建築構造物における装置部材取付用の取付金具
【課題】角板状の座板と、その座板に挿通する締付ボルトと、締結する締付ナットとからなる装置部材取付用の取付金具において、装置部材端部の取付部内に挿入した座板の左右の側辺を、取付部内部の床面と天井面とにそれぞれ平行して対向する状態の姿勢に回転させる作動が有効な締結面積に減少を生ぜしめずに、かつ、迅速な操作で得られるようにする。
【解決手段】上下の巾寸法を装置部材の取付部の開放口の開口巾より広くし、左右の巾寸法を前記取付部の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板と、その座板に挿通する頭部付きの締付ボルトと、に螺合する締付ナットと、からなる装置部材取付用の取付金具において、座板を、左右の側辺が締付ボルトの螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口を、そのボルト挿通口の中心点が、当該座板の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点位置付近に配位して開設した。
【解決手段】上下の巾寸法を装置部材の取付部の開放口の開口巾より広くし、左右の巾寸法を前記取付部の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板と、その座板に挿通する頭部付きの締付ボルトと、に螺合する締付ナットと、からなる装置部材取付用の取付金具において、座板を、左右の側辺が締付ボルトの螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口を、そのボルト挿通口の中心点が、当該座板の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点位置付近に配位して開設した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ合金等の金属材で成形して、建築構造物の外側または内側に装置せしめるルーバー材・てすり材・笠木材等の装置部材を、取付材に対して取付けるための、座板とそれに嵌挿する締付ボルトとその締付ボルトを締結する締付ナットとからなる建築構造物における装置部材取付用の取付金具についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材で成形して、建築構造物の外側または内側に装置せしめるルーバー材・てすり材・笠木材等の装置部材の取付けは、その装置部材aの基端側に、図1・図2にあるように、あり溝状の断面形状をもって長手方向に連続する取付部1を、アルミ合金等の金属材の押出成形により装置部材aを成形する際に一体に連続させた構造として形設しておき、この取付部1内に、角板状の座板2を、それに頭部30付きの締付ボルト3の頭部側が嵌挿された状態として挿入して、嵌挿した締付ボルト3の螺子部31が、前記断面あり溝状の取付部1の外部に対する開放口10から突出する状態とし、この突出させた締付ボルト3の螺子部31を予め所定の個所に配位して設置しておく取付材bの取付板部50に開設したボルト挿通穴51に挿通し、この締付ボルト3の螺子部31に締付ナット4を螺合して締め付けることで、座板2と取付材bの取付板部50とであり溝状の取付部1のの後壁11を挟み込むように締結することにより行っている。
【0003】
この、装置部材aを、取付材bに組み付けセットするための、座板2と締付ボルト3と締付ナット4とからなる装置部材取付用の取付金具cは、通常、図2及び図3に示しているように、ステンレス板などの金属板から形成される上下の高さ寸法Hが、装置部材aの基端側に形設した取付部1の後端面に開設した開裂状の開放口10の上下の開口巾Kより広い寸法で、左右方向の巾寸法Dが、前記取付部1の内腔の上下高さhに略対応する寸法となる後面視において左右に横長の略長方形乃至矩形をなす寸法形状に形成した座板2と、それの中央部位に開設したボルト挿通口21に挿通する頭部30付きの締付ボルト3と、この締付ボルト3の螺子部31に螺合する締付ナット4とにより構成される。
【0004】
そして、この取付金具cを用いて行う装置部材aの取付材bへの組み付けは、取付金具cの角形の座板2を、それに締付ボルト3の頭部30側が嵌挿された状態として、装置部材aの取付部1内に挿入し、その取付部1の後壁11の内面に接合するよう位置させ、この座板2に予め挿通しておく頭部30付きの締付ボルト3の螺子部31を、装置部材aの取付部1の後壁11に形設してある開放口10から後方に突出させ、この螺子部31を、取付材bの取付板部50に形設しておくボルト挿通穴51に通して、その取付板部50の後面側に突き出し、この螺子部31に締付ナット4を螺合して締め付けることで、図4にあるように、装置部材aの取付部1後面の開放口10の上下に位置する後壁11・11を座板2と取付材bの取付板部50とで挟持して固定装着せしめることで行なわれる。
【0005】
この取付材bに装置部材aを組み付けるための装置部材取付用の取付金具cは、通常、それの座板2を、それの上下の高さ寸法Hが、装置部材aの端部に設けた取付部1の後端面の開放口10の上下の開口巾Kより少し大きく、左右の巾寸法Dが取付部1内における取付部1の床板12上面から天板13下面までの高さ寸法hに略対応する寸法となる長方形乃至矩形状の角板状で、かつ、左右の中央線yよりも、座板2を締付ボルト3により回動させるときの回動方向前方に位置するコーナー部分を、弧状または斜辺状の切除した形状のものに形成しておき、この座板2を、それに締付ボルト3を嵌挿して、その締付ボルト3の螺子部31が取付部1後面側の開放口10から後方に突出した状態として、取付部1の長手方向の端部のこぐちから、取付部1の内部に装入し、所定位置にスライドさせ、その位置において、開放口10から突出している締付ボルト3の螺子部31を操作することで、座板2を略90度回転させ、左右の側辺が、図3の右側に示しているように、取付部1の床板12の上面と天板13の下面とにそれぞれ衝合した固定状態とし、この状態において、締付ボルト3の螺子部31を、取付材bの取付板部50に開設したボルト挿通穴51に挿通し、締付ナット4を螺合して締め付けることで、この座板2を取付部1に対し締着、固定して装置部材aを取付材bに対し取り付けるようにしている。
【0006】
このとき、座板2の取付部1内への挿入を、締付ボルト3が挿通された状態として行うのは、先に座板2だけを取付部1内に挿入すると、その座板2に締付ボルト3を、頭部30が座板2の前面に位置する状態として座板2のボルト挿通口21に挿通することが出来なくなることによるものである。
【0007】
また、締付ボルト3を挿通した座板2を、装置部材aの端部に設けた取付部1の長手方向の端部のこぐちから取付部1内に挿入するのは、座板2を寝かせた姿勢として開放口10から挿入しようとすると、図5にあるように、座板2に挿通した締付ボルト3が、取付部1後面の開放口10の口縁に支えて、挿入ができなくなることによる。
【0008】
この装置部材取付用の取付金具cには、長方形乃至矩形状の角板状に成形した座板2を、締付ボルト3の挿通がなされた状態で、横長の姿勢として、取付部1のこぐちから取付部1内に挿入し、取付部1後面の開放口10から突出する締付ボルト3の螺子部31の操作により、横長の姿勢とした状態のまま、開放口10に沿い取付部1内をスライドさせ、所定の位置にきたところで、90度回転させて、左右の側辺を取付部1の床板12と天板13とに衝合させて固定状態とし、この状態において締付ナット4により締結を行うことから、座板2の、左右の側辺と上下の辺縁とのコーナー部分に、取付部1内部における座板2の回転作動を円滑なものとするために円弧状又は斜めの切除部を設けている。
【0009】
