説明

建物設備制御システム

【課題】ユーザが建物から離れて移動している場合に、ユーザの移動状態に合わせて建物設備を動作させることができる建物設備制御システムを提供すること。
【解決手段】建物10には車庫11が付属車庫として一体的に設けられており、その車庫11は車両Cが駐車される駐車スペースを有している。車庫11には、車両Cの出入りが可能な車庫出入口12が形成されており、車両Cは車庫出入口12を介して駐車スペースと道路13との間を行き来する。建物10には、屋内空間の照明を行う照明器具31や、屋内空間の温度調整を行うエアコン32等の建物設備が設けられている。また、建物10にはホームサーバ20が設けられており、ホームサーバ20は、走行している車両Cと建物10との離間距離を算出し、その離間距離に基づいて建物設備を動作制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物設備を制御対象とする建物設備制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
制御対象を遠隔操作するシステムとして、携帯機を利用したシステムがある。例えば特許文献1では、携帯機が車両に接近するとその車両のドア錠が解錠される構成が開示されている。この構成では、携帯機を所持しているユーザが車両に接近するだけでドア錠が解錠されるため、ユーザは容易に乗車することができる。したがって、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【特許文献1】特開2004−122990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、携帯機が制御対象としての車両ドアに接近することでドア錠が解錠されるにすぎず、そのシステムの用途が限られると考えられる。例えば、前記システムが、制御対象を建物設備として建物に適用された場合には、建物設備の制御内容が制限されると考えられるため、改善の余地がある。
【0004】
そこで、本発明は、ユーザが建物から離れて移動している場合に、ユーザの移動状態に合わせて建物設備を動作させることができる建物設備制御システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0006】
第1の発明は、建物と移動中の移動体との離間距離を取得する距離取得手段と、前記距離取得手段により取得した前記建物と前記移動体との離間距離に基づいて、建物設備を制御対象として、前記離間距離に対応付けてあらかじめ設定されている規定処理を実行する制御手段とを備える建物設備制御システムである。
【0007】
第1の発明によれば、移動体がユーザと共に移動している場合に、ユーザが建物に対して近づく又は遠ざかることで、その都度の離間距離に応じて異なる内容の規定処理を段階的に行わせることが可能となる。この場合、ユーザの移動状況に合わせた建物設備の動作制御が適宜行われる。例えば、建物内の環境を整えるために運転される建物設備を制御対象として、環境の調整完了までに要する所要時間が異なる動作制御が複数行われる場合でも、建物設備における複数の動作がユーザの移動状態に合わせたタイミングで個別に開始される。以上の結果、ユーザが建物から離れて移動している場合に、ユーザの移動状態に合わせて建物設備を動作させることができる。
【0008】
第2の発明では、前記距離取得手段の取得結果に基づいて、前記移動体が前記建物を含む第1エリアを移動しているか否かを判定するとともに、前記移動体が前記第1エリアに隣接してその周囲に設けられる第2エリアを移動しているか否かを判定するエリア判定手段を備え、前記制御手段は、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第1エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として第1規定処理を実行し、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第2エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として前記第2規定処理を実行する。
【0009】
第2の発明によれば、移動体が第1エリアを移動している場合に第1規定処理が実行され、移動体が第2エリアを移動している場合に第2規定処理が実行される。ここで、第2エリアは第1エリアの周囲に設けられているため、移動体が建物と第2エリアとの間を移動するために要する移動時間は、建物と第1エリアとの間を移動するために要する移動時間より大きい。例えば、第1エリアが建物の至近距離に存在する地域であって、第2エリアが建物の近距離に存在する地域である場合、近距離の移動時間は至近距離の移動時間より大きい。その結果、第1規定処理及び第2規定処理に対して、それぞれの処理の実行に際して適切な所要時間を確保することが可能となる。したがって、例えば建物内の環境を整える場合に、第2規定処理が第1規定処理に比べて環境の調整完了までに長い時間を要しても、第2規定処理による環境の調整を完了させることができる。
【0010】
第3の発明では、前記建物設備として、空調設備を備え、前記制御手段は、前記第2規定処理として、前記空調設備の動作制御を実行する。
【0011】
第3の発明によれば、移動体が第2エリアを移動している場合、空調設備の動作制御が実行される。ここで、空調設備の動作制御に関して、例えば建物における屋内空間の温度調整が完了するまでには空調設備の動作開始後ある程度の時間を要するが、空調設備の動作制御は、移動体が第1エリアではなく第2エリアを移動している場合に実行されるため、屋内空間の温度調整を完了させるために必要な時間をより確実に確保することができる。すなわち、建物において空調に関する環境を好適に整えることができる。
