建物出入口地点推定装置
【課題】 検索対象の住所が住所データベースへ登録されていなくても、当該住所に対応する建物の出入口が面する道路上の位置を推定する技術を提供する。
【解決手段】 付与規則データベースには、住所データベースの街区データに対応する、街区内の住居番号の付与規則情報が記憶されている。建物出入口地点推定装置は、検索対象の住所の街区に対応する付与規則情報と当該住所の住居番号の数値とに基づき、建物出入口地点が位置する場所を推定する。
【解決手段】 付与規則データベースには、住所データベースの街区データに対応する、街区内の住居番号の付与規則情報が記憶されている。建物出入口地点推定装置は、検索対象の住所の街区に対応する付与規則情報と当該住所の住居番号の数値とに基づき、建物出入口地点が位置する場所を推定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、少ない容量の住所データベースを用いて検索対象の住所の建物に対応する建物の出入口地点を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置等は、例えば経路探索を行う際、住所に登録されている各建物の属性情報に基づき目的地を決定する。住所データベースには各建物に対応する住所データや位置座標データが整備されており、ユーザは目的地の住所を入力したり、表示画面から対象の建物を地図上で選択したりすることで、目的地を設定する。ナビゲーション装置はユーザが入力した目的地の住所を住所データベースから検索し、その住所に対応する建物の位置座標や、選択された地図上の位置座標を目的地として特定する。ナビゲーション装置は特定された位置座標から近傍の道路ネットワーク上の位置を移動装置の到着地点として、経路探索を行う。
【0003】
住所データベースに記憶される住所データは通常、都道府県、市区町村郡、大字・町名、小字/町丁目、地番/街区、枝番/住居番号といった住所のデータの組合せで構成されている。そして、これらの住所データの組合せで構成される住所によって示される地点の座標を示す座標データが、各住所データに関連付けて格納されている。座標データは地図上における位置を示すデータであり、緯度・経度等のデータが含まれる。さらに、住所データベースには、上記の各区画名称に割り当てられた代表地点の座標を示す座標データが、各区画データに関連付けて格納されている。
従来の住所データベースに記憶される住所データおよび座標データのデータ数は「都道府県−市区町村郡」、「市区町村郡−大字・町名」、「大字・町名−小字/丁目」「小字/丁目−地番/街区」、「地番/街区−枝番/住居番号」の各階層間において、「1−N」(Nは2以上の自然数)の関係となっている。
【0004】
なお、住所データベースに記憶される各種記憶情報には、一般に、開店直後の小売店の情報や建設後間もない友人宅等の情報等、詳細地図事項に関する最新の情報が登録されていない。そのため、こうした住所データベースに登録されていない地点を目的地にする場合、ナビゲーション装置は、目的地近傍の住所、或いは目的地近傍にあって目印となる施設等(目的地付近)までの経路案内をする。
【0005】
このような検索対象の住所に対応する住所データが住所データベース内に存在しない場合において、検索対象の住所が示す地点の座標をより正確に特定するために、街区ポリゴンおよび建物ポリゴンに基づいて、検索対象の住所の座標を算出する技術が公開されている(例えば、特許文献1)。この技術は、住所データベースに検索対象の住所に対応する住所データが存在しない場合、街区ポリゴンの境界上に住居番号を対応付け、座標を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−51596公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、特定する座標は街区ポリゴンの境界線上に位置するため、検索対象の住所に対応する街区が1つの区画で構成されている場合でしか実施できない(例えば、図12)。しかしながら、実際の地域における街区の地形は様々であり、例えば街区が複数の区画で構成されている場合(例えば、図13)や、区画の中に道路が存在する場合などがある(例えば、図14)。このような地形においては、検索対象の住所に対応する座標は特定できなかった。
【0008】
なお、住所は、都道府県、市区町村郡、大字/町名、小字/丁目、地番/街区、枝番/住居番号といった階層で形成されている。住居表示制度が適用された地域は大字、小字、地番、枝番の替りに町名、丁目、街区、住居番号といった階層が用いられる。このような地域では例えば○○三丁目11番6号という住所のとき、「○○」は町名、「三丁目」は丁目、「11番」は街区、「6号」は住居番号である。
【0009】
住居表示制度による住居表示とは、住所を分かりやすくするために設けられた制度であり、原則として町名と丁目と街区及び住居番号の2つの番号とで住所を表す。街区は道路や河川等で区切られた区画である。街区符号は自治体で決めた基準となるものに一番近い街区から1、2、3・・・と順番に番号が振られる。
【0010】
住居番号の定め方については、各自治体における一定のルールに沿って番号が割り振られる。各自治体における一定のルールとは、例えば○○市役所の方角を基準に右回りに一定間隔に区切って番号を付け、建物の主な出入口が面している番号を住居番号としている。しかしながら、自治体における一定のルールはその自治体における一般的なルールであり、様々な形状を持つ街区へ個別に適用できるわけではない。
【0011】
またさらに、従来のナビゲーション装置の場合、ユーザによって入力された住所を検索する住所データベースは「地番/街区−枝番/住居番号」の関係が「1−N」の構造となっているので、建物の数に比例して住所データ、座標データが増加する。したがって特許文献1技術により目的地の設定制度を高めるためには、地図データベースの更新頻度を高くして案内地点を多数登録し続けたり、街区ポリゴンや建物ポリゴンを整備し続けたりなど、多大な整備負荷とそれを記憶する大容量の記憶領域を必要とする。このため、携帯型の情報提供装置に容易に適用することが出来ない。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされており、街区方式の住居表示制度が適用された地域において、開店直後の小売店や建設後間もない友人宅といった、通常地図データベースに登録されるまでに時間を要する住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定して、案内することを目的とする。また、本発明は住所データベースに建物の1軒1軒に対応する住所データや座標データを記憶する必要がない建物出入口地点推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る建物出入口地点推定装置は、街区に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、前記街区と対応付けて記憶する付与規則情報記憶手段と、検索対象の建物に対応する住所を入力する入力手段と、入力された住所に含まれる街区に対応する前記付与規則情報を前記付与規則情報記憶手段から抽出し、前記付与規則情報と前記入力された住所に含まれる住居番号とに基づいて前記入力された住所に対応する建物出入口地点を推定する位置推定手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、入力手段によって入力された住所の街区に対応する住居番号の付与規則から入力された住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定するので、地図データベースには建物毎の住所データおよび座標データが必要ない。そのため、地図データベースに登録されるか否かにかかわらず、入力した住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定できる。また、街区方式の住居表示制度が適用された地域においては、建物ごとの住所データと座標データを住所データベースに記憶しないので、少ない容量の地図データにより目的地となる建物の建物出入口地点まで案内できる。
【0015】
またさらに、このように構成された建物出入口地点推定装置における地図データベースの更新作業は、建物毎に対応する住所データや座標データの変化に対して行なう必要がなく、住居番号の付与規則との変化に対して行えばよい。したがって地図データベースの更新箇所が減少するので、地図データの整備負荷や記憶領域の増大を抑えることができる。例えば、ユーザは地図データベースの更新を通信により行なう場合、少ない通信料金で更新作業を行うことができる。また、地図データベースを製作する地図製作会社は地図データのメンテナンス作業を軽減できる。
【0016】
また、街区を構成する区画はさまざまな形状となっており、この形状に則して建物出入口地点の位置を推定する必要がある。街区を構成する区画の形状は当該街区の境界線に沿っているとは必ずしもいえず、このように街区の境界線にそって区画が形成されていない場合は、住所データベースに登録されていない住所に対応する目的地の特定ができなかった。
【0017】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置は、前記付与規則情報が、街区を区画する道路上の屈曲する点に位置する複数の屈曲点に関する情報と、該複数の屈曲点を接続する順序に関する情報とからなり、前記位置推定手段は前記住居番号が対応する、前記複数の屈曲点の接続順序により規定される仮想線上の位置を前記建物出入口地点として推定することを特徴としている。
【0018】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、街区を構成する区画を複数の屈曲点で表すとともに付与規則情報がその屈曲点の接続順序が含んでいるので、街区を構成する区画が当該街区の境界線に沿った形状でなくても、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を正確に推定することができる。
【0019】
また、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に屈曲点が含まれる場合がある。このような場合、ユーザが目的地として到着する地点は交差点もしくは道路が屈曲していて見通しの悪い地点であると考えられる。このような場所を案内する場合にはユーザに対して注意喚起を促すことが望ましい。
【0020】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段は前記入力された住所に対応する建物出入口地点として推定された位置から所定範囲内に前記屈曲点が存在する場合、前記所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とすることを特徴とする。
【0021】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段により入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に屈曲点が含まれるか否かを判定するとともに当該屈曲点を含む範囲をユーザに提供するため、ユーザに対して適切な注意喚起などを行うことができる。
【0022】
また、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に付与規則情報に基づく屈曲点の接続順序が不連続となっている場合がある。このような場合、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲が離れた場所となる可能性がある。したがって、このような場所を案内する場合はユーザに対して目的地となる場所を複数提示するとともに例えば出発地から近い順に当該場所を案内することが望ましい。
【0023】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段は、前記所定範囲内に接続順序が不連続となる複数の前記屈曲点が存在する場合、該複数の屈曲点をそれぞれ含む所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とすることを特徴とする。
【0024】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段により入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続な接続順序となる屈曲点が含まれるか否かを判定するとともに当該不連続な接続順序となる屈曲点を含む範囲をユーザに提供するため、ユーザは目的地となる地点の特定が容易となる。また、ユーザに対してこの複数の場所を効率的に案内することができる。
【0025】
また、本発明の建物出入口地点推定装置により推定される建物出入口地点は道路上の位置であるので、ユーザは目的とする建物の出入口が建物出入口地点推定装置によって推定された地点からどちらの方向に位置しているのかを判断できない。このような場合、ユーザは当該地点から対応する建物の出入口をあらためて探す必要があった。
【0026】
そこで、請求項5に記載の建物出入口地点推定装置は、位置推定手段によって推定された建物出入口地点から前記検索対象の建物の出入口方向を前記付与規則情報に基づき判定する出入口方向判定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0027】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、入力された住所に対応する付与規則情報の屈曲点の接続順序に基づき、ユーザが到着した建物出入口地点に対して出入口方向がどちら側に位置するかを判定するので、ユーザは容易に所望の建物の出入口を特定できる。また、この判定に基づき出入口方向を進行方向左側に案内することができるので、ユーザが進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を探索することができる
