説明

延長チューブ及びプライミング方法

【課題】流動物を延長チューブ内に導入するプライミングを容易化する。
【解決手段】延長チューブ1は、容器70のポート72に接続可能な第1コネクタ11と、カテーテル90に接続可能な第2コネクタ12と、第1コネクタと第2コネクタとをつなぐ、流動物が移送される流路10と、流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブ25とを備える。シリンジ80を流路に接続し、シリンジを用いて、流路の少なくとも一部を負圧にして、流路の少なくとも一部に流動物を導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半固形化した流動物を患者に投与する際に好適に使用することができる、流動物を移送するための延長チューブに関する。また、本発明は、半固形化した流動物を患者に投与するのに先立って、当該流動物を前記延長チューブの少なくとも一部に導入するのに好適に使用することができる、流動物のプライミング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食道や口腔等の外傷、疾患又は手術等によって食物を口腔から胃に送り込むことが困難な患者に栄養や薬剤を投与する方法として経腸栄養療法が知られている。経腸栄養療法では、患者の鼻腔から胃又は十二指腸にまで通された経鼻カテーテル又は患者の腹に形成された胃ろうに挿入されたPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)カテーテルを介して栄養剤(一般に「経腸栄養剤」と呼ばれる)が投与される。
【0003】
この経腸栄養療法において投与された栄養剤が低粘度の液体であると、栄養剤が胃から食道に逆流して肺炎を併発したり、栄養剤の水分が体内で吸収されないために下痢したりする等の問題がある。
【0004】
そこで、上記問題を防止するために、経腸栄養療法では、栄養剤にトロミ剤や増粘剤を加える等して流動性を低下させた(即ち、高粘度化した)半固形化栄養剤が使用されることが多い。
【0005】
経腸栄養療法を行う場合には、栄養剤を貯蔵した容器と患者に留置したカテーテル(例えばPEGカテーテル)とは、延長チューブで接続される。図6は、栄養剤を貯蔵した容器110と接続される従来の延長チューブ100の一例を示した図である。延長チューブ100の一端(上流側端)に設けられたメス型コネクタ101は、容器110の下端のオス型コネクタ112に接続される。延長チューブ100の他端(下流側端)のオス型コネクタ102は患者に留置されたカテーテル(例えばPEGカテーテル、図示せず)の上流側端に設けられたコネクタ119に接続される。図6において、参照符号103は可撓性を有するポンプチューブである。メス型コネクタ101とポンプチューブ103とは第1チューブ104でつながれている。オス型コネクタ102とポンプチューブ103とは第2チューブ105でつながれている。第1チューブ104上には、第1チューブ104を開閉するクランプ106が設けられている。
【0006】
半固形化栄養剤は流動性が低いので、重力の作用のみで容器110から延長チューブ100及びカテーテルを順に介して患者の体内に流入させることは困難である。
【0007】
そこで、ポンプチューブ103の外表面に圧接させたローラ(図示せず)でポンプチューブ103を押し潰しながら、当該ローラを第1チューブ104側から第2チューブ105側へポンプチューブ103上を転がし移動させる注入装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような注入装置によれば、ローラの移動にともなって、ポンプチューブ103内の栄養剤を患者に向かって移動させることができる。従って、栄養剤の流動性が低くても、栄養剤を患者に投与することが可能である。
【0008】
ところで、経腸栄養療法を行う場合に、患者の体内に空気が注入されるのは好ましくない。そこで、経腸栄養療法を行うに先だって、延長チューブ100内の少なくとも一部を栄養剤で満たすプライミングと呼ばれる操作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−106359号公報
【特許文献2】特開2009−226209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、図6の構成において、栄養剤が導入されていない延長チューブ100にプライミングを行うことは、特に栄養剤の流動性が低い場合には困難であった。これは、延長チューブ100のうちの一部であるポンプチューブ103のみをローラが移動するだけでは、延長チューブ100内に大きな負圧を発生させることができず、その結果、流動性が低い栄養剤を延長チューブ100内に導入することができないためであると考えられる。
【0011】
栄養剤を、容器110のような開放系の容器ではなく、例えばシリンジに貯留すれば、シリンジのプランジャを押し込むことで栄養剤を延長チューブ内に導入することは可能である。しかしながら、シリンジとして患者に投与する全栄養剤を収納可能な大容量のシリンジを用いると、プランジャを押し込むのに大きな力を要する。一方、シリンジとして小容量のシリンジを用いると、栄養剤を複数のシリンジに小分けする必要があり、患者への投与作業が煩雑となる。
【0012】
本発明は、上記の従来の問題を解決するものである。即ち、本発明は、流動物のプライミング操作を容易に行うことができる延長チューブを提供することを目的とする。また、本発明は、流動物を延長チューブに容易に導入することができるプライミング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の延長チューブは、容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、前記第2コネクタに着脱可能な接続具とを備える。前記接続具は、前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタを備える。
【0014】
本発明の第2の延長チューブは、容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、前記流路と連通する分岐部と、前記分岐部を介して前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタとを備える。
【0015】
本発明のプライミング方法は、容器内に貯留された流動物を、延長チューブ及び患者に留置されたカテーテルを順に介して患者に投与するのに先だって、前記延長チューブの少なくとも一部に前記流動物を導入するプライミング方法である。前記延長チューブは、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブとを備える。シリンジを前記流路に接続し、前記シリンジを用いて、前記流路の少なくとも一部を負圧にして、前記流路の少なくとも一部に前記流動物を導入する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、流動物が貯留された容器と延長チューブとを接続し、延長チューブにシリンジを気密に接続する。従って、流動物の流動性が低い場合であっても、シリンジのプランジャの引き操作によって、延長チューブ内に流動物を流入させるのに十分な負圧を発生させることができる。従って、流動物を延長チューブ内に容易にプライミングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施形態1にかかる延長チューブの概略構成を示した図である。
【図2】図2は、本発明の延長チューブが接続される、流動物を貯蔵する容器の一例を示した図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態2にかかる延長チューブの概略構成を示した図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態3にかかる延長チューブの概略構成を示した図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態4にかかる延長チューブの概略構成を示した図である。
【図6】図6は、経腸栄養療法を行う場合に使用される従来の延長チューブの一例を示した図である。
【図7】図7Aは、本発明の実施形態5にかかる延長チューブを構成する接続具の平面図、図7Bはその片断面正面図、図7Cはその片断面側面図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態5にかかる延長チューブを構成する第2コネクタの正面図である。
【図9】図9Aは、本発明の実施形態5において、第2コネクタと第4コネクタとの仮接続状態を示した片断面正面図、図9Bはその片断面側面図である。
【図10】図10Aは、本発明の実施形態5において、第2コネクタと第4コネクタとの本接続状態を示した片断面正面図、図10Bはその片断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の延長チューブは、容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、前記第2コネクタに着脱可能な接続具とを備える。前記接続具は、前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタを備える。
【0019】
上記の本発明の第1の延長チューブにおいて、前記接続具は、前記第2コネクタに着脱可能な第4コネクタを備えることが好ましい。この場合、前記第3コネクタと前記第4コネクタとは、一体的に成形されていることが好ましい。これにより、接続具の製造コストを低減することができる。また、接続具を小型化することができる。
【0020】
前記接続具が前記第2コネクタに着脱可能な第4コネクタを備える場合において、前記第2コネクタと前記第4コネクタとの間に隙間を有しながら前記第2コネクタと前記第4コネクタとが分離しないように前記第2コネクタと係合する係合構造が、前記第4コネクタに設けられていることが好ましい。これにより、第4コネクタの係合構造を第2コネクタ12に係合させた状態(仮接続状態)で、第2コネクタと第4コネクタとの間の隙間に滅菌ガスを導入して滅菌処理を行うことができる。また、第4コネクタの係合構造が第2コネクタ12に係合しているので、滅菌処理後に輸送時の振動などによって第2コネクタと第4コネクタとが分離するのが防止される。
【0021】
上記において、前記係合構造が前記第2コネクタと係合した仮接続状態と、気密に接続された本接続状態とに、前記第2コネクタと第4コネクタとの接続状態を変更することができることが好ましい。これにより、延長チューブを、仮接続状態で滅菌処理を行い、滅菌状態を維持したまま保存し、プライミング操作時に本接続状態に切り替えることができる。
