説明

建築用ネジ締め装置

【課題】建築用ネジ締め装置を簡易に取り付けることができるようにする。
【解決手段】前後端の雄ネジ部5a,5bに各々第一と第二のナット6,39が螺合したネジ棒5が案内筒37を介して係止板8に連結され、案内筒とネジ棒に螺合した第二のナットとの間に圧縮コイルバネ10が介装され、係止板が建築用部材1に係止され、ネジ棒が第一のナットを介して建築用部材2に係止され、第一のナットが締め付けられて建築用部材同士が固定され、かつ、第一のナットの締め付けにより、圧縮コイルバネが建築用部材の経年変形に伴う収縮量と同程度の圧縮量だけ圧縮される。ネジ棒の前端側雄ネジ部の巻数よりも後端側雄ネジ部の巻数の方が、圧縮コイルバネの圧縮量に対応する巻数よりも多く設けられ、第二のナットには係止板の板面8bに接触する摺接面39aが設けられることによって、第一のナット及びネジ棒の回転に伴い、第二のナットが回り止め状態で、圧縮コイルバネを案内筒と共に上記圧縮量だけ圧縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱、梁等の建築用部材同士を結合するための建築用ネジ締め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱、梁等の建築用部材同士の接合には、ありとあり溝、ほぞとほぞ穴等の接合手段が用いられ、さらにその接合をより確実にするためハゴ板と呼ばれる接合具が用いられる。ハゴ板はネジ棒に係止板が溶接されたもので、例えば梁と梁をあり及びあり溝により接合する場合は、あり溝側の梁に横向きに孔を明け、この孔にネジ棒を挿通し、係止板をあり側の梁の側面に添えて釘等で固定し、あり溝側の梁を横向きに貫通したネジ棒にナットを螺合させて梁同士を締め付けるようにしている。また、梁を柱に接合する場合は、柱に横向きに孔を明け、この孔にネジ棒を挿通し、係止板を梁の側面に添えて釘等で固定し、柱を貫通したネジ棒にナットを螺合させて梁と柱同士を締め付けるようにしている。
【0003】
ところが、従来のようにハゴ板、ボルト等を用いて梁等の建築用部材同士を接合した場合、木材の経年変形に伴う収縮、例えば乾燥による収縮により、ボルト等による締め付け力が弱まり、建築物の強度が低下するおそれがある。通常、築後6月〜1年経つと既にガタツキの発生が認められる。また、ハゴ板は通常100〜150本/30建坪の量が使用され、これらの殆ど全てが緩むと考えられるので、建築物は鉛直軸まわりの捩じり力に対して脆くなり、地震、大風等により崩れやすくなる。
【0004】
そこで、本発明者は、ネジ棒が案内筒を介して係止板に連結され、ネジ棒の先端側雄ネジ部に第一のナットが螺着され、案内筒とネジ棒の後端側雄ネジ部に螺合する第二のナットとの間に圧縮コイルバネが介装され、係止板が一方の建築用部材に係止され、ネジ棒がその前端雄ネジ部及び第一のナットを介して他方の建築用部材に係止され、第一のナットが締め付けられることにより一方の建築用部材が他方の建築用部材に固定され、かつ、第二のナットの締め付けにより、圧縮コイルバネが建築用部材の経年変形に伴う収縮量と同程度又はそれよりも多めに圧縮されるようにした建築用ネジ締め装置を提案した(特許文献1参照)。この建築用ネジ締め装置を用いることにより、家屋の強度が高められ、耐震性が向上することが確かめられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2801854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記建築用ネジ締め装置には、第一のナットをインパクトレンチ等で締め付けて圧縮コイルバネを圧縮しようとする際に、第一のナットの回転と共にネジ棒が回転し、このネジ棒の回転に伴って第二のナットも回転するという問題がある。第二のナットがネジ棒と共回りすると、圧縮コイルバネが圧縮されなくなり、圧縮されても不十分な圧縮となり、耐震性を付与できなくなる。
【0007】
そこで、従来は、作業者が一方の手でインパクトレンチ等を操作して第一のナットを回転させ、他方の手でスパナを操作して第二のナットを回らないように固定している。
