報である管理窓口業者情報、排出事業者からの廃棄物を収集する業者(収集業者)に関する情報である収集業者情報、収集された廃棄物の中間処理を行う業者(中間処理業者)に関する情報である中間業者情報、廃棄物の最終処理を行う業者(最終処理業者)に関する情報である最終処理業者情報などの業者情報と、廃棄物の種別に関する廃棄物情報とが、それぞれ関連付けられ、管理情報として格納されている。
【0026】
業者情報は、業者の名称、所在地、電話番号、担当者のメールアドレス、産業廃棄物処理業の許可証の許可番号、再生事業者登録証(以下、単に登録証と称す。)等の登録番号、管理窓口業者・収集業者・中間処理業者・最終処理業者を特定する識別情報などである。また、業者情報として、許可証のイメージデータ、登録証のイメージデータ、排出事業者とそれぞれの業者との契約書のイメージデータが書類情報として含まれている。
【0027】
廃棄物情報は、廃棄物の分類を特定する識別情報と、これらの分類に属する種類を特定する識別情報などである。廃棄物の分類は、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物・専ら物・事業系一般廃棄物である。廃棄物の種類は、例えば、産業廃棄物であれば廃プラスチック類、特別管理産業廃棄物であれば引火性廃油、専ら物であれば段ボール、事業系一般廃棄物であれば塵芥ごみなどである。
【0028】
更に、記憶手段18には、管理窓口業者、収集業者、中間処理業者のいずれかの業者が入力した産業廃棄物管理票(マニフェスト)の各記載項目の情報を示すマニフェスト情報や、事業系一般廃棄物や専ら物の種類、排出量などの情報を示す一廃物情報が、廃棄物処理情報として格納される。
【0029】
次に、端末装置Cの構成について図3に基づいて説明する。端末装置Cは、主要な構成として、通信手段21と、閲覧制御手段22と、入力手段23と、表示手段24とを備えている。
通信手段21は、サーバSの通信手段11と同様に、インターネットNと通信するためのLANとすることができる。閲覧制御手段22は、コンピュータ上で動作する閲覧ソフトとすることができる。閲覧ソフトは、例えば、マイクロソフト社製のインターネットエクスプローラーや、グーグル社製のクローム、モジラ財団製のモジラファイヤフォックスなどが使用できる。
入力手段23としては、キーボードやマウスなどが使用できる。また、入力手段23をタブレットとしたり、ジョイスティックとしたりすることも可能である。表示手段24は、CRTディスプレイやLCDディスプレイ、有機ELディスプレイとすることができる。
【0030】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る廃棄物管理支援システムの動作および使用状態について、図面に基づいて説明する。
排出事業者の担当者(以下、単に排出事業者と称す。)が排出事業者端末C1を操作して、閲覧制御手段22として機能する閲覧ソフト(ブラウザ)を起動し、サーバSが提供する廃棄物管理支援サイトのURLをアクセスする。サーバSでは、排出事業者端末C1からのアクセス要求に応じて認証手段12が認証ページを送信する。
【0031】
図4に示す認証ページP1には、IDを入力するID入力欄R11と、パスワードを入力するパスワード入力欄R12とが設けられている。
排出事業者は、表示手段24に表示された認証ページP1に入力手段23を操作して、IDとパスワードとを入力して「ログイン」ボタンB11を押下する。この押下により排出事業者端末C1からID情報とパスワード情報とが認証情報としてサーバSへ送信される。
【0032】
サーバSでは、認証手段12が排出事業者端末C1からの認証情報と、記憶手段18に格納された認証情報とを比較して、排出事業者端末C1からの認証情報が登録されていれば、トップページ制御手段13が廃棄物管理支援サイトのトップページを送信する。
排出事業者端末C1の表示手段24では、図5に示すトップページP2として、左側にグローバルナビゲーションと称されるメニューM21が表示されると共に、ログインするためのIDに応じて排出事業者、管理窓口業者、廃棄物に関する情報の入力を代行する実務業者向けの廃棄物管理支援サイトの管理運営業者からのお知らせやニュース、警告などが表示される。
【0033】
排出事業者は、まず廃棄物の全体の流れや、収集業者、中間処理業者、最終処理業者などの業者の内容を確認したいときには、メニューM21の「廃棄物処理フロー」L21を押下する。
「廃棄物処理フロー」L21を押下されたことが排出事業者端末C1から通知されると、サーバSの管理ページ制御手段14は記憶手段18から業者情報、排出事業者情報、廃棄物情報などの管理情報を読み込むと共に、廃棄物処理情報を読み込む。
そして、管理ページ制御手段14は、これらをフロー図とした管理ページを生成して排出事業者端末C1へ送信する。
【0034】