【0012】
第4の発明では、前記建物設備として、照明装置を備え、前記制御手段は、前記第1規定処理として、前記照明装置の動作制御を実行する。
【0013】
第4の発明によれば、移動体が第1エリアを移動している場合、照明装置の動作制御が実行される。ここで、照明装置の動作制御に関して、一般的に建物に設けられている照明装置はON又はOFF動作とほぼ同時に点灯又は消灯する。したがって、照明装置の動作制御が第1規定処理として実行されることで、その動作制御が第2規定処理として実行される場合に比べて、照明装置の無駄な点灯時間を低減させることができる。すなわち、建物において照明に関する環境を好適に整えることができる。
【0014】
第5の発明では、前記建物設備として、前記建物の屋内の状態を監視する監視装置を備え、前記エリア判定手段は、前記移動体が前記第2エリアに隣接してその周囲に設けられる第3エリアを移動しているか否かを判定し、前記制御手段は、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第3エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として、前記監視装置の動作制御を実行する。
【0015】
第5の発明によれば、移動体が第3エリアを移動している場合に第3規定処理が実行される。ここで、第3エリアは第2エリアの周囲に設けられているため、移動体が建物と第3エリアとの間を移動するために要する移動時間は、建物と第2エリアとの間を移動するために要する移動時間より大きい。したがって、例えばユーザが建物の近くにいる場合(移動体が第1エリア又は第2エリアを移動している場合)に監視装置を停止させておくことで、監視装置を効率良く稼動させることができる。
【0016】
第6の発明では、前記建物設備としての、前記建物に設けられている付属車庫の出入口を開閉する開閉装置と、前記移動体が車両であるか否かを判定する車両判定手段とを備え、前記制御手段は、前記車両判定手段により前記移動体が車両であると判定された場合に、前記第1規定処理として前記開閉装置の動作制御を実行する。
【0017】
第6の発明によれば、移動体が車両であって、その車両が第1エリアを走行している場合、開閉装置の動作制御が実行される。ここで、一般的に付属車庫用の開閉装置は、動作開始後に速やかに開放又は閉鎖を完了させる。したがって、開閉装置の動作制御が第1規定処理として実行されることで、その動作制御が第2規定として実行される場合に比べて、付属車庫の無駄な開放時間を低減させることができる。また、単に車両が第1エリアを走行しているだけで、付属車庫の出入口が開閉されるため、ドライバは付属車庫の出入口を手作業で開閉させる必要がなく、車両の入出庫を容易に行うことができる。
【0018】
第7の発明では、前記制御手段は、前記第1規定処理としての前記付属車庫の出入口の開放に伴い、該付属車庫付近の防犯処理を実行する。
【0019】
第7の発明によれば、付属車庫の出入口の開放に伴って付属車庫付近の防犯処理が実行されるため、付属車庫の開放時におけるセキュリティ性を高めることができる。
【0020】
第8発明では、前記移動体の種別を判定する種別判定手段を備え、前記制御手段は、前記種別判定手段により判定された前記移動体の種別に応じて、前記離間距離と前記規定処理との対応付けを変更して都度の離間距離に基づいて該規定処理を実行する。
【0021】
第8の発明によれば、移動体の種別に応じて離間距離と規定処理との対応付けが変更される。ここで、例えば歩行している人が所持している携帯機と車両とのように移動体の種別が異なると、移動体が移動距離を移動するために要する移動時間が異なる。したがって、本構成とすることで、同じ内容の処理に対して移動体の種別が異なれば、異なるタイミングで規定処理を実行させることが可能となる。したがって、ユーザの移動方法に合わせたタイミングで建物設備を動作させることができる。
【0022】
第9の発明では、前記移動体の種別を判定する種別判定手段を備え、規定処理は、前記移動体の種別ごとに設定されており、前記制御手段は、前記種別判定手段により判定された前記移動体の種別に基づいて前記規定処理を選択して実行する。
【0023】
第9の発明によれば、規定処理は、移動体の種別ごとに設定されている。ここで、例えば移動体が車両である場合は、車庫の出入口を開閉させる処理が規定処理として実行されると良いが、移動体が歩行中の人に保持されている携帯機である場合は、車庫出入口の開閉処理は実行されなくてもよいと考えられる。したがって、本構成とすることで、ユーザの移動方法に合わせて建物設備を動作させることができる。
【0024】
第10の発明では、前記移動体の移動速度及び加速度のうち少なくとも一方を取得する速度取得手段を備え、前記制御手段は、前記距離取得手段により取得した前記離間距離に加えて、前記速度取得手段により取得した移動速度及び加速度のうち少なくとも一方に基づいて前記規定処理を実行する。
【0025】
第10の発明によれば、規定処理は、離間距離に加えて、移動体の移動速度及び加速度のうち少なくとも一方に基づいて実行される。ここで、移動体が車両等の走行体である場合、移動体は目的地が近いほど低速で且つ減速して走行すると考えられる。したがって、本構成では、速度取得手段の取得結果に基づいて移動体の目的地が建物であることを想定でき、さらに目的地が建物である場合に限って規定処理が実行させることができる。この結果、建物設備を効率良く動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、建物設備制御システムの構成を示す概略図である。