座板2が、締付ボルト3に螺合した締付ナット4の締付けにより締結作用を行う部分は、図3の右半側にあるように、左右の側辺が取付部1内の天井面と床面とに突き当たる状態に回転させたときに、取付部1後面側の上下の後壁11・11の内面と重合するようになる上下の端縁部分だけであり、開放口10に対面してくる中間部分は締結には作用しない。
【0010】
このことから、この形態の取付金具cには、取付部1内に挿入した座板2を90度回転させるときの作動が円滑に行われるように、座板2のコーナー部分を切除していることで、この切除している分だけ締結作用を行う部分の面積を小さくして、締結を弱くしている問題がある。
【0011】
また、挿入した座板2は、それに挿入した締付ボルト3中心に締付ボルト3の締付方向に90度回転させて左右の側辺が、取付部1内部の床面と天井面とにそれぞれ衝合して取付部1に対し固定された状態とするが、このとき、座板2の製作の誤差により、左右の巾寸法が取付部1内部の床面から天井面までの高さ寸法に正しく一致していないか、または、コーナー部分の切除が不足している場合に、座板2が90度回転して左右の側辺が取付部1内部の床面と天井面に平行して当接する状態となる前に、左右の側辺の一部が取付部1内部の床面・天井面に支えて、回動が阻止されるか、90度を超して回動して左右の側辺の一部が取付部1内部の床面・天井面に支えることで回動が阻止されるようになるかして、座板2が傾斜した状態で固定されるようになって、締結・固定を不完全にする問題がある。
【0012】
また、座板2を、左右の側辺が取付部1内部の床面および天井面に平行する状態となるよう、正しく90度回転させることがむずかしい問題がある。
【0013】
取付部取付用の取付金具cの座板2には、図6に示している例の座板2のように、それの上下の巾寸法Hを、取付部1の後面の開放口10の上下の開口巾より狭くして、締付ボルト3を挿通した状態において、取付部1の後面の開放口10から取付部1内に装入できるようにした形態のものもある。
【0014】
この形態の取付用の取付金具cの座板2は、ステンレス板などの金属板から角板状に成形することについては、前述の形態のものと同様であるが、形成する座板2を、図6において、図の左半側に示しているように、左右の巾寸法Dが、装置部材aの端部に設けた取付部1内部の床板12上面から天板13下面までの高さ寸法hに略対応し、上下の高さ寸法Hが取付部1後端面の開放口10の上下の開口巾Kより狭くした細巾の帯状片の形状に形成し、これにより、締付ボルト3を挿通した状態の座板2を、取付部1の開放口10から取付部1内に挿入し、挿入し終えたところで、略90度回転させることで、図6の右半側に示しているように、左右の側辺がそれぞれ取付部1内部の床板12上面と天板13下面とに衝合して、取付部1の後端面を形成する上下の後壁11・11の内壁面間に渡架された状態となって、取付部1に対し固定状態となるようにしている形態のものである。
【0015】
この形態の取付金具cの座板2は、締付ボルト3を嵌挿した状態で取付部1内に挿入して、左右の側辺が取付部1内部の床面および天井面に平行して当接する状態にさせるときの回動作動が正しく行われるようにするために、コーナー部分に形成する切除部分により、座板2の締付時の有効な接触面積を小さくして締結を弱くする問題と、製作誤差により、座板2を取付部1内に挿入して、左右の側辺が取付部1の床面および天井面と平行して当接する状態位置に正しく90度回動させることがむずかしい問題とが、前述の形態の取付金具cの座板2と同様にあるものである。
【0016】
しかも、座板2を、取付部1後端面の開放口10から挿入できるよう、上下の巾寸法が開放口10の上下の開口巾より狭い細巾の帯状片に形成していることで、座板2にゆるみ回動が生じ、座板2が開放口10に沿う姿勢に回動してきたときに、開放口10から飛び出るようになって、装置部材aの取付材bに対する組付を不確実なものとする問題のあるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明において解決しようとする課題は、角板状に形成した座板2と、その座板2に設けたボルト挿通口21に挿通する締付ボルト3と、その締付ボルト3の螺子部31に螺合して締結する締付ナット4とからなる装置部材取付用の取付金具cにおいて、締付ボルト3を嵌挿して装置部材a端部の取付部1内に挿入した座板2を、それの左右の側辺が、取付部1内部の床面と天井面とにそれぞれ平行して対向する状態の姿勢に回転させる際に、その座板2を円滑に回転さす作動が、座板2の締結時の有効な締結面積に減少を生ぜしめずに得られるようにすることと、この、座板2を、それの左右の側辺が取付部1の床面と天井面とにそれぞれ平行して対向する状態姿勢に回動させる作動が、迅速な操作で得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するための本発明手段は、装置部材取付用の取付金具の座板の形状および機能について種々の検討を加えて得られた知見に基づいてなされたものである。
【0019】
即ち、角板状に形成する座板は、それの形状を、後面視において、左右の側辺が、締付ボルトの螺子締めの回動方向に傾く斜辺となり、それら斜辺間の間隔が、組み付けるルーバーの床面から天井面までの高さ寸法に対応する寸法となる菱形に成形し、締付ボルトを挿通するボルト挿通口を、そのボルト挿通口の中心点が、当該座板の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点付近に位置するように開設しておけば、座板をルーバー内に挿入して、嵌挿しておいた締付ボルト中心に座板を回転させて、左右の側辺のそれぞれが取付部内部の床面と天井面とに平行して対向する状態姿勢に転換させるとき、取付部内部の床面・天井面に干渉して支えを生ぜしめる座板のコーナー部分は、左右の側辺を斜辺とすることで切除した状態にあることから、この回転は円滑に行われる。そして、この切除された状態となるコーナー部分は、反対側の側辺においては、付加された状態となる。このため座板は接触面積に減少をきたすことなく、姿勢の変換回転させる際座板のコーナー部に生じる干渉が解消されるようになる。
【0020】
そして、左右の側辺を、座板を回転さす方向に傾斜する斜辺に形成してあることで、図9に示しているよう、左右の側辺の傾斜角度を45度とした例について具体的にいえば、座板2は既に45度回転させた状態となっていることになるので、さらに45度回転させるだけで、図3に示している従前の座板を90度回転させたときと同じに、左右の側辺が取付部内部の床面・天井面と平行する状態となることから、少しの回転角度量で、姿勢変換のための座板2の回転作動が終了することになる。という知見が得られたことに基づいてなされたものである。
【0021】
そして、このことから、本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、
上下の巾寸法を、装置部材aの端部に装設せる取付部1の後端面に開設した開放口10の上下の開口巾より広くし、左右の巾寸法を、前記取付部1の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板2と、その座板2に設けたボルト挿通口21に挿通する頭部30付きの締付ボルト3と、その締付ボルト3の螺子部31に螺合する締付ナット4と、からなる装置部材取付用の取付金具cにおいて、座板2を、左右の側辺が、締付ボルト3の螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口21を、そのボルト挿通口21の中心点Pが、当該座板2の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点位置付近に位置するよう配位して開設したことを特徴とする建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
