説明

廃熱を利用した澱物乾燥装置

【課題】 澱物の乾燥処理のコストを低減することが可能な廃熱を利用した澱物乾燥装置を提供する。
【解決手段】 ガス化溶融システム200は、ガス化溶融炉300、ダスト15を排出する排ガス処理設備14、澱物20を排出する中和塔16及びミストコットレル17等を備える。そして、このガス化溶融システム200に併設される澱物乾燥装置100は、澱物20を収容する床30及び上部空間32、澱物20を撹拌する撹拌装置40、床30の下部に形成された下部空間31等を有する。上部空間32にはガス化溶融炉300を冷却した後の空気Aの温度を下げた加熱空気Aが導入され、下部空間31のロードヒーティング部36には第二の熱交換機12で熱交換された温水23が導入され、撹拌装置40で澱物20を撹拌しながら上部空間32に収納された澱物20が乾燥される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス化溶融設備や排水処理設備などから排出される水分を含んだ澱物を乾燥するための澱物乾燥装置に関し、特に、ガス化溶融炉の水冷ジャケットの冷却用循環水や溶融炉出口の排ガスから廃熱を回収するための熱交換器を通過した加熱空気の保有熱を利用して水分を含んだ澱物を乾燥するための廃熱を利用した澱物乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃自動車や廃家電製品は、金属類のリサイクルが行われており、具体的には、工業用シュレッダーで破砕してから有価金属の回収を行っている。有価金属の回収後に残された上記破砕によるプラスチック、ゴム、ガラス等の破片はシュレッダーダストと呼ばれ、従来は埋め立てに回されていた。しかし、近年、廃棄物処理法の改正、家電リサイクル法、自動車リサイクル法の制定、施行に伴いリサイクルを行うことが義務付けられた。そのため、シュレッダーダストの処理設備として注目されているのがガス化溶融処理方式である。
【0003】
このガス化溶融方式の典型的な処理プロセスは、廃棄物を低酸素雰囲気の炉内に入れ、500〜550℃の温度で熱分解させて熱分解ガス、未燃カーボン及び熱分解残渣を生成し、このガスと未燃カーボンを燃焼・溶融工程に導いて1200℃以上で高温燃焼させながら灰分の溶融・スラグ化まで持っていくものである。熱分解残渣からは酸化していない良質な鉄やアルミニウムを回収することができる。また、燃焼特性の良いガスを高温で安定燃焼させるためにダイオキシン類の分解に優れ、更に、空気過剰率を抑えた燃焼によって排ガス量を低減できることで、NOxの発生量を低減できると共に排ガス処理装置を小型化できるという利点がある。
【0004】
ガス化溶融方式には、大別して熱分解と溶融を一つの炉で行うシャフト炉式と、熱分解と溶融を異なる炉で行う方式とがある。さらに、前者(シャフト炉式)は、コークスベッド式、酸素式及びプラズマ式等に分類され、後者は、熱分解に用いる炉の形式により分けられ、キルン炉を用いるキルン方式と流動床炉を用いる流動床方式との2種に大別される。
【0005】
キルン方式や流動床方式によるガス化溶融設備は、主としてガス化溶融炉と排ガス処理設備とを備えて構成されており、さらに、ガス化溶融炉は、ガス化炉とその後段に配置された溶融炉とからなり、ガス化炉からは有価金属が回収され、溶融炉からはスラグが排出される。また、排ガス処理設備では、ガス化溶融炉で発生した排ガスを処理するためのバグフィルターで捕集された飛灰を水浸出した澱物、および、排ガス処理設備によって処理された排ガスをさらに冷却洗浄した後の排水から排出された中和澱物が排出される。この水浸出した澱物及び中和澱物は、一般に埋め立てされる場合が多いが、事業者によっては、乾燥キルン設備で乾燥させた後、ガス化炉へ搬入して処理する場合がある。また、わずかにCuを含有するため、Cu原料としてリサイクル処理が行われる。
【0006】
尚、ガス化炉とガス化炉を備えたガス化溶融装置として、例えば、特許文献1に示すものがある。このガス化溶融装置は、ガス化炉と溶融炉とを連絡ダクトで連結しており、連絡ダクトにガス噴射ノズルを設け、このガス噴射ノズルからクリーニングガスを噴射して連絡ダクトに堆積したダクトを除去することにより、連絡ダクトに堆積するダストが連絡ダクトを閉塞してガス化炉の排ガス吸引能力を低下させるのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−207179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のガス化溶融設備にあっては、排ガス処理設備を構成するバグフィルターで捕集された飛灰を水浸出した澱物や、排ガス処理設備によって処理された排ガスをさらに冷却洗浄した後の排水から排出された中和澱物を乾燥キルン設備によって乾燥していた。