【0027】
図1に示すように、住宅等の建物10には、駐車スペースを有する車庫11が付属車庫として一体的に設けられている。車庫11には、車両Cや人の出入りが可能な車庫出入口12が形成されており、車両Cはその車庫出入口12を介して駐車スペースと道路13との間を行き来する。また、車庫11には、車庫出入口12を開閉するシャッタ装置15が設けられており、シャッタ装置15は、昇降可能なシャッタカーテン16と、駆動することでシャッタカーテン16を昇降させるシャッタ駆動部17とを有している。
【0028】
建物10には、ホームネットワークを構築するホームネットワークシステムが設けられている。ホームネットワークシステムは、制御手段としてのホームサーバ20と、ホームサーバ20の制御対象となる各種建物設備と、屋内空間や駐車スペース(車庫11内)を検出エリアとする人感センサ25とを有している。
【0029】
ホームサーバ20には、パーソナルコンピュータ21(以下、PC21ともいう)が備えられている。PC21は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを有しており、ホームネットワークシステムの制御を行う。また、PC21は、キーボードやディスプレイ等が接続されており、ユーザがキーボードやディスプレイを操作することで各種建物設備に対する制御内容を設定することが可能となっている。
【0030】
各種建物設備としては、照明装置として屋内空間や駐車スペースの照明を行う照明器具31、空調設備として屋内空間の温度調整を行うエアコン32、玄関ドアや窓等の施解錠を行う施錠装置33、監視装置として屋内空間の状態を監視する監視カメラ34等が備えられている。各種建物設備は、それぞれホームサーバ20と電気的に接続されており、ホームサーバ20から制御信号が出力されることで照明器具31、エアコン32、施錠装置33、監視カメラ34等の動作制御が行われる。
【0031】
なお、ホームサーバ20は、操作手段としての電子キー27を通信対象とする通信機能を有しており、ユーザが電子キー27に対して入力操作を行うことで電子キー27から無線信号を受信する。そして、無線信号を受信した場合、施錠装置33及び監視カメラ34に対して指令信号を出力し、施錠装置33を施錠状態や解錠状態とすることで玄関ドアや窓等の施錠や解錠を行ったり、監視カメラ34を動作させたりする。また、ホームサーバ20は、監視カメラ34による撮影が行われることでその監視カメラ34から映像情報を取得し、その映像を各種メモリ等に記憶しておく。
【0032】
また、シャッタ装置15も、建物設備としてホームサーバ20と電気的に接続されており、ホームサーバ20から制御信号が出力されることでシャッタ装置15の動作制御が行われる。この場合、ホームサーバ20は、シャッタ装置15に対して車庫出入口12の開放制御又は閉鎖制御を行うだけでなく、シャッタカーテン16の昇降速度(すなわち車庫出入口12の開閉速度)を制御することが可能となっている。
【0033】
さらに、人感センサ25も、ホームサーバ20と電気的に接続されており、人感センサから出力された検出信号がホームサーバ20に逐次入力されるようになっている。ホームサーバ20は、その検出信号に基づいて屋内空間や駐車スペースにおける人の存在を取得する。
【0034】
ホームサーバ20は、インターネット41に接続されており、インターネット41を介して外部施設であるコントロールセンタ42と通信可能になっている。コントロールセンタ42は、車両Cの走行に関する走行情報を取得する構成となっており、走行情報には、車両Cの位置に関する位置情報や、車両Cの走行速度、加速度等が含まれている。ホームサーバ20は、コントロールセンタ42から走行情報を取得し、走行情報に含まれている位置情報に基づいて建物10に対する車両Cとの離間距離を算出する。ここでは、離間距離を、移動体としての車両Cと建物10との間の直線距離とする。なお、離間距離は、車両Cが実際に走行する走行経路上の実走行距離としてもよい。
【0035】
ここで、ホームサーバ20が車両Cの位置情報を取得することができるシステムとしては、例えば車両用移動通信システムが挙げられる。車両用移動通信システムにおいて、車庫11に駐車される車両Cには車載ナビゲーション装置が設けられている。車載ナビゲーション装置は、車両Cの位置情報を音声や画面表示によりドライバ等に報知するとともに、ホームサーバ20側から送信された信号を車両C側が受信した場合に、その信号に含まれている情報をドライバ等に報知することが可能となっている。車載ナビゲーション装置は、GPS端末を有しており、GPS端末は、GPS衛星から発信される電波を受信することで自身(車両C)の位置情報を生成する構成となっている。また、車両用移動通信システムにおいて、車両C及びコントロールセンタ42には、相互に無線通信が可能なシステム通信部がそれぞれ設けられている。それらシステム通信部を介して車両Cからコントロールセンタ42に対して車両Cの位置情報が送信され、ホームサーバ20は、車両Cの位置情報をコントロールセンタ42から取得する。
【0036】
次に、ホームサーバ20によって実行される各種建物設備の動作制御処理について、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。本動作制御処理において、ホームサーバ20は、建物10と車両Cとの離間距離を取得し、その離間距離に基づいて、照明器具31やエアコン32等の各種建物設備を動作制御する。なお、本制御処理は、所定の時間周期で実行される。
