説明

廃画像形成物質検出装置及び画像形成装置

【課題】廃トナー等の物質を収納する収納器が画像形成装置本体に装着されているか否かと、収納器内において物質が増加しているか否かとを、収納器のコストを抑制しつつ単一のセンサで検知する廃画像形成物質及びこれを備えた画像形成装置の提供。
【解決手段】発光部と受光部とで形成される検知領域を有する検知手段81と、収納器41が画像形成装置本体(以下、「本体」)に装着されたときに検知領域に進入し、収納器41内の物質が増加するとこれを受け入れて遮光状態となる被検知部41aと、本体に収納器41が装着されると検知領域に進入して光の一部を遮光する半遮光部材82と、受光部の受光強度に応じて、収納器41が本体に装着されているかと、収納器41が本体に装着されている状態において収納器41内の物質が増加しているかとを判断する判断手段40とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられる、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとを検知する廃画像形成物質検出装置及びこれを備えたかかる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、画像形成の過程で生じた廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃トナーボックス等の廃画像形成物質収納器が用いられる場合がある(たとえば〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。このような画像形成装置において、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されているか否かと、廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加しているか否かとを、単一のセンサで検知せんとする技術が提案されている(たとえば〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。
【0003】
かかる技術として、たとえば、廃トナーボックスに一定量以上の廃トナーが蓄積されたときに廃トナーで遮光状態となる単一のフォトセンサと、廃トナーボックスの装着時にはフォトセンサの検知領域から退避する一方、廃トナーボックスが装置から取り外されるとフォトセンサの検知領域に進入しフォトセンサを遮光状態とする遮光機構とを用いる技術がある(たとえば〔特許文献1〕参照)。
【0004】
また、かかる技術として、たとえば、廃トナーの回収容器内に、廃トナー均し部材と同期して周期的に動作しセンサの出力信号を変化させる検知補助部材を設け、出力信号が周期的にHigh→Lowを繰り返せば回収容器が装着され廃トナーを収納可能であると判断し、出力信号が常にLowであれば回収容器が装着され廃トナー満タンと判断し、出力信号が常にHighであれば回収容器が未装着と判断する技術がある(たとえば〔特許文献2〕参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前者の技術においては、廃トナーボックスの未装着状態と廃トナーボックス内の廃トナーが所定量以上溜まった状態との何れにおいてもフォトセンサが遮光状態となりフォトセンサの出力に差が生じないことから、装置側でこれら2つのどちらの状態であるか判断不能である。そして、フォトセンサが遮光状態となった場合にユーザが廃トナーボックスの有無を目視で確認する必要があり、手間がかかってしまう。
【0006】
また、後者の技術においては、回収用器内の構造が複雑であるため回収容器のコストが高く、また、回収容器が消耗品であり廃トナーが一杯になると交換される場合にランニングコストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられる、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとを、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ単一のセンサで検知する廃画像形成物質検出装置及びこれを備えたかかる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、発光手段と、この発光手段からの光を受けるための受光手段と、前記発光手段と前記受光手段とによって形成される検知領域とを有する検知手段と、廃画像形成物質収納器と一体であり廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されたときに前記検知領域に進入し、廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加したときに廃画像形成物質を受け入れ、廃画像形成物質を受け入れることで遮光状態となる被検知部と、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されたことを条件に前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光するための半遮光部材と、前記受光手段の受光強度に応じて、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されているか否かと、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されている状態において廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加しているか否かとを判断する判断手段とを有する廃画像形成物質検出装置にある。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃画像形成物質検出装置において、前記半遮光部材を画像形成装置本体側に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の廃画像形成物質検出装置において、前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の廃画像形成物質検出装置において、画像形成装置本体内部を閉じた状態とする閉じ位置と画像形成装置本体内部を開放した状態とする開放位置との間で変位し、前記開放位置を占めたときに廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に着脱可能となる開閉部材を有し、前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着され、前記開閉部材が前記閉じ位置を占めると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の廃画像形成物質検出装置において、前記開閉部材は、前記閉じ位置を占めると、画像形成装置本体外部から前記受光手段に向かう光を遮光することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の廃画像形成物質検出装置において、画像形成装置本体から廃画像形成物質収納器が離脱し、前記開閉部材が前記開放位置を占めたときに、前記受光手段を被うカバー部材を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の廃画像形成物質検出装置において、前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の廃画像形成物質検出装置において、前記カバー部材の厚みを前記半遮光部材の厚みより大きくすることで、前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項6ないし8の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、前記カバー部材は、前記半遮光部材と一体であることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、前記被検知部を、廃画像形成物質収納器を画像形成装置本体に装着したときに画像形成装置本体と連結して廃画像形成物質収納器内部に廃画像形成物質を受け入れる、廃画像形成物質収納器に備えられた連結部に対し、廃画像形成物質収納器の異なる面に配設したことを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、前記半遮光部材の、前記発光手段から出射される波長の光に対する