建物ユニットの保護カバー
【課題】建物ユニットの保管又は輸送に際し、熱による部材の変形を抑制することができる建物ユニットの保護カバーを提供する。
【解決手段】保護カバー40は、建物ユニット20を覆うためのカバー部材41を備えている。カバー部材41は、建物ユニット20の上面を覆う天井シート部41aと、建物ユニット20の各側面を覆う4つの側面シート部41bとを備えている。カバー部材41の各側面シート部41bには、カバー内空間45を外部と連通させる換気開口部47が設けられている。カバー部材41には、各換気開口部47の外側にそれぞれフード49が設けられている。フード49は、カバー部材41の外側から開放可能とされている。カバー部材41には、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気する換気装置を着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられている。
【解決手段】保護カバー40は、建物ユニット20を覆うためのカバー部材41を備えている。カバー部材41は、建物ユニット20の上面を覆う天井シート部41aと、建物ユニット20の各側面を覆う4つの側面シート部41bとを備えている。カバー部材41の各側面シート部41bには、カバー内空間45を外部と連通させる換気開口部47が設けられている。カバー部材41には、各換気開口部47の外側にそれぞれフード49が設けられている。フード49は、カバー部材41の外側から開放可能とされている。カバー部材41には、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気する換気装置を着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物ユニットの保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の一種として、ユニット式建物の存在が知られている。ユニット式建物は、複数の建物ユニットが連結されることで構成される建物である。かかる建物ユニットは、製造工場において製造され、その後屋外等に設けられた所定の保管場所で保管される。そして、建物ユニットは建物の施工時期に合わせて保管場所から施工現場にトラック等で輸送され、施工現場において建物の一部として構築される。また、製造された建物ユニット内には、現地取付用の部材(例えば雨樋等)が積み込まれ、建物ユニットの輸送に際し併せて施工現場に輸送される。
【0003】
ここで、建物ユニットを保管又は輸送する際には、ビニルシート等の耐水性を有するシート材からなる保護カバーが建物ユニットに被せられる(例えば、特許文献1)。保護カバーは、建物ユニットの保管中又は輸送中に、建物ユニットが雨水により濡れたり汚れたりするのを防止するものである。この保護カバーは、一般に使い回しされており、所定の建物ユニットの保管・輸送に用いられた後回収され、別の建物ユニットの保管・輸送に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−191971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建物ユニットが保護カバーにより覆われている状態では、保護カバーの内側空間、すなわち建物ユニットが収容されている空間が外部と遮断されている。そのため、夏場の昼間等の日射しが強い状況下では建物ユニットの保管又は輸送中に保護カバーの内部空間に熱がこもり、同空間内が高温となることが想定される。その場合、建物ユニットに取り付けられた窓サッシ等の樹脂部材や建物ユニット内に積載された現地施工用の樹脂部材等、比較的耐熱性に劣る部材が熱により変形するおそれがあり、品質上問題となりうる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物ユニットの保管又は輸送に際し、熱による部材の変形を抑制することができる建物ユニットの保護カバーを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物ユニットの保護カバーは、建物ユニットの保管又は輸送に際し、前記建物ユニットを覆って保護するカバー部材を備える建物ユニットの保護カバーであって、前記カバー部材は、前記建物ユニットの各側面をそれぞれ覆う複数の側面シート部を有し、それら側面シート部の少なくともいずれかには、前記カバー部材により囲まれたカバー内空間を外部と連通させる開口部が設けられ、前記開口部には、外側に開き動作可能なフード部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、フード部を外側に開けることで、カバー部材の側面シート部に設けられた開口部を介してカバー内空間を換気することができる。これにより、カバー内空間が高温となるのを抑制することができるため、カバー内空間に収容された建物ユニットの構成部材や建物ユニット内に積み込まれた現地施工用の部材が熱によって変形するのを抑制することができる。
【0009】
また、フード部により開口部を介して雨水が浸入するのを抑制することができるため、建物ユニットが濡れるのを抑制しつつカバー内空間を換気することができる。
【0010】
また、複数の側面シート部に複数の開口部を設ければ、それら複数の開口部のうちいずれかを介して外部の空気をカバー内空間に取り込み、いずれかを介してカバー内空間にこもった熱を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間を効率よく換気することができる。
【0011】
第2の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1の発明において、前記複数の側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部に、それぞれ前記開口部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
ところで、建物ユニットには予め製造工場において外壁パネル等の壁パネルが取り付けられるが、壁パネルの取付位置は建物ユニットごとに異なる。例えば、ある建物ユニットについては2面(2つの側面)に壁パネルが取り付けられる一方、ある建物ユニットについては3面に壁パネルが取り付けられる。そこで、本発明ではその点に着目し、カバー部材の各側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部にそれぞれ開口部を設けている。この場合、建物ユニットの3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニットの長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニットにカバー部材を被せる際に、開口部を上記開放された側面に合わせて配置することができる。つまり、壁パネルにより開口部が塞がれるのを回避しつつカバー部材を建物ユニットに被せることができる。これにより、壁パネルの設置状態の異なる種々の建物ユニットに対してカバー部材を被せた状態でのカバー内空間の換気が可能となるため、カバー部材が種々の形態の建物ユニットに使い回しされても、その都度上記第1の発明の効果を得ることができる。
【0013】
また、1面又は2面にのみ外壁パネルが設けられている建物ユニットにカバー部材を被せる場合には、少なくとも二つの開口部を建物ユニットの開放された側面に配置することができる。この場合、一方を吸気口として他方を排気口として使用することができるため、カバー内空間を好適に換気することができる。
【0014】
第3の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1又は第2の発明において、前記複数の側面シート部のうちいずれかには同一の側面シート部に、前記開口部が複数設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、建物ユニットの3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニットの長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニットにカバー部材を被せる際に、複数の開口部が設けられた側面シート部をその開放された側面に合わせて配置することができる。そのため、かかる場合でも、それら複数の開口部のうちいずれかを吸気口としいずれかを排気口としてカバー内空間を換気することができるため、カバー内空間の熱を好適に外部に排出することができる。
【0016】
第4の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれかが前記側面シート部の上部に配置され、いずれかが前記側面シート部の下部に配置されていることを特徴とする。
【0017】
ところで暖かい空気は冷たい空気よりも比重が小さく上昇しやすいため、カバー内空間における熱気は同空間の上部に偏ることが考えられる。そこで、本発明では、その点に着目し、複数の側面シート部に設けられた各開口部のうち、いずれかを側面シート部の上部に配置しいずれかを側面シート部の下部に配置している。この場合、側面シート部の下部に配置した開口部を介して外気をカバー内空間に取り込むとともに、側面シート部の上部に配置した開口部を介してカバー内空間の上部に溜まる熱気を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間の熱を効率よく排出することができる。
【0018】
第5の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれか二つの開口部が、前記カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置された二つの開口部を用いてカバー内空間を換気することができる。具体的には、それら各開口部のうち一方を吸気口として他方を排気口として換気することができる。この場合、カバー内空間において対角方向に風を通すことができるため、カバー内空間のほぼ全域を換気することができる。これにより、カバー内空間の温度上昇をより一層抑制することができる。
【0020】
第6の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記カバー部材には、前記カバー内空間を前記開口部を介して換気するファン装置を当該カバー部材に対して着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、カバー部材に設けられた取付部材に対してファン装置を取り付けることができる。この場合、ファン装置を作動させることでカバー内空間を開口部を介して強制換気することができるため、カバー内空間にこもった熱を外部に効率よく排出することができる。これにより、カバー内空間が高温となるのを抑制する効果を高めることができるため、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制することができる。
【0022】
また、カバー部材に設けられた複数の開口部に対して取付部材を設ければ、カバー内空間を換気する際に換気口として用いる開口部に合わせてファン装置を設置することができる。これにより、種々の形態の建物ユニットにおいて本発明の効果を得ることができる。
【0023】
第7の発明の建物ユニットの保護カバーは、第6の発明において、前記カバー部材の外側、又は前記カバー部材の上端部に被せられるキャップカバーの外側には、太陽光が照射されることにより発電を行う太陽光パネルが設けられ、前記ファン装置は、前記太陽光パネルにより発電された電力によって作動することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、カバー部材の外側又はキャップカバーの外側に設けられる太陽光パネルにより発電された電力によってファン装置を作動させることができるため、ファン装置を作動させるにあたって外部電力の使用を低減又は削減することができる。これにより、省エネを図りつつ上記第1の発明の効果を得ることができる。また、太陽光パネルによる発電量は、日射量が多い場合に、換言すると例えばカバー部材等が強い日射を受けカバー内空間が高温となり易い場合に増大するため、カバー内空間の換気が必要な際にファン装置に対し十分な電力供給を行うことができる。そのため、カバー内空間を換気するにあたって都合がよい。
【0025】
第8の発明の建物ユニットの保護カバーは、第6又は第7の発明において、前記カバー内空間の温度を検知するカバー内温検知手段と、前記カバー内温検知手段により検知された前記カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記ファン装置を作動させるファン作動手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合にファン装置が作動を開始するため、例えばカバー内空間の温度が建物ユニットの構成部材の耐熱温度付近まで上昇した場合にカバー内空間の換気を自動で開始させることができる。これにより、ユニット部材等が熱により変形するのを抑制するにあたって利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】建物ユニットを示す斜視図。
【図2】建物ユニットに保護カバーを被せた状態を示す斜視図。
【図3】(a)がフードが開かれた状態を示す斜視図、(b)がフードが閉じられた状態を示す斜視図。
【図4】換気装置の構成を示す縦断面図。
【図5】保護カバーに設けられた換気システムの電気的構成を示す図。
【図6】(a)が建物ユニットに保護カバーが被せられた状態を示す平面図、(b)が同状態を示す側面図。