【0037】
図2において、ステップS101では、車両Cが走行中であるか否かの判定を行う。例えば、コントロールセンタ42から車両Cの走行情報を受信し、その走行情報に基づいて前記処理を行う。(なお、ここでは、信号待ち等の短時間の停車も走行中に含まれる)車両Cが走行中である場合、ステップS102に進み、車両Cが走行中でない場合、すなわち車両Cが駐車されている場合には、本処理を終了する。これにより、車両Cが駐車されている場合には、各種建物設備の動作制御が行われないようになっている。
【0038】
ステップS102では、コントロールセンタ42から車両Cの位置情報を受信し、その位置情報に基づいて現在の車両Cと建物10との離間距離L(i)を算出する。ステップS103では、離間距離L(i)に基づいて、走行中の車両Cが建物10に近づいているか遠ざかっているか否かを判定する。具体的には、今回処理で取得した離間距離L(i)が、前回処理で取得した離間距離L(i−1)より小さいか否かを判定する。この場合、離間距離L(i)が離間距離L(i−1)より小さければ、車両Cが建物10に近づく方向に走行していることになり、離間距離L(i)が離間距離L(i−1)より大きければ、車両Cが建物10から遠ざかる方向に走行していることになる。
【0039】
車両Cが建物10に近づく方向に走行している場合、ステップS104に進み、離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にあるか否かを判定する。第1距離L1及び第2距離L2はあらかじめ設定されており、第1距離L1が第2距離L2より小さくされている。例えば、第1距離L1は50mに設定され、第2距離L2は200mに設定される。
【0040】
離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にある場合、ステップS105に進み、建物10において屋内空間の温度調整を新たに開始させる必要があるか否かを判定する。具体的には、人感センサ25から入力される検出信号に基づいて屋内空間に人が居るか居ないかを判定する。この場合、屋内空間に人が居なければ新たに温度調整を開始させる必要があるとし、屋内空間に人が居れば新たには温度調整を開始させる必要がないとする。なお、現在の外気温や季節等に応じて、屋内空間の温度調整を新たに開始させる必要があるか否かを判定してもよい。
【0041】
屋内空間の温度調整を新たに開始させる必要がある場合、ステップS106に進み、エアコン32に指令信号を出力し、屋内空間の温度調整を開始させる。すなわち、エアコン32を動作(ON)させる。この場合、車両Cが建物10に到着するより前にエアコン32の動作が開始されているため、目標温度への調整が完了するまでにある程度の時間を要する空調処理(第2規定処理)でも、車両Cが建物10に到着した時には屋内空間の温度調整が完了している。なお、第2距離L2は、車両Cが建物10に到着するまでに要する走行時間が、屋内空間の温度調整に要する所要時間と同等となるように設定されていることが好ましい。
【0042】
これに対して、離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にない場合や、屋内空間の温度調整を新たに開始させる必要がない場合は、屋内空間の温度調整を新たには開始させない。これにより、例えば屋内空間に居る住人の意に反して温度調整が新たに開始されてしまうといった不都合の発生が抑制される。
【0043】
ステップS107では、離間距離L(i)が第1距離L1より小さいか否かを判定する。離間距離L(i)が第1距離L1より小さい場合、ステップS108に進み、照明器具31を新たに点灯させる必要があるか否かを判定する。具体的には、屋内空間に人が居るか居ないかを判定する。この場合、屋内空間に人が居なければ照明器具31を新たに点灯させる必要があるとし、屋内空間に人が居れば照明器具31を新たには点灯させる必要がないとする。なお、現在の時刻や屋外の明るさに応じて、照明器具31を点灯させる必要があるか否かを判定してもよい。
【0044】
照明器具31を新たに点灯させる必要がある場合、ステップS109に進み、照明器具31に指令信号を出力し、照明器具31を点灯(ON)させる。これにより、車両Cが建物10に到着した時には、照明器具31が点灯していることになる。ここで、建物10が住宅である場合、一般的に照明器具31はONされた後に速やかに点灯して屋内空間を明るくする。したがって、照明器具31を点灯させる処理(第1規定処理)を、車両Cが建物10に極力近づいてから実行させることで、照明器具31の無駄な点灯時間が低減される。なお、照明器具31を新たに点灯させる必要がない場合は、照明器具31を新たには点灯させない。これにより、例えば屋内空間に居る住人の意に反して照明器具31が点灯されてしまうといった不都合の発生が抑制される。
【0045】
また、離間距離L(i)が第1距離L1より小さい場合には、照明器具31の点灯処理に加えて車庫出入口12の開放判定処理を行う。車庫出入口12の開放判定処理として、ステップS110では、車庫出入口12を開放させる必要があるか否かを判定する。具体的には、コントロールセンタ42から走行情報を受信し、その走行情報に基づいて、車両Cが建物10(車庫11)前で停止するか否かを判定する。すなわち、車両Cの目的地が建物10であるか否かを判定する。例えば、車両Cの走行速度が所定速度より小さかったり加速度が減速時の値に相当したりした場合に、車両Cの目的地が建物10であると判定する。車両Cの目的地が建物10であれば車庫出入口12を開放させる必要があるとし、車両Cの目的地が建物10でなければ車庫出入口12を開放させる必要がないとする。なお、車載ナビゲーション装置において、車両Cの目的地が建物10に設定されていることを車庫出入口12の開放条件に加えてもよい。