透過率を、40ないし60%としたことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置を備え、前記被検知部を有する廃画像形成物質収納器を着脱され、この廃画像形成物質収納器を装着された状態でこの廃画像形成物質収納器に廃画像形成物質を収納する画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、発光手段と、この発光手段からの光を受けるための受光手段と、前記発光手段と前記受光手段とによって形成される検知領域とを有する検知手段と、廃画像形成物質収納器と一体であり廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されたときに前記検知領域に進入し、廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加したときに廃画像形成物質を受け入れ、廃画像形成物質を受け入れることで遮光状態となる被検知部と、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されたことを条件に前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光するための半遮光部材と、前記受光手段の受光強度に応じて、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されているか否かと、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されている状態において廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加しているか否かとを判断する判断手段とを有する廃画像形成物質検出装置にあるので、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能な廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0021】
前記半遮光部材を画像形成装置本体側に設けたこととすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能な廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0022】
前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することとすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着による半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能な廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0023】
画像形成装置本体内部を閉じた状態とする閉じ位置と画像形成装置本体内部を開放した状態とする開放位置との間で変位し、前記開放位置を占めたときに廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に着脱可能となる開閉部材を有し、前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着され、前記開閉部材が前記閉じ位置を占めると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することとすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能な廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0024】
前記開閉部材は、前記閉じ位置を占めると、画像形成装置本体外部から前記受光手段に向かう光を遮光することとすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、開閉部材が閉じ位置を占めることによる遮光によって、コストを抑制しつつ検知手段の検知精度も向上した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0025】
画像形成装置本体から廃画像形成物質収納器が離脱し、前記開閉部材が前記開放位置を占めたときに、前記受光手段を被うカバー部材を有することとすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、カバー部材による遮光及び防塵によって、検知手段の検知精度を向上した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0026】
前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたこととすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、反射光部材より遮光性の高いカバー部材による遮光及び防塵によって、検知手段の検知精度を向上した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0027】
前記カバー部材の厚みを前記半遮光部材の厚みより大きくすることで、前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたこととすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、反射光部材より厚いことで遮光性の高いカバー部材による遮光及び防塵によって、検知手段の検知精度を向上した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0028】
前記カバー部材は、前記半遮光部材と一体であることとすれば、廃画像形成物質収納器のコストを抑制しつつ、画像形成装置本体への廃画像形成物質収納器の装着及び開閉部材が閉じ位置を占めることによる半遮光部材の作用により、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、半遮光部材と一体のカバー部材による遮光及び防塵によって、コストを抑制しつつ検知手段の検知精度を向上した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0029】
前記被検知部を、廃画像形成物質収納器を画像形成装置本体に装着したときに画像形成装置本体と連結して廃画像形成物質収納器内部に廃画像形成物質を受け入れる、廃画像形成物質収納器に備えられた連結部に対し、廃画像形成物質収納器の異なる面に配設したこととすれば、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能であるとともに、廃画像形成物質による被検知部の汚れを抑制して検知手段の検知精度の低下を抑制した廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0030】
前記半遮光部材の、前記発光手段から出射される波長の光に対する透過率を、40ないし60%としたこととすれば、単一の検知手段を用いても、かかる光に対する反射九部財の透過率が調整されていることにより、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを高い精度で区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能で信頼性の高い廃画像形成物質検出装置を提供することができる。
【0031】
本発明は、かかる廃画像形成物質検出装置を備え、前記被検知部を有する廃画像形成物質収納器を着脱され、この廃画像形成物質収納器を装着された状態でこの廃画像形成物質収納器に廃画像形成物質を収納する画像形成装置にあるので、単一の検知手段を用いても、廃トナー等の廃画像形成物質を収納する廃画像形成物質収納器がかかる画像形成装置本体に装着されているか否かと、かかる廃画像形成物質収納器内において廃画像形成物質が増加しているか否かとによって検知手段の出力が異なることでこれらを区別して判断することが可能であり、コストを抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の概略斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に着脱される廃画像形成物質収納器の概略斜視図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に備えられた廃画像形成物質検出装置の概略図である。
