説明

建物のカーテンウォール

【課題】建物の振動等によるカーテンウォールの傷みを防ぐ。
【解決手段】方立1と無目2とで囲まれた開口部Fを屋外側からパネル部材3で塞いだ建物のカーテンウォールにおいて、パネル部材3の左右の側縁30,31をそれぞれ、これらと対向する方立1に、水平方向係止部材51,52により、水平方向の一方の方向に沿って係止せしめ、かつ隣り合う複数のパネル部材3,3の水平係止方向を同一方向となし、パネル部材3の上縁および下縁をそれぞれ、これらと対向する無目2に、垂直方向係止部材により、上下方向の下方に沿って係止せしめてパネル部材3を方立1および無目2に組付ける。そして隣り合う複数のパネル部材3,3の隙間をシーリング剤4Bより接着シールせしめる。更にパネル部材3の4隅をそれぞれ、位置決め部材7A,7Bを用いて方立1と無目2とで囲まれた開口部Fの4隅に連結せしめた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物の外壁面を形成する建物のカーテンウォールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁面を形成するカーテンウォールは、図5に示すように、上下方向に延びる縦桟としての方立1と、水平方向に延びる横桟としての無目2とを交差させて、これらで囲まれた開口部をガラス板や化粧板等のパネル部材3を組込んで塞いだ構造とされている。この種のカーテンウォールとして、外壁面の殆どをガラス板からなるパネル部材で構成し、方立1および無目2を露出させないようにするSSG式と呼ばれる構造のものがある(例えば、下記特許文献1,2,3)。
【0003】
図8および図9は、図5のH−H線、S−S線に沿う位置での従来の代表的なSSG式のカーテンウォールの断面を示す。図8に示すように、2重構造のガラス板からなるパネル部材3には左右の側縁に沿う裏面外周に、断面ほぼコ字形で、水平方向にパネル部材3の裏面中心側へ向けて開口する係止溝を備えた係止部材80a,80bが接着固定してある。一方、方立1には、基端が方立1に締結され、先端が前記係止部材80a,80bの係止溝の開口方向とは逆方向に屈折する支持部材82a,82bが設けられている。
そしてパネル部材3の左右の側縁は、係止部材80a,80bの裏面(屋内面)を、クッション材81,81を介して方立1の屋外面10に当接せしめるとともに、係止部材80a,80bの係止溝に支持部材82a,82bの先端821,821を嵌入せしめて方立1に組付けるとともに、左右に隣り合うパネル部材3,3の側縁間の隙間にシーリング剤83を充填して両パネル部材3,3を接着シールしている。
【0004】
図9に示すように、パネル部材3の上縁および下縁でも、前記側縁と同様に、断面ほぼコ字形で上下方向にパネル部材3の裏面中心側へ向けて開口する係止部材90a,90bを、クッション材91を介して無目2の屋外面20に当接せしめるとともに、係止部材90に、基端が無目2に締結された支持部材92の先端921を嵌入せしめてパネル部材3の上縁および下縁を無目2に組付け、上下に隣り合うパネル部材3,3の上縁下縁間の隙間にシーリング剤93を充填して両パネル部材3,3を接着シールしている。尚、図の95は無目2から屋外方向に突出してパネル部材3を下から支える張出部である。張出部95はシーリング剤93で上下のパネル部材3,3の上縁および下縁と接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−212547号公報
【特許文献2】特開平5−179738号公報
【特許文献3】特開平8−151716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでこの種のカーテンウォールは、風や地震等による建物の振動の影響を受けやすい。この場合、カーテンウォールのパネル部材3は、建物の躯体とは固有振動数が異なり、更には各パネル部材間でも固有振動数が異なるため、個別にロッキングやスエーといった左右動および上下動が生じする。
この問題に関して前記従来の構造では、シーリング剤83を挟んで隣り合うパネル部材3,3の両側縁の係止部材80a,80bの方立1への係止方向が互いに逆方向であり、かつシーリング剤93を挟んで隣り合うパネル部材3,3の下縁と上縁の係止部材90a,90bの無目2への係止方向も互いに逆方向のため、左右動や上下動で隣り合うパネル部材3,3が、左右方向および上下方向に離れる方向に変位するときは、係止部材80a,80b間、また係止部材90a,90b間には互いに係合する方向に力が作用して相対移動の範囲は規制される。