を提起するものである。
また、これに併せて、
座板2の左右の側辺の傾斜角度を座板2の上辺及び底辺に対し略45度に傾斜する角度に設定したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。および、
座板2に開設するボルト挿通口21を、当該座板2の後面視において、締付ボルト3の螺子部31の外径に対応する巾で、上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口21の上下方向に沿う中心線Xの仮想延長線が、該座板2の上下の辺縁に対し略直角に交差する上下方向の長穴状に形設したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
を提起するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明手段による建築構造物における装置部材取付用の取付金具は、左右の側辺が、締付ボルトの螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成して、ボルト挿通口を、中心点が当該座板の後面視において二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点位置付近に位置するよう配位して開設していることで、座板を取付部内部に挿入して、座板に挿通しておいた締付ボルト中心に座板を左右の側辺が取付部内部の床面と天井面とに平行して対向する姿勢に回転させる際に干渉を生ぜしめるコーナー部分の消去を行っているのだから、締結時に取付部の後面側の上下の後壁に接合する座板の接触面の面積に実質的に削減を生ぜしめることなく、干渉部位の消去が得られるようになる。
【0023】
また、取付部の内部に挿入した座板は、斜辺とした左右の側辺の傾斜角度の分だけ、座板を回転させた状態となるので、座板を少しの回動角度量で、左右の側辺が取付部の床面と天井面とに平行して対向する姿勢に回転変換する作動が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の実施の形態を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0025】
図7乃至図21は、本発明による建築構造物における装置部材取付用の取付金具における座板の第1の実施例を示し、図7は同上取付金具の座板を、装置部材の後端部の取付部の内部に挿入した状態における一部破断した後面図、図8は同上座板の前面図、図9は同上の座板の後面図、図10は同上の図8に示す状態における底面図、図11は同上の図9に示す状態における底面図、図12は図8のA−A線断側面図、図13は図9のB−B線縦断側面図、図14は同上の座板に挿通する締付ボルトとそれに螺合する締付ナットの平面図、図15は同上締付ボルトと締付ナットの前面図、図16は同上締付ボルトとそれに螺合する締付ナットの側面図、図17は同上の締付ボルトの図16の状態における前面図、図18は同上の座板のルーバー後端部内に挿入した状態時の後面図、図19は同上状態の座板を螺子締めの方向に回転させて、左右の側辺がルーバーの床面と天井面とに平行して対向するようにした状態時の後面図、図20は同上の座板を締付ボルトとによりルーバーを取付材に取り付けた状態時の側面図、図21は同上状態の縦断側面図を示す。
【0026】
座板2は、ステンレススチール等の金属材から左右の側辺を互いに平行する斜辺とした菱形の板状乃至盤状に成形したもので、中心部位には、前後に貫通するボルト挿通口21が開設してある。斜辺とした左右の側辺の傾斜方向は、該座板2のボルト挿通口21に挿通する締付ボルト3に螺合せしめる締付ナット4による螺子締めの方向に設定してあり、後面視において、図8にあるよう右側に傾斜するようにしてある。
【0027】
この斜辺とする左右の側辺の傾斜角度は、この実施例においては45度にしてある。
【0028】
この例の座板2は、図18及び図19にて説明しているように、上下寸法が40ミリで、取付部1後面に開設した開放口10の上下の開口巾が20ミリ、取付部1の内部の床面12から天井面13までが37ミリとなる寸法形状に作られた装置部材aの取付部1に適応するように形成したものであり、板厚が12ミリで、上下の巾寸法hが取付部1後面の開放口10の上下の開口巾より広い25ミリ、左右の巾寸法Dが、取付部1内部の天井高さに略対応する37ミリとした形状のものに形成してある。
【0029】
この座板2の中心部位に前後に貫通させて開設するボルト挿通口21は、座板2の後面視において、図9にあるように、二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点付近位置に、該ボルト挿通口21の中心が位置するように配位して開設してある。
【0030】
そして、このボルト挿通口21は、この例においては、後面視において、締付ボルト3螺子部31の外径に対応する巾で上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口21の上下方向に沿う中心線Xの仮想延長線が、図7に示しているように、座板2の底辺および上辺に対し略直角に交差するように配位して形設してある。
【0031】
そして、この後面視において上下に長い長穴状としたボルト挿通口21は、図12・図13の断面図にあるよう、座板2の前面側に寄る部位においては上下方向の口径が小さく、後面側に寄る部位に向け順次上下方向の口径を大きくするよう、縦断した側面視において横向きのコーン状をなす形状の長穴に形成してある。
【0032】
さらに、この実施例の座板2は、前面側の上下の中間部位に、後面側に向け円弧状に刳り込む凹溝wが、左右方向に連続するよう形設してある。また座板2の上下の端面は、それぞれ外側に張り出す弧面に形成してあり、かつ、座板2の上下の端面を形成するそれぞれの弧面は、前方に向かうに従い上下の弧面の間の距離を狭くする形状に形成してあって、座板2の前面側を先細りとなるようにしている。
【0033】
この座板2のボルト挿通口21に挿通して、座板2の締結を行う締付ボルト3は、頭部30と螺子部31とを具備する通常のものであるが、この例にあっては、それの頭部30を、螺子部31の軸線方向に対し直交する左右方向に長い腕木状に形成してあって、締付ボルト3の全体の形状を、平面視において図14にあるようT字形に形成している。そして、この左右方向に長い腕木状の頭部30は、それの後面側を、図16に示しているように、側面視において、後方に向け円弧状に膨出する弧面Tに形成している。この弧面Tは、それの曲率が、前述の座板2の前面側の上下の中間部位に形設した円弧状の凹溝wの曲率に一致するように形成してあって、これにより、座板2のボルト挿通口21に締付ボルト3を挿通したときに、腕木状の頭部30の長手方向を凹溝wの連続する方向に沿わせたときに、この頭部30と凹溝wとが密に嵌り合い、締付ボルト3と座板2とが、締付ボルト3中心の回転方向に係合し合うようにしてあって、座板2を取付部1内に挿入した状態において、座板2を回転させる作動が、締付ボルト3を回転させる作動により確実に得られるようにしている。
【実施例2】
【0034】