【図5】図4に示した廃画像形成物質検出装置に備えられた検出手段の概略平面図である。
【図6】図4に示した廃画像形成物質検出装置の一部の制御ブロック図である。
【図7】図1に示した画像形成装置に備えられた廃画像形成物質検出装置の、廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加した状態における概略図である。
【図8】図4に示した廃画像形成物質検出装置の一部の概略図である。
【図9】図4に示した廃画像形成物質検出装置において判断手段によってなされる判断の態様を示したチャートである。
【図10】図4に示した廃画像形成物質検出装置において行われる制御の一部を示したフローチャートである。
【図11】図1に示した画像形成装置に備えられた廃画像形成物質検出装置の他の形態の一部の概略図である。
【図12】図11に示した廃画像形成物質検出装置の第1の状態を示す概略側面図である。
【図13】図11に示した廃画像形成物質検出装置の第2の状態を示す概略側面図である。
【図14】図11に示した廃画像形成物質検出装置の第3の状態を示す概略側面図である。
【図15】図11に示した廃画像形成物質検出装置の第4の状態を示す概略側面図である。
【図16】図11に示した廃画像形成物質検出装置の第5の状態を示す概略側面図である。
【図17】図11に示した廃画像形成物質検出装置において判断手段によってなされる判断の態様を示したチャートである。
【図18】図11に示した廃画像形成物質検出装置において行われる制御の一部を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1に本発明を適用した、カラー画像を形成可能な多色画像形成装置である画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタとファクシミリとの複合機であるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。
【0034】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての潜像担持体である円筒状の回転体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式の画像形成装置である。
【0035】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる転写搬送ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
【0036】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写ベルト11の移動方向であるA1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像形成部としての作像部たる画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0037】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11によって搬送される記録媒体である転写媒体たる転写紙に対しそれぞれ重畳転写されるようになっている。したがって、画像形成装置100は、カラータンデム直接転写方式の画像形成装置となっている。
【0038】
転写紙に対する重畳転写は、転写ベルト11により転写紙がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写紙の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャとしての転写器12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11と対向位置である転写位置にて行われる。
【0039】
転写ベルト11は、その全層をゴム剤等の弾性部材を用いて構成した弾性ベルトである。転写ベルト11は、単層の弾性ベルトであっても良いし、その一部を弾性部材とした弾性ベルトであっても良いし、従来から用いられている、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いても良く、非弾性ベルトであっても良い。
【0040】
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた転写搬送装置であるベルトユニットとしての転写ユニットたる転写ベルトユニット10とを有している。
【0041】
画像形成装置100はまた、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載したシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙を、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0042】
画像形成装置100はまた、トナー像を転写された転写紙に同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着装置6を経た転写紙を本体99の外部に排出する排紙ローラ7と、本体99の上面をなしたカバー99aによって構成され排紙ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙を積載する排紙部としての排紙トレイ17とを有している。
【0043】
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に配設され、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに露光を行う書き込み手段である光書き込み装置としての書込み装置たる光走査装置8と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像形成物質としてのトナーを充填されたトナーホッパとしての図示しないトナーボトルとを有している。
【0044】
画像形成装置100はまた、図示しないCPU75、ROM、RAM等の記憶手段等を備え、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの駆動制御など、画像形成装置100の動作全般を制御する制御手段としての制御部40と、画像形成装置100の種々の状態を表示することが可能となった表示手段である表示装置としての図6に示す表示部42を備えるとともに操作者すなわちユーザにより画像形成装置100に対して種々の設定を行うことを可能とした入力手段としての図1に示す操作パネル76と、図2に示すように、画像形成によって生じた廃画像形成物質すなわち不要となったトナーである廃トナーを収納し貯留する廃画像形性物質収納器としての廃トナーボトルである廃トナーボックス41とを有している。
【0045】
図1に示すように、転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、転写ベルト11を巻き掛けられた、複数の巻き掛け部材としての、駆動部材である駆動ローラを兼ねた転写入口ローラ72と、従動ローラ73と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11をクリーニングする転写ベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置18とを有している。
【0046】
転写入口ローラ72は、図示しない駆動源としてのモータの駆動により回転駆動され、これによって、転写ベルト11がA1方向に回転駆動される。転写入口ローラ72は図示しない電源に接続され、転写ベルト11が転写紙を静電吸着するよう転写ベルト11を帯電する帯電手段としての帯電ローラとして機能するようになっている。
従動ローラ73は、転写ベルト11が一定の張力で回転駆動されるように転写ベルト11を付勢するテンションローラとして機能するようになっている。
【0047】
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLY、LM、LC、LBKをそれぞれ発するものである。光走査装置8は、カバー99aを矢印C1方向に回動させるとカバー99aと一体で移動し、本体99の内部を開放するようになっている。
【0048】