【図7】別例における建物ユニットに保護カバーを被せた状態を示す平面図。
【図8】別例における換気ファンの取付構成を示す正面図。
【図9】別例におけるフードの構成を示す斜視図。
【図10】カバー部材にキャップが被せられた保護カバーを示す斜視図。
【図11】フードに太陽光パネルを設置した場合を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、隣り合う2つの側面に外壁パネルが取り付けられた建物ユニットに本発明の保護カバーを被せ同ユニットを保護することを想定している。そこで、保護カバーについての説明をするのに先立って、まず本実施形態の建物ユニットについて図1に基づいて説明する。なお、図1は、建物ユニットを示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
【0030】
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁24が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁25が架け渡されている。これら各天井小梁24の下面には、天井材27が支持されており、これら各床小梁25上には、床材28(図6参照)が支持されている。
【0031】
建物ユニット20の側面には、外壁パネル31や内壁パネル(図示略)が設けられている。本実施形態では、建物ユニット20における隣り合う2つの側面に外壁パネル31が設けられており、そのうち建物ユニット20の長辺側の側面(桁面)に設けられた外壁パネル31には、窓部32が設けられている。窓部32には、当該窓部32を開閉するガラス戸33が設けられている。ガラス戸33は、枠体としての窓サッシ33aにガラス板33bが嵌め込まれることで構成されており、本実施形態では、窓サッシ33aが、窓部32における断熱性を図るべく塩化ビニル樹脂により形成されている。
【0032】
次に、建物ユニット20の保管又は輸送に際し、建物ユニット20に被せられ同ユニット20を保護するための保護カバー40について図2に基づいて説明する。なお、図2は、建物ユニット20に保護カバー40を被せた状態を示す斜視図である。
【0033】
図2に示すように、保護カバー40は、建物ユニット20を覆うためのカバー部材41を備えている。カバー部材41は、防水性を有するシート材により形成されており、例えばポリエチレン樹脂からなる。カバー部材41は、矩形状に形成された天井シート部41aと、天井シート部41aにおける各辺の端縁部からそれぞれ下方に垂下された4つの側面シート部41bとを備えている。カバー部材41は、建物ユニット20の大きさに合わせて形成されており、詳細には天井シート部41aが建物ユニット20の上面(平面視における大きさ)とほぼ同じ大きさ(縦横寸法)で形成され、各側面シート部41bがそれぞれ建物ユニット20の側面(詳細には長辺側の側面及び短辺側の側面)とほぼ同じ大きさ(縦横寸法)で形成されている。
【0034】
カバー部材41における隣り合う各側面シート部41bの境界部には、同境界部に沿ってファスナ43が設けられている。ファスナ43は、隣り合う各側面シート部41b同士を接合及び切り離しするためのものであり、チャック式の線ファスナからなる。このファスナ43により隣り合う各側面シート部41bが接合されることで、カバー部材41は全体として下側が開口する直方体状に形成される。以下の説明では、このカバー部材41により囲まれた内側空間をカバー内空間45という。
【0035】
上記のように構成されたカバー部材41は、天井シート部41aが建物ユニット20の上面側に配置され、各側面シート部41bが建物ユニット20の側面側に配置された状態で、建物ユニット20に被せられる。このようにカバー部材41が被せられた状態で建物ユニット20は保管又は輸送される。
【0036】
ところで、カバー部材41により囲まれたカバー内空間45は外部から遮断されているため、夏場の昼間等日射しが強い状況下では、建物ユニット20の保管中又は輸送中にカバー内空間45に熱がこもり同空間45内が高温となることが想定される。その場合、その熱によってカバー内空間45に収容された建物ユニット20の構成部材が熱変形を起こすおそれがある。具体的には、例えば耐熱性に劣るガラス戸33の窓サッシ33a等の部材が熱変形を起こすおそれがある。そこで、本実施形態では、カバー部材41にカバー内空間45を換気するための換気開口部を設けるとともに、その換気開口部に換気装置を設置できるようにしている。この場合、換気装置により換気開口部を介してカバー内空間45を換気することで、同空間45の温度上昇を抑制することができるため窓サッシ33aの熱変形を抑制することができる。本実施形態はその点に特徴を有しており、以下その詳細について図2に加え図3及び図4を参照しつつ説明する。なお、図3は、フードの構成を示す斜視図であり、(a)がフードが開いた状態を示し、(b)が換気カバーが閉じた状態を示している。また、図4は換気装置周辺の構成を示す縦断面図である。
【0037】
図2に示すように、カバー部材41の各側面シート部41bには、カバー内空間45を外部と連通させる換気開口部47が設けられている。換気開口部47は、各側面シート部41bにそれぞれ二つずつ設けられており、各々の側面シート部41bにおいて一方(以下、上側開口部47aという)が側面シート部41bの上部に配置されているのに対し他方(以下、下側開口部47bという)が側面シート部41bの下部に配置されている。具体的には、上側開口部47aが側面シート部41bの上端部付近に配置され、下側開口部47bが側面シート部41bの下端部付近に配置されている。但し、上側開口部47aは天井大梁22よりも下方に配置され、下側開口部47bは床大梁23よりも上方に配置されている。
【0038】
また、各側面シート部41bにおいて、上側開口部47aが側面シート部41bを正面に見て左側に配置されており、下側開口部47bが右側に配置されている。より詳細には、各側面シート部41bにおいて、上側開口部47aが側面シート部41bの左端付近に配置され、下側開口部47bが側面シート部41bの右端付近に配置されている。したがって、長辺側の側面シート部41bに設けられた上側開口部47aと、短辺側の側面シート部41bに設けられた下側開口部47bとが、カバー部材41の平面視において略対角位置に配置されている。
【0039】
各換気開口部47には、それぞれメッシュフィルタ48が設けられている。メッシュフィルタ48は、例えば樹脂からなる線材が網目状に織られることにより構成されている。これにより、雨水が換気開口部47を通じてカバー内空間45に浸入するのを抑制できるようになっている。
【0040】
カバー部材41には、各換気開口部47の外側にそれぞれフード49が設けられている。フード49は、カバー部材41の外側から開放可能とされている。図3(a)に示すように、フード49は、換気開口部47の上方からカバー部材41の外側に延びる庇部49aと、庇部49aの幅方向両端部に設けられた一対の伸縮部49bとを有している。庇部49aは、その上端部が側面シート部41bにおける換気開口部47の上縁部(やや上方)に固定されており、カバー部材41の外側に開くことができる。庇部49aは、開状態では外側に向かって下方傾斜している。
【0041】
各伸縮部49bはそれぞれ、庇部49aの幅方向端部と側面シート部41bにおける換気開口部47の側縁部とを繋ぐように設けられている。伸縮部49bは、蛇腹状に形成されており、フード49(庇部49a)の開閉に伴って庇部49aの動作方向に伸縮する構成となっている。フード49が開いた状態では、フード49は下側のみが開放された状態となっている。この場合、換気開口部47を通じて雨水が浸入するのを抑制することができる。
【0042】
一方、図3(b)に示すように、フード49が閉じられた状態では、伸縮部49bが縮められて、庇部49aにより換気開口部47が閉鎖される。つまり、本実施形態では、フード49がフードとしての機能を有する他に、換気開口部47を開閉する機能を有している。庇部49aの幅方向両端部には(詳細には側面シート部41bにおける上記両端部との境界部にも)それぞれ各端部に沿ってファスナ52が設けられている。このファスナ52は、庇部49aを閉じた状態で庇部49aを側面シート部41bに固定するものである。これにより、建物ユニット20の保管中に風等の影響でフード49が開くのを防止することができる。そのため、未使用の換気開口部47を通じて雨水等がカバー内空間45に浸入するのを防止することができる。
【0043】
図4に示すように、カバー部材41には、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気する換気装置55を着脱自在に取り付けるための取付部材54が設けられている。本実施形態では、この取付部材54が各換気開口部47に対応して設けられており、いずれの換気開口部47に対しても換気装置55を取り付けられるようになっている。
【0044】
取付部材54は、換気開口部47の幅方向に延びる軸部材により形成されている。取付部材54は、カバー部材41の側面シート部41bにおいて換気開口部47の上縁部に設けられ、例えばその軸方向の両端部がそれぞれ側面シート部41bに固定されている。
【0045】
取付部材54には、換気装置55が取り付けられている。換気装置55は、フード49が開かれた状態において、庇部49aと換気開口部47(詳細にはメッシュフィルタ48)との間に挟まれた状態で設けられている。換気装置55は、ファン装置としての排気ファン56と、排気ファン56を一体に支持する支持部材57とを備えている。排気ファン56は、カバー内空間45の空気を換気開口部47を介して外部に排出するものである。
【0046】
支持部材57は、排気ファン56が固定されている固定板部58と、固定板部58の上端部に設けられたフック部59とを備えている。固定板部58は、排気ファン56の幅方向両端部から排気側(詳しくは排気ファン56により排出される空気が流れる側)に延びるとともに排気ファン56が固定された一対の側板部58aと、これら各側板部58a同士を繋ぐとともに排気ファン56の排気側に設けられた傾斜板部58bとを有している。傾斜板部58bは、排気ファン56の排気側に向かって下方傾斜しており、この傾斜板部58bの外側面にフード49の庇部49aが支持されている。つまり、傾斜板部58bによりフード49の開状態が保持される構成となっている。
【0047】
フック部59は、取付部材54に取り付けられるものであり、取付部材54に対し引っ掛け可能となっている。このフック部59が取付部材54に引っ掛けられることにより換気装置55がカバー部材41に取り付けられるようになっている。
【0048】
換気装置55の取付状態において、排気ファン56は換気開口部47の正面に配置される。ここで、排気ファン56が作動すると、カバー内空間45の空気が換気開口部47を介して支持部材57の内側空間に入り、同部材57の下端部に形成された開口より外部に排出される。
【0049】
図2の説明に戻り、カバー部材41の天井シート部41aの上面には、太陽光が照射されることにより太陽光発電を行う太陽光パネル61が設けられている。本実施形態では、この太陽光パネル61による発電電力により排気ファン56を作動させる構成となっている。
【0050】
カバー部材41には、カバー内温検知手段及びファン作動手段としての温度センサ63が設けられている。温度センサ63は、カバー内空間45の温度を検知するセンサであり、本実施形態では建物ユニット20におけるガラス戸33の窓サッシ33a周辺にテープ等で仮固定されている。本温度センサ63は、感温リードスイッチからなり、通常時(所定温度以下の温度の検知時)はスイッチを閉状態とし同センサ63を通じての電流の流れを遮断する一方、所定温度以上の温度を検知するとスイッチを開状態とし同センサ63を通じての電流の流れを許可する構成となっている。本実施形態では、上記所定温度が窓サッシ33aの材料である塩化ビニルの耐熱温度よりも若干低めの温度(例えば55℃)に設定されている。
【0051】
次に、本保護カバー40に設けられた換気システムの電気的構成について図5に基づいて説明する。
【0052】
図5に示すように、保護カバー40において、太陽光パネル61には電力線65が接続されており、その電力線65には温度センサ63が設けられている。電力線65には、複数の分岐電力線66が接続されており、それら各分岐電力線66にはそれぞれカバー側コネクタ67が接続されている。カバー側コネクタ67は、排気ファン56と電気的に接続するためのコネクタである。カバー側コネクタ67は、カバー部材41の各換気開口部47の周辺に設けられ、カバー部材41の外側から接続可能とされている。
【0053】
排気ファン56には、ケーブル68を介してファン側コネクタ69が接続されている。このファン側コネクタ69は上記カバー側コネクタ67と接続可能とされている。ここで、これら各コネクタ67,69同士が接続された状態において、温度センサ63により所定温度以上の温度が検知されると、太陽光パネル61と排気ファン56とが電力線65等を介して電気的に接続される。これにより、太陽光パネル61による発電電力が排気ファン56に供給され、排気ファン56が作動する。つまり、排気ファン56によるカバー内空間45の換気が行われる。一方、温度センサ63により所定温度よりも低い温度が検知されると、太陽光パネル61と排気ファン56との接続が遮断される。これにより、太陽光パネル61による排気ファン56への電力供給が停止され、排気ファン56の作動が停止する。つまり、排気ファン56によるカバー内空間45の換気が停止する。
【0054】
次に、上記構成の保護カバー40を用いて建物ユニット20を保管又は輸送する際の手順について説明する。なお、図6は、(a)が建物ユニット20に保護カバー40が被せられた状態を示す平面図であり、(b)が同状態を示す側面図である。なお、図6では、便宜上太陽光パネル61の図示を省略している。
