説明

建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニット

【課題】エンドレス型のプルコードに内在する乳幼児に対する危険性を排除する。
【解決手段】建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニットは、駆動アセンブリと制動アセンブリ42とを備えている。駆動アセンブリは、プルコード32の巻取りと巻取ったプルコードの引出しとが可能なスプールと、このスプールをプルコード巻取方向に付勢するバネとを含んでいる。スプールには駆動ギア60が作用的に組合わされており、プルコードを引いてスプールからプルコードを引出すと、駆動ギアが軸心方向に移動して制動アセンブリの被動ギア64と係合する。この状態で、被動ギアは被動軸を回転させ、その被動軸が覆いの昇降用シャフトを回転させて覆いを上昇させ、覆いを展張状態から引込状態にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本件特許出願は、米国特許出願第12/263,580号(出願日:2008年11月3日、発明の名称:「建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニット」、以下、「'580号出願」と称する)に基づく優先権を主張する特許出願であり、この'580号出願は、米国特許法第119条(e)の規定により、米国特許仮出願第60/987,861号(出願日:2007年11月14日、発明の名称:「建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニット」、以下、「'861号出願」と称する)に基づく優先権を主張する特許出願である。尚、'580号出願並びに'861号出願の内容はこの言及をもってそれらの全体が本願開示に組込まれたものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、広く一般的には、建築物の開口部を覆う引込可能な覆いを作動させるための制御機構に関し、より詳しくは、プルコードを反復して引く往復操作を行うことで覆いをインクリメンタル式に上昇させることができる一方向性駆動アセンブリと、この駆動アセンブリに作用的に組合わされた制動アセンブリとを備え、その制動アセンブリによって覆いが重力により降下するのを選択的に阻止するようにした制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
窓、ドア、アーチウェイなどの建築物の開口部を覆うための覆いには様々な形態のものがあり、例えば、ごく普通の布製のカーテンから、横型ベネシャンブラインド、縦型ブラインド、巻上式シェード、それに、更にその他にも数々のものがあり、それら覆いを用いることによって、上に挙げたありふれた建築物の開口部に、様々に異なる外観を付与することができ、また模様替えを施すことができる。これらの覆いを操作するために用いられている制御機構は、その覆いの種類に応じて様々に異なっており、例えば、巻上式シェードに用いられている制御機構は、通常、縦型ブラインドに用いられている制御機構とも、また、横型ベネシャンブラインドに用いられている制御機構とも異なったものである。覆いの制御機構の殆どは、プルコード、プルテープ、または傾動用のワンドにより操作されるものである。それら操作部材は覆いのヘッドレールの一端から垂下されており、操作者は、それら操作部材を操作することによって、その覆いが装着されている建物の開口部において、その覆いを展張状態と引込状態との間で操作することができる。更に、ヘッドレールの一端から垂下されているプルコード、プルテープ、またはワンドのうちには、それらを操作することによって、覆いが建築物の開口部に展張された状態にあるときに、その覆いを構成しているスラットやベーンを傾動させるようにしたものもあり、スラットやベーンを傾動させることによって、展張状態にある覆いを通して向こう側を選択的に見えるようにしたり目隠ししたりすることや、その覆いを通して選択的に採光するようにしたり遮光したりすることが可能である。
【0004】
プルコードやプルテープを用いたものでは、それらをエンドレス型の形態として、ヘッドレールの一端からループ状のコードやテープを垂下させたものが多々あった。しかしながら、このようなループ状のコードまたはテープは乳幼児の身体に絡まることがあり、そのため、目を離した隙に乳幼児が負傷するおそれがあることが問題となっていた。
【0005】
近年、このような、エンドレス型のプルコードに内在する乳幼児に対する危険性を排除することを目的として、数多くの試みがなされてきた。例えば、それまでエンドレス型のプルコードとしていたものを、2本の別々のプルコードに分けることによって、ループが存在しないようにしたものがある。また、2本に分けたそれらプルコードの端部どうしを分離可能に接続して、所定の条件下で、即ち、所定の大きさの引張力が加わったときに、それら端部が分離するようにしておくことで、乳幼児に危害が及ばないようにしたものもある。更に最近では、例えば本願の譲受人に譲渡された米国特許第6,223,802号の特許公報に開示されているような、ただ1本のプルコードまたはプルテープを用いて制御機構を駆動するようにしたものもあり、これは、ループ状のプルコードやプルテープを用いているものと比べて、本来的に高い安全性を備えている。その構成は、ただ1本のプルコードまたはプルテープによって、被動軸を間欠的に一方向にだけ回転させる一方向性駆動機構を操作するようにしたものである。その被動軸を様々な種類の建築物の覆いに連結して使用することができる。また、その一方向性駆動機構は、プルコードまたはプルテープを操作することによって覆いを間欠的に上昇させることができると共に、制動機構を解除することによって覆いを重力にまかせて展張させることができるものであり、また、その制動機構は、それを係合状態とすることによって、覆いを任意の引込位置(上昇位置)に保持することができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この最後に説明した種類のシステムの更に別の構成を提供することを目的として成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御ユニットは、単一のモジュールとして提供されるものであり、また、互いに作用的に連結された駆動アセンブリと制動アセンブリとを備えたものである。
【0008】
その1つの実施の形態においては、駆動アセンブリは、その周囲にプルコードを巻取ることと、巻取ったプルコードをそこから引出すこととが可能なスプールと、このスプールをプルコード巻取方向に付勢するバネとを含んでいる。プルコードを引くと、そのバネの付勢力に抗してスプールからプルコードが引出され、それによってスプール軸が一方の回転方向に回転させられる。そして、スプール軸が一方の回転方向に回転すると、駆動ギアがスプール軸に沿ってスプールから離れる向きに軸心方向に移動させられ、制動アセンブリの被動ギアと噛合する。駆動ギアを被動ギアから離すように付勢する弾性部材が備えられており、それによって、スプール軸が一方の回転方向に回転するときにだけ、駆動ギアと被動ギアとが係合するようにしてある。換言するならば、プルコードを手で引いてスプールから引出すと、スプール軸が一方の回転方向に回転し、それによって駆動ギアが軸心方向に移動して被動ギアと噛合する。一方、プルコードを引くのをやめて、プルコードがバネの付勢力によってスプールに巻取られるようにすると、駆動ギアと被動ギアとの噛合が外れるようになっている。これによって、駆動アセンブリは、被動ギアを一方の回転方向にだけ回転駆動するように機能するものとなっており、即ち、スプールに巻取られていたプルコードが引出されるときにだけ選択的に機能するものとなっている。
【0009】
以上に述べた実施の形態における制動アセンブリは、被動ギアと、この被動ギアが一体に回転するように取付けられた被動軸とを含んでいる。この被動軸は更に、覆いの昇降用シャフトに作用的に連結されるものであり、この昇降用シャフトは、覆いを従来の方式で上昇及び硬化させるための昇降用コードを備えている。従って、被動軸が回転するときには、覆いのヘッドレールの内部に装備されている昇降用シャフト及び昇降機構も共に回転する。この制動アセンブリに装備されているワンウェイブレーキは、被動軸が駆動アセンブリによって駆動されていないときに、その被動軸が回転することを選択的に阻止することにより、建築物の開口部において覆いを任意の引込位置(上昇位置)に保持するものである。ただし、被動軸には解除機構が作用的に組合わされており、この解除機構は、ワンウェイブレーキを制動解除状態にすることで、被動軸が逆方向に回転することを許容するものである。この解除機構は、被動軸に作用的に連結された調速機構及びギア列を含んでおり、そのため、その調速機構の回転が阻止されているときには、被動軸も上述した逆方向に回転することが阻止されている。しかるに、この解除機構は、調速機構の回転を選択的に許容するように機能し、それによって、被動軸が上述した逆方向に回転することを許容するものであり、これによって、覆いがどの引込位置(上昇位置)にあっても、そこから降下させることができるようになっている。
【0010】
解除機構は、調速機構に形成されたギア(調速機構ギア)と係合可能な係止機構を含んでおり、この係止機構は、プルコードの操作によって、調速機構ギアに対する係合位置と非係合位置との間で移動させることができる。プルコードは、係止機構を係合位置と非係合位置との間で移動させるためのロックレバーに作用的に組合わされている。
【0011】
以上の構成によれば、制御ユニットは、プルコードにより操作されて被動軸を一方向に回転させる駆動アセンブリを備えており、そのプルコードは更に、被動軸の逆方向の回転を選択的に阻止するワンウェイブレーキを操作する機能も有している。これによって、覆いを任意の上昇位置に上昇または降下させることが可能になっている。
【0012】
本発明の第2の実施の形態によれば、駆動アセンブリは、上で説明した第1の実施の形態における駆動アセンブリとは異なり、スプリングクラッチを用いて、被動軸を一方向にだけ回転駆動するようにしており、ただしその被動軸は、第1の実施の形態と同様に、覆いの昇降用シャフトと一体に回転するようにその昇降用シャフトに連結されるものであって、その昇降用シャフトは覆いを上昇及び降下させるための昇降用コードを備えている。更に、その被動軸は、上で説明したものと同様に、制動アセンブリのワンウェイブレーキに作用的に連結されており、それによって、被動軸が駆動アセンブリによって一方向に回転駆動されていないときに、その被動軸が回転することを阻止することにより、建築物の開口部において覆いを任意に選択した展張位置ないし引込位置(上昇位置)に保持するものである。またこの第2の実施の形態においても、被動軸には解除機構が作用的に組合わされており、この解除機構は、ワンウェイブレーキを制動解除状態にすることで、被動軸が逆方向に回転することを許容するものである。この解除機構の構成は、第1の実施の形態における解除機構と同一である。
