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建築部材用複合シート
説明

建築部材用複合シート

【課題】本発明の課題は、合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材において、表面や裏面の模様や形状を自由に選択でき、建築部材が反ったりする不具合を抑制し、ガラス繊維を含有する不織布に合成樹脂フィルムを貼り合わせた際に、合成樹脂フィルムに繊維状の浮きが生じることがなく平滑であり、作業時の皮膚刺激性も少なく、且つ厚みも薄くすることができる裏面材として好適な建築部材用複合シートと、該建築部材用複合シートを合成樹脂発泡体の片面に設けてなる建築部材を提供することである。
【解決手段】該裏面材である建築部材用複合シートが、ガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する側の層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有することにより、課題を解決することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂発泡体からなる芯材を、表面材と裏面材でサンドイッチした、金属サイディングや建築用パネル等の建築部材に用いられる裏面材として好適な建築部材用複合シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂発泡体からなる芯材を、表面材と裏面材でサンドイッチした金属サイディングや建築用パネル等の建築部材が数多く上市されている。しかしながら、合成樹脂発泡体の経時変化や、室内外の湿度差や湿度差により、建築部材の表面に凹凸が生じたり、反ったりする不具合が生じることがあった。
【0003】
これらの問題を解決するために、裏面材にその長手方向に沿って凹状をした溝を形成させ、裏面材に収縮が生じた際には、凹状をした溝により収縮が吸収され、裏面に反りが生じるのを緩和する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では表面の反りは緩和できず、且つ裏面が平面にならないと言う問題がある。
【0004】
また、表面材を凹凸模様とし、且つ凹部の大きさを凸部の大きさよりも大きくすることにより、建築部材自体の機械的強度を向上させることによって、反ったりする不具合を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では表面を任意の形状に成形できないと言う問題がある。
【0005】
また、温度や湿度の変化で膨張や収縮を起こさない、ガラス繊維を含有した不織布に、合成樹脂フィルムやアルミ箔を貼り合わせた複合シートを、合成樹脂発泡体の表裏に貼り合わせた建築部材が提案および考案されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
【0006】
しかしながら、ガラス繊維には皮膚刺激性があるため、複合シートを合成樹脂発泡体に貼り合わせる作業時に人体に悪影響が出るという問題や、表面の平滑性が劣るため、合成樹脂フィルムやアルミ箔を貼り合わせた際に繊維状の浮きが生じることがあるという問題がある。
【0007】
また、線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃と非常に小さく、弾性率も5〜15GPaと非常に高い合成樹脂フィルムをクラフト紙、織布、不織布と貼り合わせることにより、反りなどによる不具合を防止した複合シートが提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、合成樹脂フィルムの線膨張係数や弾性率を上述の範囲に調整するには、延伸倍率を十倍〜数十倍にして製造を行う必要があり、且つ合成樹脂フィルムを製造した後、溶融樹脂や接着剤を用いて貼り合わせる必要があるため、裏面材を薄くすることができない。また、使用する溶融樹脂や接着剤が温度や湿度の変化で膨張や収縮を起こすため、反りなどによる不具合を十分に防止できないことがある。
【0008】
また、ガラス繊維等の無機繊維を主体とする層と、木材パルプやポリエステル系の繊維等の有機繊維を主体とする層を積層したシートにより、反りや剥離などの不具合の防止や、皮膚刺激性を少なくする方法が提案されている(例えば、特許文献6〜9参照)。しかしながら、これらのシートでは、合成樹脂発泡体からなる芯材を形成させようとする際に、その原液が裏面側に染み出てしまう問題がある。また、シートの最外面が外気に接しているため、反り等の原因となる湿度の影響を受け易い。
【0009】
このように、合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材において、表面や裏面の模様や形状を自由に選択でき、建築部材が反ったりする不具合を抑制し、ガラス繊維を含有する不織布に合成樹脂フィルムを貼り合わせた際に、合成樹脂フィルムの表面に繊維状の浮きが生じることがなく平滑であり、作業時の皮膚刺激性も少なく、且つ厚みも薄くすることができる裏面材は未だ得られていなかった。また、この様な裏面材が合成樹脂発泡体の少なくとも片面に設けられている建築部材も未だ得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−116019号公報
【特許文献2】特開2003−147898号公報
【特許文献3】実開昭53−46372号公報
【特許文献4】特開2002−4548号公報
【特許文献5】特開2006−212895号公報
【特許文献6】特開昭51−84161号公報
【特許文献7】特開平4−226747号公報
【特許文献8】特開昭58−179641号公報
【特許文献9】特開2000−303389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材において、表面や裏面の模様や形状を自由に選択でき、建築部材が反ったりする不具合を抑制し、ガラス不織布に合成樹脂フィルムを貼り合わせた際に繊維状の浮きが生じることなく平滑であり、作業時の皮膚刺激性も少なく、且つ厚みも薄くすることができる裏面材として好適な建築部材用複合シートを提供することにある。また、この様な建築部材用複合シートを合成樹脂発泡体の少なくとも片面に設けた建築部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
【0013】