【0008】
しかし、この操作は作業者の両手を必要とし、また、大きな力を要するので、極めて面倒である。また、圧縮コイルバネのバネ定数が大きいことから、圧縮コイルバネの圧縮量が不十分になるおそれがある。
【0009】
また、従来の建築用ネジ締め装置では、ネジ棒が係止板の板面に直に乗せられて溶接されていることから、ネジ棒と係止板との間の距離が小さく、そのためネジ棒の後端ネジ部に取り付ける第二のナットも自ずと小さくする必要がある。その結果、圧縮コイルバネの圧縮が不安定になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0012】
なお、本発明の理解を容易にするため図面の参照符号を括弧書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
すなわち、請求項1に係る発明は、前後端の雄ネジ部(5a,5b)に各々第一のナット(6)と第二のナット(39)が螺合したネジ棒(5)が案内筒(37)を介して係止板(8)に連結され、この案内筒(37)と上記ネジ棒(5)に螺合した上記第二のナット(39)との間に圧縮コイルバネ(10)が介装され、上記係止板(8)が一方の建築用部材(1,17)に係止され、上記ネジ棒(5)が上記第一のナット(6)を介して他方の建築用部材(2,18)に係止され、上記第一のナット(6)が締め付けられることにより、上記一方の建築用部材(1,17)が上記他方の建築用部材(2,18)に固定され、かつ、上記第一のナット(6)の締め付けにより、上記圧縮コイルバネ(10)が上記建築用部材(1,2,17,18)の経年変形に伴う収縮量と同程度又はそれよりも多めの圧縮量だけ圧縮されるようにした建築用ネジ締め装置において、上記ネジ棒(5)の前後端の雄ネジ部(5a,5b)は、上記ネジ棒(5)の前端側雄ネジ部(5a)の巻数よりも後端側雄ネジ部(5b)の巻数の方が、上記圧縮コイルバネ(10)の圧縮量に対応する巻数よりも多くなるように形成され、上記第二のナット(39)には上記係止板(8)の板面(8b)に接触する摺接面(39a)が設けられることによって、上記第一のナット(6)及び上記ネジ棒(5)の回転に伴い、上記第二のナット(39)が回り止め状態で、上記圧縮コイルバネ(10)を上記案内筒(37)と共に上記圧縮量だけ圧縮することができるようにした建築用ネジ締め装置を採用する。
【0014】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の建築用ネジ締め装置において、上記係止板(8)に隆起部(8a)が設けられ、この隆起部(8a)上に上記案内筒(37)が乗せられたものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、木材からなる建築用部材が経年変形に伴い収縮しても、その収縮に応じて圧縮コイルバネ(10)が徐々に弾性復帰するので、ネジ棒(5)及びナット(6,39)による締め付け力が維持され、従って、梁と梁同士、梁と柱同士、梁等と係止板同士、木材とコンクリート同士等建築用部材同士の締結状態が維持され、建築物の強度が保たれるのはもちろんであるが、上記ネジ棒(5)の前後端の雄ネジ部(5a,5b)は、上記ネジ棒(5)の前端側雄ネジ部(5a)の巻数よりも後端側雄ネジ部(5b)の巻数の方が、上記圧縮コイルバネ(10)の圧縮量に対応する巻数よりも多くなるように形成され、上記第二のナット(39)には上記係止板(8)の板面(8b)に接触する摺接面(39a)が設けられることによって、上記第一のナット(6)及び上記ネジ棒(5)の回転に伴い、上記第二のナット(39)が回り止め状態で、上記圧縮コイルバネ(10)を上記案内筒(37)と共に上記圧縮量だけ圧縮することができるようにしたことから、建築用ネジ締め装置の取り付け作業に際しては第一のナット(6)をインパクトレンチ等で回し、第二のナット(39)は解放しておくことで圧縮コイルバネ(10)を圧縮することができる。従って、建築用ネジ締め装置の取り付け作業を簡易かつ迅速に、しかも正確に行うことができる。