そのため乾燥キルン設備の熱源として使用されている再生重油の消費コストがかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、乾燥キルンの熱源として再生重油を用いず、コストがかからない他の熱源を利用することで澱物の乾燥処理のコストを低減することが可能な廃熱を利用した澱物乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、被乾燥物を収容する収容スペースとなる上部空間と、上部空間の下部側に床部によって区分された下部空間を有して形成された密閉可能な建屋を備え、産業廃棄物をガス化炉下部から空気を吹き込みながら流動層を形成して熱分解することによってガス化し、当該産業廃棄物に含まれる鉄及び非鉄金属類を回収すると共に、ガス化炉と連通された溶融炉に熱分解ガスを導入してスラグを生成するガス化溶融炉の当該溶融炉を冷却するために冷却装置によって熱交換された熱媒体を下部空間に配置されたロードヒーティング内に導入すると共に、溶融炉を通過する排ガスから廃熱を回収するための第一の熱交換器によって熱交換された加熱空気を上部空間に導入することにより、上部空間内に収容された被乾燥物を乾燥することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、冷却装置は、循環水によって溶融炉を冷却する水冷ジャケット構造を有すると共に、熱媒体は水であり、溶融炉を冷却することによって自らは加温された循環水を第二の熱交換器によってさらに冷却するために熱交換された後の温水を下部空間に配置されたロードヒーティング内に導入することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、上部空間に収容された被乾燥物を撹拌するための撹拌装置をさらに備えてなることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、被乾燥物が、ガス化溶融炉の排ガスを処理する排ガス処理設備を構成するバグフィルターによって捕集された飛灰を水浸出した澱物及び/又はガス化溶融炉の排ガス処理設備によって処理された排ガスをさらに冷却洗浄した後の排水から排出された中和澱物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る廃熱を利用した澱物乾燥装置によれば、ガス化溶融炉における廃熱を利用することにより再生重油を用いる必要がなくなり、これによって澱物の乾燥処理のコストを低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る廃熱を利用した澱物乾燥装置の好ましい実施形態及び澱物乾燥装置が適用されたガス化溶融システムを示す構成図である。
【図2】澱物乾燥装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示す下部空間内の詳細を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[ガス化溶融システムの構成]
以下、本発明に係る廃熱を利用した澱物乾燥装置について、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る澱物乾燥装置の実施形態及び澱物乾燥装置が適用されたガス化溶融システムを示す構成図である。なお、図1においては、ガス化炉、溶融炉及びその後段に設けられた熱交換器等の図示を断面で示している。
【0017】
初めに、本発明に係る澱物乾燥装置が適用されるガス化溶融システムについて説明する。図1に示すように、ガス化溶融システム200は、概略として、ASR(自動車由来シュレッダーダスト)等の産業廃棄物を粉砕する粉砕設備1と、粉砕設備1から流動層上に投入されたシュレッダーダストを熱分解してガス化するガス化炉2と、ガス化炉2から排出された不燃物と流動媒体(例えば、砂)とを分離する選別機3と、選別機3で選別された不燃物から非鉄金属類5aと鉄スクラップ5bを選別する磁選機4と、ガス化炉2と連通するようにして配置され、ガス化炉2で生成された熱分解ガスに空気を供給しつつ燃焼させ、熱分解ガスと共に移送されてくるAlなどの金属を酸化溶融することによってスラグ7として排出する溶融炉6と、溶融炉6の耐火物を冷却する水冷ジャケット8と、配管11を介して水冷ジャケット8に冷却用水を循環させるポンプ9と、ポンプ9に供給する冷却用水を貯留するタンク10と、配管11の途中に設けられた第一の熱交換器12と、溶融炉6の出側に連結されて溶融炉出口排ガスから廃熱を回収する第二の熱交換器13と、第二の熱交換器13からの排ガスを処理してダスト15を排出する排ガス処理設備14と、排ガス処理設備14の出側に設けられて流入した排ガスを中和する中和塔16と、中和塔16出口排ガスに残存する粉塵を除去するミストコットレル17と、ミストコットレル17内のガスを吸引する排気ファン18と、排気ファン18からのガスを大気へ放出する煙突19と、中和塔16及びミストコットレル17からの排水を排水処理設備にて処理し発生する澱物20を生成するシックナー21と、高温の排ガスによって加熱された溶融炉6を冷却するために第二の熱交換器13によって熱交換を行う空気を第二の熱交換器13へ供給するファン22を備えている。尚、澱物20は、ガス化溶融炉排ガス処理バグフィルターで捕集された飛灰を水浸出した澱物及びシックナー21によって回収される中和澱物などである。また、ガス化炉2及び溶融炉6によって、いわゆるガス化溶融炉300が形成されている。
【0018】
[澱物乾燥装置の構成]