【0022】
前記係合構造が、前記第2コネクタの外周面に形成された段差に係合する突起であってもよい。これにより、簡単な構造の係合構造を第4コネクタに設けることができる。
【0023】
あるいは、上記の本発明の第1の延長チューブにおいて、前記接続具は、前記第3コネクタに連通した分岐部と、前記分岐部と連通した第4コネクタ及び第5コネクタとを備えることが好ましい。この場合、前記延長チューブは、前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第1開閉手段と、前記第5コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第5コネクタを開閉する第2開閉手段とを更に備えることが好ましい。前記第4コネクタは、前記第2コネクタに着脱可能であることが好ましい。
【0024】
上記において、前記第5コネクタは前記カテーテルに接続可能であることが好ましい。これにより、プライミング操作の後、シリンジを延長チューブから取り外すことなく、流動物を患者に投与することができる。
【0025】
本発明の第2の延長チューブは、容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、前記流路と連通する分岐部と、前記分岐部を介して前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタとを備える。
【0026】
上記の本発明の第2の延長チューブにおいて、前記分岐部が、前記第2コネクタに着脱可能である第4コネクタを介して前記流路と連通することが好ましい。この場合、前記延長チューブが、前記分岐部と連通した第5コネクタと、前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第1開閉手段と、前記第5コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第5コネクタを開閉する第2開閉手段とを更に備えることが好ましい。
【0027】
上記において、前記第5コネクタは前記カテーテルに接続可能であることが好ましい。これにより、プライミング操作の後、シリンジを延長チューブから取り外すことなく、流動物を患者に投与することができる。
【0028】
上記の本発明の第2の延長チューブにおいて、前記分岐部が、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の前記流路上に設けられていてもよい。この場合、前記延長チューブが、前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第3開閉手段を更に備えることが好ましい。これにより、シリンジを延長チューブに連通させるために、接続具等の別部材を用いる必要がないので、延長チューブの構成を簡素化することができる。
【0029】
上記において、前記分岐部と前記第2コネクタとの間の流路又は前記第2コネクタを開閉する第4開閉手段を更に備えていてもよい。これにより、第2の延長チューブに対するプライミング方法の種類数が増加する。
【0030】
上記の本発明の第2の延長チューブにおいて、前記第2コネクタは前記カテーテルに接続可能であることが好ましい。これにより、第2コネクタに、接続具等の別部材を介在させることなく、カテーテルを接続することができる。
【0031】
上記の本発明の第1及び第2の延長チューブが、前記流路を開閉する第5開閉手段を更に備えることが好ましい。これにより、流動物が流動性を有する場合であっても、第5開閉手段で流路を閉じることにより、流動物が意図せずに延長チューブの下流側端から漏れ出るのを防ぐことができる。
【0032】
次に、本発明のプライミング方法は、容器内に貯留された流動物を、延長チューブ及び患者に留置されたカテーテルを順に介して患者に投与するのに先だって、前記延長チューブの少なくとも一部に前記流動物を導入するプライミング方法である。前記延長チューブは、前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブとを備える。シリンジを前記流路に接続し、前記シリンジを用いて、前記流路の少なくとも一部を負圧にして、前記流路の少なくとも一部に前記流動物を導入する。
【0033】
上記の本発明のプライミング方法において、前記第2コネクタにまで前記流動物を導入することが好ましい。これにより、容器から第2コネクタまでの延長チューブの流路が流動物で満たされるので、患者の体内に注入される空気の量を少なくすることができる。
【0034】
上記の本発明のプライミング方法において、前記シリンジを用いて前記第2コネクタにまで前記流動物を導入することが好ましい。これにより、シリンジのみを用いてプライミングを完了することができる。
【0035】
あるいは、上記の本発明のプライミング方法において、前記シリンジを用いて前記流路の一部のみに前記流動物を導入し、次いで、前記ポンプチューブを装着した注入装置を用いて前記第2コネクタにまで前記流動物を導入してもよい。これにより、流動物の流動性が低いなどの理由によってシリンジのプランジャ操作に大きな力を要する場合に、作業者の負担を軽減することができる。
【0036】
前記シリンジの容量が、前記延長チューブの内容積と同じかこれより大きいことが好ましい。これにより、シリンジのプランジャの少ない引き操作数(好ましくは、1回の引き操作)で、流動物を延長チューブ内に導入することができる。また、1回の引き操作で大きな負圧を発生させることができるので、短時間で流動物を延長チューブ内に導入することができる。
【0037】
前記容器が、開放系の容器であってもよい。開放系の容器を用いた場合、流動物に圧力を印加してプライミングすることが困難である。本発明は、このような開放系の容器を用いた場合であっても、流動物を延長チューブ内に容易に導入することができる。
【0038】
前記流動物の粘度が1000mPa・s以上であってもよい。本発明は、流動物の流動性がこのように低い場合であっても、流動物を延長チューブ内に容易に導入することができる。
【0039】
上記の本発明のプライミング方法において、前記第2コネクタに接続具を介して前記シリンジを接続してもよい。これにより、公知の延長チューブに接続具とシリンジを追加するだけで、本発明のプライミング方法を実施することができる。
【0040】
前記接続具が、前記カテーテルに接続可能なコネクタを備えることが好ましい。これにより、プライミング操作の後に、接続具を取り外すことなく、流動物を患者に投与することができる。
【0041】
上記の本発明のプライミング方法において、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の前記流路上に前記シリンジを接続してもよい。これにより、シリンジを延長チューブに連通させるために、接続具といった別部材を用いる必要がないので、延長チューブの構成を簡素化することができる。
【0042】
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、以下の各図中の寸法は、実際の寸法および寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0043】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかる延長チューブ1の概略構成を示した図である。図示したように、延長チューブ1は、チューブ本体10と、チューブ本体10に対して着脱可能な接続具41とを備える。チューブ本体10は、第1コネクタ11と、第2コネクタ12と、これらの間の第1チューブ21,ポンプチューブ25,及び第2チューブ22とを備える。
【0044】
第1コネクタ11は、流動物が貯蔵された容器70の、流動物が流出するポート72に接続される。
【0045】
図2に容器70の一例を示す。この容器70は、流動物を貯留する、有底筒状の容器本体71を備える。容器本体71は、形状保持性を有する材料、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて射出成形等により一体に製造することができる。容器本体71の下端には、流動物が流出するポート72が設けられている。この容器70は、容器本体71の上側が開放された開放系の容器である。容器本体71の上端には、その上側の開口を開閉するための蓋73が設けられている。更に、容器70を、ポート72を下にして吊り下げるためのハンドル74を備えている。
【0046】
第1コネクタ11は、ポート72に対して、流動物及び空気の漏れがないように(即ち、液密且つ気密に)接続することができれば、その構成に制限はなく、例えば公知の任意のコネクタを利用することができる。一般には、ポート72を挿入することが可能なメス型形状を有することが好ましい。第1コネクタ11の材料も特に制限はなく、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、硬質ポリ塩化ビニル等の実質的に変形しない硬質の樹脂材料や、例えば軟質ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン等の柔軟性及び可撓性を有する樹脂材料を用いることができる。引っ張り力が加えられても第1コネクタ11とポート72との接続が維持されるように、第1コネクタ11及びポート72に、互いに係合し合う係合構造(例えば、爪と、爪が嵌合する溝)が設けられていてもよい。第1コネクタ11が、ポート72が挿入されるメス型部材と、当該メス型部材を保持するとともに、ポート72と係合する係合構造を備えた保持部材との2部品から構成されていてもよい。
【0047】
第2コネクタ12は、患者に留置されたカテーテルの上流側端に設けられたコネクタ90に接続される。カテーテルとしては、例えば経腸栄養療法で用いられるカテーテルが好ましく、患者の鼻腔から胃又は十二指腸にまで通された経鼻カテーテル、患者の胃ろうに挿入されたPEGカテーテル等を例示することができる。第2コネクタ12は、コネクタ90に対して流動物の漏れがないように(即ち、液密に)接続することができれば、その構成に制限はなく、例えば公知の任意のコネクタを利用することができる。一般には、カテーテルの上流側端のコネクタ(メス型コネクタ)90に挿入することが可能なオス型形状を有することが好ましい。第2コネクタ12の材料も特に制限はなく、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、硬質ポリ塩化ビニル等の実質的に変形しない硬質の樹脂材料を用いることができる。引っ張り力が加えられても第2コネクタ12とコネクタ90との接続が維持されるように、第2コネクタ12及びコネクタ90に、互いに係合し合う係合構造(例えば、爪と、爪が嵌合する溝)が設けられていてもよい。
【0048】