【0055】
ここでは、上述したように隣り合う二つの側面に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20について例示しており、建物ユニット20内には現地施工用の取付部材が積み込まれている。
【0056】
この建物ユニット20にカバー部材41を被せる作業を行う。この作業は、カバー部材41のファスナ43を開けた状態で行う。カバー部材41を建物ユニット20に被せた後、側面シート部41bを捲り上げてカバー内空間45に収容された建物ユニット20内に入る。そして、温度センサ63をガラス戸33の窓サッシ33a周辺にテープ等を用いて固定する。その後、カバー内空間45の外に出てファスナ43を閉める。これにより、建物ユニット20がカバー部材41により覆われる。なお、この時点では、各換気開口部47がフード49により閉鎖されている。
【0057】
次に、カバー部材41に設けられた換気開口部47を開放させる作業を行う。ここではその作業手順を説明する前に、まずカバー部材41に設けられた複数の換気開口部47のうちいずれを開放させるかについて説明する。図6(a)に示すように、カバー部材41が被せられた建物ユニット20の各側面のうち、外壁パネル31が取り付けられていない二つの側面については梁材22,23のみが存在し、上下の梁材22,23間は開放されている。そこで、本実施形態では、カバー部材41の各側面シート部41bのうち、外壁パネル31が設置されていない側(以下、開放側という)の側面シート部41bに設けられた換気開口部47を開放させる。これにより、換気開口部47を介してカバー内空間45が(ひいては建物ユニット20のユニット内空間が)カバー外部と連通される。具体的には、開放側に配置された隣り合う二つの側面シート部41bのうち、長辺側の側面シート部41bにおいて上側開口部47aを開放させ、短辺側の側面シート部41bにおいて下側開口部47bを開放させる。この場合、開放された上側開口部47aと下側開口部47bとは、カバー部材41の平面視において略対角の位置関係となる。
【0058】
次に、対角位置に配置された上記二つの換気開口部47を開放させる際の作業内容について説明する。この作業では、まず下側開口部47b側のフード49を固定しているファスナ52を開け、フード49を開く。そして、フード49を開いた状態で、例えば(下側開口部47b側の)取付部材54に支持部材57のみを取り付ける。これにより、下側開口部47bが開放される。
【0059】
次に、下側開口部47b側と同様に、上側開口部47a側についてもフード49を開く。そして、開いた状態で(上側開口部47a側の)取付部材54に換気装置55を取り付ける。これにより、上側開口部47aが開放されるとともに換気装置55が所定位置に設置される。その後、換気装置55に設けられたファン側コネクタ69をカバー部材41に設けられたカバー側コネクタ67に接続する。以上で、保護カバー40により建物ユニット20を保護するための一連の作業が終了する。
【0060】
次に、保護カバー40が被せられた建物ユニット20を屋外に設けられた所定の保管場所に移動させる作業を行う。この作業は、フォークリフト等を用いて行われる。保管場所では、太陽光パネル61に太陽光が照射されると同パネル61により太陽光発電が行われる。そして、カバー内空間45の温度が所定温度以上まで上昇すると、排気ファン56がその電力により作動する。これにより、カバー内空間45が換気開口部47を通じて換気されるため、カバー内空間45の温度上昇が抑制される。
【0061】
建物ユニット20は所定期間保管された後、トラックにより施工現場に搬送される。この輸送中においても、カバー内空間45が所定温度以上になると排気ファン56によりカバー内空間45の換気が行われる。施工現場では、保護カバー40を建物ユニット20から取り外し、その後建物ユニット20を所定の設置位置に設置する。取り外した保護カバー40は、他の建物ユニット20の保管・輸送に際し再利用するため回収する。
【0062】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0063】
カバー部材41の側面シート部41bに複数の換気開口部47を設け、換気開口部47には開き動作可能なフード49を設けた。この場合、フード49を開けることで、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気することができる。例えば、下側開口部47bを介して外気を取り込み、上側開口部47aを介してカバー内空間45にこもった熱を外部に排出することができる。これにより、カバー内空間45が高温となるのを抑制することができるため、カバー内空間45に収容された建物ユニット20の構成部材や建物ユニット20内に積み込まれた現地施工用の部材が熱により変形するのを抑制することができる。
【0064】
具体的には、各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けた。この場合、建物ユニット20の3面に外壁パネル31が取り付けられる等して、建物ユニット20の長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニット20にカバー部材41を被せる際に、換気開口部47を上記開放された側面に合わせて配置することができる。つまり、外壁パネル31により換気開口部47が塞がれるのを回避しつつカバー部材41を建物ユニット20に被せることができる。これにより、外壁パネル31の設置状態の異なる種々の建物ユニット20に対してカバー部材41を被せた状態でのカバー内空間45の換気が可能となるため、カバー部材41が種々の形態の建物ユニット20に使い回しされても、その都度上記の効果を得ることができる。
【0065】
より詳しくは、各側面シート部41bにそれぞれ二つずつ換気開口部47を設けた。これにより、建物ユニット20の3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニット20の長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、その開放された側面の側に二つの換気開口部47を配置することができる。そのため、かかる場合でも、それら二つの換気開口部47のうち一方を吸気口とし他方を排気口としてカバー内空間45を換気することができるため、カバー内空間45の熱を好適に外部に排出することができる。
【0066】
各側面シート部41bにそれぞれ設けた二つの換気開口部47のうち、上側開口部47aを側面シート部41bの上部に配置し、下側開口部47bを側面シート部41bの下部に配置した。この場合、下側開口部47bを介して外気をカバー内空間45に取り込むとともに、上側開口部47aを介してカバー内空間45の上部に溜まる熱気を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間45の熱を効率よく排出することができる。
【0067】
長辺側の側面シート部41bに設けられた上側開口部47aと、短辺側の側面シート部41bに設けられた下側開口部47bとを、カバー部材41の平面視において対角位置に配置した。この場合、当該下側開口部47bを吸気口として当該上側開口部47aを排気口として換気を行うことで、カバー内空間45において対角方向に風を通すことができるため、カバー内空間45のほぼ全域を換気することができる。これにより、カバー内空間45の温度上昇をより一層抑制することができる。
【0068】
カバー内空間45を換気開口部47を介して換気する換気装置55(詳細には排気ファン56)をカバー部材41に対し着脱自在に取り付けるための取付部材54を、カバー部材41に設けた。この場合、換気装置55を取付部材54に取り付けて排気ファン56を作動させることで、カバー内空間45を換気開口部47を介して強制換気することができる。そのため、カバー内空間45にこもった熱を外部に効率よく排出することができる。これにより、カバー内空間45が高温となるのを抑制する効果を高めることができるため、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制することができる。
【0069】
また、カバー部材41に設けられた複数の換気開口部47に対して取付部材54を設けたため、カバー内空間45を換気する際に換気口として用いる換気開口部47に合わせて換気装置55を設置することができる。これにより、種々の形態の建物ユニット20に対して、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制する効果を得ることができる。
【0070】
また、換気装置55(排気ファン56)を取付部材54に対し着脱自在に取り付ける構成としたことで、冬場等カバー内空間45を換気する必要がないときには、換気装置55をカバー部材41から取り外してカバー部材41の取り扱いを容易にすることもできる。
【0071】
カバー部材41の外側に太陽光パネル61を設け、その太陽光パネル61により発電された電力により排気ファン56を作動させることとした。これにより、排気ファン56を作動させるにあたって外部電力(商用電力等)の使用を低減又は削減することができるため、省エネを図りつつカバー内空間45を換気することができる。また、太陽光パネル61による発電量は日射量が多い場合に、換言すると例えばカバー部材41が強い日射を受けカバー内空間45が高温となり易い場合に増大するため、カバー内空間45の換気が必要な際に排気ファン56に対し十分な電力供給を行うことができる。そのため、カバー内空間45を換気するにあたって都合がよい。
【0072】
各換気開口部47には、それぞれ各々の換気開口部47を開閉するフード49を設けた。これにより、カバー内空間45を換気するにあたって換気口として使用しない換気開口部47についてはフード49により閉鎖しておくことができるため、未使用の換気開口部47を通じて雨水やごみ等がカバー内空間45に浸入するのを防止することができる。
【0073】
カバー内空間45の温度を検知する温度センサ63を設け、同センサ63により所定温度以上の温度が検知された場合に排気ファン56を作動させるようにした。これにより、カバー内空間45の温度がガラス戸33の窓サッシ33aの耐熱温度付近まで上昇した場合にカバー内空間45の換気を自動で開始させることができる。そのため、耐熱性の面で劣る窓サッシ33aが熱により変形するのを抑制するにあたって利便性を高めることができる。
【0074】
カバー部材41の各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けるとともに換気装置55を取り付けるための取付部材54を設けた。つまり、カバー部材41の各側面シート部41bに換気機能を設けた。これにより、カバー部材41を建物ユニット20に被せる際に、建物ユニット20における外壁パネル31が設けられていない側面に換気開口部47を合わせるといった作業を不要とすることができるため、カバー部材41を建物ユニット20に被せる作業を容易とすることができる。
【0075】
本発明は上記各実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0076】
(1)上記実施形態では、隣り合う二つの側面(つまり2面)に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20に本発明の保護カバー40を適用したが、1面又は3面に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20等その他の建物ユニット20に本発明を適用してもよい。図7にはその適用例を示す。なお、図7では、便宜上太陽光パネル61の図示を省略している。
【0077】
図7(a)に示す建物ユニット75には、3面に外壁パネル31が取り付けられている。この場合、カバー部材41の各側面シート部41bのうち、外壁パネル31が設けられていない開放側の側面を覆う側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を開放させる。そして、換気装置55を上側開口部47a側の取付部材54に対し取り付ける。ここで、排気ファン56が作動すると、下側開口部47bを介して外部の空気がカバー内空間45に取り込まれ、上側開口部47aを介してカバー内空間45の空気が外部に排出される。つまり、カバー内空間45の換気が行われるため、かかる建物ユニット75においても熱によるユニット部材の変形を抑制することができる。
【0078】
また、図7(b)に示す建物ユニット77には、短辺側の1面にのみ外壁パネル31が取り付けられている。この場合、建物ユニット77における外壁パネル31が設けられていない開放側の側面を覆う側面シート部41bが3つあり、例えばそれら3つの側面シート部41bのうち建物ユニット77の長辺側の側面を覆う一対の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を開放させる。そして、それら一対の各側面シート部41bのうち、いずれかの側面シート部41bに設けられた各換気開口部47に対しそれぞれ換気装置55を取り付ける。ここで、各換気装置55の排気ファン56が作動すると、一方の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を介して外部の空気がカバー内空間45に取り込まれ、他方の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を介してカバー内空間45の空気が外部に排出される。つまり、複数の換気開口部47を吸気口として、かつ、複数の換気開口部47を排気口として換気が行われる。この場合、カバー内空間45を効率よく換気することができるため、熱によるユニット部材の変形をさらに抑制することができる。