【0046】
ちなみに、車庫出入口12の開放判定と同様に、車両Cの目的地が建物10であるか否かの判定結果に基づいて、屋内空間の温度調整を新たに開始させる必要があるか否かの判定(ステップS105の判定処理)を行ってもよく、照明器具31を新たに点灯させる必要があるか否かの判定(ステップS108の判定処理)を行ってもよい。
【0047】
車庫出入口12を開放させる必要がある場合、ステップS111に進み、シャッタ装置15に対して指令信号を出力し、車庫出入口12を開放させる。この場合、車両Cが建物10に到着するより前にシャッタ装置15の開放動作が開始されるため、シャッタ装置15の動作開始から動作完了までにある程度の時間を要する車庫出入口12開放処理でも、車両Cが建物10に到着した時には車庫出入口12の開放が完了している。したがって、ドライバは車庫出入口12の開放完了を車庫出入口12の前で待つことなく車両Cを入庫させることができる。
【0048】
車庫出入口12を開放させる必要がない場合、車庫出入口12を開放させない。これにより、例えば車両Cの目的地が建物10でないにもかかわらず車庫出入口12が開放されるといった不都合が発生しないようになっている。また、離間距離L(i)が第1距離L1より大きい場合は、照明器具31を点灯させず、且つ車庫出入口12を開放させない。
【0049】
一方、車両Cが建物10に遠ざかる方向に走行している場合(ステップS103がNO判定の場合)、ステップS112に進み、施錠装置33に対して指令信号を出力することで、施錠装置33を施錠状態とする。この場合、単に車両Cが建物10から遠ざかるだけで、建物10の防犯設備としての施錠装置33が警戒状態に切り替えられるため、仮に住人等が施錠し忘れても、住人等の外出時には玄関ドアや窓等が行われる。これにより、建物10のセキュリティ性が高められている。
【0050】
ステップS113では、離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にあるか否かを判定する。離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にある場合、ステップS114に進み、照明器具31を消灯させる必要があるか否かを判定する。具体的には、屋内空間に人が居るか居ないかを判定する。この場合、屋内空間に人が居なければ照明器具31を消灯させる必要があるとし、屋内空間に人が居れば照明器具31を消灯させる必要がないとする。なお、照明器具31の点灯判定と同様に、現在の時刻や屋外の明るさに応じて、照明器具31を消灯させる必要があるか否かを判定してもよい。また、車両Cの走行情報に基づいて、照明器具31を消灯させる必要があるか否かを判定してもよい。例えば、車両Cの走行速度や加速度に基づいて、車両Cが停止しないと推定される場合に、照明器具31を消灯させる必要があるとする。
【0051】
照明器具31を消灯させる必要がある場合、ステップS115に進み、照明器具31に対して指令信号を出力し、照明器具31を消灯(OFF)させる。この場合、単に車両Cが建物10から遠ざかるだけで、照明器具31を消灯させることができる。これにより、仮に住人等が照明器具31を消灯し忘れても、住人等の外出時には照明器具31が消灯される。これに対して、照明器具31を消灯させる必要がない場合は、照明器具31を消灯させない。これにより、例えば屋内空間に居る住人の意に反して照明器具31が消灯されてしまうといった不都合の発生が抑制される。
【0052】
また、離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にない場合には、照明器具31の消灯処理に加えて車庫出入口12の閉鎖処理を行う。車庫出入口12の閉鎖処理として、ステップS116では、シャッタ装置15に対して指令信号を出力し、車庫出入口12を閉鎖させる。この場合、人感センサ25から入力された検出信号に基づいて、車庫11の駐車スペース等に人が居るか居ないかを判定し、人が居ない場合に限って車庫出入口12を閉鎖させる。これにより、シャッタカーテン16の昇降時における安全性を高めることができる。また、車両Cの走行情報に基づいて車庫出入口12を閉鎖させてもよい。例えば、車両Cの走行速度や加速度に基づいて、車両Cが停止しないと推定される場合に、車庫出入口12を閉鎖させる。
【0053】
ステップS117では、離間距離L(i)が第2距離L2より大きいか否かを判定する。離間距離L(i)が第2距離L2より大きい場合、ステップS118に進み、屋内空間の温度調整を終了させる必要があるか否かを判定する。具体的には、屋内空間に人が居るか居ないかを判定する。この場合、屋内空間に人が居なければ温度調整を終了させる必要があるとし、屋内空間に人が居れば温度調整を終了させる必要がないとする。また、車両Cの走行情報に基づいて、温度調整を終了させる必要があるか否かを判定してもよい。例えば、車両Cの走行速度や加速度に基づいて、車両Cが停止しないと推定される場合に、屋内空間の温度調整を終了させる必要があるとする。
【0054】
