説明

建物の太陽熱集熱設備

【課題】建物の外周部に付与される太陽熱を熱エネルギとして利用可能な構成において、太陽熱の好適な取得と窓部を通じての好適な採光とを両立する。
【解決手段】建物10の外壁15の屋外側には、集熱板としてのスパンドレル31が設けられており、スパンドレル31と外壁15との間には第1集熱空間が形成されている。外壁15には小窓が設けられており、小窓の屋外側にはスパンドレル開口部41が設けられている。小窓35には内側ガラス戸が取り付けられ、スパンドレル開口部41には外側ガラス戸44が取り付けられている。内側ガラス戸と外側ガラス戸44との間には第2集熱空間が形成されており、第2集熱空間は第1集熱空間と隣り合っている。小窓35及びスパンドレル開口部41にはサッシ枠51が取り付けられており、サッシ枠51には第1集熱空間と第2集熱空間とを通気可能に連通する連通孔が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の太陽熱集熱設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物について、太陽光の熱を熱エネルギとして利用する技術が提案されている。この技術としては、建物において外壁や屋根等の外周部の屋外側に集熱板を設けることで外周部と集熱板との間に集熱空間を形成し、集熱板に太陽光が照射されることで集熱空間に蓄えられた太陽熱を熱エネルギとして利用する技術がある。例えば特許文献1の図2等には、建物の外周部に窓部が設けられており、集熱板が窓部以外の部分に設けられている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−20401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建物において太陽光が照射される南側面では、屋内空間への採光量を大きくすることなどを目的として、窓部の開口面積が大きく設定されていることがある。この場合、集熱板が窓部以外の部分に設けられている構成では、窓部の分だけ集熱板の表面積を小さくせざるを得ず、集熱空間にて熱エネルギとして取得できる太陽熱の量も小さくなってしまう。したがって、太陽光の熱を熱エネルギとして利用する技術に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、建物の外周部に付与される太陽熱を熱エネルギとして利用可能な構成において、太陽熱の好適な取得と窓部を通じての好適な採光とを両立することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明の建物の太陽熱集熱設備は、建物の外壁部や屋根部といった外周部の屋外側に、太陽光が当たる状態で集熱板が設けられており、前記外周部と前記集熱板との間に第1集熱空間が形成されている建物の太陽熱集熱設備であって、前記外周部には窓部が設けられ、前記集熱板において前記窓部の屋外側には集熱板開口部が設けられており、前記窓部には、光透過性を有する内側遮蔽体が取り付けられ、前記集熱板開口部には、光透過性を有する外側遮蔽体が前記内側遮蔽体に対向するように取り付けられており、前記内側遮蔽体と前記外側遮蔽体との間には、前記第1集熱空間と隣り合うように第2集熱空間が形成されており、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間とは、互いに通気可能に連通されていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、外壁や屋根等の外周部において、窓部の非設置部分に集熱板が配置されているのに加え、窓部の設置部分に外側遮蔽体が配置されているため、集熱板及び外側遮蔽体の総表面積は窓部の開口面積を含んでいる。これにより、窓部の開口面積を確保することと、各集熱板の総表面積を大きく設定することとを両立することができる。つまり、屋内空間への採光量の増加と、建物の外周部にて取得できる太陽熱の増加とを両立することができる。しかも、第2集熱空間と第1集熱空間とは連通されることで連続した集熱空間とされているため、各集熱空間に付与された太陽熱を熱エネルギとしてまとめて利用することが容易となる。例えば、各集熱空間から太陽熱により加熱された暖気を取り出して屋内空間で利用することが容易となる。
【0008】
以上により、建物の外周部に付与される太陽熱を熱エネルギとして利用可能な構成において、太陽熱の好適な取得と窓部を通じての好適な採光とを両立することができる。
【0009】
第2の発明では、前記内側遮蔽体は、前記窓部に開閉可能に取り付けられ、前記外側遮蔽体は、前記集熱板開口部に開閉可能に取り付けられ、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間との通気を可能とする通気状態と通気を遮断する通気遮断状態とに移行可能な通気状態切替部材が、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間との境界部に設けられている。
【0010】