【0079】
(2)上記実施形態では、カバー内空間45を換気するファン装置として排気ファン56を用いたが、これに代えて又は加えて、吸気ファンを用いてもよい。例えば、上記実施形態の構成において、上側開口部47a側に排気ファン56を取り付ける代わりに、下側開口部47b側に吸気ファンを取り付けることが考えられる。この場合、上記実施形態とほぼ同様の換気を行うことができる。また、上側開口部47a側に取り付けられた排気ファン56に加え、下側開口部47b側に吸気ファンを取り付けることが考えられる。この場合、換気効率の向上を図ることができるため、建物ユニット20の構成部材の熱による変形をより一層抑制することができる。なお、カバー内空間45を換気するにあたって必ずしもファン装置を用いる必要はなく、換気開口部47を通じて流れる風等によりカバー内空間45を換気してもよい。例えば風が強く吹いている場合や建物ユニット20の輸送中には、換気開口部47を介してカバー内空間45に風が通り易いため、ファン装置を用いなくてもカバー内空間45を換気することができる。
【0080】
また、上記実施形態では、カバー部材41に換気装置55を1つだけ設置し換気を行ったが、カバー部材41に複数の換気装置55を設置してもよい。そうすれば、カバー内空間45の換気効率を高めることができる。なお、換気装置55の設置数は任意としてよい。
【0081】
(3)カバー部材41に排気ファン56と吸気ファンとの双方を取り付けた場合において、カバー内空間45の温度が第一温度以上になった場合に、排気ファン56を作動させ、カバー内空間45の温度が第一温度よりも高い第二温度以上になった場合に、さらに吸気ファンを作動させるようにしてもよい。ここで、第一温度は例えば60℃に設定されており、第二温度は例えば65℃に設定されている。そうすれば、排気ファン56による換気だけではカバー内空間45の温度上昇を抑制することができない場合に、吸気ファンを自動で作動させてカバー内空間45の換気を促進させることができる。これにより、熱によるユニット部材の変形をより確実に抑制することができる。
【0082】
(4)上記実施形態では、換気装置55の支持部材57(詳細にはフック部59)を取付部材54に対し引っ掛け可能とすることで、ファン装置としての排気ファン56をカバー部材41に対し着脱自在に取り付ける構成としたが、ファン装置を着脱自在に取り付けるための構成は必ずしもこれに限定されない。例えば、図8に示す構成としてもよい。図8に示すように、カバー部材41には、上記実施形態の取付部材54に代えて、換気ファン72を支持するためのホルダ71が設けられている。ホルダ71は、全体として上側が開口する略コ字状に形成されており、換気開口部47を囲むようにしてカバー部材41の外側面に取り付けられている。ホルダ71は、コ字状断面を有する複数の長尺材からなり、各長尺材がその開口溝を換気開口部47側に向けて設けられている。また、ホルダ71の下端部には、カバー側コネクタ67が設けられており、ホルダ71の内側から同コネクタ67に対し接続可能となっている。カバー側コネクタ67は、ホルダ71の幅方向における略中央に配置されている。
【0083】
ホルダ71には、ファン装置としての換気ファン72がホルダ71の上方から着脱自在に装着される。具体的には、換気ファン72は、その端部がホルダ71(長尺材)の溝内に配設された状態でホルダ71に装着される。その装着状態において、換気ファン72は換気開口部47の正面に配置される。換気ファン72の下端部にはファン側コネクタ69が設けられている。ファン側コネクタ69は、換気ファン72の幅方向における略中央に配置されており、換気ファン72がホルダ71に装着されることによりファン側コネクタ69がカバー側コネクタ67と接続されるようになっている。
【0084】
また、換気ファン72は、ホルダ71に対して表裏いずれの向きにも取り付け可能であり、取り付けの向きを表裏変更することで換気ファン72の風向きを変更することができるようになっている。つまり、換気ファン72を排気ファンとしても吸気ファンとしても用いることができる。この場合、カバー内空間45を換気するに際し換気の自由度を高めることができるため、種々の建物ユニットに応じた換気を行うにあたって都合がよい。また、カバー側コネクタ67がホルダ71の幅方向における略中央に配置され、ファン側コネクタ69が換気ファン72の幅方向における略中央に配置されていることから、換気ファン72を表裏いずれに向けて取り付けても、取り付けとともにコネクタ同士67,69を接続することができる。
【0085】
(5)上記実施形態では、カバー部材41の各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けたが、換気開口部47は必ずしも各側面シート部41bに設ける必要はなく、例えば3つの側面シート部41bにのみ設けてもよい。但し、各側面シート部41bのうち、少なくとも一方の長辺側の側面シート部41bと、少なくとも一方の短辺側の側面シート部41bとに換気開口部47を設ける必要がある。
【0086】
また、上記実施形態では、各側面シート部41bに2つずつ換気開口部47を設けたが、1つずつ設けてもよく、3つ以上ずつ設けてもよい。また、各側面シート部41bにおいて換気開口部47の数は必ずしも同じである必要はなく、側面シート部41bごとに異なっていてもよい。
【0087】
さらに、上記実施形態では、側面シート部41bにおいて換気開口部47を同シート部41bの上側(かつ左側)及び下側(かつ右側)に設けたが、換気開口部47は側面シート部41bにおいていずれの部位に設けてもよい。但し、換気効率の観点からすると建物ユニット20の柱や梁等と重ならない位置に設けるのが好ましい。
【0088】
(6)上記実施形態では、カバー部材41に設けられた各換気開口部47に対して取付部材54を設けたが、これを変更してもよい。例えば各側面シート部41bにおいて上側開口部47aのみに取付部材54を設けてもよい。
【0089】
(7)上記実施形態では、温度センサ63としてリードスイッチからなるものを用い、温度センサ63が所定以上の温度を検知した場合にスイッチを開状態として太陽光パネル61から排気ファン56への電力供給を、すなわち排気ファン56による換気処理を実行する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、温度センサとして温度検知機能のみを有するものを用いるとともに、太陽光パネル61から排気ファン56への電力供給を許可又は禁止する切替手段と、制御手段としてのコントローラとを設け、温度センサにより所定以上の温度が検知された場合にコントローラが切替手段により上記電力供給を許可する構成としてもよい。この場合においても、カバー内空間45が所定以上の温度になると排気ファン56による換気が自動で行われる。
【0090】
(8)保護カバー40にブザー等の警報装置を設け、カバー内空間45の温度が所定温度以上になった場合にその警報装置を鳴らすよう制御してもよい。ここで、所定温度は、例えば温度センサ63が開状態となる温度よりも高い温度に設定されている。そうすれば、排気ファン56による換気によってもカバー内空間45の温度上昇を抑制できない場合にその旨をユーザに報知することができる。そのため、ユーザは換気装置55の設置数を増やす等してカバー内空間45の換気を促進させる対処を講じることができる。これにより、窓サッシ33aの熱変形をより確実に防止することができる。また、カバー内空間45の温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続された場合に、警報装置を鳴らすようにしてもよい。
【0091】
(9)上記実施形態では、換気装置55の支持部材57によりフード49を支えることでフード49を開状態に保持することとしたが、フード49を開状態に保持する構成は必ずしもこれに限らない。例えば、図9(a)に示すように、フード49の下端部の開口に沿ってワイヤ79を取り付けてもよい。この場合、ワイヤ79によりフード49の開状態を保持することができる。
【0092】
また、図9(b)に示すように、カバー部材41の側面シート部41bにおける換気開口部47の上方に紐81の一端を取り付け、その紐81の他端にはフック82を設けることが考えられる。この場合、フード49の開時に紐81に設けられたフック82を同フード49の庇部49aの下端に引っ掛けることで、フード49を開状態に保持することができる。
【0093】
(10)上記実施形態では、太陽光パネル61により発電された電力により排気ファン56を作動させることとしたが、同パネル61により発電された電力を用いてフード49の開閉を行うようにしてもよい。例えば、フード49を開閉する駆動装置(例えば周知の電動モータ等)をカバー部材41に設け、その駆動装置に太陽光パネル61の発電電力を供給することが考えられる。
【0094】
(11)図10に示すように、カバー部材41の上端部にキャップ85を設けてもよい。キャップ85は、防水性を有するシート材よりなり、カバー内空間45に雨水が浸入するのを抑制するものである。キャップ85は、カバー部材41の天井シート部41aと略同じ大きさ(縦横寸法)で形成された矩形形状の天井部85aと、天井部85aの周縁部から下方に垂下された側面部85bとを備え、全体として下側が開口された略直方体状に形成されている。キャップ85は、天井部85aがカバー部材41の天井シート部41a上に重ねられるとともに、側面部85bがカバー部材41の側面シート部41b上端部における外側面に重ねられた状態で、カバー部材41の上端部に被せられる。ここで、キャップ85が被せられた状態で、カバー部材41の上側開口部47aはキャップ85の側面部85bと重複しない高さ位置に設けられている。そのため、かかる構成においても上側開口部47a等を介してカバー内空間45を換気することが可能となっている。なお、この場合太陽光パネル61は、例えばキャップ85の天井部85a上に設置される。
【0095】
(12)上記実施形態では、カバー部材41の天井シート部41a上に太陽光パネル61を設置したが、太陽光パネル61は側面シート部41bの外側面等その他の場所に設置してもよい。また、図11に示すように、フード49の外側面に設けてもよい。要は太陽光の照射を受ける場所であれば、いずれの場所でもよい。また、太陽光パネル61をカバー部材41に対し着脱自在に取り付けてもよい。そうすれば、冬場等カバー内空間45の換気が不要な場合には、太陽光パネル61を取り外しておくことができるため保護カバー40の取り扱いを容易とすることができる。
【0096】
(13)太陽光パネル61により発電された電力を貯えるための蓄電部を保護カバー40に設けてもよい。そうすれば、建物ユニット20の保管又は輸送中に曇り等で太陽光の照射量が少なくなっても、蓄電部に貯えた電力を用いて排気ファン56を作動させカバー内空間45を換気をすることができる。
【0097】
また、排気ファン56を作動させるための電力として必ずしも太陽光パネル61により発電される電力を用いる必要はなく、その他の電力供給手段により供給される電力を用いてもよい。例えば、建物ユニット20の保管時には商用電力を用いて給電したり、カバー部材41に取り付けた2次電池(バッテリ)を用いて給電したりすることが考えられる。また、建物ユニット20の輸送時にはトラックの車載バッテリから給電することが考えられる。
【符号の説明】
【0098】
20…建物ユニット、40…保護カバー、41…カバー部材、41a…側面シート部、45…カバー内空間、47…開口部としての換気開口部、49…フード部としてのフード、54…取付部材、56…ファン装置としての排気ファン、61…太陽光パネル、63…カバー内温検知手段及びファン作動手段としての温度センサ、85…キャップカバーとしてのキャップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物ユニットの保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の一種として、ユニット式建物の存在が知られている。ユニット式建物は、複数の建物ユニットが連結されることで構成される建物である。かかる建物ユニットは、製造工場において製造され、その後屋外等に設けられた所定の保管場所で保管される。そして、建物ユニットは建物の施工時期に合わせて保管場所から施工現場にトラック等で輸送され、施工現場において建物の一部として構築される。また、製造された建物ユニット内には、現地取付用の部材(例えば雨樋等)が積み込まれ、建物ユニットの輸送に際し併せて施工現場に輸送される。
【0003】