【0013】
第2の実施の形態における駆動アセンブリは、その周囲にプルコードを巻取ることと、巻取ったプルコードをそこから引出すこととが可能なコード巻取用スプールと、このスプールをプルコード巻取方向に回転させるように付勢するバネから成る付勢機構とを含んでいる。プルコードを引くと、そのバネの付勢力に抗してスプールからプルコードが引出され、それによってスプール軸が一方の回転方向に回転させられる。この付勢用のバネは、ハウジングの中のスプール軸の近傍に配設されており、駆動ギアを備えている。この駆動ギアは、コード巻取用スプールに形成されているギアと作用的に噛合しており、スプール軸がプルコード引出方向に回転するときに、付勢用のバネを巻上げるように機能するものである。付勢用のバネは、所定の条件下において、コード巻取用スプールを逆方向に回転させてその周囲にプルコードを巻取らせる。スプール軸がプルコード引出方向に回転しているときには、このスプール軸に作用的に組合わされているスプリングクラッチが、このスプール軸と被動軸とを共に締付けるようにしてあるため、スプール軸がプルコード引出方向に回転するときには、被動軸も共にプルコード引出方向に回転する。一方、コード巻取用スプールが、付勢用のバネによって逆方向であるプルコード巻取方向に回転させられてプルコードを巻取っているときには、スプリングクラッチはスプール軸が被動軸に対して相対的に回転できるようにしており、そのため、コード巻取用スプールが巻取りを行っている間は、被動軸は回転することなく静止した状態に保たれる。
【0014】
本発明のその他の局面、特徴、並びに細部構造については、以下の添付図面に即した好適な実施の形態の詳細な説明を参照することによって、また、特許請求の範囲の記載を参照することによって、より完璧に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図4に、本発明の第1の実施の形態に係る制御ユニット22を組込んだ建築物の開口部(不図示)を覆うための覆い20を示した。尚、図示した覆いはあくまでも1つの具体例を示したに過ぎず、この制御ユニット22は、建築物の開口部を覆うために用いられている様々な種類の引込可能な覆いに使用し得るものである。図示した覆いにおいて、セルラ型のシェード構造体24は、各々が水平方向に延在するように配置されて相互に上下に連結された断面が潰れるように変形可能な複数のセル26により構成されている。このシェード構造体24は、昇降機構を介してヘッドレール28から吊下されており、このシェード構造体24の下縁には、所要の重量を付与したボトムレール30が連結されている。この覆いは、引込可能な覆いであるため、図2に示した完全展張状態にすることも、また図1に示した完全引込状態にすることもでき、また、完全展張状態と完全引込状態との間の任意の展張度の部分展張状態にすることもできる。後の制御ユニット22についての説明により明らかとするが、この覆いは1本のプルコード32により操作されるものであり、プルコード32はその下端にタッセル34が止着されている。プルコード32を引下げる操作と、その引下げた力を緩めてプルコード32が自動的に上方へ引込まれるのにまかせる操作とを反復することによって、プルコード32を上下方向に往復運動させることができ、これについても後に詳述する。制御ユニット22が引上モード(引上状態)にあるときにプルコード32を引下げると、その1回の引下げ操作ごとにボトムレール30がインクリメント式に所定量ずつ上昇させられ、そして、引下げたプルコード32が自動的に引込まれている間は、ボトムレール30は一定の高さ位置に維持されており、次にプルコード32を引下げたときに、ボトムレール30は再びインクリメント式に所定量だけ上昇させられる。以上の操作を反復することによって、シェード構造体24は図1に示した完全引込状態に至る。以上の動作を図示したのが図4であり、同図に示したようにプルコード32が上下方向に移動操作すると、プルコード32の1回の下方移動ストロークごとにシェード構造体24が所定量ずつ引上げられる。また更に、これも後に詳細に説明するように、プルコード32を一方の側方へ引くことによって、制御ユニット22を引上モード(引上状態)から降下モード(降下状態)へ切換えることができ、この操作を示したのが図3である。換言するならば、プルコード32が覆いの左端に取付けられている場合には、タッセルを右方へ寄せる操作を行うことによって制動解除状態となり、それによって、シェード構造体24を重力にまかせて降下させることができるようになるため、所望の降下量だけ降下させるようにすればよい。
【0016】
図5に示したのは、図1〜図4に示した覆い20の分解図である。図5から明らかなように、本発明の制御ユニット22は覆いのヘッドレール28の内部に配設されており、このヘッドレール28は更に、複数の昇降用スプール38を備えた昇降用シャフト36を支持している。それら昇降用スプール38の外周に夫々に昇降用コード40が巻取られるようにしてあり、それら昇降用コード40の下端にはボトムレール30が止着されている。昇降用スプール38は昇降用シャフト36と一体に回転するため、覆いを図2の展張状態から図1の引込状態とするには、昇降用シャフト36を一方の回転方向へ回転させて、昇降用スプール38の外周に昇降用コード40を巻取るようにすればよく、また、覆いを引込状態から展張状態にするには、昇降用シャフト36を逆方向に回転させて昇降用スプール38に巻取られていた昇降用コード40の引出しを可能にすることでボトムレール30を降下させることができ、それによってシェード構造体24がヘッドレール28とボトムレール30との間に展張されることになる。
【0017】
昇降用シャフト36の回転運動は、本発明の制御ユニット22によって引き起こされるものである。制御ユニット22は、プルコード32を引下げる操作と、その引下げた力を緩めてプルコード32が自動的に上方へ引込まれるのにまかせる操作とを反復して、プルコード32を上下方向に往復操作することにより、昇降用シャフト36を一方の回転方向へ駆動することができるように構成されている。この場合、プルコード32の1回の引下げ操作ごとに、昇降用シャフト36は所定の回転数だけ回転させられ、ボトムレール30が所定距離だけ上昇させられる。そして、プルコード32を引下げる操作と、その引下げた力を緩めてプルコード32が自動的に上方へ引込まれるのにまかせる操作とを連続して行うことにより、シェード構造体24をインクリメント式に所望の引込量に達するまで引込ませる(上昇させる)ことができる。制御ユニット22に内蔵されている制動アセンブリ42(これについては後に詳述する)は、通常状態では、プルコード32が引下げられているとき以外はボトムレール30を一定の高さ位置に保持するように機能している。そして、この制動アセンブリ42を制動解除状態にすることで、ボトムレール30を重力にまかせて降下させることができる。その場合、昇降用シャフト36は逆方向に回転し、この逆方向の回転は、重力により降下しようとするボトムレール30の重量によって発生するものであり、これによってシェード構造体が展張されて、図1の引込状態から図2の展張状態になる。制御ユニット22に内蔵されている調速機構44(これについても後に詳述する)は、ボトムレール30が重力によって降下する際の速度を調整し、それによって覆いの展張速度を調整するものである。
【0018】
図6〜図9に示したように、本発明の制御ユニット22は二分割型のハウジング46を備えており、このハウジング46は、下側ハウジング部材48と上側ハウジング部材50とで構成されている。それら上下のハウジング部材には、互いに対応したリブ組み構造が形成されており、それらリブ組み構造によって、この制御ユニット22の様々な機能部品を上下のハウジング部材の間に組付けられるようにしている。また当然のことであるが、上下のハウジング部材は任意の適宜の手段によって図6に示したように互いに結合されており、これによって、覆いのヘッドレール28に任意の適宜の手段で取付けることのできる1個のコンパクトなユニットの中に、様々な機能部品が適切に組付けられた構成とされている。
【0019】
以下の説明は、おそらく図8及び図9を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われるが、制御ユニット22は、互いに作用的に連結された駆動アセンブリ52と制動アセンブリ42とを備えている。駆動アセンブリ52は、スプール軸56が一体に形成されたスプール54を備えており、このスプール54にプルコード32の上端が止着されている。プルコード32の下端には、操作者がこのプルコード32を操作する際に手で掴むタッセル34が止着されている。ハウジング36の中に、駆動アセンブリ52の復帰バネ58が配設されており、この復帰バネ58は動作中デュアルラップ型コイルバネである。復帰バネ58はスプール54に作用的に連結しており、スプール54に対して、図8で見て時計回り、図9で見て反時計回りの回転方向の回転力を作用させるものである。スプール軸56には、これも駆動アセンブリ52の部品である駆動ギア60が、このスプール軸56と一体に回転するように取付けられている。駆動ギア60は更に、スプール軸56上の互いに径方向反対側の位置に形成されている一対の突起62と協働するカム機構の構成要素でもある。このカム機構によって、駆動ギア60はスプール軸56上を軸心方向に移動されるようにしてあり、これによって、プルコード32が引下げられてスプール54が引上方向に回転する際に、駆動ギア60がスプール54から離れる方向に移動するようにしてある。従って、駆動ギア60はスプール軸56上に、軸心方向には移動可能であるが、回転方向に関してはスプール軸56と一体に回転するように規制された状態で取付けられている。
【0020】