しかしながら、隣り合うパネル部材3,3が、左右方向および上下方向に近づく方向に変位するときは、係止部材80a,80b間、および係止部材90a,90b間には変位を規制する力は作用しないから、変位によりシーリング剤83,93が潰れ変形して痛むこととなり、更には変位量が大きいとシーリング剤83,93を介して隣り合うパネル部材3,3同士が衝突し、両者に強い衝撃が作用してパネル部材3,3が破損するおそれがあった。
また左右動や上下動で隣り合うパネル部材3の相対変位が大きいとパネル部材の位置ずれで、ガラス板からなるカーテンウォールの建物の外壁面に映り込む外景のガラス映像に歪みが生じて建物の外観見栄えを損ねる問題があった。
本発明は、これらの問題に着目し、左右上下動による隣り合うパネル部材の相対変位を抑えてパネル部材間のシーリング剤やパネル部材の破損と言ったカーテンウォールの傷みを軽減することができ、かつ建物の外観見栄えの良好な建物のカーテンウォールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上下方向に延びる複数の方立と、水平方向に延びる複数の無目とで形成された複数の枠内の開口部をそれぞれ、屋外側よりガラス板等の矩形のパネル部材を組付けて塞ぐとともに、隣り合うパネル部材の隙間をシーリング剤で接着シールせしめた建物のカーテンウォールにおいて、
隣り合う左右の方立と、これらと対向するパネル部材の左右の側縁には、互いに水平方向に係合する水平方向係合部材を設けるとともに、
隣り合う上下の無目と、これらと対向するパネル部材の上縁および下縁には、互いに垂直方向に係合する垂直方向係合部材を設け、
方立側の水平方向係止部材とパネル部材側の水平方向係止部材とを、パネル部材側の左右両側縁の水平方向係止部材を方立側の水平方向係止部材に左右の一方向から係合せしめる構成となし、
無目側の垂直方向係止部材とパネル部材側の垂直方向係止部材とを、パネル部材側の上下両縁の垂直方向係止部材を無目側の垂直方向係止部材に上下の一方向から係合せしめる構成となし、
上記開口部の4隅には、パネル部材の4隅と係合してパネル部材を位置決めする位置決め部材を設ける。
【0008】
パネル部材の左右の側縁の方立への係止方向が同一方向で、かつ左右隣り合うパネル部材の方立への係止方向が同一方向となるので、両パネル部材にこれらが互いに左右に近づく方向に変位する力が作用しても、一方のパネル部材の方立への係止方向が変位方向に対して順方向となるので、該パネル部材の変位が規制され、両パネル部材間の変位量を半減できる。同様に、上下に隣り合うパネル部材が上下方向に近づく方向に変位する場合も両パネル間の変位量を半減できる。更にパネル部材の4隅を位置決め部材により方立と無目とからなる開口部の4隅に位置決めしたので、前記パネル部材間の変位量を半減する効果と相まって隣り合うパネル部材の左右方向、上下方向の変位を効果的に抑えることができ、もってパネル部材間のシーリング剤の潰れ変形やパネル部材の破損といったカーテンウォールの傷みを防ぐとともに、パネル部材の位置ずれによるガラス映像の歪みを防いで建物の外観見栄えよくできる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記パネル部材の外周にこれを囲む枠状のフレーム部材を設け、
前記フレーム部材の左右の両側枠部に前パネル部材側の記水平方向係止部材を設け、
前記フレーム部材の上枠部および下枠部に前記パネル部材側の垂直方向係止部材を設ける。
【0010】
フレーム部材によりパネル部材側の水平方向係止部材および垂直方向係止部材を好適にパネル部材に設置することができる。特にガラス板からなるパネル部材に有効である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の建物のカーテンウォールにおいて、
方立側又はパネル部材側のいずれか一方の前記水平方向係止部材を左右の一方向に向けて開口する断面ほぼコ字状に形成するとともに、他方の水平方向係止部材として前記一方の水平方向係止部材内に嵌入する突出部を形成し、
無目側又はパネル部材側のいずれか一方の前記垂直方向係止部材を上下の一方向に向けて開口する断面ほぼコ字状に形成するとともに、他方の垂直方向係止部材として前記一方の垂直方向係止部材内に嵌入する突出部を形成する。
【0012】
水平方向係止部材および垂直方向係止部材を断面ほぼコ字状をなす部材と突出部を有する部材とで構成したので、パネル部材の左右の側縁および上下縁を方立および無目に好適に係止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記開口部の4隅にはそれぞれ前記位置決め部材として、垂直の壁面と水平の壁面とを備えた断面L字形をなし、かつ前記垂直の壁面および前記水平の壁面の屋内側の端縁間を閉じる内壁面を備えた金具を設けるとともに、