【0016】
また、本発明において、上記係止板(8)に隆起部(8a)が設けられ、この隆起部(8a)上に上記案内筒(37)が乗せられたものとした場合は、ネジ棒(5)と係止板(8)との間の距離が大きくなり、従って、第二のナット(39)をより大きいものとして圧縮コイルバネ(10)をより安定的に圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る建築用ネジ締め装置の部分切欠平面図である。
【図2】図1中II−II線矢視断面図である。
【図3】図1中III−III線矢視断面図である。
【図4】図1中IV−IV線矢視断面図である。
【図5】本発明に係る建築用ネジ締め装置の分解斜視図である。
【図6】建築用ネジ締め装置の組み立て後の斜視図である。
【図7】図6中 VII−VII線矢視断面図である。
【図8】本発明に係る建築用ネジ締め装置の他の使用例における分解斜視図である。
【図9】建築用ネジ締め装置の組み立て後の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
【0019】
図5乃至図6において、符号1,2は夫々建築物の建築用部材である木材からなる梁を示す。一方の梁1の端部にはあり3が形成され、他方の梁2の中間部にはあり溝4が形成され、あり3があり溝4内に挿入されることにより一方の梁1が他方の梁2に抜け出し不能に接合されている。
【0020】
この接合箇所に、図1乃至図3に示す建築用ネジ締め装置36が装着される。
【0021】
この建築用ネジ締め装置36は、前後端の雄ネジ部5a,5bに第一のナット6と第二のナット39が各々螺合したネジ棒5と、このネジ棒5が摺動可能に挿通される案内筒37と、この案内筒37が溶接等により固着された金属製の係止板8とを有する。
【0022】
係止板8は長方形の金属板であり、その前端側には隆起部8aがプレス成形等によって形成される。隆起部8aの上面は、案内筒37の側面に合致しうる凹面とされる。また、係止板8の後端側には、ボルト9を通す穴41が設けられている。
【0023】
案内筒37は金属製の筒体であり、その軸芯が係止板8の長手方向に合致するように係止板8の隆起部8a上に乗せられ、溶接等により固着される。案内筒37の孔とこれに通されるネジ棒5との間にはクリアランスが設けられる。
【0024】
案内筒37に挿通されたネジ棒5は、係止板8上からその先端よりも先方に突出する。この案内筒37から突出するネジ棒5の前端側雄ネジ部5aに第一のナット6が螺合する。第一のナット6には必要に応じてワッシャ11があてがわれる。
【0025】
また、ネジ棒5の後端側は係止板8上に留まり、その後端側の雄ネジ部5bには第二のナット39が螺合する。
【0026】
ネジ棒5における第二のナット39と案内筒37との間には、圧縮コイルバネ10が介装される。圧縮コイルバネ10は、断面が四角形の線状バネ材が複数回巻回されることにより形成され、その両端は圧縮コイルバネ10が圧縮状態で円筒形になるよう薄く形成される。そして、両端は案内筒37と第二のナット39との間に挿入しやすいよう隣接する巻回部に接触している。線状バネ材の横断面は四角形に限らず円形等他の形状であってもよい。
【0027】
図1及び図2に示すように、上記ネジ棒5において、後端側雄ネジ部5bの螺旋はその巻数が前端側雄ネジ部5aの螺旋よりも多くなるように形成される。具体的には、後端側雄ネジ部5bの巻数の方が、前端側雄ネジ部5aの巻数よりも、上記圧縮コイルバネ10の圧縮量に対応する巻数以上多くなるように形成される。この圧縮量は望ましくは圧縮コイルバネ10の最大圧縮量とされる。また、この圧縮量は、図5及び図6に示したように、一方の建築用部材である梁1が他方の建築用部材である梁2に固定され、かつ、第一のナット6の締め付けにより、圧縮コイルバネ10が建築用部材の経年変形に伴う収縮量と同程度又はそれよりも多めの圧縮量とされる。
【0028】
