説明

廃水の処理方法

【課題】汚泥焼却灰の再資源化を図るべく該汚泥焼却灰を利用することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決すべく、汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた処理物と、廃水とを接触させることを特徴とする廃水の処理方法を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下水道の普及に伴い下水処理量は増加しており、同時に発生する下水汚泥量も着実に増加している。また下水汚泥を減量化(減容化)すべく、下水汚泥の焼却又は溶融処理が行われ、特に下水汚泥の焼却処理によって発生する汚泥焼却灰が増加している。こうした中、汚泥焼却灰の多くは最終処分場に投棄処分されるが、処分地が制約される大都市のみならず、新たに下水処埋を開始した中小都市においても莫大な処分費用を要することが問題となっている。
【0003】
そのため、汚泥焼却灰の再資源化を図るべく、例えば、汚泥焼却灰を加圧成形後焼成してレンガにしたり、汚泥焼却灰を加圧造粒して人造骨材にしたり、汚泥焼却灰を溶融し得られたスラグを路盤材に利用したり、下水の汚泥焼却灰からリンを回収する(特開平9−77506号)などの技術が提案されているが、これらの汚泥焼却灰の処理量には限界があった。
【0004】
このような現状から、汚泥焼却灰の処理量を更に増加させるために、汚泥焼却灰に更なる処理を施して付加価値を付与することが求められている。
【特許文献1】特開平9−77506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、汚泥焼却灰の再資源化を図るべく該汚泥焼却灰を利用することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた処理物と、廃水とを接触させることを特徴とする廃水の処理方法を提供するものである。
前記汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた処理物は、カチオン性物質、アニオン性物質、有機物、栄養塩類、揮発性有機化合物(VOC)などの物質を吸着する作用があるため、該処理物と廃水とを接触させることにより廃水中のこれらの物質を吸着除去することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、汚泥焼却灰に所定の処理を施すことにより、該汚泥焼却灰を廃水の処理に用いることが可能となり、再資源化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に係る廃水の処理方法の一実施形態は、汚泥焼却灰と酸とを接触させる酸処理工程により得られた処理物を用い、該処理物と廃水とを接触させる廃水処理工程により廃水を処理するものである。
【0009】
前記汚泥焼却灰としては、下水処理場で発生する汚泥を焼却したものの他に、し尿、家庭用雑排水、産業用排水処理等によって発生した汚泥を焼却したものも含まれる。またこれらには、一般に処理場で含水率60〜90重量%程度まで脱水されて焼却処理されたものである。特に、下水処理場で発生する汚泥量は年々下水道の普及とともに増加しているため汚泥の処分対策が急がれており、前記汚泥焼却灰が利用されることは、汚泥の再資源化に有用である。
【0010】
また一般に、前記汚泥焼却灰には、高分子凝集剤を使用した汚泥を焼却したものと、石灰系凝集剤を使用した汚泥を焼却したものとがあり、減容化対策から最近では高分子凝集剤を使用したものが多い。本実施形態においては両者とも利用可能であるが、石灰系凝集剤を使用した汚泥焼却灰は石膏が多量に生成されているため、高分子凝集剤を使用した汚泥を焼却したものの方がより好ましい。
【0011】
前記汚泥焼却灰は、シリカ、燐酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄などを含むものである。さらに前記汚泥焼却灰の形態は、特に制限はされず、ペレット状、板状、錠剤状等に成型されたものであってもよいが、酸との接触による反応をより効果的に行うために、汚泥焼却灰そのものであることが好ましく、さらに前記反応を向上させるために前記汚泥焼却灰を粉砕したものであることがより好ましい。
【0012】
本実施形態における前記酸処理工程としては、前記汚泥焼却灰と酸とを接触させ、汚泥焼却灰に含有される酸可溶性成分を溶解して除去し、前記汚泥焼却灰を多孔質化させる工程である。
【0013】
前記汚泥焼却灰と接触させる酸の形態としては、酸性水溶液、酸性ガス又は酸性粉体などが挙げられる。