前記パネル部材の4隅にはそれぞれ前記位置決め部材として、垂直の壁面と水平の壁面とを備えた断面L字形をなし、かつ前記垂直の壁面および前記水平の壁面の屋内側の端縁間を閉じる内壁面を備えた金具を設け、
開口部側の金具およびパネル部材側の金具を互いに重ね合わせるように配置し、
かつ、開口部側の金具又はパネル部材側の金具のいずれか一方の金具に、前記垂直の壁面と水平の壁面および内壁面を貫通して突出量を調整可能とした複数のピン部材を設けて、これらのピン部材により開口部側およびパネル部材側の両金具の間隙を微調整してパネル部材の位置決めを行い、開口部側およびパネル部材側の両金具を連結ネジ部材によりネジ締め固定せしめる。
【0014】
開口部の4隅に設けた位置決め部材に対してパネル部材の4隅に設けた位置決め部材を上下、左右かつ屋内外方向に移動調整してパネル部材を作業性容易に位置決め調整することができ、これにより各パネル部材の外面を揃え、建物の外壁面に映り込むガラス映像の歪みをなくして外観見栄えを良好にできる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4に記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記パネル部材を、相対向する2枚のガラス板の間に中空層を設けて2重構造の断熱性の複合ガラス板で構成し、
屋内側のガラス板の外周を前記フレーム部材で囲む構成とする。
【0016】
方立や無目を露見させないカーテンウォールのパネル部材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用したカーテンウォールを示す図5のH−H線に沿う位置での断面図である。
【図2】図5のS−S線に沿う位置での前記カーテンウォールの断面図である。
【図3】前記カーテンウォールを図2の白矢印III方向に見た要部拡大図である。
【図4】本発明に用いる金具を示す要部斜視図である。
【図5】カーテンウォールの正面図である。
【図6】本発明を適用した他のカーテンウォールを示すもので、図1に対応する断面図である。
【図7】前記他のカーテンウォールの図2に対応する断面図である。
【図8】従来のカーテンウォールの図5のH−H線に沿う位置での断面図である。
【図9】従来のカーテンウォールの図5のS−S線に沿う位置での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のカーテンウォールは、図5に示すように方立1が左右方向に所定の間隔をおいて複数設置されており、相隣れる左右の方立1間に無目2が水平方向に設置され、かつ上下に所定の間隔を置いて複数設けられている。方立1および無目2は木材で構成されている。そして格子状に組まれた方立1と無目2とで囲まれた開口部Fを塞ぐようにパネル部材たる複合ガラス板3が組付けてある。
【0019】
本発明のカーテンウォールの基本構成は、図1に示すように、方立1の屋外側の端面10に、クッション材4Aを介して複合ガラス板3の屋内面外周を当接せしめ、方立1の端面10に設けられた水平方向係止部材を構成する水平支持具5Aに、同じく複合ガラス板3に設けられた水平方向係止手段を構成する水平係止具5Bを係止するとともに、複合ガラス板3の4隅を方立1と無目2とで囲まれた開口部Fの4隅に位置決め部材7A,7Bにより位置決めし、連結してある。そして左右に隣り合う複合ガラス板3の両側縁はシーリング剤4Bで接着シールしてある。尚、無目2側での基本構成も方立1側とほぼ同じで、垂直方向係止部材を構成する垂直支持具6Aおよび垂直係止具6Bを用いる(図2参照)。
【0020】
図1に示すように、方立1には、屋外側の端面10の左右の両側端にそれぞれクッション部材4A,4Aが設けてある。各クッション材4Aはゴム等の断面中空構造をなす細幅の長尺体で、方立1に沿って延設してある。クッション材4Aは脚状の基端を方立1の端面10に設けた取付溝に圧入して取付けてある。尚、左側のクッション材4Aは方立1とその左側の開口部Fに組付ける左側の複合ガラス板3との間をシールし、右側のクッション材4Aは方立1とその右側の複合ガラス板3との間をシールする。
【0021】
