説明

建築構造物

【課題】 壁上面に柱を立設する建築構造物であって、壁上面にレベル精度が要求されることなく、柱の立設時に柱のレベル調整及び前後の位置調整が容易な建築構造物を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる建築構造物1において、レベル調整材33が、ベース材31の上に架設してあり、レベル調整材33に設けた前側高さ調整部49と後側高さ調整部51とには各々下端が壁上面2aに当接する高さ調整ねじが53上から螺合して壁上面2aに対する高さを調整してあり、高さ調整後にベース材31とレベル調整材33が固定してあり、取付位置調整材35は、レベル調整材33の上に設けてあり、前側位置規制部57と後側位置規制部59との間でレベル調整材33に対する前後方向の位置を調整自在であり、前後方向の位置を調製後にレベル調整材33に固定してあり、柱3a、3b及び笠木4a、4b、4cは、取付位置調整材35に固定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラス、フェンス等の建築構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、図11に示すように、壁2の上面(壁上面)2aにベース材101を固定し、ベース材101に笠木103を取付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】152頁「三協立山アルミ ウォールエクステリア カタログ 2011→2012」 第1版 業務用 三協立山アルミ株式会社 2011年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、人の腰程度の高さの壁の上面にテラス屋根の柱を立設することが提案されている。
しかし、壁の上面に柱を立設する場合には、壁の上面に高いレベル精度が要求されるが、壁の施工に高いレベル精度の要求は困難であった。
また、壁の上面に柱を立設する場合に、柱間で前後の位置を合わせる(いわゆる通しを合わせる)ことが望まれているが、各柱毎に個別に行ったのでは、施工に手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、壁上面に柱を立設する建築構造物であって、壁上面にレベル精度が要求されることなく、柱の立設時に柱のレベル調整及び前後の位置調整が容易な建築構造物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ベース材と、レベル調整材と、取付位置調整材と、柱と、笠木とを備え、ベース材は壁の上面に壁の左右方向に間隔をあけて固定してあり、壁上面に配置する底部と、壁の前面側で底部から上方に向けて突設する前側突設部と、壁の後面側で底部から上方に向けて突設する後側突設部とを有し、レベル調整材は、ベース材の上に架設してあり、ベース材の前側突設部の前側で下方に突設して前側突設部に対向する前側対向部と、ベース材の後側突設部の後側で下方に突設して後側突設部に対向する後側対向部とを有し、前側対向部は前側に向けて突設する前側高さ調整部を有し、後側対向部は後側に突設する後側高さ調整部を有し、前側高さ調整部と後側高さ調整部とには各々下端が壁の上面に当接する高さ調整ねじが上から螺合して壁上面に対する高さを調整してあり、高さ調整後にベース材とレベル調整材が固定してあり、取付位置調整材は、レベル調整材の上に設けてあり、レベル調整材の前側端に前側で対向する前側位置規制部と、レベル調整材の後側端に後側で対向する後側位置規制部とを有し、前側位置規制部と後側位置規制部との間でレベル調整材に対する前後方向の位置を調整自在であり、前後方向の位置を調製後にレベル調整材に固定してあり、柱及び笠木は、取付位置調整材に固定してあることを特徴とする建築構造物である。
本明細書において、前側及び後側は、壁の一面側が前側であり、他面側が後側である。
【発明の効果】
【0007】
本発明において、壁の上面に柱を立設する場合には、レベル調整材において前側高さ調整部及び後側高さ調整部に高さ調整ねじを螺合して前後における高さを調整後に、レベル調整材をベースに固定し、取付位置調整材は前側位置規制部と後側位置規制部との間でレベル調整材に対する前後位置を調整後にレベル調整材に固定して、取付位置調整材に柱及び笠木を固定するから、壁上面にレベル精度が要求されることなく、柱のレベル調整及び前後の位置調整が容易にできる。