ここで、建物ユニットを保管又は輸送する際には、ビニルシート等の耐水性を有するシート材からなる保護カバーが建物ユニットに被せられる(例えば、特許文献1)。保護カバーは、建物ユニットの保管中又は輸送中に、建物ユニットが雨水により濡れたり汚れたりするのを防止するものである。この保護カバーは、一般に使い回しされており、所定の建物ユニットの保管・輸送に用いられた後回収され、別の建物ユニットの保管・輸送に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−191971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建物ユニットが保護カバーにより覆われている状態では、保護カバーの内側空間、すなわち建物ユニットが収容されている空間が外部と遮断されている。そのため、夏場の昼間等の日射しが強い状況下では建物ユニットの保管又は輸送中に保護カバーの内部空間に熱がこもり、同空間内が高温となることが想定される。その場合、建物ユニットに取り付けられた窓サッシ等の樹脂部材や建物ユニット内に積載された現地施工用の樹脂部材等、比較的耐熱性に劣る部材が熱により変形するおそれがあり、品質上問題となりうる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物ユニットの保管又は輸送に際し、熱による部材の変形を抑制することができる建物ユニットの保護カバーを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物ユニットの保護カバーは、建物ユニットの保管又は輸送に際し、前記建物ユニットを覆って保護するカバー部材を備える建物ユニットの保護カバーであって、前記カバー部材は、前記建物ユニットの各側面をそれぞれ覆う複数の側面シート部を有し、それら側面シート部の少なくともいずれかには、前記カバー部材により囲まれたカバー内空間を外部と連通させる開口部が設けられ、前記開口部には、外側に開き動作可能なフード部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、フード部を外側に開けることで、カバー部材の側面シート部に設けられた開口部を介してカバー内空間を換気することができる。これにより、カバー内空間が高温となるのを抑制することができるため、カバー内空間に収容された建物ユニットの構成部材や建物ユニット内に積み込まれた現地施工用の部材が熱によって変形するのを抑制することができる。
【0009】
また、フード部により開口部を介して雨水が浸入するのを抑制することができるため、建物ユニットが濡れるのを抑制しつつカバー内空間を換気することができる。
【0010】
また、複数の側面シート部に複数の開口部を設ければ、それら複数の開口部のうちいずれかを介して外部の空気をカバー内空間に取り込み、いずれかを介してカバー内空間にこもった熱を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間を効率よく換気することができる。
【0011】
第2の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1の発明において、前記複数の側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部に、それぞれ前記開口部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
ところで、建物ユニットには予め製造工場において外壁パネル等の壁パネルが取り付けられるが、壁パネルの取付位置は建物ユニットごとに異なる。例えば、ある建物ユニットについては2面(2つの側面)に壁パネルが取り付けられる一方、ある建物ユニットについては3面に壁パネルが取り付けられる。そこで、本発明ではその点に着目し、カバー部材の各側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部にそれぞれ開口部を設けている。この場合、建物ユニットの3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニットの長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニットにカバー部材を被せる際に、開口部を上記開放された側面に合わせて配置することができる。つまり、壁パネルにより開口部が塞がれるのを回避しつつカバー部材を建物ユニットに被せることができる。これにより、壁パネルの設置状態の異なる種々の建物ユニットに対してカバー部材を被せた状態でのカバー内空間の換気が可能となるため、カバー部材が種々の形態の建物ユニットに使い回しされても、その都度上記第1の発明の効果を得ることができる。
【0013】
また、1面又は2面にのみ外壁パネルが設けられている建物ユニットにカバー部材を被せる場合には、少なくとも二つの開口部を建物ユニットの開放された側面に配置することができる。この場合、一方を吸気口として他方を排気口として使用することができるため、カバー内空間を好適に換気することができる。
【0014】
第3の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1又は第2の発明において、前記複数の側面シート部のうちいずれかには同一の側面シート部に、前記開口部が複数設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、建物ユニットの3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニットの長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニットにカバー部材を被せる際に、複数の開口部が設けられた側面シート部をその開放された側面に合わせて配置することができる。そのため、かかる場合でも、それら複数の開口部のうちいずれかを吸気口としいずれかを排気口としてカバー内空間を換気することができるため、カバー内空間の熱を好適に外部に排出することができる。
【0016】
第4の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれかが前記側面シート部の上部に配置され、いずれかが前記側面シート部の下部に配置されていることを特徴とする。
【0017】
ところで暖かい空気は冷たい空気よりも比重が小さく上昇しやすいため、カバー内空間における熱気は同空間の上部に偏ることが考えられる。そこで、本発明では、その点に着目し、複数の側面シート部に設けられた各開口部のうち、いずれかを側面シート部の上部に配置しいずれかを側面シート部の下部に配置している。この場合、側面シート部の下部に配置した開口部を介して外気をカバー内空間に取り込むとともに、側面シート部の上部に配置した開口部を介してカバー内空間の上部に溜まる熱気を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間の熱を効率よく排出することができる。
【0018】
第5の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれか二つの開口部が、前記カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置された二つの開口部を用いてカバー内空間を換気することができる。具体的には、それら各開口部のうち一方を吸気口として他方を排気口として換気することができる。この場合、カバー内空間において対角方向に風を通すことができるため、カバー内空間のほぼ全域を換気することができる。これにより、カバー内空間の温度上昇をより一層抑制することができる。
【0020】
第6の発明の建物ユニットの保護カバーは、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記カバー部材には、前記カバー内空間を前記開口部を介して換気するファン装置を当該カバー部材に対して着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、カバー部材に設けられた取付部材に対してファン装置を取り付けることができる。この場合、ファン装置を作動させることでカバー内空間を開口部を介して強制換気することができるため、カバー内空間にこもった熱を外部に効率よく排出することができる。これにより、カバー内空間が高温となるのを抑制する効果を高めることができるため、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制することができる。
【0022】
また、カバー部材に設けられた複数の開口部に対して取付部材を設ければ、カバー内空間を換気する際に換気口として用いる開口部に合わせてファン装置を設置することができる。これにより、種々の形態の建物ユニットにおいて本発明の効果を得ることができる。
【0023】
第7の発明の建物ユニットの保護カバーは、第6の発明において、前記カバー部材の外側、又は前記カバー部材の上端部に被せられるキャップカバーの外側には、太陽光が照射されることにより発電を行う太陽光パネルが設けられ、前記ファン装置は、前記太陽光パネルにより発電された電力によって作動することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、カバー部材の外側又はキャップカバーの外側に設けられる太陽光パネルにより発電された電力によってファン装置を作動させることができるため、ファン装置を作動させるにあたって外部電力の使用を低減又は削減することができる。これにより、省エネを図りつつ上記第1の発明の効果を得ることができる。また、太陽光パネルによる発電量は、日射量が多い場合に、換言すると例えばカバー部材等が強い日射を受けカバー内空間が高温となり易い場合に増大するため、カバー内空間の換気が必要な際にファン装置に対し十分な電力供給を行うことができる。そのため、カバー内空間を換気するにあたって都合がよい。
【0025】
第8の発明の建物ユニットの保護カバーは、第6又は第7の発明において、前記カバー内空間の温度を検知するカバー内温検知手段と、前記カバー内温検知手段により検知された前記カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記ファン装置を作動させるファン作動手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合にファン装置が作動を開始するため、例えばカバー内空間の温度が建物ユニットの構成部材の耐熱温度付近まで上昇した場合にカバー内空間の換気を自動で開始させることができる。これにより、ユニット部材等が熱により変形するのを抑制するにあたって利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】建物ユニットを示す斜視図。
【図2】建物ユニットに保護カバーを被せた状態を示す斜視図。
【図3】(a)がフードが開かれた状態を示す斜視図、(b)がフードが閉じられた状態を示す斜視図。
【図4】換気装置の構成を示す縦断面図。
【図5】保護カバーに設けられた換気システムの電気的構成を示す図。
【図6】(a)が建物ユニットに保護カバーが被せられた状態を示す平面図、(b)が同状態を示す側面図。
【図7】別例における建物ユニットに保護カバーを被せた状態を示す平面図。
【図8】別例における換気ファンの取付構成を示す正面図。
【図9】別例におけるフードの構成を示す斜視図。
【図10】カバー部材にキャップが被せられた保護カバーを示す斜視図。
【図11】フードに太陽光パネルを設置した場合を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、隣り合う2つの側面に外壁パネルが取り付けられた建物ユニットに本発明の保護カバーを被せ同ユニットを保護することを想定している。そこで、保護カバーについての説明をするのに先立って、まず本実施形態の建物ユニットについて図1に基づいて説明する。なお、図1は、建物ユニットを示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
【0030】
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁24が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁25が架け渡されている。これら各天井小梁24の下面には、天井材27が支持されており、これら各床小梁25上には、床材28(図6参照)が支持されている。
【0031】
建物ユニット20の側面には、外壁パネル31や内壁パネル(図示略)が設けられている。本実施形態では、建物ユニット20における隣り合う2つの側面に外壁パネル31が設けられており、そのうち建物ユニット20の長辺側の側面(桁面)に設けられた外壁パネル31には、窓部32が設けられている。窓部32には、当該窓部32を開閉するガラス戸33が設けられている。ガラス戸33は、枠体としての窓サッシ33aにガラス板33bが嵌め込まれることで構成されており、本実施形態では、窓サッシ33aが、窓部32における断熱性を図るべく塩化ビニル樹脂により形成されている。
【0032】
次に、建物ユニット20の保管又は輸送に際し、建物ユニット20に被せられ同ユニット20を保護するための保護カバー40について図2に基づいて説明する。なお、図2は、建物ユニット20に保護カバー40を被せた状態を示す斜視図である。
【0033】
図2に示すように、保護カバー40は、建物ユニット20を覆うためのカバー部材41を備えている。カバー部材41は、防水性を有するシート材により形成されており、例えばポリエチレン樹脂からなる。カバー部材41は、矩形状に形成された天井シート部41aと、天井シート部41aにおける各辺の端縁部からそれぞれ下方に垂下された4つの側面シート部41bとを備えている。カバー部材41は、建物ユニット20の大きさに合わせて形成されており、詳細には天井シート部41aが建物ユニット20の上面(平面視における大きさ)とほぼ同じ大きさ(縦横寸法)で形成され、各側面シート部41bがそれぞれ建物ユニット20の側面(詳細には長辺側の側面及び短辺側の側面)とほぼ同じ大きさ(縦横寸法)で形成されている。
【0034】
カバー部材41における隣り合う各側面シート部41bの境界部には、同境界部に沿ってファスナ43が設けられている。ファスナ43は、隣り合う各側面シート部41b同士を接合及び切り離しするためのものであり、チャック式の線ファスナからなる。このファスナ43により隣り合う各側面シート部41bが接合されることで、カバー部材41は全体として下側が開口する直方体状に形成される。以下の説明では、このカバー部材41により囲まれた内側空間をカバー内空間45という。
【0035】