例えば、前記汚泥焼却灰と酸とを接触させる酸処理においては、前記汚泥焼却灰に酸性水溶液を添加し、混合または浸漬することにより、汚泥焼却灰中に含有されている酸可溶性成分が溶解除去され、前記汚泥焼却灰が多孔質化された処理物が得られる。
前記酸性水溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられ、いずれの水溶液を用いても良いが、塩酸水溶液を用いることがより好ましい。また、市販の塩酸水溶液や、金属精錬工業等から発生する廃塩酸の水溶液を使用することもできる。使用する酸性水溶液の濃度としては、通常、0.1〜10規定程度とするのが適当である。
【0014】
また前記汚泥焼却灰に添加される酸水溶液の添加量としては、汚泥焼却灰100重量%に100%硫酸、塩酸、硝酸に換算して、0.5重量%以上添加することが好ましく、さらに4〜25重量%添加することが好ましい。また添加時の温度は、反応を促進する面から10〜90℃程度であることが好ましい。
【0015】
また、前記酸性水溶液の浸漬時間を変化させることにより処理物の細孔径分布を変化させることが適宜可能である。すなわち、浸漬時間を長くすることにより10nm以下、特に6nm以下の径の微細な細孔の容積を増加することができ、これらの細孔容積が大きいほどイオン成分を吸着する表面積が増加するため、イオン成分吸着性能が向上することとなる。浸漬時間としては、通常、0.1時間〜10日程度とするのが好ましい。なお、処理物の細孔容積は、細孔径分布から求めることができる。
【0016】
一方、前記汚泥焼却灰と酸性ガスとを接触させる酸処理においては、前記汚泥焼却灰に塩化水素ガスを添加し、混合または混練することにより、汚泥焼却灰に含まれる水分に塩化水素ガスが溶解されてなる塩酸と、汚泥焼却灰とを反応させることができる。これにより、効率よく酸処理反応が行われ、前記汚泥焼却灰が多孔質化した処理物が得られる。
【0017】
前記酸性ガスとしては、塩化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、または塩素系廃棄物処理工場に於いて発生する有害ガスなどが挙げられる。
特に汚泥焼却灰に含まれる水分に溶解され、水溶液として汚泥焼却灰と効率よく反応することができることから、水溶性を示す塩化水素ガスを用いることが好ましい。前記塩化水素ガスとしては、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化カルシウム等の塩素系化合物と、硫酸または硫酸化合物とを混合し、加熱して発生させたものなどが挙げられる。
【0018】
また酸処理において前記酸性水溶液を用いた場合、汚泥焼却灰に多大な水分が含有されることから、後に行う乾燥処理などで多大なエネルギーの使用や長時間を要する場合があり、前記酸性ガスを用いることがより好ましい。
【0019】
汚泥焼却灰に配合される酸性ガス添加量としては、100%酸(硫酸、塩酸、硝酸など)に換算して、汚泥焼却灰100質量部に対し、1質量部以上添加することが好ましく、さらに4.0〜25質量部添加することが好ましい。これは、4.0質量部未満では、酸性ガスによる溶解反応が十分行われず、一方、25質量部を超えると、乾燥後に表面が固くなって前記汚泥焼却灰の多孔質化が阻害される場合があるためである。また添加時の温度は10〜90℃程度が反応を促進する面から好ましい。
【0020】
さらに、汚泥焼却灰と酸性ガスとの混練時間としては、汚泥焼却灰の特性に応じて、任意に設定することができる。また前記混練時間を調節することにより細孔容積を変化させることが可能である。すなわち、混練時間を長くすることにより、例えば、10nm以下、特に6nm以下の径の微細な細孔の容積をさらに増加させることが可能である。これらの微細な細孔容積が増加するほど、有害な各種物質を吸着する能力が高められる。通常、酸性ガス添加後、0.1時間〜10日程度、好ましくは、0.1時間〜1日程度とするのが適当である。
【0021】
前記酸処理を行うことによって、通常BET比表面積5m2/g程度しかない汚泥焼却灰のBET比表面積を増加させることができる。前記酸処理された処理物としては、BET比表面積6.5m2/g以上が好ましく、さらにBET比表面積10〜70m2/gであるものがより好ましい。なお、BET比表面積は、N2ガス吸着式BET測定装置「BELSORP−mini」(日本BEL株式会社製)を用いて測定できる。
【0022】
また、前記酸処理された処理物は、必要に応じて、更に粉砕して用いても良い。
【0023】
本発明では、前記酸処理工程に続いて、前記酸処理された処理物を中和剤と接触させ、前記処理物を中和処理する中和処理工程を行うことにより処理物を得てもよい。
これにより、前記処理物を乾燥や貯蔵および運搬する際の設備等において耐酸性対策が不要となる。