第2の発明によれば、窓部の屋外側に第2集熱空間が形成されていても、内側遮蔽体及び外側遮蔽体を開放状態とすることにより窓部及び集熱板開口部を通じて屋内空間の通気を行うことが可能となる。しかも、通気状態切替部材により第1集熱空間と第2集熱空間との通気が遮断されている場合には、内側遮蔽体及び外側遮蔽体の少なくとも一方が開放されることにより第2集熱空間が開放空間となっても、第1集熱空間に付与された太陽熱が第2集熱空間側に放出されることを阻止できる。したがって、内側遮蔽体及び外側遮蔽体を開放して屋内空間の通気を行うことと、第1集熱空間に付与された太陽熱を熱エネルギとして利用することとを同時に実施できる。
【0011】
第3の発明では、前記窓部には、前記内側遮蔽体を支持する内側枠部が設けられており、前記内側枠部には、その屋外側に向けて延びる延出枠部が設けられており、前記延出枠部は、前記外側遮蔽体を支持する支持部分を有しており、前記延出枠部において前記支持部分よりも前記内側枠部側には、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間とを通気可能に連通する連通孔が設けられており、前記通気状態切替部材は、前記連通孔を開閉する開閉体である。
【0012】
第3の発明によれば、外側遮蔽体を支持する延出枠部が、内側遮蔽体を支持する内側枠部から屋外側に向けて延出しているため、外側遮蔽体を内側遮蔽体から屋外側に離間して配置する構成を容易に実現できる。この場合、第1集熱空間と第2集熱空間とが延出枠部により仕切られることになるが、延出枠部に連通孔が設けられているため、それら集熱空間を通気可能に連通できる。したがって、外側遮蔽体が枠状の部材により支持されていても、第1集熱空間と第2集熱空間とを連続した集熱空間とすることができる。
【0013】
第4の発明では、前記第1集熱空間は、前記第2集熱空間の上方及び下方のそれぞれにおいて該第2集熱空間と上下に並んで配置された縦並び部分を有し、前記連通孔は、前記延出枠部において、前記縦並び部分と前記第2集熱空間とを上下に仕切る部分に設けられている。
【0014】
延出枠部が内側枠部から屋外側に延出している場合、第1集熱空間と第2集熱空間とは延出枠部により仕切られた状態となっており、第1集熱空間の縦並び部分と第2集熱空間とが上下に隣接する部分においては、各集熱空間に付与された太陽熱が延出枠部の下側に滞留して、集熱利用の効率が下がることが懸念される。この点、第4の発明によれば、上下に隣接する第1集熱空間の縦並び部分と第2集熱空間との通気が連通孔を通じて行われるため、延出枠部の下側に太陽熱が滞留することを抑制できる。したがって、第1集熱空間及び第2集熱空間に付与された太陽熱の利用効率を高めることができる。
【0015】
第5の発明では、前記内側遮蔽体が開放されたことを検出する開放検出手段と、前記通気状態切替部材を前記通気遮断状態と前記通気状態とに駆動移行させる駆動手段と、前記開放検出手段により前記内側遮蔽体の開放が検出された場合に、前記駆動手段を駆動させて前記通気状態切替部材を前記通気遮断状態に移行させる制御手段と、を備えている。
【0016】
第5の発明によれば、内側遮蔽体が開放されると、駆動手段の駆動によって通気状態切替部材が通気遮断状態に移行する。したがって、窓部における通気と太陽熱集熱との両立が実現された構成において、窓部を通じての屋内空間の通気が行われる場合に、通気状態切替部材を通気遮断状態に移行させる作業を行う手間を省くことができる。
【0017】
第6の発明では、前記内側遮蔽体は、前記外側遮蔽体に比べて遮熱性が高い高遮熱パネルである。
【0018】
第6の発明によれば、外側遮蔽体に太陽光が照射された場合に、外側遮蔽体を通じて太陽熱を第2集熱空間に伝えることができるとともに、第2集熱空間から屋内空間へは内側遮蔽体により熱が伝わりにくくなっている。したがって、外側遮蔽体に加えられた太陽熱を第2集熱空間に蓄える蓄熱率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】建物の正面図。
【図2】建物の小窓周辺の構成を示す概略断面図。
【図3】小窓周辺の外壁の構成を示す図。
【図4】サッシ枠の連結枠部の上部構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明を二階建ての建物として具体化しており、その建物においては、太陽光の熱を熱エネルギとして利用する太陽熱集熱システムが構築されている。図1は建物10の正面図、図2は図1のA−A線断面図である。なお、図2には、太陽熱集熱システムの電気的構成を示すブロック図を図示している。
【0021】
図1、図2において、住宅等の建物10は、基礎11の上に設置された建物本体12と、建物本体12の上に設置された屋根部分13とを有している。建物本体12は、下階部としての一階部分12aと、一階部分12aの上に設置された上階部としての二階部分12bとを有している。この場合、建物本体12の外壁15及び屋根部分13が建物10の外周部に相当する。
【0022】