各柱の取付位置に亘って左右方向に設けた取付位置調整で前後位置調整をおこなうので、各柱の前後位置を一括して調整できるから、各柱の前後位置を容易に揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施の形態にかかる建築構造物の図であり、図7に示す建築構造物をE−E位置で切断して示す断面図である。
【図2】(a)は図1に示すA−A断面図であり、(b)は図1に示すB−B断面図である。
【図3】中間柱の横断面図である。
【図4】端部柱を図2と同じ位置で切断して示す断面図であり、(a)は図2の(a)に対応する図であり、(b)は図2の(b)に対応する図である。
【図5】端部柱の横断面図である。
【図6】図4(a)に示すC−C断面図である。
【図7】第1実施の形態にかかる建築構造物の概略を示す斜視図である。
【図8】第2実施の形態にかかる建築構造物の図であり、図7に示すE−E位置と同じ位置で切断して示す断面図である。
【図9】(a)は図8に示すF−F断面図であり、(b)は図8に示すG−G断面図である。
【図10】端部柱を図9と同じ位置で切断して示す断面図であり、(a)は図9の(a)に対応する図であり、(b)は図9の(b)に対応する図である。
【図11】従来技術であって壁に笠木を取付けた縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明するが、まず、図1〜図7を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係る建築構造物1はテラスであり、壁2と、壁2の上面(以下「壁上面」という)2aに立設した柱3a、3bと、柱3a、3bの上端に架設した桁5と、垂木7と、垂木7、7間に配置した屋根パネル13とを備えている。柱3a、3bは、建築構造物1の左右両端側に位置する端部柱3aと、左右の端部柱3a、3a間に位置する中間柱3b、3bである。
【0010】
壁2は、ブロックを積んで施工してあり上面2aが人の腰の位置程度の高さにしてある。
図1に示すように、壁上面2aにはベース材31と、レベル調整材33と、取付位置調整材35と、笠木4a、4b、4cとが設けてあり、各端部柱3a、中間柱3b及び笠木4a、4b、4cは取付位置調整材35に取り付けられている。
ベース材31は、壁上面2aの左右方向の寸法に対して壁上面2aに左右方向に間隔をあけて配置した短尺であり、各柱3a、3bの立設位置に対応して設けてあり、壁上面2aにアンカーボルト37で固定してある。ベース材31は、壁上面2aに配置する底部39と、壁2の前面側で底部39から上方に向けて突設する前側突設部41と、壁2の後面側で底部から上方に向けて突設する後側突設部43とを備えており、前側突設部41と底部39と後側突設部43とで断面コ字形状を成している。
【0011】
レベル調整材33は、壁2の左右方向の寸法と同程度の長さの長尺であり、各ベース材31の上に亘って架設してある。このレベル調整材33は、上面部34と、前側対向部45と、後側対向部47とを備えており、前側対向部45はベース材31の前側突設部41の前側で上面部34から下方に突設しており、前側突設部41に対向している。後側対向部47は、ベース材31の後側突設部43の後側で上面部34から下方に突設してベース材31の後側突設部43に対向している。
前側対向部45はその下端に前側に向けて突設する前側高さ調整部49が形成してあり、前側対向部45と前側高さ調整部49とで縦断面形状がL字形状を成している。
後側対向部47はその下端に後側に向けて突設する後側高さ調整部51が形成してあり、後側対向部47と後側高さ調整部51とで縦断面形状がL字形状を成している。
前側高さ調整部49及び後側高さ調整部51とには、各々ねじ孔が形成してあり、このねじ孔に下端が壁上面2aに当接する高さ調整ねじ53が上から螺合している。
レベル調整材33の上面部34の前側には前側端33aが前側に突出して形成してあり、上面部34の後側には後側端33bが後側に突出して形成されている。尚、上面部34は前後方向の中間に下方に凹んだ溝34aが形成されている。
レベル調整材33の前側対向部45はベース材31の前側突設部41に横から止めるねじ52で固定してあり、後側対向部47はベース材31の後側突設部43に横から止めるねじ54で固定してある。
【0012】
取付位置調整材35は、左右方向の長さがレベル調整材33の寸法と同程度の長尺であり、レベル調整材33の上面部34の上に載置する載置部55と、レベル調整材33の前側端33aに前側で対向する前側位置規制部57と、レベル調整材33の後側端33bに後側で対向する後側位置規制部59とが設けてある。前側位置規制部57及び後側位置規制部59は、各々下方に突出して形成されている。