図22乃至図34は別の実施例を示している。この例は、座板2を、ステンレススチール等の金属材により、後面視において、左右の側辺が螺子締めの回動方向に傾く斜辺とした菱形をなす板状乃至盤状に成形することについては、前述の例と変わりがないが、前述の例の座板2が前面側に側面視において円弧状に刳り込む凹溝wを形設しているのに対し、この例のものにおいては、前面側を凹溝wのない平面に形成して、座板2全体を平板状に形成し、また斜辺とする左右の側辺の傾斜角度が前述の例の座板2にあっては45度の角度としているのに対し、30度の角度に設定し、さらに、座板2に開設したボルト挿通口21に嵌挿して該座板2を締結するように用いる締付ボルト3が、前述の実施例のものにおいては、頭部30を座板2の前面側に形設せる凹溝wに嵌合する左右に長い腕木状に形成して締付ボルト3の全体形状を平面視においてT字形をなす特殊な形状のものとしているのに対し、通常の形態の締付ボルト3を用いるようにしている例である。
【0035】
この例の座板2は、図21乃至図26に示しているように、平板状に形成してあり、また、斜辺とする左右の側辺の傾斜角度は、図21にあるように、締付ボルト3による螺子締めの回動方向に30度に傾斜する角度に設定してある。
【0036】
そして、この座板2に開設せるボルト挿通口21に嵌挿して締結を行う締付ボルト3は、図27乃至図30に示しているように、頭部30を六角ナット状に形成した通常の形態のものとしている。
【0037】
また、座板2の中心部位に開設するボルト挿通口21は、図21にあるように、座板2の後面視において、二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点付近に中心点が位置するように配位して、該座板2を前後に貫通するよう開設するが、図22・図23・図27にあるよう、前述の実施例のものと同様に、後面視において、上下方向の中心線Xの延長線が、座板2の上辺及び下辺に対し略直角に交差するようになる上下方向の長穴状に形設してあり、かつ、その長穴状のボルト挿通口21は、座板2の前面側においては、上下の口径巾が狭く座板2の後面側に向かうに従い上下に口径巾が拡大していく縦断側面図において横向きのコーン状をなす形状のものに形設してある。
【0038】
この例の座板2は、装置部材aの端部に設けた取付部1の後面の開放口10の開口巾が20ミリで、その取付部1の内部の床面から天井面までの高さが37ミリになっている装置部材aの取付用として作られたもので、座板2の上下の巾寸法が25ミリ、座板2の左右の側辺間の寸法が37ミリになっている。
【0039】
この例の座板2は、図32にあるように、装置部材aの端部に設けた取付部1の内部に挿入した状態から、螺子締めの回転方向に、略60度回転させることで、図33にあるように、左右の側辺が取付部1内部の床面12および天井面13に対し略平行して対向するようになって、装置部材aに対し固定状態となる。
【0040】
そして、この状態において、締付ボルト3の螺子部31を、取付材bの取付板50に設けたボルト挿通穴51に挿通して締付ナット4により締結すれば、図32にあるよう取付部1後面側の上下の後壁11・11を、座板2と取付材bの取付板50とで固く挟持して、装置部材aを取付材bに固着して取り付けた状態とする。
【産業上の利用可能性】
【0041】
取付金具cは、取付部1と同様の構造の取付部が端部に装設してあるものであれば、機械装置の装置部材の取付けにもそのまま利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ルーバー取付用の取付金具の、使用状態における前面側から見た斜視図である。
【図2】同上取付金具の同上状態における後面側から見た斜視図である。
【図3】同上取付金具の座板を、締付ボルトを嵌挿してルーバー内に挿入した状態および挿入した座板を90度回転させた状態を示すルーバーの一部破断した後面図である。
【図4】同上取付金具の座板と締付ボルトによりルーバーを取付材に取り付けた状態の縦断側面図である。
【図5】同上取付金具の座板が、締付ボルトを嵌挿した状態では、ルーバー後端面の開放口からルーバー内に挿入することが困難であることを説明する説明図である。
【図6】座板を、ルーバー後端部からの挿入を可能とするよう細巾の帯板片に形成した例のルーバー内に挿入した状態及び挿入した座板を90度回転させた状態を示すルーバーの一部破断した後面図である。
【図7】本発明手段を実施せる座板の機能の説明をするための、座板を挿入した状態のルーバーの一部破断した説明図である。
【図8】本発明手段の第1の実施例の座板の前面図である。
【図9】同上座板の後面図である。
【図10】同上座板の底面図である。
【図11】同上座板の上面図である。
【図12】同上座板の側面図である。
【図13】同上座板の図8におけるB−B線断面図である。
【図14】同上座板の締結に用いる締付ボルトの平面図である。
【図15】同上の座板に用いる同上締付ボルトの上面図である。
【図16】同上の締付ボルトの側面図である。
【図17】同上の締付ボルトの底面図である。
【図18】同上の座板のルーバー内に挿入した状態の後面図である。
【図19】同上の状態の座板を螺子締めの回動方向に45度回転させた状態の後面図である。
【図20】同上の座板を、締付ボルトと締付ナットとにより取付材に取り付けた状態の側面図である。
【図21】同上の座板の同上状態時の縦断側面図である。
【図22】同上の座板の第2の実施例の後面図である。
【図23】同上実施例の座板の前面図である。
【図24】同上の座板の底面図である。
【図25】同上の座板の上面図である。
【図26】同上の座板の側面図である。
【図27】同上の座板の図21における中央縦断側面図である。
【図28】同上の座板に組み合わせて用いる締付ボルト及び締付ナットの平面図である。
【図29】同上の締付ボルト及び締付ナットの側面図である。
【図30】同上の締付ボルトの上面図である。
【図31】同上の締付ボルトの底面図である。
【図32】同上の座板をルーバー内に挿入した状態の後面図である。
【図33】同上の状態の座板を60度回転させた状態時の後面図である。
【図34】同上の状態時の座板を、締付ボルト及び締付ナットによる締結で、ルーバーを取付材に取り付けた状態の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0043】
D 左右方向の巾寸法
H 上下の高さ寸法
K 上下の開口巾
P 中心点
T 弧面
X 中心線
a 装置部材
b 取付材
c 取付金具
h 内法寸法の上下高さ
w 凹溝
y 中央線
z 仮想対角線
1 取付部
10 開放口
11 後壁
12 床板
13 天板
2 座板
21 ボルト挿通口
3 締付ボルト
30 頭部
31 螺子部
4 締付ナット
50 取付板部
51 ボルト挿通穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ合金等の金属材で成形して、建築構造物の外側または内側に装置せしめるルーバー材・てすり材・笠木材等の装置部材を、取付材に対して取付けるための、座板とそれに嵌挿する締付ボルトとその締付ボルトを締結する締付ナットとからなる建築構造物における装置部材取付用の取付金具についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材で成形して、建築構造物の外側または内側に装置せしめるルーバー材・てすり材・笠木材等の装置部材の取付けは、その装置部材aの基端側に、図1・図2にあるように、あり溝状の断面形状をもって長手方向に連続する取付部1を、アルミ合金等の金属材の押出成形により装置部材aを成形する際に一体に連続させた構造として形設しておき、この取付部1内に、角板状の座板2を、それに頭部30付きの締付ボルト3の頭部側が嵌挿された状態として挿入して、嵌挿した締付ボルト3の螺子部31が、前記断面あり溝状の取付部1の外部に対する開放口10から突出する状態とし、この突出させた締付ボルト3の螺子部31を予め所定の個所に配位して設置しておく取付材bの取付板部50に開設したボルト挿通穴51に挿通し、この締付ボルト3の螺子部31に締付ナット4を螺合して締め付けることで、座板2と取付材bの取付板部50とであり溝状の取付部1のの後壁11を挟み込むように締結することにより行っている。