建物本体12の一側面(例えば南面)においては、外壁15を屋内側に凹ませて形成されたアルコーブ21が一階部分12aに配置されており、アルコーブ21と同様に外壁を屋内側に凹ませることで形成されたインナバルコニー22が二階部分12bに配置されている。アルコーブ21とインナバルコニー22はそれぞれ建物本体12の南面において上下に並べて配置されている。アルコーブ21及びインナバルコニー22においては、各階の床面から上方に延びる掃き出し窓25がそれぞれ設けられており、それぞれ掃き出し窓25を通じて屋内空間からの出入りが可能となっている。
【0023】
建物本体12の側面のうちアルコーブ21及びインナバルコニー22が設けられた一側面においては、それらアルコーブ21及びインナバルコニー22の側方に集熱板としてのスパンドレル31が設けられている。
【0024】
スパンドレル31は、外壁15の屋外側において一階部分12a及び二階部分12bに亘って上下方向に延びるように配置されている。スパンドレル31は、ガルバリウム等の金属材料により全体として略矩形状に形成された化粧板であり、比較的高い熱伝導率を有している。スパンドレル31は、板材が横断面波形状となるように折り曲げられたものであり、その波形状によって表面積が大きくされている。つまり、スパンドレル31の屋外面において太陽光が当たる面積が大きくされている。スパンドレル31は、波形状により形成された複数の溝部を有しており、それら溝部が上下方向に延びるように設置されている。なお、波形状としては、正弦波形状や矩形波形状が挙げられる。
【0025】
スパンドレル31は、外壁15の屋外面(外壁面)から離間した位置にてスパンドレル支持枠32により支持されており、スパンドレル31と外壁15との離間部分が、スパンドレル31を介して太陽熱が付与される第1集熱空間33とされている。スパンドレル支持枠32は矩形枠状とされており、一階部分12a及び二階部分12bに跨って延びた状態でスパンドレル31の周縁部を支持している。スパンドレル支持枠32はスパンドレル31の周縁部に沿って延びており、スパンドレル31の周縁部において第1集熱空間33を囲んでいる。
【0026】
なお、外壁15は、天井大梁や床大梁などに取り付けられた複数の外壁パネルを含んで構成されている。外壁パネルは、外壁面を形成する外壁面材と、外壁面材を支持する下地フレームとを有しており、下地フレームがビスなどの固定具により天井大梁や床大梁などに固定されている。この場合、第1集熱空間33は、スパンドレル31と外壁面材との間に形成されていることになる。
【0027】
外壁15には、スパンドレル31が設けられている部分において窓部としての小窓35が設けられている。小窓35は、略矩形状とされ、一階部分12a及び二階部分12bのそれぞれに配置されており、各階の小窓35は上下に並べられている。各小窓35の屋外側には、スパンドレル31を厚み方向に貫通する集熱板開口部としてのスパンドレル開口部41がそれぞれ設けられている。スパンドレル開口部41は、対応する小窓35とほぼ同じ大きさ及び形状とされており、その小窓35と重なる位置に配置されている。この場合、小窓35及びスパンドレル開口部41は、外壁15の厚み方向において並び、互いに連通している。
【0028】
小窓35には、その小窓35を開閉する開閉建具としての内側ガラス戸43が設けられており、スパンドレル開口部41には、そのスパンドレル開口部41を開閉する外側ガラス戸44が設けられている。つまり、小窓35及びスパンドレル開口部41において二重窓が形成された状態となっている。
【0029】
内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44はそれぞれ光透過性を有するガラス戸とされている。内側ガラス戸43は、高遮熱性を有する熱線反射ガラスやLow−Eガラス(低放射ガラス)等の材料により形成された高遮熱パネルであり、外側ガラス戸44のガラス板は、遮熱性の低い材料により形成された低遮熱パネルである。この場合、内側ガラス戸43のガラス板は外側ガラス戸44ガラス板に比べて遮熱性が高くなっている。
【0030】
なお、内側ガラス戸43が窓部の内側遮蔽体に相当し、外側ガラス戸44が外側遮蔽体に相当する。また、外側ガラス戸44は、外壁15の屋外側においてスパンドレル31と同一平面となるように配置されている。
【0031】
内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44がそれぞれ閉鎖状態にある場合、それら内側ガラス戸43と外側ガラス戸44とは離間した状態で対向しており、その離間部分が、外側ガラス戸44を介して太陽光が付与される第2集熱空間46とされている。第2集熱空間46は、小窓35の屋外側に配置されていることになり、第1集熱空間33と外壁面に沿って並んだ状態となっている。この場合、外壁面が延びる方向において、第2集熱空間46の上下左右に第1集熱空間33が存在している。
【0032】
内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44は両方とも建具枠としてのサッシ枠51により回動可能に軸支されている。内側ガラス戸43は、屋内側に向けて回動することで開放状態に移行する内開き式とされており、外側ガラス戸44は、屋外側に向けて回動することで開放状態に移行する外開き式とされている。このため、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44は、互いに干渉することなく開放状態に移行することが可能となっている。