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成図。
【図2】本発明の地図データベースの構成図
【図3】本発明の付与規則情報についての説明図(1)
【図4】本発明の付与規則情報についての説明図(2)
【図5】本発明の付与規則情報についての説明字(3)
【図6】本発明のナビゲーション装置の全体処理についてのフローチャート
【図7】本発明の位置推定処理についてのフローチャート
【図8】本発明の位置推定処理についての説明図(1)
【図9】本発明の位置推定処理についての説明図(2)
【図10】本発明の位置推定処理についての説明図(3)
【図11】本発明の経路案内処理についてのフローチャート
【図12】従来技術に関する説明図(1)
【図13】従来技術に関する説明図(2)
【図14】従来技術に関する説明図(3)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態をナビゲーション装置に具体化した態様について説明する。
図1に示すように、本実施例における建物出入口地点推定装置としてのナビゲーション装置は、ディスプレイ10と、地図データベース20と、入力手段としてのタッチパネル30と、GPS受信機40とCPU50とを備える。
【0030】
ディスプレイ10には、地図データや案内経路データ等が表示される。
地図データベース20は、例えばハードディスクや不揮発性のフラッシュ・メモリーなどで構成されている。
地図データベース20には地図として表示するための道路や建物などの地形や地物に関する情報が記憶されている地物データベース21と、住所に対応する住所データや前記住所が示す建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点とが関連付けられて記憶されている住所データベース22と、道路をリンクとノードとで表したネットワークデータに関する情報が記憶されているネットワークデータベース23と、住所に含まれる街区に対応する住居番号の付与規則に関する情報が記憶されている付与規則情報記憶手段としての付与規則データベース24と、が記憶されている。
【0031】
ここで、地図データベース20について図2を用いて詳細に説明を行う。
地物データベース21には、道路や建物などの地物の形状を表す地物データが記憶されている。
住所データベース22には、都道府県データ、市区町村郡データ、町名データ、丁目データ、街区データ、大字データ、小字データ、地番データ、枝番データおよび建物出入口地点データが記憶されている。都道府県データ、市区町村郡データ、町名データ、丁目データ、街区データ、大字データ、小字データ、地番データ、枝番データは階層構造となっており、その代表点となる座標データが関連付いている。枝番データには、当該枝番に対応する建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点データがその座標とともに紐づいている。ここで、都道府県データと市区町村郡データとのデータ数についての対応関係は「1対N」となっている。同様に各データ数についての対応関係は市区町村郡データと大字データ/町名データとが「1対N」、町名データと丁目データとが「1対N」、丁目データと街区データとが「1対N」、大字データと小字データとが「1対N」、小字データと地番データとが「1対N」、地番データと枝番データとが「1対N」、枝番データと建物出入口地点データとは「1対1」となっている。各座標データの数についての対応関係も上記と同様である。
【0032】
なお、従来の住所データベースは街区データの下階層に住居番号データがある。街区データと住居番号データとのデータ数についての対応関係は「1対N」となる。また、住居番号データと住居番号データに対応する座標データとのデータ数についての対応関係は「1対1」となる。
建物出入口地点とは、建物の玄関などの主要な出入口が面する道路上の地点である。具体的には、建物の境界を示す線分上の建物の出入口となる地点から、その地点が面する道路へ出入口線を引き、道路上で交わる地点をいう。建物出入口地点は、出入口線が交わる道路に対応するリンクに紐付ける構成としてもよい。
【0033】
ネットワークデータベース23には、道路を表すリンクデータと道路の接続点や行止り点や曲がっている点などの屈曲点を表すノードデータとが記憶されている。
リンクデータおよびノードデータには、当該リンクおよびノードが対応する街区データが関連付いている。街区データに対応するリンクおよびノードとは、当該街区を構成する区画が面する道路形状に対応するリンクおよびノードのことをいう。
【0034】
付与規則データベース24には、住所に含まれる街区の区画に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、住所データベース22に記憶される当該街区に対応する街区データに関連付けて記憶されている。
街区の区画に存在する建物の住居番号の付与規則とは、当該街区の区画が面する道路上に住居番号の付与規則を定めたものであり、地図製作会社などにより街区を区画する道路上の建物出入口地点とその建物出入口地点に対応する住居番号との関連から推定して、予め規定されている。
【0035】
具体的には、付与規則情報は街区を区画する道路が屈曲する点に複数の屈曲点を設定し、当該屈曲点の接続順序を当該街区に含まれる住居番号の付与規則に基づき規定されている。道路が屈曲する点とは、街区に対応する道路上の屈曲点を結んだ仮想線が当該街区に対応する道路に直線近似できる地点のことをいう。典型的には、街区に対応する道路における、交差点や行止りとなる点や所定値以上の曲率となる地点である。
また、付与規則情報と街区データとは「1対1」で対応する関係となっている。
【0036】
街区に対応する屈曲点の接続順序には、住居番号の付与規則に基づき当該屈曲点の始点となる屈曲点の情報が含まれる。また、屈曲点の接続順序は街区を区画する道路に沿って連続して接続する連続接続関係と、連続して接続しない不連続接続関係となる場合がある。
また、付与規則情報には、対応する街区に存在可能な住居番号の最終値をさらに含んでいてもよい。住居番号の最終値とは、付与規則情報における始点ノードとノードの接続順序とに基づき、当該ノードが終着する地点に対応する住居番号の数値をあらわす。
【0037】
また、付与規則情報には、対応する街区における住居番号1単位当たりの距離の値(dx)が所定値として含まれている。距離の値(dx)は、例えば図3において、建物出入口地点TAの位置座標(xA、yA)と建物出入口地点TBの位置座標(xB、yB)とのリンクL上の距離(dAB)を、建物出入口地点TAの住居番号の値と建物出入口地点TBの住居番号の値との差の値(nAB)で除した値である。例えば、距離(dAB)が20mであった場合、当該街区における住居番号1単位あたりの距離(d1)は距離(dAB)「20m」を住居番号の差の値「2」で除した値である「10m」が、所定値(dx1)として街区G1の付与規則情報に含まれている。
【0038】
なお、屈曲点はネットワークデータベース23におけるノードで表してもよい。また、屈曲点を結んだ仮想線はリンクで表してもよい。以下の実施例では、屈曲点はノード、仮想線はリンクにより実施する例を記載する。
【0039】
次に、付与規則情報と接続関係について、図3〜図5を用いて説明する。
なお、図3〜図5の説明で用いられる建物データ、住居番号データ、建物出入口地点データは付与規則情報と接続関係を説明するために用いるデータであり、本発明を実施する過程においては必要としないデータである。
例えば、図3の街区G1は、区画GK1により構成されている。区画GK1が面する道路は道路R1、R2、R3、R4である。道路R1、R2、R3、R4はノードN1、N2、N3、N4とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4で表現してもよい。
街区G1(区画GK1)は、当該区画に属する建物A、B、C、D、Eの住居番号(「1」「3」「5」「10」「12」)と、その建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TD、TEの位置とに基づき、街区G1(区画GK1)はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。また、街区G1におけるノードの接続順序は街区を区画する道路に対応するリンクに沿って連続して接続しているので、全て連続接続関係となっている。
【0040】
また、図4の街区G2は、区画GK2により構成されており、区画GK2が面する道路は道路R1、R2、R3、R4、R5である。道路R1、R2、R3、R4、R5はノードN1、N2、N3、N4、N5、N6とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4、L5、L6で表現してもよい。
区画GK2は、当該区画に属する建物A、B、C、D、E、Fの住居番号(「2」「5」「8」「12」「17」「20」)とその建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TD、TE、TFの位置とに基づき、街区G2はノードN1を始点に、ノードN1−N2−N3−N4−N3−N5−N6−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。また、街区G2におけるノードの接続順序は街区を区画する道路に対応するリンクに沿って連続して接続しているので、全て連続接続関係となっている。
【0041】
また、図5の街区G3は、区画GK3aと区画GK3bとで構成されている。区画GK3aが面する道路は道路R1、R2、R3、R5であり、区画GK3bが面する道路は道路R3、R2、R4、R5である。道路R1、R2、R3、R4、R5はノードN1、N2、N3、N4、N5、N6とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7で表現してもよい。
区画GK3aは当該区画に属する建物A、B、C、Dの住居番号(「2」「5」「9」「13」)とその建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TDの位置とに基づき、区画GK3aはノードN1を始点に、ノードN1−N2−N3−N6−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。
【0042】
また、区画GK3bは当該区画に属する建物E、F、Gの住居番号(「20」「23」「30」)とその建物それぞれの建物出入口地点TE、TF、TGとに基づき、ノードN6を始点に、ノードN6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。
区画GK3aと区画GK3bとの住居番号の付与規則に基づき、街区G3はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N6−N1→N6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号の付与規則を持っている。街区G3におけるノードの接続順序は区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所で不連続となっている。したがって、街区G3におけるノードの接続順序は、「ノードN1→N6」の箇所で不連続接続の関係であり、他の接続順序は連続接続関係となっている。
【0043】
タッチパネル30は、例えばディスプレイ10の表面上に重ねて設置されている。タッチパネル30を用いて、ディスプレイ10に表示された住所入力画面上の住所候補などを指やタッチペン等によってタッチすることで目的地となる住所を指定する。また、住所はキーボードやマイクなどから入力するようにしてもよい。
【0044】
GPS受信機40は、緯度及び経路情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるもので、複数のGPS衛星からの測位用のデータを含む下り回線データを搬送する信号を受信する機能を有する。GPS受信機40が受信した信号は現在位置検出部51へ送信される。
【0045】
CPU50はナビゲーション装置全体を制御すると共に、ユーザに提示する情報を、入力される各種データに基づいて判断し、作成し、提示する。CPU50は現在位置検出部51と、街区地域判定部52と、位置特定部53と、付与規則データ抽出部54と、位置推定部55と、経路探索部56と、経路案内部57と、表示制御部58とを備える。
【0046】
現在位置検出部51は、GPS受信機40により入力されたGPS信号と、周知の方位センサ(図示せず)やジャイロ(図示せず)などの各種センサとに基づき、ナビゲーション装置を搭載した移動体の現在位置や移動体の方向などを検出する。現在位置検出部51により検出された現在位置情報は経路探索部56へ送信される。
【0047】
街区地域判定部52は、検索対象である入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域か否かを判定する。具体的には、住所データベース22内の住所データにおいて、町名データ、丁目データもしくは街区データに街区方式の住居表示制度が適用された区域である旨を示す識別情報等を予め付加させておくことにより、入力された住所に含まれる区画名称が、住居表示制度実施区域に該当するか否かを判定する。
【0048】
位置特定部53は、街区地域判定部52により、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定された場合、入力された住所に対応する建物出入口地点を住所データベース22から抽出し、目的地となる位置を特定する。街区方式の住居表示制度の適用されていない区域とは、具体的には大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応する区域である。