以下の説明も、おそらく図8及び図9を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われるが、制動アセンブリ42は、駆動ギア60と対向した被動ギア64を備えており、この被動ギア64は、駆動ギア60がカム機構によってスプール54から離れる向きに移動させられたときに、その駆動ギア60と噛合する位置に配置されている。駆動ギア60及び被動ギア64の互いに対向する夫々の側面の間にコイルバネ66が介装されており、このコイルバネ66は、駆動ギア60と被動ギア64とを互いから離れるように付勢している。従って、カム機構が駆動ギア60をスプール54から離すのをやめたならば、コイルバネ66が駆動ギア60をスプール54へ向けて軸心方向に押動して被動ギア64から脱係合させる。被動ギア64は被動軸68と一体に回転するように被動軸68に取付けられている。被動軸68には更に、ワンウェイベアリングから成るブレーキ70が取付けられており、このブレーキ70には、このブレーキ70と一体に回転するように第1ピニオンギア72が固定結合されている。更に、被動軸68は覆いの昇降用シャフト36に連結できるように構成されており、覆いが作動するときにはその昇降用シャフト36が被動軸68と一体に回転する。
【0021】
第2ピニオンギア74と第3ピニオンギア76とが一体に接続した構造の単一部品78を備えており、第2ピニオンギア74は第1ピニオンギア72と噛合させ、第3ピニオンギア76は調速機構44の回転板82に設けられた第4ピニオンギア80と噛合させている。更に、回転板82には、その外周縁に沿って一連のラチェット歯84が形成されており、それらラチェット歯84は揺動可能な係止機構86と選択的に係合可能である。係止機構86は、2つの部品を組合せて構成されたロックレバー(トリガーアーム)88によって、係合位置と脱係合位置との間を揺動するように作動させられる。更にこのロックレバー88は、プルコード32が手動操作されることによって作動させられ、これについては後に詳述する。調速機構44は、一方の端部が開放した円筒形のベース部材90を備えており、このベース部材90の中に回転板82が回転可能に収容されている。回転板82は更に、軸心方向に突出した支軸部92を備えており、この支軸部92上に、調速機構44の駆動部材94と、一対の浮動摩擦バー96と、それら一対の浮動摩擦バー96を互いに揺動可能に連結して調速機構44の駆動部材94の両側に保持するためのバネクリップ98とが支持されている。後に詳述するように、調速機構44は、被動軸68が自由回転するときの回転速度を、ピニオンギア列を介して制御し、それによって、シェード構造体が引込状態から展張状態へ向かって展張するときの移動速度を制御するものである。
【0022】
次に、図7、図8、及び図9を参照して、駆動アセンブリ52の様々な構成部材について更に詳細に説明する。駆動アセンブリ52の構成部材には、上述したように、スプール54、このスプール54に一体に形成されているスプール軸56、駆動ギア60、それにデュアルラップ型コイルバネから成る復帰バネ58などが含まれる。図から明らかなように、スプール54は、スプール軸56の周面と同心的な大径の円筒面であるコード巻取面100を有しており、このコード巻取面100は、放射状に形成された複数のリブ102を介して、スプール軸56の周面から離れた位置に形成されている。スプール54は更に、このコード巻取面100に隣接した小径の円筒面であるコイルバネ巻取面104を有しており、このコイルバネ巻取面104は、復帰バネ58を巻取るための円筒面である。スプール54の小径のコイルバネ巻取面104にはスロット106が形成されている。このスロット106に復帰バネの一端のタブ108が掛着されているため、プルコード32を引下げてスプール54を図8で見て反時計回りに回転させると、復帰バネ58を構成しているデュアルラップ型コイルバネの帯材が、その本来の巻回体110から引出されて、スプール54の小径の円筒面であるコイルバネ巻取面104に巻取られる。そして、それによって、復帰バネ58がスプール54に対して、このスプール54を回転させた方向とは逆方向の、即ち時計回りの回転方向の回転力を作用させるようになる。復帰バネ58を構成しているデュアルラップ型コイルバネの本来の巻回体110は、ハウジング46を構成している上側ハウジング部材50及び下側ハウジング部材48のリブ組み構造により画成されている収容空間112に収容されており、スプール54を回転させているときには、この収容空間112からスプール54へコイルバネの帯材が供給されており、スプール54が復帰回転しているときには、この収容空間112の中へコイルバネの帯材が巻取られている。
【0023】
スプール軸56それ自体の直径は小径であり、このスプール軸56の駆動ギア60が嵌合されている端部とは反対側の端部に、コード巻取面100が設けられている。スプール軸56には更に、一対の突起62が互いに径方向反対側の位置に形成されており、それら突起62はスプール軸56に沿ってスプール軸56に対して平行に延在している。それら突起62の各々の先端面114は、テーパが付けられた面、即ち傾斜面として形成されており、それら端面は、駆動ギア60を軸心方向に移動させるための上で言及したへカム機構の一部を構成している。このカム機構については後に詳述する。
【0024】
駆動ギア60はその外周に円筒面116を備え、その内周に放射状の複数のリブ118を備えている。更に、リブ118どうしを接続する円弧形の支持部120が形成されており、それによって、駆動ギア60を貫通して延在する円筒形の貫通路122が画成されている。駆動ギア60のスプール54から離れた側の端面には、その外周縁に沿って、そして貫通路122の周囲に、一連のラチェット歯124が形成されており、それらラチェット歯124は、被動ギア64と噛合可能であり、これについては後に詳述する。更に、それら一連のラチェット歯124の輪の中に、そして貫通路122の周囲に、バネ座として機能する凹部126が形成されており、この凹部126の中にコイルバネ66の一方の端部が収容されている。図8及び図9から明らかなように、駆動ギア60の内部には、そこに形成されている略々円形のアーチ部に沿って一対の円弧形のカム縁128が形成されており、それら一対のカム縁128は互いに径方向反対側の位置に形成されている。また、それらカム縁128は、駆動ギア60のラチェット歯124が形成されている側の端部の背面の近傍から、駆動ギア60の開放されている後方端部の近傍まで、傾斜して延在している。それら一対の円弧形のカム縁128は、その各々が、スプール軸46の一対の突起62の夫々の傾斜した端面114に合わさるようにしてあり、それら端面114は、駆動ギア60の内部の一対の円弧形のカム縁128と協働するカム面として機能するものである。駆動ギア60の内部の円弧形のカム縁128は、駆動ギア60に形成されている、スプール軸の一対の突起62を夫々に収容するための一対の収容凹部132の、その内部に形成されており、また、それら収容凹部132の各々は一対の放射状リブ118の間に画成されている。スプール軸の一対の突起62は、それら一対の収容凹部132の中に収容され、そして、それら突起62の傾斜した端面114と、駆動ギア60の円弧形のカム縁128とが、コイルバネ66の付勢力によって互いに係合するようにしてある。
【0025】
プルコード32を引下げてスプール54から引出すことによって、このスプール54を図8で見て反時計回り、図9で見て時計回りに回転させたならば、カム面として機能する突起62の傾斜した端面114が、駆動ギア60の内部の円弧形のカム縁128に沿って移動し、それによって、駆動ギア60をスプール54から離れる方向へ、即ち、制動アセンブリ42の被動ギア64へ向けて押動する。カム機構によって発生するこの駆動ギア60の軸心方向の移動は、駆動ギア60の前端側の外側面に装着されているコイルバネ66の付勢力に抗して行われるものであるため、プルコード32がスプール54に巻取られてスプール54が逆の回転方向に回転したならば、コイルバネ66の付勢力によって駆動ギア60は軸心方向に、スプール54へ向けて押動され、駆動ギア60の引込位置(図10A)へ移動される。駆動ギア60は、この引込位置にあるときには、制動アセンブリの被動ギア64から脱係合している。駆動ギア60は、スプール54が図8で見て反時計回りに回転したためにカム機構によって突出位置(図10B)へ移動されたならば、被動ギア64と係合し、これについては後に詳述する。
【0026】
制動アセンブリ42の構成要素である被動ギア64は、図8及び図9を見れば最も容易に理解されるように、略々円筒形のボディで134を備えており、このボディ134は大径の円板形の端部を有し、この端部の外周縁に沿って一連のラチェット歯136が形成されている。それらラチェット歯136は駆動アセンブリ52の駆動ギア60のラチェット歯124に対向している。被動ギア64には、この被動ギア64を貫通して軸心方向に延在する非円筒形の貫通路138が形成されており、この貫通路138の形状は、図示例では平坦な側面部分140を備えた部分的円筒形とされている。被動ギア64の円板形の端部には、一連のラチェット歯136の輪の中に、そして貫通路138の周囲に、バネ座として機能する凹部142が形成されており、この凹部142は、コイルバネ66の両端のうち、駆動ギア60に装着されている端部とは反対側の端部を支持するように構成されている。以上の抗雨声により、コイルバネ66は、被動ギア64を駆動ギア60から遠ざけるように付勢している。
【0027】
被動軸68は3つの部分から成り、それら3つの部分のうちの2つは、被動ギア64の非円筒形の貫通路138に嵌合する形状に形成された両端部であり、3つ目は、円筒形に形成された中央部分146である。
【0028】
ワンウェイベアリングから成るブレーキ70は、被動軸68の円筒形の中央部分146に嵌合させて取付けることができるものであり、これは、一般的に使用されているワンウェイベアリングであって、円筒形のボディ148を備えており、このボディ148は、円筒面である外周面150と、このボディ148を貫通して延在する円筒形の貫通路152とを有する。外周面150と貫通路152との間に、軸心方向に延在する複数のベアリング用ローラ154が介装されており、それらベアリング用ローラ154は、凹部の中に装着されていて、スロット156から貫通路152の中へ突出しており、そこで被動軸の中央部分146に係合している。それらベアリング用ローラ154は、ローラ軸心を中心として一方向にだけ回転し、逆方向には回転しないようにしてある。以上の構成によれば、複数のローラ154によって、ワンウェイベアリング70は、被動軸の中央部分146の周りで一方向に回転することだけが許容され、逆方向に回転することが阻止されている。
【0029】
第1ピニオンギア72は、ワンウェイベアリング70の外周面150に圧入などの適宜の方法で固定結合されており、その周面に放射状に複数の歯158を備えている。第1ピニオンギア72はワンウェイベアリング70と一体に回転する。
【0030】