(1)合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材の裏面材として用いられる建築部材用複合シートであって、該裏面材はガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と、合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、且つ該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、且つ該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、且つ不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有していることを特徴とする建築部材用複合シート。
【0014】
(2)該合成樹脂フィルム(B)が、該不織布(A)の該合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の面の上に、合成樹脂を加熱溶融した状態で流延/貼り合わされた合成樹脂フィルムである(1)記載の建築部材用複合シート。
【0015】
(3)合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に、(1)又は(2)記載の建築部材用複合シートが設けられてなる建築部材。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材において、表面材や裏面材の模様や形状を自由に選択でき、建築部材が反ったりする不具合を抑制し、ガラス不織布に合成樹脂フィルムを貼り合わせた際に繊維状の浮きが生じることなく平滑であり、作業時の皮膚刺激性も少なく、且つ厚みも薄くすることができる裏面材として好適な建築部材用複合シートを提供することができる。また、この様な建築部材用複合シートを合成樹脂発泡体の片面に設けた建築部材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の建築部材用複合シートは、ガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有している建築部材用複合シートである。以下、特に断らない限り、本発明で言う「不織布」は、「ガラス繊維と木材パルプとを含有する不織布(A)」を指し、「合成樹脂フィルム」は、「合成樹脂フィルム(B)」を指すものとする。
【0018】
ガラス繊維は、温度や湿度の変化による膨張や収縮が小さいことから、ガラス繊維を含有した不織布は、温度や湿度の変化によって寸法変化を起こし難く、寸法安定性が良い。
【0019】
本発明に係わるガラス繊維は、折れ難く、繊維シート形成能力があれば、ガラスウール、ガラス繊維チョップドストランド(ガラス繊維カット品)のいずれのガラス繊維でも使用することができる。
【0020】
本発明に係わるガラス繊維の繊維径は、2〜20μmが好ましく、4〜15μmがより好ましく、5〜10μmがさらに好ましい。ガラス繊維の繊維径が2μm未満であると、寸法安定性に劣る場合がある。一方、ガラス繊維の繊維径が20μmを超えた場合、シート形成する際に地合が悪化し、表面平滑性に劣ることがある。また、ガラス繊維の繊維長は、2〜30mmが好ましく、4〜25mmがより好ましく、6〜20mmがさらに好ましい。ガラス繊維の繊維長が2mm未満であると、寸法安定性に劣る場合がある。一方、ガラス繊維の繊維長が30mmを超えた場合、抄紙時のよれや固まりが発生しやすくなり、形成された不織布が不均一になる恐れがある。
【0021】
本発明に係わるガラス繊維の含有量は、不織布の全配合量に対して、10〜70質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜55質量%がさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が10質量%未満であると、寸法安定性が悪くなる場合がある。一方、ガラス繊維の含有量が70質量%を超えると、寸法安定性は良好であるが強度や表面の平滑性に劣ることがある。
【0022】
本発明に係わる木材パルプとは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMP、その他いずれの種類のパルプでも良く特に限定はされないが、強度の点からNBKPが好ましい。また、叩解度(CSF)は300〜600mlの範囲が好ましい。CSFが300ml未満であると不織布の寸法安定性が低下する場合があり、CSFが600mlを超えると不織布の強度が低下する場合がある。
【0023】
木材パルプの含有量は、不織布の全配合量に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。木材パルプの含有量が5質量%未満であると、湿式抄紙法で製造する際、乾燥前シートの保水性が乏しくなりフェルトからはがれ難くなる場合がある。木材パルプの含有量が70質量%を超えると、不織布の寸法安定性が得られない恐れがある。
【0024】
また、本発明に係わる不織布には、ガラス繊維と木材パルプの他に少なくとも1種のバインダー繊維を含有する。
【0025】
本発明に用いられるバインダー繊維としては、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ビスコース繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられる。また、バインダー繊維は、単繊維であっても、芯鞘繊維、分割繊維等の複合繊維であっても良い。また、ポリビニルアルコール繊維は、常温の水ではほとんど溶解しないで繊維形態を保っているが、抄紙後の水分を含んだ状態で加熱されると容易に溶解し始め、溶解したところで、タッチロール等の設備で加圧すると、ガラス繊維や木材パルプとの間にまたがって作用するバインダー能力を発現し、その後の脱水乾燥によって再凝固し、高温水中でなければ容易に溶解しない強力なバインダー繊維となることから、特に好ましい。
【0026】
本発明に係わるバインダー繊維の繊維径は、4〜40μmが好ましく、6〜25μmがより好ましく、10〜18μmがさらに好ましい。バインダー繊維の繊維径が4μm未満であると、抄紙時に抄紙ワイヤーから脱落し、バインダー能力が低下する場合があり、一方、バインダー繊維の繊維径が40μmを超えた場合には、繊維の比表面積が相対的に低下し、バインダー能力が低下することがあり、さらに、シート表面の平滑性に劣ることがある。バインダー繊維の繊維長は、1〜20mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。バインダー繊維の繊維長が1mm未満であると、バインダー能力が低下する場合があり、一方、バインダー繊維の繊維長が20mmを超えた場合、抄紙時のよれや固まりが発生しやすくなることがあり、形成された不織布が不均一になる恐れがある。