【0049】
付与規則データ抽出部54は、タッチパネル30を介して入力された住所に含まれる街区に対応する住居番号の付与規則を付与規則データベース24から抽出する。また、付与規則データ抽出部54は、抽出した付与規則情報に関連付いているネットワークデータをネットワークデータベース23から併せて抽出する。
【0050】
位置推定部55は、付与規則データ抽出部54により抽出された付与規則情報およびこの付与規則情報に関連付いたネットワークデータと、タッチパネル30を介して入力された住所に含まれる住居番号とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する。なお、位置推定部55は、区画が面する道路に沿って屈曲点を結ぶことで当該道路を直線近似で表し、直線近似されたノード間のリンク上の距離に基づき位置する範囲を推定する。位置推定部55は入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離を算出する距離算出機能61と、距離算出機能61により算出された距離と入力された住所に含まれる街区に対応する付与規則情報とに基づき当該住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定する位置範囲推定機能62と、を備える。
【0051】
位置範囲推定機能62は、付与規則情報に対応するノードの接続順序に距離算出機能61により算出された距離を適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上における、入力された住所に対応する建物で入口地点が位置する範囲を推定する。位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードが含まれる場合、当該ノードを含む範囲を目的地として推定する。また、位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードが含まれる場合であって、当該ノードが不連続接続関係にあるノードである場合、不連続となる複数のノードを含む範囲を目的地として推定する。
【0052】
経路探索部56は、現在位置検部51が検出した現在位置情報を出発地と決定するとともに、位置特定部53が特定した位置情報もしくは位置推定部55が推定した位置情報を目的地と決定して、経路探索を行う。この出発地から目的地までの最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。出発地の設定はタッチパネルから出発地とする住所や座標を入力する方法や、地図表示画面上の地点を指定する方法などがある。
【0053】
経路案内部57は、経路探索部56により探索された経路に沿ってユーザを案内するための諸々の案内情報を作成する。経路案内部57は付与規則データベース24から抽出した付与規則情報に基づき、経路の終着地点から入力された住所の建物の出入口が存在する方向を判定する出入口方向判定機能63を備える。具体的には、出入口方向判定機能63は、付与規則情報の接続順序が時計回りである場合は当該接続順序の方向に対して右側に出入口が位置すると判定する。また、付与規則情報の接続順序が反時計回りである場合は当該接続順序の方向に対して左側に出入口が位置すると判定する。この判定に基づき、経路探索部56は移動体の進行方向の左側に入力された住所に対応する建物の出入口が位置する経路を探索してもよい。これにより、移動体は入力された住所に対応する建物へ進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を探索することができる。
【0054】
また、経路案内部57は、位置推定部55により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲に、屈曲点となるノードが含まれるか否かによって異なる案内を行なう。具体的には、位置推定部55により推定された建物出入口地点の位置範囲にノードが含まれる場合はノードを表す地点を含むリンクの範囲を案内する。
またさらに、経路案内部57は、当該ノードの接続順序が不連続接続関係にあるか否かで異なる案内を行なう。具体的には、位置推定部55により推定された建物出入口地点の位置範囲に不連続接続関係となるノードが含まれる場合は不連続となるノードを含むリンクの範囲を案内する。この場合、不連続となるノードを表す地点は2点以上の複数の場所となるので、当該複数の場所を案内する。
【0055】
表示制御部58は、経路案内部57が所定の処理により作成した案内経路情報や地図データなど、ユーザに提供する諸々の情報をディスプレイに表示する。
【0056】
以上、ナビゲーション装置の概略構成について説明した。
以下、図6のフローチャートを用いて、本発明のナビゲーション装置における住所の入力から経路を案内するまでの全体処理について説明する。
【0057】
まず、現在位置検出部51は、GPS受信機40により入力されたGPS信号と、周知の方位センサなどの各種センサとに基づき、ナビゲーション装置を搭載した移動体の現在位置や移動体の方向などを検出する処理を実施する(ステップS71)。現在位置検出部51により検出された現在位置情報は出発地情報として経路探索部56へ送信される。
【0058】
次に、タッチパネル30からユーザによって目的地としたい所望の住所が入力される。住所は、ユーザがタッチペン等を用いてタッチパネル30に文字を入力することによって入力される(ステップS72)。なお、住所を入力する方法としてはこのほかにもキーボードからの入力や音声による入力であってもよい。
【0059】
次に街区地域判定部52は、検索対象である入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域か否かを判定する処理を実施する(ステップS73)。この判定処理は、住所データベース22に記憶された町名データ、丁目データもしくは街区データに付与された、街区方式の住居表示制度の適用された区域である旨を示す識別情報等に基づいて行なわれる。街区地域判定部52は、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域であると判定した場合(ステップS73でYes)、付与規則データ抽出処理(ステップS75)へ進む。一方、街区地域判定部53は、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定した場合(ステップS73でNo)、位置特定処理(ステップS74)へ進む。
【0060】
次に位置特定部53は、街区地域判定部52により入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定された場合、当該住所に対応する建物出入口地点を住所データベース22から検索して目的地の位置を特定する処理を実施する(ステップS74)。街区方式の住居表示制度の適用されていない区域とは、具体的には大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応する区域である。住所データベース22には、大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応して建物出入口地点が記憶されている。位置特定部53は入力された住所を住所データベース22から検索した結果、当該住所に対応する建物出入口地点が特定できる場合は、この特定した建物出入口地点を目的地の位置として特定する。一方、位置特定部53は、入力された住所を住所データベース22から検索した結果、当該住所が住所データベースに登録されておらず建物出入口地点が特定できない場合は、特定できる階層の代表点を目的地の位置として特定してもよい。位置特定部53は特定した位置情報を経路探索処理(ステップS77)へ送信する。
【0061】
一方、街区地域判定部52により入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域であると判定された場合(ステップS73でYes)、付与規則データ抽出部54は入力された住所に含まれる街区に対応する付与規則情報を付与規則データベース24から抽出する処理を実施する(ステップS75)。また、付与規則データ抽出部54は、抽出した付与規則情報に関連付いているネットワークデータをネットワークデータベース23から併せて抽出する。
【0062】
次に、位置推定部55は、付与規則データ抽出部54により抽出された付与規則情報およびこの付与規則情報に関連付いたネットワークデータと、入力された住所に含まれる住居番号とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する処理を実施する(ステップS76)。位置推定処理(ステップS76)についての詳細な説明は後述する。
【0063】
次に、経路探索部56は、現在位置検部51が検出した現在位置情報を出発地と決定し、位置特定部53が特定した位置情報を目的地として決定するとともに、位置推定部55が推定した位置情報を目的地と決定して経路探索を行う処理を実施する(ステップS77)。この出発地から目的地までの最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。なお、出発地の設定はタッチパネルから出発地とする住所や座標を入力する方法や、地図表示画面上の地点を指定する方法などがある。
なお、位置推定部55により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲がノードを含む複数のリンクに位置する可能性がある場合は、当該複数のリンクに対応する場所を目的地として探索する。
【0064】
次に、経路案内部57は、経路探索部56により探索された経路に沿ってユーザを案内するための諸々の案内情報を作成する処理を実施する(ステップS78)。経路案内処理についての詳細な説明は後述する。
【0065】
次に、表示制御部58は、経路案内部57が所定の処理により作成した案内経路情報や地図データなど、ユーザに提供する諸々の情報をディスプレイに表示する処理を実施する(ステップS79)。
【0066】
以上、本発明のナビゲーション装置における経路案内の全体処理について説明した。
以下、図7のフローチャートを用いて、位置推定部55による位置推定処理(ステップS76)について詳細に説明する。
【0067】
まず、位置推定部55の距離算出機能61は、入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離(D)を算出する処理を実施する(ステップS81)。ここで、所定値とは、入力された住所の街区における付与規則情報に基づく、住居番号1単位当たりの距離の値(dx)である。例えば、図3において、距離算出機能61は、入力された住所の街区が街区G1、当該街区の付与規則情報の所定値(d1)が「10m」、入力された住所の住居番号が「7」である場合、距離(D1)「70m」を算出する。
【0068】
次に、位置推定部55の位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する処理を実施する(ステップS82)。位置範囲推定機能62は、入力された住所に含まれる街区の付与規則情報に対応するノードの接続順序に、距離算出機能61により算出された距離(D)を適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上の位置する範囲を推定する。位置する範囲とは、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲であり、住居番号1単位あたりの距離(dx)に想到するリンク上の範囲である。
具体的には、位置範囲推定機能62は、入力された住所の街区に対応する始点となるノードから当該街区に対応する付与規則情報のノードの接続順序に沿った仮想線(リンク)上の距離が、距離算出機能61により算出された距離(D)となる地点までの距離(dx)に想到する範囲を求める。
【0069】
次に、位置推定部55は、位置範囲推定機能62により推定された範囲に、ノードを含むか否かの判定を行う処理を実施する(ステップS83)。具体的には、位置推定部55は、位置範囲推定機能62にて推定された住居番号1単位あたりの距離(dx)に想到するリンク上の範囲に、ノードの位置座標が含まれるか否かの判定を行う。
【0070】
例えば、入力された住所に含まれる街区が街区G1であり、所定値(dx1)が「10m」、当該住所の住居番号が「7」である場合について図8を用いて説明する。
上述のとおり、付与規則データベース24には、街区G1がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「7」に対応する距離(D1)は「70m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3−L4に沿って「70m」の地点(範囲終点Tl1)までの所定値(dx1)「10m」の範囲(範囲始点Ts1から範囲終点Tl1までの範囲)にノードが含まれない。したがって、位置推定部55は、当該範囲にノードが含まれないと判定し(ステップS83でNo)、当該範囲を入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を目的地の範囲として決定し処理を終了する。
【0071】
一方、例えば、入力された住所に含まれる街区が街区G1であり、所定値(dx1´)が「11m」、当該住所の住居番号が「7」である場合について図9を用いて説明する。
