説明

建築物の表装仕上げ構造および表装仕上げ層の形成方法

【課題】 調湿機能を持たせた表装仕上げ構造において、調湿機能などを大きく損なうことなく、表面が汚れ難く、汚れが落ち易くするなどして、長期間にわたって良好な外観を維持できるようにする。
【解決手段】 建築物の表装面を構成する表装仕上げ構造であって、表装面の下地となる下地材10と、下地材10の表面に配置され、表面が透湿性かつ耐水性であるとともに、調湿性を有する表装仕上げ層20とを備える。表装仕上げ層20は、下地材10の表面に配置され、無機多孔質粉粒体が配合された調湿層24と、調湿層24の表面に配置され、透湿性および耐水性を備えた透明被覆層22とを有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の表装仕上げ構造および表装仕上げ層の形成方法に関し、詳しくは、建築物の内装仕上げなどに適用される表装仕上げ構造と、このような表装仕上げ構造を構成する表装仕上げ層を形成する方法とを対象にしている。
【背景技術】
【0002】
建築物の室内壁面などにおける内装仕上げ構造として、石膏ボードなどからなる下地材の表面に、硅質頁岩などの調湿性に優れた無機多孔質材料が配合された塗材を塗工して、調湿性のある壁面を構築する技術が知られている。同様の無機多孔質材料が配合された調湿タイルや調湿ボード、調湿壁紙などを、内装仕上げに用いる技術も知られている。
このような調湿機能を備えた内装仕上げ構造は、施工空間の湿度を適切な範囲に調節する機能に優れていると同時に、調湿材料の選択によって、脱臭機能やVOC除去機能なども果たすことができる。硅質頁岩などを使用すれば、自然な土や岩石に近い色や質感が発現して、従来における土壁や塗り壁のように落ち着いた趣きのある内装仕上げが可能になる。
【0003】
例えば、特許文献1には、調湿材料として硅質頁岩が配合されたタイル材料を成形し焼成して調湿タイルを製造する技術が示されている。成形タイルの表面に顔料を含む泥漿物を塗工しておくことで、化粧層付きの調湿タイルを製造する技術も示されている。
特許文献2には、無機調湿材と無機バインダーを含む塗壁材が示されている。
【特許文献1】特開2003−26464号公報
【特許文献2】特開2002−114557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したような調湿機能に優れた内装仕上げ構造では、表面が汚れ易かったり、汚れが拭き取り難かったりするという問題がある。
調湿塗膜や調湿タイルの表面には、無機多孔質材料が露出している。無機多孔質材料は、表面に微細な細孔や凹凸を有することで調湿性を発揮できる。この微細な細孔や凹凸に汚れが入り込むと、表面を拭いても、汚れが拭い出せないのである。例えば、コーヒーなどの飲み物やソースなどの液体調味料は、吸水性の高い無機多孔質材料の内部まで迅速に吸収されてしまう。無機多孔質材料は、吸液性に優れ、各種物質の吸着性も高い材料であるから、液体および液体に含まる固体成分が容易に吸収され吸着保持されてしまう。また、吸放湿性に優れるので、液体に含まれる水分だけが蒸発し、後に残った着色成分などは無機多孔質材料の細孔内部に閉じ込められ易い。そのため、一旦、付着あるいは吸収された汚れは、取り除くのが大変に困難である。
【0005】
調湿塗膜や調湿タイルの表面に、塗装を施したり保護膜をコーティングしたりして、汚れ難く、汚れを取り除き易くすることが考えられる。しかし、塗膜やコーティング膜で覆われることで、調湿機能が無くなってしまったり大幅に低下したりしてしまい、本来の性能が発揮できなくなる。また、塗膜やコーティング膜の人工的な色や質感によって、調湿材料に特有の表面色や質感が損なわれる問題も生じる。
調湿塗膜や調湿タイルの表面は、擦られると傷が付き易かったり、物がぶつかって欠けたりし易いこともある。無機多孔質材料の微粉が削りとられ易い。
そのため、調湿塗膜や調湿タイルは長期間の使用に耐えなかったり、比較的短い間隔で塗り直しや取り替えが必要になったりすることがある。
【0006】
本発明の課題は、前記したような調湿機能を持たせた表装仕上げ構造において、調湿機能などを大きく損なうことなく、表面が汚れ難く、汚れが落ち易くするなどして、長期間にわたって良好な外観を維持できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる建築物の表装仕上げ構造は、建築物の表装面を構成する表装仕上げ構造であって、前記表装面の下地となる下地材と、前記下地材の表面に配置され、表面が透湿性かつ防水性であるとともに、調湿性を有する表装仕上げ層とを備える。
〔建築物の表装面〕