第1チューブ21及び第2チューブ22は、可撓性及び透明性を有することが好ましく、その材料は、特に制限はないが、例えばゴム、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、シリコーン、ポリ酢酸エチルが好ましく、これらの中でもポリ塩化ビニルが特に好ましい。
【0049】
ポンプチューブ25は、容器70内の流動物を患者に向かって移送するための注入装置に組み込まれる。注入装置としては、ポンプチューブ25をローラ等で押し潰し、その押し潰し部分を第1チューブ21側から第2チューブ22側に移動させることができる機構を備えることが好ましく、上述した特許文献1,2に記載された注入装置を例示することができる。但し、これら以外の任意の注入装置であってもよい。ポンプチューブ25は、その外周面に印加された圧力により、その内周面が密着するほどに弾性変形可能であり、且つ、当該圧力が解除されたときには、ポンプチューブ25内に生じる負圧により容器70内の流動物をポンプチューブ25内に吸引できるほどの弾性回復力を有している必要がある。更に、注入装置から繰り返して圧力を受けてもこのような機械的特性が変化しないような耐久性を有している必要がある。また、ポンプチューブ25は、その内部の流動物の状態を観察できるように、透明又は半透明(即ち透光性を有すること)であることが好ましい。ポンプチューブ25の材料は、特に制限はないが、ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、シリコーン、ポリ酢酸エチルが好ましく、これらの中でもポリ塩化ビニルが特に好ましい。
【0050】
第1コネクタ11側から第2コネクタ12側に向かって、第1チューブ21,ポンプチューブ25,及び第2チューブ22がこの順に接続されて、第1コネクタ11と第2コネクタ12との間に流動物が移送される流路が形成される。
【0051】
第1チューブ21上には、流動物が移送される流路の開閉を繰り返し切り替えることができる開閉手段として、第1クランプ31が設けられている。本例では、第1クランプ31は第1チューブ21上に設けられているが、第2チューブ22上に設けられていてもよい。第1クランプ31の構成や材料は任意であり、例えば公知のクランプを用いることができる。
【0052】
チューブ本体10の構成は、上記に限定されない。図6に示した、従来から公知の延長チューブ100を用いることもできる。
【0053】
接続具41は、その一端に第3コネクタ13を備え、その他端に第4コネクタ14を備える。
【0054】
第3コネクタ13の構成は、シリンジ80の先端のオスルアー82と気密に接続することができれば制限はなく、オスルアー82の仕様に応じて適宜設定される。一般には、オスルアー82を挿入することが可能なメス型形状を有することが好ましい。例えば、第3コネクタ13が、その内周面にテーパ面を有していてもよい。これにより、その外周面がテーパ面であるオスルアー82を備えたシリンジとスリップ接続することができる。更に、第3コネクタ13が、その外周面に雄ネジを有していてもよい。これにより、オスルアー82の周囲に雌ネジを備えたシリンジとネジロック接続することができる。
【0055】
第4コネクタ14は、チューブ本体10の第2コネクタ12と気密に接続することができ、且つ、第2コネクタ12に対して繰り返して着脱可能であれば、その構成に制限はない。一般には、第2コネクタ12を挿入することが可能なメス型形状を有することが好ましい。例えば、第2コネクタ12に接続されるカテーテルのコネクタ90と同じ形状を有するメス型形状を有していてもよい。
【0056】
第3コネクタ13及び第4コネクタ14の材料は、特に制限はなく、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、硬質ポリ塩化ビニル等の実質的に変形しない硬質の樹脂材料や、例えば軟質ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン等の柔軟性及び可撓性を有する樹脂材料を用いることができる。
【0057】
図1の接続具41では、第3コネクタ13及び第4コネクタ14が、同一材料を用いて一体成形により形成されている。これにより、接続具41を一度の射出成形により製造することができるので、接続具41の製造コストを低減することができる。また、接続具41を小型化することができる。
【0058】
但し、本発明の接続具はこれに限定されない。例えば第3コネクタ13と第4コネクタ14とが可撓性を有するチューブで接続されていてもよい。この場合、チューブと、第3コネクタ13及び第4コネクタ14のうちの一方とを柔軟な材料で一体的に成形し、これに第3コネクタ13及び第4コネクタ14のうちの他方を接続してもよい。これにより、第3コネクタ13及び第4コネクタ14の材料選択の自由度が向上するとともに、接続具を構成する部品数を少なくすることができる。
【0059】
以上のように構成された本実施形態1の延長チューブ1を用いたプライミング方法を、以下に説明する。
【0060】
[プライミング方法1A]
プライミング方法1Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミングを行う。
【0061】
最初に、容器70のポート72に、チューブ本体10の第1コネクタ11を接続する。このとき、第1クランプ31でチューブ本体10の流路を閉じておく。チューブ本体10の第2コネクタ12には、接続具41が接続されていてもよく、あるいは、接続されていなくてもよい。
【0062】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。流動物としては、特に制限はないが、例えば経腸栄養療法に用いられる栄養剤、X線撮影などを行う際に用いられる造影剤、関節などに注入されるヒアルロン酸など、流動性を有する物質であれば特に制限はない。また、その粘性についても特に問わないが、例えば重力の作用のみではプライミングすることが困難である程度の粘性を有すると本発明の効果が顕著に発揮されるので好ましい。具体的には流動物の粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。流動物の粘度の上限はポンプチューブ25の機械的特性等により変化するが、一般には50000mPa・s以下であることが好ましい。
【0063】
次いで、チューブ本体10とシリンジ80とを接続具41を介して接続する。チューブ本体10に接続具41が接続されていない場合には、第2コネクタ12と接続具41の第4コネクタ14とを接続する。そして、接続具41の第3コネクタ13にシリンジ80のオスルアー82を接続する。シリンジ80の構成に制限はなく、例えば公知のシリンジを任意に選択して使用することができる。シリンジ80は、一端にオスルアー82が設けられた略筒状の外筒81と、この外筒81内に出し入れ可能に挿入されたプランジャ(ピストンとも呼ばれる)83とを備える。シリンジ80のオスルアー82を接続具41の第3コネクタ13に接続する際、プランジャ83を外筒81内に押し込んでおく。
【0064】
次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ1の流路を開く。続いて、シリンジ80のプランジャ83を引く。容器70のポート72からシリンジ80までは気密に接続されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ1内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ1内に導入される。第1コネクタ11から第2コネクタ12までのチューブ本体10のほぼ全てが流動物で満たされるまで、流動物を導入することが好ましい。但し、接続具41内には流動物を導入しないことが好ましい。
【0065】
シリンジ80の容量は、延長チューブ1の内容積と同じかこれより大きいことが好ましい。シリンジ80の容量がこのように大きいと、大きな負圧を発生させることができる。従って、延長チューブ1内に流動物を素早く流入させることができるので、プライミング操作を短時間で完了させることができる。また、プランジャ83の少ない引き操作数(好ましくは1回の引き操作)で流動物を上述の程度まで延長チューブ1内に導入することができる。
【0066】
プランジャ83の1回の引き操作だけでは、流動物を延長チューブ1内に十分に導入できない場合には、以下の操作を行う。プランジャ83の引き操作後に、第1クランプ31で流路を閉じる。次いで、シリンジ80を延長チューブ1から分離する。具体的には、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを分離する。あるいは、シリンジ80のオスルアー82と第3コネクタ13とを分離してもよい。次いで、シリンジ80のプランジャ83を外筒81内に押し込む。次いで、シリンジ80を延長チューブ1に連通させる。そして、プランジャ83を引く。必要に応じて以上の操作を繰り返す。
【0067】
第2コネクタ12にまで、チューブ本体10内に流動物を導入した後、第1クランプ31で流路を閉じる。
【0068】
以上でプライミング操作が完了する。
【0069】
その後、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを分離し、第2コネクタ12に患者に留置されたカテーテルのコネクタ90を接続する。次いで、延長チューブ1のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ1の流路を開く。そして、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0070】
[プライミング方法1B]
上記のプライミング方法1Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミング操作を完了した。これに対して、プライミング方法1Bでは、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0071】
プライミング方法1Bは、シリンジ80のプランジャ83を引く操作までは、プライミング方法1Aと同じである。但し、プライミング方法1Bでは、シリンジ80を用いて、チューブ本体10の一部のみに流動物を導入する。次いで、第1クランプ31で流路を閉じる。次いで、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを分離し、第2コネクタ12を開放する。次いで、延長チューブ1のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ1の流路を開く。そして、注入装置を操作して、第2コネクタ12にまで、チューブ本体10を流動物で満たす。
【0072】
以上でプライミング操作が完了する。