被動軸68の両端部144は、ワンウェイベアリング70の両端から両側へ突出している。一方の端部は被動ギア64の対応する形状の管通路に嵌合されており、他方の端部は覆い20の昇降用シャフト36の端部に形成されている対応する形状の軸心方向に延在する凹部160に嵌合される。両端部144の形状、並びにそれが嵌合される凹部及び貫通路の形状は非円筒形であるため、被動軸68、被動ギア64、及び昇降用シャフト36は一体に回転する。既述のごとく、ワンウェイベアリング70は、一方の回転方向に回転するときには被動軸68と一体に回転するが、逆方向に回転するときには被動軸68に対して相対的に回転することになる。
【0031】
以下の説明は、おそらく図7及び図8を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われるが、下側ハウジング部材48は比較的大きなリブ162を備えており、このリブ162は、その中に被動軸64の円筒形のボディ134が回転可能に配置される略々半円筒形の支持部を画成している。また、下側ハウジング部材48には、その中に第1ピニオンギア72が回転可能に収容される収容空間166が画成されており、第1ピニオンギア72、被動軸68、及び昇降用シャフト36は、下側ハウジング部材48の中にあってこの下側ハウジング部材48に対して相対的に自由回転することができるようになっている。上側ハウジング部材50は、下側ハウジング部材48のリブ組み構造に対応したリブ組み構造を有しており、それによって、この制御ユニットの様々な機能部品が回転可能に収容されている夫々の収容空間が閉塞されるようになっている。
【0032】
第2ピニオンギア74と第3ピニオンギア76とは単一部品78を構成しているものであるため互いに一体に接続している。この単一部品78はその軸心方向の両端から両側へ突出した支軸部168を備えている。上下のハウジング部材には、第2ピニオンギアと第3ピニオンギアとで構成されたこの単一部品78を回転可能に支持して、その第2ピニオンギア74を第1ピニオンギア72と噛合させるための支持部170が設けられている。
【0033】
以下の説明は、おそらく図8及び図9を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われるが、調速機構44は、円筒形のベース部材90を備えており、このベース部材90は、その一端を閉塞している端壁部174から軸心方向外側へ平板状の突起176が突出している。この平板状の突起176は、下側ハウジング部材48に形成されている上下方向に延在するスロット178に嵌合するようにしてあり、ハウジングに画成されている収容空間180の中に調速機構44の円筒形のベース部材90を配置したときには、平板状の突起176がスロット178に嵌合することによって、ベース部材90がハウジングに対して相対的に回転しないようにしてある。円筒形のベース部材90の反対側の端部は開放した端部として形成されており、その中に回転板82が配置されることで、このベース部材90の開放した端部が閉塞されるようにしてある。回転板82には、その該周縁に沿って一連のラチェット歯84が形成されており、また、この回転板82から外側へ突出する第4ピニオンギア80と、この回転板82から両側へ突出する支軸部92とが形成されている。支軸部92は、その一端が、調速機構44のベース部材90の一方の端部を閉塞している端壁部174に設けられている凹部(不図示)に嵌合されており、その他端が、上下のハウジング部材によって画成された支持部184によって支持されている。調速機構44のベース部材90及び回転板82をハウジングに組付けたならば、回転板82の第4ピニオンギア80が、先に説明した単一部材78の第3ピニオンギア76と噛合する。
【0034】
図8及び図9から理解されるように、調速機構44のベース部材90と回転板82とでこのベース部材90の内部に収容空間188が画成されており、この収容空間188に、調速機構44の駆動部材94と、バネクリップ98によって互いに揺動可能に連結された一対の浮動摩擦バー96とが収容されている。調速機構44の駆動部材94は、支軸部92に対しては相対回転可能であるが、ただし、回転板82に一体に形成されている放射状突起群189の一対の円弧形突起187と係合する大きさに形成されている。そのため、回転板82が回転するときには、それら一対の円弧形突起187が、駆動部材94の互いに径方向反対側の位置から延出している一対の係合腕部188と係合するため、駆動部材94は回転板82と共に回転する。また一対の円弧形突起187の各々は、夫々の浮動摩擦バー96の一端が嵌合する収容凹部を画成しており、それら浮動摩擦バー96は、バネクリップ98の付勢力に抗して揺動する際にはこの収容凹部に嵌合した端部を中心として揺動する。浮動摩擦バー96の形状は、幾分彎曲した円弧形であり、その内周側に収容凹部190を画成しており、その外周側に円弧形の外側面192を有している。外側面192の半径は調速機構44の円弧形のベース部材90の内周面の半径と揃えてあり、浮動摩擦バー96の円弧形の外周面は、円筒形のベース部材90の内周面と選択的に係合する。調速機構44の駆動部材の係合腕部188は、浮動摩擦バー96の内周側に画成された収容凹部190の中に位置しているため、調速機構44の駆動部材94が回転すると、それら係合腕部188が浮動摩擦バー96を共に回転させ、バネクリップ98は、遠心力が所定の大きさになったならば、即ち、回転板82の回転速度が所定の回転速度になったならば、浮動摩擦バー96がこのバネクリップ98の付勢力に抗して外側へ揺動することを許容し、それによって、浮動摩擦バーが調速機構44のベース部材90の内周面と摩擦係合するようになる。以上によって、回転板82の回転速度が高速となるほど、浮動摩擦バー96と調速機構44のベース部材90との間に発生する摩擦力が大きくなり、もって、回転速度が規制されるようになっている。
【0035】
係止機構86(図8、図9、図16A、図16B、図17A、及び図17B)は、細長い略々三角形の形状のバー部材194から成り、このバー部材194はその太い方の端部198に、横方向に延在する枢支ピン196を備えている。枢支ピン196は、下側ハウジング部材48に形成された支持部200(図7)の中に回転可能に嵌装されており、そして、下側ハウジング部材48と上側ハウジング部材50とが互いに対応する形状であることにより、この支持部200に保持されている。係止機構86を構成しているバー部材194の太い方の端部198の、枢支ピン196の真上の位置に、鈍角の角部が形成されており、この角部は係止機構86の係止爪部202を画成している。この係止爪部202は、調速機構44の回転板82の前面の外周縁に沿って形成されている一連のラチェット歯182に選択的に係合するものである。係止機構86を構成しているバー部材194の反対側の端部である細い方の端部204には横方向に延在する貫通孔206が形成されており、この貫通孔206に、ねじりコイルバネ210の一方の腕部が掛着されている。ねじりコイルバネ210の他方の腕部212は、下側ハウジング部材48に形成されているスロット214(図16A)に掛着されている。後に更に詳述するが、ねじりコイルバネ210は、係止機構86を係合位置と非係合位置とに解除可能に保持するためのものであり、係止機構86が係合位置(図16A)にあるときにはこの係合爪部202が調速機構44の回転板のラチェット歯182に係合しており、係止機構86が非係合位置(図17A)にあるときにはこの係合爪部202がラチェット歯182から脱係合している。換言するならば、係止機構86は、調速機構44の回転板82の回転を許容及び阻止するために設けられており、従って、調速機構44の内部の構成要素の回転を、またひいては、回転板82からワンウェイベアリング70及び被動軸68へ運動を伝達しているピニオンギア列の回転を、許容及び阻止するために設けられているのである。
【0036】
係止機構86を構成しているバー部材194には更に、その中央付近に横方向内方へ突出したガイドピン216が形成されており、このガイドピン216は、後に詳述するようにしてロックレバー(トリガーアーム)88と協働し、このロックレバー88とガイドピン216との係合によって、ロックレバー88が移動した際に、係止機構86が係合位置と非係合位置との間で切換えられるようにしてある。
【0037】
ロックレバー(トリガーアーム)88は2つの部品を組合せて構成されており、それら2つの部品とは、彎曲形状の第1構成部材218と同じく彎曲形状の第2構成部材220との2つである。第1構成部材218は、二連型着座部を有するヘッド部222と、全体的に扁平で水平方向に延展する彎曲形状の本体部226と、その他端に形成された接続部230とを備えており、これらのうち、ヘッド部222は、後に詳述するようにプルコード32に取付けられているプラグ部材224がこのヘッド部222に着座できるように構成されており、本体部226には、この本体部226の彎曲形状に沿って延在する起立リブ部228が形成されており、また接続部230は、ロックレバーの第2構成部材220に接続できるように構成されている。接続部230には、起立リブ部228を跨いで4つの起立した突起部232が形成されており、それら4つの突起部232によって、ロックレバーの第2構成部材220の一端に形成された一対の垂下した突起部234(図8)が着座するための着座部が画成されている。更に、ロックレバーの第2構成部材220は、全体的に扁平で水平方向に延展する彎曲形状の本体部235を備えており、この本体部235には起立リブ部236が形成されている。起立リブ部236はその他端の一方の側面に、後方下方へ傾斜したスロット238が形成されており、このスロット238に係止機構86のガイドピン216が摺動可能に嵌合されている。ロックレバーの第1構成部材218は、下側ハウジング部材48の下方に配設されており、この下側ハウジング部材48に摺動可能に取付けられている。ロックレバーの第1構成部材218と第2構成部材220との接続部分は、下側ハウジング部材48に形成されているスロット(不図示)の中を貫通して延在しており、また、第2構成部材220はハウジングの中に、水平方向に摺動可能に配設されている。
【0038】
ロックレバー(トリガーアーム)88と係止機構86との関係は、おそらく図16A及び図17を参照することで最も明瞭に理解されると思われる。図16Aは、係止機構86が係合位置にあるときのロックレバー88及び係止機構86を示した図であり、図17Aは、係止機構86が非係合位置にあるときのロックレバー88及び係止機構86を示した図である。それらの図から明らかなように、ねじりコイルバネ210は、係止機構86を係合位置と非係合位置とのいずれにも解除可能に付勢するものであり、それによって、係止機構86は係合位置と非係合位置とのいずれからも容易には離脱しないようになっている。