表装面は、一般住宅など種々の建築物において、室内の壁面、間仕切り面、天井面、床面、柱面など、建築構造の表面に露出する仕上げ面である。通常は建築物の内部における内装仕上げ面であるが、外装仕上げ面に適用する場合もある。
〔下地材〕
表装面の下地となる。建築物の躯体や柱、梁などの構造部材そのものであってもよいし、構造部材の表面を覆うパネル状の下地板や格子状の桟材などであってもよい。
【0008】
下地材の材料は、通常の建築物における構造部材や下地材料と同様の材料が使用できる。具体的には、コンクリートや鋼材、セメント板、石膏ボード、繊維集積ボード、パーティクルボード、合板などが挙げられる。
下地材として、通気性や吸放湿性のある材料を用いることもできる。表装仕上げ層と組み合わせることで、壁面内部など建築構造の内部空間との間で通気性を持たせたり、湿気の出入りを図ったりすることができる。例えば、調湿石膏ボードなどが挙げられる。調湿性下地材を使用することで、表装仕上げ層の調湿機能と調湿性下地材の調湿機能とが相乗的に発揮される。調湿機能、特に吸放湿量と吸放湿速度が極めて高い調湿壁構造を構成することができる。
【0009】
〔表装仕上げ層〕
前記下地材の表面に配置され、表面が透湿性かつ防水性であるとともに、調湿性を有する。すなわち、表装仕上げ層の表面から内部へと、湿気は通過し易いが、表面には防水性があり、水を吸って膨潤したり強度が低下したりすることがない。水などの液体や細かい粒状の固体などは、表面から内部まで容易には浸入できない。そして、内部に浸透した湿気を吸収保持したり、吸収保持した湿気を外部に放出したりする吸放湿作用による調湿機能を果たす。
表装仕上げ層は、表面が透湿性かつ防水性で、しかも、全体が調湿性を有する一つの層で構成することもできるし、下地材に近い側に配置され調湿機能を果たす調湿層と、調湿層の表面に配置され、透湿性かつ防水性を有する透明被覆層との複層構造で構成することもできる。
【0010】
〔調湿層〕
下地材の表面に配置され、無機多孔質粉粒体が配合される。基本的には、通常の調湿壁や調湿建材の技術が適用できる。
<無機多孔質粉粒体>
表装仕上げ層において調湿機能を果たす材料である。
建築分野等で使用されている通常の調湿性の無機多孔質材料が使用できる。具体的には、珪藻泥岩、珪藻頁岩、アロフェン、イモゴライト、セピオライト、ゼオライト、大谷石などが挙げられる。複数の材料を組み合わせることもできる。無機多孔質材料として、平均細孔径20〜200Å、比表面積20〜200m/gのものが、調湿能力が高く、脱臭機能やVOC除去機能なども発揮できて好ましい。
【0011】
無機多孔質材料は、天然鉱物として産出したままのものであってもよいし、焼成したものでもよい。焼成することによって、調湿機能などを向上させたり特性を安定させたりすることができる。
無機多孔質材料は、粉粒体にして使用する。産出時から粉末であるものはそのまま使用でき、岩塊状であれば粉砕して使用することができる。無機多孔質粉粒体の粒径は、通常、2mm以下に設定できる。
<調湿層の材料配合>
調湿層に十分な調湿機能を付与するには、調湿層の全体に対して、無機多孔質粉粒体を、5〜80重量%の範囲で配合しておくことが望ましい。調湿機能を高めるには、20重量%以上を配合しておくのが好ましい。
【0012】
無機多孔質粉粒体を必須とする以外は、通常の調湿層に配合されている材料を種々組み合わせることができる。
調湿層が、調湿タイルのような成形物や焼成物である場合と、調湿塗膜のような塗工材である場合とでは、配合材料の種類および配合割合が違ってくる。
<調湿塗材>
基本的には、通常の建築用の調湿塗材と共通する材料や配合が使用できる。
調湿塗材の配合として、無機多孔質粉粒体5〜80重量%とバインダー20〜95重量とを含むことができる。
【0013】
バインダーによって、塗工性や塗膜性能を果たす。バインダーとして、石膏や漆喰、セメントなどの水硬性材料、その他の無機バインダー、および、合成樹脂などの有機バインダーが挙げられる。
天然繊維や合成繊維あるいは無機繊維からなる繊維材料を配合しておくことで、塗膜の強度や耐久性を向上させたり、表面質感に変化をつけたりすることができる。
その他、調湿塗材の配合材料には、着色剤や防腐剤、防カビ剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、防蟻剤などを、必要に応じて適宜に組み合わせて使用することができる。微量放射線鉱物を配合しておくことで、調湿機能を高めたり、マイナスイオン放出機能を高めたりすることができる。
【0014】
調湿塗材は、粉体や練状物あるいは液体の形態で、建築現場あるいは調湿建材の製造現場に供給することができる。粉体状の調湿塗材は、水を加えて塗工可能な状態にしてから塗工する。但し、調湿塗材を、建築現場で建築物の壁面などにコテやローラで塗工するときと、スプレーガンで塗工するときと、建材の製造時に下地材に調湿塗材を積層するときなど、使用条件によって、適切な含水量は違ってくる。