方立1の端面10には左右中央位置に水平支持具5Aが設けてある。水平支持具5Aは長尺なアルミニウム製の押出成形品で全長にわたって同一断面構造をなす。水平支持具5Aは板状のベースを前記端面10に重ね合わせてネジ締め固定してあり、方立1に沿って垂直に延設してある。そして水平支持具5Aには前記ベースの左右の両端に沿ってそれぞれ、左右の一方の方向(図例では左向き)へ向けて開口する断面ほぼコ字状の左向き支持部51,51(特許請求の範囲に記載の一方の水平方向係止部材に相当する)を備えている。各左向き支持部51は前記ベースを重合した方立1の端面10から屋外側へ突出するように設けてあり、係止溝を形成している。
【0022】
複合ガラス板3は、相対向する2枚の耐熱性を有するガラス板3A,3Bがスペーサ35を介して結合され、ガラス板3A,3B間に中空層36を備えた二重構造である。複合ガラス板3は、屋内側のガラス板3Bが屋外側のガラス板3Aよりもひとまわり小さくしてあり、その分、屋内側のガラス板3Bには、外周面および屋内側の周縁に沿って枠状の木製のフレーム部材3Cが接着剤により固着してある。尚、フレーム部材3Cは屋内側に張り出すように設けてある。
【0023】
複合ガラス板3の左右の側縁にはフレーム部材3Cの左右の側枠部30,31にはそれぞれ、方立1の前記左向き支持部51に対向する右向き係止部(特許請求の範囲に記載の他方の水平方向係止部材に相当する)52を有する水平係止具5B,5Bが設けてある。各水平係止具5Bは長尺なアルミニウム製の押出成形品で全長にわたって同一断面構造をなす。
【0024】
左側枠部30の水平係止具5Bは、ベースを左側枠部30の外周側面に重ね合わせてネジ締め固定されている。そして、前記ベースから一連に屋内側へ張り出し、その先端縁から屈曲して右向きの断面ほぼL字状をなす突出部からなる右向き係止部52が形成してある。同様に、右側枠部31の水平係止具5Bは、ベースを右側枠部31の外周側面に重ね合わせてネジ締め固定され、屋内側へ張り出すように、右方向へ向けて断面ほぼL字状をなす突出部からなる右向き係止部52が形成してある。
【0025】
複合ガラス板3は、フレーム部材3Cの左側枠部30および右側枠部31の屋内面をそれぞれ、これらと対向する方立1のクッション材4Aに圧接せしめるとともに、複合ガラス板3を右方向へ移動させて、両側枠部30,31の各右向き係止部52,52を、方立1の左向き支持部51,51に右方向に嵌入係止してある。この場合、右向き係止部52はその突出部の先端を左向き支持部51の係止溝に底着きさせる。そして左向き支持部51の溝幅は右向き係止部52の突出部の厚みに対して若干幅広であり、両者51,52の係止状態において複合ガラス板3の左右の両側縁は屋内外方向に若干移動可能としてある。
【0026】
複合ガラス板3の左右の両側縁は、フレーム部材3Cの左右の両側枠部30,31を方立1に係止することで組付けられ、両側枠部30,31の両隅が位置決め部材7A,7Bにより方立1の両隅に連結してある。また左右隣り合う複合パネル板3,3は左側枠部30と右側枠部31とを緩衝材等を介して対向せしめ、両側枠部30,31の間隙にシーリング剤4Bを充填して両者を連結するとともに両者間をシールしてある。緩衝部材は弾性を有するゴムまた合成樹脂製であり、シールリング剤は接着後も弾性を有する。尚、前記位置決め部材7A,7Bについては後で説明する。
【0027】
次に、複合ガラス板3の上縁および下縁の無目2への組付けを説明する。図2に示すように、無目2の屋外側の端面20には左右の両端に方立1と同様にクッション材4Aが設けてある。また前記端面20の幅方向中央には垂直支持具6Aが設けてある。垂直支持具6Aは前記水平支持具5Aと同一部材が用いられる。垂直支持具6Aはベースを無目2の端面20に重ね合わせてネジ締めして水平姿勢に設けてある。そして垂直支持具6Aには上端および下端に沿ってそれぞれ、上方へ向けて開口する断面ほぼ上向きコ字状の上向き支持部(特許請求の範囲に記載の一方の垂直方向係止部材に相当する)61,61が形成してある。
【0028】
無目2の前記上向き支持部61,61に対向して、複合ガラス板3の上縁および下縁には、フレーム部材3Cの上枠部32および下枠部33にそれぞれ、下向き係止部(特許請求の範囲に記載の他方の垂直方向係止部材に相当する)62を有する垂直係止具6Bが設けてある。
上枠部32の垂直係止具6Bは前記左側枠部30の水平係止具5Bと同一部材が用いられ、ベースを上枠部30の上面に重ね合わせてネジ締め固定され、前記上面より屋内側へ突出し、その先端縁から下方向へ屈曲して断面ほぼ下向きL字状をなす突出部からなる下向き係止部52が形成してある。
下枠部33の垂直係止具6Bは前記右側枠部31の水平係止具5Bと同一部材が用いられ、ベースが下枠部31の下面に重ね合わせてネジ締め固定され、前記下面より屋内側へ突出するように、断面ほぼ下向きL字状をなす突出部からなる下向き係止部62が設けてある。
