建物
【課題】建物の隣地間通路や車庫内に物品を収納する場合においても、人の通行や車両の入出庫を妨げることなく、かつ、外観を著しく損なうことなく物品を収納することができる建物を提供する。
【解決手段】建物10の隣地間通路18に面する壁部17には地盤面19から所定の高さに屋外面17bに対し凹ませた収納空間21が形成されている。収納空間21には、物品収納装置20が設けられている。物品収納装置20は、自転車35を載置する載置面35dを有する収納台30を備えている。収納台30は載置面35dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルとなる載置位置と自転車35が収納空間21に収納される収納位置との間で移動可能とされている。収納台30は、載置面35dを有する台部30bの屋外側端部から上方に延びるカバー部30cを有している。
【解決手段】建物10の隣地間通路18に面する壁部17には地盤面19から所定の高さに屋外面17bに対し凹ませた収納空間21が形成されている。収納空間21には、物品収納装置20が設けられている。物品収納装置20は、自転車35を載置する載置面35dを有する収納台30を備えている。収納台30は載置面35dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルとなる載置位置と自転車35が収納空間21に収納される収納位置との間で移動可能とされている。収納台30は、載置面35dを有する台部30bの屋外側端部から上方に延びるカバー部30cを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭では自転車の置き場所として建物の軒下における隣地境界線に沿った通路(以下、隣地間通路という)や車庫内の空きスペースを利用する場合が一般的である。しかしながら、隣地間通路を自転車置き場として使用すると、自転車が人の通行の妨げとなり、人が通るたびに自転車を動かす必要があるため面倒である。また、車庫内の空きスペースを自転車置き場として使用すると、車両を車庫に入出庫する際に自転車が邪魔になるおそれがあるとともに自転車の転倒により車両が傷付く事態も想定される。
【0003】
そこで、上記問題点を解決しようとするものとして、自転車をワイヤで上方に吊り上げて支持する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。これによれば、自転車をワイヤにより建物の軒下に吊り上げることができるため、隣地間通路において人の通行を妨げることなく自転車を保持することができる。また、車庫においては通常居住者の手が届かないため利用されないことが多い天井面寄りのデッドスペースに自転車を吊り上げて格納することができるため、車両の入出庫を妨げることなく自転車を格納することができる。
【特許文献1】実開平7−19076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ワイヤにより上方に吊り上げられた自転車は外部に露出されているため外観上好ましくない。また、ワイヤを自転車に固定する作業が必要であるため作業上面倒である。
【0005】
ところで、建物の軒下における隣地間通路や車庫内に置かれるものとしては上記自転車の他にタイヤやポリタンク等が挙げられる。これらについても自転車と同様、隣地間通路や車庫内に置かれれば人の通行の妨げとなったり車両の入出庫の妨げとなったりするとともに外観上好ましくない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物の隣地間通路や車庫内に物品を収納する場合においても、人の通行や車両の入出庫を妨げることなく、かつ、外観を著しく損なうことなく物品を収納することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物は、建物の壁における所定の高さ位置において前記壁の壁面側に開口するように形成された収納空間と、前記収納空間に収納される物品を載置する載置面を有し、前記物品を積み下ろしする下降側の載置位置と当該載置位置に対して上昇側に位置する前記収納空間における収納位置との間で移動可能とされている収納台と、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で上下方向に案内する案内機構と、前記収納空間の開口部の少なくとも一部を覆う開口閉鎖手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、建物の壁における所定の高さ位置において壁面側に開口するように形成された収納空間に物品を収納することができる。すなわち、物品を収納空間に収納する際には、まず収納台を下降側の載置位置に配置して物品を収納台の載置面に載置する。そして、案内機構により収納台を上方に案内し、その後収納台を収納位置に移動させる。これにより、物品を収納台に載置した状態で収納空間に収納することができる。よって、物品を建物の壁における所定の高さ位置に収納することができるため、建物の隣地間通路や車庫内に物品を収納する場合においても人の通行や車両の入出庫を妨げることなく物品を収納することができる。また、開口閉鎖手段により収納空間の開口側の少なくとも一部を覆うことができるため、収納空間に収納された物品の一部を外部から見えないようにすることができる。これにより、外観を著しく損なうことなく上記の効果を得ることができる。さらには、この開口閉鎖手段により収納空間に収納された物品が収納空間(又は収納台)の外部に突出するのを防止する効果も期待できる。なお、開口閉鎖手段は建物側に設けられていてもよいし、収納台の一部により構成されていてもよい。
【0009】
第2の発明の建物は、第1の発明において、前記壁における前記収納空間を挟んだ上下方向両側には前記収納空間が開口する側の開口側壁面に、前記壁から離間する側に延出する一対の延出部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、壁における収納空間を挟んだ上下方向両側には収納空間が開口する側の開口側壁面に壁から離間する側に延出する延出部が設けられているため、収納空間と一対の延出部の間に挟まれた空間との連続空間に物品を載置した収納台を収納することができる。これにより、壁の構造上の関係(例えば、壁の厚さ寸法を大きくすることができない)等により収納空間の(凹み)深さ寸法を大きくすることができない場合であっても物品を前記連続空間に収納することができる。また、収納空間には収納することができない厚み寸法(壁の厚さ方向における長さ寸法)の大きい物品についても収納することが可能となる。さらに、収納空間よりも上側に延出部が設けられているため、雨天時においては物品が雨に濡れるのを極力回避しながら収納することができる。
【0011】
第3の発明の建物は、第1又は第2の発明において、前記案内機構は、前記載置位置から上昇した位置と前記収納位置との間で前記収納台を案内することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、収納台を載置位置から収納空間とほぼ同じ高さ位置まで案内し、その後収納台を収納位置に案内することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0013】
第4の発明の建物は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記載置位置では、前記収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルに配置されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルとなるように収納台の載置位置が設定されているため、物品を高く持ち上げることなく物品を収納台の載置面に載せたり又は収納台から下ろしたりすることができる。また、物品の種類によっては物品を引きずったり転がしたりすることにより収納台に載せたり下ろしたりすることが可能となる。これにより、物品の収納作業の負荷を軽減させることが期待できる。
【0015】
第5の発明の建物は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記案内機構は、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で移動させる駆動装置と、前記駆動装置を駆動操作する操作部が操作されている場合にのみ前記収納台が移動するように前記駆動装置を駆動制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、収納台を駆動装置により載置位置と収納位置との間で移動させることができるため、収納台を自動で載置位置と収納位置との間で移動させることができる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、駆動装置は、ユーザにより操作部が操作されている場合にのみ収納台が移動するように駆動制御されるため、ユーザが操作部の操作を中止すれば駆動装置の動作は停止しひいては収納台が停止する。これにより、収納台の移動中に収納台の移動範囲に障害物が存在することに気がついたり障害物が突然現れたりした場合であっても操作部の操作を中止するだけで収納台を停止させることができるため、簡易かつ迅速に障害物との干渉を回避することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、ユニット式建物の概要を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態では、建物10としてユニット式建物を採用している。建物10は、建物本体11と、建物本体11の上方に配設される屋根12とにより構成されている。建物本体11は、複数の建物ユニット13が連結されることにより構成されており、各建物ユニット13は、柱、梁等により形成される直方体状の骨格(フレーム)を有してなる。
【0019】
建物10は、一階部分14と二階部分15とからなる二階建ての建物である。建物10と隣地22(詳細には隣地境界線)との間には、居住者が歩行したり自転車等で移動したりする通路(以下、隣地間通路18という)が設けられている。そして、建物10の一階部分14に配置された建物ユニット13のうち隣地間通路18に面した建物ユニット13のひとつ(以下、下階ユニット13aという)には物品収納装置20が設けられている。
【0020】
次に、この物品収納装置20について図2、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。なお、図2は物品収納装置20を示す斜視図であり、図3は物品収納装置20の構成を示す縦断面図である。図4は物品収納装置20の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図である。そして、本実施形態では、この装置20によって収納される物品として自転車35を想定している。
【0021】
図2に示すように、物品収納装置20は、下階ユニット13aにおいて隣地間通路18に面する外壁としての壁部17に設けられている。壁部17には隣地間通路18の地盤面19から所定の高さ(例えば、地盤面19から約1〜2mの高さ)において屋外面17bに対し凹ませた凹状空間(以下、収納空間21という)が矩形状に形成されている。そして、この収納空間21には、一対の物品収納装置20が収納空間21の幅方向に横並びに設けられている。