【0033】
サッシ枠51は、全体として矩形枠状に形成されており、小窓35及びスパンドレル開口部41の両方に対して取り付けられている。サッシ枠51は、小窓35内に嵌め込まれた内側枠部52と、スパンドレル開口部41に嵌め込まれた外側枠部53と、それら内側枠部52と外側枠部53とを連結する連結枠部54とを有しており、それら枠部52〜54が一体成形されることで製造されたものである。この場合、外側枠部53及び連結枠部54は、内側枠部52から屋外側に向けて延出しており、延出枠部を構成していることになる。また、外側枠部53が外側ガラス戸44を支持する支持部分に相当する。
【0034】
ここでは、サッシ枠51について図3を参照しつつ説明する。図3は小窓35周辺の外壁15の構成を示す図である。なお、図3においては、外壁15を屋外側から見た図を示しており、スパンドレル31、外側ガラス戸44及びサッシ枠51の外側枠部53の図示を省略している。
【0035】
図3に示すように、サッシ枠51の連結枠部54は、外壁15の屋外側において、第1集熱空間33と第2集熱空間46との境界部に沿って延びており、それら集熱空間33,46を仕切っている。連結枠部54は、通気遮断性能を有しており、第1集熱空間33と第2集熱空間46との通気を遮断している。
【0036】
連結枠部54は、略水平方向に延びる横枠材54aと、略鉛直方向に延びる縦枠材54bとを有している。横枠材54aは、小窓35(第2集熱空間46)の上方及び下方のそれぞれに配置されており、第1集熱空間33のうち小窓35の上方にある部分及び下方にある部分のそれぞれを第2集熱空間46に対して上下に仕切っている。縦枠材54bは、第2集熱空間46の両側方のそれぞれに配置されており、第1集熱空間33のうち第2集熱空間46の両側方にある各部分のそれぞれを第2集熱空間46に対して左右に仕切っている。
【0037】
連結枠部54の横枠材54aには、その横枠材54aを上下に貫通する貫通孔56が設けられている。貫通孔56は連結枠部54の上部及び下部の各横枠材54aのそれぞれにおいて、横枠材54aの長手方向に並べて所定間隔で複数形成されている。貫通孔56は、第1集熱空間33のうち連結枠部54の上方及び下方の各部分と第2集熱空間46とを上下に連通している。貫通孔56は連通孔に相当し、第1集熱空間33と第2集熱空間46との境界部に配置されていることになる。
【0038】
サッシ枠51の連結枠部54には、貫通孔56を開閉する開閉体58が設けられている。開閉体58は、連結枠部54の上部及び下部の各横枠材54aのそれぞれに取り付けられており、通気状態切替部材に相当する。ここでは、上側の横枠材54aに取り付けられた開閉体58について図4を参照しつつ説明する。図4はサッシ枠51の連結枠部54の上部構成を示す図である。
【0039】
図4において、開閉体58は、合成樹脂材料や金属材料などの材料により形成されており、通気遮断性を有する板材となっている。開閉体58は、上側の横枠材54aの下面(サッシ枠51の内周面)と重なるように配置されており、横枠材54aの長手方向に沿ってスライド移動することで通気状態と通気遮断状態とに移行する。
【0040】
具体的には、開閉体58には、その開閉体58を上下に貫通する貫通孔59が横枠材54aの貫通孔56と同じ間隔で複数設けられている。開閉体58は、各貫通孔59が横枠材54aの各貫通孔56と連通する位置にある場合に通気状態(図4(a)状態)にあり、その場合に貫通孔56,59を通じた第1集熱空間33と第2集熱空間46との通気が行われる。また、開閉体58は、その板面が横枠材54aの各貫通孔56を塞ぐ位置にある場合に通気遮断状態(図4(b)の状態)にあり、その場合に貫通孔56を通じての通気が行われない。
【0041】
なお、開閉体58は、横枠材54aの下面と係止した状態でスライド移動する構成とされている。また、連結枠部54において下側の横枠材54aについては、その上面(サッシ枠51の外周面)に開閉体58がスライド移動可能に取り付けられている。したがって、住人等は、上側及び下側の各横枠材54aのいずれについても、小窓35から手を出すことで開閉体58を掴んでスライド移動させる作業を容易に行うことができる。
【0042】
図3の説明に戻り、外壁15の屋外側において、小窓35を含んで上下方向に延びる領域を窓有り領域S1とし、小窓35を含まずに上下方向に延びる領域を窓無し領域S2とすると、それら窓有り領域S1と窓無し領域S2とは横並びに配置されていることになる。この場合、窓無し領域S2において第1集熱空間33は、一階部分12a及び二階部分12bに亘って上下方向に延びる連続した空間となっている。したがって、スパンドレル31に太陽光が照射されると第1集熱空間33の空気が太陽熱により暖気となり、窓無し領域S2の上下方向の全体を流れる上昇気流が発生する。
【0043】