<調湿タイル>
調湿層が、調湿タイルであることができる。
基本的には通常の調湿タイルの製造技術が適用できる。一般的な調湿タイルは、調湿材である無機多孔質粉粒体を含むタイル成形材料を、板状などのタイル形状に成形し、焼成もしくは不焼成で硬化させて製造される。
【0015】
焼成タイルの場合、無機多孔質粉粒体のほかに、必要に応じて、粘土やガラス、セラミック材料などの焼成硬化材料が配合される。不焼成タイルの場合、無機多孔質粉粒体のほかに、必要に応じて、セメントや石膏などの水硬性材料など焼成せずに硬化する硬化材料が配合される。前記した調湿塗材と同様の各種添加材も配合できる。
調湿タイルの形状や構造は、通常の調湿タイルと同様の技術が適用できる。例えば、矩形板状の一般的なタイル形状のほか、円形その他の異形状のタイルや、タイルの側辺に連結用の合いじゃくり継手構造を有するもの、タイルの裏面側に突起や凹部を有するもの、タイルの表面に凹凸模様を有するものなどがある。
【0016】
上記のような調湿タイルの製造段階あるいは製造後に、表面に透明被覆層の材料を塗工し硬化させることで、透明被覆層と調湿層とからなる表装仕上げタイルが得られる。
また、調湿機能を有しない通常のタイル材料からなる下地層の表面に、前記調湿層および透明被覆層を順次積層して表面仕上げ層を有する調湿タイルも使用できる。
<調湿層の機能>
調湿層の機能である調湿性は、吸湿能力および放湿能力で評価できる。具体的には、吸湿量および放湿量のうち少ないほうの数値で評価する吸放湿量50g/m・24h以上であることが望ましい。通常、吸湿量と放湿量とは相関するので、吸湿量が50g/m・24hよりも十分に大きければ、放湿量も50g/m・24hを超えるものと推定できる。
【0017】
調湿層の吸放湿量は、調湿層の厚みによってもことなる。調湿層が、塗工形成される場合と、調湿タイルのように成形硬化される場合とでは、好ましい厚みが違ってくる。
塗工形成される場合、乾燥後の膜厚を500μm〜5mmの範囲に設定できる。この厚さ範囲で前記吸放湿量を達成できることが望ましい。
成形硬化される場合は、通常は、機械的強度や耐変形性などを考慮して厚みが決められることが多いので、吸放湿性を発揮するために必要とされる十分な厚みが確保できる。成形硬化によって形成される調湿タイルの厚みは、通常、4〜30mmに設定できる。
下地材の存在によっても、調湿層の厚みが変更される。下地材が調湿性を有している場合は、調湿層の調湿能力が比較的に小さくても良い場合がある。
【0018】
調湿層は、調湿性に加えて、防臭性やVOC除去機能などの空気環境を改善する各種機能を備えておくことができる。
〔透明被覆層〕
調湿層の表面に配置され、透湿性および防水性を備える。
透湿性は、水蒸気透過性とも言え、気体状の水すなわち蒸気が透過する性質である。防水性は、表面に水が接触しても溶けたり変質したり膨潤したりせず本来の強度や耐久性などの特性を維持できる性質である。調湿層の各種機能を阻害しない程度に、液体である水は通過させ難い非透水性であることが望ましい。このような特性を備えた上で透明な層である。
【0019】
透明被膜層の厚みは、使用する材料や要求性能によっても異なるが、通常、5〜100μmに設定できる。調湿層の保護機能や防水性を高めるには比較的に厚くしたほうがよく、透湿性を高めるには比較的に薄くしたほうがよい。薄すぎると、多孔質状の凹凸がある調湿層の表面を十分に覆うことができず、汚染防止などの機能が低下する。厚すぎると、通気性が阻害されるので、調湿層の調湿効果が損なわれるとともに、塗膜にクラックが入り易くなるという欠点も生じる。
透明被膜層の透湿性を評価する水蒸気透過度が、400g/m・24h以上になるものが好ましい。表面硬度3H〜3B(鉛筆硬度)のものが、表装仕上げ層の表面に傷が付いたり磨耗したりし難い。
【0020】
透明被膜層として、多孔質樹脂被膜が使用できる。
<多孔質樹脂被膜>
多孔質樹脂被膜は、合成樹脂を基本的な膜形成材料とするが、通常の合成樹脂被膜のように緻密な膜ではなく、微細な孔が無数にあいた多孔質構造を有するものである。
このような多孔質構造によって、水蒸気透過性が優れると同時に防水性に優れていたり、非透水性を発揮したりすることができる。多孔質構造の細孔径や分布、細孔形状などによって、多孔質樹脂被膜の性状が違ってくる。
多孔質樹脂被膜を形成する材料として、合成樹脂が30〜60重量%配合された水性エマルジョンに、粒径0.001〜3.0μmの微細無機粒子が水性エマルジョン固形分の10〜200重量%の割合で配合された水性の透明塗材が使用できる。微細無機粒子の存在が、成膜時に、微細無機粒子の個所で部分的に隔離された状態の樹脂被膜が収縮硬化する作用を生じ、一様な樹脂被膜が形成されずに多孔質構造が構成されることになる。