【0022】
なお、壁部17の屋内面17aは、収納空間21の形成されている部分のみならずその周囲を含め屋内面17a全域に渡って凹凸なく略平坦に形成されている。したがって、壁部17に収納空間21を設けたにもかかわらず室内における居住者の歩行に支障をきたすことがない。
【0023】
各物品収納装置20は、建物10に取り付けられるベース本体部23を有している。ベース本体部23は、剛性に優れた金属製の板材により形成されている。ベース本体部23は、収納空間21の屋内側鉛直面(以下、奥側面21aという)に取り付けられる鉛直板部23aと鉛直板部23aの幅方向両端部において屋外側に折り曲げられた一対の側板部23bとを有している。鉛直板部23aは、収納空間21の奥側面21aにボルト等の締結手段により取り付けられている。さらに、ベース本体部23は、鉛直板部23aの上端部において屋外側に折り曲げられた天井板部23cと、その天井板部23cの先端部において上方に折り曲げられた固定板部23dとを有している。固定板部23dの屋内側面は壁部17の屋外面17bに当接されており、固定板部23dは壁部17を介して下階ユニット13aの天井梁16にボルト等の締結手段により固定されている。
【0024】
ベース本体部23の各側板部23bには、屋内外方向(収納空間21の奥行き方向)に延びる第1レール部26が設けられている。第1レール部26は、各側板部23bにおいてそれぞれ上部レール26a及び下部レール26bを有してなる。第1レール部26は、その屋外側端部が壁部17の屋外面17bよりも屋外側に突出するように設けられている。
【0025】
第1レール部26には、移動部材27が移動可能に支持されている。移動部材27は、金属製であり、薄型四角筒状に形成されている。移動部材27は、壁部17の屋外面17bと平行な板面を有する一対の平板部27aを有しており、各平板部27aの幅方向両端部を屋内外方向に短く連結することにより薄型四角筒状とされている。移動部材27の幅方向両端部には、回転部材としての第1回転体28が複数取り付けられている。各第1回転体28はそれぞれ上部レール26a及び下部レール26bに配設されている。これにより、移動部材27は第1回転体28を介して第1レール部26に支持されている。したがって、移動部材27は、第1回転体28が各レール26a,26bを転がることにより第1レール部26に沿って移動可能となっている。そして、移動部材27は、ベース本体部23の鉛直板部23aに近接又は当接する収納位置(図4(a)に示す位置)と壁部17の屋外面17bよりも屋外側に位置する中間位置(図4(b)に示す位置)との間を移動することができるようになっている。
【0026】
移動部材27の内側領域(以下、中空部29という)における幅方向両端部には、上下方向に延びる一対の第2レール部31が設けられている。第2レール部31には、物品としての自転車35を載置する収納台30が移動可能に設けられている。収納台30は、移動部材27(詳細には平板部27a)と平行な板面を有する鉛直板状の背板部30aと、背板部30aの下端部から屋外側に延びる台部30bと、台部30bの屋外側先端部から上方に延びるカバー部30cとを有している。台部30bの上面は自転車35を載置する載置面35dとなっている。また、カバー部30cは、その上端部が収納台30に載置された自転車35のペダル部35aの高さ位置よりも上方に位置するように形成されている。
【0027】
収納台30の背板部30aには幅方向両端部に回転部材としての第2回転体(図示略)が複数取り付けられている。収納台30の背板部30aは移動部材27の中空部29に収納されており、各第2回転体が第2レール部31に配設されている。これにより、収納台30は、第2回転体を介して第2レール部31に支持されている。したがって、収納台30は、第2回転体が第2レール部31を転がることにより第2レール部31に沿って上下方向に移動可能となっている。具体的には、収納台30は、移動部材27が前述の中間位置にある場合に上下方向に移動可能となっており、当該中間位置とその下端部(台部30bの下端部)が地盤面19に近接又は当接する下降側の載置位置(図4(c)に示す位置)との間で移動することができるようになっている。そして、収納台30の載置位置においては、収納台30の載置面35dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルに設定されている。
【0028】
収納台30には、自転車35を固定する固定ベルト34が設けられている。固定ベルト34は、その一端が収納台30のカバー部30cの上部に取り付けられている。固定ベルト34の他端には収納台30に載置した自転車35のハンドルステイ35bを挟持するための挟持部34aが設けられている。これにより、収納台30に載置した自転車35を固定ベルト34により固定することができるため、収納台30の移動時において自転車35が転倒するのを防止することができる。
【0029】
物品収納装置20には、上記移動部材27及び収納台30を移動させる駆動装置41,42が設けられている。駆動装置41,42は、電動モータ等の電動式の駆動機構からなる駆動手段である。第1駆動装置41は、移動部材27に設けられており、第1回転体28を回転駆動させる。これにより、第1駆動装置41が第1回転体28を回転させることにより移動部材27は第1レール部26に沿って移動する。一方、第2駆動装置42も第1駆動装置41に設けられており、収納台30を昇降させる。第2駆動装置42は例えば収納台30の上端部に連結されたワイヤ等(図示略)を巻き取り又は引き出す巻き取りローラ(図示略)を有しており、その巻き取りローラを回転させることによりワイヤを巻き取り又は引き出すことで収納台30を昇降させる。これにより、収納台30は第2回転体が第2レール部31を転がりながら第2レール部31に沿って昇降される。
【0030】
次に、収納台30の移動を制御する制御システムの電気的構成について、図5に基づいて説明する。
【0031】
建物10には、収納台30の移動を制御するコントローラ40が設けられている。コントローラ40は、例えば壁部17の屋内面17aに設けられている。コントローラ40は、CPU、ROM等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。コントローラ40は、居住者が携帯する電子キー44との間で無線通信可能な無線通信装置40aを備えている。
【0032】
電子キー44は、隣地間通路18から壁部17に向かって左側の収納台30を昇降させる左側上昇ボタン44a及び左側下降ボタン44bと、隣地間通路18から壁部17に向かって右側の収納台30を昇降させる右側上昇ボタン44c及び右側下降ボタン44dとを有している。居住者により各ボタン44a〜44dが操作されると、電子キー44から上昇信号又は下降信号が送信される。そして、これらの信号を無線通信装置40aが受信するとコントローラ40はそれらの信号に基づいて各収納台30の上昇制御又は下降制御を行う。
【0033】
電子キー44には、居住者を特定する識別情報が記憶されている。電子キー44は、前述した上昇信号又は下降信号とともに識別情報をコントローラ40に送信する。コントローラ40には、電子キー44に対応する識別情報があらかじめ登録されている。コントローラ40は、電子キー44から取得した識別情報が予め登録されている識別情報と一致していることを条件として、収納台30を上昇又は下降制御する。
【0034】
コントローラ40の入力側には、障害物検知手段としての障害物検知センサ47が接続されている。障害物検知センサ47は、収納台30の屋外側(隣地間通路18側)及び下方に(すなわち収納台30の移動範囲に)障害物があることを検知するセンサである。障害物検知センサ47は、各物品収納装置20ごとに設けられており、例えば収納台30のカバー部30cの屋外側(隣地間通路18側)下端部に設けられている。障害物検知センサ47は、例えば超音波センサであり、収納台30の屋外側及び下方に障害物がある場合にコントローラ40に対して検知信号を出力する。
【0035】
また、コントローラ40の入力側には、固定検知手段としての固定検知センサ48が接続されている。固定検知センサ48は、収納台30に載置した自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより挟持されたことを検知するセンサである。固定検知センサ48も障害物検知センサ47と同様、各物品収納装置20ごとに設けられており、例えば固定ベルト34の挟持部34aに内蔵されている。固定検知センサ48は、自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより固定された場合にコントローラ40に検知信号を出力する。
【0036】
これらのセンサ47,48の他に、コントローラ40の入力側には居住者によって操作される操作装置49が設けられている。操作装置49は、例えばコントローラ40と一体に設けられている。操作装置49には各種ボタンが設けられており、各ボタンが操作されることにより操作信号が適宜コントローラ40に入力される。これにより、上記電子キー44の他、操作装置49によっても収納台30を移動させることが可能となっている。
【0037】
一方、コントローラ40の出力側には、各物品収納装置20の移動部材27及び収納台30を移動させる駆動装置41,42が接続されている。コントローラ40は、電子キー44又は操作装置49からの上昇信号又は下降信号に基づいて各駆動装置41,42に対し駆動信号を出力し、各移動部材27及び各収納台30の移動制御を行う。コントローラ40は、固定検知センサ48から検知信号が入力されていない場合には、上昇信号又は下降信号を入力した場合であっても駆動装置41,42に対して駆動信号を出力しないように制御する。また、コントローラ40は、駆動装置41,42の駆動中に障害物検知センサ47から検知信号が入力された場合には、駆動装置41,42に対する駆動信号の出力を停止し移動部材27及び収納台30の移動を停止させる。
【0038】
次に、以上のような構成を有する物品収納装置20によって自転車35を収納する作用について説明する。ここでは、隣地間通路18から壁部17に向かって左側の物品収納装置20に自転車35を収納する場合を例として説明する。
【0039】
左側の物品収納装置20を用いて自転車35を収納しようとする場合、まず初期操作としてユーザは電子キー44中の左側下降ボタン44bを押す。すると、コントローラ40は、第1駆動装置41を駆動制御し、収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を第1レール部26に沿って収納位置から中間位置に向けて移動させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は次に第2駆動装置42を駆動制御し、収納台30を第2レール部31に沿って中間位置から載置位置へ向けて下降させる。
【0040】
収納台30が載置位置に到達後、ユーザは自転車35を収納台30の載置面30dに載置する。そして、固定ベルト34の挟持部34aにより自転車35のハンドルステイ34bを挟持する。これにより、収納台30に自転車35が固定され、固定検知センサ48から検知信号がコントローラ40に出力される。
【0041】