屋内空間の温度調整を終了させる必要がある場合、ステップS119に進み、エアコン32に対して指令信号を出力し、屋内空間の温度調整を終了させる。すなわち、エアコン32の動作を停止(OFF)させる。この場合、単に車両Cが建物10から遠ざかるだけで、温度調整を終了させることができる。これにより、仮に住人等がエアコン32の運転を停止し忘れても、住人等の外出時にはエアコン32の運転が停止される。これに対して、温度調整を終了させる必要がない場合は、その温度調整を終了させない。これにより、例えば屋内空間に居る住人の意に反して温度調整が終了されてしまうといった不都合の発生が抑制される。
【0055】
また、離間距離L(i)が第2距離L2より大きい場合には、屋内空間の温度調整を終了させる処理に加えて、監視カメラ34の動作処理を行う。監視カメラ34の動作処理として、ステップS120では、監視カメラ34に対して指令信号を出力し、監視カメラ34による撮影を実行させる。この場合、単に車両Cが建物10から遠ざかるだけで、建物10の防犯設備としての監視カメラ34が警戒状態に切り替えられることになる。これにより、建物10のセキュリティ性が高められる。なお、離間距離L(i)が第2距離L2より大きくなっていない場合は、屋内空間の温度調整を終了させず、且つ監視カメラ34による撮影を実行させない。
【0056】
次に、各種建物設備の動作について、図3を参照しつつ説明する。図3は、各種建物設備の動作内容を示す図である。なお、図3では、説明の便宜上、車両Cが例えば第1地点N1を通過する時の離間距離L(i)を第1距離L1とし、第2地点N2を通過する時の離間距離L(i)を第2距離とする。
【0057】
図3に示すように、ユーザの帰宅時等において、建物10に近づく方向に走行している車両Cが第2地点N2を通過した場合、すなわち、第2地点N2より遠いエリア(第3エリア)から第2地点N2と第1地点N1との間のエリア(第2エリア)に入った場合、エアコン32により屋内空間の温度調整が開始される。また、第2地点N2の通過後、車両Cが第1地点N1を通過した場合、すなわち、第1地点N1と建物10との間のエリア(第1エリア)に入った場合、照明器具31が点灯されるとともに、シャッタ装置15により車庫出入口12が開放される。ここで、例えば、第1地点N1は、建物10からの距離が至近距離である地点とし、第2地点N2は、建物10からの距離が近距離である地点とする。
【0058】
なお、車載ナビゲーション装置により走行案内が行われていれば、車両Cが第2地点N2を通過した時に、走行案内を終了する旨がアナウンス等により報知されて走行案内が終了される。また、走行案内の終了に伴って車両C側からコントロールセンタ42を介してホームサーバ20に対して電子メールが送信され、車両Cが建物10に接近しつつあることがホームサーバ20に通知される。さらに、車両Cが第1地点N1を通過した時に、「お疲れ様でした」等の音声案内により建物10が近いことが報知される。
【0059】
車両Cが建物10に到着した場合、ユーザにより電子キー27の入力操作が行われることで、施錠装置33が解錠されたり監視カメラ34の撮影が停止されたりする。これにより、施錠装置33や監視カメラ34といった防犯設備の警戒状態が解除される。ここで、これら防犯設備は、車両Cが建物10に向かって走行していてもホームサーバ20により動作制御されないため、意図しない警戒状態の解除が行われないようになっている。この結果、建物10のセキュリティ性が高められている。
【0060】
また、ユーザの外出時等において、建物10から遠ざかる方向に走行している車両Cが第1地点N1を通過した場合、照明器具31が消灯されるとともに、シャッタ装置15により車庫出入口12が閉鎖される。また、第1地点N1の通過後、車両Cが第2地点N2を通過した場合、エアコン32により屋内空間の温度調整が終了される。また、この場合、監視カメラ34による撮影が開始される。このため、車両Cが建物10から比較的遠い場合(第2地点N2より遠い場合)に限って監視カメラ34が動作することになり、監視カメラ34による撮影を効率良く行うことができる。
【0061】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0062】
車両Cが第1地点N1や第2地点N2を通過した場合、すなわち離間距離L(i)が第1距離L1や第2距離L2になった場合に、照明器具31やエアコン32、シャッタ装置15、施錠装置33、監視カメラ34等の各種建物設備が動作制御されるため、車両Cの移動状態に合わせて各種建物設備を段階的に動作させることが可能となる。この場合、建物10に接近する方向で車両Cが走行していれば、車両Cが建物10に到着するより前に照明器具31やエアコン32をONさせておくことが可能となり、車両Cが建物10に到着した時に、屋内空間の温度調整を完了させておいたり、屋内空間や駐車スペースを明るくしておいたりすることができる。すなわち、建物10内の環境を整えておくことができる。しかも、この場合、照明器具31やエアコン32を常時ONにさせておく必要もないため、それら照明器具31やエアコン32を効率良く動作させることができる。以上の結果、ユーザが建物10から離れて移動している場合に、ユーザの移動状態に合わせて建物設備を動作させることができる。
【0063】
建物10に対して第1地点N1より遠い第2地点N2を車両Cが通過した場合にエアコン32がON/OFFされるため、すなわち、離間距離L(i)が第1距離L1〜第2距離L2の範囲内にある場合にエアコン32がONされるため、車両Cの目的地が建物10である場合に、エアコン32をONさせた後に目標温度への調整が完了するまでに要する所要時間を確保することができる。したがって、車両Cが建物10に到着した時に、屋内空間の温度調整を照明器具31の点灯とともに完了させておくことができる。
【0064】