上述のとおり、付与規則データベース24には、街区G1がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「7」に対応する距離(D1´)は「77m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3―L4に沿って「77m」の地点(範囲終点Tl1´)までの所定値(dx1´)「11m」の範囲(範囲始点Ts1´から範囲終点Tl1´までの範囲)にはノードN3(x3、y3)が含まれる。したがって、位置推定部55は当該範囲にノードが含まれると判定し(ステップS83でYes)、当該ノードの接続関係は不連続となっているか否かの判定(ステップS84)へ進む。
【0072】
位置範囲推定機能62により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードを含むと判定された場合(ステップS83でYes)、位置推定部55は当該ノードが付与規則情報に基づき不連続の接続関係になっているか否かの判定を行う(ステップS84)。
不連続の接続関係になっているノードとは、1つの街区を構成する複数の区画に対応する付与規則情報を接続するノードのことをいう。例えば図5において、街区G3におけるノードの接続順序が区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所を不連続の接続関係になっていると規定する。
【0073】
例えば、入力された住所に含まれる街区が図5における街区G3であり、所定値(dx3)が「10m」、当該住所の住居番号が「19」である場合について図10を用いて説明する。
上述のとおり、街区G3は区画GK3aと区画GK3bで構成されている。区画GK3aと区画GK3bとの住居番号の付与規則情報に基づき、付与規則データベース24には、街区G3がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N6−N1→N6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。
【0074】
街区G3におけるノードの接続順序は区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所で不連続となっている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「19」に対応する距離(D3)は「190m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3−L7−L3に沿って「190m」の地点(範囲終点Tl3)までの所定値(dx3)「10m」の範囲(範囲始点Ts3−範囲終点Tl3までの範囲)にはノードN1とノードN1に不連続な接続関係であるノードN6とが含まれている。したがって、この場合、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続の接続関係となるノードが含まれると判定し(ステップS84でYes)、不連続となる屈曲点を含む範囲を抽出する処理(ステップS86)へ進む。
【0075】
一方、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲が不連続な接続関係となるノードを含まないと判定(ステップS84でNo)した場合、当該屈曲点を含む範囲を抽出する処理を実施する(ステップS85)。例えば、図9の場合、位置推定部55は入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲始点Ts1´からノードN3を含む範囲終点Tl1´までの範囲を抽出し、当該範囲を目的地が位置する範囲として決定する。
【0076】
また、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続の接続関係となるノードが含まれると判定した場合(ステップS84でYes)、当該不連続な接続関係となる複数のノードを含む所定範囲を抽出する処理を実施する(ステップS86)。
例えば、位置推定部55は、入力された住所に含まれる街区が街区G3であり、所定値(d3)が「10m」、当該住所の住居番号が「19」である場合、範囲始点Ts3からノードN1までの範囲とノードN6から範囲終点Tl3までの範囲とを抽出する。図5のように、街区G3において、ノードN1とN6とは互いに離れた場所に位置しているので、当該2点を含む範囲を、目的地が位置する範囲の候補として決定する。
【0077】
以上、位置推定部55における位置推定処理(ステップS76)について説明した。
以下、図11のフローチャートを用いて、経路案内部57による経路案内処理(ステップS78)について詳細に説明する。
【0078】
まず、経路案内部57の出入口方向判定機能63は、付与規則データベース24から抽出した付与規則情報に基づき、目的地点から入力された住所の建物の出入口が存在する方向を判定する処理を実施する(ステップS91)。出入口方向判定機能63は、位置推定部55が推定した建物出入口地点の位置する範囲に対する、当該建物出入口地点の出入口が位置する方向を判定する。具体的には、出入口方向判定機能63は、当該出入口方向が経路探索部56により探索された経路方向の右側に位置するか左側に位置するかを判定する。
【0079】
出入口方向判定機能63は、入力された住所の街区に対応する付与規則情報のネットワークデータの接続順序が時計回りである場合、当該住所に対応する出入口方向は接続順序に対して右側であると判定する一方、反時計回りである場合は左側であると判定する。この判定に基づき、たとえば経路探索部56は移動体の進行方向の左側に入力された住所に対応する建物の出入口が位置する経路を探索してすることができる。これにより、経路案内部57は入力された住所に対応する建物へユーザが進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を案内することができる。
【0080】
次に、経路案内部57は、位置推定部55により推定された目的地がノードを含むか否かによって異なる処理を行う。すなわち、位置推定部55により推定された目的地の範囲にノードが含まれない場合(ステップS92でNo)、経路案内部57は目的地の範囲の代表地点までの経路案内を行う(ステップS93)。代表地点は当該範囲の中心となる地点であってもよいし、当該範囲のうち最短経路となる地点を代表点としてもよい。
【0081】
一方、経路案内部57は、ステップS92により目的地の範囲にノードが含まれる場合(ステップS92でYes)、当該ノードは不連続の接続関係であるか否かの判定を行う(ステップS94)。位置推定部55により抽出された目的地の範囲に含まれるノードが不連続な接続関係でない場合、経路案内部57は目的地の範囲を案内する処理を実施する(ステップS95)。
【0082】
目的地範囲案内処理(ステップS95)で案内する目的地の範囲は、具体的にはノードとなる交差点や見通しの悪い地点を含む範囲である。したがって、経路案内部57はユーザに対して目的地の範囲に関する注意喚起を行う。例えば、目的地の範囲に含まれるノードが交差点である場合、経路案内部57はユーザに対して「目的地の出入口が面する地点は交差点周辺です。走行には十分に注意してください」といった注意喚起を音声などによって行う。また、目的地の範囲に道路がカーブするノードが含まれる場合、経路案内部57はユーザに対して「目的地の出入口が面する地点は見通しの悪い地点周辺です。前後の車両に注意してください」といった注意喚起を音声などによって行う。
また、ノードとなる交差点や見通しの悪い地点を含む範囲は車を駐停車する場所に適さない。したがって経路案内部57は目的地範囲案内処理においてユーザに駐停車を禁止させる案内情報を提供してもよい。
【0083】
また、経路案内部57は、目的地の範囲に含まれるノードが不連続の接続関係である場合(ステップS94でYes)、不連続となるノードを含む複数の目的地の範囲を案内する処理を実施する(ステップS96)。
複数目的地案内処理(ステップS96)で案内する目的地の範囲は、具体的には異なる複数の区画に対応する付与規則情報に基づくノードを含んでいる。したがってこの場合、目的地の範囲は複数の区画に離れて位置する可能性があるため、経路案内部57はこれらの目的地の範囲を例えば出発地から近い順に案内する。また例えば、経路案内部57は出発地から近い目的地の範囲を第1の目的地候補、その次に近い目的地の範囲を第2の目的地候補としてユーザへ案内してもよい。
また経路案内部57は複数目的地案内処理において目的地範囲案内処理と同様にユーザに駐停車を禁止させる案内情報を提供してもよい。
【0084】
以上のように、本実施例によれば、入力手段によって入力された住所の街区に対応する住居番号の付与規則から入力された住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定するので、地図データベースには建物毎の住所データおよび座標データが必要ない。そのため、地図データベースに登録されるか否かにかかわらず、入力した住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定できる。また、街区方式の住居表示制度が適用された地域においては、建物ごとの住所データと座標データを住所データベースに記憶する必要がないので、ハードディスク等の記憶媒体の容量を削減することができる。
【0085】
また、このように構成された建物出入口地点推定装置における地図データベースの更新作業は、建物毎に対応する住所データや座標データの変化に対して行なう必要がなく、道路形状と住居番号の付与規則との変化に対して行えばよい。したがって地図データベースの更新箇所が減少するので、地図データを更新する負担が軽減さきる。例えば、ユーザは地図データベースの更新を通信により行なう場合、少ない通信料金で更新作業を行うことができる。また、地図データベースを製作する地図製作会社は地図データのメンテナンス作業を軽減できる。
【0086】
変形例1:
上述の説明では、位置推定部55は、入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離(d)を、入力された住所に含まれる街区の付与規則情報に対応するノードの接続順序に適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上の位置する範囲を推定したが、これに限るものではない。
位置推定部55は、入力された住所の住居番号の数値の、当該住所の街区に対応する住居番号の最終値に対する比率と、当該住所の街区の付与規則情報とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定してもよい。具体的には、位置推定部55は入力された住所の住居番号の数値を、当該入力された住所の街区に対応する住居番号の最終値で除することで配分値を算出する。位置推定部55は当該配分値を当該街区の付与規則情報に適用することで、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定するのである。
【0087】
例えば、図3において、街区G1の付与規則情報に対応する住居番号の最終値が「14」であったとする。入力された住所の住居番号が「7」である場合、位置推定部55は、入力された住所の住居番号「7」を最終値「14」で除した値である配分値「1/2」を算出する。街区G1はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されている付与規則情報を持っており、位置推定部55はこの付与規則情報に配分値「1/2」を適用することで、入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲が、ノードN1−N2−N3−N4−N1を結んだリンクを14分割した7分割目であると推定できる。
【符号の説明】
【0088】
10・・・ディスプレイ
20・・・地図データベース
21・・・地物データベース
22・・・住所データベース
23・・・ネットワークデータベース
24・・・付与規則データベース
30・・・タッチパネル
40・・・GPS受信機
50・・・CPU
51・・・現在位置検出部
52・・・街区地域判定部
53・・・位置特定部
54・・・付与規則データ抽出部
55・・・位置推定部
56・・・経路探索部
57・・・経路案内部
58・・・表示制御部
61・・・距離算出機能
62・・・位置範囲推定機能
63・・・出入口方向判定機能
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、少ない容量の住所データベースを用いて検索対象の住所の建物に対応する建物の出入口地点を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置等は、例えば経路探索を行う際、住所に登録されている各建物の属性情報に基づき目的地を決定する。住所データベースには各建物に対応する住所データや位置座標データが整備されており、ユーザは目的地の住所を入力したり、表示画面から対象の建物を地図上で選択したりすることで、目的地を設定する。ナビゲーション装置はユーザが入力した目的地の住所を住所データベースから検索し、その住所に対応する建物の位置座標や、選択された地図上の位置座標を目的地として特定する。ナビゲーション装置は特定された位置座標から近傍の道路ネットワーク上の位置を移動装置の到着地点として、経路探索を行う。
【0003】
住所データベースに記憶される住所データは通常、都道府県、市区町村郡、大字・町名、小字/町丁目、地番/街区、枝番/住居番号といった住所のデータの組合せで構成されている。そして、これらの住所データの組合せで構成される住所によって示される地点の座標を示す座標データが、各住所データに関連付けて格納されている。座標データは地図上における位置を示すデータであり、緯度・経度等のデータが含まれる。さらに、住所データベースには、上記の各区画名称に割り当てられた代表地点の座標を示す座標データが、各区画データに関連付けて格納されている。
従来の住所データベースに記憶される住所データおよび座標データのデータ数は「都道府県−市区町村郡」、「市区町村郡−大字・町名」、「大字・町名−小字/丁目」「小字/丁目−地番/街区」、「地番/街区−枝番/住居番号」の各階層間において、「1−N」(Nは2以上の自然数)の関係となっている。