また、図1乃至図4に示すように、上記第二のナット39には、上記係止板8の表側板面である平坦面8bに接触する平坦な摺接面39aが設けられる。なお、摺接面39aは必ずしも平坦面でなくともよく、要は係止板8に接触して第二のナット39の回転を阻止することができ、係止板8上をスライドできる面であればよい。
【0029】
これにより、図6及び図7に示すごとく第一のナット6と係止板8が各々定位置に拘束された状態で、第一のナット6が回され、前端側雄ネジ部5a上をその螺旋の終端へと螺進した後もさらに回されると、ネジ棒5が第一のナット6と共回りする。その際、第二のナット39の平坦な摺接面39aが係止板8の平坦面8bに面接触し、かつ、摺接面39aが平坦面8b上でスライドするので、第二のナット39はネジ棒5の回転にもかかわらず回転を止められた状態で案内筒37側へと螺進する。その結果、圧縮コイルバネ10が第二のナット39と案内筒37との間で所望の圧縮量だけ圧縮される。
【0030】
次に、図5乃至図7に基づき上記建築用ネジ締め装置36の作用について説明する。
【0031】
図5乃至図7に示すように、梁1,2同士の接合力を高めるため、この建築用ネジ締め装置36が梁の接合部に装着される。
【0032】
すなわち、あり溝側の梁2に横向きに孔7が明けられ、この孔7にネジ棒5が挿通される。このときネジ棒5は案内筒37に挿通されている。また、係止板8があり側の梁1の側面にあてがわれ、ボルト9等で係止され固定される。
【0033】
ネジ棒5の先端側雄ネジ部5aは、あり溝側の梁2を横向きに貫通し、この梁2から突出した先端側雄ネジ部5aにワッシャ11を介し第一のナット6が螺着される。また、ネジ棒5の後端側雄ネジ部5bには、第二のナット39が螺着される。
【0034】
第一のナット6が図示しないインパクトレンチ等によって締め付け方向に回されると、第一のナット6は前端側雄ネジ部5a上をその螺旋の終端へと螺進し、ワッシャ11と共に梁2の側面に接触し、同時にネジ棒5に対して相対的に停止する。停止後も第一のナット6が回され続けると、ネジ棒5が定位置で第一のナット6と共回りする。この共回りの際、第二のナット39の摺接面39aが係止板8の平坦面8bに面接触しており、かつ、摺接面39aが平坦面8b上でスライドすることから、第二のナット39はネジ棒5の回転にもかかわらず回転を止められた状態で案内筒37側へと螺進する。その結果、圧縮コイルバネ10が第二のナット39と案内筒37との間で所望の圧縮量だけ圧縮され、図7のように弾性変形する。
【0035】
これにより、あり3とあり溝4との係合力が高められ、圧縮コイルバネ10の圧縮量だけ梁1,2同士が締め付けられる。圧縮コイルバネ10の圧縮変形量は、木材からなる梁1,2の経年変形に伴う収縮量と同程度又はそれよりも多めであり、例えば3mm〜5mm程度である。この結果、梁1,2が経年変形に伴い収縮しても、その収縮に応じて圧縮コイルバネ10が少しずつ弾性復帰し、ネジ棒5及び第一と第二のナット6,39による締め付け力が維持される。従って、あり3とあり溝4との間の隙間も解消され、梁1,2同士の締結状態が維持され、建築物の強度が維持されることとなる。
【0036】
なお、上記係止板8は、図5乃至図7に示すように、梁1に孔13を明け、そこにボルト9を通し、ナット14で締め付けるようにしたが、釘により梁1に係止してもよい。或いは併用してもよい。また、ナット14と梁1の凹陥部34との間にゴム製弾性ワッシャ15と金属製ワッシャ16とを介装し、梁1の乾燥等による収縮量を見込んでその収縮量と同程度又はそれより多めに弾性ワッシャ15を圧縮しておけば、係止板8の緩みやガタツキを更に好適に防止することができる。
【0037】
その他、上記建築用ネジ締め装置は、図8及び図9に示す態様で使用することも可能である。
【0038】
図8及び図9において、符号17,18は夫々建築物の建築用部材である木材からなる梁、柱を示す。梁17の端部には、ほぞ19が形成され、柱18の中間部には、ほぞ穴(図示せず)が形成され、ほぞ19がほぞ穴内に挿入されることにより梁17が柱18に接合されている。
【0039】