【0003】
この、装置部材aを、取付材bに組み付けセットするための、座板2と締付ボルト3と締付ナット4とからなる装置部材取付用の取付金具cは、通常、図2及び図3に示しているように、ステンレス板などの金属板から形成される上下の高さ寸法Hが、装置部材aの基端側に形設した取付部1の後端面に開設した開裂状の開放口10の上下の開口巾Kより広い寸法で、左右方向の巾寸法Dが、前記取付部1の内腔の上下高さhに略対応する寸法となる後面視において左右に横長の略長方形乃至矩形をなす寸法形状に形成した座板2と、それの中央部位に開設したボルト挿通口21に挿通する頭部30付きの締付ボルト3と、この締付ボルト3の螺子部31に螺合する締付ナット4とにより構成される。
【0004】
そして、この取付金具cを用いて行う装置部材aの取付材bへの組み付けは、取付金具cの角形の座板2を、それに締付ボルト3の頭部30側が嵌挿された状態として、装置部材aの取付部1内に挿入し、その取付部1の後壁11の内面に接合するよう位置させ、この座板2に予め挿通しておく頭部30付きの締付ボルト3の螺子部31を、装置部材aの取付部1の後壁11に形設してある開放口10から後方に突出させ、この螺子部31を、取付材bの取付板部50に形設しておくボルト挿通穴51に通して、その取付板部50の後面側に突き出し、この螺子部31に締付ナット4を螺合して締め付けることで、図4にあるように、装置部材aの取付部1後面の開放口10の上下に位置する後壁11・11を座板2と取付材bの取付板部50とで挟持して固定装着せしめることで行なわれる。
【0005】
この取付材bに装置部材aを組み付けるための装置部材取付用の取付金具cは、通常、それの座板2を、それの上下の高さ寸法Hが、装置部材aの端部に設けた取付部1の後端面の開放口10の上下の開口巾Kより少し大きく、左右の巾寸法Dが取付部1内における取付部1の床板12上面から天板13下面までの高さ寸法hに略対応する寸法となる長方形乃至矩形状の角板状で、かつ、左右の中央線yよりも、座板2を締付ボルト3により回動させるときの回動方向前方に位置するコーナー部分を、弧状または斜辺状の切除した形状のものに形成しておき、この座板2を、それに締付ボルト3を嵌挿して、その締付ボルト3の螺子部31が取付部1後面側の開放口10から後方に突出した状態として、取付部1の長手方向の端部のこぐちから、取付部1の内部に装入し、所定位置にスライドさせ、その位置において、開放口10から突出している締付ボルト3の螺子部31を操作することで、座板2を略90度回転させ、左右の側辺が、図3の右側に示しているように、取付部1の床板12の上面と天板13の下面とにそれぞれ衝合した固定状態とし、この状態において、締付ボルト3の螺子部31を、取付材bの取付板部50に開設したボルト挿通穴51に挿通し、締付ナット4を螺合して締め付けることで、この座板2を取付部1に対し締着、固定して装置部材aを取付材bに対し取り付けるようにしている。
【0006】
このとき、座板2の取付部1内への挿入を、締付ボルト3が挿通された状態として行うのは、先に座板2だけを取付部1内に挿入すると、その座板2に締付ボルト3を、頭部30が座板2の前面に位置する状態として座板2のボルト挿通口21に挿通することが出来なくなることによるものである。
【0007】
また、締付ボルト3を挿通した座板2を、装置部材aの端部に設けた取付部1の長手方向の端部のこぐちから取付部1内に挿入するのは、座板2を寝かせた姿勢として開放口10から挿入しようとすると、図5にあるように、座板2に挿通した締付ボルト3が、取付部1後面の開放口10の口縁に支えて、挿入ができなくなることによる。
【0008】
この装置部材取付用の取付金具cには、長方形乃至矩形状の角板状に成形した座板2を、締付ボルト3の挿通がなされた状態で、横長の姿勢として、取付部1のこぐちから取付部1内に挿入し、取付部1後面の開放口10から突出する締付ボルト3の螺子部31の操作により、横長の姿勢とした状態のまま、開放口10に沿い取付部1内をスライドさせ、所定の位置にきたところで、90度回転させて、左右の側辺を取付部1の床板12と天板13とに衝合させて固定状態とし、この状態において締付ナット4により締結を行うことから、座板2の、左右の側辺と上下の辺縁とのコーナー部分に、取付部1内部における座板2の回転作動を円滑なものとするために円弧状又は斜めの切除部を設けている。
【0009】
座板2が、締付ボルト3に螺合した締付ナット4の締付けにより締結作用を行う部分は、図3の右半側にあるように、左右の側辺が取付部1内の天井面と床面とに突き当たる状態に回転させたときに、取付部1後面側の上下の後壁11・11の内面と重合するようになる上下の端縁部分だけであり、開放口10に対面してくる中間部分は締結には作用しない。
【0010】
このことから、この形態の取付金具cには、取付部1内に挿入した座板2を90度回転させるときの作動が円滑に行われるように、座板2のコーナー部分を切除していることで、この切除している分だけ締結作用を行う部分の面積を小さくして、締結を弱くしている問題がある。
【0011】
また、挿入した座板2は、それに挿入した締付ボルト3中心に締付ボルト3の締付方向に90度回転させて左右の側辺が、取付部1内部の床面と天井面とにそれぞれ衝合して取付部1に対し固定された状態とするが、このとき、座板2の製作の誤差により、左右の巾寸法が取付部1内部の床面から天井面までの高さ寸法に正しく一致していないか、または、コーナー部分の切除が不足している場合に、座板2が90度回転して左右の側辺が取付部1内部の床面と天井面に平行して当接する状態となる前に、左右の側辺の一部が取付部1内部の床面・天井面に支えて、回動が阻止されるか、90度を超して回動して左右の側辺の一部が取付部1内部の床面・天井面に支えることで回動が阻止されるようになるかして、座板2が傾斜した状態で固定されるようになって、締結・固定を不完全にする問題がある。
【0012】
また、座板2を、左右の側辺が取付部1内部の床面および天井面に平行する状態となるよう、正しく90度回転させることがむずかしい問題がある。
【0013】
取付部取付用の取付金具cの座板2には、図6に示している例の座板2のように、それの上下の巾寸法Hを、取付部1の後面の開放口10の上下の開口巾より狭くして、締付ボルト3を挿通した状態において、取付部1の後面の開放口10から取付部1内に装入できるようにした形態のものもある。
【0014】
この形態の取付用の取付金具cの座板2は、ステンレス板などの金属板から角板状に成形することについては、前述の形態のものと同様であるが、形成する座板2を、図6において、図の左半側に示しているように、左右の巾寸法Dが、装置部材aの端部に設けた取付部1内部の床板12上面から天板13下面までの高さ寸法hに略対応し、上下の高さ寸法Hが取付部1後端面の開放口10の上下の開口巾Kより狭くした細巾の帯状片の形状に形成し、これにより、締付ボルト3を挿通した状態の座板2を、取付部1の開放口10から取付部1内に挿入し、挿入し終えたところで、略90度回転させることで、図6の右半側に示しているように、左右の側辺がそれぞれ取付部1内部の床板12上面と天板13下面とに衝合して、取付部1の後端面を形成する上下の後壁11・11の内壁面間に渡架された状態となって、取付部1に対し固定状態となるようにしている形態のものである。
【0015】