【0029】
複合ガラス板3の上縁および下縁は、フレーム部材3Cの上枠部32および下枠部33の屋内面をそれぞれ、これらと対向する無目2のクッション材4Aに圧接せしめるとともに、複合ガラス板3を下方へ移動させて、上枠部32および下枠部33の各下向き係止部62,62を、無目2の上向き支持部61,61に上方より下方へ嵌入係止してある。この場合、下向き係止部52はその突出部の先端を上向き支持部51の係止溝に底着きさせる。そして上向き支持部51の溝幅は下向き係止部52の突出部の厚みに対して若干幅広であり、両者51,52の係止状態において複合ガラス板3の左右の両側縁は屋内外方向に若干移動可能としてある。
【0030】
複合ガラス板3の上縁および下縁は、フレーム部材3Cの上枠部32および下枠部33を無目2に係止することで組み付けられ、両枠部32,33の両隅が位置決め部材7A,7Bにより無目2の両隅に連結してある。また上下隣り合う複合パネル板3,3は上枠部32と下枠部33とを緩衝材等を介して対向せしめ、両枠部32,33の間隙にシーリング剤4Bを充填して両者を連結するとともに両者間をシールしてある。
【0031】
図3、図4に基づいて前記位置決め部材7A,7Bについて説明する。方立1および無目2からなる開口部Fの隅角には位置決め部材たる第1の金具7Aが設けてあり、複合ガラス板3の隅角には位置決め部材たる第2の金具7Bが設けてある。尚、ここでは屋内側から見た前記開口部Fの右下隅角と複合ガラス板3の右下隅角とを連結する構造を中心に説明する。
【0032】
第1の金具7Aは肉厚の金属板からなり、方立1の側面に沿う垂直壁面70と、無目2の上面に沿う水平壁面71とで断面ほぼL字状をなし、かつ垂直壁面70および水平壁面71の屋内側の端縁間をほぼ直角三角形状の内壁面72により繋いで、前記端縁間が閉じてある。そして第1の金具7Aは、垂直壁面70の複数箇所を方立1に重ね合わせてネジ締めするとともに、水平壁面71の複数箇所を無目2に重ね合わせてネジ締めして開口部Fの前記隅角に固定してある。
【0033】
また第1の金具7Aには内壁面72に、これに設けられたネジ穴に屋内側より螺合し、かつ貫通せしめて屋内外方向に進退可能とした第1の屋内外調整ネジ部材763と、内壁面72に設けられた貫通穴に屋内側より貫通して屋外方向に進出せしめた第2の屋内外調整ネジ部材764とが設けてある。
【0034】
第2の金具7Bは、第1の金具7Aとほぼ同形に形成してあり、フレーム部材3Cの側枠部30に沿う垂直壁面73と、下枠部33の上面に沿う水平壁面74とで断面L字状をなし、かつ垂直壁面73および水平壁面74の屋内側の端縁間を繋ぐほぼ直角三角形状の内壁面75を備えている。そして第2の金具7Bは、垂直壁面73の複数箇所を側枠部30の内側面に重ね合わせてネジ締めするとともに、水平壁面74の複数箇所を下枠部33の上面に重ね合わせてネジ締めして複合ガラス板3の前記隅角にフレーム部材3Cよりも屋内側に張り出すように固定してある。
【0035】
第2の金具Bには、垂直壁面73に、これに設けられたネジ穴に金具の内側より螺合し、かつ貫通せしめて左右方向に進退可能とした左右調整ネジ部材761が設けてある。また、水平壁面74には、これに設けられたネジ穴に金具の内側から螺合し、かつ貫通せしめて上下方向に進退可能とした上下調整ネジ部材762が設けてある。更に内壁面75には、第1の金具7Aの第2の屋内外調整ネジ部材764に対応するネジ穴が設けてある。尚、第1、第2の屋内外調整ネジ部材763,764、左右調整ネジ部材761および上下調整ネジ部材762は特許請求の範囲に記載のピン部材に相当する。
【0036】
このように構成した位置決め部材7A,7Bは、複合ガラス板3を方立1および無目2に組付けることにより、第1および第2の金具7A,7Bが重ね合わさるように配置される。即ち第2の金具7Bが第1の金具7Aの内部に位置し、第1および第2の金具7A,7Bの垂直壁面70,73同士、水平壁面71,74同士および内壁面72,75同士が間隔をおいて互いに対向する。そして、第2の金具7Bは、その垂直壁面73の左右調整ネジ部材761の先端を第1の金具7Aの垂直壁面70に突き当てるとともに、水平壁面74の上下調整ネジ部材762の先端を第1の金具7Aの水平壁面71に突き当て、第1の金具7Aにより左右方向および上下方向に支えられている。
更に第2の金具7Bは、図1ないし図4に示すように、その内壁面75に第1の金具7Aの内壁面72の第1の屋内外調整ネジ部材763の先端を突き当てるとともに、ネジ穴765に前記内壁面72の第2の屋内外調整ネジ部材764の先端を螺合してあり、第1の金具7Aにより屋内外方向に支えられている。同様に複合ガラス板3の他の隅角においても、第2の金具7Bが第1の金具7Aに支えられる。