澱物乾燥装置100は、第一の熱交換器12に導入されて配管11を流れる循環水との熱交換により加温された熱媒体としての温水23(約50℃)及び第二の熱交換器13によって熱交換されたファン22からの加熱空気A(約200℃)に基づいて澱物20の乾燥を撹拌装置40で撹拌しながら行うものである。図2は澱物乾燥装置100の斜視図を示し、この澱物乾燥装置100は、概略として、未乾燥の澱物20が搬入されている床30と、その下部に形成された下部空間31(図1参照)と、被乾燥物である澱物20を収容する収容スペースとして床30の上部に形成される上部空間32と、上部空間32を形成する耐熱ビニールシート等による覆蓋部材(天井部材)33と、澱物乾燥装置100内に澱物20を出し入れための出入口37と、床30の上部に設けられて床30上に搬入された未乾燥の澱物20を乾燥処理時に撹拌する撹拌装置40とを備えている。ここで、下部空間31を形成している構造体38、床30、覆蓋部材33及び出入口37によって建屋が構成されている。
【0019】
第二の熱交換器13は、溶融炉出口において排ガスから廃熱を回収する目的で設置されており、熱交換された加熱空気(20℃→200℃)は燃焼エアとして溶融炉内に導入しているが、そのうちの一部を上部空間32に加熱空気Aとして配管34を介して導入している。尚、上部空間32内に導入された空気Aは澱物20を乾燥するために作用した後は配管35(図1参照)から図示しないバグフィルターにより除塵された後大気中へ放出される。
【0020】
図3は、下部空間31内の詳細を示している。図示されているように、下部空間31には、第一の熱交換機器12から供給される温水23を導入するための配管24の端部が導配置されており、この配管24の端部には、パイプ材を蛇行配置してなるロードヒーティング部36が連結されている。温水23がロードヒーティング部36に導入されることによって床30が加熱され、これによって下側から澱物20の乾燥が行われる。
【0021】
撹拌装置40は、図2に示すように、床30上の両側に設けられたガイドレール42と、このガイドレール42にガイドされながらモータを駆動源にして往復動する可動部41と、可動部41の下側に一定間隔に設けられて床30上の澱物20を撹拌する複数の鋤き43とを備えている。
【0022】
[澱物乾燥装置及びガス化高温溶融システムの動作]
次に、上述した澱物乾燥装置100についてガス化溶融システム200の動作を含めて詳細に説明する。まず、ガス化炉2内には粉砕設備1で粉砕処理されたシュレッダーダストが投入される。ガス化炉2では、流動用押し込み空気によって高温流動媒体が流動しており、これによって投入されたシュレッダーダストは熱分解されて熱分解ガスを形成すると共に、不燃物が炉底から取り出され、選別機3によって流動媒体から分離される。尚、分離された不燃物は、磁選機4によって非鉄金属類5aと鉄スクラップ5bに分離される。
【0023】
ガス化炉2において熱分解された熱分解ガスはさらに溶融炉6へ送られる。溶融炉6では、ガス化炉2で発生する熱分解ガスの燃焼熱を利用して粉塵含有ガスを高温で溶融してスラグ7を生成する。更に、溶融炉6からの排ガスは第二の熱交換器13においてファン22によって供給される空気によって熱交換が行われて冷却されると共に、冷却水25の噴霧によって冷却が行われた後、排ガス処理設備14へ送られる。排ガス処理設備14では、第二の熱交換器13から送られてくる排ガスを処理してダスト15を排出する。排ガス処理設備14から排出された排ガスは、中和塔16において中和処理された後、ミストコットレル17によって中和塔16出口排ガスに残存する粉塵が除去される。さらに、ミストコットレル17からの排気ガスは排気ファン18によって煙突19に送られ、この煙突19から大気中へ放出される。
【0024】
中和塔16及びミストコットレル17から排出された排液は、排水処理場のシックナー21によって排液に含まれる不純物を沈降させて、澱物20を生成する。尚、この固形化された澱物20に対し、さらに、フィルタプレス等により水分を除去することも行われている。そして、澱物20は所定量が澱物乾燥装置100の上部空間32へ搬入される。澱物乾燥装置100の上部空間32に収容された澱物20は、撹拌装置40の可動部41が往復動することによって撹拌され、これによって後述する様にして導入された乾燥用の廃熱(温水23及び空気A)が澱物20に均等に及ぶ様にすることができる。
【0025】
上述したように、澱物20はガス化溶融炉の飛灰を水浸出した澱物と、排水処理に伴う中和澱物との2種類が存在するが、これらは同時に澱物乾燥装置100へ搬入されるわけではなく、交互に搬入される。水浸出した澱物の乾燥時間は例えば10時間、取出し搬入作業は例えば2時間、中和澱物の乾燥時間は例えば12時間となり、両方合わせた1日当たりの乾燥時間は22時間とする。
【0026】