【0073】
その後、第2コネクタ12に患者に留置されたカテーテルのコネクタ90を接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0074】
シリンジ80に続いて注入装置を用いてプライミングを完了させるプライミング方法1Bによれば、プライミング操作の一部を注入装置で行うので、流動物の流動性が低いなどの理由によって、シリンジ80のプランジャ操作に大きな力を要する場合には、作業者の負担が軽減される。
【0075】
プライミング方法1Bにおいて、少なくとも第1チューブ21が流動物で満たされるまで、更にはポンプチューブ25が流動物で満たされるまで、シリンジ80を用いて流動物をチューブ本体10内に導入することが好ましい。ポンプチューブ25を注入装置に装着したときに、延長チューブ1の注入装置より容器70側の部分内の空気量が少ない(好ましくは空気が存在しない)ことは、注入装置を用いたプライミング操作に有利である。
【0076】
以上のように、本実施形態1によれば、流動物が貯留された容器70と延長チューブ1とを接続し、延長チューブ1の下流側端にシリンジ80を気密に接続する。従って、流動物の流動性が低い場合であっても、プランジャ83の引き操作によって、延長チューブ1内に流動物を流入させるのに十分な負圧を発生させることができる。従って、半固形化した流動物を延長チューブ1内に容易にプライミングすることができる。
【0077】
また、本実施形態1では、延長チューブ1がチューブ本体10と接続具41との2部品で構成されているので、チューブ本体10として、従来の延長チューブ(例えば図6の延長チューブ100)をそのまま用いることができる。従って、接続具41とシリンジ80とを追加するだけで、本実施形態1のプライミング方法を実施することができる。よって、本実施形態1のプライミング方法は、低コストである。
【0078】
本実施形態1において、重力の作用のみでは流動物がほとんど流動しないほどに流動物の流動性が低い場合には、第1クランプ31を省略することができる。
【0079】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2にかかる延長チューブ2の概略構成を示した図である。実施形態1の延長チューブ1の構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付しており、それらについて詳細な説明を省略する。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態2を説明する。
【0080】
図示したように、延長チューブ2は、チューブ本体10と、チューブ本体10に対して着脱可能な接続具42とを備える。
【0081】
チューブ本体10は、第1コネクタ11と、第2コネクタ12と、これらの間の第1チューブ21,ポンプチューブ25,及び第2チューブ22とを備える。チューブ本体10の構成は実施形態1と同じである。
【0082】
接続具42は、分岐部52を介して互いに連通した3つのチューブ23a,23b,23cを備える。チューブ23a,23b,23cとしては、可撓性及び透明性を有することが好ましく、その材料としては、特に制限はないが、例えば実施形態1で説明した第1及び第2チューブ11,12と同じ材料を用いることができる。
【0083】
分岐部52の材料は、特に制限はなく、例えばポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン等の樹脂材料を用いることができる。
【0084】
チューブ23aに先端には、シリンジ80の先端のオスルアー82と気密に接続することができる第3コネクタ13が接続されている。チューブ23a上には、チューブ23a内を繰り返し開閉することができる開閉手段として第2クランプ32が設けられている。第2クランプ32の構成や材料は任意であり、例えば公知のクランプを用いることができる。
【0085】
チューブ23bの先端には、チューブ本体10の第2コネクタ12と気密に接続することができ、且つ、第2コネクタ12に対して繰り返して着脱可能な第4コネクタ14が接続されている。
【0086】
チューブ23cの先端には、第5コネクタ15が接続されている。第5コネクタ15の形状及び材料は、特に制限はないが、第2コネクタ12と同じであることが好ましい。
【0087】
第5コネクタ15は開閉手段としての封止部材15sで気密に封止することができる。封止部材15sは第5コネクタ15に対して繰り返し着脱可能である。封止部材15sの材料は、特に制限はないが、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質ポリ塩化ビニル、シリコーン等の実質的に変形しない硬質の樹脂材料や、例えば軟質ポリ塩化ビニル、シリコーン等の柔軟性及び可撓性を有する樹脂材料を用いることができる。
【0088】
以上のように構成された本実施形態2の延長チューブ2を用いたプライミング方法を、以下に説明する。
【0089】
[プライミング方法2A]
プライミング方法2Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミングを行う。
【0090】
最初に、容器70のポート72に、チューブ本体10の第1コネクタ11を接続する。このとき、第1クランプ31でチューブ本体10の流路を閉じておく。チューブ本体10の第2コネクタ12には、接続具42が接続されていてもよく、あるいは、接続されていなくてもよい。
【0091】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0092】
次いで、チューブ本体10とシリンジ80とを接続具42を介して接続する。チューブ本体10に接続具42が接続されていない場合には、第2コネクタ12と接続具42の第4コネクタ14とを接続する。そして、接続具42の第3コネクタ13にシリンジ80のオスルアー82を接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。また、第2クランプ32を開放し、第3コネクタ13と第4コネクタ14とをチューブ23a,23bを介して連通させておく。更に、第5コネクタ15は封止部材15sで封止しておく。
【0093】
次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ2の流路を開く。続いて、シリンジ80のプランジャ83を引く。容器70のポート72からシリンジ80までは気密に接続されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ2内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ2内に導入される。第1コネクタ11から第2コネクタ12までのチューブ本体10のほぼ全てが流動物で満たされるまで、流動物を導入することが好ましい。
【0094】
第2コネクタ12まで、チューブ本体10内に流動物を導入した後、第1クランプ31で流路を閉じる。
【0095】
上記において、更に分岐部52にまで流動物を導入してもよい。これにより、患者の体内に注入される空気の量を更に少なくすることができる。
【0096】
以上でプライミング操作が完了する。
【0097】
その後、第5コネクタ15から封止部材15sを取り外し、第5コネクタ15を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。また、第2クランプ32でチューブ23aを閉じる。
【0098】
次いで、延長チューブ2のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ2の流路を開く。そして、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0099】
[プライミング方法2B]
上記のプライミング方法2Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミング操作を完了した。これに対して、プライミング方法2Bでは、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0100】
プライミング方法2Bは、リンジ80のプランジャ83を引く操作までは、プライミング方法2Aと同じである。但し、プライミング方法2Bでは、シリンジ80を用いて、チューブ本体10の一部のみに流動物を導入する。次いで、第2クランプ32でチューブ23aの流路を閉じる。次いで、延長チューブ1のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第5コネクタ15から封止部材15sを取り除き、第5コネクタ15を開放する。そして、注入装置を操作して、第2コネクタ12にまで、チューブ本体10を流動物で満たす。更に第5コネクタ15にまで流動物を導入することが好ましい。これにより、患者の体内に注入される空気の量を更に少なくすることができる。
【0101】
以上でプライミング操作が完了する。
【0102】
その後、第5コネクタ15に患者に留置されたカテーテルのコネクタ90を接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0103】
シリンジ80に続いて注入装置を用いてプライミングを完了させるプライミング方法2Bによれば、プライミング操作の一部を注入装置で行うので、流動物の流動性が低いなどの理由によって、シリンジ80のプランジャ操作に大きな力を要する場合には、作業者の負担が軽減される。また、第5コネクタ15まで流動物を導入することができるので、患者の体内に注入される空気の量を少なくすることができる。
【0104】
プライミング方法2Bにおいて、少なくとも第1チューブ21が流動物で満たされるまで、更にはポンプチューブ25が流動物で満たされるまで、シリンジ80を用いて流動物をチューブ本体10内に導入することが好ましい。ポンプチューブ25を注入装置に装着したときに、延長チューブ1の注入装置より容器70側の部分内の空気量が少ない(好ましくは空気が存在しない)ことは、注入装置を用いたプライミング操作に有利である。
【0105】
以上のように、本実施形態2によれば、流動物が貯留された容器70と延長チューブ2とを接続し、延長チューブ2にシリンジ80を気密に連通させる。従って、流動物の流動性が低い場合であっても、プランジャ83の引き操作によって、延長チューブ2内に流動物を流入させるのに十分な負圧を発生させることができる。従って、半固形化した流動物を延長チューブ2内に容易にプライミングすることができる。
【0106】
また、本実施形態2では、延長チューブ2がチューブ本体10と接続具42との2部品で構成されているので、チューブ本体10として、従来の延長チューブ(例えば図6の延長チューブ100)をそのまま用いることができる。従って、接続具42とシリンジ80とを追加するだけで、本実施形態2のプライミング方法を実施することができる。よって、本実施形態2のプライミング方法は、低コストである。