一方、窓有り領域S1においては、第1集熱空間33及び第2集熱空間46が上下に並んでいる。このため、開閉体58が通気状態にある場合は、第1集熱空間33及び第2集熱空間46が貫通孔56,59を通じて連通され、全体として一階部分12a及び二階部分12bに亘って上下方向に延びる連続した空間となる。したがって、窓無し領域S2と同様に、窓有り領域S1の上下方向の全体を流れる上昇気流が発生する。これに対して、開閉体58が通気遮断状態にある場合は、第1集熱空間33と第2集熱空間46とが互いに独立した空間となる。したがって、開閉体58が通気状態にある場合とは異なり、上昇気流は各集熱空間33,46において個別に発生し、窓有り領域S1の上下方向の全体を流れることにはならない。
【0044】
なお、第1集熱空間33においては、窓有り領域S1にて第2集熱空間46の上方及び下方のそれぞれに配置された部分が縦並び部分に相当する。
【0045】
次に、太陽熱集熱システムの電気的な構成について説明する。なお、太陽熱集熱システムは一階部分12a及び二階部分12bのそれぞれにおいて同じ構成とされている。したがって、ここでは、一階部分12aについての説明を行い、二階部分12bについての説明は省略する。
【0046】
図2に示すように、一階部分12aには屋内空間としての居室61が設けられており、その居室61の外壁15には、第1集熱空間33と居室61との通気を行う通気路62が設けられている。通気路62は小窓35の上方及び下方のそれぞれに配置されており、それぞれ外壁15を壁厚み方向に貫通している。上側の通気路62には、電動モータを含んで構成された給気ファン63が設けられている。給気ファン63が駆動した場合、上側の通気路62を通じて第1集熱空間33の空気が居室61内に供給されるとともに、下側の通気路62を通じて居室61の空気が第1集熱空間33に取り入れられる。
【0047】
なお、上側の通気路62においては屋外側の端部が複数に分岐しており、各分岐部分が窓有り領域S1及び窓無し領域S2のそれぞれの上部に通じている。これにより、第1集熱空間33の水平方向全体の空気が居室61に供給されやすくなる。したがって、窓有り領域S1及び窓無し領域S2のそれぞれに太陽熱が付与されて暖気が生じた場合に、暖気が領域S1,S2の上部にこもってしまうことを抑制できる。
【0048】
太陽熱制御システムは制御手段としてのコントローラ71を含んで構築されている。コントローラ71は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されており、例えば居室61の内壁面に取り付けられている。コントローラ71には、内側ガラス戸43が開放されたことを検出する内側開放センサ72と、外側ガラス戸44が開放されたことを検出する外側開放センサ73とが接続されており、各開放センサ72,73は、検出信号をコントローラ71に対して出力する。
【0049】
内側開放センサ72及び外側開放センサ73はそれぞれ接触センサとされており、内側開放センサ72は内側ガラス戸43の回動先端側に取り付けられ、内側ガラス戸43が開放された際に内側枠部52から離間したことを検出する。同様に、外側開放センサ73は外側ガラス戸44の回動先端側に取り付けられ、外側ガラス戸44が開放された際に外側枠部53から離間したことを検出する。
【0050】
コントローラ71には、給気ファン63と、開閉体58の駆動移動を行う駆動部75とが接続されており、コントローラ71は、指令信号を出力することにより給気ファン63及び駆動部75の動作制御を行う。駆動部75は、電動モータを含んで構成されており、駆動することにより開閉体58を通気状態又は通気遮断状態に移行させる。
【0051】
コントローラ71は、冬期などにおいて太陽熱を熱エネルギとして利用して居室61を温めるか否かを判定し、温める場合に給気ファン63を駆動させる。例えば、居室61の温度が所定温度(例えば10℃)以下であるか否かの判定、第1集熱空間33の温度が所定温度(例えば15℃)以上であるか否かの判定を行い、各判定がいずれも肯定された場合に太陽熱を利用して暖房を行うとして、給気ファン63を駆動させる。
【0052】
コントローラ71は、給気ファン63を駆動させる一方で、内側開放センサ72及び外側開放センサ73の各検出信号に基づいて内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44が開放状態にあるか否かを判定し、両ガラス戸43,44が両方とも閉鎖状態にある場合、駆動部75を駆動させて開閉体58を通気状態とする。これにより、窓無し領域S2はもちろんのこと窓有り領域S1においても上下方向の全体を流れる上昇気流が発生し、第1集熱空間33及び第2集熱空間46にて生じた暖気が通気路62から居室61に供給される。
【0053】
一方、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44の少なくとも一方が開放状態にある場合、駆動部75を駆動させて開閉体58を通気遮断状態とする。ここで、ガラス戸43,44が開放されると第2集熱空間46が存在しないことになるため、開閉体58が通気状態にある場合、窓有り領域S1においては第1集熱空間33内の暖気が貫通孔56,59を通じてスパンドレル開口部41に向けて放出されてしまう。これに対して、開閉体58が通気遮断状態とされることにより、窓有り領域S1において第1集熱空間33内の暖気を貫通孔56,59から放出させることなく居室61に供給できる。この場合、第1集熱空間33においては、窓有り領域S1から窓無し領域S2に暖気が流れ込むことなどにより空間全体の暖気が居室61に供給されることになる。