澱物乾燥装置100の上部空間32には、配管34を介して約200℃の加熱空気Aを外気等を混合して例えば60℃の温度に調整した空気A(加熱空気)が床30上の上部空間32に導入され、上側から澱物20の乾燥が行われる。ここで、加熱空気Aの温度を一旦下げてから導入するのは、約200℃の加熱空気Aをそのまま導入すると火災の原因となるおそれがあるからである。さらに、下部空間31には配管24を介して第一の熱交換器12から導入されている50℃程度の温度の温水(熱媒体)23によって下側からも澱物20の乾燥を行う。また、撹拌装置40によって澱物20の撹拌を行うことで乾燥しにくい内部を天地返しすることで自然乾燥に比べて乾燥時間を大幅に短縮させることができる。これにより、従来、乾燥キルン設備が必要としていた再生重油を不要にすることができる。尚、配管35から排出される空気の温度は20℃程度に下がり、下部空間31を経て排出される温水の温度は30℃程度に下がっている。
【0027】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る澱物乾燥装置によれば、溶融炉6に設けられた冷却装置である水冷ジャケット8の循環水との間で第一の熱交換器12によって熱交換した温水を澱物乾燥装置100の下部空間31のロードヒーティング部36に導入すると共に、第二の熱交換器13によって熱交換された廃熱を上部空間32に導入して澱物20の乾燥を行うことにより、中和澱物の乾燥処理のコストを大幅に低減することができるという効果がある。
【0028】
以上のように、好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る澱物乾燥装置は、流動床式ガス化溶融炉を用いたシステムの設備に限らず、炉体から常温以上の排ガス、排水が得られるガス化溶融炉の全般に採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、所定温度以上の廃熱を排出し、かつ澱物のような乾燥処理を必要とする被乾燥物を排出する設備に澱物乾燥設備を付加することによって、ガス化溶融炉による澱物以外の被乾燥物の乾燥用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 粉砕設備
2 ガス化炉
3 選別機
4 磁選機
5a 非鉄金属類
5b 鉄スクラップ
6 溶融炉
7 スラグ
8 水冷ジャケット
9 ポンプ
10 タンク
11 配管
12 第一の熱交換器
13 第二の熱交換器
14 排ガス処理設備
15 ダスト
16 中和塔
17 ミストコットレル
18 排気ファン
19 煙突
20 澱物
21 シックナー
22 ファン
23 温水
24 配管
25 冷却水
30 床
31 下部空間
32 上部空間
33 覆蓋部材
34 配管
35 配管
36 ロードヒーティング部
37 出入口
38 構造体
40 撹拌装置
41 可動部
42 ガイドレール
43 鋤き
100 澱物乾燥装置
200 ガス化溶融システム
300 ガス化溶融炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を収容する収容スペースとなる上部空間と、前記上部空間の下部側に床部によって区分された下部空間を有して形成された密閉可能な建屋を備え、
産業廃棄物をガス化炉下部から空気を吹き込みながら流動層を形成して熱分解することによってガス化し、当該産業廃棄物に含まれる鉄及び非鉄金属類を回収すると共に、前記ガス化炉と連通された溶融炉に前記熱分解ガスを導入してスラグを生成するガス化溶融炉の当該溶融炉を冷却するために冷却装置によって熱交換された熱媒体を前記下部空間に配置されたロードヒーティング内に導入すると共に、前記溶融炉を通過する排ガスから廃熱を回収するための第一の熱交換器によって熱交換された加熱空気を前記上部空間に導入することにより、前記上部空間内に収容された前記被乾燥物を乾燥することを特徴とする廃熱を利用した澱物乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、
前記冷却装置は、循環水によって前記溶融炉を冷却する水冷ジャケット構造を有すると共に、前記熱媒体は水であり、
前記溶融炉を冷却することによって自らは加温された循環水を第二の熱交換器によってさらに冷却するために熱交換された後の温水を前記下部空間に配置された前記ロードヒーティング内に導入することを特徴とする廃熱を利用した澱物乾燥装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、
前記上部空間に収容された前記被乾燥物を撹拌するための撹拌装置をさらに備えてなることを特徴とする廃熱を利用した澱物乾燥装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の廃熱を利用した澱物乾燥装置において、
前記被乾燥物が、前記ガス化溶融炉の排ガスを処理する排ガス処理設備を構成するバグフィルターによって捕集された飛灰を水浸出した澱物及び/又は前記ガス化溶融炉の前記排ガス処理設備によって処理された排ガスをさらに冷却洗浄した後の排水から排出された中和澱物であることを特徴とする廃熱を利用した澱物乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−206696(P2011−206696A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77349(P2010−77349)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】