また、建物10に対して第2地点N2より近い第1地点N1を車両Cが通過した場合に照明器具31がON/OFFされるため、すなわち、離間距離L(i)が第1距離L1より小さい場合に照明器具31がONされるため、照明器具31の無駄な点灯時間を低減することができる。さらに、照明器具31と同様に、第1地点N1を車両Cが通過した場合に車庫出入口12を開放させるべくシャッタ装置15が動作するため、車庫出入口12の無駄な開放時間を低減することができる。すなわち、車庫出入口12のセキュリティ性を高めることができる。
【0065】
建物10に接近する方向に走行している車両Cが第1地点N1を通過した場合に、車庫出入口12が開放されるため、ドライバは手作業で車庫出入口12を開放させる必要がなく、車両Cの入庫を容易に行うことができる。一方、建物10から遠ざかる方向に走行している車両Cが第1地点N1を通過した場合に、車庫出入口12が閉鎖されるため、車両Cを出庫させた後に車庫出入口12を閉鎖させる手作業を行うといった煩わしさを解消することができる。
【0066】
車両Cが建物10から遠ざかる方向に走行している場合に施錠装置33が施錠されるため、ユーザの外出に伴って、建物10の防犯性能を発揮させることができる。さらに、建物10から遠ざかる車両Cが第2地点N2を通過した場合に監視カメラ34による撮影が開始されるため、建物10のセキュリティ性をより一層高めることができる。
【0067】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、車両Cを移動体としているが、移動体をユーザが携帯可能な携帯機としてもよい。要は、ユーザと移動体とが一緒に移動する構成であればよい。但し、この場合、建物設備制御システムは、移動体の種別を判定する手段と、ユーザの移動方法を判定する手段とを備える必要がある。例えば、移動体が携帯機である場合、ユーザの移動方法が徒歩である場合と車両である場合とでは移動速度が異なる。これに対して、制御手段としてのホームサーバは、移動体が携帯機であってユーザの移動方法が徒歩である旨の情報を取得することで、移動体が車両Cである場合に比べて第1距離L1や第2距離L2を小さく設定することが可能となる。すなわち、移動体やユーザの移動方法に適した内容の規定処理を実行させることが可能となる。
【0069】
・上記実施形態では、建物10に近づく車両Cが通過することで照明器具31をONさせる地点と、建物10から遠ざかる車両Cが通過することで照明器具31をOFFさせる地点とが共通(具体的には第1地点N1)とされているが、照明器具31をON又はOFFさせる地点を異なる地点としてもよい。例えば、建物10に近づく車両Cが第1地点N1を通過することで照明器具31がONされ、建物10から遠ざかる車両Cが第2地点N2を通過することで照明器具31がOFFされる構成とする。同様に、エアコン32をON又はOFFさせる地点を異なる地点としてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、ホームサーバ20がコントロールセンタ42を介して取得する走行情報には、位置情報や車両Cの走行速度、加速度等が含まれているが、車両Cの現在位置に関する情報だけが含まれていてもよい。この場合でも、走行中の車両Cの速度及び加速度は、ホームサーバ20が取得した複数の離間距離L(i),L(i−1)・・・L(i−n)に基づいて算出可能となっている。
【0071】
・上記実施形態では、各種建物設備が、離間距離L(i)に基づいて制御される構成としたが、離間距離L(i)に加えて車両Cが走行する都度の走行路に応じて制御される構成としてもよい。例えば、車両Cが幹線道路と細街路とを通ることで建物10に到着するルートを走行しており、第1地点N1から建物10まで細街路を通る必要がある場合、現在走行している道路が細街路であるか否かを判定することで、現在の離間距離L(i)を取得することが可能となる。
【0072】
・上記実施形態では、複数の建物設備を制御対象として、離間距離L(i)によって動作制御される建物設備が異なる構成としたが、1つの建物設備を制御対象として、離間距離L(i)によって制御内容が異なる構成としてもよい。例えば、準備運転と空調運転との2段階での運転が可能なエアコン32を制御対象とし、建物10に近づく方向に車両Cが走行している場合、離間距離L(i)が第2距離L2となれば準備運転を開始させ、離間距離L(i)が第1距離L1となれば空調運転を開始させる。
【0073】
・シャッタ装置15を、シャッタカーテン16の昇降速度が可能な構成としてもよい。例えば、シャッタ駆動部17を駆動速度の切り替えが可能な構成とする。この場合、シャッタ駆動部17の駆動速度を切り替えることで、シャッタカーテン16の昇降速度が調整される。したがって、車両Cの走行状態に応じて、車庫出入口12の開閉に要する所要時間を調整することが可能となる。例えば、車両Cが建物10に近づく方向に走行しており、離間距離L(i)が第1距離L1となった場合、車両Cが建物10に到着するタイミングを車両Cの走行速度や加速度に基づいて推定し、その到着タイミングに合わせて車庫出入口12が開放完了するように、車庫出入口12の開放所要時間(シャッタカーテン16の上昇速度)を設定する。これにより、車庫出入口12の開放開始のタイミングが一定である場合でも、車両Cが車庫11前に到着した時に車庫出入口12の開放が完了していなかったり、車両Cが車庫11前に到着していないのに車庫出入口12の開放が完了していたりするといった不都合の発生を抑制できる。したがって、ドライバは車庫出入口12の開放完了を車庫出入口12の前で待つことなく車両Cを入庫させることができる。