【0054】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0055】
外壁15の屋外側に第1集熱空間33が設けられた建物10において、小窓35の屋外側に第2集熱空間46が設けられている。このため、スパンドレル31及び外側ガラス戸44の総表面積は小窓35の開口面積を含んでいる。これにより、小窓35の開口面積を確保することと、スパンドレル31及び外側ガラス戸44の総表面積を大きく設定することとを両立することができる。つまり、居室61等の屋内空間への採光量の増加と、外壁15の屋外側にて取得できる太陽熱の増加とを両立することができる。しかも、第1集熱空間33と第2集熱空間46とは連通されることで連続した空間とされているため、各集熱空間33,46に付与された太陽熱を暖気としてまとめて居室61に供給することが容易となる。
【0056】
以上により、建物10の外壁15に付与される太陽熱を熱エネルギとして利用可能な構成において、太陽熱の好適な取得と小窓35を通じての好適な採光とを両立することができる。
【0057】
小窓35の側方に加えて上方及び下方に第1集熱空間33が設けられているため、第1集熱としてのスパンドレル31の表面積を極力大きくすることができる。つまり、第1集熱空間33にて取得できる太陽熱量を極力大きくすることができる。しかも、第1集熱空間33と第2集熱空間46とは連通されているため、各集熱空間33,46のそれぞれに付与された太陽熱を暖気として上方の集熱空間に集めることができる。したがって、小窓35に付与される太陽熱、及びその小窓35の上方部分及び下方部分に付与される太陽熱を熱エネルギとして利用することが容易となる。
【0058】
第1集熱空間33と第2集熱空間46とを連通する貫通孔56が、外側遮蔽体としての外側ガラス戸44を支持するサッシ枠51の連結枠部54において横枠材54aに設けられている。このため、窓有り領域S1において第1集熱空間33及び第2集熱空間46を全体として上下方向に延びる連続した空間とすることができる。これは、太陽熱により生じた暖気を窓有り領域S1の上部から通気路62を通じて居室61に供給する構成を実現する上で有効である。しかも、上下に並ぶ集熱空間33,46を連通する構成は貫通孔56を連結枠部54の縦枠材54bに設けなくても実現できるため、連結枠部54の支持強度が低下することを抑制できる。したがって、外側ガラス戸44に付与される太陽熱を暖気として好適に利用することができるとともに、外側ガラス戸44を好適に支持することができる。
【0059】
サッシ枠51は、内側枠部52、外側枠部53及び連結枠部54を有しているため、既設の建物10のリフォームとして第2集熱空間46を後付けすることができる。例えば、建物10の構築時に小窓35にサッシ枠51を取り付けておく。これにより、既設の建物10に対してスパンドレル31を後付けして第1集熱空間33を形成する作業、及び外側ガラス戸44を後付けして第2集熱空間46を形成する作業を容易化できる。
【0060】
内側ガラス戸43と外側ガラス戸44との間に第2集熱空間46が形成されている構成において、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44は両方とも開放可能とされているため、小窓35に照射される太陽光の熱を熱エネルギとして居室61の暖房に利用することができる構成において、小窓35を通じて居室61の通気を行うことができる。
【0061】
開閉体58が通気遮断状態にある場合、窓有り領域S1において第1集熱空間33と第2集熱空間46との通気が遮断される。この場合、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44の少なくとも一方が開放状態とされて第2集熱空間46が開放空間となっても、第1集熱空間33から空気が第2集熱空間46側に放出されることを阻止できる。つまり、第1集熱空間33に付与された太陽熱が第2集熱空間46側に放出されることを阻止できる。したがって、小窓35を通じて居室61の通気を行うことと、第1集熱空間33に付与された太陽熱を暖気として利用することとを同時に行うことができる。また、夏期であれば、小窓35を通じて居室61の通気を行う際に、太陽光により加熱された第1集熱空間33内の暖気が居室61に流れ込むことを抑制できる。
【0062】
サッシ枠51において外側枠部53及び連結枠部54は、内側枠部52から屋外側に延びた状態とされているため、外側ガラス戸44を内側ガラス戸43から屋外側に離間して配置する構成を容易に実現できる。この場合、第1集熱空間33と第2集熱空間46とは連結枠部54により仕切られることになるが、連結枠部54に貫通孔56が設けられているため、それら集熱空間33,46を通気可能に連通できる。したがって、外側ガラス戸44が枠状の部材により支持されていても、第1集熱空間33と第2集熱空間46とを連続した集熱空間とすることができる。