【0021】
合成樹脂として、アクリル樹脂、シラン系アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂およびシラン系アクリル−スチレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの合成樹脂であって、ガラス転移点Tgが10℃以下である合成樹脂材料が使用できる。ガラス転移点が低いことで、塗工時の成膜性が良好になる。塗膜形成能力がない微細無機粒子を配合した透明塗材は、合成樹脂による成膜機能が重要になる。ガラス転移点が高すぎると、透明塗材の成膜性が悪くなる。常温で塗工硬化される透明塗材は、常温程度で十分な成膜性が発揮できる必要がある。透明塗材を加熱硬化させる場合は、その際の加熱温度で十分な成膜性が発揮できれば良い。
【0022】
合成樹脂の形態は特に限定されない。例えば、独立した合成樹脂粒子の状態で供給することもできるが、通常は、水性媒体に合成樹脂の粒子が分散された水性エマルジョンの形態で製造され、この水性エマルジョンの形態で、透明塗材の製造に供給することができる。
微細無機粒子として、コロイダルシリカや酸化チタンゾル、アルミナゾル、酸化鉄ゾルなどが挙げられる。粒径によっても異なるが、できるだけ透明性に高い材料が、透明被膜層の透明性を高められる。透明塗材への分散性や合成樹脂に対する付着性などに優れた材料が好ましい。前記材料の中で、コロイダルシリカは取扱い易く性能も優れている。
【0023】
微細無機粒子の粒径が大き過ぎると、成膜時に樹脂粒子の表面に吸着し難く、樹脂被膜に目的の大きさや量で細孔を形成させることが難しくなる。粒径が小さ過ぎるものは製造が難しいとともに、透明塗材中に均一に分散させるのが難しくなる。前記粒径範囲の中で、さらに粒径0.002〜1.0μmが好ましい。
透明塗材における微細無機粒子の配合量は、少な過ぎると目的の多孔質構造が形成され難く、透明被膜層の水蒸気透過性が悪くなる。微細無機粒子が多過ぎると、透明塗材の成膜性が低下し、透明被膜層の防水性が悪くなる。前記配合割合範囲の中で、微細無機粒子が水性エマルジョン固形分の15〜160重量%であることが、より好ましい。
【0024】
透明塗材には、上記材料以外に、通常の塗材に配合される各種添加材料が配合される。具体的には、増粘剤や乳化剤、消泡剤などが挙げられる。
多孔質樹脂被膜を形成する透明塗材の製造技術として、特公平7−110906号公報に開示された技術が利用できる。クラリアントポリマー株式会社から入手できる商品名「モビニール8000シリーズ」が使用できる。
〔透湿防水・調湿兼用層〕
表面が透湿性かつ防水性で、しかも、全体が調湿性を有する単一の層である。
前記した調湿層の材料と透明被覆層の材料とを組み合わせることで構成できる。
【0025】
具体的には、無機多孔質粉粒体と合成樹脂と粒径0.001〜3.0μmの微細無機粒子とを含む水性の塗材を塗工して形成された塗膜は、全体として調湿機能を有するとともに、表面は透湿性かつ防水性にすることができる。なお、当然のことながら、透湿防水・調湿兼用層は、透明にはならない。
使用する材料や配合は、前記した調湿層および透明被覆層の場合と共通する。調湿層の材料と透明被覆層の材料とを混合するだけでもよい。目的とする機能に合わせて、それぞれを別個の層として形成する場合と、一部の配合を変えることもできる。
例えば、表面の防水性および透湿性は十分に発揮できるようにすることで、調湿性については少し低くなっても、別の手段で補うことができる。具体的には、透湿・防水・調湿兼用層からなる表装仕上げ層の背面に、調湿機能を有する下地材を配置すれば、調湿性を高めることができる。耐汚れ性を高めるには、透湿防水・調湿兼用層における無機多孔質粉粒体の配合量を、前記した調湿層における配合量範囲の中で、60重量%以下に設定しておくことが好ましい。透明被覆層において水性エマルジョンを構成する合成樹脂と、調湿層において有機バインダーを構成する合成樹脂は共通する材料が使用できるので、透湿防水・調湿兼用層においては、調湿層における有機バインダーを配合せずに、透明被覆層における合成樹脂で兼用させることができる。
【0026】
〔表装仕上げ建材〕
建築現場で現場施工される表装仕上げ層ではなく、予め、工場などで生産しておき、建築現場に搬入し施工することで、表装仕上げ構造を構成する。
基本的な材料や構造、形状などは、通常の建築用の部品や部材として利用されている調湿建材と共通する技術が適用できる。例えば、調湿タイル、調湿ボード、調湿ブロックなどが挙げられる。