次に電子キー44中の左側上昇ボタン44aを押すと、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を中間位置へ向けて上昇させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は次に第1駆動装置41を駆動制御して収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を収納位置に向けて引き込み移動させる。そして、収納台30が収納位置に到達すると、コントローラ40は第1駆動装置41を制御して収納台30を停止させる。これにより、自転車35は収納空間21に収納され、物品収納装置20による収納動作が完了する。
【0042】
次に前記動作により収納された自転車35を地盤面19に下ろす場合には、電子キー44中の左側下降ボタン44bを押す。すると、コントローラ40は第1駆動装置41を駆動制御して収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を中間位置に向けて移動させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を第2レール部31に沿って載置位置に向けて下降させる。収納台30が載置位置に到達すると、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を停止させる。これにより、固定ベルト34の挟持部34aによる自転車35の固定を解除すれば自転車35を収納台30から取り出すことができる。
【0043】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0044】
隣地間通路18に面した壁部17には地盤面19から所定の高さ位置に収納空間21を設けた。そして、自転車35を載置する収納台30を下降側の載置位置と上昇側の収納位置との間で駆動装置41,42により移動させるようにした。これにより、自転車35を収納空間21に、すなわち隣地間通路18の地盤面19から所定の高さ位置に収納することができるため、居住者が隣地間通路18を通行したり自転車等で移動したりするのを妨げることなく自転車35を収納することができる。また、収納台30はカバー部30cを有しているため、収納された自転車35の一部(詳細には下部)を隣地間通路18側から見えないようにすることができる。これにより、建物10の外観を著しく損なうことなく自転車35を収納することができる。また、カバー部30cの上端位置は、収納台30に載置した自転車35のペダル部35aの高さ位置よりも上方に設定されているため、自転車35における突出部分であるペダル部35aが隣地間通路18側に突出するのをカバー部30cにより防止することができる。
【0045】
収納空間21は壁部17において隣地間通路18側に開口している。そして、収納台30を駆動装置41,42によりその開口部を介して載置位置と収納位置との間で移動させることができるため、隣地間通路18から自転車35を収納空間21へ収納したり収納空間21に収納した自転車35を取り出したりする作業を容易とすることができる。
【0046】
収納台30を第1駆動装置41により載置位置と中間位置との間で移動させるようにし、第2駆動装置42により中間位置と収納位置との間で移動させるようにしたため、収納台30を自動で載置位置と収納位置との間で移動させることができる。これにより、自転車35を収納台30に載置した後は自動で自転車35を収納空間21に収納することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0047】
物品収納装置20は、建物躯体の一部である天井梁16に対しボルト等の締結手段により固定した。これにより、一般に重量物となることが想定される物品収納装置20を安定した状態で建物10に固定することができる。また、自転車35を載置した収納台30を移動させる際にも安定した状態で移動させることができる。
【0048】
収納台30の載置位置においては収納台30の載置面30dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルに設定されているため、自転車35を収納台30に載せたり収納台30から下ろしたりする作業を自転車35を持ち上げることなく行うことができる。詳細には、自転車35を前進又は後進させることにより収納台30に載せたり収納台30から下ろしたりすることができる。
【0049】
コントローラ40は居住者が携帯する電子キー44から送信された識別情報と予めコントローラ40に登録された識別情報とが一致したことを条件として収納台30の移動制御を行うこととした。これにより、居住者以外の第三者により収納台30が移動されるのを防止することができるため、収納台30に収納された自転車35が盗難の被害に遭うのを抑止することができる。
【0050】
収納台30に載置した自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより固定されたことを固定検知センサ48が検知したことを条件として収納台30を移動させるように制御した。これにより、自転車35が固定ベルト34により固定されないまま収納台30が移動するのを防止することができるため、収納台30の移動中に自転車35が転倒し自転車35が損傷する事態を未然に回避することができる。
【0051】
収納台30の屋外側及び下方に障害物がある場合には、障害物検知センサ47により障害物を検知することにより収納台30の移動を停止させるように制御した。これにより、収納台30が障害物に衝突し障害物又は収納台30が損傷する事態を未然に回避することができる。
【0052】
物品収納装置20は収納空間21の幅方向に横並びで一対設けられているため、物品を一対の収納台30に跨るように載置することができる。これにより、カヌーや物干し竿等長尺状の物品であっても収納空間21に収納することができる。なお、この場合、物品を収納する際には一対の収納台30を同時に移動させる必要がある。
【0053】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0054】
(1)上記実施形態では、壁部17における収納空間21の奥側(詳細には、収納空間21の奥側面21aと壁部17の屋内面17aとの間)には窓を設けない構成としたが、窓を設ける構成としてもよい。この場合、図6に示すように、壁部61に形成された収納空間62の奥側面62aに屋内外方向に貫通する矩形状の開口部63を設け、その開口部63に窓64を配設する。これにより、収納された自転車35を盗難しようとする不審者が万が一現れた場合でも窓64を介して確認することができるため、自転車35の盗難を防止すべく対応することが可能となる。また、窓64を介して屋内に太陽光を採り入れることができるとともに、窓64を開ければ屋内を通風性のよい空間とすることができる利点もある。
【0055】
さらに、壁部61には、図6に示すように、収納空間62の下方において屋内面61aに対して凹ませた凹状空間(以下、収納領域66という)を設けることもできる。これにより、収納領域66には棚67を設置したり折り畳みいすを収納したりすることができるため、通常の壁より厚み寸法が大きくなるように形成された壁部61の厚み分のスペースを有効活用することができる。
【0056】
また、収納領域66の開口部には引き戸68を設けてもよい。この場合、引き戸68をその室内69側の面が壁部61の屋内面61aと略同一面となるように設ければ、室内69における居住者の歩行に支障をきたすことを防止することができる。
【0057】
(2)上記実施形態では、自転車35の収納時において自転車35はカバー部30cよりも上側は外部から見ることができたが、カバー部30cよりも上側の部分についても外部から見えないようにしてよい。この場合、図7に示すように、収納台71のカバー部71aの上方に開閉カバー72を設けるとよい。開閉カバー72は、収納台71とほぼ同一の幅を有する板材により形成されている。開閉カバー72は、カバー部71aの板面とほぼ同一平面上にある板面を有するとともにその下端部がカバー部71aの上端部と当接又は近接する位置関係にある平板部72aと、その平板部72aの上端部から屋内側に折り曲げられて形成された折り曲げ部72bとからなる。開閉カバー72の折り曲げ部72bの先端部には、回動軸(図示略)が設けられている。この回動軸は、開閉カバー72の幅方向に延びるように形成されており、収納空間75の側面の屋外側上端部に取り付けられている。これにより、開閉カバー72は、回動軸を回動中心として回動可能とされている。したがって、開閉カバー72を屋外側に回動させることにより収納空間75を開口し、開閉カバー72を屋内側に回動させることにより収納空間75を(カバー部71aとともに)閉鎖することができる。よって、自転車35の収納時には開閉カバー72を屋内側に回動させることにより収納台71のカバー部71aよりも上方の部分についても外部から見えないようにすることができるため、外観をより損なうことなく自転車35を収納することができる。
【0058】
(3)上記(2)で示した物品収納装置では収納台71の幅方向両端部が屋外側に開口されているため、収納台71の幅方向両側からはその開口部を介して収納空間75に収納された自転車35を見ることができた。しかしながら、自転車35の収納時において自転車35を外部から完全に見えないように収納してもよい。この場合、図8に示すように、収納空間81の上端部及び下端部にそれぞれ延出板82を設ける。延出板82は、収納空間81の開口幅とほぼ同一の幅を有する水平状の板材であり、屋内側端部が収納空間81の奥側面81aに当接又は近接した位置にある一方、屋外側の部分は壁部85の屋外面85aよりも屋外側に延出した延出部82aとなっている。収納台87は収納位置においては一対の延出部82aの間に挟まれた空間と収納空間81との連続空間に配置されている。したがって、壁部85の厚み寸法を大きくしないでも自転車35を収納することができるようになっている。また、各延出部82aは収納位置にある収納台87の屋外側端部よりも屋外側に延出されている。
【0059】
延出部82aには、シャッタカーテン86が設けられている。各延出部82aの屋外側端部における幅方向両端部のコーナー部にはそれぞれ円弧状にR部83が形成されている。そして、各延出部82aの内側面(対向面)には外縁に沿ってそれぞれシャッタレール(図示略)が設けられており、各シャッタレールにはシャッタカーテン86の上下方向両端部がそれぞれ配設されている。これにより、シャッタカーテン86をシャッタレールに沿って移動させることができるため、収納空間81を開閉することができる。したがって、自転車35の収納時にシャッタカーテン86により収納空間81を閉鎖すれば自転車35を外部から見えないようにすることができるため、外観を全く損なうことなく自転車35を収納することができる。また、シャッタカーテン86により収納空間81に収納された自転車35を外部と隔離することができるため、自転車35が盗難の被害に遭うのを抑止する効果も期待できる。
【0060】
なお、この場合、コントローラ40が電子キー44から取得した識別情報が予めコントローラ40に登録された識別情報と一致したことを条件として、シャッタカーテン86を開閉制御するようにしてもよい。そうすれば、居住者以外の者によりシャッタカーテン86が開放されるのを防止することができるため、収納された自転車35が盗難の被害に遭うのをより一層抑止することができる。
【0061】