【0074】
・車庫11に、報知手段としての表示器が設置されていてもよい。例えば、表示器が表示ランプやスピーカ等を有しており、ホームサーバ20と電気的に接続されている構成とする。また、表示器は、車庫出入口12内に不審者等が侵入した場合に、ホームサーバ20から指令信号が出力されることで、表示ランプを点灯させたりスピーカから音声を出力したりする。これにより、不審者を威嚇することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態における建物設備制御システムの構成を示す概略図。
【図2】各種建物設備の動作制御処理を示すフローチャート。
【図3】各種建物設備の動作内容を示す図。
【符号の説明】
【0076】
10…建物、11…車庫、12…車庫出入口、15…シャッタ装置、16…シャッタカーテン、20…ホームサーバ、27…電子キー、31…照明器具、32…エアコン、33…施錠装置、34…監視カメラ、35…表示器、42…コントロールセンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物と移動中の移動体との離間距離を取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段により取得した前記建物と前記移動体との離間距離に基づいて、建物設備を制御対象として、前記離間距離に対応付けてあらかじめ設定されている規定処理を実行する制御手段と
を備える建物設備制御システム。
【請求項2】
前記距離取得手段の取得結果に基づいて、前記移動体が前記建物を含む第1エリアを移動しているか否かを判定するとともに、前記移動体が前記第1エリアに隣接してその周囲に設けられる第2エリアを移動しているか否かを判定するエリア判定手段を備え、
前記制御手段は、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第1エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として第1規定処理を実行し、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第2エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として第2規定処理を実行する請求項1に記載の建物設備制御システム。
【請求項3】
前記建物設備として、空調設備を備え、
前記制御手段は、前記第2規定処理として、前記空調設備の動作制御を実行する請求項2に記載の建物設備制御システム。
【請求項4】
前記建物設備として、照明装置を備え、
前記制御手段は、前記第1規定処理として、前記照明装置の動作制御を実行する請求項2又は3に記載の建物設備制御システム。
【請求項5】
前記建物設備として、前記建物の屋内の状態を監視する監視装置を備え、
前記エリア判定手段は、前記移動体が前記第2エリアに隣接してその周囲に設けられる第3エリアを移動しているか否かを判定し、
前記制御手段は、前記エリア判定手段により前記移動体が前記第3エリアを移動中であると判定された場合に、前記規定処理として、前記監視装置の動作制御を実行する請求項2乃至4のいずれか1項に記載の建物設備制御システム。
【請求項6】
前記建物設備としての、前記建物に設けられている付属車庫の出入口を開閉する開閉装置と、
前記移動体が車両であるか否かを判定する車両判定手段と
を備え、
前記制御手段は、前記車両判定手段により前記移動体が車両であると判定された場合に、前記第1規定処理として前記開閉装置の動作制御を実行する請求項2乃至5のいずれか1項に記載の建物設備制御システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1規定処理としての前記付属車庫の出入口の開放に伴い、該付属車庫付近の防犯処理を実行する請求項6に記載の建物設備制御システム。
【請求項8】
前記移動体の種別を判定する種別判定手段を備え、
前記制御手段は、前記種別判定手段により判定された前記移動体の種別に応じて、前記離間距離と前記規定処理との対応付けを変更して都度の離間距離に基づいて該規定処理を実行する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物設備制御システム。
【請求項9】
前記移動体の種別を判定する種別判定手段を備え、
前記規定処理は、前記移動体の種別ごとに設定されており、
前記制御手段は、前記種別判定手段により判定された前記移動体の種別に基づいて前記規定処理を選択して実行する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物設備制御システム。
【請求項10】
前記移動体の移動速度及び加速度のうち少なくとも一方を取得する速度取得手段を備え、
前記制御手段は、前記距離取得手段により取得した前記離間距離に加えて、前記情報取得手段により取得した移動速度及び加速度のうち少なくとも一方に基づいて、前記規定処理を実行する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建物設備制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−200841(P2009−200841A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40573(P2008−40573)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】