【0107】
更に、本実施形態2では、接続具42が、カテーテルのコネクタ90を接続することができる第5コネクタ15を備えているので、プライミング操作の後、流動物を患者に投与する際に、シリンジ80を延長チューブ2から取り外す必要がない。
【0108】
上記の例において、第2クランプ32に代えて、第3コネクタ13を気密に封止することができ、且つ、第3コネクタ13に対して繰り返し着脱可能である封止部材を用いてもよい。このような封止部材の構成は任意であるが、例えば後述する封止部材13s(図4参照)と同じであってもよい。
【0109】
上記の例において、封止部材15sに代えて、チューブ23c上に、チューブ23a内を繰り返し開閉することができるクランプを設けてもよい。このようなクランプの構成は任意であるが、例えば第2クランプ32と同じであってもよい。
【0110】
本実施形態2において、プライミング操作の完了後、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを分離し、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続してもよい。このように、流動物の投与時に接続具42を取り除く場合には、接続具42において、第2クランプ32を省略することができる。また、第3コネクタ13と第4コネクタ14とが連通していればよく、分岐部52、チューブ23c、第5コネクタ15、封止部材15sを省略することができる。また、プライミング操作時には、その後に取り除かれる接続具42内に流動物を導入しないことが好ましい。
【0111】
上記以外を除いて、本実施形態2は実施形態1と同じである。
【0112】
図3に示した延長チューブ2を用いたプライミングの一実施例を示す。容器70のポート72に、内容積が約50ミリリットル(50×10-63)のチューブ本体10と、接続具42とを順に接続した。容器70内に粘度が20,000mPa・sの栄養剤を注入した。接続具42の第3コネクタ13に過量目盛りが50ミリリットル(50×10-63)まで記載されたシリンジ80を接続した。プライミング方法2Aに記載した手順でプライミングを行ったところ、プランジャ83の1回の引き操作で、流動物を第2チューブ22まで導入することができた。
【0113】
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3にかかる延長チューブ3の概略構成を示した図である。実施形態1の延長チューブ1の構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付しており、それらについて詳細な説明を省略する。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態3を説明する。
【0114】
図示したように、延長チューブ3は、実施形態1,2のチューブ本体10と同様に、第1コネクタ11と、第2コネクタ12と、これらの間の第1チューブ21,ポンプチューブ25,及び第2チューブ22とを備える。
【0115】
本実施形態3では、第1チューブ21とポンプチューブ25との間に、第3コネクタ13を備えた分岐部53を有している。第3コネクタ13は、分岐部53を介して第1チューブ21及びポンプチューブ25と連通している。分岐部53の材料は、特に制限はないが、実施形態2で説明した分岐部52と同じ材料を用いることができる。
【0116】
第3コネクタ13の構成は、シリンジ80の先端のオスルアー82と気密に接続することができれば制限はなく、オスルアー82の仕様に応じて適宜設定される。
【0117】
図4では、第3コネクタ13は分岐部53に一体的に形成されているが、実施形態2と同様に、第3コネクタ13と分岐部53とが可撓性を有するチューブ等を介して連通されていてもよい。
【0118】
第2コネクタ12は開閉手段としての封止部材12sで気密に封止することができる。また、第3コネクタ13も開閉手段としての封止部材13sで気密に封止することができる。封止部材12s,13sは第2及び第3コネクタ12,13に対して繰り返し着脱可能である。封止部材12s,13sの材料は、特に制限はないが、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質ポリ塩化ビニル、シリコーン等の実質的に変形しない硬質の樹脂材料や、例えば軟質ポリ塩化ビニル、シリコーン等の柔軟性及び可撓性を有する樹脂材料を用いることができる。
【0119】
以上のように構成された本実施形態3の延長チューブ3を用いたプライミング方法を、以下に説明する。
【0120】
[プライミング方法3A]
プライミング方法3Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミングを行う。
【0121】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ3の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。また、第2コネクタ12は封止部材12sで封止しておく。第1クランプ31を解放し、延長チューブ3の流路を開いておく。
【0122】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0123】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ3内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ3内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ3内に導入される。流動物は、分岐部53を通過し、シリンジ80内に流入する。シリンジ80内に所定量の流動物が導入された後、第1クランプ31で流路を閉じる。
【0124】
次いで、第2コネクタ12から封止部材12sを取り外す。そして、シリンジ80のプランジャ83を外筒81内に押し込む。流動物は、分岐部53を通過し、延長チューブ3のポンプチューブ25内に流入する。流動物が第2コネクタ12に至るまで、プランジャ83を押し込むことが好ましい。
【0125】
以上でプライミング操作が完了する。
【0126】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。シリンジ80に流動物が残っている場合には、プランジャ83を押し込んで、シリンジ80内の流動物を排出させる。次いで、第3コネクタ13からシリンジ80を取り外し、封止部材13sで第3コネクタ13を封止する。
【0127】
次いで、延長チューブ3のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ3の流路を開く。そして、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0128】
[プライミング方法3B]
上記のプライミング方法3Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミング操作を完了した。これに対して、プライミング方法3Bでは、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0129】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ3の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。延長チューブ3のポンプチューブ25を注入装置に装着する。注入装置によって、ポンプチューブ25の流路は閉じられる。第1クランプ31を解除し、延長チューブ3の流路を開いておく。また、第2コネクタ12は開放しておく。
【0130】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0131】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ3内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ3内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ3内に導入される。流動物が分岐部53に流入する直前まで、流動物を導入することが好ましい。
【0132】
次いで、第1クランプ31で延長チューブ3の流路を閉じる。そして、第3コネクタ13からシリンジ80を取り外し、封止部材13sで第3コネクタ13を封止する。
【0133】
次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ3の流路を開く。そして、注入装置を操作して、第2コネクタ12まで、延長チューブ3を流動物で満たす。
【0134】
以上でプライミング操作が完了する。
【0135】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0136】
プライミング方法3Bでは、第2コネクタ2を封止する封止部材12sは不要である。
【0137】
[プライミング方法3C]
プライミング方法3Cは、プライミング方法3Bと同様に、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0138】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ3の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。また、第1クランプ31を解除し、延長チューブ3の流路を開いておく。第2コネクタ12を封止部材12sで封止しておく。
【0139】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0140】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ3内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ3内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ3内に導入される。流動物が分岐部53に流入する直前まで、流動物を導入することが好ましい。
【0141】
次いで、第1クランプ31で延長チューブ3の流路を閉じる。そして、第3コネクタ13からシリンジ80を取り外し、封止部材13sで第3コネクタ13を封止する。
【0142】