(4)上記実施形態では、物品収納装置20を用いて収納する物品として自転車35を例として説明したが、その他の物品を物品収納装置20により収納してもよい。例えば、自転車35と同様に隣地間通路18や車庫の空きスペースに置かれることが多いタイヤやポリタンク、工具類等を物品収納装置20により収納するようにしてもよい。この場合、物品を収納台30に固定する固定手段は固定ベルト34に限定されず、物品の種類に応じて適宜変更するのがよい。
【0062】
(5)上記実施形態では、物品収納装置20を建物10の屋外側に設置する構成としたが、物品収納装置20を車庫等の屋内空間に設置してもよい。例えば、図9に示すように、車庫90においては、車庫内空間91を形成する壁部92における所定の高さ位置(例えば、車両設置面96から1.5〜2.5mの高さ)に屋内面(車庫内空間91側の壁面)92aに対して凹ませるように収納空間93を形成し、その収納空間93に物品収納装置98を設けるとよい。そうすれば、車両94の入出庫の妨げとなることなく自転車35を車庫90内に収納することができるため、車両94の入出庫のたびに自転車35を移動させる必要がなくなる。また、自転車35は収納台95に対し固定ベルト99により固定されて収納されるため自転車35が転倒することにより車両94が傷つく事態を回避することができる。さらには、自転車35の他、一般に車庫90内の空きスペースに保管されることの多い車両94のタイヤ97等を物品収納装置98により収納すれば、車庫内空間91を有効活用することができる。
【0063】
(6)収納台30のカバー部30cは透明にしてもよい。これにより、収納台30に収納された物品を視認しやすくすることができる。特に収納台30に載置した場合にカバー部30cにより外部から完全に見えなくなる小型の物品を収納する場合には効果が大きい。
【0064】
(7)上記実施形態では、収納台30のカバー部30cの下端部に障害物検知センサ47を設けたが、障害物検知センサ47は必ずしも設ける必要はない。但し、収納台30を移動させる際に収納台30の移動範囲に障害物があると、収納台30が障害物に干渉し収納台30又は障害物が損傷するおそれがある。その点を考慮すると、収納台30には障害物検知センサ47を設けるのが望ましい。
【0065】
(8)上記実施形態では、下階ユニット13aの天井梁16に物品収納装置20を固定する構成としたが、物品収納装置20を壁部17のみに取り付ける構成としてもよい。但し、一般に重量物となることが想定される物品収納装置20を安定して建物10に固定することを考慮すると、物品収納装置20は建物躯体の一部である天井梁16等の構造材に固定するのが望ましい。
【0066】
(9)物品収納装置20の上方に壁部17の屋外面17bから隣地間通路18側に収納台30よりも屋外側に突出するように庇板を設けてもよい。そうすれば、雨天時においては自転車35が雨に濡れるのを極力回避しながら収納することができる。
【0067】
(10)電子キー44中の各ボタン44a〜44dを操作している(例えば、各ボタン44a〜44dを押している)間のみ収納台30が移動し、各ボタン44a〜44dの操作を中止する(例えば、各ボタン44a〜44dを押すのをやめる)と収納台30の移動が停止するように制御してもよい。これにより、収納台30の移動中に収納台30の移動範囲に障害物が存在することに気がついたり障害物が突然現れたりした場合であっても簡易な操作により収納台30を停止させることができるため、障害物との干渉を未然に回避することが期待できる。なお、本実施形態は、特に物品収納装置20に障害物検知センサ47を設けない構成とする場合に効果が大きい。
【0068】
(11)上記実施形態では、収納台30を第1駆動装置41により載置位置と中間位置との間で移動させ、第2駆動装置42により中間位置と収納位置との間で移動させることにより収納台30を載置位置と収納位置との間で移動させるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、図10に示すように、収納台101の上端部にワイヤ102の一端を取り付け、このワイヤ102を巻き取り装置103により巻き取り又は引き出すことにより収納台101を載置位置と収納位置との間で移動させるようにしてもよい。これにより、物品収納装置100の構成の簡素化を図ることが期待できる。
【0069】
この場合、ベース本体部104には側板部104aの下部に屋内外方向に延びるレール部105を設け、移動部材106には幅方向両端部の下部に回転部材としての回転体(図示略)を取り付ける。そして、回転体をレール部105に配設することにより移動部材106を回転体を介してレール部105に支持させる。これにより、移動部材106(詳細には収納台101を含む)は、回転体がレール部105を転がることによりレール部105に沿って移動可能とされる。詳細には、移動部材106は、収納位置(図10(a)に示す位置)から屋外側(隣地間通路18側)に移動する際には巻き取り装置103によりワイヤ102が固定された状態で移動する。したがって、移動部材106は、上端部の位置が収納空間108の奥側に保持されたまま回転体がレール部105を屋外側に向けて転がる。これにより、移動部材106は、回転体がレール部105の屋外側端部に到達する中間位置(図10(b)に示す位置)においては、屋外側への下り傾斜状態となる。
【0070】
収納台101は、移動部材106が中間位置にある場合に、移動部材106に沿って移動可能となっている(図10(c)参照)。この場合、収納台101は、巻き取り装置103によるワイヤ102の巻き取り又は引き出しにより中間位置と載置位置(図10(d)に示す位置)との間を移動することができる。収納台101は、載置位置において背板部101aが移動部材106の中空部107から下方に出され直立状態となり、地盤面19に載置される。
【0071】
(12)また、物品収納装置20に移動部材27を設けない構成としてもよい。この場合、図11に示すように、壁部111に設けた収納空間112の底面112aを屋外側に向かって下方傾斜させ、ベース本体部113には側板部113aの下部に収納空間112の底面112aに沿って延びる傾斜レール部115を有するレール114を設ける。レール114は、傾斜レール部115の屋外側端部から延設されて下方に延びる昇降レール部116を有しており、昇降レール部116は地盤面19に近接した位置まで下方に延びている。収納台117の背板部117aの幅方向両端部には下端部に回転体(図示略)が取り付けられている。この回転体がレール114に配設されることにより収納台117はレール114に支持されている。これにより、収納台117は、回転体がレール114を転がることによりレール114に沿って移動可能となっている。
【0072】
また、収納台117の上端部には上記(11)に示す場合と同様、ワイヤ118の一端が取り付けられており、ワイヤ118を巻き取り装置119により巻き取り又は引き出することにより収納台117を移動させることができるようになっている。収納台117が傾斜レール部115に沿って収納位置(図11(a)に示す位置)から屋外側に移動する際には、巻き取り装置119によりワイヤ118には巻き取り方向の所定の力が作用している。したがって、収納台117は、上端部の位置が収納空間112の奥側に保持されたまま(詳細には、ワイヤ118は若干引き出される)回転体が傾斜レール部115を屋外側に向けて転がる。これにより、収納台117は、回転体が傾斜レール部115の屋外側端部に到達する中間位置(図11(b)に示す位置)においては、屋外側への下り傾斜状態となる。
【0073】
そして、収納台117は、回転体が昇降レール部116を転がることにより中間位置と、回転体が昇降レール部116の下端部に到達する載置位置(図11(c)に示す位置)との間で移動可能となっている。収納台117は、中間位置から載置位置へ移動するに従い傾斜状態から直立状態へ移行し載置位置において直立状態となる。
【0074】
(13)上記実施形態では、駆動装置41,42により収納台30を自動で移動させるようにしたが、収納台30をバランサ等を用いて手動で移動させるようにしてもよい。
【0075】
(14)上記実施形態では、建物10に一対の物品収納装置20を設けたが、物品収納装置20を1つだけ設けてもよいし、また3つ以上設けてもよい。
【0076】
(15)上記実施形態では、ユニット式建物に対して本発明を適用したが、他の構造の建物に適用してもよい。例えば、鉄骨軸組工法により構築される建物や、枠組壁工法により構築される建物、木造在来工法により構築される建物にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ユニット式建物の概要を示す斜視図。
【図2】物品収納装置を示す斜視図。
【図3】物品収納装置の構成を示す縦断面図。
【図4】物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図。
【図5】物品収納装置の制御システムの概要を示すブロック図。
【図6】物品収納装置及び収納領域を示す縦断面図。
【図7】別例における物品収納装置を示す斜視図。
【図8】別例における物品収納装置を示す斜視図。
【図9】車庫における物品収納装置の構成を示す横断面図。
【図10】別例における物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は中間位置と載置位置との間の位置における縦断面図、(d)は載置位置における縦断面図。
【図11】別例における物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図。
【符号の説明】
【0078】
10…建物、13…建物ユニット、16…天井梁、17…壁としての壁部、17b…壁面としての屋外面、19…地盤面、20…物品収納装置、21…収納空間、26…案内機構としての第1レール部、27…案内機構としての移動部材、30…収納台、30c…開口閉鎖手段としてのカバー部、31…案内機構としての第2レール部、35…物品としての自転車、35d…載置面、40…コントローラ、41…駆動装置としての第1駆動装置、42…駆動装置としての第2駆動装置、71a…開口閉鎖手段としてのカバー部、72…開口閉鎖手段としての開閉カバー、82…延出部としての延出板、85a…開口側壁面としての屋外面、86…開口閉鎖手段としてのシャッタカーテン、103…駆動装置としての巻き取り装置、119…駆動装置としての巻き取り装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭では自転車の置き場所として建物の軒下における隣地境界線に沿った通路(以下、隣地間通路という)や車庫内の空きスペースを利用する場合が一般的である。しかしながら、隣地間通路を自転車置き場として使用すると、自転車が人の通行の妨げとなり、人が通るたびに自転車を動かす必要があるため面倒である。また、車庫内の空きスペースを自転車置き場として使用すると、車両を車庫に入出庫する際に自転車が邪魔になるおそれがあるとともに自転車の転倒により車両が傷付く事態も想定される。
【0003】
そこで、上記問題点を解決しようとするものとして、自転車をワイヤで上方に吊り上げて支持する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。これによれば、自転車をワイヤにより建物の軒下に吊り上げることができるため、隣地間通路において人の通行を妨げることなく自転車を保持することができる。また、車庫においては通常居住者の手が届かないため利用されないことが多い天井面寄りのデッドスペースに自転車を吊り上げて格納することができるため、車両の入出庫を妨げることなく自転車を格納することができる。