表装仕上げ建材として、下地材と表装仕上げ層とを備えるもののほか、表装仕上げ層のみで構成された表層仕上げ建材もある。
【0027】
<下地材と表装仕上げ層との積層構造>
予め製造された下地材の表面に、表装仕上げ層となる調湿層および透明被覆層を順次塗工し硬化させることで製造できる。下地材に、表装仕上げ層となる透湿防水・調湿兼用層を塗工し硬化させたものでもよい。予め製造された表装仕上げ層を、下地材の表面に接着などの固着締結手段で接合して一体化させることもできる。下地材と表装仕上げ層との一体化は、建築物の施工現場で、下地材を施工したあとで表装仕上げ層と一体化させることができる。下地材の生産工場で、下地材と表装仕上げ層とを一体化することもできる。表装仕上げ層のうち、調湿層だけを下地材と一体化させておき、建築物の最終仕上げ段階で、調湿層の表面に透明被覆層を形成することもできる。
【0028】
表装仕上げ層が形成された下地材を、鋼製の枠に貼り付け、鋼製枠内に断熱材を収容したり、鋼製枠の反対面に外装材料を貼り付けたりして製造される建築用複合パネルが構成できる。
<表装仕上げ層のみからなるもの>
前記した調湿タイルのように、調湿層と透明被覆層とからなる表装仕上げ層のみで構成され、下地材に取り付け可能な板状体からなる表装仕上げ建材がある。このような表装仕上げ建材の調湿層としては、調湿石膏ボードなどの調湿ボード類も使用できる。これらの調湿ボード類は調湿層の機能と下地材の機能とを兼ね備えている。
【0029】
表装仕上げ層のみからなる表装仕上げ建材の場合、調湿層に機械的強度や耐久性を持たせるために補強材を埋め込んでおくこともできる。下地材に取り付けるための係合構造や取付金具などを備えておくこともできる。
〔表装仕上げ層の形成方法〕
基本的には、通常の建築物における表装仕上げ技術が適用される。建築現場において実施される工程と、建築現場とは別の製造工場などで予め実施される工程とがある。
具体的には、以下の工程を組み合わせることができる。
下地材の表面に配置される、無機多孔質粉粒体が配合された調湿層を形成する工程(a)。
【0030】
含水率が20%以下である前記調湿層の表面に、透湿性および防水性を備えた透明被覆層になる透明塗材を塗工し乾燥硬化させる工程(b)。
工程(a)は、下地材の表面に調湿層を形成する場合と、下地材がなく、調湿層だけを単独で形成する場合がある。
工程(b)において、調湿層の含水率を20%以下に設定しておくことが重要である。
調湿層の含水率が高過ぎると、調湿層に含まれる水分によって、その上に塗工される透明塗材の塗膜が失透する問題が発生し易い。形成された透明被膜層の水蒸気透過性も低下する。含水率が十分に低く乾燥した状態であれば、透明塗材が良好に塗工でき、形成された透明被膜層の性能も良好に発揮できる。
【0031】
調湿層の表面に透明塗材を塗工して透明被覆層を形成する手段として、通常の現場施工用の塗装技術あるいは製造工場用の塗装技術が適用できる。例えば、刷毛塗り、ロール塗装、スプレー塗装、フローコーター塗装などが挙げられる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にかかる表装仕上げ構造は、表面が透湿性かつ防水性であるとともに、調湿性を有する表装仕上げ層を備えていることにより、住宅の室内壁の内装仕上げなどに適用したときに、施工環境の湿度が高くなり過ぎたり乾燥し過ぎたりしないように適切に調湿できるとともに、表面に汚れがつき難く、ついた汚れも容易に拭き取るなどして除去することができる。
その結果、優れた外観性や表面性状を、長期間にわたって良好に維持することができる。表装仕上げ構造の補修や塗材の塗り替えを必要する期間を大幅に延長でき、建築物の維持管理に要するコストを低減できる。
【0033】
また、表装仕上げ層は、表面から内部までにわたる通気性を有するため、吸音特性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1に示す実施形態は、一般住宅の室内壁面における内装構造に、本発明の表装仕上げ構造を適用した場合である。図の左側が室内空間、右側が壁の内部構造になる。
下地材10は、図示を省略した壁躯体や柱、枠材などの室内側表面に施工されている。例えば、石膏ボードを並べて取り付けている。
下地材10の表面に、表装仕上げ層20が構成される。表装仕上げ層20は、下地層10に隣接する調湿層24、調湿層24の表面に配置された透明被覆層22からなる。
調湿層24は、硅質頁岩などの無機多孔質粉粒体が配合された塗壁材を、こて塗りなどの塗壁技術で塗工し乾燥硬化させて形成される。形成された調湿層24の表面は、配合された形質頁岩などに特有の自然な質感や色を発現している。