【0039】
更にこれもそれらの図から明らかなように、係止機構86が、図16Aの係合位置にあるときには、ガイドピン216が、ロックレバー88の第2構成部材220に形成されているスロット238の中の最上端に位置しており、それによって、ロックレバー88は、移動範囲における最左端の位置へ移動されている。一方、図17Aに示したように、ロックレバー88が右方へ移動させられているときには、このロックレバー88に形成されている傾斜したスロット238が、ガイドピン216を下方へ押付けており、それによって係止機構86がその枢支ピン198を中心として揺動させられて、図17Aに示した非係合位置へ移動させられている。係止機構86を係合位置と非係合位置との間で移動させる際のロックレバーの運動については後に詳述することとし、ここでは、そのロックレバーの運動がプルコード32の手動操作によって発生するものであることだけを述べておく。
【0040】
以下の説明は、おそらく図16A、図16B、図16C、図17A、図17B、及び、図17Cを参照することにより最も明瞭に理解されると思われるが、ロックレバーの第1構成部材218の一方の端部に設けられた二連型着座部を有するヘッド部222は、この第1構成部材218の当該端部を太く形成してヘッド部としたものであり、二連型凹部242が形成されている。この二連型凹部242は、下方が開放したその全体が横長の断面形状(図16D)を有する。この横長の二連型凹部242は、横に並べて並設し且つ連設した2つの着座部(着座位置)を画成しており、それら2つの着座部(着座位置)は、プルコード32に固定されているプラグ部材224が脱着可能に着座する位置である。それらのうち、図16C、図16D、図17C、及び図17Dで見て左側にある方の着座部(着材位置)244は、ロックレバーのヘッド部222を貫通して上方へ抜ける円形孔246を有している。この円形孔246にはプルコード32が挿通され、プルコード32はこの円形孔246の中を摺動可能であるが、ただしプラグ224にとってはこの円形孔246は小さすぎて通り抜けることができない。一方、横長の二連型凹部242の大きさは、覆いを上昇させて展張状態から引込状態にするためにプルコード32を引下げるとき、プラグ224がこの二連型凹部242の中を下方へ摺動してこの二連型凹部242から外へ出られるだけの十分な大きさとしてある。プルコード32が引上げられるとき、即ち、スプール54に巻取られるようにしたときには、二連型凹部242の上部にプラグ部材224が係合することにより、プルコード32がそれ以上引上げられることが阻止され、即ちそれ以上スプール54に巻取られることが阻止される。二連型凹部242の中の2つの着座部(着材位置)のうちの他方の着座部(着座位置)、即ち図16C、図16D、図17C、及び図17Dで見て右側にある方の着座部(着座位置)248は、プラグ部材224が着座できる大きさであるが、ただしその下縁に、一対の内方へ向かって延出したフランジ部250を備えており、それらフランジ部250により画成されている隙間の大きさは、プルコード32は通過できるが、プラグ部材224は通過できない大きさであり、そのためプラグ部材224は、横長の二連型凹部242の中の右側の着座部(着座位置)248に位置しているときには下方へ移動できない。従って、一対のフランジ部250は、プラグ部材224が凹部242の中の右側の着座部(着材位置)248に位置しているときに、プルコード32が引下げられるのを阻止するものである。そして、容易に理解されるように、図17B及び図17Cに示したようにプルコード32が右方へ引かれたならば、プラグ部材224は、二連型凹部242の中の右側の着座部(着座位置)248へ移動させられ、それによって、プルコード32がその位置から更に引下げられるのを阻止する。またプルコード32が右方へ引かれたならば、それによってロックレバー88は右方へ摺動させられ、その結果、上で述べたように、そのロックレバー88によって係止機構86を係合位置から非係合位置へ移動させられる。更に、これも容易に理解されるように、プラグ部材224が二連型凹部242の中の右側の着座部(着座位置)248に位置していて下方へ移動できない状態にあるときには、プルコード32をスプール54から引出すことができず、そのため、スプール軸56及び被動軸68も、回転させることのできない状態にある。
【0041】
係止機構86を図17Aの非係合位置から図16Aの係合位置へ移動させるには、単にプルコード32を左方へ引けばよく、そうすれば、先ずプラグ部材224が二連型凹部の中の左側の着座部(着材位置)244へ移動させられ、それに続いてロックレバー88が左方へ摺動させられ、その結果として、そのロックレバー88が係止機構86を図16Aの係合位置へ移動させる。既述のごとく、プラグ部材224が二連型凹部の中の左側の着座部(着座位置)244に位置しているときには、そのプラグ部材224は、プルコード32が引下げられたならば自由に下方へ移動してこの二連型凹部から外へ出ることができる。従って、プラグ部材224がこの位置にあるときには、プルコード32を引下げることによって、スプール54に作用しているデュアルラップ型コイルバネから成る復帰バネ58の付勢力に抗して覆いを上昇させて引込ませることができ、そして、プルコード32の往復操作を反復することで、覆いを所望量に達するまで上昇させて任意の高さとすることができる。
【0042】
以下の説明は、おそらく図12を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われるが、プルコード32は、ロックレバー88の二連型凹部242から上方へ抜けた後には、水平方向に延在するガイドピン252を回り込み、このガイドピン252から、下側ハウジング部材48に形成されている斜面254に沿って斜め下方へ導かれ、そこからスプール54へ送り込まれてこのスプール54に巻回されるようになっている。プルコード32は、ハウジング46の一方の側縁から垂下しているため、スプール54に巻回するために他方の側縁へ導いているのである。ただし、図12に破線256で示したように、プルコード32をスプール54の反対側から巻回するようにすることも可能であり、このようにするのは、制御ユニット22をヘッドレール28の反対側の端部に取付ける場合である。換言するならば、この制御ユニット22のハウジング46は、プルコード32の位置を覆いの左側とするか(図示例ではそのようにしている)、それとも右側とするかに応じて、ヘッドレール28の左右いずれの端部にも取付け得る構成となっている。ただし、プルコード32の位置を覆いの右側とする場合には、ロックレバーの第1構成部材218の形状を改変して、二連型凹部242がハウジング46の(図12で見て)左側の側縁に位置するようにして、プルコード32が破線256で示した位置にあるときの、そのプルコード32及びプラグ部材224の位置に対応するように市泣けrgばならない。このようなロックレバーの改変は当業者の通常の技量の範囲内のものであると思われ、それゆえその改変についてはここではこれ以上詳細には説明しない。
【0043】
制御ユニット22の動作について説明すると、プルコード32は、通常状態ではロックレバー88の二連型凹部242の中の左側の着座部(着座位置)に位置している。この状態にあるときには、プルコード32を自由に引下げることができ、そのため、プルコード32を上限往復運動させる操作を行えば、プラグ部材224は二連型凹部242に出入りすることになる。その際に、プルコード32を引下げるたびに、スプール54が図9で見て時計回り、図8で見て反時計回りの回転方向に回転することになる。また当然のことながら、プルコード32を引下げるたびに、スプール54に巻回されていたプルコード32がスプール54から引出されるため、スプール54はデュアルラップ型コイルバネ58の付勢力に抗して回転する。プルコード32を引下げて行くと、スプール54の円筒面から成るコイルバネ巻取面104上に、コイルバネ58の本来の巻回体とは別の巻回体が形成されて行き、それによって、ハウジング46の内部の収容空間112に収容されている本来の巻回体110が次第に小さくなって行く。デュアルラップ型コイルバネを使用することによって、スプールに作用するバネによる付勢力の分布の直線性が向上し、そのため操作者はより好ましい操作感が得られることが確認されている。
【0044】
プルコード32を引下げることによってスプール54を回転させているときには、スプール軸58に形成されている一対の突起62の傾斜した端面(カム面)114(それら端面114は、駆動ギア60に形成されている一対の円弧形のカム縁128(図11A、図11B)と当接している)が、駆動ギア60に力を作用させているため、図11Aの引込位置(駆動ギア60は、この駆動ギア60と被動ギア64との間に介装されたコイルバネ66によってこの引込位置へ付勢されている)にあった駆動ギア60が、図11Bの突出位置へ移動している。駆動ギア60は、この突出位置に移動したときには、スプール54から離れており、被動ギア64と作用的に係合した状態にある。そのため、駆動ギア60に形成されている一連の歯と、被動ギア64に形成されている一連の歯とが、互いに噛合しており、それによって被動ギア64は、駆動ギア60と同一回転方向に、駆動ギア60と一体に回転させられている。
【0045】
更に、この被動ギア64の回転によって、被動軸68が同一回転方向(第1回転方向)に回転し、その結果、覆い20の昇降用シャフト36が同一回転方向に回転させられ、この回転方向は、昇降用コード40が昇降用スプール38に巻取られる回転方向であり、そのため覆い20のボトムレール30がヘッドレール28へ向かって上昇し、覆い20が引込まれる。プルコード32の引下げ操作を1回行うごとに、ボトムレール30は所定インクリメント量だけ上昇し、そのようなインクリメント式の移動を複数回行うことによってボトムレール30を最高位置まで上昇させることができる。
【0046】