【特許文献1】実開平7−19076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ワイヤにより上方に吊り上げられた自転車は外部に露出されているため外観上好ましくない。また、ワイヤを自転車に固定する作業が必要であるため作業上面倒である。
【0005】
ところで、建物の軒下における隣地間通路や車庫内に置かれるものとしては上記自転車の他にタイヤやポリタンク等が挙げられる。これらについても自転車と同様、隣地間通路や車庫内に置かれれば人の通行の妨げとなったり車両の入出庫の妨げとなったりするとともに外観上好ましくない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物の隣地間通路や車庫内に物品を収納する場合においても、人の通行や車両の入出庫を妨げることなく、かつ、外観を著しく損なうことなく物品を収納することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物は、建物の壁における所定の高さ位置において前記壁の壁面側に開口するように形成された収納空間と、前記収納空間に収納される物品を載置する載置面を有し、前記物品を積み下ろしする下降側の載置位置と当該載置位置に対して上昇側に位置する前記収納空間における収納位置との間で移動可能とされている収納台と、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で上下方向に案内する案内機構と、前記収納空間の開口部の少なくとも一部を覆う開口閉鎖手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、建物の壁における所定の高さ位置において壁面側に開口するように形成された収納空間に物品を収納することができる。すなわち、物品を収納空間に収納する際には、まず収納台を下降側の載置位置に配置して物品を収納台の載置面に載置する。そして、案内機構により収納台を上方に案内し、その後収納台を収納位置に移動させる。これにより、物品を収納台に載置した状態で収納空間に収納することができる。よって、物品を建物の壁における所定の高さ位置に収納することができるため、建物の隣地間通路や車庫内に物品を収納する場合においても人の通行や車両の入出庫を妨げることなく物品を収納することができる。また、開口閉鎖手段により収納空間の開口側の少なくとも一部を覆うことができるため、収納空間に収納された物品の一部を外部から見えないようにすることができる。これにより、外観を著しく損なうことなく上記の効果を得ることができる。さらには、この開口閉鎖手段により収納空間に収納された物品が収納空間(又は収納台)の外部に突出するのを防止する効果も期待できる。なお、開口閉鎖手段は建物側に設けられていてもよいし、収納台の一部により構成されていてもよい。
【0009】
第2の発明の建物は、第1の発明において、前記壁における前記収納空間を挟んだ上下方向両側には前記収納空間が開口する側の開口側壁面に、前記壁から離間する側に延出する一対の延出部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、壁における収納空間を挟んだ上下方向両側には収納空間が開口する側の開口側壁面に壁から離間する側に延出する延出部が設けられているため、収納空間と一対の延出部の間に挟まれた空間との連続空間に物品を載置した収納台を収納することができる。これにより、壁の構造上の関係(例えば、壁の厚さ寸法を大きくすることができない)等により収納空間の(凹み)深さ寸法を大きくすることができない場合であっても物品を前記連続空間に収納することができる。また、収納空間には収納することができない厚み寸法(壁の厚さ方向における長さ寸法)の大きい物品についても収納することが可能となる。さらに、収納空間よりも上側に延出部が設けられているため、雨天時においては物品が雨に濡れるのを極力回避しながら収納することができる。
【0011】
第3の発明の建物は、第1又は第2の発明において、前記案内機構は、前記載置位置から上昇した位置と前記収納位置との間で前記収納台を案内することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、収納台を載置位置から収納空間とほぼ同じ高さ位置まで案内し、その後収納台を収納位置に案内することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0013】
第4の発明の建物は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記載置位置では、前記収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルに配置されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルとなるように収納台の載置位置が設定されているため、物品を高く持ち上げることなく物品を収納台の載置面に載せたり又は収納台から下ろしたりすることができる。また、物品の種類によっては物品を引きずったり転がしたりすることにより収納台に載せたり下ろしたりすることが可能となる。これにより、物品の収納作業の負荷を軽減させることが期待できる。
【0015】
第5の発明の建物は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記案内機構は、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で移動させる駆動装置と、前記駆動装置を駆動操作する操作部が操作されている場合にのみ前記収納台が移動するように前記駆動装置を駆動制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、収納台を駆動装置により載置位置と収納位置との間で移動させることができるため、収納台を自動で載置位置と収納位置との間で移動させることができる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、駆動装置は、ユーザにより操作部が操作されている場合にのみ収納台が移動するように駆動制御されるため、ユーザが操作部の操作を中止すれば駆動装置の動作は停止しひいては収納台が停止する。これにより、収納台の移動中に収納台の移動範囲に障害物が存在することに気がついたり障害物が突然現れたりした場合であっても操作部の操作を中止するだけで収納台を停止させることができるため、簡易かつ迅速に障害物との干渉を回避することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、ユニット式建物の概要を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態では、建物10としてユニット式建物を採用している。建物10は、建物本体11と、建物本体11の上方に配設される屋根12とにより構成されている。建物本体11は、複数の建物ユニット13が連結されることにより構成されており、各建物ユニット13は、柱、梁等により形成される直方体状の骨格(フレーム)を有してなる。
【0019】
建物10は、一階部分14と二階部分15とからなる二階建ての建物である。建物10と隣地22(詳細には隣地境界線)との間には、居住者が歩行したり自転車等で移動したりする通路(以下、隣地間通路18という)が設けられている。そして、建物10の一階部分14に配置された建物ユニット13のうち隣地間通路18に面した建物ユニット13のひとつ(以下、下階ユニット13aという)には物品収納装置20が設けられている。
【0020】
次に、この物品収納装置20について図2、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。なお、図2は物品収納装置20を示す斜視図であり、図3は物品収納装置20の構成を示す縦断面図である。図4は物品収納装置20の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図である。そして、本実施形態では、この装置20によって収納される物品として自転車35を想定している。
【0021】
図2に示すように、物品収納装置20は、下階ユニット13aにおいて隣地間通路18に面する外壁としての壁部17に設けられている。壁部17には隣地間通路18の地盤面19から所定の高さ(例えば、地盤面19から約1〜2mの高さ)において屋外面17bに対し凹ませた凹状空間(以下、収納空間21という)が矩形状に形成されている。そして、この収納空間21には、一対の物品収納装置20が収納空間21の幅方向に横並びに設けられている。
【0022】
なお、壁部17の屋内面17aは、収納空間21の形成されている部分のみならずその周囲を含め屋内面17a全域に渡って凹凸なく略平坦に形成されている。したがって、壁部17に収納空間21を設けたにもかかわらず室内における居住者の歩行に支障をきたすことがない。
【0023】
各物品収納装置20は、建物10に取り付けられるベース本体部23を有している。ベース本体部23は、剛性に優れた金属製の板材により形成されている。ベース本体部23は、収納空間21の屋内側鉛直面(以下、奥側面21aという)に取り付けられる鉛直板部23aと鉛直板部23aの幅方向両端部において屋外側に折り曲げられた一対の側板部23bとを有している。鉛直板部23aは、収納空間21の奥側面21aにボルト等の締結手段により取り付けられている。さらに、ベース本体部23は、鉛直板部23aの上端部において屋外側に折り曲げられた天井板部23cと、その天井板部23cの先端部において上方に折り曲げられた固定板部23dとを有している。固定板部23dの屋内側面は壁部17の屋外面17bに当接されており、固定板部23dは壁部17を介して下階ユニット13aの天井梁16にボルト等の締結手段により固定されている。
【0024】
ベース本体部23の各側板部23bには、屋内外方向(収納空間21の奥行き方向)に延びる第1レール部26が設けられている。第1レール部26は、各側板部23bにおいてそれぞれ上部レール26a及び下部レール26bを有してなる。第1レール部26は、その屋外側端部が壁部17の屋外面17bよりも屋外側に突出するように設けられている。
【0025】
第1レール部26には、移動部材27が移動可能に支持されている。移動部材27は、金属製であり、薄型四角筒状に形成されている。移動部材27は、壁部17の屋外面17bと平行な板面を有する一対の平板部27aを有しており、各平板部27aの幅方向両端部を屋内外方向に短く連結することにより薄型四角筒状とされている。移動部材27の幅方向両端部には、回転部材としての第1回転体28が複数取り付けられている。各第1回転体28はそれぞれ上部レール26a及び下部レール26bに配設されている。これにより、移動部材27は第1回転体28を介して第1レール部26に支持されている。したがって、移動部材27は、第1回転体28が各レール26a,26bを転がることにより第1レール部26に沿って移動可能となっている。そして、移動部材27は、ベース本体部23の鉛直板部23aに近接又は当接する収納位置(図4(a)に示す位置)と壁部17の屋外面17bよりも屋外側に位置する中間位置(図4(b)に示す位置)との間を移動することができるようになっている。
【0026】