図6に示す管理ページP3では、左側から「廃棄物の分類」、「廃棄物の種類」、「廃棄物排出量」、管理窓口業者を示す「管理窓口」、「収集業者」、「中間処理業者」、「中間処理方法」、「最終処理業者」、「最終処理方法」、「環境負荷」の順に横列に表示され、廃棄物の分類ごとに順に表示されている。また、管理ページP3の右上には、リサイクルした廃棄物の重量を総排出量で割った「リサイクル率」が自動的に演算されて表示されている。このリサイクル率は、度合いに応じて表示された葉Lの数によっても判るようになっている。
「廃棄物排出量」と「リサイクル率」とは、「集計」の表示の右側に配置された期間設定ボタンにより設定された期間での集計である。
【0035】
排出事業者は、この管理ページP3を参照することで、排出事業者は廃棄物の収集から中間処理、最終処理に至るまでの業者について、所謂「見える化(可視化)」することができるので、廃棄物の分類ごとに容易に把握することができる。また、中間処理方法として、産業廃棄物や特別管理産業廃棄物、専ら物がリサイクルされ、一般廃棄物が焼却されることが容易に把握することができる。更に、最終処理方法として、産業廃棄物や特別管理産業廃棄物、専ら物がリサイクルされ、一般廃棄物が埋め立てされることを容易に把握することができる。
【0036】
また、従来では排出事業者が処理費用だけで業者を選定したためにリサイクル率の低い業者を選定しまうことがあったが、管理ページP3にリサイクル率や廃棄物の重量などを表示することで、排出事業者にとって「見える化(可視化)」された有用な情報が得られるので、管理窓口業者は他の業者と差別化でき、付加価値の高いサービスを排出業者に提供することができる。また、管理窓口業者はリサイクル率の低い実務業者に対して指導することができる。更に、管理窓口業者や実務業者は、排出事業者と共に、廃棄物管理支援サイトを運用していくことになるため、排出事業者が廃棄物の処理を他の管理窓口業者や実務業者に委託することを抑止することができる。
【0037】
また、管理ページP3には、収集業者、中間処理業者、最終処理業者に関する情報が表示された矩形枠内には、その業者に付与された許可証の許可番号Kが表示されている。この許可番号Kの表示は、許可証のイメージデータにリンクされており、入力手段23を操作して押下することで、許可証のイメージデータ、例えばPDFファイルを表示させることができる。また、同矩形枠内には、その業者に付与された登録証の登録番号(図示せず)が表示される。この登録番号の表示は、登録証のイメージデータにリンクされている。更に、それぞれの業者名には、排出事業者との契約書のイメージデータがリンクされている。このように、入力手段23を操作して押下することで、許可証や登録証、契約書など、業者に関する許認可や契約に関する書類情報を表示させることができるので、その業者の信頼性を確認することができる。
【0038】
また、管理窓口業者は、従来、排出事業者の要望に応じて許可証や登録証などの書類の提示などをサービスとして、一つ一つ対応を行っていた。しかし、この廃棄物管理支援サイトによれば、排出事業者が許可証や登録証などを参照することができるので、管理窓口業者は、煩雑作業が不要なので、手間が掛からない。
なお、本実施の形態では、管理ページP3に、許可証、登録証および契約書のそれぞれのリンクが設けているが、いずれか一つとすることもできる。
【0039】
更に、収集業者、中間処理業者、最終処理業者に関する情報が表示された矩形枠内には、業者の評価が基準を満たしていることを示す識別標識H(図中では☆印にて示す)が表示されている。この識別標識は、管理ページP3に表示されている処分内容が、許可証にて業者に許可されたものであるか、管理ページP3に表示されている施設の住所が許可証に許可や登録された施設の設置場所と一致しているか、許可証の有効期限や登録証の有効期限、契約書の契約期間が切れていたり迫っていたりしてないかなどの評価を、廃棄物管理支援サイトを運営する管理運営業者が行い、満足していると判断された場合に付与されるもので、管理運営業者が、業者の評価が満足している場合に、業者情報に設定する。
【0040】
排出事業者は、この識別標識Hにより、排出事業者は委託している業者が一定の評価を得ていることを、すぐに把握することができるので、廃棄処理について理解が浅く、優良な業者か不信な業者かなどの判断ができない排出事業者であっても、安心して業者に委託することができる。
【0041】
なお、評価の結果、例えば、許可証の有効期限や登録証の有効期限、契約書の契約期間の1ヶ月前であれば、該当する業者がログインした際のトップページP2に警告として、その旨の表示がされることで、更新の手続きを忘れてしまうことを防止することができる。
【0042】
次に、管理窓口業者、収集業者、中間処理業者のいずれかの業者が入力するマニフェスト情報について図面に基づいて説明する。
入力を代行する管理窓口業者、収集業者、中間処理業者のいずれかの業者は、端末装置Cを操作して、図4に示す認証ページP1によりログインする。ログインすると、図5に示すトップページP2が端末装置Cに表示される。
【0043】
そこで、トップページP2のメニューM21から「排出量入力」L22(図5参照)を選択することで、排出量入力ページ制御手段15は、廃棄物の排出量を入力するための入力基本ページを端末装置Cへ送信する。