プルコード32を引下げた力を緩めて、デュアルラップ型コイルバネ58の付勢力によってプルコード32が巻取られるようにしているときには、スプール54が逆方向に回転してプルコード32の巻取りを行っている。このとき、駆動ギア60と被動ギア64との間に介装されたコイルバネの付勢力のために、スプール軸58の一対の突起62の傾斜した端面114が、駆動ギア60の一対の円弧形のカム縁128に沿って逆方向に移動して、駆動ギア60が被動ギア64から脱係合する。これを図11A及び図11Bに即して説明するならば、図11Bの位置にあった駆動ギア60が、図11Aの位置へ移動するということである。そのため、プルコード32がスプール54に巻取られているときには、駆動ギア60と被動ギア64との間に、作用的な係合関係は存在していない。またこのとき、覆い20のボトムレール30に作用している重力が、昇降用スプールを回転させようとしており、更に、この昇降用スプールに作用的に連結している昇降用シャフト、被動軸68、及び被動ギア64を回転させようとしているが、被動ギア64は回転することなく静止した状態を保っている。これは、これら構成要素の逆方向への回転が、被動軸68に対して一方の方向への相対回転を行うことのないワンウェイベアリング70に連結されたピニオンギア列によって阻止されているからである。即ち、係止機構86が係合位置にあって調速機構44の回転板82と係合していることによってピニオンギア列が回転を阻止されている間は、被動軸68は逆方向に回転することはできない。
【0047】
以上から明らかなように、プルコード32の往復操作を行うことによって、覆い20のボトムレール30をインクリメント式に上昇させることができ、またその往復操作を行っているときには、制動アセンブリ42が昇降用シャフト36の逆方向の回転を阻止している限り、プルコード32を一度引下げてから次に引下げるまでの間、覆い20は一定の高さ位置に保持される。もし、昇降用シャフト36が逆方向に回転するようであると、ボトムレール30は重力によって降下することになる。
【0048】
覆い20がどの高さ位置まで引込まれて(上昇させられて)いる場合でも、そこからボトムレール30を降下させて覆い20を展張させたければ、単に、プルコード32を横方向へ、即ち、図16a、図16B、図16C、図17A、図17B、及び図17Cで見て右方へ引けばよい。これによって、先ず、プルコード32に取付けられているプラグ部材224が、ロックレバーの横長形状の凹部242の中の右側の着座部(着座位置)へ移動させられ、続いて、更にそのプラグ部材224が右方へ移動させられることにより、ロックレバー88それ自体が右方へ移動させられ、それによって、係止機構86が調速機構の回転板82から脱係合する。一方、覆い20のボトムレール30には常に重力が作用しており、このボトムレール30に作用している重力は、昇降用シャフト36、被動軸68、ピニオンギア列、それに調速機構44を逆方向に回転させようとしている。以上の操作を行うことで、ボトムレール30に作用している重力がそれらを逆方向に回転させることが許容され、なぜならば、以上の操作が行われた時点では、係止機構86がもはや、調速機構の回転板82の回転を阻止していないからである。即ち、制動アセンブリ42が制動解除状態となっているために、ボトムレール30の降下が許容されており、そして、ボトムレール30が降下することによって、ヘッドレール28の中の昇降用スプール38に巻取られていた昇降用コード40が引出される。昇降用シャフト36が逆方向に回転しているときには、被動軸68も逆方向に回転している。また当然のことながら、被動軸68が逆方向に回転すれば、ワンウェイベアリング70及びそれに付随するピニオンギア列も逆方向に回転し、それによって調速機構44が回転し、浮動摩擦バー96が外方へ揺動して調速機構のベース部材90の内周円筒面に摩擦係合する。従って、回転運動が許容されてはいるものの、調速機構44によってその回転速度が規制されており、そのため、覆いが引込状態から展張状態となる際に、覆いの降下速度が過大となることがない。
【0049】
制動解除状態としてボトムレール30を重力にまかせて降下させることにより発生させた覆い20の展張動作は、これを任意の位置で停止させることができ、それには、プルコード32を横長形状の凹部242の中の左側の着座部(着座位置)へ移動させ、そこから更にプルコード32を引いてロックレバー88を左方へ移動させるだけでよい。そうすれば、係止機構86が、回転板82と係合する係合位置へ移動させられ、それによって被動軸68及び昇降用シャフト36がそれ以上回転することが阻止される。
【0050】
図18〜図31に示したのは、本発明の第2の実施の形態に係る制御ユニットである。この第2の実施の形態に係る制御ユニットは、上で説明した第1の実施の形態に係る制御ユニットと非常に類似した構成を有しているが、ただし、この第2の実施の形態における駆動アセンブリ250は、上で説明した第1の実施の形態における駆動アセンブリとは異なっている。一方、制動アセンブリ252は略々同一構成であり、それゆえ制動アセンブリについての詳細な説明は差し控えることにする。この第2の実施の形態におけるハウジングは、第1の実施の形態におけるハウジングと同様に、二分割型のハウジングとされており、上側ハウジング部材254と下側ハウジング部材256とを備えており、それらは止着具258によって互いに分解可能に組付けられている。上下のハウジング部材は、モールド成形品として製作されており、駆動アセンブリ及び制動アセンブリの様々な構成要素を収容するための幾つもの収容凹部を備えている。それら収容凹部のうち、駆動アセンブリの動作に関係した機能を果たしている特別の構造部分については詳細に説明するが、その他のものについての詳細な説明は控えることにする。
【0051】
第2の実施の形態における駆動アセンブリ250については、おそらく図18〜図20を参照することにより最も明瞭に理解されるものと思われる。それらの図から明らかなように、駆動アセンブリ250は、プルコード262の巻取り及び引出しが行われるコード巻取用スプール260を備えており、このコード巻取用スプール260は円筒形のドラム部264を有しており、このドラム部264の一端の外周にギア部266が形成されている。コード巻取用スプール260のギア部266と反対側の端部には、円筒面である巻取面270に巻回されるプルコード262がこの巻取面270から外れるのを防止するためのテーパ付きの縁部268が形成されている。縁部268をテーパ付きとしているため、このコード巻取用スプール260によるプルコード262の巻取り及び巻出しが制御された方式で行われるようにする上で好都合となっている。コード巻取用スプール260は付勢バネ271によって巻取方向の回転方向に付勢されており、これについては後に詳述する。
【0052】
コード巻取用スプール260のギア部266から軸心方向へ、支軸部272が延出している。この支軸部272は、第1軸部分274、第2軸部分276、第3軸部分278、及び第4軸部分280を有しており、それら4つの軸部分は、このコード巻取用スプール260の円筒形のドラム部264と同心的であって互いに軸心方向に連続して形成されており、この順番で直径が減少している。直径が最も小さい軸部分である第4軸部分280は、スプール軸284の第1端に形成されている軸心方向に延在する円筒形の非貫通孔282に回転可能に嵌合している。スプール軸284は、その第1端を成す円筒形の大径軸部分286と、この大径軸部分286に連続した円筒形の中径軸部分286と、反対側の端部である第2端を成す円筒形の小径軸部分290とを有している。
【0053】
コード巻取用スプール260の支軸部272のうちの、第2軸部分276及び第3軸部分278の外径寸法は、スプール軸284の大径軸部分286の外径寸法と略々同一寸法とされている。また、スプール軸284の大径軸部分286には軸心方向に延在する非貫通孔282が形成されており、この非貫通孔282の内径寸法は、コード巻取用スプール260の支軸部272のうちの、最も小径の第4軸部分280の外径寸法より僅かに大きな寸法とされている。そして、この第4軸部分280は、この非貫通孔282の中に回転可能に嵌合されている。
【0054】
コイルバネ292は、スプリングクラッチとして機能するものである。このコイルバネ292は、その第1端294の側の部分が、コード巻取用スプール260の支軸部272のうちの、第2軸部分276及び第3軸部分278の外周に嵌合されており、また、その第2端296の側の部分が、スプール軸284の大径軸部分286の外周に嵌合されている。これによって、コード巻取用スプール260の支軸部272とスプール軸284との間の接続箇所が、スプリングクラッチにより接続された構成となっている。後に詳述するように、このスプリングクラッチは、コード巻取用スプール260がプルコード巻取方向に回転しようとするときには、スプール軸284に対して相対回転することを許容し、一方、コード巻取用スプール260がそれとは逆方向のプルコード引出方向に回転しようとするときには、スプール軸284と一体に回転させるように機能する。
【0055】
スプール軸284の他端には、断面形状が非円形の第2の非貫通孔298(図20)が形成されている。図示例ではこの非貫通孔298の形状を、円筒面の一部を平坦面とした部分的円筒面としている。この第2の非貫通孔298は、先に説明した第1の実施の形態における被動軸68と同一構成の被動軸302の第1端300が嵌合するように形成されている。第1の実施の形態に関連して既に説明したように、また、図18からも明らかなように、被動軸302の第1端300の断面形状は、スプール軸284の第2の非貫通孔298の断面形状と同一としてあり、そのため両者は一体に回転する。被動軸302は更に、先に説明した第1の実施の形態におけるワンウェイベアリング70と同一構成の一般的に用いられているワンウェイベアリング304を備えている。このワンウェイベアリング304は、被動軸302の中央部分306に取付けられており、この被動軸302に対して、一方の回転方向には相対回転することができるが、その反対方向には相対回転することができない。また、このワンウェイベアリング304の外周に、先に説明した第1の実施の形態におけるピペットイオンギア72と同一構成のピニオンギア308が締り嵌め状態で嵌合されており、このピニオンギア308はワンウェイベアリング304と一体に回転する。更に、これも第1の実施の形態の場合と同様に、被動軸302の他端である第2端310には、第1の実施の形態における昇降用シャフト36と同一構成の昇降用シャフト312が嵌合されるようにしてある。この昇降用シャフト312は、その第1端に、被動軸302の第2端310の断面形状に合わせた、非円形の断面形状を有する非貫通孔314が形成されている。
【0056】