移動部材27の内側領域(以下、中空部29という)における幅方向両端部には、上下方向に延びる一対の第2レール部31が設けられている。第2レール部31には、物品としての自転車35を載置する収納台30が移動可能に設けられている。収納台30は、移動部材27(詳細には平板部27a)と平行な板面を有する鉛直板状の背板部30aと、背板部30aの下端部から屋外側に延びる台部30bと、台部30bの屋外側先端部から上方に延びるカバー部30cとを有している。台部30bの上面は自転車35を載置する載置面35dとなっている。また、カバー部30cは、その上端部が収納台30に載置された自転車35のペダル部35aの高さ位置よりも上方に位置するように形成されている。
【0027】
収納台30の背板部30aには幅方向両端部に回転部材としての第2回転体(図示略)が複数取り付けられている。収納台30の背板部30aは移動部材27の中空部29に収納されており、各第2回転体が第2レール部31に配設されている。これにより、収納台30は、第2回転体を介して第2レール部31に支持されている。したがって、収納台30は、第2回転体が第2レール部31を転がることにより第2レール部31に沿って上下方向に移動可能となっている。具体的には、収納台30は、移動部材27が前述の中間位置にある場合に上下方向に移動可能となっており、当該中間位置とその下端部(台部30bの下端部)が地盤面19に近接又は当接する下降側の載置位置(図4(c)に示す位置)との間で移動することができるようになっている。そして、収納台30の載置位置においては、収納台30の載置面35dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルに設定されている。
【0028】
収納台30には、自転車35を固定する固定ベルト34が設けられている。固定ベルト34は、その一端が収納台30のカバー部30cの上部に取り付けられている。固定ベルト34の他端には収納台30に載置した自転車35のハンドルステイ35bを挟持するための挟持部34aが設けられている。これにより、収納台30に載置した自転車35を固定ベルト34により固定することができるため、収納台30の移動時において自転車35が転倒するのを防止することができる。
【0029】
物品収納装置20には、上記移動部材27及び収納台30を移動させる駆動装置41,42が設けられている。駆動装置41,42は、電動モータ等の電動式の駆動機構からなる駆動手段である。第1駆動装置41は、移動部材27に設けられており、第1回転体28を回転駆動させる。これにより、第1駆動装置41が第1回転体28を回転させることにより移動部材27は第1レール部26に沿って移動する。一方、第2駆動装置42も第1駆動装置41に設けられており、収納台30を昇降させる。第2駆動装置42は例えば収納台30の上端部に連結されたワイヤ等(図示略)を巻き取り又は引き出す巻き取りローラ(図示略)を有しており、その巻き取りローラを回転させることによりワイヤを巻き取り又は引き出すことで収納台30を昇降させる。これにより、収納台30は第2回転体が第2レール部31を転がりながら第2レール部31に沿って昇降される。
【0030】
次に、収納台30の移動を制御する制御システムの電気的構成について、図5に基づいて説明する。
【0031】
建物10には、収納台30の移動を制御するコントローラ40が設けられている。コントローラ40は、例えば壁部17の屋内面17aに設けられている。コントローラ40は、CPU、ROM等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。コントローラ40は、居住者が携帯する電子キー44との間で無線通信可能な無線通信装置40aを備えている。
【0032】
電子キー44は、隣地間通路18から壁部17に向かって左側の収納台30を昇降させる左側上昇ボタン44a及び左側下降ボタン44bと、隣地間通路18から壁部17に向かって右側の収納台30を昇降させる右側上昇ボタン44c及び右側下降ボタン44dとを有している。居住者により各ボタン44a〜44dが操作されると、電子キー44から上昇信号又は下降信号が送信される。そして、これらの信号を無線通信装置40aが受信するとコントローラ40はそれらの信号に基づいて各収納台30の上昇制御又は下降制御を行う。
【0033】
電子キー44には、居住者を特定する識別情報が記憶されている。電子キー44は、前述した上昇信号又は下降信号とともに識別情報をコントローラ40に送信する。コントローラ40には、電子キー44に対応する識別情報があらかじめ登録されている。コントローラ40は、電子キー44から取得した識別情報が予め登録されている識別情報と一致していることを条件として、収納台30を上昇又は下降制御する。
【0034】
コントローラ40の入力側には、障害物検知手段としての障害物検知センサ47が接続されている。障害物検知センサ47は、収納台30の屋外側(隣地間通路18側)及び下方に(すなわち収納台30の移動範囲に)障害物があることを検知するセンサである。障害物検知センサ47は、各物品収納装置20ごとに設けられており、例えば収納台30のカバー部30cの屋外側(隣地間通路18側)下端部に設けられている。障害物検知センサ47は、例えば超音波センサであり、収納台30の屋外側及び下方に障害物がある場合にコントローラ40に対して検知信号を出力する。
【0035】
また、コントローラ40の入力側には、固定検知手段としての固定検知センサ48が接続されている。固定検知センサ48は、収納台30に載置した自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより挟持されたことを検知するセンサである。固定検知センサ48も障害物検知センサ47と同様、各物品収納装置20ごとに設けられており、例えば固定ベルト34の挟持部34aに内蔵されている。固定検知センサ48は、自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより固定された場合にコントローラ40に検知信号を出力する。
【0036】
これらのセンサ47,48の他に、コントローラ40の入力側には居住者によって操作される操作装置49が設けられている。操作装置49は、例えばコントローラ40と一体に設けられている。操作装置49には各種ボタンが設けられており、各ボタンが操作されることにより操作信号が適宜コントローラ40に入力される。これにより、上記電子キー44の他、操作装置49によっても収納台30を移動させることが可能となっている。
【0037】
一方、コントローラ40の出力側には、各物品収納装置20の移動部材27及び収納台30を移動させる駆動装置41,42が接続されている。コントローラ40は、電子キー44又は操作装置49からの上昇信号又は下降信号に基づいて各駆動装置41,42に対し駆動信号を出力し、各移動部材27及び各収納台30の移動制御を行う。コントローラ40は、固定検知センサ48から検知信号が入力されていない場合には、上昇信号又は下降信号を入力した場合であっても駆動装置41,42に対して駆動信号を出力しないように制御する。また、コントローラ40は、駆動装置41,42の駆動中に障害物検知センサ47から検知信号が入力された場合には、駆動装置41,42に対する駆動信号の出力を停止し移動部材27及び収納台30の移動を停止させる。
【0038】
次に、以上のような構成を有する物品収納装置20によって自転車35を収納する作用について説明する。ここでは、隣地間通路18から壁部17に向かって左側の物品収納装置20に自転車35を収納する場合を例として説明する。
【0039】
左側の物品収納装置20を用いて自転車35を収納しようとする場合、まず初期操作としてユーザは電子キー44中の左側下降ボタン44bを押す。すると、コントローラ40は、第1駆動装置41を駆動制御し、収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を第1レール部26に沿って収納位置から中間位置に向けて移動させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は次に第2駆動装置42を駆動制御し、収納台30を第2レール部31に沿って中間位置から載置位置へ向けて下降させる。
【0040】
収納台30が載置位置に到達後、ユーザは自転車35を収納台30の載置面30dに載置する。そして、固定ベルト34の挟持部34aにより自転車35のハンドルステイ34bを挟持する。これにより、収納台30に自転車35が固定され、固定検知センサ48から検知信号がコントローラ40に出力される。
【0041】
次に電子キー44中の左側上昇ボタン44aを押すと、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を中間位置へ向けて上昇させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は次に第1駆動装置41を駆動制御して収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を収納位置に向けて引き込み移動させる。そして、収納台30が収納位置に到達すると、コントローラ40は第1駆動装置41を制御して収納台30を停止させる。これにより、自転車35は収納空間21に収納され、物品収納装置20による収納動作が完了する。
【0042】
次に前記動作により収納された自転車35を地盤面19に下ろす場合には、電子キー44中の左側下降ボタン44bを押す。すると、コントローラ40は第1駆動装置41を駆動制御して収納台30(詳細には収納台30及び移動部材27)を中間位置に向けて移動させる。収納台30が中間位置に到達すると、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を第2レール部31に沿って載置位置に向けて下降させる。収納台30が載置位置に到達すると、コントローラ40は第2駆動装置42を駆動制御して収納台30を停止させる。これにより、固定ベルト34の挟持部34aによる自転車35の固定を解除すれば自転車35を収納台30から取り出すことができる。
【0043】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0044】
隣地間通路18に面した壁部17には地盤面19から所定の高さ位置に収納空間21を設けた。そして、自転車35を載置する収納台30を下降側の載置位置と上昇側の収納位置との間で駆動装置41,42により移動させるようにした。これにより、自転車35を収納空間21に、すなわち隣地間通路18の地盤面19から所定の高さ位置に収納することができるため、居住者が隣地間通路18を通行したり自転車等で移動したりするのを妨げることなく自転車35を収納することができる。また、収納台30はカバー部30cを有しているため、収納された自転車35の一部(詳細には下部)を隣地間通路18側から見えないようにすることができる。これにより、建物10の外観を著しく損なうことなく自転車35を収納することができる。また、カバー部30cの上端位置は、収納台30に載置した自転車35のペダル部35aの高さ位置よりも上方に設定されているため、自転車35における突出部分であるペダル部35aが隣地間通路18側に突出するのをカバー部30cにより防止することができる。
【0045】