次いで、延長チューブ3のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ3の流路を開く。また、第2コネクタ12から封止部材12sを取り外し、第2コネクタ12を開放する。そして、注入装置を操作して、第2コネクタ12まで、延長チューブ3を流動物で満たす。
【0143】
以上でプライミング操作が完了する。
【0144】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0145】
シリンジ80に続いて注入装置を用いてプライミングを完了させるプライミング方法3B、3Cによれば、プライミング操作の一部を注入装置で行うので、流動物の流動性が低いなどの理由によって、シリンジ80のプランジャ操作に大きな力を要する場合には、作業者の負担が軽減される。
【0146】
以上のように、本実施形態3によれば、流動物が貯留された容器70と延長チューブ3とを接続し、延長チューブ3にシリンジ80を気密に連通させる。従って、流動物の流動性が低い場合であっても、プランジャ83の引き操作によって、延長チューブ3内に流動物を流入させるのに十分な負圧を発生させることができる。従って、半固形化した流動物を延長チューブ3内に容易にプライミングすることができる。
【0147】
実施形態1,2と異なり、本実施形態3では、例えば患者への栄養剤の投与後に、シリンジ80を用いて、第3コネクタ13を介して水等の栄養剤以外の液体(又は流動物)を患者に投与することができる。
【0148】
実施形態2では、チューブ本体10とは別に、比較的大きな接続具42が必要であった。これに対して、本実施形態3では、接続具42に相当する大型の部品を必要としない。従って、延長チューブ3の構成を簡素化することができる。
【0149】
本実施形態3において、図4では、分岐部53がポンプチューブ25よりも第1コネクタ11側に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、第1コネクタ11と第2コネクタ12との間の流路上の任意の位置に設けることができる。例えば、ポンプチューブ25よりも第2コネクタ12側に設けてもよい。第1クランプ31は、第1コネクタ11と分岐部53との間の流路上に設けられていることが好ましい。
【0150】
本実施形態3において、封止部材12sに代えて、分岐部53よりも第2コネクタ12側の部分(例えば第2チューブ22)に、流動物の流路を繰り返し開閉することができるクランプを設けてもよい。このようなクランプの構成は任意であるが、例えば第1クランプ31と同じであってもよい。
【0151】
上記以外を除いて、本実施形態3は実施形態1と同じである。
【0152】
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4にかかる延長チューブ4の概略構成を示した図である。実施形態3の延長チューブ3の構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付しており、それらについて詳細な説明を省略する。以下、実施形態3と異なる点を中心に、本実施形態4を説明する。
【0153】
実施形態3と同様に、本実施形態4でも、第1チューブ21とポンプチューブ25との間に分岐部54を有している。但し、実施形態3と異なり、本実施形態4では、第3コネクタ13と分岐部54とは可撓性を有するチューブ24を介して接続されている。
【0154】
分岐部54の材料は、特に制限はないが、実施形態2,3で説明した分岐部52,53と同じ材料を用いることができる。
【0155】
第3コネクタ13の構成は、シリンジ80の先端のオスルアー82と気密に接続することができれば制限はなく、オスルアー82の仕様に応じて適宜設定される。第3コネクタ13が、チューブ24と同じ材料を用いて、チューブ24と一体的に成形されていてもよい。
【0156】
チューブ24上には、チューブ24内を繰り返し開閉することができる開閉手段として、第3クランプ33が設けられている。第3クランプ33の構成や材料は任意であり、例えば公知のクランプを用いることができる。
【0157】
以上のように構成された本実施形態4の延長チューブ4を用いたプライミング方法を、以下に説明する。
【0158】
[プライミング方法4A]
プライミング方法4Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミングを行う。
【0159】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ4の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。第3クランプ33を解除し、チューブ24の流路を開いておく。第2コネクタ12は封止部材12sで封止しておく。第1クランプ31を解放し、延長チューブ4の流路を開いておく。
【0160】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0161】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ4内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ4内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ4内に導入される。流動物は、分岐部54を通過し、シリンジ80内に流入する。シリンジ80内に所定量の流動物が導入された後、第1クランプ31で流路を閉じる。
【0162】
次いで、第2コネクタ12から封止部材12sを取り外す。そして、シリンジ80のプランジャ83を外筒81内に押し込む。流動物は、分岐部54を通過し、延長チューブ4のポンプチューブ25内に流入する。流動物が第2コネクタ12に至るまで、プランジャ83を押し込むことが好ましい。
【0163】
以上でプライミング操作が完了する。
【0164】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。シリンジ80に流動物が残っている場合には、プランジャ83を押し込んで、シリンジ80内の流動物を排出させる。次いで、また、第3クランプ33でチューブ24の流路を閉じる。
【0165】
次いで、延長チューブ4のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第1クランプ31を解除し、延長チューブ4の流路を開く。そして、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0166】
[プライミング方法4B]
上記のプライミング方法4Aでは、シリンジ80のみを用いてプライミング操作を完了した。これに対して、プライミング方法4Bでは、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0167】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ4の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。第3クランプ33を解除し、チューブ24の流路を開いておく。延長チューブ4のポンプチューブ25を注入装置に装着する。注入装置によって、ポンプチューブ25の流路は閉じられる。第1クランプ31を解除し、延長チューブ4の流路を開いておく。また、第2コネクタ12は開放しておく。
【0168】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0169】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ4内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ4内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ4内に導入される。流動物が分岐部54に流入する直前まで、流動物を導入することが好ましい。
【0170】
次いで、第3クランプ33でチューブ24の流路を閉じる。
【0171】
次いで、注入装置を操作して、第2コネクタ12まで、延長チューブ4を流動物で満たす。
【0172】
以上でプライミング操作が完了する。
【0173】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0174】
プライミング方法4Bでは、第2コネクタ2を封止する封止部材12sは不要である。
【0175】
[プライミング方法4C]
プライミング方法4Cは、プライミング方法4Bと同様に、シリンジ80と注入装置とを併用してプライミング操作を完了させる。
【0176】
最初に、容器70のポート72に、延長チューブ4の第1コネクタ11を接続する。第3コネクタ13とシリンジ80のオスルアー82とを接続する。このとき、プランジャ83は外筒81内に押し込んでおく。第3クランプ33を解除し、チューブ24の流路を開いておく。第1クランプ31を解除し、延長チューブ4の流路を開いておく。また、第2コネクタ12を封止部材12sで封止しておく。
【0177】
次いで、容器70を、ポート72を下側にして吊り下げた状態で、容器70内に流動物を注入する。
【0178】
次いで、シリンジ80のプランジャ83を引く。延長チューブ4内の流路は気密に封止されているので、プランジャ83の引き量に応じて延長チューブ4内の流路が負圧になる。この負圧によって、容器70内の流動物が延長チューブ4内に導入される。流動物が分岐部54に流入する直前まで、流動物を導入することが好ましい。
【0179】
次いで、第3クランプ33でチューブ24の流路を閉じる。
【0180】
次いで、延長チューブ4のポンプチューブ25を注入装置に装着する。次いで、第2コネクタ12から封止部材12sを取り外し、第2コネクタ12を開放する。そして、注入装置を操作して、第2コネクタ12まで、延長チューブ4を流動物で満たす。
【0181】
以上でプライミング操作が完了する。
【0182】
その後、第2コネクタ12を患者に留置されたカテーテルのコネクタ90に接続する。次いで、注入装置を操作して容器70内の流動物を患者に投与する。
【0183】
シリンジ80に続いて注入装置を用いてプライミングを完了させるプライミング方法4B、4Cによれば、プライミング操作の一部を注入装置で行うので、流動物の流動性が低いなどの理由によって、シリンジ80のプランジャ操作に大きな力を要する場合には、作業者の負担が軽減される。
【0184】
また、プライミング方法4B、4Cでは、クランプ31を省略することができる。
【0185】
以上のように、本実施形態4によれば、流動物が貯留された容器70と延長チューブ4とを接続し、延長チューブ4にシリンジ80を気密に連通させる。従って、流動物の流動性が低い場合であっても、プランジャ83の引き操作によって、延長チューブ4内に流動物を流入させるのに十分な負圧を発生させることができる。従って、半固形化した流動物を延長チューブ4内に容易にプライミングすることができる。