【0063】
窓有り領域S1においては、第1集熱空間33と第2集熱空間46とが連結枠部54の横枠材54aにより上下に仕切られているため、各集熱空間33,46において暖気が横枠材54aの下側に滞留することが懸念される。これに対して、横枠材54aに貫通孔56が設けられているため、各集熱空間33,46の暖気が貫通孔56を通じて上方に向けて流れる。この場合、横枠材54aの下側に太陽熱が滞留することを抑制できるため、各集熱空間33,46に付与された太陽熱の利用効率を高めることができる。
【0064】
コントローラ71は、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44の少なくとも一方が開放された場合に、開閉体58を通気遮断状態に移行させる。これにより、住人等は、小窓35を通じて居室61の通気を行う場合に、開閉体58を手作業で通気遮断状態に移行させる必要がない。つまり、開閉体58を移動させる作業の手間を省くことができる。
【0065】
内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44は両方とも光透過性を有している。このため、第2集熱空間46にて太陽熱を取得することと、小窓35から居室61への採光を行うこととを同時に行うことができる。さらに、内側ガラス戸43は外側ガラス戸44に比べて断熱性が高いため、外側ガラス戸44を通じて第2集熱空間46に加えられた太陽熱は居室61に伝わりにくくなっている。このため、外側ガラス戸44に付与された太陽熱を第2集熱空間46に蓄える蓄熱率を高めることができる。
【0066】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0067】
(1)連結枠部54において貫通孔56は、縦枠材54bに設けられていてもよい。つまり、第2集熱空間46が側方の第1集熱空間33と連通されていてもよい。この場合でも、第2集熱空間46の暖気が貫通孔56を通じて第1集熱空間33に流れ込むことにより、各集熱空間33,46のそれぞれの暖気をまとめて居室61に供給することができる。なお、貫通孔56は縦枠材54bの下部や上部に配置されていることが好ましい。これにより、各集熱空間33,46にて発生した上昇気流が貫通孔56を通りやすい状態とすることができる。
【0068】
(2)第1集熱空間33の縦並び部分は、第2集熱空間46の上方及び下方のうち一方に配置されていてもよい。例えば、第2集熱空間46の上方及び下方のうち下方に第1集熱空間33の縦並び部分が配置されており、第2集熱空間46が空調ダクト等を通じて居室61に連通されている構成とする。この構成でも、第1集熱空間33の縦並び部分から第2集熱空間46に向かう上昇気流が生じることにより、各集熱空間33、46の暖気をまとめて居室61に供給することができる。
【0069】
(3)通気状態切替部材としての開閉体58は、連結枠部54の外周側に設けられていてもよい。また、開閉体58は、連結枠部54に対して回動可能に軸支されていてもよい。例えば、回動軸線が横枠材54aの長手方向に沿って延びるように軸支されている構成とする。この構成では、開閉体58に貫通孔59が形成されておらず、開閉体58は横枠材54aと重なることで挿通部としての貫通孔56を閉鎖し、回動先端側が横枠材54aから離間するように回動することで貫通孔56を開放する。
【0070】
(4)内側遮蔽体としての内側ガラス戸43や外側遮蔽体としての外側ガラス戸44は、スライド式や滑り出し式など他の方式により開閉される構成でもよい。また、内側ガラス戸43及び外側ガラス戸44の少なくとも一方が嵌め殺し式とされていてもよい。例えばガラス戸43,44の両方が嵌め殺し式とされた構成とする。
【0071】
(5)サッシ枠51において、延出枠部を構成する外側枠部53及び連結枠部54は内側枠部52に対して独立した部材とされていてもよい。例えば、内側枠部52から屋外側に離間した位置に外側枠部53が後付けされた構成とする。この構成では、外側枠部53が棒状の支持部材により内側枠部52に固定されており、内側枠部52と外側枠部53との離間部分が第1集熱空間33と第2集熱空間46とを連通する連通孔に相当する。これにより、連通孔の通気量を極力大きくすることができる。
【0072】
(6)第1集熱空間33及び第2集熱空間46において太陽熱により生じた暖気は、浴室やトイレ、洗濯物等を乾燥させる乾燥室などに供給されてもよい。例えば、通気路62が空調ダクトを介して浴室やトイレ、乾燥室に通じる構成とする。この構成によれば、暖気を浴室やトイレの暖房に利用することや、洗濯物等の乾燥に利用することができる。この場合でも、第1集熱空間33及び第2集熱空間46に付与された太陽熱をまとめて利用することになる。
【0073】