レベル調整材33の前側端33aと取付位置調整材35の前側位置規制部57との間の間隔L1が前側の位置調整範囲になっており、レベル調整材33の後側端33bと取付位置調整材35の後側位置規制部59との間の間隔L2が後側の位置調整範囲になっている。
取付位置調整材35の上面前側には、後述する前側笠木4aが係止する前側笠木係止部63が形成してあり、取付位置調整材35の上面後側には、後述する後側笠木4bが係止する後側笠木係止部65が形成してあり、前側笠木係止部63と後側笠木係止部65との間には、中間笠木係止部67が形成されている。
取付位置調整材35レベル調整材33の上面部の前側及び後側で上から止めるねじ60で固定してある。
また、取付位置調整材35には、レベル調整材33の上面部34の溝34aに対応する位置に、柱取付金具61が固定してある。柱取付金具61は断面L字形状をなしており、L字の一側部61aを取付位置調整材35にねじ62で固定してあり、他側部61bを柱3a、3bにねじ64で固定してある。
【0013】
笠木4a、4b、4cは、壁上面2aの前側に取付ける前側笠木4aと、壁上面2aの後側に取付ける後側笠木4bと、柱3a、3b間及び3b、3b間に取付ける中間笠木4cとであり、前側笠木4aは取付位置調整材35の前側笠木係止部63に嵌合して固定してあり、後側笠木4bは後側笠木係止部65に嵌合して固定してあり、中間笠木4cは中間笠木係止部67に嵌合して固定してある。
前側笠木4a及び後側笠木4bは、各々左右方向の寸法が取付位置調整材35の左右寸法と略同じ寸法であり、中間笠木4cは左右方向の寸法が柱3a、3b間及び3b、3b間の寸法としてある。
図4及び図6に示すように、壁2の左右両側端部には、笠木端部キャップ69が取付けてあり、笠木4a、4b、4cの隙間から取付位置調整材35上に流れ込んだ雨水は、笠木端部キャップ69の排水通路71を通って排水されるようになっている。図6に示すように、笠木端部キャップ69と端部柱3aとの間には、壁上面2a上にクッション材73が設けてある。
【0014】
図1、図3及び図5に示すように、端部柱3a及び中間柱3bの各々には、前面を覆う柱カバー17が取付けてあり、図1に示すように、柱カバー17の上端17aは桁5の前面に配置してある。
端部柱3aは、図5に示すように、内部に縦樋19を収納する中空21が形成してあり、前面に前側に突設する係止突起23を有する係止部材26がねじ固定されている。係止突起23は係止部材26の上下に亘って長く形成されている。
柱カバー17には、係止突起23に係止する被係止部24が形成してあり、端部柱3aの係止突起23に係止してある。
中間柱3bにも、図3に示すように、前面に係止突起23が形成されているが、中間柱3bには縦樋19が収納されていない点が端部柱3aと異なっている。
図1に示すように、各柱カバー17は、柱3a、3bの係止突起23に各々係止してあるが、桁5の前面には係止部がなく、桁5には係止されていない。
【0015】
キャップ8は、各端部柱3a及び中間柱3bの位置に対応して桁5に設けてあり、端部柱3a及び中間柱3bと、垂木7との間で、桁5に被せてある。
キャップ8の後端部8bは、パネル押え取付部14の前端部14a及びパネル押え11の前端部11aを覆っており、ねじ12をキャップ8の後端部とパネル押え11の前端部11aのねじ挿通孔に挿通して、垂木7のパネル押え取付部14の前端部14aにねじ固定してある。
キャップ8の前側端部8aには、下方に突設する突設部16が設けてあり、前側端部8aは、柱カバー17の上端17aの外周面に係合し、突設部16は柱カバー17の上端17aの内部に挿入して、柱カバー17の上端を固定している。
【0016】
次に、本実施の形態にかかる建築構造物1の施工、作用効果について、説明する。
壁2の施工後に、図1に示すように、壁上面2aにベース材31を各柱3a、3bの取付位置にアンカーボルト37で固定する。次に、ベース材31の上に、レベル調整材33を架設するが、レベル調整材33は前側対向部45と後側対向部47とでベース材31を前後で挟むように配置する。
前側対向部45の前側高さ調整部49と、後側対向部47の後側高さ調整部51との各々に高さ調整ねじ53を螺合して、高さ調整ねじ53の先端を壁の上面2aに当接させて、高さ調整ねじ53を回転させてレベル調整材33の前後で高さを調整する。
高さ調整後に、ベース材31にレベル調整材33を横から止めるねじ52、54で固定する。
次に、レベル調整材33の上に取付位置調整材35を載置して、前後位置を調整する。取付位置調整材35を前後にスライドして、位置を調整するが、前後位置の調整は、レベル調整材33の前側端33aと前側位置規制部57との間L1、後側端33bと後側位置規制部59との間L2の寸法内で行う。尚、図6に示すように、取付位置調整材35の左右端部では、壁の上面にクッション材73を配置する。