定着装置6は、図示しない熱源を有する加熱ローラである定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した転写紙を定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。定着装置6は、光走査装置8がカバー99aとともに矢印C1方向に回動されると本体99外に向けて露出し、本体99外に取り出し可能となっており、定着装置6の交換や、ジャム処理等のメンテナンスが容易に行なわれるようになっている。
【0049】
シート給送装置61は、転写紙を積載した給紙カセットである給紙トレイ15と、給紙トレイ15上に積載された転写紙を送り出す給紙コロ16とを有している。給紙トレイ15は、本体99に対し、図2に示すように、矢印F方向に着脱自在となっている。
【0050】
廃トナーボックス41は、本体99の背面に位置する廃トナーカバーとしてのカバー99bを矢印D1方向に回動して本体99の内部を開放すると本体99の外部に向けて露出し、矢印E1方向に取り出し可能となるようになっている。カバー99bは、D1方向に回動すると本体99の内部を開放した状態とする開放位置を占め、D2方向に回動すると本体99の内部を閉じた状態とする閉じ位置を占める開閉部材として機能する部材であって、開放位置と閉じ位置との間で変位し、開放位置を占めたときに廃トナーボックス41が本体99に着脱可能となる。
【0051】
廃トナーボックス41は、図2に示すように本体99内の定位置に装着された状態で、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKのそれぞれによって構成された後述するプロセスカートリッジと連結する態様で本体99と連結し、廃トナー等を受け入れる、その上面に設けられた、図3に示す連結部41Y、41M、41C、41BKを有している。
【0052】
廃トナーボックス41はまた、本体99内の定位置に装着された状態で、本体99の内側に向くE2方向に向く側面に突設された、透明部41aと、凸部41bとを有している。透明部41aは、かかる側面の、鉛直方向である図3の紙面上下方向における比較的上部に突設されている。凸部41bは、かかる側面の、透明部41aよりもさらに上部に突設されている。
【0053】
透明部41aは、透明なプラスチックによって形成されている。透明部41aは、廃トナーボックス41の内部空間と連通する内部空間を有しており、廃トナーボックス41内に収納されているトナー等の物質の量が増加し、その嵩が、透明部41aの水準にまで至ると、かかる物質がその内部空間に進入するようになっている。凸部41bは廃トナーボックス41の本体と同じ材質で中実に形成されている。
【0054】
透明部41aは、廃トナーボックス41の、連結部41Y、41M、41C、41BKを備えた上面である側面と異なる側面に配設されており、これにより、その表面に廃トナー等が付着することが防止ないし抑制されている。
廃トナーボックス41のその余の点については後述する。
【0055】
画像ステーション60Y、60M、60C、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像ステーション60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、M、C、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
【0056】
感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中時計方向であるその回転方向B1に沿って、転写器12Yと、感光体ドラム20Yをクリーニングするためのクリーニング手段としてのクリーニング装置70Yと、感光体ドラム20Yを高圧に帯電するための帯電手段としての帯電器である帯電装置30Yと、イエロー色のトナーを封入し感光体ドラム20Yを現像するための現像手段としての現像ユニットである現像装置50Yとを有している。ビームLYは方向B1における帯電装置30Yと現像装置50Yとの間の位置において感光体ドラム20Yの表面に照射される。
【0057】
画像ステーション60Yは、以上述べた構成のうち、転写器12Yを除き、一体で、本体99に着脱される感光体ドラムユニットとしてのプロセスカートリッジを構成している。このようにプロセスカートリッジ化して一体で本体99に着脱可能とすることは、その劣化等による交換及びプロセスカートリッジ自身やジャム処理等のその周辺のメンテナンス性を高度に向上させるという利点がある。かかるプロセスカートリッジは、光走査装置8がカバー99aとともに矢印C1方向に回動されると本体99外に向けて露出し、本体99外に取り出し可能となるようになっている。
【0058】
以上のような構成により、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのビームLYの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成される。この静電潜像の形成は、ビームLYが、紙面垂直方向である主走査方向に走査するとともに、感光体ドラム20YのB1方向への回転により、感光体ドラム20Yの円周方向である副走査方向へも走査することによって行われる。
【0059】
このようにして形成された静電潜像には、現像装置50Yにより供給される帯電したイエロー色のトナーが付着し、イエロー色に現像されて顕像化され、現像により得られたイエロー色の可視画像たるトナー像は、転写器12YによりA1方向に移動する転写紙に転写され、転写後に残留したトナー等の異物はクリーニング装置70Yにより掻き取り除去され連結部41Yを通って廃トナーボックス41内部に収納され備蓄されて、感光体ドラム20Yは、帯電装置30Yによる次の帯電に供される。
【0060】
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、転写器12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する転写紙上の同じ位置に順次転写される。
【0061】
感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKと転写ベルト11との間に搬送されてきた転写紙は、シート給送装置61から繰り出され、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、感光体ドラム20Y上のトナー像の先端部が転写ベルト11に対向するタイミングで送り出されたものである。
【0062】
転写紙は、すべての色のトナー像を順次転写され、担持すると、転写ベルト11から剥離して定着装置6に進入し、定着ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、この定着処理により、転写紙上に合成カラー画像たるカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、排紙ローラ7を経て、排紙トレイ17上にスタックされる。一方、転写紙の搬送を終えた転写ベルト11は、除電器74によって除電されてからクリーニング装置18によってクリーニングされ、次の転写紙の搬送に備える。
【0063】
このような画像形成の過程で、廃トナーボックス41内には、廃トナーその他の紙粉等の異物が収納されていき、廃トナーボックス41はこの異物によって一杯になっていく。廃トナーボックス41は、異物によって一杯になると交換する必要がある。また、廃トナーボックス41が本体99に装着されずに画像形成が行われると異物が本体99内に飛散することとなり問題である。
【0064】
そのため、画像形成装置100は、廃トナーボックス41が本体99に装着されているか否かと、廃トナーボックス41が本体99に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しているか否かとを検出するための、図4に示す廃画像形成物質検出装置80を有している。
【0065】
廃画像形成物質検出装置80は、かかる検出を行うために備えられた単一の検知手段である検知部材としてのセンサ81と、すでに述べたように廃トナーボックス41に備えられた透明部41aと、センサ81によって検知される半遮光部材としての検知補助部材82とを有している。
【0066】
廃画像形成物質検出装置80はまた、センサ81の検知信号を入力され、入力された検知信号に基づいて廃トナーボックス41が本体99に装着されているか否かと、廃トナーボックス41が本体99に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しているか否かとを判断する、制御部40の一機能として実現された判断手段と、検知補助部材82を支持した半遮光部材支持手段としての支持部83とを有している。