【0037】
そして、両金具7A,7Bにより4隅が支えられた複合ガラス板3は、左右調整ネジ部材761をネジ回してその突出量を変え、第1および第2の金具7A,7Bの垂直壁面70,73間の間隔を変化させることで左右方向の位置調整が可能である。この場合、複合ガラス板3を移動させたい方向の隅角の左右調整ネジ部材761を緩めて金具7Bの内側へ後退させておき、反対側の左右調整ネジ部材761を締め込むことで該ネジ部材761の押し出しにより複合ガラス板3を左右方向に移動させる。
【0038】
同様に、上下調整ネジ部材762により第1および第2の金具7A,7Bの水平壁面71,74間の間隔を変化させることで上下方向の位置調整が可能である。この場合も移動させたい方向の隅角の上下調整ネジ部材762を緩めて金具7Bの内側へ後退させておき、反対側の上下調整ネジ部材762を締め込むことで該ネジ部材762の押し出しにより上下方向に移動させる。
【0039】
更に第1および第2の屋内外調整ネジ部材763,764により第1および第2の位置決め部材7A,7Bの内壁面72,75間の間隔を変化させることで屋内外方向の位置調整が可能である。この場合、屋外側への移動は第2の屋内外調整ネジ部材764を緩めて屋内側へ後退させておき、第1の金具7Aの内壁面72に螺合した第1の屋内外調整ネジ部材763を締め込むことで第2の金具7Bを屋外側へ押し出し移動させる。一方、屋内側への移動は第1の屋内外調整ネジ部材763を緩めて屋内側へ後退させておき、第2の金具7Bの内壁面75に螺合した第2の屋内外調整ネジ部材764を締め込むことでネジ部材764がネジ軸の役割をなし、第2の金具7Bを屋内側へ引き込み移動させる。複合ガラス板3は4隅を個別に屋内外方向に位置調整することでガラス面の角度が変えられる。
【0040】
このようにして複合ガラス板3の位置を調整した後、第1の金具部材7Aの内壁面72と第2の金具7Bの内壁面75とを、両内壁面72,75を貫通するようにタッピングスクリュウ(連結ネジ部材)77を締め込んで、両金具7A,7Bが互いに連結固定してある。
【0041】
本実施形態によれば、複合ガラス板3の左右の側縁30,31を方立1側に左右方向の同一方向(図例では左から右方向)に係止するようになし、かつ左右に隣り合う複数の複合ガラス板3の係止方向を同じにしたことと、更に複合ガラス板3の上縁32および下縁33を無目2側に上下方向の同一方向(図例では上から下方向)に係止するようになし、かつ上下に隣り合う複数の複合ガラス板3の係止方向を同じにしたことにより、建物の振動等の影響による複合ガラス板3の左右動、上下動に対して、次のような作用効果を奏する。
例えば、左右動により左右隣合う複合ガラス板3,3に互いに両者を近づける方向の力が作用すると、一方の複合ガラス板3ではこれに作用する力の作用方向が支持部51よび係止部52の係止方向と一致するので、該複合ガラス板3の移動は規制され、その分、近づく方向に相対移動しようとする両ガラス板3,3間の変位量を半減することができる。
同様に、上下に隣り合う複合ガラス板3,3においても、上下動による両ガラス板3,3間の互いに近づく方向への変位量を半減することができる。
従って従来のように、シーリング剤4Bが潰れて痛むといった不具合、強い衝撃によりガラス板3が割れるといった不具合を防ぐことができる。
【0042】
この他に、左右隣合う複合ガラス板3,3間および上下隣り合う複合ガラス板3,3間における、互いに両者を離間させる方向の力に対しても、両ガラス板3,3間の変位量を半減できる。
また、左右隣り合う複合ガラス板3,3にともに左右同じ方向への力が作用したときには、力の作用方向が支持部51および係止部52の係止方向と同じであれば両複合ガラス板3、3の前記移動は規制され、両複合ガラス板3,3間の間隙に変化は生じない。また力の作用方向が反係止方向のときには両複合ガラス板3,3は規制はされず、両複合ガラス板3,3間の間隙に変化は生じない。
上下隣り合う複合ガラス板3,3間においても上下同方向の力に対して、両複合ガラス板3,3間の間隙に変化は生じない。
更には、各複合ガラス板3は4隅を位置決め部材7A,7Bにより方立1および無目2と連結したので、複合ガラス板3の左右動、上下動を抑える効果が強化される。
このように左右動、上下動に対して、総合的に、隣り合う複合ガラス板3,3間の変位を抑制し、シーリング剤4Bやガラス板3の不具合をなくしてカーテンウォールの傷みを抑えることができる。
【0043】