【0004】
なお、住所データベースに記憶される各種記憶情報には、一般に、開店直後の小売店の情報や建設後間もない友人宅等の情報等、詳細地図事項に関する最新の情報が登録されていない。そのため、こうした住所データベースに登録されていない地点を目的地にする場合、ナビゲーション装置は、目的地近傍の住所、或いは目的地近傍にあって目印となる施設等(目的地付近)までの経路案内をする。
【0005】
このような検索対象の住所に対応する住所データが住所データベース内に存在しない場合において、検索対象の住所が示す地点の座標をより正確に特定するために、街区ポリゴンおよび建物ポリゴンに基づいて、検索対象の住所の座標を算出する技術が公開されている(例えば、特許文献1)。この技術は、住所データベースに検索対象の住所に対応する住所データが存在しない場合、街区ポリゴンの境界上に住居番号を対応付け、座標を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−51596公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、特定する座標は街区ポリゴンの境界線上に位置するため、検索対象の住所に対応する街区が1つの区画で構成されている場合でしか実施できない(例えば、図12)。しかしながら、実際の地域における街区の地形は様々であり、例えば街区が複数の区画で構成されている場合(例えば、図13)や、区画の中に道路が存在する場合などがある(例えば、図14)。このような地形においては、検索対象の住所に対応する座標は特定できなかった。
【0008】
なお、住所は、都道府県、市区町村郡、大字/町名、小字/丁目、地番/街区、枝番/住居番号といった階層で形成されている。住居表示制度が適用された地域は大字、小字、地番、枝番の替りに町名、丁目、街区、住居番号といった階層が用いられる。このような地域では例えば○○三丁目11番6号という住所のとき、「○○」は町名、「三丁目」は丁目、「11番」は街区、「6号」は住居番号である。
【0009】
住居表示制度による住居表示とは、住所を分かりやすくするために設けられた制度であり、原則として町名と丁目と街区及び住居番号の2つの番号とで住所を表す。街区は道路や河川等で区切られた区画である。街区符号は自治体で決めた基準となるものに一番近い街区から1、2、3・・・と順番に番号が振られる。
【0010】
住居番号の定め方については、各自治体における一定のルールに沿って番号が割り振られる。各自治体における一定のルールとは、例えば○○市役所の方角を基準に右回りに一定間隔に区切って番号を付け、建物の主な出入口が面している番号を住居番号としている。しかしながら、自治体における一定のルールはその自治体における一般的なルールであり、様々な形状を持つ街区へ個別に適用できるわけではない。
【0011】
またさらに、従来のナビゲーション装置の場合、ユーザによって入力された住所を検索する住所データベースは「地番/街区−枝番/住居番号」の関係が「1−N」の構造となっているので、建物の数に比例して住所データ、座標データが増加する。したがって特許文献1技術により目的地の設定制度を高めるためには、地図データベースの更新頻度を高くして案内地点を多数登録し続けたり、街区ポリゴンや建物ポリゴンを整備し続けたりなど、多大な整備負荷とそれを記憶する大容量の記憶領域を必要とする。このため、携帯型の情報提供装置に容易に適用することが出来ない。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされており、街区方式の住居表示制度が適用された地域において、開店直後の小売店や建設後間もない友人宅といった、通常地図データベースに登録されるまでに時間を要する住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定して、案内することを目的とする。また、本発明は住所データベースに建物の1軒1軒に対応する住所データや座標データを記憶する必要がない建物出入口地点推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る建物出入口地点推定装置は、街区に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、前記街区と対応付けて記憶する付与規則情報記憶手段と、検索対象の建物に対応する住所を入力する入力手段と、入力された住所に含まれる街区に対応する前記付与規則情報を前記付与規則情報記憶手段から抽出し、前記付与規則情報と前記入力された住所に含まれる住居番号とに基づいて前記入力された住所に対応する建物出入口地点を推定する位置推定手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、入力手段によって入力された住所の街区に対応する住居番号の付与規則から入力された住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定するので、地図データベースには建物毎の住所データおよび座標データが必要ない。そのため、地図データベースに登録されるか否かにかかわらず、入力した住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定できる。また、街区方式の住居表示制度が適用された地域においては、建物ごとの住所データと座標データを住所データベースに記憶しないので、少ない容量の地図データにより目的地となる建物の建物出入口地点まで案内できる。
【0015】
またさらに、このように構成された建物出入口地点推定装置における地図データベースの更新作業は、建物毎に対応する住所データや座標データの変化に対して行なう必要がなく、住居番号の付与規則との変化に対して行えばよい。したがって地図データベースの更新箇所が減少するので、地図データの整備負荷や記憶領域の増大を抑えることができる。例えば、ユーザは地図データベースの更新を通信により行なう場合、少ない通信料金で更新作業を行うことができる。また、地図データベースを製作する地図製作会社は地図データのメンテナンス作業を軽減できる。
【0016】
また、街区を構成する区画はさまざまな形状となっており、この形状に則して建物出入口地点の位置を推定する必要がある。街区を構成する区画の形状は当該街区の境界線に沿っているとは必ずしもいえず、このように街区の境界線にそって区画が形成されていない場合は、住所データベースに登録されていない住所に対応する目的地の特定ができなかった。
【0017】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置は、前記付与規則情報が、街区を区画する道路上の屈曲する点に位置する複数の屈曲点に関する情報と、該複数の屈曲点を接続する順序に関する情報とからなり、前記位置推定手段は前記住居番号が対応する、前記複数の屈曲点の接続順序により規定される仮想線上の位置を前記建物出入口地点として推定することを特徴としている。
【0018】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、街区を構成する区画を複数の屈曲点で表すとともに付与規則情報がその屈曲点の接続順序が含んでいるので、街区を構成する区画が当該街区の境界線に沿った形状でなくても、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を正確に推定することができる。
【0019】
また、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に屈曲点が含まれる場合がある。このような場合、ユーザが目的地として到着する地点は交差点もしくは道路が屈曲していて見通しの悪い地点であると考えられる。このような場所を案内する場合にはユーザに対して注意喚起を促すことが望ましい。
【0020】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段は前記入力された住所に対応する建物出入口地点として推定された位置から所定範囲内に前記屈曲点が存在する場合、前記所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とすることを特徴とする。
【0021】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段により入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に屈曲点が含まれるか否かを判定するとともに当該屈曲点を含む範囲をユーザに提供するため、ユーザに対して適切な注意喚起などを行うことができる。
【0022】
また、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に付与規則情報に基づく屈曲点の接続順序が不連続となっている場合がある。このような場合、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲が離れた場所となる可能性がある。したがって、このような場所を案内する場合はユーザに対して目的地となる場所を複数提示するとともに例えば出発地から近い順に当該場所を案内することが望ましい。
【0023】
そこで、本発明に係る建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段は、前記所定範囲内に接続順序が不連続となる複数の前記屈曲点が存在する場合、該複数の屈曲点をそれぞれ含む所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とすることを特徴とする。
【0024】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、位置推定手段により入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続な接続順序となる屈曲点が含まれるか否かを判定するとともに当該不連続な接続順序となる屈曲点を含む範囲をユーザに提供するため、ユーザは目的地となる地点の特定が容易となる。また、ユーザに対してこの複数の場所を効率的に案内することができる。
【0025】
また、本発明の建物出入口地点推定装置により推定される建物出入口地点は道路上の位置であるので、ユーザは目的とする建物の出入口が建物出入口地点推定装置によって推定された地点からどちらの方向に位置しているのかを判断できない。このような場合、ユーザは当該地点から対応する建物の出入口をあらためて探す必要があった。
【0026】
そこで、請求項5に記載の建物出入口地点推定装置は、位置推定手段によって推定された建物出入口地点から前記検索対象の建物の出入口方向を前記付与規則情報に基づき判定する出入口方向判定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0027】
このように構成された建物出入口地点推定装置によれば、入力された住所に対応する付与規則情報の屈曲点の接続順序に基づき、ユーザが到着した建物出入口地点に対して出入口方向がどちら側に位置するかを判定するので、ユーザは容易に所望の建物の出入口を特定できる。また、この判定に基づき出入口方向を進行方向左側に案内することができるので、ユーザが進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を探索することができる
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成図。
【図2】本発明の地図データベースの構成図
【図3】本発明の付与規則情報についての説明図(1)
【図4】本発明の付与規則情報についての説明図(2)
【図5】本発明の付与規則情報についての説明字(3)
【図6】本発明のナビゲーション装置の全体処理についてのフローチャート
【図7】本発明の位置推定処理についてのフローチャート
【図8】本発明の位置推定処理についての説明図(1)
【図9】本発明の位置推定処理についての説明図(2)
【図10】本発明の位置推定処理についての説明図(3)
【図11】本発明の経路案内処理についてのフローチャート
【図12】従来技術に関する説明図(1)
【図13】従来技術に関する説明図(2)
【図14】従来技術に関する説明図(3)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態をナビゲーション装置に具体化した態様について説明する。
図1に示すように、本実施例における建物出入口地点推定装置としてのナビゲーション装置は、ディスプレイ10と、地図データベース20と、入力手段としてのタッチパネル30と、GPS受信機40とCPU50とを備える。
【0030】
ディスプレイ10には、地図データや案内経路データ等が表示される。
地図データベース20は、例えばハードディスクや不揮発性のフラッシュ・メモリーなどで構成されている。
地図データベース20には地図として表示するための道路や建物などの地形や地物に関する情報が記憶されている地物データベース21と、住所に対応する住所データや前記住所が示す建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点とが関連付けられて記憶されている住所データベース22と、道路をリンクとノードとで表したネットワークデータに関する情報が記憶されているネットワークデータベース23と、住所に含まれる街区に対応する住居番号の付与規則に関する情報が記憶されている付与規則情報記憶手段としての付与規則データベース24と、が記憶されている。
【0031】
ここで、地図データベース20について図2を用いて詳細に説明を行う。
地物データベース21には、道路や建物などの地物の形状を表す地物データが記憶されている。