取付位置調整材35の前後位置を調整後した後、取付位置調整材35の前側と後側の載置部55を各々ねじ60でレベル調整材33に固定する。
その後、柱取付金具61の一側部61aを取付位置調整材35に固定し、柱取付金具61の他側部61bを柱3a、3bにねじ62で固定する。
このように、各柱3a、3bを立設した後、前側笠木4aを前側笠木係止部63に嵌合して係止し、後側笠木4bを後側笠木係止部65に嵌合して係止し、柱3a、3b間及3b、3b間で中間笠木4cを中間笠木係止部67に係止する。
そして、取付位置調整材35の左右端部に笠木端部キャップ69をねじ固定する。
柱3を立設後、柱3に桁5を架設し、躯体側に設けた垂木掛け34と桁5と間に垂木7を取付け、隣合う垂木7、7間に横桟9を取付け、垂木7のパネル受け27と、パネル押え11とで屋根パネル13を固定する。
【0017】
本実施の形態によれば、壁上面2aに柱3a、3bを立設する場合に、レベル調整材33において前側高さ調整部49及び後側高さ調整部51に高さ調整ねじ53、53を螺合して、前後における高さを調整し、その後レベル調整材33をベース材31に固定し、取付位置調整材35は前側位置規制部57とレベル調整材33の前側端33aとの間、及び後側位置規制部59とレベル調整材33の後側端33bとの間でレベル調整材33に対する前後位置を調整後にレベル調整材33に固定して、取付位置調整材35に柱3a、3b及び各笠木4a、4b、4cを固定するから、壁上面2aにレベル精度が要求されることなく、柱3a、3bのレベル調整及び前後の位置調整が容易にできる。
取付位置調整材35は壁2の左右方向に亘って長く設けてあるので、各柱3a、3bの前後位置を揃えることが容易にできる。
レベル調整材33の前側端33aに対向する前側位置規制部57及びレベル調整材33の後側端33bに対向する後側位置規制部59を設けているので、取付位置調整材35の前後位置を調整するときに、前後に過大に移動し過ぎるの防止できるので前後位置の調整がし易い。
取付位置調整材35の上面は、前後方向の中間部に溝34aを設けて溝34aの空間をねじ60の軸を配置する空間としているので、柱取付金具61を取付位置調整材35に固定する作業がし易い。
各ベース材31は、柱3a、3bの立設位置に対応する位置に固定し、レベル調整材33は壁の左右方向の寸法と同程度の長尺で各ベース材に架設すると共に取付位置調整材35もレベル調整材33の寸法と同程度の長尺としており、前側笠木4a及び後側笠木4bもレベル調整材33の寸法と同程度の長尺で且つ中間笠木4cは柱3a、3b間及び3b、3b間の寸法としているので、部品数を少なくできると共に組立工数が少なくできるので施工しやすい。
ベース材31が壁上面2aの左右方向略全体に亘った長さの長尺の場合には、壁上面2aが整っていない為に場所によって多少の高い低いがあると、壁上面2aに対して浮き上がり部分が生じるおそれがあるが、本実施の形態では、ベース材31は短尺として壁上面2aの左右方向に間隔をあけて配置してあるから、長尺の場合に生じるような浮き上がりを防止できる。
レベル調整材33を短尺として柱3a、3bに対応した位置に設けた場合には、壁上面2aが整っていない為に場所によって多少の高い低いがあると、各レベル調整材33の高さを調整した後に各レベル調整材33の高さが不均一になり、各レベル調整材33に亘って設けた取付位置調整材35との間に隙間が生じるおそれがあるが、本実施の形態では、レベル調整材33を長尺としているので、上述のような取付位置調整材35との間に隙間が生じるのを防止できる。即ち、レベル調整材33が短尺の場合は、各レベル調整材33を個別に高さを調整しなければならず手間がかかるうえ、各レベル調整材33の高さを合わせるのに手間がかかるが、本実施の形態では、レベル調整材33は長尺なので、左右端のベース材31と高さ及び水平を合わせるだけで全体の高さと水平を調整でき、中間のベース材31と固定する際には高さ調整が要らないので、容易に施工できる。
【0018】
更に、本実施の形態によれば、図1に示すように、建築構造物1は、パネル押え11と、キャップ8と、柱カバー17とで連続した輪郭を形成しているので、外観が良い。
柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付け、キャップ8の後端部8bをパネル押え11のねじ挿通孔に挿通したねじ12で垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定することでキャップ8を垂木7に容易に固定でき、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合するので、柱カバー17を桁5に取付けなくても柱カバー17の上端17aを固定できるから、施工が容易にできる。