【0035】
透明被覆層22は、調湿層24が形成されたあと、調湿層24の水分が十分に放出されて、含水率20%以下になったところで、合成樹脂配合の水性エマルジョンに微細無機粒子が配合された透明塗材を、通常のスプレー塗装などで塗装し乾燥硬化させることで形成される。透明被覆層22は透明であるため、表装仕上げ層20の表面外観は、調湿層24の質感や色がそのまま発現した状態である。
このような表装仕上げ施工が行われた室内空間において、湿度が過剰に高くなると、湿気は、表装仕上げ層20のうち、水蒸気透過性の高い透明被覆層22を通過して調湿層24に入り込み、調湿層24の無機多孔質粉粒体に吸収保持される。室内空間の湿度が下がり、居住者にとって快適な湿度になる。その後、室内空間が乾燥し過ぎると、調湿層24に吸収保持されていた水分が透明被覆層22を通過して室内空間に放出される。室内空間は適度な湿気を含む状態に戻り、居住者にとって快適な環境になる。また、硅質頁岩などを配合した調湿層24は、室内空間の臭いやVOCを吸着除去する機能やマイナスイオン放出機能などもあり、室内空間の環境改善を効果的に果たすこともできる。
【0036】
室内空間で水を使ったり、調理や飲食を行ったりすると、表装仕上げ層20の表面に、水や調味料、果汁などが付着することがある。透明被覆層22の表面に付着した水などの液体は、透水性のない透明被覆層22を通過して調湿層24に入り込むことはできない。透明被覆層22の表面から、液体を拭き取れば、表装仕上げ層20の表面は元の綺麗な状態に戻る。埃などの微細な固体も、透明被覆層22を通過できず表面に留まるので、容易に拭き取ることができる。
また、硅質頁岩などで構成された調湿層24は、モノが当たったり引っ掻いたりしたときに傷が付いたり欠けたりし易いが、透明被覆層22で覆われていれば、少しの外力や摩擦程度では容易に損傷することはない。
【0037】
その結果、表装仕上げ層20は、長期間にわたって良好な調湿機能および優れた外観性を維持することができる。
さらに、透明被覆層22および調湿層24からなる表装仕上げ層20は、その構造上、表面から内部へと通じる微細な多孔質空間を備えることで良好な通気性を有するので、室内空間で発生する音を吸収する吸音特性にも優れているものとなる。
〔透湿防水・調湿兼用層〕
図2に示す実施形態は、透湿防水・調湿兼用層を備える。
前記実施形態と同様の下地材10の表面に、表装仕上げ層20として、透湿防水・調湿兼用層26が形成されている。
【0038】
透湿防水・調湿兼用層26となる塗材を、コテ塗りなどの塗工手段で下地材10の表面に塗工し、乾燥硬化させて形成される。塗材は、前記実施形態における透明塗材の材料と調湿層の材料とが配合されたものである。
透湿防水・調湿兼用層26は、不透明な無機多孔質粉粒体が配合されているので、全体としては透明ではなく不透明である。但し、透明塗材の材料である合成樹脂および微細無機粒子は実質的に透明性を示す。その結果、形成された状態の透湿防水・調湿兼用層26は、無機多孔質粉粒体に使用された硅質頁岩などが有する色や質感が発現する。
この実施形態でも、室内空間の過剰な湿気が透湿防水・調湿兼用層26に吸収保持されたり、透湿防水・調湿兼用層26から室内空間に水分が放出されたりして、室内空間の湿度環境を居住に適切な一定範囲に調湿することができる。
【0039】
また、無機多孔質粉粒体の表面を合成樹脂と微細無機粒子とによって形成された透明な被膜が覆っている状態になるので、透湿防水・調湿兼用層26の表面に付着した水などの液体が透湿防水・調湿兼用層26の内部まで浸透することはない。透湿防水・調湿兼用層26の表面を拭き取るだけで、いつまでも、表装仕上げ層20の表面を美麗な状態に維持することができる。前記実施形態と同様に、この実施形態でも、通気性のある透湿防水・調湿兼用層26が、良好な吸音特性を発揮する。
〔調湿タイル〕
図3に示す実施形態は、表装仕上げ層を調湿タイル30で構成している。
【0040】
調湿タイル30は、通常の調湿タイルと同様に矩形などの板状をなしている。調湿タイル30の側辺には、互いに噛み合わせて連結するための凹凸である合いじゃくり継手が設けられている。
調湿タイル30は、調湿材である無機多孔質粉粒体が配合されたタイル材料を成形し焼成硬化させて得られた調湿層34と、調湿層34の表面に、前記実施形態と同様の透明塗材を塗工し乾燥硬化させた透明被覆層32とを有している。
下地材10の表面に、調湿タイル30を互いの合いじゃくり継手で連結しながら並べて敷設する。通常のタイル施工と同様に、調湿タイル30の裏面にモルタルや接着剤を介したり、ねじ釘で締結したりすることで、下地材10に接合固定する。
【0041】