また、各集熱空間33,46に付与された太陽熱を取り出す媒体は水等の液状媒体とされていてもよい。例えば、第1集熱空間33の上部に液状媒体が流れる媒体用配管が設けられ、その媒体用配管が床暖房用配管に接続されている構成とする。この構成によれば、第1集熱空間33及び第2集熱空間46に付与された太陽熱により媒体用配管の液状媒体が加熱され、その加熱された液状媒体が床暖房用配管を流れることで床暖房が行われる。この場合でも、各集熱空間33,46に付与された太陽熱をまとめて利用することになる。
【0074】
(7)第1集熱空間33及び第2集熱空間46は、屋根部分13の屋外側に設けられていてもよい。例えば、天窓が設けられている屋根において、屋根から上方に離間して集熱板が設けられることで第1集熱空間33が形成され、天窓から上方に離間して外側遮蔽体が設けられることで第2集熱空間46が形成された構成とする。この構成でも、建物10の外周部の屋外側に集熱板が設けられている構成を実現できる。
【0075】
(8)第2集熱空間46は、小窓35でなくても掃き出し窓25等の窓部の屋外側に配置されていればよい。
【符号の説明】
【0076】
10…建物、15…外周部としての外壁、31…集熱板としてのスパンドレル、33…第1集熱空間、35…窓部としての小窓、41…集熱板開口部としてのスパンドレル開口部、43…内側遮蔽体としての内側ガラス戸、44…外側遮蔽体としての外側ガラス戸、46…第2集熱空間、52…内側枠部、53…延出枠部を構成し且つ支持部分としての外側枠部、54…延出枠部を構成する連結枠部、54a…横枠材、54b…縦枠材、56…連通孔としての貫通孔、58…通気状態切替部材としての開閉体、61…屋内空間としての居室、71…制御手段としてのコントローラ、72…開放検出手段としての内側開放センサ、75…駆動手段としての駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁部や屋根部といった外周部の屋外側に、太陽光が当たる状態で集熱板が設けられており、前記外周部と前記集熱板との間に第1集熱空間が形成されている建物の太陽熱集熱設備であって、
前記外周部には窓部が設けられ、前記集熱板において前記窓部の屋外側には集熱板開口部が設けられており、
前記窓部には、光透過性を有する内側遮蔽体が取り付けられ、前記集熱板開口部には、光透過性を有する外側遮蔽体が前記内側遮蔽体に対向するように取り付けられており、
前記内側遮蔽体と前記外側遮蔽体との間には、前記第1集熱空間と隣り合うように第2集熱空間が形成されており、
前記第1集熱空間と前記第2集熱空間とは、互いに通気可能に連通されていることを特徴とする建物の太陽熱集熱設備。
【請求項2】
前記内側遮蔽体は、前記窓部に開閉可能に取り付けられ、前記外側遮蔽体は、前記集熱板開口部に開閉可能に取り付けられ、
前記第1集熱空間と前記第2集熱空間との通気を可能とする通気状態と通気を遮断する通気遮断状態とに移行可能な通気状態切替部材が、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間との境界部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の太陽熱集熱設備。
【請求項3】
前記窓部には、前記内側遮蔽体を支持する内側枠部が設けられており、
前記内側枠部には、その屋外側に向けて延びる延出枠部が設けられており、
前記延出枠部は、前記外側遮蔽体を支持する支持部分を有しており、
前記延出枠部において前記支持部分よりも前記内側枠部側には、前記第1集熱空間と前記第2集熱空間とを通気可能に連通する連通孔が設けられており、
前記通気状態切替部材は、前記連通孔を開閉する開閉体であることを特徴とする請求項2に記載の建物の太陽熱集熱設備。
【請求項4】
前記第1集熱空間は、前記第2集熱空間の上方及び下方のそれぞれにおいて該第2集熱空間と上下に並んで配置された縦並び部分を有し、
前記連通孔は、前記延出枠部において、前記縦並び部分と前記第2集熱空間とを上下に仕切る部分に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の建物の太陽熱集熱設備。
【請求項5】
前記内側遮蔽体が開放されたことを検出する開放検出手段と、
前記通気状態切替部材を前記通気遮断状態と前記通気状態とに駆動移行させる駆動手段と、
前記開放検出手段により前記内側遮蔽体の開放が検出された場合に、前記駆動手段を駆動させて前記通気状態切替部材を前記通気遮断状態に移行させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の建物の太陽熱集熱設備。
【請求項6】
前記内側遮蔽体は、前記外側遮蔽体に比べて遮熱性が高い高遮熱パネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物の太陽熱集熱設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−241484(P2012−241484A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115394(P2011−115394)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】