住所データベース22には、都道府県データ、市区町村郡データ、町名データ、丁目データ、街区データ、大字データ、小字データ、地番データ、枝番データおよび建物出入口地点データが記憶されている。都道府県データ、市区町村郡データ、町名データ、丁目データ、街区データ、大字データ、小字データ、地番データ、枝番データは階層構造となっており、その代表点となる座標データが関連付いている。枝番データには、当該枝番に対応する建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点データがその座標とともに紐づいている。ここで、都道府県データと市区町村郡データとのデータ数についての対応関係は「1対N」となっている。同様に各データ数についての対応関係は市区町村郡データと大字データ/町名データとが「1対N」、町名データと丁目データとが「1対N」、丁目データと街区データとが「1対N」、大字データと小字データとが「1対N」、小字データと地番データとが「1対N」、地番データと枝番データとが「1対N」、枝番データと建物出入口地点データとは「1対1」となっている。各座標データの数についての対応関係も上記と同様である。
【0032】
なお、従来の住所データベースは街区データの下階層に住居番号データがある。街区データと住居番号データとのデータ数についての対応関係は「1対N」となる。また、住居番号データと住居番号データに対応する座標データとのデータ数についての対応関係は「1対1」となる。
建物出入口地点とは、建物の玄関などの主要な出入口が面する道路上の地点である。具体的には、建物の境界を示す線分上の建物の出入口となる地点から、その地点が面する道路へ出入口線を引き、道路上で交わる地点をいう。建物出入口地点は、出入口線が交わる道路に対応するリンクに紐付ける構成としてもよい。
【0033】
ネットワークデータベース23には、道路を表すリンクデータと道路の接続点や行止り点や曲がっている点などの屈曲点を表すノードデータとが記憶されている。
リンクデータおよびノードデータには、当該リンクおよびノードが対応する街区データが関連付いている。街区データに対応するリンクおよびノードとは、当該街区を構成する区画が面する道路形状に対応するリンクおよびノードのことをいう。
【0034】
付与規則データベース24には、住所に含まれる街区の区画に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、住所データベース22に記憶される当該街区に対応する街区データに関連付けて記憶されている。
街区の区画に存在する建物の住居番号の付与規則とは、当該街区の区画が面する道路上に住居番号の付与規則を定めたものであり、地図製作会社などにより街区を区画する道路上の建物出入口地点とその建物出入口地点に対応する住居番号との関連から推定して、予め規定されている。
【0035】
具体的には、付与規則情報は街区を区画する道路が屈曲する点に複数の屈曲点を設定し、当該屈曲点の接続順序を当該街区に含まれる住居番号の付与規則に基づき規定されている。道路が屈曲する点とは、街区に対応する道路上の屈曲点を結んだ仮想線が当該街区に対応する道路に直線近似できる地点のことをいう。典型的には、街区に対応する道路における、交差点や行止りとなる点や所定値以上の曲率となる地点である。
また、付与規則情報と街区データとは「1対1」で対応する関係となっている。
【0036】
街区に対応する屈曲点の接続順序には、住居番号の付与規則に基づき当該屈曲点の始点となる屈曲点の情報が含まれる。また、屈曲点の接続順序は街区を区画する道路に沿って連続して接続する連続接続関係と、連続して接続しない不連続接続関係となる場合がある。
また、付与規則情報には、対応する街区に存在可能な住居番号の最終値をさらに含んでいてもよい。住居番号の最終値とは、付与規則情報における始点ノードとノードの接続順序とに基づき、当該ノードが終着する地点に対応する住居番号の数値をあらわす。
【0037】
また、付与規則情報には、対応する街区における住居番号1単位当たりの距離の値(dx)が所定値として含まれている。距離の値(dx)は、例えば図3において、建物出入口地点TAの位置座標(xA、yA)と建物出入口地点TBの位置座標(xB、yB)とのリンクL上の距離(dAB)を、建物出入口地点TAの住居番号の値と建物出入口地点TBの住居番号の値との差の値(nAB)で除した値である。例えば、距離(dAB)が20mであった場合、当該街区における住居番号1単位あたりの距離(d1)は距離(dAB)「20m」を住居番号の差の値「2」で除した値である「10m」が、所定値(dx1)として街区G1の付与規則情報に含まれている。
【0038】
なお、屈曲点はネットワークデータベース23におけるノードで表してもよい。また、屈曲点を結んだ仮想線はリンクで表してもよい。以下の実施例では、屈曲点はノード、仮想線はリンクにより実施する例を記載する。
【0039】
次に、付与規則情報と接続関係について、図3〜図5を用いて説明する。
なお、図3〜図5の説明で用いられる建物データ、住居番号データ、建物出入口地点データは付与規則情報と接続関係を説明するために用いるデータであり、本発明を実施する過程においては必要としないデータである。
例えば、図3の街区G1は、区画GK1により構成されている。区画GK1が面する道路は道路R1、R2、R3、R4である。道路R1、R2、R3、R4はノードN1、N2、N3、N4とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4で表現してもよい。
街区G1(区画GK1)は、当該区画に属する建物A、B、C、D、Eの住居番号(「1」「3」「5」「10」「12」)と、その建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TD、TEの位置とに基づき、街区G1(区画GK1)はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。また、街区G1におけるノードの接続順序は街区を区画する道路に対応するリンクに沿って連続して接続しているので、全て連続接続関係となっている。
【0040】
また、図4の街区G2は、区画GK2により構成されており、区画GK2が面する道路は道路R1、R2、R3、R4、R5である。道路R1、R2、R3、R4、R5はノードN1、N2、N3、N4、N5、N6とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4、L5、L6で表現してもよい。
区画GK2は、当該区画に属する建物A、B、C、D、E、Fの住居番号(「2」「5」「8」「12」「17」「20」)とその建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TD、TE、TFの位置とに基づき、街区G2はノードN1を始点に、ノードN1−N2−N3−N4−N3−N5−N6−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。また、街区G2におけるノードの接続順序は街区を区画する道路に対応するリンクに沿って連続して接続しているので、全て連続接続関係となっている。
【0041】
また、図5の街区G3は、区画GK3aと区画GK3bとで構成されている。区画GK3aが面する道路は道路R1、R2、R3、R5であり、区画GK3bが面する道路は道路R3、R2、R4、R5である。道路R1、R2、R3、R4、R5はノードN1、N2、N3、N4、N5、N6とこれらのノードにより接続されたリンクL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7で表現してもよい。
区画GK3aは当該区画に属する建物A、B、C、Dの住居番号(「2」「5」「9」「13」)とその建物それぞれの建物出入口地点TA、TB、TC、TDの位置とに基づき、区画GK3aはノードN1を始点に、ノードN1−N2−N3−N6−N1の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。
【0042】
また、区画GK3bは当該区画に属する建物E、F、Gの住居番号(「20」「23」「30」)とその建物それぞれの建物出入口地点TE、TF、TGとに基づき、ノードN6を始点に、ノードN6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号が付与されているという住居番号の付与規則を持っている。
区画GK3aと区画GK3bとの住居番号の付与規則に基づき、街区G3はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N6−N1→N6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号の付与規則を持っている。街区G3におけるノードの接続順序は区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所で不連続となっている。したがって、街区G3におけるノードの接続順序は、「ノードN1→N6」の箇所で不連続接続の関係であり、他の接続順序は連続接続関係となっている。
【0043】
タッチパネル30は、例えばディスプレイ10の表面上に重ねて設置されている。タッチパネル30を用いて、ディスプレイ10に表示された住所入力画面上の住所候補などを指やタッチペン等によってタッチすることで目的地となる住所を指定する。また、住所はキーボードやマイクなどから入力するようにしてもよい。
【0044】
GPS受信機40は、緯度及び経路情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるもので、複数のGPS衛星からの測位用のデータを含む下り回線データを搬送する信号を受信する機能を有する。GPS受信機40が受信した信号は現在位置検出部51へ送信される。
【0045】
CPU50はナビゲーション装置全体を制御すると共に、ユーザに提示する情報を、入力される各種データに基づいて判断し、作成し、提示する。CPU50は現在位置検出部51と、街区地域判定部52と、位置特定部53と、付与規則データ抽出部54と、位置推定部55と、経路探索部56と、経路案内部57と、表示制御部58とを備える。
【0046】
現在位置検出部51は、GPS受信機40により入力されたGPS信号と、周知の方位センサ(図示せず)やジャイロ(図示せず)などの各種センサとに基づき、ナビゲーション装置を搭載した移動体の現在位置や移動体の方向などを検出する。現在位置検出部51により検出された現在位置情報は経路探索部56へ送信される。
【0047】
街区地域判定部52は、検索対象である入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域か否かを判定する。具体的には、住所データベース22内の住所データにおいて、町名データ、丁目データもしくは街区データに街区方式の住居表示制度が適用された区域である旨を示す識別情報等を予め付加させておくことにより、入力された住所に含まれる区画名称が、住居表示制度実施区域に該当するか否かを判定する。
【0048】
位置特定部53は、街区地域判定部52により、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定された場合、入力された住所に対応する建物出入口地点を住所データベース22から抽出し、目的地となる位置を特定する。街区方式の住居表示制度の適用されていない区域とは、具体的には大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応する区域である。
【0049】
付与規則データ抽出部54は、タッチパネル30を介して入力された住所に含まれる街区に対応する住居番号の付与規則を付与規則データベース24から抽出する。また、付与規則データ抽出部54は、抽出した付与規則情報に関連付いているネットワークデータをネットワークデータベース23から併せて抽出する。
【0050】
位置推定部55は、付与規則データ抽出部54により抽出された付与規則情報およびこの付与規則情報に関連付いたネットワークデータと、タッチパネル30を介して入力された住所に含まれる住居番号とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する。なお、位置推定部55は、区画が面する道路に沿って屈曲点を結ぶことで当該道路を直線近似で表し、直線近似されたノード間のリンク上の距離に基づき位置する範囲を推定する。位置推定部55は入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離を算出する距離算出機能61と、距離算出機能61により算出された距離と入力された住所に含まれる街区に対応する付与規則情報とに基づき当該住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定する位置範囲推定機能62と、を備える。
【0051】
位置範囲推定機能62は、付与規則情報に対応するノードの接続順序に距離算出機能61により算出された距離を適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上における、入力された住所に対応する建物で入口地点が位置する範囲を推定する。位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードが含まれる場合、当該ノードを含む範囲を目的地として推定する。また、位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードが含まれる場合であって、当該ノードが不連続接続関係にあるノードである場合、不連続となる複数のノードを含む範囲を目的地として推定する。
【0052】