【0186】
実施形態1,2と異なり、本実施形態4では、例えば患者への栄養剤の投与後に、シリンジ80を用いて、第3コネクタ13を介して水等の栄養剤以外の液体(又は流動物)を患者に投与することができる。
【0187】
実施形態2では、チューブ本体10とは別に、比較的大きな接続具42が必要であったのに対して、本実施形態4では、接続具42に相当する大型の部品を必要としない。従って、延長チューブ4の構成を簡素化することができる。
【0188】
実施形態4では、第3コネクタ13と分岐部54とをつなぐチューブ24上に第3クランプ33が設けられているので、プライミング操作の後、流動物を患者に投与する際に、シリンジ80を第3コネクタ13から取り外す必要がない。
【0189】
実施形態3で説明したように、本実施形態4でも、分岐部54は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との間の流路上の任意の位置に設けることができる。例えば、分岐部54をポンプチューブ25よりも第2コネクタ12側に設けてもよい。第1クランプ31は、第1コネクタ11と分岐部54との間の流路上に設けられていることが好ましい。
【0190】
図5では、チューブ24上に第3クランプ33が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第3クランプ33に代えて、実施形態3と同様に、第3コネクタ13を気密に封止する、第3コネクタ13に対して繰り返して着脱可能な封止部材を用いてもよい。
【0191】
上記以外を除いて、本実施形態4は実施形態3と同じである。
【0192】
上記の実施形態1〜4は例示に過ぎない。本発明はこれらの実施形態1〜4に限定されず、適宜変更することができる。
【0193】
例えば、上記の実施形態1〜4で用いた、流動物が貯留される容器70は、その内部が外界に通じた開放系の容器であったが、本発明は、これ以外の容器に貯留された流動物のプライミングにも適用することができる。例えば、容器が、密封された柔軟な袋状物(いわゆるパウチ)やシリンジであってもよい。但し、本発明は、容器内の流動物に圧力を印加してプライミングすることが困難な開放系の容器を用いた場合であっても、延長チューブにプライミングすることができる。即ち、容器が開放系の容器であると、本発明の効果が顕著に発揮されるので好ましい。
【0194】
(実施形態5)
医療現場において実施形態1の延長チューブ1(図1参照)を使用する場合、上述したように、最初にプライミングを行う必要がある。従って、チューブ本体10の第2コネクタ12と、接続具41の第4コネクタ14とは、予め接続した状態で医療機関に納品されることが望まれる。また、シリンジ80を用いてプライミングを行うために、第2コネクタ12と第4コネクタ14とは、気密に接続される必要がある。
【0195】
しかしながら、延長チューブ1及び接続具41をEO(エチレンオキサイド)等の滅菌ガスで滅菌処理をする場合に、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを気密に接続した状態では、第2コネクタ12と第4コネクタ14との嵌合部分に滅菌ガスが入り込むことができず、当該嵌合部分を滅菌処理できないという問題がある。
【0196】
従って、第2コネクタ12と第4コネクタ14との接続状態を、両コネクタ12,14間に滅菌ガスが入り込むことができる隙間が形成された仮接続状態と、プライミングを行うことができる程度に気密に接続した本接続状態とに容易に切り替えることができることが望まれる。
【0197】
本実施形態5では、これを可能にする接続具41の構成を説明する。
【0198】
図7Aは、本実施形態5にかかる延長チューブを構成する接続具41の平面図、図7Bはその片断面正面図、図7Cはその片断面側面図である。図7B及び図7Cでは、左側に接続具41の外観形状を、右側に接続具41の中心軸41aを含む面に沿った断面図を示している。
【0199】
実施形態1で説明したように、接続具41は、その一端にシリンジ80の先端のオスルアー82と接続される第3コネクタ13を備え、その他端にチューブ本体10の第2コネクタ12と接続される第4コネクタ14を備える。第4コネクタ14側の外周面には、接続具41を把持しやすいように、半径方向に外向きに突出した一対の把持部411が形成されている。但し、把持部411の形状はこれに限定されず、任意の形状であってもよい。また、把持部411を省略してもよい。
【0200】
第3コネクタ13の内周面130は、シリンジ80の先端のオスルアー82と気密に接続することができれば、その形状は任意である。例えば、ISO594−1に準拠した6/100テーパ面であってもよい。
【0201】
第4コネクタ14の内周面140は、チューブ本体10の第2コネクタ12と気密に接続することができれば、その形状は任意である。
【0202】
図8は、第2コネクタ12の正面図である。第2コネクタ12の先端側の挿入部120が、接続具41の第4コネクタ14及びカテーテルの上流側端に設けられたコネクタ90(図1参照)に挿入される。挿入部120の外周面には、8つの微小テーパ部121a〜121hと先端テーパ部122とが、基端側(第2チューブ22(図1参照)が接続される側)から先端側に向かって隣接して形成されている。微小テーパ部121a〜121hのそれぞれは、先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面を備える。8つの微小テーパ部121a〜121hのそれぞれのテーパ面のテーパ角度は略同一である。従って、図8に示されているように、微小テーパ部121a〜121hの正面から見た輪郭線は、略ノコギリ刃状の複数の段差を形成している。微小テーパ部121a〜121h及び先端テーパ部122の最大径をなす部分は、第2コネクタ12の長手方向に対して傾斜した一点鎖線125で示す直線に沿って配置されている。即ち、挿入部120の外周面は、巨視的に見れば、先端に近づくにしたがって外径が小さくなる、一点鎖線125に沿ったテーパ面である。
【0203】
図7B及び図7Cに示されているように、接続具41の第4コネクタ14の内周面140は、開口側(第2コネクタ12が挿入される側)で内径が大きくなるテーパ面である。内周面140のテーパ面のテーパ角度は、第2コネクタ12の挿入部120の上述した巨視的なテーパ面のテーパ角度と略同一に設定されている。内周面140には4つの係合突起141が形成されている。図7Aに示されているように、4つの係合突起141は中心軸41aに対して等角度間隔に離散的に配置されている。また、図7B及び図7Cに示されているように、4つの係合突起141は、開口の近傍に、中心軸41a方向において略同一位置に配置されている。
【0204】
以上のように構成された接続具41の第4コネクタ14と第2コネクタ12との接続方法を説明する。
【0205】
図9Aは、第4コネクタ14と第2コネクタ12との仮接続状態を示した片断面正面図、図9Bはその片断面側面図である。実際には、第2コネクタ12には第2チューブ22が接続されているが(図1参照)、これらの図では図面を簡単化するために第2チューブ22の図示を省略している。この仮接続状態では、第2コネクタ12の挿入部120は、第4コネクタ14に相対的に浅く挿入されている。具体的には、第2コネクタ12の最も基端側の微小テーパ部121aは、第4コネクタ14の外に露出している。
【0206】
仮接続状態では、第2コネクタ12の挿入部120と第4コネクタ14の内周面140との間にわずかな隙間が形成されている。この隙間に滅菌ガスを導入することができるので、挿入部120の外周面を滅菌処理することが可能である。
【0207】
一方、第4コネクタ14の係合突起141が第2コネクタ12の挿入部120の外周面に形成された段差のうちの1つ(本例では微小テーパ部121cの最大径部分)に係合している。従って、仮接続状態にある第2コネクタ12と第4コネクタ14とが、輸送時の振動などによって分離するのが防止される。
【0208】
本実施形態5の延長チューブ1は、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを仮接続状態で接続して病院等の医療機関に納入される。医療機関の作業者は、経腸栄養療法等を行う際に、第2コネクタ12を第4コネクタ14内に深く押し込んで、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを本接続状態にする。
【0209】
図10Aは、本発明の実施形態5において、第2コネクタと第4コネクタとの本接続状態を示した片断面正面図、図10Bはその片断面側面図である。実際には、第2コネクタ12には第2チューブ22が接続されているが(図1参照)、これらの図では図面を簡単化するために第2チューブ22の図示を省略している。この本接続状態では、第2コネクタ12の挿入部120は、第4コネクタ14に十分に深く挿入されている。図9A及び図9Bと比較すれば容易に理解できるように、第2コネクタ12の最も基端側の微小テーパ部121aも、第4コネクタ14内に挿入されている。
【0210】
本接続状態では、挿入部120に形成された微小テーパ部121a〜121h及び先端テーパ部122が第4コネクタ14の内周面に密着している。これにより、第2コネクタ12と第4コネクタ14とは気密に接続される。この結果、実施形態1で説明したように、シリンジ80を用いて、延長チューブ1内に流動物をプライミングすることができる。
【0211】
また、第4コネクタ14の係合突起141が第2コネクタ12の挿入部120の外周面に形成された段差のうちの1つ(本例では微小テーパ部121a)に圧接されている。従って、プライミング操作時に延長チューブ1に張力等の外力が作用しても、本接続状態にある第2コネクタ12と第4コネクタ14とが意図せずに分離するのが防止される。
【0212】
プライミングが終了した後、第2コネクタ12と接続具41とを強く引っ張ることで、本接続状態にある第2コネクタ12と第4コネクタ14とを分離することができる。
【0213】
以上のように、本実施形態5によれば、第2コネクタ12と第4コネクタ14との間に隙間を有しながら両コネクタ12,14が分離しないように第2コネクタ12と係合する係合構造(係合突起141)が第4コネクタ14に設けられている。従って、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを係合させた仮接続状態で、両コネクタ12,14間の隙間に滅菌ガスを導入して滅菌処理を行うことができる。また、第2コネクタ12と第4コネクタ14とが係合することにより、輸送時の振動などによって第2コネクタ12と第4コネクタ14とが分離するのが防止される。その結果、滅菌処理した第2コネクタ12の挿入部120が外部に露出して細菌等が付着する可能性を低減することができる。