【0067】
図5に示すように、センサ81は、発光手段としてのLEDによって構成された発光部81aと、発光部81aによって発せられた光を受ける受光手段としてのフォトセンサによって構成された受光部81bと、発光部81aと受光部81bとの間に位置し後述するように透明部41aと検知補助部材82とを受け入れ可能となっている検知領域としての検知部81cとを有している。センサ81は、本体99に固定されている。
【0068】
発光部81aは、波長950nmの光を射出するものであり、図6に示すように制御部40によって駆動を制御される。この点、制御部40は発光制御手段として機能する。受光部81bは、受けた光の強度すなわち受光強度に関する信号を出力信号として制御部40に入力する。検知部81cは発光部81aと受光部81bとの位置関係によってその位置が決まるものであり、発光部81aと受光部81bとによって形成されている。制御部40は判断手段として機能する制御部40によって行われた判断に基づいて表示部42に表示命令を入力し表示部42に後述する所定の表示を行わせる。この点、制御部40は、表示制御手段として機能する。表示部42はかかる表示を行う点において廃画像形成物質検出装置80を構成している。
【0069】
図4、図7に示すように、透明部41aは、廃トナーボックス41と一体であり廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されたときに検知部81cに進入する。透明部41aは、廃トナーボックス41内の異物が増加したときに、図7に示すようにこの異物をその内部空間に受け入れ、この異物を内部空間に受け入れることで、検知部81cに進入した状態で、発光部81aから受光部81bに向かう光を遮光状態とする被検知部として機能するものである。その一方で、透明部41aは、かかる異物が内部空間にない状態においては、図4に示すように、検知部81cに進入している状態であっても、発光部81aから受光部81bに向かう光を遮光状態とすることはない。透明部41aの内部空間に異物がある状態を透明部41aの遮光状態といい、異物がない状態を透明部41aの透光状態という。
【0070】
検知補助部材82は、発光部81aから発せられる波長950mmの光の透過率が50%となる、半透明の部材で形成されており、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されたことを条件に凸部41bの先端に係合し凸部41bに押されてその先端部が検知部81cに進入し、発光部81aから受光部81bに向かう光の一部具体的には半分を遮光して半遮光状態とする。
【0071】
このように、凸部41bは、検知補助部材82に当接する態様で係合する当接部、係合部として機能する。この当接部、係合部は、凸部41bのように廃トナーボックス41に突設するのでなく、凹設し、検知補助部材82側を凸形状としても良いが、凹設すると廃トナーボックス41の異物の収納許容量が減少するため、突設することが望ましい。また、異物の収容許容量を増加させるため、かかる当接部、係合部を突設する場合には、これを中空とし、その内部空間が廃トナーボックス41の本体の内部空間と連通するようにすることが好ましい。
【0072】
検知補助部材82の、発光部81aから発せられる波長950mmの光の透過率は、40%ないし60%の範囲であれば良い。これは、この範囲であれば、受光部81bから判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号によって表される、受光部81bが受けた光の強度により、判断手段として機能する制御部40において、透明部41aの透光状態において検知補助部材82の先端部が検知部81cから離脱しているか、透明部41aの透光状態において検知補助部材82の先端部が検知部81cに進入しているか、透明部41aが遮光状態にあるかの何れかであると、高精度に区別され判断されるためである。
【0073】
支持部83は、検知補助部材82の先端部を、検知部81cに進入させた位置と、検知部81cから離脱させた位置との間で変位させるために設けられている。図8に示すように、支持部83は、検知補助部材82の基端側を支持した軸83aと、軸83aの両端を回転自在に支持して軸支した、本体99に備えられた保持部83bと、軸83aに巻き付けられ検知補助部材82の先端部が検知部81cから離脱するよう軸83aをG1方向に向けて付勢した付勢部材としてのコイルばね83cと、コイルばね83cの付勢力に抗して検知補助部材82の先端部が検知部81cから離脱した位置で検知補助部材82を回り止めする、本体99に備えられた規制部としてのピン83dとを有している。
【0074】
このように、検知補助部材82は本体99側に設けられており、廃トナーボックス41に備えられることがないため、廃トナーボックス41のコストが抑制されている。そして、廃トナーボックス41がE2方向に移動され本体99の定位置に装着されるとき、まず凸部41bが検知補助部材82に当接し、コイルばね83cの付勢力に抗してさらに廃トナーボックス41がE2方向に移動されると、検知補助部材82の先端部が検知部81cに進入して発光部81aから受光部81bに向かう光の一部、具体的は半分を遮断するとともに、透明部41aも検知部81cに進入する。
【0075】
このような構成の廃画像形成物質検出装置80においては、判断手段として機能する制御部40により、廃トナーボックス41が本体99に装着されているか否かと、廃トナーボックス41が本体99に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しているか否かとに関する判断に基づいて、図9に示すように、第1ないし第3のパターンが検出される。第1ないし第3のパターンのそれぞれについて以下説明する。
【0076】
・第1のパターン
廃トナーボックス41が本体99から取り出され本体99に装着されていない状態である。
【0077】
この状態では、図5、図8(b)に示されているように、検知部81cに透明部41aも検知補助部材82も進入していないため、発光部81aから発せられた光はそのまま直接受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はHighとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99に装着されていないと判断する。
【0078】
・第2のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しておらず、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕がまだ大きい状態である。
【0079】
この状態では、図4、図8(a)に示されているように、検知部81cに透明部41a及び検知補助部材82が進入しているものの、透明部41aの内部空間に異物が存在しないため、発光部81aから発せられた光は透明部41aをほぼそのまま透過するとともに、検知補助部材82によって半分が遮光され、もう半分が検知補助部材82を透過して受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はMiddleとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しておらず、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕がまだ大きいと判断する。
【0080】
・第3のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しており、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕が小さいか、かかる余裕がない状態である。
【0081】
この状態では、図7に示されているように、検知部81cに透明部41a及び検知補助部材82が進入しているとともに、透明部41aの内部空間に異物が存在しているため、発光部81aから発せられた光は透明部41aによって遮光され、受光部81bに届くことがなく、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はLowとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しており、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕が小さいか、かかる余裕がない状態であると判断する。
