説明

延長針付注射器及び試料室一体型ガス注入口を用いる自動気体試料注入装置

【課題】 本発明は、延長針付注射器と試料室一体型ガス注入口とを組み合わせて用いて、気体試料を試験装置へ導入するための自動気体試料注入装置に関するものである。
【解決手段】 試料室一体型ガス注入口1と先端延長針付注射器10とをシリコンゴム4と5の中心を通るように組み合わせて用い、これらの一体型ガス注入口1と注射器本体10とを、それぞれ、直線運動を行うリニアシステムアクチュエーター16と15に固定して、注射器本体10とプランジャー14とを独立に動作できるようにし、試料ガスの採取・導入を行うようにリニアシステムアクチュエーター15,16を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、常圧または数気圧程度で操作するガスクロマトグラフィーや各種試験装置で、気体試料を注入口より試験装置へ導入するための試料導入部分に関するものであり、これを自動で行わせるものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、試験装置の試料注入口と気体試料採取口とは別々に設けられており、試験装置へ試料を導入するには、注射器で試料採取口より試料を分取して、試験装置の注入口までもっていって、注入口へ注射器を差し込み、試料を注入するというものであった。これを自動で行う場合には、比較的大掛かりな装置を必要とするという難点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、以上の難点を解決するため、気体試料採取室と試料導入室とを一体とした試料注入口および延長針付注射器とを用いることにより、注射器の抜き差し・移動の操作を簡略化し、比較的小さな装置で簡便に自動化ができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
試料室一体型ガス注入口1と延長針付注射器10とを、注射針がシリコンゴム4と5の中心部を通るように組み合わせて用いる(図1,2)。
この組み合わせたシステムを二つの直線動作をする機械により制御して動かせば良い。ここでは、その一例としてリニアシステムアクチュエーターを用いた場合を以下に示す。
【0005】
試料室一体型ガス注入口1とリニアシステムアクチュエーター16とを固定枠18により固定する。
【0006】
延長針付注射器の本体10とリニアシステムアクチュエーターの本体15とを固定枠17により固定する。
【0007】
固定枠17をリニアシステムアクチュエーター16の摺動部分20へ4個の固定具22により固定する。
【0008】
リニアシステムアクチュエーター15の可動ロッド19と注射器10のプランジャー14とを固定具21により固定する。
以上のように構成する。なお、〔0004〕項の図1,2は実際のものを示すが、〔0005〕〔0006〕〔0007〕〔0008〕項の図3は単なる模式的な構成図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本装置の動作は或る一定量の気体試料を採取して、試験装置内へ導入するものである。実施は、次の通りである。
【0010】
図1のように、注射器本体10を少し引き出し、針のガス出入口12を試料採取室2までもってくる(図4の3)。このとき、注射針の先13はシリコンゴム4に刺さったままとなっている。
【0011】
注射器プランジャ14を引き出し注射器へある一定量の試料を採取する(図4の4)。
【0012】
図2のように、注射器本体10を押し込んで、針のガス出入口12を試料導入室3までもってくる(図4の1)。
【0013】
注射器プランジャ14を押し込み、試料を導入する(図4の2)。
これが試料導入の一工程であり、必要なら、これを繰り返して行うことができる。
【0014】
この動作の自動化では、注射器本体の出し入れと注射器プランジャーの出し入れの二つの同一軸直線運動を行わせれば良い。
【0015】
これらの直線運動を行わせる動作のタイミングについて更に細かく示すと、図4のようになり、これらは次の5つの動作よりなりたっている。
(i)(0)体止 −−−−−−−− 注射器が引き出されて試料ガスを採取した状態で指令を待つ
(ii)(1)押し込み −−−−− 注射器を押し込む
(iii)(2)注入 −−−−−− プランジャーを押し込む
(iv)(3)引き出し −−−−− 注射器を引き出す
(v)(4)採取 −−−−−−−− プランジャーを引き出す
これら一連の動作のタイミングを合わせるように、二つのリニアシステムアクチュエーターを制御すれば良く、それは比較的簡単に実行できる。
【0016】
なお、動作を行わせる機械としては、ここでは一例としてリニアシステムアクチュエーターを用いたが、これに限らず、他のどんな機械を用いても良い。
【発明の効果】
【0017】
本自動化装置は、試料採取口と試料注入口との間での注射器の移動の動作を必要としないので、大掛かりな装置を必要とせず、簡単・コンパクトな装置で自動化を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本装置の一部(試料室一体型注入口と先端延長針付注射器とを組み合わせたもの)を示す断面図
【図2】 同上
【図3】 本装置の全体を示す模式図
【図4】 本装置の動作・制御のタイミングを示す模式図
【符号の説明】
【0019】
1 試料室一体型ガス注入口
2 試料採取室
3 試料導入室
4,5 シリコンゴム
6 キャリアーガス入口
7 キャリアーガス出口(試験室核心部への接続口)
8 試料ガス流入口
9 試料ガス流出口
10 注射器本体
11 先端延長針
12 ガス出入口
13 延長先端
14 プランジャー
【0020】
15 ロッドタイプリニアシステムアクチュエーター
16 ロッドレスタイプリニアシステムアクチュエーター
17 注射器10とロッドタイプリニアシステムアクチュエーター15との固定枠
18 一体型ガス注入口1とロッドレスタイプリニアシステムアクチュエーター16との固定枠
19 リニアシステムアクチュエーター15の可動ロッド
20 リニアシステムアクチュエーター16の摺動カーソル
21 可動ロッド19と注射器プランジャー14との固定具
22 摺動カーソル20と固定枠17との固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
延長針付注射器と試料室一体型ガス注入口とを組み合わせて用いる自動気体試料注入装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−132914(P2007−132914A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355372(P2005−355372)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(503015341)
【Fターム(参考)】