上記のように構成されたカバー部材41は、天井シート部41aが建物ユニット20の上面側に配置され、各側面シート部41bが建物ユニット20の側面側に配置された状態で、建物ユニット20に被せられる。このようにカバー部材41が被せられた状態で建物ユニット20は保管又は輸送される。
【0036】
ところで、カバー部材41により囲まれたカバー内空間45は外部から遮断されているため、夏場の昼間等日射しが強い状況下では、建物ユニット20の保管中又は輸送中にカバー内空間45に熱がこもり同空間45内が高温となることが想定される。その場合、その熱によってカバー内空間45に収容された建物ユニット20の構成部材が熱変形を起こすおそれがある。具体的には、例えば耐熱性に劣るガラス戸33の窓サッシ33a等の部材が熱変形を起こすおそれがある。そこで、本実施形態では、カバー部材41にカバー内空間45を換気するための換気開口部を設けるとともに、その換気開口部に換気装置を設置できるようにしている。この場合、換気装置により換気開口部を介してカバー内空間45を換気することで、同空間45の温度上昇を抑制することができるため窓サッシ33aの熱変形を抑制することができる。本実施形態はその点に特徴を有しており、以下その詳細について図2に加え図3及び図4を参照しつつ説明する。なお、図3は、フードの構成を示す斜視図であり、(a)がフードが開いた状態を示し、(b)が換気カバーが閉じた状態を示している。また、図4は換気装置周辺の構成を示す縦断面図である。
【0037】
図2に示すように、カバー部材41の各側面シート部41bには、カバー内空間45を外部と連通させる換気開口部47が設けられている。換気開口部47は、各側面シート部41bにそれぞれ二つずつ設けられており、各々の側面シート部41bにおいて一方(以下、上側開口部47aという)が側面シート部41bの上部に配置されているのに対し他方(以下、下側開口部47bという)が側面シート部41bの下部に配置されている。具体的には、上側開口部47aが側面シート部41bの上端部付近に配置され、下側開口部47bが側面シート部41bの下端部付近に配置されている。但し、上側開口部47aは天井大梁22よりも下方に配置され、下側開口部47bは床大梁23よりも上方に配置されている。
【0038】
また、各側面シート部41bにおいて、上側開口部47aが側面シート部41bを正面に見て左側に配置されており、下側開口部47bが右側に配置されている。より詳細には、各側面シート部41bにおいて、上側開口部47aが側面シート部41bの左端付近に配置され、下側開口部47bが側面シート部41bの右端付近に配置されている。したがって、長辺側の側面シート部41bに設けられた上側開口部47aと、短辺側の側面シート部41bに設けられた下側開口部47bとが、カバー部材41の平面視において略対角位置に配置されている。
【0039】
各換気開口部47には、それぞれメッシュフィルタ48が設けられている。メッシュフィルタ48は、例えば樹脂からなる線材が網目状に織られることにより構成されている。これにより、雨水が換気開口部47を通じてカバー内空間45に浸入するのを抑制できるようになっている。
【0040】
カバー部材41には、各換気開口部47の外側にそれぞれフード49が設けられている。フード49は、カバー部材41の外側から開放可能とされている。図3(a)に示すように、フード49は、換気開口部47の上方からカバー部材41の外側に延びる庇部49aと、庇部49aの幅方向両端部に設けられた一対の伸縮部49bとを有している。庇部49aは、その上端部が側面シート部41bにおける換気開口部47の上縁部(やや上方)に固定されており、カバー部材41の外側に開くことができる。庇部49aは、開状態では外側に向かって下方傾斜している。
【0041】
各伸縮部49bはそれぞれ、庇部49aの幅方向端部と側面シート部41bにおける換気開口部47の側縁部とを繋ぐように設けられている。伸縮部49bは、蛇腹状に形成されており、フード49(庇部49a)の開閉に伴って庇部49aの動作方向に伸縮する構成となっている。フード49が開いた状態では、フード49は下側のみが開放された状態となっている。この場合、換気開口部47を通じて雨水が浸入するのを抑制することができる。
【0042】
一方、図3(b)に示すように、フード49が閉じられた状態では、伸縮部49bが縮められて、庇部49aにより換気開口部47が閉鎖される。つまり、本実施形態では、フード49がフードとしての機能を有する他に、換気開口部47を開閉する機能を有している。庇部49aの幅方向両端部には(詳細には側面シート部41bにおける上記両端部との境界部にも)それぞれ各端部に沿ってファスナ52が設けられている。このファスナ52は、庇部49aを閉じた状態で庇部49aを側面シート部41bに固定するものである。これにより、建物ユニット20の保管中に風等の影響でフード49が開くのを防止することができる。そのため、未使用の換気開口部47を通じて雨水等がカバー内空間45に浸入するのを防止することができる。
【0043】
図4に示すように、カバー部材41には、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気する換気装置55を着脱自在に取り付けるための取付部材54が設けられている。本実施形態では、この取付部材54が各換気開口部47に対応して設けられており、いずれの換気開口部47に対しても換気装置55を取り付けられるようになっている。
【0044】
取付部材54は、換気開口部47の幅方向に延びる軸部材により形成されている。取付部材54は、カバー部材41の側面シート部41bにおいて換気開口部47の上縁部に設けられ、例えばその軸方向の両端部がそれぞれ側面シート部41bに固定されている。
【0045】
取付部材54には、換気装置55が取り付けられている。換気装置55は、フード49が開かれた状態において、庇部49aと換気開口部47(詳細にはメッシュフィルタ48)との間に挟まれた状態で設けられている。換気装置55は、ファン装置としての排気ファン56と、排気ファン56を一体に支持する支持部材57とを備えている。排気ファン56は、カバー内空間45の空気を換気開口部47を介して外部に排出するものである。
【0046】
支持部材57は、排気ファン56が固定されている固定板部58と、固定板部58の上端部に設けられたフック部59とを備えている。固定板部58は、排気ファン56の幅方向両端部から排気側(詳しくは排気ファン56により排出される空気が流れる側)に延びるとともに排気ファン56が固定された一対の側板部58aと、これら各側板部58a同士を繋ぐとともに排気ファン56の排気側に設けられた傾斜板部58bとを有している。傾斜板部58bは、排気ファン56の排気側に向かって下方傾斜しており、この傾斜板部58bの外側面にフード49の庇部49aが支持されている。つまり、傾斜板部58bによりフード49の開状態が保持される構成となっている。
【0047】
フック部59は、取付部材54に取り付けられるものであり、取付部材54に対し引っ掛け可能となっている。このフック部59が取付部材54に引っ掛けられることにより換気装置55がカバー部材41に取り付けられるようになっている。
【0048】
換気装置55の取付状態において、排気ファン56は換気開口部47の正面に配置される。ここで、排気ファン56が作動すると、カバー内空間45の空気が換気開口部47を介して支持部材57の内側空間に入り、同部材57の下端部に形成された開口より外部に排出される。
【0049】
図2の説明に戻り、カバー部材41の天井シート部41aの上面には、太陽光が照射されることにより太陽光発電を行う太陽光パネル61が設けられている。本実施形態では、この太陽光パネル61による発電電力により排気ファン56を作動させる構成となっている。
【0050】
カバー部材41には、カバー内温検知手段及びファン作動手段としての温度センサ63が設けられている。温度センサ63は、カバー内空間45の温度を検知するセンサであり、本実施形態では建物ユニット20におけるガラス戸33の窓サッシ33a周辺にテープ等で仮固定されている。本温度センサ63は、感温リードスイッチからなり、通常時(所定温度以下の温度の検知時)はスイッチを閉状態とし同センサ63を通じての電流の流れを遮断する一方、所定温度以上の温度を検知するとスイッチを開状態とし同センサ63を通じての電流の流れを許可する構成となっている。本実施形態では、上記所定温度が窓サッシ33aの材料である塩化ビニルの耐熱温度よりも若干低めの温度(例えば55℃)に設定されている。
【0051】
次に、本保護カバー40に設けられた換気システムの電気的構成について図5に基づいて説明する。
【0052】
図5に示すように、保護カバー40において、太陽光パネル61には電力線65が接続されており、その電力線65には温度センサ63が設けられている。電力線65には、複数の分岐電力線66が接続されており、それら各分岐電力線66にはそれぞれカバー側コネクタ67が接続されている。カバー側コネクタ67は、排気ファン56と電気的に接続するためのコネクタである。カバー側コネクタ67は、カバー部材41の各換気開口部47の周辺に設けられ、カバー部材41の外側から接続可能とされている。
【0053】
排気ファン56には、ケーブル68を介してファン側コネクタ69が接続されている。このファン側コネクタ69は上記カバー側コネクタ67と接続可能とされている。ここで、これら各コネクタ67,69同士が接続された状態において、温度センサ63により所定温度以上の温度が検知されると、太陽光パネル61と排気ファン56とが電力線65等を介して電気的に接続される。これにより、太陽光パネル61による発電電力が排気ファン56に供給され、排気ファン56が作動する。つまり、排気ファン56によるカバー内空間45の換気が行われる。一方、温度センサ63により所定温度よりも低い温度が検知されると、太陽光パネル61と排気ファン56との接続が遮断される。これにより、太陽光パネル61による排気ファン56への電力供給が停止され、排気ファン56の作動が停止する。つまり、排気ファン56によるカバー内空間45の換気が停止する。
【0054】
次に、上記構成の保護カバー40を用いて建物ユニット20を保管又は輸送する際の手順について説明する。なお、図6は、(a)が建物ユニット20に保護カバー40が被せられた状態を示す平面図であり、(b)が同状態を示す側面図である。なお、図6では、便宜上太陽光パネル61の図示を省略している。
【0055】
ここでは、上述したように隣り合う二つの側面に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20について例示しており、建物ユニット20内には現地施工用の取付部材が積み込まれている。
【0056】
この建物ユニット20にカバー部材41を被せる作業を行う。この作業は、カバー部材41のファスナ43を開けた状態で行う。カバー部材41を建物ユニット20に被せた後、側面シート部41bを捲り上げてカバー内空間45に収容された建物ユニット20内に入る。そして、温度センサ63をガラス戸33の窓サッシ33a周辺にテープ等を用いて固定する。その後、カバー内空間45の外に出てファスナ43を閉める。これにより、建物ユニット20がカバー部材41により覆われる。なお、この時点では、各換気開口部47がフード49により閉鎖されている。
【0057】
次に、カバー部材41に設けられた換気開口部47を開放させる作業を行う。ここではその作業手順を説明する前に、まずカバー部材41に設けられた複数の換気開口部47のうちいずれを開放させるかについて説明する。図6(a)に示すように、カバー部材41が被せられた建物ユニット20の各側面のうち、外壁パネル31が取り付けられていない二つの側面については梁材22,23のみが存在し、上下の梁材22,23間は開放されている。そこで、本実施形態では、カバー部材41の各側面シート部41bのうち、外壁パネル31が設置されていない側(以下、開放側という)の側面シート部41bに設けられた換気開口部47を開放させる。これにより、換気開口部47を介してカバー内空間45が(ひいては建物ユニット20のユニット内空間が)カバー外部と連通される。具体的には、開放側に配置された隣り合う二つの側面シート部41bのうち、長辺側の側面シート部41bにおいて上側開口部47aを開放させ、短辺側の側面シート部41bにおいて下側開口部47bを開放させる。この場合、開放された上側開口部47aと下側開口部47bとは、カバー部材41の平面視において略対角の位置関係となる。
【0058】
次に、対角位置に配置された上記二つの換気開口部47を開放させる際の作業内容について説明する。この作業では、まず下側開口部47b側のフード49を固定しているファスナ52を開け、フード49を開く。そして、フード49を開いた状態で、例えば(下側開口部47b側の)取付部材54に支持部材57のみを取り付ける。これにより、下側開口部47bが開放される。
【0059】
次に、下側開口部47b側と同様に、上側開口部47a側についてもフード49を開く。そして、開いた状態で(上側開口部47a側の)取付部材54に換気装置55を取り付ける。これにより、上側開口部47aが開放されるとともに換気装置55が所定位置に設置される。その後、換気装置55に設けられたファン側コネクタ69をカバー部材41に設けられたカバー側コネクタ67に接続する。以上で、保護カバー40により建物ユニット20を保護するための一連の作業が終了する。
【0060】
次に、保護カバー40が被せられた建物ユニット20を屋外に設けられた所定の保管場所に移動させる作業を行う。この作業は、フォークリフト等を用いて行われる。保管場所では、太陽光パネル61に太陽光が照射されると同パネル61により太陽光発電が行われる。そして、カバー内空間45の温度が所定温度以上まで上昇すると、排気ファン56がその電力により作動する。これにより、カバー内空間45が換気開口部47を通じて換気されるため、カバー内空間45の温度上昇が抑制される。