【0082】
このような判断を行ううえで判断手段として機能する制御部40において用いられる、図9に示す受光部81bの受光レベルLvに関する閾値a、bはそれぞれ、判断手段として機能する制御部40に入力される、出力信号HighとMiddleとの間の値、出力信号MiddleとLowとの間の値である。
【0083】
判断手段として機能する制御部40が閾値a、bを用いて上述のようにして行う判断及びこの判断に基づいて行う表示部42への表示及び動作についての指示を、図9を参照しながら図10に沿って説明する。
【0084】
判断手段として機能する制御部40は、画像形成開始信号が入力されると、発光部81aを駆動して受光部81bから出力信号を取得し、これを閾値aと比較して(S101)、閾値aより大きい場合は、パターン1の廃トナーボックス41が装着されていない状態であると判断し、「廃トナーボックスをセットしてください」というメッセージを表示部42に表示させるとともに、画像形成を禁止して画像形成動作を停止する(S102)。
【0085】
ステップS101において、受光部81bから取得した出力信号が閾値a以下である場合は、かかる出力信号を閾値bと比較し(S103)、閾値b以上である場合は、パターン2の、廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕がある状態であると判断し、表示部42に、画像形成可能である旨の「Ready」という表示を行わせるとともに、画像形成カウンタを0に更新して(S104)、画像形成を行う(S105)。
【0086】
ステップS103において、受光部81bから取得した出力信号が閾値bより小さい場合は、パターン3の、廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕が少ないものの画像形成が可能であると判断し、「新しい廃トナーボックスを用意してください」というメッセージを表示部42に表示させ廃トナーボックスニアエンド表示を行う(S106)とともに、画像形成を行って、画像形成カウンタに1を加算する(S107)。
【0087】
次いで、画像形成カウンタがNより大きいか否かを判断し(S108)、大きい場合は、パターン3において廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕が無いと判断し、「廃トナーボックスを交換してください」というメッセージを表示部42に表示させ廃トナーボックス交換表示を行うとともに、画像形成を禁止して画像形成動作を停止する(S109)。ここで、かかるNの値は、初めてパターン3と判断されてから許容される画像形成回数であり、異物が透明部41aの内部空間に進入した後に廃トナーボックス41内に収納可能な量の異物を発生させる画像形成回数に対応している。
【0088】
図11以下を参照して、廃画像形成物質検出装置80の別の形態例を説明する。この形態例は、上述の形態例に対して、カバー99bの開閉状態を、画像形成可否の判断条件に加えている。なお、本形態例において、上述した形態例と同様の部材等については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0089】
この形態例において、検知補助部材82を支持した半遮光部材支持手段としての支持部83は、検知補助部材82を上方向H1及び下方向H2にスライド移動するように保持した、本体99と一体の部材によって構成された図示しない保持部と、検知補助部材82を付勢した付勢部材であるばね83eとを有している。ばね83eは上端が本体99に固定され、下端が検知補助部材82に固定されている。ばね83eは、図11に示すごとく、検知補助部材82の下端を本体99と一体の位置決め部99cに当接させるように、検知補助部材82を下方向H2に向けて付勢した押圧ばねである。図11、図12に示した状態において検知補助部材82が占めている位置を基本位置とする。
【0090】
なお、ばね83eは、検知補助部材82の自重により検知補助部材82の下端が位置決め部99cに当接するものであれば、引張りばねであっても良いし、本体99に垂下されたひも状の部材であっても良い。このように、検知補助部材82は本体99側に設けられており、廃トナーボックス41に備えられることがないため、廃トナーボックス41のコストが抑制されている。図12以降において支持部83の図示は省略している。
【0091】
検知補助部材82は、その下端位置に設けられ基本位置において位置決め部99cに当接し、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されるとき、凸部41bが当接する当接部としての被当接部82aと、被当接部82aの真上に設けられ廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されたことを条件に検知部81cに進入する被検知部82bと、基本位置においてセンサ81を覆うカバー部材としてのカバー部82cと、その上端位置に設けられカバー99bに当接する態様で係合可能な当接部としての係合部82dとを有している。
【0092】
図12に示すように、凸部41bは、透明部41aの下方に位置し、その上縁が、廃トナーボックス41の本体から離れるほど下方に位置するように傾斜している。
被当接部82aは、かかる形状の凸部41bを受け入れる凹部として形成されており、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されるとき、その内面が凹部41bの上縁に当接して乗り上げることで検知補助部材82を上方向H1に持ち上げ、図13に示すように、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されると、検知補助部材82を基本位置から上方に第1の所定量であるα移動させるようになっている。図13に示した状態において検知補助部材82が占めている位置を第1の位置とする。検知補助部材82が第1の位置を占めている状態において、被検知部82bは検知部81cの下方に位置している。同図に示した状態において、透明部41aは検知部81cに進入している。
【0093】
検知補助部材82は、カバー部82cを除く部分の板厚を1mm、カバー部82cの板厚を2.5mmとされており、このようにカバー部82cの厚みを検知補助部材82のその他の部分より大きくすることで、センサ81、より具体的には受光部81bに対するカバー部82cの遮光性を、検知補助部材82のその他の部分より高くしている。また、これにより、同一材料を用いて検知補助部材82を一体成形することで、被検知部82bの、発光部81aから発せられる波長950mmの光の透過率を50%とするとともに、カバー部82cの遮光性を確保している。
【0094】
カバー部82は、カバー99bが開放位置を占め廃トナーボックス41が本体99から取り出された状態において、センサ81の少なくとも受光部81bの露出を防止するために設けられている。カバー部82cの遮光性は、カバー99bが開放位置を占め、廃トナーボックス41が本体から取り出された状態となったとき、センサ81の少なくとも受光部81bに対して、十分に得られる程度、すなわち、受光部81bの受光レベルが閾値bを下回る程度とされている。カバー部82は、このように、センサ81の少なくとも受光部81bへの外光の入射に対する防壁として機能するが、センサ81への汚れの付着に対する防壁としても機能する。これにより、センサ81の機能が経時的にも保たれ、検知精度が保たれる。
【0095】
カバー部82は本体99に固定されていても良いが、検知補助部材82に一体とすることで、部品点数が削減され、コストの抑制、取り付け作業の簡素化という利点が得られる。
カバー99bが閉じ位置を占めているときの、センサ81の少なくとも受光部81bに対する遮光性は、カバー99bによって得られる。すなわち、カバー99bは、閉じ位置を占めると、本体99の外部から受光部81bに向かう光が、受光部81bの受光レベルが閾値bを下回る程度に遮断される。
【0096】
カバー99bは、係合部82dに係合可能な凸部99dを備えている。凸部99dは、検知補助部材82が第1の位置を占めているときに係合部82dに係合するが、検知補助部材82が基本位置を占めているときは係合部82dに係合しない。
【0097】
係合部82dは、凸部99dを受け入れる凹部として形成されており、検知補助部材82が第1の占めている状態においてカバー99bが閉じられるときに凸部99dに係合して乗り上げることで検知補助部材82を第1の位置から上方向H1に持ち上げ、図14、図15に示すように、カバー99bが閉じ位置を占めると、検知補助部材82を基本位置から上方に第2の所定量であるβ移動させるようになっている。図14に示した状態において検知補助部材82が占めている位置を第2の位置とする。検知補助部材82が第2の位置を占めると、被検知部82bは検知部81cに進入する。