施工状態においては、施工された調湿タイル30の表面全体が、透明被覆層32で覆われていることになる。施工面の全体に、もう1度、透明塗材を塗工して、全面を一様に覆ったり、調湿タイル30同士の隙間を埋めたりすることもできる。
調湿タイル30が施工された表装仕上げ面では、通常の調湿タイル30と同様に、室内空間の湿度を調整する調湿機能が果たされるとともに、透明被覆層22が存在することで、表面に付着した液体などが調湿タイル30の内部まで浸入することを防止できる。表面の液体を拭き取るだけで、元に美麗な状態に戻すことができる。前記実施形態と同様に吸音特性にも優れた性能を発揮できる。
【実施例】
【0042】
表装仕上げ構造を実際に構築した具体例とその性能を評価した結果を示す。
〔使用材料〕
<調湿塗材>
配合:硅質頁岩(平均細孔径20〜200Å、比表面積20〜200m/g、粒径1mm以下に粉砕)50重量%、漆喰45.5重量%、ビニロン繊維1重量%、粉末アクリル樹脂3重量%、増粘剤0.5重量%、水50重量%。
上記材料を常法により十分に撹拌混合して、調湿塗材を得た。
<調湿タイル>
配合:硅質頁岩(調湿塗材と同じもの)75重量%、粘土20重量%、ガラス粉5重量%。
【0043】
上記材料を常法により十分に混合し粉砕したのちスプレー乾燥してタイル成形材料を調製した。このタイル成形材料を成形型で成形したあと、焼成して、調湿タイルを得た。
<透明塗材>
樹脂エマルジョン:アクリル樹脂粒子が水に分散された水性エマルジョンからなり、樹脂固形分50重量%である汎用の樹脂エマルジョン製品を用いた。
微細無機粒子:汎用のコロイダルシリカまたは酸化チタンゾル製品を用いた。
所定量の樹脂エマルジョンおよび微細無機粒子に、アクリル系増粘剤1重量%を混合し、さらに、水を加えて固形分濃度が20%になるように調製した。
【0044】
〔表装仕上げ構造の施工〕
<塗り壁仕上げ>
下地材に市販の石膏ボードを用いた。石膏ボードの表面に前記調湿塗材を塗布量3kg/mで塗工して調湿層を形成した。2日間放置して、含水率10%以下になるまで乾燥させた。
調湿層の表面に、前記透明塗材をスプレー塗装した後、所定の乾燥温度で7日以上かけて乾燥硬化させ、透明被覆層を形成した。乾燥温度と、得られた透明被膜層の膜厚を、表1に示す。
【0045】
<タイル仕上げ>
前項の塗り壁仕上げと同様にして、調湿タイルの表面に透明塗材を塗工して透明被膜層を形成した。この場合も、調湿タイルの含水率を10%以下にしておいた。
〔性能評価試験〕
<水蒸気透過量>
JIS−K7129に準じて、透明被覆層単独での水蒸気透過量を測定した。
<吸湿性>
各試験体の裏面および側面をアルミ箔で密封した。25℃、50%RHの環境で48時間保持したあと、25℃・90%RHで24時間保持したときの重量増加量を測定して、吸湿量(g/m・24h)を算出した。
【0046】
<耐汚染性>
各試験体の表面に、コーヒー、日本茶、醤油、ソースなどの生活上で室内壁面に付着する可能性のある物質を含む汚れ液体を、スポイトで1cc滴下した。1分後に、水洗して、汚れ液体の除去状況を目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
○:完全に除去できた。
△:かなり除去できたが、付着痕が明確に認められる。
×:全く除去できなかった。
<表面硬度>
常法にしたがって、鉛筆硬度を測定した。Bの前の数字が小さいほど硬く、BよりもF、FよりもHが硬く、Hの前の数字が大きいほど硬いことを表す。
【0047】
〔試験結果〕
上記試験の結果を、表1、2に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
<評価>
(1) 比較例1、2は、透明被膜層を形成しない通常の調湿塗膜および調湿タイルである。吸湿量は多く調湿機能は発揮できるが、液体汚れが付着すると、内部に染み込んでしまって除去することができず、耐汚染性が劣る。
(2) これに対し、透明被膜層を設けた実施例1〜4では、吸湿量はほとんど変わらない上に、液体汚れは容易に拭き取ることができ、耐汚染性に優れたものであった。また、表面仕上げ構造の外観は、透明被覆層を通して調湿塗膜や調湿タイルの色や質感が表出し、良好なものであった。
【0051】
(3) 実施例3では、透明被膜層のない比較例1よりも、吸湿量が大きくなっている。これは、透明被膜層自体にもある程度の吸湿能力が発揮されていることによるものと推定できる。