図7に示す入力基本ページP4では、まず、排出事業者を排出事業者選択欄R41により、排出拠点を排出拠点選択欄R42により選択して「表示」ボタンB41を押下する。
そうすると図6に示す管理ページP3に表示されていたフロー図が、図7に示す入力基本ページP4の空きスペースに表示される。なお、図7では、廃棄物の分類として産業廃棄物のみを図示している。
【0044】
フロー図Fが図7に示すように表示されたことで、端末装置Cを操作して「廃プラスチック」L41を押下すると、「廃プラスチック」の文字にリンクされた排出量入力ページがサーバSの排出量入力ページ制御手段15から端末装置Cに送信される。
管理窓口業者、収集業者、または中間処理業者のいずれかの業者は、端末装置Cに表示された図8に示す排出量入力ページP5に、廃棄物を処理して記入した産業廃棄物管理票の内容を入力する。排出量入力ページP5では、産業廃棄物管理票の基礎情報として、交付年月日を入力する交付日入力欄R51と、交付番号を入力する交付番号入力欄R52と、整理番号を入力する整理番号入力欄R53と、交付担当者を入力する担当者入力欄R54とが設けられている。
【0045】
また、基礎情報の入力に続く排出量入力ページP5では、排出情報として、廃棄物の種類を選択するチェックボックスC51と、重量で入力する数量入力欄R55と、荷姿入力欄R56と、名称入力欄R57と、備考欄R58とが設けられている。
これらの入力が終了すると「次へ」ボタンB51を押下する。この押下により排出量入力ページ制御手段15は、処理情報入力ページを端末装置Cへ送信する。
【0046】
図9に示す処理情報入力ページP6では、「中間処理産業廃棄物」、「最終処分の場所」、「運搬受託者」、「運搬先の事業場」、「処分受託者」、「積替え又は保管」、「運搬の受託」、「処分の受託」、「最終処分を行った場所」など、収集業者、中間処理業者または最終処理業者がそれぞれ記入する産業廃棄物管理票に掲載されている各項目を入力するようになっている。
【0047】
これらを入力して「次へ」ボタンB61を押下することで、排出量入力ページ制御手段15は、確認ページ(図示せず)を端末装置Cに送信する。端末装置Cでは、確認ページにより各入力項目を確認して登録を行う。登録された情報はマニフェスト情報として記憶手段18に格納される。
このように、産業廃棄物管理票での記載項目と廃棄物管理支援サイトでの入力項目とが一致しているので、直感的に操作方法が把握でき、入力作業が容易である。
【0048】
なお、図7から図9においては産業廃棄物のマニフェスト情報について、その入力方法を説明したが、事業系一般廃棄物や専ら物も同様にして、廃棄物の種類や排出量、処理日などを入力することができる。これら事業系一般廃棄物や専ら物について入力された情報は、記憶手段18に一廃物情報として格納される。
【0049】
次に、産業廃棄物管理票に対応するマニフェスト情報を検索したい場合には、端末装置Cの表示手段24に表示されたページのメニューM21(例えば、図5参照)の「廃棄物伝票検索」L23を押下する。
この「廃棄物伝票検索」の押下を示す通知が、端末装置CからサーバSへ送信されることで、検索ページ制御手段16は、検索トップページを端末装置Cへ送信する。
図10に示す検索トップページP7では、「産業廃棄物・特別産業廃棄物」と「一般廃棄物(専ら物)」とを選択するためのラジオボタンR71が設けられている。排出事業者、管理窓口業者、収集業者、中間処理業者または最終処理業者は、このラジオボタンR71により廃棄物の分類を選択して「次へボタン」B71を押下する。
端末装置Cからの「次へボタン」B71の押下の通知によりサーバSの検索ページ制御手段16は、検索条件を入力するための検索詳細ページを端末装置Cへ送信する。
図11に示す検索詳細ページP8では、検索条件J81として、「交付番号」、「交付年月日」、「排出企業」(排出事業者)、「廃棄物種類」、「処分方法」が表示されている。
【0050】
端末装置Cでは、検索詳細ページP8に表示された各検索項目を入力して、「表示」ボタンB81を押下することで、検索ページ制御手段16が記憶手段18に格納されたマニフェスト情報から該当する情報を抽出して、検索結果K81を検索詳細ページP8に重ねて表示する。そして、この検索結果K81として表示された交付番号のリンクを選択することで、該当するマニフェスト情報を参照することができる。
このように、交付番号や交付年月日だけでなく、「廃棄物種類」や「処分方法」などでも検索できるので使い勝手がよい。
【0051】
次に、排出事業者が排出した廃棄物について集計を取りたい場合には、排出事業者端末C1を操作してメニューM21(例えば、図5参照)の「分析」L24を押下する。
この「分析」の押下を示す通知が、排出事業者端末C1からサーバSへ送信されることで、分析ページ制御手段17は、分析ページを排出事業者端末C1へ送信する。
【0052】