この形態の取付金具cの座板2は、締付ボルト3を嵌挿した状態で取付部1内に挿入して、左右の側辺が取付部1内部の床面および天井面に平行して当接する状態にさせるときの回動作動が正しく行われるようにするために、コーナー部分に形成する切除部分により、座板2の締付時の有効な接触面積を小さくして締結を弱くする問題と、製作誤差により、座板2を取付部1内に挿入して、左右の側辺が取付部1の床面および天井面と平行して当接する状態位置に正しく90度回動させることがむずかしい問題とが、前述の形態の取付金具cの座板2と同様にあるものである。
【0016】
しかも、座板2を、取付部1後端面の開放口10から挿入できるよう、上下の巾寸法が開放口10の上下の開口巾より狭い細巾の帯状片に形成していることで、座板2にゆるみ回動が生じ、座板2が開放口10に沿う姿勢に回動してきたときに、開放口10から飛び出るようになって、装置部材aの取付材bに対する組付を不確実なものとする問題のあるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明において解決しようとする課題は、角板状に形成した座板2と、その座板2に設けたボルト挿通口21に挿通する締付ボルト3と、その締付ボルト3の螺子部31に螺合して締結する締付ナット4とからなる装置部材取付用の取付金具cにおいて、締付ボルト3を嵌挿して装置部材a端部の取付部1内に挿入した座板2を、それの左右の側辺が、取付部1内部の床面と天井面とにそれぞれ平行して対向する状態の姿勢に回転させる際に、その座板2を円滑に回転さす作動が、座板2の締結時の有効な締結面積に減少を生ぜしめずに得られるようにすることと、この、座板2を、それの左右の側辺が取付部1の床面と天井面とにそれぞれ平行して対向する状態姿勢に回動させる作動が、迅速な操作で得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するための本発明手段は、装置部材取付用の取付金具の座板の形状および機能について種々の検討を加えて得られた知見に基づいてなされたものである。
【0019】
即ち、角板状に形成する座板は、それの形状を、後面視において、左右の側辺が、締付ボルトの螺子締めの回動方向に傾く斜辺となり、それら斜辺間の間隔が、組み付けるルーバーの床面から天井面までの高さ寸法に対応する寸法となる菱形に成形し、締付ボルトを挿通するボルト挿通口を、そのボルト挿通口の中心点が、当該座板の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点付近に位置するように開設しておけば、座板をルーバー内に挿入して、嵌挿しておいた締付ボルト中心に座板を回転させて、左右の側辺のそれぞれが取付部内部の床面と天井面とに平行して対向する状態姿勢に転換させるとき、取付部内部の床面・天井面に干渉して支えを生ぜしめる座板のコーナー部分は、左右の側辺を斜辺とすることで切除した状態にあることから、この回転は円滑に行われる。そして、この切除された状態となるコーナー部分は、反対側の側辺においては、付加された状態となる。このため座板は接触面積に減少をきたすことなく、姿勢の変換回転させる際座板のコーナー部に生じる干渉が解消されるようになる。
【0020】
そして、左右の側辺を、座板を回転さす方向に傾斜する斜辺に形成してあることで、図9に示しているよう、左右の側辺の傾斜角度を45度とした例について具体的にいえば、座板2は既に45度回転させた状態となっていることになるので、さらに45度回転させるだけで、図3に示している従前の座板を90度回転させたときと同じに、左右の側辺が取付部内部の床面・天井面と平行する状態となることから、少しの回転角度量で、姿勢変換のための座板2の回転作動が終了することになる。という知見が得られたことに基づいてなされたものである。
【0021】
そして、このことから、本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、
上下の巾寸法を、装置部材aの端部に装設せる取付部1の後端面に開設した開放口10の上下の開口巾より広くし、左右の巾寸法を、前記取付部1の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板2と、その座板2に設けたボルト挿通口21に挿通する頭部30付きの締付ボルト3と、その締付ボルト3の螺子部31に螺合する締付ナット4と、からなる装置部材取付用の取付金具cにおいて、座板2を、左右の側辺が、締付ボルト3の螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口21を、そのボルト挿通口21の中心点Pが、当該座板2の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点位置付近に位置するよう配位して開設したことを特徴とする建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
を提起するものである。
また、これに併せて、
座板2の左右の側辺の傾斜角度を座板2の上辺及び底辺に対し略45度に傾斜する角度に設定したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。および、
座板2に開設するボルト挿通口21を、当該座板2の後面視において、締付ボルト3の螺子部31の外径に対応する巾で、上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口21の上下方向に沿う中心線Xの仮想延長線が、該座板2の上下の辺縁に対し略直角に交差する上下方向の長穴状に形設したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
を提起するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明手段による建築構造物における装置部材取付用の取付金具は、左右の側辺が、締付ボルトの螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成して、ボルト挿通口を、中心点が当該座板の後面視において二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線の交点位置付近に位置するよう配位して開設していることで、座板を取付部内部に挿入して、座板に挿通しておいた締付ボルト中心に座板を左右の側辺が取付部内部の床面と天井面とに平行して対向する姿勢に回転させる際に干渉を生ぜしめるコーナー部分の消去を行っているのだから、締結時に取付部の後面側の上下の後壁に接合する座板の接触面の面積に実質的に削減を生ぜしめることなく、干渉部位の消去が得られるようになる。
【0023】
また、取付部の内部に挿入した座板は、斜辺とした左右の側辺の傾斜角度の分だけ、座板を回転させた状態となるので、座板を少しの回動角度量で、左右の側辺が取付部の床面と天井面とに平行して対向する姿勢に回転変換する作動が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の実施の形態を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0025】
図7乃至図21は、本発明による建築構造物における装置部材取付用の取付金具における座板の第1の実施例を示し、図7は同上取付金具の座板を、装置部材の後端部の取付部の内部に挿入した状態における一部破断した後面図、図8は同上座板の前面図、図9は同上の座板の後面図、図10は同上の図8に示す状態における底面図、図11は同上の図9に示す状態における底面図、図12は図8のA−A線断側面図、図13は図9のB−B線縦断側面図、図14は同上の座板に挿通する締付ボルトとそれに螺合する締付ナットの平面図、図15は同上締付ボルトと締付ナットの前面図、図16は同上締付ボルトとそれに螺合する締付ナットの側面図、図17は同上の締付ボルトの図16の状態における前面図、図18は同上の座板のルーバー後端部内に挿入した状態時の後面図、図19は同上状態の座板を螺子締めの方向に回転させて、左右の側辺がルーバーの床面と天井面とに平行して対向するようにした状態時の後面図、図20は同上の座板を締付ボルトとによりルーバーを取付材に取り付けた状態時の側面図、図21は同上状態の縦断側面図を示す。