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、消石灰、アンモニア、CaCO3を主成分とするライムストーン(石灰岩)、コーラルサンド等のアルカリ性の材料等を挙げることができ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等を用いるのが好ましい。前記中和剤の形態としては、アルカリ性水溶液、アルカリ性ガス又はアルカリ性粉体などが挙げられる。
また中和剤の添加量は、処理物がpH5.5〜9.0となるように、pHを調節し添加することが好ましい。
【0024】
本発明では、前記中和処理工程に続いて、前記中和処理された処理物を乾燥処理する乾燥処理工程を行うことにより、処理物を得てもよい。この乾燥処理によって前記処理物の細孔容積及び比表面積を増加させることができ、またこれによりイオン吸着量の増大を促進させることができ、処理物表面の不純物等を除去することができる。具体的には前記乾燥処理として、前記中和処理された処理物を乾燥させたり、または一旦水洗後濾過しその残留物を乾燥させてもよい。
【0025】
具体的な乾燥処理方法としては、特に制限はないが、例えば回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機、遠心薄膜式乾燥機等を用いた乾燥処理方法が挙げられ、下水処理場で現状使用している乾燥機を用いた乾燥処理方法でも十分に対応可能である。また、乾燥温度は、制限されないが、例えば90〜300℃に設定されることが好ましい。
【0026】
上記の処理工程により得られた処理物は、汚泥焼却灰に対する酸処理及び中和処理効果を十分に発揮されたものであり、極めて微細な多孔質を有することで細孔容積が増大されたものであるため、カチオン捕捉性及びアニオン捕捉性が良好なものである。従って、前記処理物は、廃水と接触させることで廃水中の有害物質を吸着し除去することが可能である。
前記有害物質としては、カチオン性物質やアニオン性物質などが挙げられ、カチオン性物質にはクロム、アルミニウム、カルシウム(石灰)、ニッケル、銅、鉛、亜鉛などの重金属類や水素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの陽イオン類などが挙げられ、またアニオン性物質には砒素、フッ素、ホウ素、セレン、六価クロム、亜硝酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオンなどの重金属類や陰イオン類などが挙げられる。特に前記有害物質である鉛、亜鉛、フッ素、セレンに関して、前記処理物は顕著な吸着除去効果を有するものである。
また、前記処理物は、細孔空隙への吸着等が生じることで、水質汚濁の主な原因物質として例示される有機物、栄養塩類、揮発性有機化合物(VOC)などの物質を吸着除去することもできる。
【0027】
本発明における廃水としては、例えば石炭火力発電所など火力発電所の排煙脱硫廃水、半導体工業などの産業において排出される廃水、ごみ焼却場洗煙廃水などが挙げられる。さらに廃水には水道水、地下水、河川湖沼水なども含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
次いで、上述のような各工程を経て得られた処理物と、廃水とを接触させる廃水処理工程について説明する。
【0029】
前記処理物を廃水と接触させる方法として、廃液中の除去対象物を吸着除去するための手段は、特に限定されるものではない。例えば、廃水中に前記処理物を投入し混合するバッチ法、並びに、前記処理物をカラムに充填し廃水をカラムに通液する連続法などが挙げられる。
前記連続法としては、特に限定されないが、前記処理物を充填した吸着塔に廃水を通過させる方法が挙げられる。この際、前記処理物をペレット状、粒状、粉末状等に調製してもよい。特に、処理操作が簡単であることや、廃水処理能力の点から、粉度を調節した処理物を充填したカラムに廃水を通液する方法が好ましい。
【0030】
本実施形態における廃水の処理方法は、上記の如きであるが、本発明の廃水の処理方法は本発明の意図する範囲に於いて適宜設定変更可能である。
【0031】
例えば、本発明において、酸処理工程と廃水処理工程とを備えている廃水の処理方法を実施する際には、作用効果を害しないように、適宜、任意の他の工程を加えても良く、また酸処理工程と廃水処理工程との間に実施する中和処理工程および乾燥処理工程の順番を任意に変更することも可能である。
【0032】
本発明によれば、汚泥焼却灰をさらに処理して吸着材として用いることで、汚泥焼却灰の再資源化が達成でき、より経済的に廃水を処理することが可能となり、さらに廃水中に含まれるカチオン性物質及びアニオン性物質などを迅速に吸着除去しうる廃水の処理方法を提供することができる。