収納空間21は壁部17において隣地間通路18側に開口している。そして、収納台30を駆動装置41,42によりその開口部を介して載置位置と収納位置との間で移動させることができるため、隣地間通路18から自転車35を収納空間21へ収納したり収納空間21に収納した自転車35を取り出したりする作業を容易とすることができる。
【0046】
収納台30を第1駆動装置41により載置位置と中間位置との間で移動させるようにし、第2駆動装置42により中間位置と収納位置との間で移動させるようにしたため、収納台30を自動で載置位置と収納位置との間で移動させることができる。これにより、自転車35を収納台30に載置した後は自動で自転車35を収納空間21に収納することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0047】
物品収納装置20は、建物躯体の一部である天井梁16に対しボルト等の締結手段により固定した。これにより、一般に重量物となることが想定される物品収納装置20を安定した状態で建物10に固定することができる。また、自転車35を載置した収納台30を移動させる際にも安定した状態で移動させることができる。
【0048】
収納台30の載置位置においては収納台30の載置面30dが地盤面19とほぼ同じ高さレベルに設定されているため、自転車35を収納台30に載せたり収納台30から下ろしたりする作業を自転車35を持ち上げることなく行うことができる。詳細には、自転車35を前進又は後進させることにより収納台30に載せたり収納台30から下ろしたりすることができる。
【0049】
コントローラ40は居住者が携帯する電子キー44から送信された識別情報と予めコントローラ40に登録された識別情報とが一致したことを条件として収納台30の移動制御を行うこととした。これにより、居住者以外の第三者により収納台30が移動されるのを防止することができるため、収納台30に収納された自転車35が盗難の被害に遭うのを抑止することができる。
【0050】
収納台30に載置した自転車35が固定ベルト34の挟持部34aにより固定されたことを固定検知センサ48が検知したことを条件として収納台30を移動させるように制御した。これにより、自転車35が固定ベルト34により固定されないまま収納台30が移動するのを防止することができるため、収納台30の移動中に自転車35が転倒し自転車35が損傷する事態を未然に回避することができる。
【0051】
収納台30の屋外側及び下方に障害物がある場合には、障害物検知センサ47により障害物を検知することにより収納台30の移動を停止させるように制御した。これにより、収納台30が障害物に衝突し障害物又は収納台30が損傷する事態を未然に回避することができる。
【0052】
物品収納装置20は収納空間21の幅方向に横並びで一対設けられているため、物品を一対の収納台30に跨るように載置することができる。これにより、カヌーや物干し竿等長尺状の物品であっても収納空間21に収納することができる。なお、この場合、物品を収納する際には一対の収納台30を同時に移動させる必要がある。
【0053】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0054】
(1)上記実施形態では、壁部17における収納空間21の奥側(詳細には、収納空間21の奥側面21aと壁部17の屋内面17aとの間)には窓を設けない構成としたが、窓を設ける構成としてもよい。この場合、図6に示すように、壁部61に形成された収納空間62の奥側面62aに屋内外方向に貫通する矩形状の開口部63を設け、その開口部63に窓64を配設する。これにより、収納された自転車35を盗難しようとする不審者が万が一現れた場合でも窓64を介して確認することができるため、自転車35の盗難を防止すべく対応することが可能となる。また、窓64を介して屋内に太陽光を採り入れることができるとともに、窓64を開ければ屋内を通風性のよい空間とすることができる利点もある。
【0055】
さらに、壁部61には、図6に示すように、収納空間62の下方において屋内面61aに対して凹ませた凹状空間(以下、収納領域66という)を設けることもできる。これにより、収納領域66には棚67を設置したり折り畳みいすを収納したりすることができるため、通常の壁より厚み寸法が大きくなるように形成された壁部61の厚み分のスペースを有効活用することができる。
【0056】
また、収納領域66の開口部には引き戸68を設けてもよい。この場合、引き戸68をその室内69側の面が壁部61の屋内面61aと略同一面となるように設ければ、室内69における居住者の歩行に支障をきたすことを防止することができる。
【0057】
(2)上記実施形態では、自転車35の収納時において自転車35はカバー部30cよりも上側は外部から見ることができたが、カバー部30cよりも上側の部分についても外部から見えないようにしてよい。この場合、図7に示すように、収納台71のカバー部71aの上方に開閉カバー72を設けるとよい。開閉カバー72は、収納台71とほぼ同一の幅を有する板材により形成されている。開閉カバー72は、カバー部71aの板面とほぼ同一平面上にある板面を有するとともにその下端部がカバー部71aの上端部と当接又は近接する位置関係にある平板部72aと、その平板部72aの上端部から屋内側に折り曲げられて形成された折り曲げ部72bとからなる。開閉カバー72の折り曲げ部72bの先端部には、回動軸(図示略)が設けられている。この回動軸は、開閉カバー72の幅方向に延びるように形成されており、収納空間75の側面の屋外側上端部に取り付けられている。これにより、開閉カバー72は、回動軸を回動中心として回動可能とされている。したがって、開閉カバー72を屋外側に回動させることにより収納空間75を開口し、開閉カバー72を屋内側に回動させることにより収納空間75を(カバー部71aとともに)閉鎖することができる。よって、自転車35の収納時には開閉カバー72を屋内側に回動させることにより収納台71のカバー部71aよりも上方の部分についても外部から見えないようにすることができるため、外観をより損なうことなく自転車35を収納することができる。
【0058】
(3)上記(2)で示した物品収納装置では収納台71の幅方向両端部が屋外側に開口されているため、収納台71の幅方向両側からはその開口部を介して収納空間75に収納された自転車35を見ることができた。しかしながら、自転車35の収納時において自転車35を外部から完全に見えないように収納してもよい。この場合、図8に示すように、収納空間81の上端部及び下端部にそれぞれ延出板82を設ける。延出板82は、収納空間81の開口幅とほぼ同一の幅を有する水平状の板材であり、屋内側端部が収納空間81の奥側面81aに当接又は近接した位置にある一方、屋外側の部分は壁部85の屋外面85aよりも屋外側に延出した延出部82aとなっている。収納台87は収納位置においては一対の延出部82aの間に挟まれた空間と収納空間81との連続空間に配置されている。したがって、壁部85の厚み寸法を大きくしないでも自転車35を収納することができるようになっている。また、各延出部82aは収納位置にある収納台87の屋外側端部よりも屋外側に延出されている。
【0059】
延出部82aには、シャッタカーテン86が設けられている。各延出部82aの屋外側端部における幅方向両端部のコーナー部にはそれぞれ円弧状にR部83が形成されている。そして、各延出部82aの内側面(対向面)には外縁に沿ってそれぞれシャッタレール(図示略)が設けられており、各シャッタレールにはシャッタカーテン86の上下方向両端部がそれぞれ配設されている。これにより、シャッタカーテン86をシャッタレールに沿って移動させることができるため、収納空間81を開閉することができる。したがって、自転車35の収納時にシャッタカーテン86により収納空間81を閉鎖すれば自転車35を外部から見えないようにすることができるため、外観を全く損なうことなく自転車35を収納することができる。また、シャッタカーテン86により収納空間81に収納された自転車35を外部と隔離することができるため、自転車35が盗難の被害に遭うのを抑止する効果も期待できる。
【0060】
なお、この場合、コントローラ40が電子キー44から取得した識別情報が予めコントローラ40に登録された識別情報と一致したことを条件として、シャッタカーテン86を開閉制御するようにしてもよい。そうすれば、居住者以外の者によりシャッタカーテン86が開放されるのを防止することができるため、収納された自転車35が盗難の被害に遭うのをより一層抑止することができる。
【0061】
(4)上記実施形態では、物品収納装置20を用いて収納する物品として自転車35を例として説明したが、その他の物品を物品収納装置20により収納してもよい。例えば、自転車35と同様に隣地間通路18や車庫の空きスペースに置かれることが多いタイヤやポリタンク、工具類等を物品収納装置20により収納するようにしてもよい。この場合、物品を収納台30に固定する固定手段は固定ベルト34に限定されず、物品の種類に応じて適宜変更するのがよい。
【0062】
(5)上記実施形態では、物品収納装置20を建物10の屋外側に設置する構成としたが、物品収納装置20を車庫等の屋内空間に設置してもよい。例えば、図9に示すように、車庫90においては、車庫内空間91を形成する壁部92における所定の高さ位置(例えば、車両設置面96から1.5〜2.5mの高さ)に屋内面(車庫内空間91側の壁面)92aに対して凹ませるように収納空間93を形成し、その収納空間93に物品収納装置98を設けるとよい。そうすれば、車両94の入出庫の妨げとなることなく自転車35を車庫90内に収納することができるため、車両94の入出庫のたびに自転車35を移動させる必要がなくなる。また、自転車35は収納台95に対し固定ベルト99により固定されて収納されるため自転車35が転倒することにより車両94が傷つく事態を回避することができる。さらには、自転車35の他、一般に車庫90内の空きスペースに保管されることの多い車両94のタイヤ97等を物品収納装置98により収納すれば、車庫内空間91を有効活用することができる。
【0063】
(6)収納台30のカバー部30cは透明にしてもよい。これにより、収納台30に収納された物品を視認しやすくすることができる。特に収納台30に載置した場合にカバー部30cにより外部から完全に見えなくなる小型の物品を収納する場合には効果が大きい。
【0064】
(7)上記実施形態では、収納台30のカバー部30cの下端部に障害物検知センサ47を設けたが、障害物検知センサ47は必ずしも設ける必要はない。但し、収納台30を移動させる際に収納台30の移動範囲に障害物があると、収納台30が障害物に干渉し収納台30又は障害物が損傷するおそれがある。その点を考慮すると、収納台30には障害物検知センサ47を設けるのが望ましい。
【0065】
(8)上記実施形態では、下階ユニット13aの天井梁16に物品収納装置20を固定する構成としたが、物品収納装置20を壁部17のみに取り付ける構成としてもよい。但し、一般に重量物となることが想定される物品収納装置20を安定して建物10に固定することを考慮すると、物品収納装置20は建物躯体の一部である天井梁16等の構造材に固定するのが望ましい。
【0066】
(9)物品収納装置20の上方に壁部17の屋外面17bから隣地間通路18側に収納台30よりも屋外側に突出するように庇板を設けてもよい。そうすれば、雨天時においては自転車35が雨に濡れるのを極力回避しながら収納することができる。
【0067】