以下の説明は、おそらく図20を参照することにより最も明瞭に理解されると思われるが、駆動アセンブリ250は、上下のハウジング部材254、256の中に配設されており、これらハウジング部材254、256はコイルバネ292の第2端296を軽く押圧していて、このコイルバネ292で構成されたスプリングクラッチは、スプール軸284の中央軸部分288に対しては隙間嵌め状態となっている。ハウジングの316で示した部分(ハウジング部分316)と、コイルバネ292と、スプール軸284の中央軸部分288との間の隙間は、後に詳述するように、コード巻取用スプール260がプルコード引出方向に回転することによってコイルバネ292を回転させたときに、そのコイルバネ292とその外周に接しているハウジング部分316との間に作用する摩擦力のために、そのコイルバネ292がスプール軸284を締付けることになり、その結果、スプール軸284が、スプリングクラッチを構成しているこのコイルバネ(クラッチバネ)292と一体に回転するような隙間としてある。一方、クラッチバネ292がそれとは逆方向のプルコード巻取方向に回転するときには、スプール軸284とクラッチバネ292との間に滑りが生じ得ることから、スプール軸284はクラッチバネ292と共に回転することはない。
【0057】
クラッチバネ292の他端である第2端294は、図20に示したように、コード巻取用スプール260の支軸部272の第2軸部分276及び第3軸部分278の外周に嵌合している。コード巻取用スプール260がプルコード巻取方向に回転するとき、従って、このコード巻取用スプール260の支軸部272がプルコード巻取方向に回転するときには、一般的なクラッチバネと同様に、支軸部272がコイルバネ(クラッチバネ)292に対する相対的な滑りを生じ得るが、ただしクラッチバネ292の第2端は支軸部272に摩擦接触しており、そして、支軸部272がプルコード引出方向に回転するときには、クラッチバネ292は、支軸部272を締付けることになり、この支軸部272と一体に回転する。クラッチバネ292が支軸部272と一体に回転させられる回転方向は、プルコード引出方向であり、プルコード262を引下げて、コード巻取用スプール260に巻取られていたプルコード262を引出すときには、この回転方向の回転が発生する。そして、この回転方向の回転が発生すると、クラッチバネ292がスプール軸284を締付けてこのスプール軸284共に回転させる。一方、プルコード262を引下げた力を緩めてプルコード262がコード巻取用スプール260に巻取られるようにすることで、コード巻取用スプール260を以上とは逆のプルコード巻取方向に回転させたときには、コード巻取用スプール260の支軸部272がクラッチバネ292に対する相対的な滑りを生じるため、クラッチバネ292からスプール軸284へ回転が伝達されることはなく、スプール軸284は静止した状態に保たれる。
【0058】
駆動アセンブリ250の様々な構成要素についての以上の説明から明らかなように、スプール軸284が、コード巻取用スプール260からプルコード262が引出されるときの回転方向であるプルコード引出方向に回転するとき、それによってピニオンギア308及び被動軸302が回転させられ、更にそれによって、昇降用シャフト312が一体に回転させられる。一方、コード巻取用スプール260が、プルコード巻取方向に回転するときには、スプール軸284、被動軸302、及び昇降用シャフト312はいずれも回転させられることなく静止した状態を保っており、これは、第1の実施の形態に係る制御ユニットに関連して先に説明したように、制動アセンブリ252の働きによるものである。また、この制動アセンブリ252は、第1の実施の形態に関連して説明したように、プルコード262の手動操作によって選択的に制動解除状態とすることができ、それによって、覆いの昇降用シャフト312に作用的に連結されているシェード構造体の重量によって引き起こされるスプール軸284、被動軸302、及び昇降用シャフト312の回転が許容される。
【0059】
図19から明らかなように、ハウジング318の中に付勢用コイルバネ271が配設され、このコイルバネ271の外端320はハウジング318に作用的に連結され、このコイルバネ271の内端322は、コード巻取用スプール260に一体形成されているギア266に噛合する駆動ギア326のギア軸324に掛着されている。そのため、駆動ギア326が回転することで、付勢用コイルバネ271の巻上げ及び巻戻しが行われる。付勢用コイルバネ271は、プルコードを引下げてコード巻取用スプール260をプルコード引出方向に回転させることによって巻上げられ、プルコードを引下げた力を緩めるたならば、この付勢用コイルバネ271が巻戻ることによって駆動ギア326が逆方向に回転させられ、それによって、コード巻取用スプール260がプルコード巻取方向に回転して、このコード巻取用スプール260にプルコードが巻取られる。
【0060】
図21は、第2の実施の形態に係る制御ユニットの駆動アセンブリ250の様々な構成要素を示した図であり、特に、それら構成要素が二分割型のハウジングの一方のハウジング部材の中にどのように組付けられ、制動アセンブリ252に対してどのような作用的連結関係にあり、そして、制動アセンブリ252に対してどのような位置関係にあるかを示した図である。図22は、図21と同様の等角投影図であり、図21に示した様々な構成要素を別の方向から見た図である。
【0061】
図23は、第2の実施の形態に係る制御ユニットの断面図であり、付勢用コイルバネ271に取付けられた駆動ギア326と、コード巻取用スプール260に一体形成された外周ギア266とが噛合しており、それら2つのギアが連動して互いに逆方向に回転することを示した図である。
【0062】
図24は、コード巻取用スプール260を付勢するための付勢用コイルバネ271を示した図であり、図示した状態は、コイルバネ271が一杯に巻上げられていて、プルコード262を引下げた力が緩められたならば、プルコード262の巻取りを開始できる状態である。
【0063】
図25は、付勢用コイルバネ271及びこのコイルバネ271に作用的に関連した駆動ギア326を示した図であり、同図から明らかなように、コイルバネ271の内端322が駆動ギア326のギア軸324に形成されたスロット328に作用的に掛着されており、駆動ギア326が一方に回転したならばこのコイルバネ271が巻上げられ、また、このコイルバネ271が巻戻ることによって駆動ギア326が回転させられるようになっており、その回転は、先に説明したようにコード巻取用スプール260に伝達される。
【0064】
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る制御ユニットがヘッドレール330の中に装着されているところを示した垂直断面図である。プルコード262がコード巻取用スプール260に巻取られており、また、プルコード262は、先に第1の実施の形態に係る制御ユニットに関連して説明したプルコードの操作と同一の操作を行うための適切な位置に位置付けられている。
【0065】
図27は、図26と同様の断面図であるが、ただし制御ユニットが、図26のものより幅寸法の大きなヘッドレール332の中に装着されており、コード案内ブロック334が併せて配設されている場合を示した図である。コード案内ブロック334は、ヘッドレール内の制御ユニットから離れた適切な位置に形成されているプルコード引出口336へ、プルコード262を適切に案内するためのブロックである。
【0066】
図28は、制御ユニットが、幅寸法の更に大きなヘッドレール338の中に装着されており、図27のものより幅寸法の大きなコード案内ブロック340が併せて配設されている場合を示した図である。コード案内ブロック340は、プルコード262の操作を適切に行えるように、ヘッドレール338内の適切な位置へプルコード262を案内するためのブロックである。
【0067】
図29は、図26と同様の断面図であるが、ただし、ヘッドレール330の両側縁のうち、図26とは反対側の側縁からプルコード262が引出されている場合を示した図である。
【0068】
図30は、図27と同様の断面図であるが、ただし、ヘッドレール332の両側縁のうち、図27とは反対側の側縁からプルコード262が引出されており、また、プルコード262の操作を適切に行える位置にプルコード262を案内するためのコード案内ブロック342がヘッドレールの中に配設されている場合を示した図である。
【0069】
図31は、図28と同様の断面図であるが、ただし、幅寸法の大きなヘッドレール344の両側縁のうち、図28とは反対側の側縁からプルコード262が引出されている場合を示した図である。本発明に従ってプルコード262の操作を適切に行えるよう、プルコード262を適切な位置に案内するために、図28のものとはまた別のコード案内ブロック346が使用されている。
【0070】
以上に本発明についてかなり具体的に説明したが、以上の開示はあくまでも具体例を提示することを目的としたものであり、開示した様々な具体例はそれらの細部構造ないし全体構成に対して本発明の概念から逸脱することなく様々な改変を加え得るものであり、本発明の概念は特許請求の範囲に明記した通りのものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の制御ユニットが組込まれた覆いの等角投影図であり、覆いが完全引込状態にあるところを示した図である。
【図2】図1と同様の等角投影図であり、覆いが完全展張状態にあるところを示した図である。
【図3】図1の覆いの正面図であり、覆いが引込状態から展張状態へ向けて移動しており、プルコードが覆いの制動を解除して展張可能にする位置にあるところを示した図である。
【図4】図1の覆いの正面図であり、展張状態にある覆いが引込まれつつあり、プルコードが覆いをインクリメント式に引込ませるために往復操作されているところを示した図である。
【図5】本発明の覆いの分解図とした等角投影図であり、図1の覆いにおける本発明の制御ユニット及びその他の構成要素を示した図である。
【図6】上下のハウジング部材から成る二分割型のハウジングを備えた本発明の制御ユニットを斜め上方から見た等角投影図である。
【図7】図6と同様の等角投影図であり、上側ハウジング部材を除去して別の角度から見た図である。
【図8】本発明の制御ユニットの分解図とした等角投影図であり、制御ユニットを斜め上方の第1の角度から見た図である。
【図9】図8と同様の等角投影図であり、ハウジングを除去し、様々な構成要素を斜め上方の別の角度から見た図である。
【図10A】図7の10A−10A線に沿った拡大断面図である。
【図10B】図10Aと同様の断面図であり、図10Aでは非駆動状態にあった駆動ギア、被動ギア、及びそれらに関連した構成要素が駆動状態にあるところを示した図である。
【図11A】図10Aの11A−11A線に沿った拡大部分断面図である。
【図11B】図10Bの11B−11B線に沿った拡大部分断面図である。
【図12】図7の12−12線に沿った拡大断面図である。
【図13】図7の13−13線に沿った拡大断面図である。
【図14】図7の14−14線に沿った拡大断面図である。
【図15】図7の15−15線に沿った拡大断面図である。
【図16A】図12の16A−16A線に沿った断面図であり、係止機構が調速機構ギアに対して係合状態にあるところを示した図である。