【0019】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図8〜図10を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。第2実施の形態にかかる建築構造物1は、隣合う柱3a、3b間及び柱3b、3b間にFIX窓77を設けてあることが、第1実施の形態にかかるテラスと異なっている。FIX窓77は、上枠79、下枠81、左右の竪枠83とこれらに周囲が固定されたパネル85とを備えている。
図8に示すように、桁5の下面には上枠79が嵌合固定してあり、下枠81は中間笠木4cの上面に中間笠木4cと一体に形成されている。図9に示すように、柱3a、3bの側面に形成されている溝87内にパネル85を前後から挟持した竪枠83が嵌合固定してある。
また、上枠79は、押縁89でパネル85を保持している。
この第2実施の形態によれば、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、第1実施の形態にかかる建築構造物1を用いて、桁5に上枠79を取付け、中間笠木4cに下枠81を形成したものを用い、柱3a、3bの側面に設けてある溝87に竪枠83を嵌合するだけで、建築構造物1の前面にFIX窓を設けることができ、FIX窓の施工が容易である。
【0020】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、本発明の建築構造物1はテラスに限らず、カーポート等でも良いし、手摺りやフェンス等のように、壁の上に柱を立設するものであれば特に制限されない。
笠木は、前側笠木4aと後側笠木4bと中間笠木4cとで3つの部材で構成したが、これに限らず、例えば、中間笠木4cを前側笠木4aや後側笠木4bに一体に形成して2部材としてもよいし、中間笠木4cの前後の中間位置で2分割して分割した前側を前側笠木4aに一体に形成し、分割した後側を後側笠木4bに一体に形成して2部材としてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 建築構造物
2 壁
2a 上面
4a 前側笠木
4b 後側笠木
4c 中間笠木
31 ベース材
33 レベル調整材
33a 前側端
33b 後側端
35 取付位置調整材
39 底部
41 前側突設部
43 後側突設部
45 前側対向部
47 後側対向部
49 前側高さ調整部
51 後側高さ調整部
53 高さ調整ねじ
57 前側位置規制部
59 後側位置規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース材と、レベル調整材と、取付位置調整材と、柱と、笠木とを備え、ベース材は壁の上面に壁の左右方向に間隔をあけて固定してあり、壁上面に配置する底部と、壁の前面側で底部から上方に向けて突設する前側突設部と、壁の後面側で底部から上方に向けて突設する後側突設部とを有し、レベル調整材は、ベース材の上に架設してあり、ベース材の前側突設部の前側で下方に突設して前側突設部に対向する前側対向部と、ベース材の後側突設部の後側で下方に突設して後側突設部に対向する後側対向部とを有し、前側対向部は前側に向けて突設する前側高さ調整部を有し、後側対向部は後側に突設する後側高さ調整部を有し、前側高さ調整部と後側高さ調整部とには各々下端が壁の上面に当接する高さ調整ねじが上から螺合して壁上面に対する高さを調整してあり、高さ調整後にベース材とレベル調整材が固定してあり、取付位置調整材は、レベル調整材の上に設けてあり、レベル調整材の前側端に前側で対向する前側位置規制部と、レベル調整材の後側端に後側で対向する後側位置規制部とを有し、前側位置規制部と後側位置規制部との間でレベル調整材に対する前後方向の位置を調整自在であり、前後方向の位置を調製後にレベル調整材に固定してあり、柱及び笠木は、取付位置調整材に固定してあることを特徴とする建築構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−96142(P2013−96142A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240080(P2011−240080)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】