(10)電子キー44中の各ボタン44a〜44dを操作している(例えば、各ボタン44a〜44dを押している)間のみ収納台30が移動し、各ボタン44a〜44dの操作を中止する(例えば、各ボタン44a〜44dを押すのをやめる)と収納台30の移動が停止するように制御してもよい。これにより、収納台30の移動中に収納台30の移動範囲に障害物が存在することに気がついたり障害物が突然現れたりした場合であっても簡易な操作により収納台30を停止させることができるため、障害物との干渉を未然に回避することが期待できる。なお、本実施形態は、特に物品収納装置20に障害物検知センサ47を設けない構成とする場合に効果が大きい。
【0068】
(11)上記実施形態では、収納台30を第1駆動装置41により載置位置と中間位置との間で移動させ、第2駆動装置42により中間位置と収納位置との間で移動させることにより収納台30を載置位置と収納位置との間で移動させるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、図10に示すように、収納台101の上端部にワイヤ102の一端を取り付け、このワイヤ102を巻き取り装置103により巻き取り又は引き出すことにより収納台101を載置位置と収納位置との間で移動させるようにしてもよい。これにより、物品収納装置100の構成の簡素化を図ることが期待できる。
【0069】
この場合、ベース本体部104には側板部104aの下部に屋内外方向に延びるレール部105を設け、移動部材106には幅方向両端部の下部に回転部材としての回転体(図示略)を取り付ける。そして、回転体をレール部105に配設することにより移動部材106を回転体を介してレール部105に支持させる。これにより、移動部材106(詳細には収納台101を含む)は、回転体がレール部105を転がることによりレール部105に沿って移動可能とされる。詳細には、移動部材106は、収納位置(図10(a)に示す位置)から屋外側(隣地間通路18側)に移動する際には巻き取り装置103によりワイヤ102が固定された状態で移動する。したがって、移動部材106は、上端部の位置が収納空間108の奥側に保持されたまま回転体がレール部105を屋外側に向けて転がる。これにより、移動部材106は、回転体がレール部105の屋外側端部に到達する中間位置(図10(b)に示す位置)においては、屋外側への下り傾斜状態となる。
【0070】
収納台101は、移動部材106が中間位置にある場合に、移動部材106に沿って移動可能となっている(図10(c)参照)。この場合、収納台101は、巻き取り装置103によるワイヤ102の巻き取り又は引き出しにより中間位置と載置位置(図10(d)に示す位置)との間を移動することができる。収納台101は、載置位置において背板部101aが移動部材106の中空部107から下方に出され直立状態となり、地盤面19に載置される。
【0071】
(12)また、物品収納装置20に移動部材27を設けない構成としてもよい。この場合、図11に示すように、壁部111に設けた収納空間112の底面112aを屋外側に向かって下方傾斜させ、ベース本体部113には側板部113aの下部に収納空間112の底面112aに沿って延びる傾斜レール部115を有するレール114を設ける。レール114は、傾斜レール部115の屋外側端部から延設されて下方に延びる昇降レール部116を有しており、昇降レール部116は地盤面19に近接した位置まで下方に延びている。収納台117の背板部117aの幅方向両端部には下端部に回転体(図示略)が取り付けられている。この回転体がレール114に配設されることにより収納台117はレール114に支持されている。これにより、収納台117は、回転体がレール114を転がることによりレール114に沿って移動可能となっている。
【0072】
また、収納台117の上端部には上記(11)に示す場合と同様、ワイヤ118の一端が取り付けられており、ワイヤ118を巻き取り装置119により巻き取り又は引き出することにより収納台117を移動させることができるようになっている。収納台117が傾斜レール部115に沿って収納位置(図11(a)に示す位置)から屋外側に移動する際には、巻き取り装置119によりワイヤ118には巻き取り方向の所定の力が作用している。したがって、収納台117は、上端部の位置が収納空間112の奥側に保持されたまま(詳細には、ワイヤ118は若干引き出される)回転体が傾斜レール部115を屋外側に向けて転がる。これにより、収納台117は、回転体が傾斜レール部115の屋外側端部に到達する中間位置(図11(b)に示す位置)においては、屋外側への下り傾斜状態となる。
【0073】
そして、収納台117は、回転体が昇降レール部116を転がることにより中間位置と、回転体が昇降レール部116の下端部に到達する載置位置(図11(c)に示す位置)との間で移動可能となっている。収納台117は、中間位置から載置位置へ移動するに従い傾斜状態から直立状態へ移行し載置位置において直立状態となる。
【0074】
(13)上記実施形態では、駆動装置41,42により収納台30を自動で移動させるようにしたが、収納台30をバランサ等を用いて手動で移動させるようにしてもよい。
【0075】
(14)上記実施形態では、建物10に一対の物品収納装置20を設けたが、物品収納装置20を1つだけ設けてもよいし、また3つ以上設けてもよい。
【0076】
(15)上記実施形態では、ユニット式建物に対して本発明を適用したが、他の構造の建物に適用してもよい。例えば、鉄骨軸組工法により構築される建物や、枠組壁工法により構築される建物、木造在来工法により構築される建物にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ユニット式建物の概要を示す斜視図。
【図2】物品収納装置を示す斜視図。
【図3】物品収納装置の構成を示す縦断面図。
【図4】物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図。
【図5】物品収納装置の制御システムの概要を示すブロック図。
【図6】物品収納装置及び収納領域を示す縦断面図。
【図7】別例における物品収納装置を示す斜視図。
【図8】別例における物品収納装置を示す斜視図。
【図9】車庫における物品収納装置の構成を示す横断面図。
【図10】別例における物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は中間位置と載置位置との間の位置における縦断面図、(d)は載置位置における縦断面図。
【図11】別例における物品収納装置の作用を示し、(a)は収納位置における縦断面図、(b)は中間位置における縦断面図、(c)は載置位置における縦断面図。
【符号の説明】
【0078】
10…建物、13…建物ユニット、16…天井梁、17…壁としての壁部、17b…壁面としての屋外面、19…地盤面、20…物品収納装置、21…収納空間、26…案内機構としての第1レール部、27…案内機構としての移動部材、30…収納台、30c…開口閉鎖手段としてのカバー部、31…案内機構としての第2レール部、35…物品としての自転車、35d…載置面、40…コントローラ、41…駆動装置としての第1駆動装置、42…駆動装置としての第2駆動装置、71a…開口閉鎖手段としてのカバー部、72…開口閉鎖手段としての開閉カバー、82…延出部としての延出板、85a…開口側壁面としての屋外面、86…開口閉鎖手段としてのシャッタカーテン、103…駆動装置としての巻き取り装置、119…駆動装置としての巻き取り装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁における所定の高さ位置において前記壁の壁面側に開口するように形成された収納空間と、
前記収納空間に収納される物品を載置する載置面を有し、前記物品を積み下ろしする下降側の載置位置と当該載置位置に対して上昇側に位置する前記収納空間における収納位置との間で移動可能とされている収納台と、
前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で上下方向に案内する案内機構と、
前記収納空間の開口部の少なくとも一部を覆う開口閉鎖手段と
を備えることを特徴とする建物。
【請求項2】
前記壁における前記収納空間を挟んだ上下方向両側には前記収納空間が開口する側の開口側壁面に、前記壁から離間する側に延出する一対の延出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記案内機構は、前記載置位置から上昇した位置と前記収納位置との間で前記収納台を案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物。
【請求項4】
前記載置位置では、前記収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルに配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
【請求項5】
前記案内機構は、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で移動させる駆動装置と、
前記駆動装置を駆動操作する操作部が操作されている場合にのみ前記収納台が移動するように前記駆動装置を駆動制御する制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物。
【請求項1】
建物の壁における所定の高さ位置において前記壁の壁面側に開口するように形成された収納空間と、
前記収納空間に収納される物品を載置する載置面を有し、前記物品を積み下ろしする下降側の載置位置と当該載置位置に対して上昇側に位置する前記収納空間における収納位置との間で移動可能とされている収納台と、
前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で上下方向に案内する案内機構と、
前記収納空間の開口部の少なくとも一部を覆う開口閉鎖手段と
を備えることを特徴とする建物。
【請求項2】
前記壁における前記収納空間を挟んだ上下方向両側には前記収納空間が開口する側の開口側壁面に、前記壁から離間する側に延出する一対の延出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記案内機構は、前記載置位置から上昇した位置と前記収納位置との間で前記収納台を案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物。
【請求項4】
前記載置位置では、前記収納台の載置面が下降側の地盤面又は床面とほぼ同じ高さレベルに配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
【請求項5】
前記案内機構は、前記収納台を前記載置位置と前記収納位置との間で移動させる駆動装置と、
前記駆動装置を駆動操作する操作部が操作されている場合にのみ前記収納台が移動するように前記駆動装置を駆動制御する制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−1601(P2010−1601A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158658(P2008−158658)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
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