【0098】
その一方で、廃トナーボックス41が本体99に装着されていない場合など、検知補助部材82が基本位置を占めているときには、図16に示すように、係合部82dは、カバー99bが閉じられても凸部99dに係合することがなく、検知補助部材82は基本位置を占めた状態を維持する。
【0099】
このように、検知補助部材82は、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されたことと、カバー99bが閉じ位置を占めたこととを条件とし、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着され、カバー99bが閉じ位置を占めると、発光部81aから受光部81bに向かう光の一部具体的には半分を遮光して半射光状態とする。
【0100】
このような構成の廃画像形成物質検出装置80においては、判断手段として機能する制御部40により、廃トナーボックス41が本体99に装着されているか否かと、廃トナーボックス41が本体99に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しているか否かとに関する判断に加えて、カバー99bが閉じられているか否かに関する判断にも基づいて、図17に示すように、第1ないし第5のパターンが検出される。第1ないし第5のパターンのそれぞれについて以下説明する。
【0101】
・第1のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されていない状態であるとともに、カバー99bが開放位置を占めている状態である。
【0102】
この状態では、図5、図12に示されているように、検知補助部材82は基本位置を占め、検知部81cに透明部41aも被検知部82bも進入していないため、発光部81aから発せられた光はそのまま直接受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はHighとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99に装着されていないか、カバー99bが閉じられていないと判断する。
【0103】
・第2のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しておらず、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕がまだ大きい状態であるとともに、カバー99bが開放位置を占めている状態である。
【0104】
この状態では、図13に示されているように、検知補助部材82は第1の位置を占め、検知部81cに透明部41aが進入しているものの、被検知部82bは検知部81cの下方にあって検知部81cに進入しておらず、また透明部41aの内部空間に異物が存在しないため、発光部81aから発せられた光は透明部41aをほぼそのまま透過して受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はHighとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99に装着されていないか、カバー99bが閉じられていないと判断する。
【0105】
・第3のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しておらず、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕がまだ大きい状態であるとともに、カバー99bが閉じ位置を占めている状態である。
【0106】
この状態では、図14に示されているように、検知補助部材82は第2の位置を占め、検知部81cに透明部41a及び被検知部82bが進入しているものの、透明部41aの内部空間に異物が存在しないため、発光部81aから発せられた光は透明部41aをほぼそのまま透過するとともに、被検知部82bによって半分が遮光され、もう半分が被検知部82bを透過して受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はMiddleとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しておらず、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕がまだ大きいとともに、カバー99bが閉じられていると判断する。
【0107】
・第4のパターン
廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しており、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕が小さいか、かかる余裕がない状態であるとともに、カバー99bが閉じ位置を占めている状態である。
【0108】
この状態では、図15に示されているように、検知補助部材82は第2の位置を占め、検知部81cに透明部41a及び被検知部82bが進入しているとともに、透明部41aの内部空間に異物が存在しているため、発光部81aから発せられた光は透明部41aによって遮光され、受光部81bに届くことがなく、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はLowとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99の定位置に装着されている状態において廃トナーボックス41内の異物が増加しており、廃トナーボックス41内に異物を回収し収納する余裕が小さいか、かかる余裕がないと状態であるとともに、カバー99bが閉じられていると判断する。
【0109】
・第5のパターン
廃トナーボックス41が本体99から取り出されている状態であるとともに、カバー99bが閉じ位置を占めている状態である。
【0110】
この状態では、図16に示されているように、検知補助部材82は基本位置を占め、検知部81cに透明部41aも被検知部82bも進入していため、発光部81aから発せられた光はそのまま直接受光部81bに届き、受光部81bの受光レベル、判断手段として機能する制御部40に入力される出力信号はHighとなる。判断手段として機能する制御部40は、廃トナーボックス41が本体99に装着されていないか、カバー99bが閉じられていないと判断する。
【0111】
このような判断を行ううえで判断手段として機能する制御部40において用いられる、図17に示す受光部81bの受光レベルLvに関する閾値a、bはそれぞれ、すでに述べたのと同様に、判断手段として機能する制御部40に入力される、出力信号HighとMiddleとの間の値、出力信号MiddleとLowとの間の値である。
【0112】
判断手段として機能する制御部40が閾値a、bを用いて上述のようにして行う判断及びこの判断に基づいて行う表示部42への表示及び動作についての指示を、図17を参照しながら図18に沿って説明する。
【0113】
判断手段として機能する制御部40は、画像形成開始信号が入力されると、発光部81aを駆動して受光部81bから出力信号を取得し、これを閾値aと比較して(S111)、閾値aより大きい場合は、パターン1、2、5の廃トナーボックス41が装着されていないか、カバー99bが開いているかの少なくとも一方の状態であると判断し、「廃トナーボックスをセットしてカバーを閉じてください」というメッセージを表示部42に表示させるとともに、画像形成を禁止して画像形成動作を停止する(S112)。
【0114】
ステップS111において、受光部81bから取得した出力信号が閾値a以下である場合は、かかる出力信号を閾値bと比較し(S113)、閾値b以上である場合は、パターン3の、廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕がある状態であると判断し、表示部42に、画像形成可能である旨の「Ready」という表示を行わせるとともに、画像形成カウンタを0に更新して(S114)、画像形成を行う(S115)。
【0115】