【図16B】係止機構、調速機構、係止機構を移動させるためのロックレバー、及び制御用コードを示した等角投影図であり、係止機構は調速機構ギアに対して係合した状態にある。
【図16C】図16Bの16C−16C線に沿った拡大部分断面図である。
【図16D】図16Cの16D−16D線に沿った断面図である。
【図17A】図16Aと同様の断面図であり、係止機構が調速機構ギアに対して非係合状態にあるところを示した図である。
【図17B】図16Bと同様の等角投影図であり、係止機構が調速機構ギアに対して非係合状態にあるところを示した図である。
【図17C】図17Bの17C−17C線に沿った拡大断面図である。
【図17D】図17Cの17D−17D線に沿った断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る制御ユニットの駆動アセンブリと一方のハウジング部材とを示した分解図とした等角投影図である。
【図19】図18に示したハウジング部材と組合わさる他方のハウジング部材と、復帰バネである付勢用バネと、この付勢用バネの駆動ギアとを示した分解図とした等角投影図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る制御ユニットの垂直断面図であり、制御ユニットのハウジングに組込まれた第2の実施の形態の駆動アセンブリの構成要素どうしの相互連結状態を示した図である。
【図21】第2の実施の形態に係る制御ユニットに用いられている駆動アセンブリと制動アセンブリとを示した等角投影図であり、制御ユニットの一方のハウジング部材の中に配設された様々な構成要素を示した図である。
【図22】図21とは別の方向から見た等角投影図である。
【図23】図20の23−23線に沿った断面図である。
【図24】図20の24−24線に沿った断面図である。
【図25】図24の25−25線に沿った断面図である。
【図26】ヘッドレールの中に装着された本発明の第2の実施の形態に係る制御ユニットの垂直断面図であり、スプールから制御ユニットの中を通り更にヘッドレールの中を通って引出されるプルコードの経路を示した図である。
【図27】図26と同様の断面図であり、制御ユニットをやや大きなヘッドレールの中に装着した場合を示した図である。
【図28】図27と同様の断面図であり、制御ユニットを更に大きなヘッドレールの中に装着した場合を示した図である。
【図29】図26と同様の断面図であり、プルコードをヘッドレールの反対側の側縁に導いた場合を示した図である。
【図30】図27と同様の断面図であり、プルコードをやや大きなヘッドレールの反対側の側縁に導いた場合を示した図である。
【図31】図28と同様の断面図であり、プルコードを更に大きなヘッドレールの反対側の側縁に導いた場合と示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニットであって、前記覆いは昇降用シャフトにより作動され、前記覆いの上昇は前記昇降機構により行われ、前記覆いの降下は重力にまかせて行われる、制御ユニットにおいて、
駆動アセンブリを備えており、該駆動アセンブリは、スプール軸を備え回転軸心を有するスプールと、第1端が前記スプールに止着されており第2端が該制御ユニットの操作者によって操作される長手方向の伸びを実質的に生じることのないプルコードと、前記スプールが前記回転軸心を中心として第1回転方向に回転することで前記スプールの周囲に前記プルコードが巻取られるように前記スプールを前記第1回転方向に作用的に付勢する弾性部材と、前記スプールが前記第1回転方向に回転するときの回転量を規制する規制機構と、前記スプール軸と一体に回転するように前記スプール軸に取付けられた駆動ギアと、前記スプールが前記第1回転方向と逆方向の第2回転方向に回転させられるときに前記駆動ギアを前記スプールから離れる向きの軸心方向に移動させる移動機構とを含んでおり、
制動アセンブリを備えており、該制動アセンブリは、被動軸と、前記被動軸と一体に回転するように前記被動軸に作用的に連結された被動ギアであって前記駆動ギアが前記スプールから離れる向きに軸心方向に移動させられたときに前記駆動ギアと作用的に係合可能な被動ギアと、前記駆動ギアが前記スプールの方へ移動することで前記被動ギアから脱係合するように前記駆動ギアを前記スプールへ向けて付勢する弾性機構とを含んでおり、前記被動軸は前記昇降用シャフトに作用的に連結するように構成されている、
ことを特徴とする制御ユニット。
【請求項2】
前記弾性部材はコイルバネであることを特徴とする請求項1記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記駆動ギアを軸心方向に移動させる前記移動機構はカム機構であることを特徴とする請求項1記載の制御ユニット。
【請求項4】
前記カム機構は前記駆動ギアと前記スプール軸との少なくとも一方に設けられたカム面を含んでいることを特徴とする請求項3記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記カム機構は前記駆動ギアと前記スプール軸との両方に設けられたカム面を含んでいることを特徴とする請求項4記載の制御ユニット。
【請求項6】
前記カム面は前記スプール軸と同心的な円の円弧に沿って設けられていることを特徴とする請求項4記載の制御ユニット。
【請求項7】
前記弾性機構はコイルバネから成り、該コイルバネは前記駆動ギアと前記被動ギアとに作用的に係合してそれらギアを互いから離れるように付勢するものであることを特徴とする請求項1記載の制御ユニット。
【請求項8】
前記コイルバネはデュアルラップ型コイルバネであることを特徴とする請求項2記載の制御ユニット。
【請求項9】
建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニットであって、前記覆いは昇降用シャフトにより作動され、前記覆いの上昇は前記昇降機構により行われ、前記覆いの降下は重力にまかせて行われる、制御ユニットにおいて、
駆動アセンブリを備えており、該駆動アセンブリは、一方向にだけ回転駆動される駆動ギアと、前記駆動ギアを一方向にだけ回転させるプルコードとを含んでおり、
制動アセンブリを備えており、該制動アセンブリは、被動軸と、前記被動軸と一体に回転するように前記被動軸に作用的に連結された被動ギアであって前記駆動ギアと選択的に係合可能な被動ギアと、前記被動軸に作用的に連結された調速機構と、前記被動軸に取付けられたワンウェイブレーキであって前記被動軸の一方向の回転を許容し逆方向の回転を選択的に阻止するワンウェイブレーキと、前記ワンウェイブレーキに作用的に組合わされた係止機構であって前記被動軸の前記逆方向の回転を選択的に許容及び阻止する係止機構とを含んでいる、
ことを特徴とする制御ユニット。
【請求項10】
前記ワンウェイブレーキはワンウェイベアリングから成ることを特徴とする請求項9記載の制御ユニット。
【請求項11】
前記ワンウェイベアリングは第2被動ギアを前記被動軸に連結していることを特徴とする請求項10記載の制御ユニット。
【請求項12】
前記調速機構と共に回転する調速機構ギアと、前記第2被動ギアと前記調速機構ギアとを作用的に連結するギア列とを更に備えており、前記係止機構は前記調速機構ギアに対する係合位置と非係合位置との間で移動可能であり、前記係止機構は前記係合位置にあるときに前記調速機構の回転並びに前記被動軸の前記逆方向の回転を阻止しており且つ前記非係合位置にあるときに前記調速機構の回転並びに前記被動軸の前記逆方向の回転を許容していることを特徴とする請求項11記載の制御ユニット。
【請求項13】
前記係止機構を前記係合位置と前記非係合位置との間で移動させるロックレバーを更に備えており、該ロックレバーが前記プルコードに作用的に組合されることで前記プルコードの操作により前記係止機構が前記係合位置と前記非係合位置との間で移動可能とされていることを特徴とする請求項12記載の制御ユニット。
【請求項14】
前記駆動ギアを前記被動ギアから離れるように付勢する弾性機構を更に備えていることを特徴とする請求項9記載の制御ユニット。
【請求項15】
前記弾性機構はコイルバネであることを特徴とする請求項14記載の制御ユニット。
【請求項16】
前記調速機構は前記被動軸の前記逆方向の回転の回転速度を制御するものであることを特徴とする請求項9記載の制御ユニット。
【請求項17】
建築物の開口部の覆いの昇降機構を制御するための制御ユニットであって、前記覆いは昇降用シャフトにより作動され、前記覆いの上昇は前記昇降機構により行われ、前記覆いの降下は重力にまかせて行われる、制御ユニットにおいて、
駆動アセンブリを備えており、該駆動アセンブリは、回転可能なスプールと、前記スプールに止着され、前記スプールに巻取られまた前記スプールから引出されるようにしてあるプルコードと、前記スプールに作用的に連結され、前記スプールをプルコード巻取方向に付勢する付勢バネと、クラッチバネを介して前記スプールに作用的に連結され、前記クラッチバネによって前記スプールの回転方向におけるプルコード引出方向に相当する一方向にだけ回転するようにしてあるスプール軸と、前記スプール軸と一体に回転するように前記スプール軸に作用的に連結された被動軸と、前記被動軸と一体に回転するように前記被動軸に作用的に連結された昇降用シャフトとを含んでいる、
ことを特徴とする制御ユニット。
【請求項18】
前記スプールには支軸部が一体に形成されており、該支軸部に前記クラッチバネが作用的に取付けられていることを特徴とする請求項17記載の制御ユニット。
【請求項19】
前記スプールが前記プルコード巻取方向に回転させられているときに前記昇降用シャフトの回転を選択的に阻止するための制動解除可能な制動アセンブリを更に備えていることを特徴とする請求項18記載の制御ユニット。
【請求項20】
前記スプールが回転していないときに前記昇降用シャフトの回転を選択的に阻止するための制動解除可能な制動アセンブリを更に備えていることを特徴とする請求項18記載の制御ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−121232(P2009−121232A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292212(P2008−292212)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(506014321)ハンター・ダクラス・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】