【0214】
第2コネクタ12の挿入部120を第4コネクタ14内に挿入すると、第2コネクタ12の微小テーパ部121cが第4コネクタ14の係合突起141を乗り越える際の挿入抵抗力の変化(クリック感)を作業者は感じ取ることができる。従って、作業者は、第2コネクタ12と第4コネクタ14とを容易に適正な仮接続状態で接続することができる。
【0215】
上記の実施形態5は例示に過ぎない。本発明は上記の例に限定されず、適宜変更することができる。
【0216】
第2コネクタ12の挿入部120の外周面の形状は、カテーテルの上流側端に設けられたコネクタ90(図1参照)と液密に接続することができる形状であればよく、上記の例に限定されない。例えば、挿入部120に形成される微小テーパ部の数は、上記の例のように8つである必要はなく、これより多くても又は少なくても(0個を含む)よい。挿入部120の先端も、先端テーパ部以外の形状を有していてもよい。
【0217】
第4コネクタ14の内周面140の形状は、上記の第2コネクタ12の挿入部120と液密に接続することができればよく、上記の例に示したテーパ面形状以外の形状を有していてもよい。
【0218】
第4コネクタ14に設けられる、第2コネクタ12と係合可能な係合構造は、第2コネクタ12の形状に応じて変更することができ、上記の例のような4つの係合突起141に限定されない。係合構造として係合突起141を設ける場合、その数は4つに限定されず、これより多くても少なくてもよい。但し、係合突起141の数は周方向に2以上であることが、第2コネクタ12に対して安定した係合状態を得るために好ましい。周方向に2以上の係合突起141を設ける場合、係合突起141を中心軸41aに対して等角度間隔で配置することが、第2コネクタ12に対して安定した係合状態を得るために好ましい。突出量(中心軸41aまでの距離)や、中心軸41a方向の位置が異なる複数種類の係合突起を、係合構造として設けてもよい。係合構造として、突起ではなく、第2コネクタ12の段差部分が嵌入する凹部(例えば溝)を設けてもよい。係合構造は、中心軸41aを取り囲むように周方向に連続していてもよい。但し、係合構造が周方向に離散的又は分断されていることは、係合構造が不連続な箇所を滅菌ガスが通過して滅菌効果が向上するので、好ましい。係合構造は、第2コネクタ12の挿入部120以外の部分に係合してもよい。
【0219】
上記の例の接続具41では、第3コネクタ13と第4コネクタ14とが一体的に成形されていたが、本発明はこれに限定されず、実施形態1で説明したように、例えば第3コネクタ13と第4コネクタ14とが可撓性を有するチューブで接続されていてもよい。
【0220】
本実施形態5の接続具41は、実施形態1で説明した延長チューブ1を構成する接続具41として使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明の利用分野は特に制限はないが、栄養剤、造影剤、ヒアルロン酸などの低流動性の半固形化した流動物を患者に注入するのに先立って行うプライミングに好ましく利用することができる。
【符号の説明】
【0222】
1,2,3,4 延長チューブ
10 チューブ本体
11 第1コネクタ
12 第2コネクタ
12s 封止部材(第4開閉手段)
13 第3コネクタ
13s 封止部材(第3開閉手段)
14 第4コネクタ
141 係合突起(係合構造)
15 第5コネクタ
15s 封止部材(第2開閉手段)
21 第1チューブ
22 第2チューブ
23a,23b,23c チューブ
24 チューブ
25 ポンプチューブ
31 第1クランプ(第5開閉手段)
32 第2クランプ(第1開閉手段)
33 第3クランプ(第3開閉手段)
41,42 接続具
52,53,54 分岐部
70 容器
72 容器のポート
80 シリンジ
90 カテーテルのコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、
前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、
前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、
前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、
前記第2コネクタに着脱可能な接続具とを備え、
前記接続具は、前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタを備えることを特徴とする延長チューブ。
【請求項2】
前記接続具は、前記第2コネクタに着脱可能な第4コネクタを備え、
前記第3コネクタと前記第4コネクタとは、一体的に成形されている請求項1に記載の延長チューブ。
【請求項3】
前記接続具は、前記第2コネクタに着脱可能な第4コネクタを備え、
前記第2コネクタと前記第4コネクタとの間に隙間を有しながら前記第2コネクタと前記第4コネクタとが分離しないように前記第2コネクタと係合する係合構造が、前記第4コネクタに設けられている請求項1に記載の延長チューブ。
【請求項4】
前記係合構造が前記第2コネクタと係合した仮接続状態と、気密に接続された本接続状態とに、前記第2コネクタと第4コネクタとの接続状態を変更することができる請求項3に記載の延長チューブ。
【請求項5】
前記係合構造が、前記第2コネクタの外周面に形成された段差に係合する突起である請求項3又は4に記載の延長チューブ。
【請求項6】
前記接続具は、
前記第3コネクタに連通した分岐部と、
前記分岐部と連通した第4コネクタ及び第5コネクタとを備え、
前記延長チューブは、
前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第1開閉手段と、
前記第5コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第5コネクタを開閉する第2開閉手段とを更に備え、
前記第4コネクタは、前記第2コネクタに着脱可能である請求項1に記載の延長チューブ。
【請求項7】
前記第5コネクタは前記カテーテルに接続可能である請求項6に記載の延長チューブ。
【請求項8】
容器内に貯留された流動物を患者に留置されたカテーテルに移送するための延長チューブであって、
前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、
第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、
前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブと、
前記流路と連通する分岐部と、
前記分岐部を介して前記流路と連通し且つシリンジを気密に接続することができる第3コネクタと
を備えることを特徴とする延長チューブ。
【請求項9】
前記分岐部が、前記第2コネクタに着脱可能である第4コネクタを介して前記流路と連通し、
前記延長チューブが、
前記分岐部と連通した第5コネクタと、
前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第1開閉手段と、
前記第5コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第5コネクタを開閉する第2開閉手段とを更に備える請求項8に記載の延長チューブ。
【請求項10】
前記第5コネクタは前記カテーテルに接続可能である請求項9に記載の延長チューブ。
【請求項11】
前記分岐部が、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の前記流路上に設けられており、
前記第3コネクタと前記分岐部との間の流路又は前記第3コネクタを開閉する第3開閉手段を更に備える請求項8に記載の延長チューブ。
【請求項12】
前記分岐部と前記第2コネクタとの間の流路又は前記第2コネクタを開閉する第4開閉手段を更に備える請求項11に記載の延長チューブ。
【請求項13】
前記第2コネクタは前記カテーテルに接続可能である請求項8〜12のいずれかに記載の延長チューブ。
【請求項14】
前記流路を開閉する第5開閉手段を更に備える請求項1〜12のいずれかに記載の延長チューブ。
【請求項15】
容器内に貯留された流動物を、延長チューブ及び患者に留置されたカテーテルを順に介して患者に投与するのに先だって、前記延長チューブの少なくとも一部に前記流動物を導入するプライミング方法であって、
前記延長チューブは、
前記容器のポートに接続可能な第1コネクタと、
前記カテーテルに接続可能な第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとをつなぐ、前記流動物が移送される流路と、
前記流路上に設けられた、可撓性を有するポンプチューブとを備え、
シリンジを前記流路に接続し、
前記シリンジを用いて、前記流路の少なくとも一部を負圧にして、前記流路の少なくとも一部に前記流動物を導入することを特徴とするプライミング方法。
【請求項16】
前記第2コネクタにまで前記流動物を導入する請求項15に記載のプライミング方法。
【請求項17】
前記シリンジを用いて前記第2コネクタにまで前記流動物を導入する請求項15又は16に記載のプライミング方法。
【請求項18】
前記シリンジを用いて前記流路の一部のみに前記流動物を導入し、
次いで、前記ポンプチューブを装着した注入装置を用いて前記第2コネクタにまで前記流動物を導入する請求項15又は16に記載のプライミング方法。
【請求項19】
前記シリンジの容量が、前記延長チューブの内容積と同じかこれより大きい請求項15〜18のいずれかに記載のプライミング方法。
【請求項20】
前記容器が、開放系の容器である請求項15〜19のいずれかに記載のプライミング方法。
【請求項21】
前記流動物の粘度が1000mPa・s以上である請求項15〜20のいずれかに記載のプライミング方法。
【請求項22】
前記第2コネクタに接続具を介して前記シリンジを接続する請求項15〜21のいずれかに記載のプライミング方法。
【請求項23】
前記接続具が、前記カテーテルに接続可能なコネクタを備える請求項22に記載のプライミング方法。
【請求項24】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の前記流路上に前記シリンジを接続する請求項15〜21のいずれかに記載のプライミング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−183298(P2012−183298A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23180(P2012−23180)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】