経路探索部56は、現在位置検部51が検出した現在位置情報を出発地と決定するとともに、位置特定部53が特定した位置情報もしくは位置推定部55が推定した位置情報を目的地と決定して、経路探索を行う。この出発地から目的地までの最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。出発地の設定はタッチパネルから出発地とする住所や座標を入力する方法や、地図表示画面上の地点を指定する方法などがある。
【0053】
経路案内部57は、経路探索部56により探索された経路に沿ってユーザを案内するための諸々の案内情報を作成する。経路案内部57は付与規則データベース24から抽出した付与規則情報に基づき、経路の終着地点から入力された住所の建物の出入口が存在する方向を判定する出入口方向判定機能63を備える。具体的には、出入口方向判定機能63は、付与規則情報の接続順序が時計回りである場合は当該接続順序の方向に対して右側に出入口が位置すると判定する。また、付与規則情報の接続順序が反時計回りである場合は当該接続順序の方向に対して左側に出入口が位置すると判定する。この判定に基づき、経路探索部56は移動体の進行方向の左側に入力された住所に対応する建物の出入口が位置する経路を探索してもよい。これにより、移動体は入力された住所に対応する建物へ進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を探索することができる。
【0054】
また、経路案内部57は、位置推定部55により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲に、屈曲点となるノードが含まれるか否かによって異なる案内を行なう。具体的には、位置推定部55により推定された建物出入口地点の位置範囲にノードが含まれる場合はノードを表す地点を含むリンクの範囲を案内する。
またさらに、経路案内部57は、当該ノードの接続順序が不連続接続関係にあるか否かで異なる案内を行なう。具体的には、位置推定部55により推定された建物出入口地点の位置範囲に不連続接続関係となるノードが含まれる場合は不連続となるノードを含むリンクの範囲を案内する。この場合、不連続となるノードを表す地点は2点以上の複数の場所となるので、当該複数の場所を案内する。
【0055】
表示制御部58は、経路案内部57が所定の処理により作成した案内経路情報や地図データなど、ユーザに提供する諸々の情報をディスプレイに表示する。
【0056】
以上、ナビゲーション装置の概略構成について説明した。
以下、図6のフローチャートを用いて、本発明のナビゲーション装置における住所の入力から経路を案内するまでの全体処理について説明する。
【0057】
まず、現在位置検出部51は、GPS受信機40により入力されたGPS信号と、周知の方位センサなどの各種センサとに基づき、ナビゲーション装置を搭載した移動体の現在位置や移動体の方向などを検出する処理を実施する(ステップS71)。現在位置検出部51により検出された現在位置情報は出発地情報として経路探索部56へ送信される。
【0058】
次に、タッチパネル30からユーザによって目的地としたい所望の住所が入力される。住所は、ユーザがタッチペン等を用いてタッチパネル30に文字を入力することによって入力される(ステップS72)。なお、住所を入力する方法としてはこのほかにもキーボードからの入力や音声による入力であってもよい。
【0059】
次に街区地域判定部52は、検索対象である入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域か否かを判定する処理を実施する(ステップS73)。この判定処理は、住所データベース22に記憶された町名データ、丁目データもしくは街区データに付与された、街区方式の住居表示制度の適用された区域である旨を示す識別情報等に基づいて行なわれる。街区地域判定部52は、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域であると判定した場合(ステップS73でYes)、付与規則データ抽出処理(ステップS75)へ進む。一方、街区地域判定部53は、入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定した場合(ステップS73でNo)、位置特定処理(ステップS74)へ進む。
【0060】
次に位置特定部53は、街区地域判定部52により入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域でないと判定された場合、当該住所に対応する建物出入口地点を住所データベース22から検索して目的地の位置を特定する処理を実施する(ステップS74)。街区方式の住居表示制度の適用されていない区域とは、具体的には大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応する区域である。住所データベース22には、大字/小字/地番/枝番で表される住所に対応して建物出入口地点が記憶されている。位置特定部53は入力された住所を住所データベース22から検索した結果、当該住所に対応する建物出入口地点が特定できる場合は、この特定した建物出入口地点を目的地の位置として特定する。一方、位置特定部53は、入力された住所を住所データベース22から検索した結果、当該住所が住所データベースに登録されておらず建物出入口地点が特定できない場合は、特定できる階層の代表点を目的地の位置として特定してもよい。位置特定部53は特定した位置情報を経路探索処理(ステップS77)へ送信する。
【0061】
一方、街区地域判定部52により入力された住所が街区方式の住居表示制度の適用された区域であると判定された場合(ステップS73でYes)、付与規則データ抽出部54は入力された住所に含まれる街区に対応する付与規則情報を付与規則データベース24から抽出する処理を実施する(ステップS75)。また、付与規則データ抽出部54は、抽出した付与規則情報に関連付いているネットワークデータをネットワークデータベース23から併せて抽出する。
【0062】
次に、位置推定部55は、付与規則データ抽出部54により抽出された付与規則情報およびこの付与規則情報に関連付いたネットワークデータと、入力された住所に含まれる住居番号とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する処理を実施する(ステップS76)。位置推定処理(ステップS76)についての詳細な説明は後述する。
【0063】
次に、経路探索部56は、現在位置検部51が検出した現在位置情報を出発地と決定し、位置特定部53が特定した位置情報を目的地として決定するとともに、位置推定部55が推定した位置情報を目的地と決定して経路探索を行う処理を実施する(ステップS77)。この出発地から目的地までの最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。なお、出発地の設定はタッチパネルから出発地とする住所や座標を入力する方法や、地図表示画面上の地点を指定する方法などがある。
なお、位置推定部55により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲がノードを含む複数のリンクに位置する可能性がある場合は、当該複数のリンクに対応する場所を目的地として探索する。
【0064】
次に、経路案内部57は、経路探索部56により探索された経路に沿ってユーザを案内するための諸々の案内情報を作成する処理を実施する(ステップS78)。経路案内処理についての詳細な説明は後述する。
【0065】
次に、表示制御部58は、経路案内部57が所定の処理により作成した案内経路情報や地図データなど、ユーザに提供する諸々の情報をディスプレイに表示する処理を実施する(ステップS79)。
【0066】
以上、本発明のナビゲーション装置における経路案内の全体処理について説明した。
以下、図7のフローチャートを用いて、位置推定部55による位置推定処理(ステップS76)について詳細に説明する。
【0067】
まず、位置推定部55の距離算出機能61は、入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離(D)を算出する処理を実施する(ステップS81)。ここで、所定値とは、入力された住所の街区における付与規則情報に基づく、住居番号1単位当たりの距離の値(dx)である。例えば、図3において、距離算出機能61は、入力された住所の街区が街区G1、当該街区の付与規則情報の所定値(d1)が「10m」、入力された住所の住居番号が「7」である場合、距離(D1)「70m」を算出する。
【0068】
次に、位置推定部55の位置範囲推定機能62は、入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を推定する処理を実施する(ステップS82)。位置範囲推定機能62は、入力された住所に含まれる街区の付与規則情報に対応するノードの接続順序に、距離算出機能61により算出された距離(D)を適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上の位置する範囲を推定する。位置する範囲とは、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲であり、住居番号1単位あたりの距離(dx)に想到するリンク上の範囲である。
具体的には、位置範囲推定機能62は、入力された住所の街区に対応する始点となるノードから当該街区に対応する付与規則情報のノードの接続順序に沿った仮想線(リンク)上の距離が、距離算出機能61により算出された距離(D)となる地点までの距離(dx)に想到する範囲を求める。
【0069】
次に、位置推定部55は、位置範囲推定機能62により推定された範囲に、ノードを含むか否かの判定を行う処理を実施する(ステップS83)。具体的には、位置推定部55は、位置範囲推定機能62にて推定された住居番号1単位あたりの距離(dx)に想到するリンク上の範囲に、ノードの位置座標が含まれるか否かの判定を行う。
【0070】
例えば、入力された住所に含まれる街区が街区G1であり、所定値(dx1)が「10m」、当該住所の住居番号が「7」である場合について図8を用いて説明する。
上述のとおり、付与規則データベース24には、街区G1がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「7」に対応する距離(D1)は「70m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3−L4に沿って「70m」の地点(範囲終点Tl1)までの所定値(dx1)「10m」の範囲(範囲始点Ts1から範囲終点Tl1までの範囲)にノードが含まれない。したがって、位置推定部55は、当該範囲にノードが含まれないと判定し(ステップS83でNo)、当該範囲を入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲を目的地の範囲として決定し処理を終了する。
【0071】
一方、例えば、入力された住所に含まれる街区が街区G1であり、所定値(dx1´)が「11m」、当該住所の住居番号が「7」である場合について図9を用いて説明する。
上述のとおり、付与規則データベース24には、街区G1がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「7」に対応する距離(D1´)は「77m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3―L4に沿って「77m」の地点(範囲終点Tl1´)までの所定値(dx1´)「11m」の範囲(範囲始点Ts1´から範囲終点Tl1´までの範囲)にはノードN3(x3、y3)が含まれる。したがって、位置推定部55は当該範囲にノードが含まれると判定し(ステップS83でYes)、当該ノードの接続関係は不連続となっているか否かの判定(ステップS84)へ進む。
【0072】
位置範囲推定機能62により推定された入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲にノードを含むと判定された場合(ステップS83でYes)、位置推定部55は当該ノードが付与規則情報に基づき不連続の接続関係になっているか否かの判定を行う(ステップS84)。
不連続の接続関係になっているノードとは、1つの街区を構成する複数の区画に対応する付与規則情報を接続するノードのことをいう。例えば図5において、街区G3におけるノードの接続順序が区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所を不連続の接続関係になっていると規定する。
【0073】
例えば、入力された住所に含まれる街区が図5における街区G3であり、所定値(dx3)が「10m」、当該住所の住居番号が「19」である場合について図10を用いて説明する。
上述のとおり、街区G3は区画GK3aと区画GK3bで構成されている。区画GK3aと区画GK3bとの住居番号の付与規則情報に基づき、付与規則データベース24には、街区G3がノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N6−N1→N6−N3−N4−N5−N6の接続順序で住居番号が付与されているという付与規則情報が記憶されている。
【0074】
街区G3におけるノードの接続順序は区画GK3aと区画GK3bとを接続する「ノードN1→N6」の箇所で不連続となっている。また、距離算出機能61により算出される住居番号「19」に対応する距離(D3)は「190m」である。この場合、ノードN1からリンクL1−L2−L3−L7−L3に沿って「190m」の地点(範囲終点Tl3)までの所定値(dx3)「10m」の範囲(範囲始点Ts3−範囲終点Tl3までの範囲)にはノードN1とノードN1に不連続な接続関係であるノードN6とが含まれている。したがって、この場合、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続の接続関係となるノードが含まれると判定し(ステップS84でYes)、不連続となる屈曲点を含む範囲を抽出する処理(ステップS86)へ進む。