また複合ガラス板3は4隅の位置決め部材7A,7Bにより、左右、上下および屋内外方向に位置調整可能としたので、複数の複合ガラス板3の表面(屋外面)の向きや位置を作業性容易に均一でき、これらに映り込む外景のガラス映像の歪みを解消して、建物の外観見栄えを良好にできる。
更に、建物の経年変化でガラス映像の歪みが生じても、各複合ガラス板3の表面の向きや位置を容易に再調整することができ、好適に前記歪みを解消することができる。この場合、両位置決め部材7A,7Bを締結するタッピングスクリュ77を抜いて位置調整を行い、調整後にタッピングスクリュ77を締結する。
【0044】
複合ガラス板3の位置調整を多数回行うと、位置決め部材A,7Bの各内壁面72,75にタッピングスクリュ77を締結する位置が無くなるおそれがある。そこで両位置決め部材7A,7Bを連結する際に、位置決め部材7Bの内壁面75にネジ穴を設けておき、これに位置決め部材7Aの内壁面72を貫通するネジ部材を締め込み、該締め込みと第1の屋内外調整ネジ部材763の内壁面75への突き当てを利用して両内壁面72,75を連結するようにしてもよい。この場合、位置決め部材7Aの内壁面72には大型の貫通穴を設け、貫通せしめたネジ部材を上下左右方向に移動可能とし、かつネジ部材には前記貫通穴の周囲に当接する大型ワッシャを設ける。
【0045】
図6、図7は本発明の他の実施形態のカーテンウォールを示し、図6は図1に対応する断面図、図7は図2に対応する断面図である。本実施形態のカーテンウォールの基本構造は先の実施形態のそれとほぼ同じで、以下、相違点を中心に説明し、図においては同一部材を同一符号で示し、それらの説明を省略する。
図6、図7に示すように、本実施形態の複合ガラス板3には、屋内側のガラス板3Bの外周に、アルミニウム製の押出成形品からなる中空構造のフレーム部材3Dが設けてある。フレーム部材3Dは屋内外方向の幅が小さくしてあり、屋内側のガラス板3Bから屋内側へ出ないように設けてある。
【0046】
図6に示すフレーム部材3Dの左右の両側枠部30,31には、それらの屋内面にそれぞれ、方立1に設けられた水平支持具5Aの左向き支持部51に対応する右向き係止部52が一体に形成してある。右向き係止部52は前記屋内面から屋内側かつ右方向に向けて断面ほぼ右向きL字状をなす突出部で構成してある。
【0047】
一方、図7に示すフレーム部材3Dの上下の両枠部32,33にはそれらの屋内面にそれぞれ、無目2に設けられた垂直支持具6Aの上向き支持部61に対応する下向き係止部62が一体形成してある。下向き係止部62は前記屋内側面から屋内側かつ下方向に向けて断面ほぼ下向きL字状をなす突出部で構成してある。
【0048】
そして複合ガラス板3は屋内側のガラス板3Bの外周をクッション材4Aに当接せしめ、左右の両側枠部30,31の各右向き係止部52,52をそれぞれ、方立1の左向き支持部51,51に係止せしめるとともに、上下の両枠部32,33の各下向き係止部62,62をそれぞれ、無目2の上向き支持部61,61に係止せしめて方立1および無目2に組付けてある。
【0049】
また本実施形態の複合ガラス板3は、フレーム部材3Dが屋内側へ張り出してないため、複合ガラス板3の4隅を方立1および無目2の開口部Fの4隅に連結するガラス板側の位置決め部材たる第2の金具7Cが屋内側のガラス板3Bに設けてある。
第2の金具7Cは、垂直壁面73および水平壁面74の屋外側の端縁間を繋ぐように外壁面78が形成してあり、外壁面78が緩衝材を介してガラス板3Bに接着してある。そして位置決め部材7Cは、先の実施形態と同様に開口部F側の第1の金具7Aに支えられ、これと連結してある。
【0050】
本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。更にフレーム部材3Dに右向き係止部52、下向き係止部62を一体に形成した分、構造の簡素化が図れる。
【符号の説明】
【0051】
1 方立
2 無目
3 複合ガラス板(パネル部材)
3A 屋外側のガラス板
3B 屋内側のガラス板
3C,3D フレーム部材
30,31 左右の側枠部(パネル部材の左右の側縁)
32 上枠部(パネル部材の上縁)
33 下枠部(パネル部材の下縁)
4B シーリング剤
5A 水平支持具(水平方向係止部材)
5B 水平係止具(水平方向係止部材)
51 左向き支持部(一方の水平方向係止部材)
52 右向き係止部(他方の水平方向係止部材)
6A 垂直支持具(垂直方向係止部材)
6B 垂直係止具(垂直方向係止部材)
61 上向き支持部(一方の垂直方向係止部材)
62 下向き係止部(他方の垂直方向係止部材)