【0061】
建物ユニット20は所定期間保管された後、トラックにより施工現場に搬送される。この輸送中においても、カバー内空間45が所定温度以上になると排気ファン56によりカバー内空間45の換気が行われる。施工現場では、保護カバー40を建物ユニット20から取り外し、その後建物ユニット20を所定の設置位置に設置する。取り外した保護カバー40は、他の建物ユニット20の保管・輸送に際し再利用するため回収する。
【0062】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0063】
カバー部材41の側面シート部41bに複数の換気開口部47を設け、換気開口部47には開き動作可能なフード49を設けた。この場合、フード49を開けることで、換気開口部47を介してカバー内空間45を換気することができる。例えば、下側開口部47bを介して外気を取り込み、上側開口部47aを介してカバー内空間45にこもった熱を外部に排出することができる。これにより、カバー内空間45が高温となるのを抑制することができるため、カバー内空間45に収容された建物ユニット20の構成部材や建物ユニット20内に積み込まれた現地施工用の部材が熱により変形するのを抑制することができる。
【0064】
具体的には、各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けた。この場合、建物ユニット20の3面に外壁パネル31が取り付けられる等して、建物ユニット20の長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、建物ユニット20にカバー部材41を被せる際に、換気開口部47を上記開放された側面に合わせて配置することができる。つまり、外壁パネル31により換気開口部47が塞がれるのを回避しつつカバー部材41を建物ユニット20に被せることができる。これにより、外壁パネル31の設置状態の異なる種々の建物ユニット20に対してカバー部材41を被せた状態でのカバー内空間45の換気が可能となるため、カバー部材41が種々の形態の建物ユニット20に使い回しされても、その都度上記の効果を得ることができる。
【0065】
より詳しくは、各側面シート部41bにそれぞれ二つずつ換気開口部47を設けた。これにより、建物ユニット20の3面に壁パネルが取り付けられる等して、建物ユニット20の長辺側の側面しか又は短辺側の側面しか開放されていない場合でも、その開放された側面の側に二つの換気開口部47を配置することができる。そのため、かかる場合でも、それら二つの換気開口部47のうち一方を吸気口とし他方を排気口としてカバー内空間45を換気することができるため、カバー内空間45の熱を好適に外部に排出することができる。
【0066】
各側面シート部41bにそれぞれ設けた二つの換気開口部47のうち、上側開口部47aを側面シート部41bの上部に配置し、下側開口部47bを側面シート部41bの下部に配置した。この場合、下側開口部47bを介して外気をカバー内空間45に取り込むとともに、上側開口部47aを介してカバー内空間45の上部に溜まる熱気を外部に排出することができる。そのため、カバー内空間45の熱を効率よく排出することができる。
【0067】
長辺側の側面シート部41bに設けられた上側開口部47aと、短辺側の側面シート部41bに設けられた下側開口部47bとを、カバー部材41の平面視において対角位置に配置した。この場合、当該下側開口部47bを吸気口として当該上側開口部47aを排気口として換気を行うことで、カバー内空間45において対角方向に風を通すことができるため、カバー内空間45のほぼ全域を換気することができる。これにより、カバー内空間45の温度上昇をより一層抑制することができる。
【0068】
カバー内空間45を換気開口部47を介して換気する換気装置55(詳細には排気ファン56)をカバー部材41に対し着脱自在に取り付けるための取付部材54を、カバー部材41に設けた。この場合、換気装置55を取付部材54に取り付けて排気ファン56を作動させることで、カバー内空間45を換気開口部47を介して強制換気することができる。そのため、カバー内空間45にこもった熱を外部に効率よく排出することができる。これにより、カバー内空間45が高温となるのを抑制する効果を高めることができるため、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制することができる。
【0069】
また、カバー部材41に設けられた複数の換気開口部47に対して取付部材54を設けたため、カバー内空間45を換気する際に換気口として用いる換気開口部47に合わせて換気装置55を設置することができる。これにより、種々の形態の建物ユニット20に対して、ユニット部材が熱により変形するのをより一層抑制する効果を得ることができる。
【0070】
また、換気装置55(排気ファン56)を取付部材54に対し着脱自在に取り付ける構成としたことで、冬場等カバー内空間45を換気する必要がないときには、換気装置55をカバー部材41から取り外してカバー部材41の取り扱いを容易にすることもできる。
【0071】
カバー部材41の外側に太陽光パネル61を設け、その太陽光パネル61により発電された電力により排気ファン56を作動させることとした。これにより、排気ファン56を作動させるにあたって外部電力(商用電力等)の使用を低減又は削減することができるため、省エネを図りつつカバー内空間45を換気することができる。また、太陽光パネル61による発電量は日射量が多い場合に、換言すると例えばカバー部材41が強い日射を受けカバー内空間45が高温となり易い場合に増大するため、カバー内空間45の換気が必要な際に排気ファン56に対し十分な電力供給を行うことができる。そのため、カバー内空間45を換気するにあたって都合がよい。
【0072】
各換気開口部47には、それぞれ各々の換気開口部47を開閉するフード49を設けた。これにより、カバー内空間45を換気するにあたって換気口として使用しない換気開口部47についてはフード49により閉鎖しておくことができるため、未使用の換気開口部47を通じて雨水やごみ等がカバー内空間45に浸入するのを防止することができる。
【0073】
カバー内空間45の温度を検知する温度センサ63を設け、同センサ63により所定温度以上の温度が検知された場合に排気ファン56を作動させるようにした。これにより、カバー内空間45の温度がガラス戸33の窓サッシ33aの耐熱温度付近まで上昇した場合にカバー内空間45の換気を自動で開始させることができる。そのため、耐熱性の面で劣る窓サッシ33aが熱により変形するのを抑制するにあたって利便性を高めることができる。
【0074】
カバー部材41の各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けるとともに換気装置55を取り付けるための取付部材54を設けた。つまり、カバー部材41の各側面シート部41bに換気機能を設けた。これにより、カバー部材41を建物ユニット20に被せる際に、建物ユニット20における外壁パネル31が設けられていない側面に換気開口部47を合わせるといった作業を不要とすることができるため、カバー部材41を建物ユニット20に被せる作業を容易とすることができる。
【0075】
本発明は上記各実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0076】
(1)上記実施形態では、隣り合う二つの側面(つまり2面)に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20に本発明の保護カバー40を適用したが、1面又は3面に外壁パネル31が取り付けられた建物ユニット20等その他の建物ユニット20に本発明を適用してもよい。図7にはその適用例を示す。なお、図7では、便宜上太陽光パネル61の図示を省略している。
【0077】
図7(a)に示す建物ユニット75には、3面に外壁パネル31が取り付けられている。この場合、カバー部材41の各側面シート部41bのうち、外壁パネル31が設けられていない開放側の側面を覆う側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を開放させる。そして、換気装置55を上側開口部47a側の取付部材54に対し取り付ける。ここで、排気ファン56が作動すると、下側開口部47bを介して外部の空気がカバー内空間45に取り込まれ、上側開口部47aを介してカバー内空間45の空気が外部に排出される。つまり、カバー内空間45の換気が行われるため、かかる建物ユニット75においても熱によるユニット部材の変形を抑制することができる。
【0078】
また、図7(b)に示す建物ユニット77には、短辺側の1面にのみ外壁パネル31が取り付けられている。この場合、建物ユニット77における外壁パネル31が設けられていない開放側の側面を覆う側面シート部41bが3つあり、例えばそれら3つの側面シート部41bのうち建物ユニット77の長辺側の側面を覆う一対の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を開放させる。そして、それら一対の各側面シート部41bのうち、いずれかの側面シート部41bに設けられた各換気開口部47に対しそれぞれ換気装置55を取り付ける。ここで、各換気装置55の排気ファン56が作動すると、一方の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を介して外部の空気がカバー内空間45に取り込まれ、他方の側面シート部41bに設けられた各換気開口部47を介してカバー内空間45の空気が外部に排出される。つまり、複数の換気開口部47を吸気口として、かつ、複数の換気開口部47を排気口として換気が行われる。この場合、カバー内空間45を効率よく換気することができるため、熱によるユニット部材の変形をさらに抑制することができる。
【0079】
(2)上記実施形態では、カバー内空間45を換気するファン装置として排気ファン56を用いたが、これに代えて又は加えて、吸気ファンを用いてもよい。例えば、上記実施形態の構成において、上側開口部47a側に排気ファン56を取り付ける代わりに、下側開口部47b側に吸気ファンを取り付けることが考えられる。この場合、上記実施形態とほぼ同様の換気を行うことができる。また、上側開口部47a側に取り付けられた排気ファン56に加え、下側開口部47b側に吸気ファンを取り付けることが考えられる。この場合、換気効率の向上を図ることができるため、建物ユニット20の構成部材の熱による変形をより一層抑制することができる。なお、カバー内空間45を換気するにあたって必ずしもファン装置を用いる必要はなく、換気開口部47を通じて流れる風等によりカバー内空間45を換気してもよい。例えば風が強く吹いている場合や建物ユニット20の輸送中には、換気開口部47を介してカバー内空間45に風が通り易いため、ファン装置を用いなくてもカバー内空間45を換気することができる。
【0080】
また、上記実施形態では、カバー部材41に換気装置55を1つだけ設置し換気を行ったが、カバー部材41に複数の換気装置55を設置してもよい。そうすれば、カバー内空間45の換気効率を高めることができる。なお、換気装置55の設置数は任意としてよい。
【0081】
(3)カバー部材41に排気ファン56と吸気ファンとの双方を取り付けた場合において、カバー内空間45の温度が第一温度以上になった場合に、排気ファン56を作動させ、カバー内空間45の温度が第一温度よりも高い第二温度以上になった場合に、さらに吸気ファンを作動させるようにしてもよい。ここで、第一温度は例えば60℃に設定されており、第二温度は例えば65℃に設定されている。そうすれば、排気ファン56による換気だけではカバー内空間45の温度上昇を抑制することができない場合に、吸気ファンを自動で作動させてカバー内空間45の換気を促進させることができる。これにより、熱によるユニット部材の変形をより確実に抑制することができる。
【0082】
(4)上記実施形態では、換気装置55の支持部材57(詳細にはフック部59)を取付部材54に対し引っ掛け可能とすることで、ファン装置としての排気ファン56をカバー部材41に対し着脱自在に取り付ける構成としたが、ファン装置を着脱自在に取り付けるための構成は必ずしもこれに限定されない。例えば、図8に示す構成としてもよい。図8に示すように、カバー部材41には、上記実施形態の取付部材54に代えて、換気ファン72を支持するためのホルダ71が設けられている。ホルダ71は、全体として上側が開口する略コ字状に形成されており、換気開口部47を囲むようにしてカバー部材41の外側面に取り付けられている。ホルダ71は、コ字状断面を有する複数の長尺材からなり、各長尺材がその開口溝を換気開口部47側に向けて設けられている。また、ホルダ71の下端部には、カバー側コネクタ67が設けられており、ホルダ71の内側から同コネクタ67に対し接続可能となっている。カバー側コネクタ67は、ホルダ71の幅方向における略中央に配置されている。
【0083】
ホルダ71には、ファン装置としての換気ファン72がホルダ71の上方から着脱自在に装着される。具体的には、換気ファン72は、その端部がホルダ71(長尺材)の溝内に配設された状態でホルダ71に装着される。その装着状態において、換気ファン72は換気開口部47の正面に配置される。換気ファン72の下端部にはファン側コネクタ69が設けられている。ファン側コネクタ69は、換気ファン72の幅方向における略中央に配置されており、換気ファン72がホルダ71に装着されることによりファン側コネクタ69がカバー側コネクタ67と接続されるようになっている。
【0084】