ステップS113において、受光部81bから取得した出力信号が閾値bより小さい場合は、パターン4の、廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕が少ないものの画像形成が可能であると判断し、「新しい廃トナーボックスを用意してください」というメッセージを表示部42に表示させ廃トナーボックスニアエンド表示を行う(S116)とともに、画像形成を行って、画像形成カウンタに1を加算する(S117)。
【0116】
次いで、画像形成カウンタがNより大きいか否かを判断し(S118)、大きい場合は、パターン4において廃トナーボックス41が装着されており廃トナーボックス41内に異物を回収する余裕が無いと判断し、「廃トナーボックスを交換してください」というメッセージを表示部42に表示させ廃トナーボックス交換表示を行うとともに、画像形成を禁止して画像形成動作を停止する(S119)。ここで、かかるNの値は、初めてパターン4と判断されてから許容される画像形成回数であり、異物が透明部41aの内部空間に進入した後に廃トナーボックス41内に収納可能な量の異物を発生させる画像形成回数に対応している。
【0117】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0118】
たとえば、本発明は、中間転写体上に順次、各色のトナー像を重ね合わせて転写し、重ね合わされたトナー像を一括して記録媒体に転写するいわゆる中間転写方式の画像形成装置にも適用可能である。本発明は、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも適用可能である。本発明は、モノクロのみの画像形成が可能な画像形成装置にも適用可能である。
【0119】
上述の説明においては、画像形成物質としてトナーを用いており、この場合、現像剤としては1成分現像剤、2成分現像剤が挙げられる。2成分現像剤を用いる場合、廃画像形成物質収納器には、現像剤の成分として、トナーに加えて、キャリアも収納され得る。画像形成物質は、トナーに限らず、インク等であっても良く、したがって画像形成装置は、トナーを用いて画像形成を行うものに限らず、インク等を用いて画像形成を行うものであっても良い。インク等を用いて画像形成を行う画像形成装置においても、画像形成方式は、直接転写方式、中間転写方式、1ドラム方式、タンデム方式を適宜組み合わせて用いることが可能であるとともに、カラーの画像形成が可能であっても、モノクロのみの画像形成が可能であっても良い。
【0120】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0121】
40 判断手段
41 廃画像形成物質収納器
41a 被検知部
41Y、41M、41C、41BK 連結部
80 廃画像形成物質検出装置
81 検知手段
81a 発光手段
81b 受光手段
81c 検知領域
82 半遮光部材
82c カバー部材
99 画像形成装置本体
99b 開閉部材
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開2003−345203号公報
【特許文献2】特開2009−63772号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光手段と、この発光手段からの光を受けるための受光手段と、前記発光手段と前記受光手段とによって形成される検知領域とを有する検知手段と、
廃画像形成物質収納器と一体であり廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されたときに前記検知領域に進入し、廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加したときに廃画像形成物質を受け入れ、廃画像形成物質を受け入れることで遮光状態となる被検知部と、
画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されたことを条件に前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光するための半遮光部材と、
前記受光手段の受光強度に応じて、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されているか否かと、廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に装着されている状態において廃画像形成物質収納器内の廃画像形成物質が増加しているか否かとを判断する判断手段とを有する廃画像形成物質検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記半遮光部材を画像形成装置本体側に設けたことを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項3】
請求項2記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着されると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項4】
請求項2記載の廃画像形成物質検出装置において、
画像形成装置本体内部を閉じた状態とする閉じ位置と画像形成装置本体内部を開放した状態とする開放位置との間で変位し、前記開放位置を占めたときに廃画像形成物質収納器が画像形成装置本体に着脱可能となる開閉部材を有し、
前記半遮光部材は、画像形成装置本体に廃画像形成物質収納器が装着され、前記開閉部材が前記閉じ位置を占めると、前記検知領域に進入して前記発光手段から前記受光手段に向かう光の一部を遮光することを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項5】
請求項4記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記開閉部材は、前記閉じ位置を占めると、画像形成装置本体外部から前記受光手段に向かう光を遮光することを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の廃画像形成物質検出装置において、
画像形成装置本体から廃画像形成物質収納器が離脱し、前記開閉部材が前記開放位置を占めたときに、前記受光手段を被うカバー部材を有することを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項7】
請求項6記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたことを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項8】
請求項7記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記カバー部材の厚みを前記半遮光部材の厚みより大きくすることで、前記受光手段に対する、前記カバー部材の遮光性を、前記半遮光部材の遮光性より高くしたことを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項9】
請求項6ないし8の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記カバー部材は、前記半遮光部材と一体であることを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記被検知部を、廃画像形成物質収納器を画像形成装置本体に装着したときに画像形成装置本体と連結して廃画像形成物質収納器内部に廃画像形成物質を受け入れる、廃画像形成物質収納器に備えられた連結部に対し、廃画像形成物質収納器の異なる面に配設したことを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置において、
前記半遮光部材の、前記発光手段から出射される波長の光に対する透過率を、40ないし60%としたことを特徴とする廃画像形成物質検出装置。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか1つに記載の廃画像形成物質検出装置を備え、前記被検知部を有する廃画像形成物質収納器を着脱され、この廃画像形成物質収納器を装着された状態でこの廃画像形成物質収納器に廃画像形成物質を収納する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−58284(P2012−58284A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198345(P2010−198345)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】