7A 第1の金具(開口部側の金具、位置決め部材)
7B,7C 第2の金具(パネル部材側の金具、位置決め部材)
70,73 垂直壁面
71,74 水平壁面
72,75 内壁面
761 左右調整ネジ部材(ピン部材)
762 上下調整ネジ部材(ピン部材)
763 第1の屋内外調整ネジ部材(ピン部材)
764 第2の屋内外調整ネジ部材(ピン部材)
77 タッピングスクリュウ(連結ネジ部材)
F 開口部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる複数の方立と、水平方向に延びる複数の無目とで形成された複数の枠内の開口部をそれぞれ、屋外側よりガラス板等の矩形のパネル部材を組付けて塞ぐとともに、隣り合うパネル部材の隙間をシーリング剤で接着シールせしめた建物のカーテンウォールにおいて、
隣り合う左右の方立と、これらと対向するパネル部材の左右の側縁には、互いに水平方向に係合する水平方向係合部材を設けるとともに、
隣り合う上下の無目と、これらと対向するパネル部材の上縁および下縁には、互いに垂直方向に係合する垂直方向係合部材を設け、
方立側の水平方向係止部材とパネル部材側の水平方向係止部材とを、パネル部材側の左右両側縁の水平方向係止部材を方立側の水平方向係止部材に左右の一方向から係合せしめる構成となし、
無目側の垂直方向係止部材とパネル部材側の垂直方向係止部材とを、パネル部材側の上下両縁の垂直方向係止部材を無目側の垂直方向係止部材に上下の一方向から係合せしめる構成となし、
上記開口部の4隅には、パネル部材の4隅と係合してパネル部材を位置決めする位置決め部材を設けたことを特徴とする建物のカーテンウォール。
【請求項2】
請求項1に記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記パネル部材の外周にこれを囲む枠状のフレーム部材を設け、
前記フレーム部材の左右の両側枠部に前記パネル部材側の水平方向係止部材を設け、
前記フレーム部材の上枠部および下枠部に前記パネル部材側の垂直方向係止部材を設けた建物のカーテンウォール。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の建物のカーテンウォールにおいて、
方立側又はパネル部材側のいずれか一方の前記水平方向係止部材を左右の一方向に向けて開口する断面ほぼコ字状に形成するとともに、他方の水平方向係止部材として前記一方の水平方向係止部材内に嵌入する突出部を形成し、
無目側又はパネル部材側のいずれか一方の前記垂直方向係止部材を上下の一方向に向けて開口する断面ほぼコ字状に形成するとともに、他方の垂直方向係止部材として前記一方の垂直方向係止部材内に嵌入する突出部を形成した建物のカーテンウォール。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記開口部の4隅にはそれぞれ前記位置決め部材として、垂直の壁面と水平の壁面とを備えた断面L字形をなし、かつ前記垂直の壁面および前記水平の壁面の屋内側の端縁間を閉じる内壁面を備えた金具を設けるとともに、
前記パネル部材の4隅にはそれぞれ前記位置決め部材として、垂直の壁面と水平の壁面とを備えた断面L字形をなし、かつ前記垂直の壁面および前記水平の壁面の屋内側の端縁間を閉じる内壁面を備えた金具を設け、
開口部側の金具およびパネル部材側の金具を互いに重ね合わせるように配置し、
かつ、開口部側の金具又はパネル部材側の金具のいずれか一方の金具に、前記垂直の壁面と水平の壁面および内壁面を貫通して突出量を調整可能とした複数のピン部材を設けて、これらのピン部材により開口部側およびパネル部材側の両金具の間隙を微調整してパネル部材の位置決めを行い、開口部側およびパネル部材側の両金具を連結ネジ部材によりネジ締め固定せしめる建物のカーテンウォール。
【請求項5】
請求項2ないし4に記載の建物のカーテンウォールにおいて、
前記パネル部材を、相対向する2枚のガラス板の間に中空層を設けて2重構造の断熱性の複合ガラス板で構成し、
屋内側のガラス板の外周を前記フレーム部材で囲む構成とした建物のカーテンウォール。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−117260(P2012−117260A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266833(P2010−266833)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(592018582)綿半鋼機株式会社 (10)
【Fターム(参考)】