また、換気ファン72は、ホルダ71に対して表裏いずれの向きにも取り付け可能であり、取り付けの向きを表裏変更することで換気ファン72の風向きを変更することができるようになっている。つまり、換気ファン72を排気ファンとしても吸気ファンとしても用いることができる。この場合、カバー内空間45を換気するに際し換気の自由度を高めることができるため、種々の建物ユニットに応じた換気を行うにあたって都合がよい。また、カバー側コネクタ67がホルダ71の幅方向における略中央に配置され、ファン側コネクタ69が換気ファン72の幅方向における略中央に配置されていることから、換気ファン72を表裏いずれに向けて取り付けても、取り付けとともにコネクタ同士67,69を接続することができる。
【0085】
(5)上記実施形態では、カバー部材41の各側面シート部41bにそれぞれ換気開口部47を設けたが、換気開口部47は必ずしも各側面シート部41bに設ける必要はなく、例えば3つの側面シート部41bにのみ設けてもよい。但し、各側面シート部41bのうち、少なくとも一方の長辺側の側面シート部41bと、少なくとも一方の短辺側の側面シート部41bとに換気開口部47を設ける必要がある。
【0086】
また、上記実施形態では、各側面シート部41bに2つずつ換気開口部47を設けたが、1つずつ設けてもよく、3つ以上ずつ設けてもよい。また、各側面シート部41bにおいて換気開口部47の数は必ずしも同じである必要はなく、側面シート部41bごとに異なっていてもよい。
【0087】
さらに、上記実施形態では、側面シート部41bにおいて換気開口部47を同シート部41bの上側(かつ左側)及び下側(かつ右側)に設けたが、換気開口部47は側面シート部41bにおいていずれの部位に設けてもよい。但し、換気効率の観点からすると建物ユニット20の柱や梁等と重ならない位置に設けるのが好ましい。
【0088】
(6)上記実施形態では、カバー部材41に設けられた各換気開口部47に対して取付部材54を設けたが、これを変更してもよい。例えば各側面シート部41bにおいて上側開口部47aのみに取付部材54を設けてもよい。
【0089】
(7)上記実施形態では、温度センサ63としてリードスイッチからなるものを用い、温度センサ63が所定以上の温度を検知した場合にスイッチを開状態として太陽光パネル61から排気ファン56への電力供給を、すなわち排気ファン56による換気処理を実行する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、温度センサとして温度検知機能のみを有するものを用いるとともに、太陽光パネル61から排気ファン56への電力供給を許可又は禁止する切替手段と、制御手段としてのコントローラとを設け、温度センサにより所定以上の温度が検知された場合にコントローラが切替手段により上記電力供給を許可する構成としてもよい。この場合においても、カバー内空間45が所定以上の温度になると排気ファン56による換気が自動で行われる。
【0090】
(8)保護カバー40にブザー等の警報装置を設け、カバー内空間45の温度が所定温度以上になった場合にその警報装置を鳴らすよう制御してもよい。ここで、所定温度は、例えば温度センサ63が開状態となる温度よりも高い温度に設定されている。そうすれば、排気ファン56による換気によってもカバー内空間45の温度上昇を抑制できない場合にその旨をユーザに報知することができる。そのため、ユーザは換気装置55の設置数を増やす等してカバー内空間45の換気を促進させる対処を講じることができる。これにより、窓サッシ33aの熱変形をより確実に防止することができる。また、カバー内空間45の温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続された場合に、警報装置を鳴らすようにしてもよい。
【0091】
(9)上記実施形態では、換気装置55の支持部材57によりフード49を支えることでフード49を開状態に保持することとしたが、フード49を開状態に保持する構成は必ずしもこれに限らない。例えば、図9(a)に示すように、フード49の下端部の開口に沿ってワイヤ79を取り付けてもよい。この場合、ワイヤ79によりフード49の開状態を保持することができる。
【0092】
また、図9(b)に示すように、カバー部材41の側面シート部41bにおける換気開口部47の上方に紐81の一端を取り付け、その紐81の他端にはフック82を設けることが考えられる。この場合、フード49の開時に紐81に設けられたフック82を同フード49の庇部49aの下端に引っ掛けることで、フード49を開状態に保持することができる。
【0093】
(10)上記実施形態では、太陽光パネル61により発電された電力により排気ファン56を作動させることとしたが、同パネル61により発電された電力を用いてフード49の開閉を行うようにしてもよい。例えば、フード49を開閉する駆動装置(例えば周知の電動モータ等)をカバー部材41に設け、その駆動装置に太陽光パネル61の発電電力を供給することが考えられる。
【0094】
(11)図10に示すように、カバー部材41の上端部にキャップ85を設けてもよい。キャップ85は、防水性を有するシート材よりなり、カバー内空間45に雨水が浸入するのを抑制するものである。キャップ85は、カバー部材41の天井シート部41aと略同じ大きさ(縦横寸法)で形成された矩形形状の天井部85aと、天井部85aの周縁部から下方に垂下された側面部85bとを備え、全体として下側が開口された略直方体状に形成されている。キャップ85は、天井部85aがカバー部材41の天井シート部41a上に重ねられるとともに、側面部85bがカバー部材41の側面シート部41b上端部における外側面に重ねられた状態で、カバー部材41の上端部に被せられる。ここで、キャップ85が被せられた状態で、カバー部材41の上側開口部47aはキャップ85の側面部85bと重複しない高さ位置に設けられている。そのため、かかる構成においても上側開口部47a等を介してカバー内空間45を換気することが可能となっている。なお、この場合太陽光パネル61は、例えばキャップ85の天井部85a上に設置される。
【0095】
(12)上記実施形態では、カバー部材41の天井シート部41a上に太陽光パネル61を設置したが、太陽光パネル61は側面シート部41bの外側面等その他の場所に設置してもよい。また、図11に示すように、フード49の外側面に設けてもよい。要は太陽光の照射を受ける場所であれば、いずれの場所でもよい。また、太陽光パネル61をカバー部材41に対し着脱自在に取り付けてもよい。そうすれば、冬場等カバー内空間45の換気が不要な場合には、太陽光パネル61を取り外しておくことができるため保護カバー40の取り扱いを容易とすることができる。
【0096】
(13)太陽光パネル61により発電された電力を貯えるための蓄電部を保護カバー40に設けてもよい。そうすれば、建物ユニット20の保管又は輸送中に曇り等で太陽光の照射量が少なくなっても、蓄電部に貯えた電力を用いて排気ファン56を作動させカバー内空間45を換気をすることができる。
【0097】
また、排気ファン56を作動させるための電力として必ずしも太陽光パネル61により発電される電力を用いる必要はなく、その他の電力供給手段により供給される電力を用いてもよい。例えば、建物ユニット20の保管時には商用電力を用いて給電したり、カバー部材41に取り付けた2次電池(バッテリ)を用いて給電したりすることが考えられる。また、建物ユニット20の輸送時にはトラックの車載バッテリから給電することが考えられる。
【符号の説明】
【0098】
20…建物ユニット、40…保護カバー、41…カバー部材、41a…側面シート部、45…カバー内空間、47…開口部としての換気開口部、49…フード部としてのフード、54…取付部材、56…ファン装置としての排気ファン、61…太陽光パネル、63…カバー内温検知手段及びファン作動手段としての温度センサ、85…キャップカバーとしてのキャップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物ユニットの保管又は輸送に際し、前記建物ユニットを覆って保護するカバー部材を備える建物ユニットの保護カバーであって、
前記カバー部材は、前記建物ユニットの各側面をそれぞれ覆う複数の側面シート部を有し、
それら側面シート部の少なくともいずれかには、前記カバー部材により囲まれたカバー内空間を外部と連通させる開口部が設けられ、
前記開口部には、外側に開き動作可能なフード部が設けられていることを特徴とする建物ユニットの保護カバー。
【請求項2】
前記複数の側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部に、それぞれ前記開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項3】
前記複数の側面シート部のうちいずれかには同一の側面シート部に、前記開口部が複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項4】
前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれかが前記側面シート部の上部に配置され、いずれかが前記側面シート部の下部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項5】
前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれか二つの開口部が、前記カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項6】
前記カバー部材には、前記カバー内空間を前記開口部を介して換気するファン装置を当該カバー部材に対して着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項7】
前記カバー部材の外側、又は前記カバー部材の上端部に被せられるキャップカバーの外側には、太陽光が照射されることにより発電を行う太陽光パネルが設けられ、
前記ファン装置は、前記太陽光パネルにより発電された電力によって作動することを特徴とする請求項6に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項8】
前記カバー内空間の温度を検知するカバー内温検知手段と、
前記カバー内温検知手段により検知された前記カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記ファン装置を作動させるファン作動手段と、
を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項1】
建物ユニットの保管又は輸送に際し、前記建物ユニットを覆って保護するカバー部材を備える建物ユニットの保護カバーであって、
前記カバー部材は、前記建物ユニットの各側面をそれぞれ覆う複数の側面シート部を有し、
それら側面シート部の少なくともいずれかには、前記カバー部材により囲まれたカバー内空間を外部と連通させる開口部が設けられ、
前記開口部には、外側に開き動作可能なフード部が設けられていることを特徴とする建物ユニットの保護カバー。
【請求項2】
前記複数の側面シート部のうち少なくとも隣り合う二つの側面シート部に、それぞれ前記開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項3】
前記複数の側面シート部のうちいずれかには同一の側面シート部に、前記開口部が複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項4】
前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれかが前記側面シート部の上部に配置され、いずれかが前記側面シート部の下部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項5】
前記複数の側面シート部に複数の開口部が設けられ、それら複数の開口部のうちいずれか二つの開口部が、前記カバー部材の平面視において略対角となる位置関係で配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項6】
前記カバー部材には、前記カバー内空間を前記開口部を介して換気するファン装置を当該カバー部材に対して着脱自在に取り付けるための取付部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項7】
前記カバー部材の外側、又は前記カバー部材の上端部に被せられるキャップカバーの外側には、太陽光が照射されることにより発電を行う太陽光パネルが設けられ、
前記ファン装置は、前記太陽光パネルにより発電された電力によって作動することを特徴とする請求項6に記載の建物ユニットの保護カバー。
【請求項8】
前記カバー内空間の温度を検知するカバー内温検知手段と、
前記カバー内温検知手段により検知された前記カバー内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記ファン装置を作動させるファン作動手段と、
を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の建物ユニットの保護カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−144547(P2011−144547A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5714(P2010−5714)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
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