【0075】
一方、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲が不連続な接続関係となるノードを含まないと判定(ステップS84でNo)した場合、当該屈曲点を含む範囲を抽出する処理を実施する(ステップS85)。例えば、図9の場合、位置推定部55は入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲始点Ts1´からノードN3を含む範囲終点Tl1´までの範囲を抽出し、当該範囲を目的地が位置する範囲として決定する。
【0076】
また、位置推定部55は、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲に不連続の接続関係となるノードが含まれると判定した場合(ステップS84でYes)、当該不連続な接続関係となる複数のノードを含む所定範囲を抽出する処理を実施する(ステップS86)。
例えば、位置推定部55は、入力された住所に含まれる街区が街区G3であり、所定値(d3)が「10m」、当該住所の住居番号が「19」である場合、範囲始点Ts3からノードN1までの範囲とノードN6から範囲終点Tl3までの範囲とを抽出する。図5のように、街区G3において、ノードN1とN6とは互いに離れた場所に位置しているので、当該2点を含む範囲を、目的地が位置する範囲の候補として決定する。
【0077】
以上、位置推定部55における位置推定処理(ステップS76)について説明した。
以下、図11のフローチャートを用いて、経路案内部57による経路案内処理(ステップS78)について詳細に説明する。
【0078】
まず、経路案内部57の出入口方向判定機能63は、付与規則データベース24から抽出した付与規則情報に基づき、目的地点から入力された住所の建物の出入口が存在する方向を判定する処理を実施する(ステップS91)。出入口方向判定機能63は、位置推定部55が推定した建物出入口地点の位置する範囲に対する、当該建物出入口地点の出入口が位置する方向を判定する。具体的には、出入口方向判定機能63は、当該出入口方向が経路探索部56により探索された経路方向の右側に位置するか左側に位置するかを判定する。
【0079】
出入口方向判定機能63は、入力された住所の街区に対応する付与規則情報のネットワークデータの接続順序が時計回りである場合、当該住所に対応する出入口方向は接続順序に対して右側であると判定する一方、反時計回りである場合は左側であると判定する。この判定に基づき、たとえば経路探索部56は移動体の進行方向の左側に入力された住所に対応する建物の出入口が位置する経路を探索してすることができる。これにより、経路案内部57は入力された住所に対応する建物へユーザが進入もしくは横付けしやすい地点までの経路を案内することができる。
【0080】
次に、経路案内部57は、位置推定部55により推定された目的地がノードを含むか否かによって異なる処理を行う。すなわち、位置推定部55により推定された目的地の範囲にノードが含まれない場合(ステップS92でNo)、経路案内部57は目的地の範囲の代表地点までの経路案内を行う(ステップS93)。代表地点は当該範囲の中心となる地点であってもよいし、当該範囲のうち最短経路となる地点を代表点としてもよい。
【0081】
一方、経路案内部57は、ステップS92により目的地の範囲にノードが含まれる場合(ステップS92でYes)、当該ノードは不連続の接続関係であるか否かの判定を行う(ステップS94)。位置推定部55により抽出された目的地の範囲に含まれるノードが不連続な接続関係でない場合、経路案内部57は目的地の範囲を案内する処理を実施する(ステップS95)。
【0082】
目的地範囲案内処理(ステップS95)で案内する目的地の範囲は、具体的にはノードとなる交差点や見通しの悪い地点を含む範囲である。したがって、経路案内部57はユーザに対して目的地の範囲に関する注意喚起を行う。例えば、目的地の範囲に含まれるノードが交差点である場合、経路案内部57はユーザに対して「目的地の出入口が面する地点は交差点周辺です。走行には十分に注意してください」といった注意喚起を音声などによって行う。また、目的地の範囲に道路がカーブするノードが含まれる場合、経路案内部57はユーザに対して「目的地の出入口が面する地点は見通しの悪い地点周辺です。前後の車両に注意してください」といった注意喚起を音声などによって行う。
また、ノードとなる交差点や見通しの悪い地点を含む範囲は車を駐停車する場所に適さない。したがって経路案内部57は目的地範囲案内処理においてユーザに駐停車を禁止させる案内情報を提供してもよい。
【0083】
また、経路案内部57は、目的地の範囲に含まれるノードが不連続の接続関係である場合(ステップS94でYes)、不連続となるノードを含む複数の目的地の範囲を案内する処理を実施する(ステップS96)。
複数目的地案内処理(ステップS96)で案内する目的地の範囲は、具体的には異なる複数の区画に対応する付与規則情報に基づくノードを含んでいる。したがってこの場合、目的地の範囲は複数の区画に離れて位置する可能性があるため、経路案内部57はこれらの目的地の範囲を例えば出発地から近い順に案内する。また例えば、経路案内部57は出発地から近い目的地の範囲を第1の目的地候補、その次に近い目的地の範囲を第2の目的地候補としてユーザへ案内してもよい。
また経路案内部57は複数目的地案内処理において目的地範囲案内処理と同様にユーザに駐停車を禁止させる案内情報を提供してもよい。
【0084】
以上のように、本実施例によれば、入力手段によって入力された住所の街区に対応する住居番号の付与規則から入力された住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定するので、地図データベースには建物毎の住所データおよび座標データが必要ない。そのため、地図データベースに登録されるか否かにかかわらず、入力した住所に対応する建物の建物出入口地点の位置を推定できる。また、街区方式の住居表示制度が適用された地域においては、建物ごとの住所データと座標データを住所データベースに記憶する必要がないので、ハードディスク等の記憶媒体の容量を削減することができる。
【0085】
また、このように構成された建物出入口地点推定装置における地図データベースの更新作業は、建物毎に対応する住所データや座標データの変化に対して行なう必要がなく、道路形状と住居番号の付与規則との変化に対して行えばよい。したがって地図データベースの更新箇所が減少するので、地図データを更新する負担が軽減さきる。例えば、ユーザは地図データベースの更新を通信により行なう場合、少ない通信料金で更新作業を行うことができる。また、地図データベースを製作する地図製作会社は地図データのメンテナンス作業を軽減できる。
【0086】
変形例1:
上述の説明では、位置推定部55は、入力された住所の住居番号に所定値を乗じた距離(d)を、入力された住所に含まれる街区の付与規則情報に対応するノードの接続順序に適用し、始点となるノードの位置からノードを接続するリンク上の位置する範囲を推定したが、これに限るものではない。
位置推定部55は、入力された住所の住居番号の数値の、当該住所の街区に対応する住居番号の最終値に対する比率と、当該住所の街区の付与規則情報とに基づき、当該住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定してもよい。具体的には、位置推定部55は入力された住所の住居番号の数値を、当該入力された住所の街区に対応する住居番号の最終値で除することで配分値を算出する。位置推定部55は当該配分値を当該街区の付与規則情報に適用することで、入力された住所に対応する建物出入口地点が位置する範囲を推定するのである。
【0087】
例えば、図3において、街区G1の付与規則情報に対応する住居番号の最終値が「14」であったとする。入力された住所の住居番号が「7」である場合、位置推定部55は、入力された住所の住居番号「7」を最終値「14」で除した値である配分値「1/2」を算出する。街区G1はノードN1を始点にノードN1−N2−N3−N4−N1の接続順序で住居番号が付与されている付与規則情報を持っており、位置推定部55はこの付与規則情報に配分値「1/2」を適用することで、入力された住所に対応する建物出入口地点の位置する範囲が、ノードN1−N2−N3−N4−N1を結んだリンクを14分割した7分割目であると推定できる。
【符号の説明】
【0088】
10・・・ディスプレイ
20・・・地図データベース
21・・・地物データベース
22・・・住所データベース
23・・・ネットワークデータベース
24・・・付与規則データベース
30・・・タッチパネル
40・・・GPS受信機
50・・・CPU
51・・・現在位置検出部
52・・・街区地域判定部
53・・・位置特定部
54・・・付与規則データ抽出部
55・・・位置推定部
56・・・経路探索部
57・・・経路案内部
58・・・表示制御部
61・・・距離算出機能
62・・・位置範囲推定機能
63・・・出入口方向判定機能
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点を推定する建物出入口地点推定装置であって、
街区に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、前記街区と対応付けて記憶する付与規則情報記憶手段と、
検索対象の建物に対応する住所を入力する入力手段と、
入力された住所に含まれる街区に対応する前記付与規則情報を前記付与規則情報記憶手段から抽出し、前記付与規則情報と前記入力された住所に含まれる住居番号とに基づいて前記入力された住所に対応する建物出入口地点を推定する位置推定手段と
を備える建物出入口地点推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記付与規則情報は、街区を区画する道路上の屈曲する点に位置する複数の屈曲点に関する情報と、該複数の屈曲点を接続する順序に関する情報とからなり、
前記位置推定手段は前記住居番号が対応する、前記複数の屈曲点の接続順序により規定される仮想線上の位置を前記建物出入口地点として推定する建物出入口地点推定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段は前記入力された住所に対応する建物出入口地点として推定された位置から所定範囲内に前記屈曲点が存在する場合、前記所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とする建物出入口地点推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段は、前記所定範囲内に接続順序が不連続となる複数の前記屈曲点が存在する場合、該複数の屈曲点をそれぞれ含む所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とする建物出入口地点推定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段によって推定された建物出入口地点から前記検索対象の建物の出入口方向を前記付与規則情報に基づき判定する出入口方向判定手段をさらに備える建物出入口地点推定装置。
【請求項1】
建物の出入口が面する道路上の地点である建物出入口地点を推定する建物出入口地点推定装置であって、
街区に存在する建物の住居番号の付与規則に関する付与規則情報を、前記街区と対応付けて記憶する付与規則情報記憶手段と、
検索対象の建物に対応する住所を入力する入力手段と、
入力された住所に含まれる街区に対応する前記付与規則情報を前記付与規則情報記憶手段から抽出し、前記付与規則情報と前記入力された住所に含まれる住居番号とに基づいて前記入力された住所に対応する建物出入口地点を推定する位置推定手段と
を備える建物出入口地点推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記付与規則情報は、街区を区画する道路上の屈曲する点に位置する複数の屈曲点に関する情報と、該複数の屈曲点を接続する順序に関する情報とからなり、
前記位置推定手段は前記住居番号が対応する、前記複数の屈曲点の接続順序により規定される仮想線上の位置を前記建物出入口地点として推定する建物出入口地点推定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段は前記入力された住所に対応する建物出入口地点として推定された位置から所定範囲内に前記屈曲点が存在する場合、前記所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とする建物出入口地点推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段は、前記所定範囲内に接続順序が不連続となる複数の前記屈曲点が存在する場合、該複数の屈曲点をそれぞれ含む所定範囲を前記入力された住所に対応する建物出入口地点とする建物出入口地点推定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の建物出入口地点推定装置であって、
前記位置推定手段によって推定された建物出入口地点から前記検索対象の建物の出入口方向を前記付与規則情報に基づき判定する出入口方向判定手段をさらに備える建物出入口地点推定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−214888(P2011−214888A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81086(P2010−81086)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】
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