この接合箇所に、梁17と柱18同士の接合力を高めるため、上記建築用ネジ締め装置36が装着されている。
【0040】
すなわち、柱18に横向きに孔22が明けられ、この孔22にネジ棒5が挿通される。そして、係止板8が梁17の側面にあてがわれ、ボルト24等で係止される。ネジ棒5の先端側雄ネジ部5aは柱18を横向きに貫通し、貫通した箇所に金属製ワッシャ11及び第一のナット6が取り付けられ、第一のナット6が先端側雄ネジ部5aに螺着される。また、案内筒37を後方に貫通したにネジ棒5の後端側雄ネジ部5bには、圧縮コイルバネ10が差し込まれ、最後に第二のナット39が螺着される。
【0041】
上記柱18における圧縮コイルバネ10等があてがわれる箇所には、金属製ワッシャ11及び第一のナット6等を収納する凹陥部27が設けられる。
【0042】
そこで、先端側雄ネジ部5aに螺合した第一のナット6が締め付け方向に回されると、ほぞ19とほぞ穴との係合力が高められ、梁17と柱18同士が締め付けられる。第一のナット6の締め付けの際に、圧縮コイルバネ10が案内筒37と第二のナット39との間で圧縮され弾性変形するが、この圧縮量は図6及び図7に示した場合と同程度である。これにより、梁17や柱18が乾燥等により収縮しても、その収縮量に応じて圧縮コイルバネ10が少しずつ弾性復帰するので、ネジ棒5、第一のナット6、第二のナット39等による締め付け力が維持される。従って、ほぞ19とほぞ穴との間の隙間も解消され、梁17と柱18同士の締結状態が維持され、建築物の強度が維持されることとなる。
【0043】
なお、上記係止板8はボルト24により梁17に固定したが、上記建築用ネジ締め装置を用いて梁17に固定することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1,2…梁
5…ネジ棒
5a…前端側雄ネジ部
5b…後端側雄ネジ部
6…第一のナット
8…係止板
8a…隆起部
8b…板面
10…圧縮コイルバネ
17…梁
18…柱
37…案内筒
39…第二のナット
39a…摺接面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後端の雄ネジ部に各々第一のナットと第二のナットが螺合したネジ棒が案内筒を介して係止板に連結され、この案内筒と上記ネジ棒に螺合した上記第二のナットとの間に圧縮コイルバネが介装され、上記係止板が一方の建築用部材に係止され、上記ネジ棒が上記第一のナットを介して他方の建築用部材に係止され、上記第一のナットが締め付けられることにより、上記一方の建築用部材が上記他方の建築用部材に固定され、かつ、上記第一のナットの締め付けにより、上記圧縮コイルバネが上記建築用部材の経年変形に伴う収縮量と同程度又はそれよりも多めの圧縮量だけ圧縮されるようにした建築用ネジ締め装置において、上記ネジ棒の前後端の雄ネジ部は、上記ネジ棒の前端側雄ネジ部の巻数よりも後端側雄ネジ部の巻数の方が、上記圧縮コイルバネの圧縮量に対応する巻数よりも多くなるように形成され、上記第二のナットには上記係止板の板面に接触する摺接面が設けられることによって、上記第一のナット及び上記ネジ棒の回転に伴い、上記第二のナットが回り止め状態で、上記圧縮コイルバネを上記案内筒と共に上記圧縮量だけ圧縮することができるようにしたことを特徴とする建築用ネジ締め装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建築用ネジ締め装置において、上記係止板に隆起部が設けられ、この隆起部上に上記案内筒が乗せられたことを特徴とする建築用ネジ締め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−246601(P2012−246601A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116551(P2011−116551)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(594009391)株式会社ベンチャーボルト (4)
【Fターム(参考)】