【0026】
座板2は、ステンレススチール等の金属材から左右の側辺を互いに平行する斜辺とした菱形の板状乃至盤状に成形したもので、中心部位には、前後に貫通するボルト挿通口21が開設してある。斜辺とした左右の側辺の傾斜方向は、該座板2のボルト挿通口21に挿通する締付ボルト3に螺合せしめる締付ナット4による螺子締めの方向に設定してあり、後面視において、図8にあるよう右側に傾斜するようにしてある。
【0027】
この斜辺とする左右の側辺の傾斜角度は、この実施例においては45度にしてある。
【0028】
この例の座板2は、図18及び図19にて説明しているように、上下寸法が40ミリで、取付部1後面に開設した開放口10の上下の開口巾が20ミリ、取付部1の内部の床面12から天井面13までが37ミリとなる寸法形状に作られた装置部材aの取付部1に適応するように形成したものであり、板厚が12ミリで、上下の巾寸法hが取付部1後面の開放口10の上下の開口巾より広い25ミリ、左右の巾寸法Dが、取付部1内部の天井高さに略対応する37ミリとした形状のものに形成してある。
【0029】
この座板2の中心部位に前後に貫通させて開設するボルト挿通口21は、座板2の後面視において、図9にあるように、二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点付近位置に、該ボルト挿通口21の中心が位置するように配位して開設してある。
【0030】
そして、このボルト挿通口21は、この例においては、後面視において、締付ボルト3螺子部31の外径に対応する巾で上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口21の上下方向に沿う中心線Xの仮想延長線が、図7に示しているように、座板2の底辺および上辺に対し略直角に交差するように配位して形設してある。
【0031】
そして、この後面視において上下に長い長穴状としたボルト挿通口21は、図12・図13の断面図にあるよう、座板2の前面側に寄る部位においては上下方向の口径が小さく、後面側に寄る部位に向け順次上下方向の口径を大きくするよう、縦断した側面視において横向きのコーン状をなす形状の長穴に形成してある。
【0032】
さらに、この実施例の座板2は、前面側の上下の中間部位に、後面側に向け円弧状に刳り込む凹溝wが、左右方向に連続するよう形設してある。また座板2の上下の端面は、それぞれ外側に張り出す弧面に形成してあり、かつ、座板2の上下の端面を形成するそれぞれの弧面は、前方に向かうに従い上下の弧面の間の距離を狭くする形状に形成してあって、座板2の前面側を先細りとなるようにしている。
【0033】
この座板2のボルト挿通口21に挿通して、座板2の締結を行う締付ボルト3は、頭部30と螺子部31とを具備する通常のものであるが、この例にあっては、それの頭部30を、螺子部31の軸線方向に対し直交する左右方向に長い腕木状に形成してあって、締付ボルト3の全体の形状を、平面視において図14にあるようT字形に形成している。そして、この左右方向に長い腕木状の頭部30は、それの後面側を、図16に示しているように、側面視において、後方に向け円弧状に膨出する弧面Tに形成している。この弧面Tは、それの曲率が、前述の座板2の前面側の上下の中間部位に形設した円弧状の凹溝wの曲率に一致するように形成してあって、これにより、座板2のボルト挿通口21に締付ボルト3を挿通したときに、腕木状の頭部30の長手方向を凹溝wの連続する方向に沿わせたときに、この頭部30と凹溝wとが密に嵌り合い、締付ボルト3と座板2とが、締付ボルト3中心の回転方向に係合し合うようにしてあって、座板2を取付部1内に挿入した状態において、座板2を回転させる作動が、締付ボルト3を回転させる作動により確実に得られるようにしている。
【実施例2】
【0034】
図22乃至図34は別の実施例を示している。この例は、座板2を、ステンレススチール等の金属材により、後面視において、左右の側辺が螺子締めの回動方向に傾く斜辺とした菱形をなす板状乃至盤状に成形することについては、前述の例と変わりがないが、前述の例の座板2が前面側に側面視において円弧状に刳り込む凹溝wを形設しているのに対し、この例のものにおいては、前面側を凹溝wのない平面に形成して、座板2全体を平板状に形成し、また斜辺とする左右の側辺の傾斜角度が前述の例の座板2にあっては45度の角度としているのに対し、30度の角度に設定し、さらに、座板2に開設したボルト挿通口21に嵌挿して該座板2を締結するように用いる締付ボルト3が、前述の実施例のものにおいては、頭部30を座板2の前面側に形設せる凹溝wに嵌合する左右に長い腕木状に形成して締付ボルト3の全体形状を平面視においてT字形をなす特殊な形状のものとしているのに対し、通常の形態の締付ボルト3を用いるようにしている例である。
【0035】
この例の座板2は、図21乃至図26に示しているように、平板状に形成してあり、また、斜辺とする左右の側辺の傾斜角度は、図21にあるように、締付ボルト3による螺子締めの回動方向に30度に傾斜する角度に設定してある。
【0036】
そして、この座板2に開設せるボルト挿通口21に嵌挿して締結を行う締付ボルト3は、図27乃至図30に示しているように、頭部30を六角ナット状に形成した通常の形態のものとしている。
【0037】
また、座板2の中心部位に開設するボルト挿通口21は、図21にあるように、座板2の後面視において、二組の対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線zの交点付近に中心点が位置するように配位して、該座板2を前後に貫通するよう開設するが、図22・図23・図27にあるよう、前述の実施例のものと同様に、後面視において、上下方向の中心線Xの延長線が、座板2の上辺及び下辺に対し略直角に交差するようになる上下方向の長穴状に形設してあり、かつ、その長穴状のボルト挿通口21は、座板2の前面側においては、上下の口径巾が狭く座板2の後面側に向かうに従い上下に口径巾が拡大していく縦断側面図において横向きのコーン状をなす形状のものに形設してある。
【0038】
この例の座板2は、装置部材aの端部に設けた取付部1の後面の開放口10の開口巾が20ミリで、その取付部1の内部の床面から天井面までの高さが37ミリになっている装置部材aの取付用として作られたもので、座板2の上下の巾寸法が25ミリ、座板2の左右の側辺間の寸法が37ミリになっている。
【0039】
この例の座板2は、図32にあるように、装置部材aの端部に設けた取付部1の内部に挿入した状態から、螺子締めの回転方向に、略60度回転させることで、図33にあるように、左右の側辺が取付部1内部の床面12および天井面13に対し略平行して対向するようになって、装置部材aに対し固定状態となる。
【0040】
そして、この状態において、締付ボルト3の螺子部31を、取付材bの取付板50に設けたボルト挿通穴51に挿通して締付ナット4により締結すれば、図32にあるよう取付部1後面側の上下の後壁11・11を、座板2と取付材bの取付板50とで固く挟持して、装置部材aを取付材bに固着して取り付けた状態とする。
【産業上の利用可能性】
【0041】
取付金具cは、取付部1と同様の構造の取付部が端部に装設してあるものであれば、機械装置の装置部材の取付けにもそのまま利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ルーバー取付用の取付金具の、使用状態における前面側から見た斜視図である。