図12に示す分析ページP9では、排出事業者と排出拠点とを選択する事業者選択ボタンB91および拠点選択ボタンB92と、廃棄物の種類を選択する廃棄物選択ボタンB93と、集計期間を入力するための年入力ボタンB94、月度入力ボタンB95、期間入力ボタンB96とが設けられている。これらを入力して「表示」ボタンB97を押下することで、分析ページ制御手段17は分析結果として、排出事業者の排出拠点ごとの、廃棄物の分類、廃棄物の種類、管理窓口、収集、中華処理、最終処理の各業者名、廃棄物の種類ごとの毎月の排出量と合計排出量を表形式にして、分析ページP9に表示する。この分析結果は、ファイルとして出力したり、端末装置Cに接続したプリンタに印刷したりすることができる。
【0053】
このように廃棄物管理支援サイトでは、分析ページP9による廃棄物の分類・集計ができるので、利便性が高い。また、排出事業者の担当者や担当以外の者が、この分析ページP9を参照することで、廃棄物の処分についての知識がなくても、廃棄物の減少、リサイクル率の向上、CO2排出量の抑制に向けて明確な目標を掲げることができ、この目標に向けて努力することできる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態に係る廃棄物管理支援システムによれば、管理ページP3を参照することで、排出事業者が委託している業者を容易に把握することができるだけなく、収集業者、中間処理業者および最終処理業者の評価が分かるので処理の信頼性を確保することができる。また、管理ページP3には集計された廃棄物の重量が表示されるので、排出量を容易に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、排出事業者や、管理窓口業者、収集業者、中間処理業者、最終処理業者など、廃棄物を排出する排出事業者だけでなく、廃棄物の処理に関係を有する業者に好適である。
【符号の説明】
【0056】
S サーバ
11 通信手段
12 認証手段
13 トップページ制御手段
14 管理ページ制御手段
15 排出量入力ページ制御手段
16 検索ページ制御手段
17 分析ページ制御手段
18 記憶手段
C 端末装置
C1 排出事業者端末
C2 管理業者端末
C3 収集業者端末
C4 中間業者端末
C5 最終業者端末
21 通信手段
22 閲覧制御手段
23 入力手段
24 表示手段
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N インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出事業者が排出する廃棄物が、収集され、最終処理されるまでの間に介在する業者に関する業者情報、該排出事業者に関する排出事業者情報、廃棄物の種別に関する廃棄物情報がそれぞれ関連付けられ、管理情報として格納された記憶手段と、
前記記憶手段から管理情報を読み取り、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、業者情報が示す業者名を、廃棄物の収集から最終処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置からの要求に応じて電気通信回線を通じて送信する管理ページ制御手段とを備えたことを特徴とする廃棄物管理支援装置。
【請求項2】
前記管理ページ制御手段は、該業者の評価が基準を満たしていることを示す識別標識を表示した管理ページを生成する請求項1記載の廃棄物管理支援装置。
【請求項3】
前記管理ページ制御手段は、廃棄物が収集され、最終処理されるまでの間に介在する業者の許可証、再生事業者登録証、または廃棄物の排出事業者との契約書の少なくとも一つのイメージデータとのリンクが設けられた管理ページを生成する請求項1または2記載の廃棄物管理支援装置。
【請求項4】
前記管理ページ制御手段は、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、排出された廃棄物の総重量を表示した管理ページを生成する請求項1から3のいずれかの項に記載の廃棄物管理支援装置。
【請求項5】
コンピュータを、
排出事業者が排出する廃棄物が、収集され、最終処理されるまでの間に介在する業者に関する業者情報と、該排出事業者に関する排出事業者情報と、および廃棄物の種別に関する廃棄物情報とがそれぞれ関連付けられ、管理情報として格納された記憶手段、
前記記憶手段から管理情報を読み取り、廃棄物情報が示す廃棄物の種別ごとに、業者情報が示す業者名を、廃棄物の収集から最終処理までの流れ順に、フロー図として表示する管理ページを生成して、排出事業者が操作する端末装置へ要求に応じて電気通信回線を通じて送信する管理ページ制御手段として機能させることを特徴とする廃棄物管理支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−221233(P2012−221233A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86543(P2011−86543)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(511090534)株式会社グリーナー (1)
【Fターム(参考)】