(4) なお、上記試験結果とは別に、樹脂エマルジョンのTgが高すぎると塗膜にクラックが生じやすいこと、微細無機粒子が多すぎても塗膜にクラックが生じやすいこと、微細無機粒子の粒径が大き過ぎると吸湿量が少なくなることなども確認された。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、例えば、一般住宅の室内壁の内装仕上げ構造に適用でき、室内空間の居住に快適な湿度範囲に調湿する機能が良好に発揮できることに加えて、表面が汚れ難く、付いた汚れは除去し易く、長期間にわたって良好な外観品質を維持することができる。吸音特性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態を表す表装仕上げ構造の断面図
【図2】別の実施形態を表す表装仕上げ構造の断面図
【図3】別の実施形態を表す表装仕上げ構造の断面図
【符号の説明】
【0054】
10 下地材
20 表装仕上げ層
22 透明被覆層
24 調湿層
26 透湿防水・調湿兼用層
30 表装仕上げタイル
32 透明被覆層
34 調湿層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の表装面を構成する表装仕上げ構造であって、
前記表装面の下地となる下地材と、
前記下地材の表面に配置され、表面が透湿性かつ防水性であるとともに、調湿性を有する表装仕上げ層と
を備える建築物の表装仕上げ構造。
【請求項2】
前記表装仕上げ層が、
前記下地材の表面に配置され、無機多孔質粉粒体が配合された調湿層と、
前記調湿層の表面に配置され、透湿性および防水性を備えた透明被覆層とを有する
請求項1に記載の建築物の表装仕上げ構造。
【請求項3】
前記調湿層が、無機多孔質粉粒体5〜80重量%とバインダー20〜95重量%とを含む調湿塗材の塗膜からなり、
前記透明被覆層が、合成樹脂が30〜60重量%配合された水性エマルジョンに、粒径0.001〜3.0μmの微細無機粒子が水性エマルジョン固形分の10〜200重量%の割合で配合された透明塗材の塗膜からなる
請求項2に記載の建築物の表装仕上げ構造。
【請求項4】
前記調湿塗材が、珪藻泥岩、珪藻頁岩、アロフェン、イモゴライト、セピオライト、ゼオライトおよび大谷石からなる群から選ばれる少なくとも一つの無機多孔質材料の粉末と、無機バインダーである漆喰と、繊維材料と、水とが配合されてなり、
前記合成樹脂が、アクリル樹脂、シラン系アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂およびシラン系アクリル−スチレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの合成樹脂であってガラス転移点が10℃以下である
請求項3に記載の建築物の表装仕上げ構造。
【請求項5】
前記調湿層が、厚さ0.5〜5mmで、吸放湿量50g/m・24h以上であり、
前記透明被覆層が、厚さ5〜100μmで、表面硬度3H〜3B(鉛筆硬度)、水蒸気透過量400g/m・24h以上である
請求項2〜4の何れかに記載の建築物の表装仕上げ構造。
【請求項6】
前記表装仕上げ層が、
前記下地材の表面に配置され、無機多孔質粉粒体と合成樹脂と粒径0.001〜3.0μmの微細無機粒子とを含む水性塗材の塗膜からなる
請求項1に記載の建築物の表装仕上げ構造。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の表装仕上げ構造に用いられる表装仕上げ建材であって、
前記下地材と、
前記下地材の表面に配置され、表面が透湿性かつ防水性であるとともに、調湿性を有する表装仕上げ層と
を備える建築物の表装仕上げ建材。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載の表装仕上げ構造に用いられる表装仕上げ建材であって、
前記表装仕上げ層からなり、前記下地材に取り付け可能な板状体である
建築物の表装仕上げ建材。
【請求項9】
請求項1〜5、7、8の何れかに記載の表装仕上げ層を形成する方法であって、
前記下地材の表面に配置される、無機多孔質粉粒体が配合された調湿層を形成する工程(a)と、
含水率が20%以下である前記調湿層の表面に、透湿性および防水性を備えた透明被覆層になる透明塗材を塗工し乾燥硬化させる工程(b)と
を含む表装仕上げ層の形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−328910(P2006−328910A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157795(P2005−157795)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000004673)パナホーム株式会社 (319)
【出願人】(000003322)大日本塗料株式会社 (275)
【出願人】(000205742)株式会社オーシカ (40)
【Fターム(参考)】