【0033】
以下、実施例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0034】
(実施例1)
多孔質粉体の調製
汚泥焼却灰として、高分子凝集材を添加後脱水した汚泥を流動床型焼却炉にて焼却された粉体を用いた。前記粉体としては下記表1に示すそれぞれの組成を含み、BET比表面積5.5m2/gのものである。
【0035】
【表1】

【0036】
(酸処理)汚泥焼却灰50gを攪拌容器に入れ、これに1N塩酸水溶液を50ml添加し、練りさじで約1分間混練した後、20℃の恒温室に2時間、浸漬状態で静置させて酸処理を行った。
(中和処理)前記酸処理した汚泥焼却灰を含む浸漬物のpHとして、pH8.0〜8.5程度になるように、中和剤Ca(OH)2粉末(特級試薬)を添加して、中和処理をした。
(乾燥処理)前記中和処理した汚泥焼却灰を含む浸漬物を110℃の乾燥機に入れ、18時間保持して乾燥させ多孔質粉体を得た。
得られた多孔質粉体を供して以下の測定を実施した。
【0037】
フッ素吸着試験
まず初めに、1000ppmフッ化物イオン標準溶液(関東化学製)を用いてフッ素初濃度5ppmに設定した模擬汚染水を調製した。前記汚染水200gを250mlポリプロピレン製広口瓶に入れ、これに前記多孔質粉体2gを添加し(液固比100)、振とう機で4時間振とうした。その後、約5分間静置し、静置後に得られた上澄み液をメンブランフィルター(0.45μm)でろ過した。ろ過した水溶液に含まれるフッ素濃度について、JIS K0121「工業排水試験方法」に準拠して、ランタン‐アリザリンコンプレキソン吸光光度法により測定を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
鉛吸着試験
まず初めに、1000ppmPb標準溶液(関東化学製)を用いて、鉛100ppmの模擬汚染水を調節した。前記汚染水70gを100ml遠沈管に入れ、これに前記多孔質粉体0.7gを添加し(液固比100)、振とう機で4時間振とうした。その後、毎分3,000回転で5分間遠心分離し、遠心分離後に得られた上澄み液をディスポシリンジ(テルモ製25ml)及びディスポクロマトディスク(GLサイエンス製25A、0.45μmMF)を用いてろ過した。ろ過した水溶液に含まれる鉛濃度について、JIS K0121「工業排水試験方法」に準拠してグラファイトファーネス原子吸光法により測定を行った。その結果を表2に示す。
【0040】
(比較例1)
本比較例1では、前記実施例1で使用した多孔質粉体に代えて、ゼオライト(モルデナイト、イズカ社製)を用いた以外は、前記実施例1と同様に測定を実施した。その結果を表2に示す。
【0041】
表2より、前記ゼオライトを用いた比較例1ではフッ素および鉛が吸着除去され難いのに対し、本発明における処理物の一例である前記多孔質粉体を用いた実施例1ではフッ素および鉛が良好に吸着除去されていることが認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた処理物と、廃水とを接触させることを特徴とする廃水の処理方法。
【請求項2】
前記処理物のBET比表面積が、10〜70m2/gであることを特徴とする請求項1記載の廃水の処理方法。
【請求項3】
前記酸が硫酸、塩酸、硝酸のいずれかを含む酸性水溶液であることを特徴とする請求項1または2記載の廃水の処理方法。
【請求項4】
前記処理物が、さらに乾燥処理されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃水の処理方法。
【請求項5】
前記処理物が、さらに中和処理されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃水の処理方法。
【請求項6】
前記処理物がカチオン捕捉性及びアニオン捕捉性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の廃水の処理方法。
【請求項7】
前記廃水が鉛、亜鉛、フッ素およびセレンのうち少なくとも一つを含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の廃水の処理方法。

【公開番号】特開2008−114148(P2008−114148A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299200(P2006−299200)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【出願人】(594018267)株式会社中研コンサルタント (10)
【Fターム(参考)】