【図2】同上取付金具の同上状態における後面側から見た斜視図である。
【図3】同上取付金具の座板を、締付ボルトを嵌挿してルーバー内に挿入した状態および挿入した座板を90度回転させた状態を示すルーバーの一部破断した後面図である。
【図4】同上取付金具の座板と締付ボルトによりルーバーを取付材に取り付けた状態の縦断側面図である。
【図5】同上取付金具の座板が、締付ボルトを嵌挿した状態では、ルーバー後端面の開放口からルーバー内に挿入することが困難であることを説明する説明図である。
【図6】座板を、ルーバー後端部からの挿入を可能とするよう細巾の帯板片に形成した例のルーバー内に挿入した状態及び挿入した座板を90度回転させた状態を示すルーバーの一部破断した後面図である。
【図7】本発明手段を実施せる座板の機能の説明をするための、座板を挿入した状態のルーバーの一部破断した説明図である。
【図8】本発明手段の第1の実施例の座板の前面図である。
【図9】同上座板の後面図である。
【図10】同上座板の底面図である。
【図11】同上座板の上面図である。
【図12】同上座板の側面図である。
【図13】同上座板の図8におけるB−B線断面図である。
【図14】同上座板の締結に用いる締付ボルトの平面図である。
【図15】同上の座板に用いる同上締付ボルトの上面図である。
【図16】同上の締付ボルトの側面図である。
【図17】同上の締付ボルトの底面図である。
【図18】同上の座板のルーバー内に挿入した状態の後面図である。
【図19】同上の状態の座板を螺子締めの回動方向に45度回転させた状態の後面図である。
【図20】同上の座板を、締付ボルトと締付ナットとにより取付材に取り付けた状態の側面図である。
【図21】同上の座板の同上状態時の縦断側面図である。
【図22】同上の座板の第2の実施例の後面図である。
【図23】同上実施例の座板の前面図である。
【図24】同上の座板の底面図である。
【図25】同上の座板の上面図である。
【図26】同上の座板の側面図である。
【図27】同上の座板の図21における中央縦断側面図である。
【図28】同上の座板に組み合わせて用いる締付ボルト及び締付ナットの平面図である。
【図29】同上の締付ボルト及び締付ナットの側面図である。
【図30】同上の締付ボルトの上面図である。
【図31】同上の締付ボルトの底面図である。
【図32】同上の座板をルーバー内に挿入した状態の後面図である。
【図33】同上の状態の座板を60度回転させた状態時の後面図である。
【図34】同上の状態時の座板を、締付ボルト及び締付ナットによる締結で、ルーバーを取付材に取り付けた状態の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0043】
D 左右方向の巾寸法
H 上下の高さ寸法
K 上下の開口巾
P 中心点
T 弧面
X 中心線
a 装置部材
b 取付材
c 取付金具
h 内法寸法の上下高さ
w 凹溝
y 中央線
z 仮想対角線
1 取付部
10 開放口
11 後壁
12 床板
13 天板
2 座板
21 ボルト挿通口
3 締付ボルト
30 頭部
31 螺子部
4 締付ナット
50 取付板部
51 ボルト挿通穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の巾寸法を、装置部材(a)の端部に装設せる取付部(1)の後端面に開設した開放口(10)の上下の開口巾より広くし、左右の巾寸法を、前記取付部(1)の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板(2)と、その座板(2)に設けたボルト挿通口(21)に挿通する頭部(30)付きの締付ボルト(3)と、その締付ボルト(3)の螺子部(31)に螺合する締付ナット(4)と、からなる装置部材取付用の取付金具(c)において、座板(2)を、左右の側辺が、締付ボルト(3)の螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口(21)を、そのボルト挿通口(21)の中心点(P)が、当該座板(2)の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線(z)の交点位置付近に位置するよう配位して開設したことを特徴とする建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【請求項2】
座板(2)の左右の側辺の傾斜角度を座板(2)の上辺及び底辺に対し略45度に傾斜する角度に設定したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【請求項3】
座板(2)に開設するボルト挿通口(21)を、当該座板(2)の後面視において、締付ボルト(3)の螺子部(31)の外径に対応する巾で、上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口(21)の上下方向に沿う中心線(X)の仮想延長線が、該座板(2)の上下の辺縁に対し略直角に交差する上下方向の長穴状に形設したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【請求項1】
上下の巾寸法を、装置部材(a)の端部に装設せる取付部(1)の後端面に開設した開放口(10)の上下の開口巾より広くし、左右の巾寸法を、前記取付部(1)の内部の上下高さに略対応する寸法とした角板状の座板(2)と、その座板(2)に設けたボルト挿通口(21)に挿通する頭部(30)付きの締付ボルト(3)と、その締付ボルト(3)の螺子部(31)に螺合する締付ナット(4)と、からなる装置部材取付用の取付金具(c)において、座板(2)を、左右の側辺が、締付ボルト(3)の螺子締めの方向に傾斜した斜辺となる菱形に形成し、ボルト挿通口(21)を、そのボルト挿通口(21)の中心点(P)が、当該座板(2)の後面視において、対角をそれぞれ結ぶ二本の仮想対角線(z)の交点位置付近に位置するよう配位して開設したことを特徴とする建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【請求項2】
座板(2)の左右の側辺の傾斜角度を座板(2)の上辺及び底辺に対し略45度に傾斜する角度に設定したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【請求項3】
座板(2)に開設するボルト挿通口(21)を、当該座板(2)の後面視において、締付ボルト(3)の螺子部(31)の外径に対応する巾で、上下方向に連続する長穴状で、かつ、そのボルト挿通口(21)の上下方向に沿う中心線(X)の仮想延長線が、該座板(2)の上下の辺縁に対し略直角に交差する上下方向の長穴状に形設したことを特徴とする請求項1記載の建築構造物における装置部材取付用の取付金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2009−114739(P2009−114739A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289403(P2007−289403)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000217239)田中金属株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000217239)田中金属株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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