【0027】
バインダー繊維の含有量は、不織布の全配合量に対して、5〜40質量%が好ましく、7〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。バインダー繊維の含有量が5質量%未満であると、引張強度が弱く、湿式抄紙の際に断紙する場合がある。バインダー繊維の含有量が40質量%を超えると、通気性が低下して、合成樹脂発泡体からなる芯材を形成させる際に、合成樹脂が不織布に浸透し難くなり、合成樹脂発泡体と不織布との接着が弱くなることがある。
【0028】
本発明に係わる不織布には、空隙や強度の調整等、必要に応じてガラス繊維、木材パルプ、バインダー繊維以外の繊維を含有させることができる。この様な繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等の再生繊維、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系などの合成繊維等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
本発明の建築部材用複合シートを構成する不織布は2層以上の多層シートであり、湿式抄紙法で製造される。本発明に用いることができる抄紙機は、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機等、これらの抄紙機が同種又は異種の2機以上がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等である。これらの抄紙機で抄造された湿紙ウェブは加熱乾燥される。加熱乾燥手段としては、シリンダードライヤー、エアードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤーなどの方式を用いることができる。
【0030】
下記に本発明の建築部材用複合シートを構成する不織布を製造方法の一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
例えば、水に分散剤を添加した後、ガラス繊維を投入して撹拌する。分散剤としては、特に限定はないが、ノニオン系分散剤を用いることが好ましい。その後、高分子ポリアクリルアミド水溶液あるいは高分子ポリエチレンオキシド水溶液と言った粘剤類を添加し、往復撹拌機で撹拌した状態でガラス繊維スラリーとして貯蔵する。また、水に叩解後の木材パルプ、バインダー繊維、サイズ剤を混合分散した後、木材パルプスラリーとして、別の貯蔵タンクに送る。ガラス繊維スラリーと木材パルプスラリーとを一定量ずつ貯蔵タンクあるいは抄紙機に送り、混合して目標の混合比率と坪量になるように湿紙ウェブを抄造する。得られた湿紙ウェブをシリンダードライヤーに接触させて、加熱乾燥することによって、バインダー繊維を効率よく融着させる。
【0032】
2層以上の多層シートに積層する方法は、各々の抄紙機で抄きあげた湿紙ウェブを湿潤状態にあるうちに積層する抄き合わせや、一方の湿紙ウェブを形成した後に、この湿紙ウェブの上に繊維を分散した原料スラリーを流して積層不織布を形成する方法でも良い。また、乾燥したウェブの上に、繊維を分散した原料スラリーを流して、積層不織布を形成する方法でも良い。
【0033】
不織布の坪量は、15〜200g/mが好ましく、20〜120g/mがより好ましく、30〜100g/mがさらに好ましい。不織布の坪量が15g/m未満の場合、寸法安定性が確保できないことがある。また、不織布の坪量が200g/mを超えると、合成樹脂発泡体が不織布に十分に浸み込まず、強度不足になることがある。また、不織布の厚みは、50〜500μmが好ましく、70〜350μmがより好ましく、100〜300μmがさらに好ましい。不織布の厚みが50μm未満の場合、剛性不足となることがあり、500μmを超えると、合成樹脂発泡体が不織布に十分に浸み込まず、強度不足になる場合や薄化の特徴を阻害する場合がある。また、不織布の密度は、0.10〜0.90g/cmが好ましく、0.15〜0.80g/cmがより好ましく、0.20〜0.60g/cmがさらに好ましい。不織布の密度が0.10g/cm未満の場合、繊維間の接着が不良となり寸法安定性が確保できないことがある。また、不織布の密度が0.90g/cmを超えると、ガラス繊維の折れが発生して十分な寸法安定性が得られない場合がある。
【0034】
また、本発明に係わる不織布には、耐湿性や撥水性を持たせる等、必要に応じてサイズ剤を配合することができる。サイズ剤としては、本発明の所望の効果を損なわないものであれば、強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、合成サイズ剤、中性ロジンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)など公知のサイズ剤のいずれをも用いることができる。
【0035】
また、この他に、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、あるいは両性の歩留り向上剤、濾水剤、分散剤、紙力向上剤や粘剤が必要に応じて適宜選択して使用される。また、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することができる。
【0036】
また、不透明度を高める等、必要に応じて、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の填料や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の自己消火性を有する填料等を含有させることができる。
【0037】
本発明に係わる合成樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、アクリル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンおよびそれらの変性樹脂等の合成樹脂が使用される。また、無機や有機の顔料を練りこんで着色した合成樹脂フィルムを用いても良い。
【0038】
合成樹脂フィルムの厚みとしては、制限はないが、一般に3〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜70μmが特に好ましい。3μmより薄いと、不織布との接着が不足したり、不織布表面の繊維状の浮きが大きくなり見えることがある。また、合成樹脂フィルムが200μmより厚いと、薄化の特徴を阻害することや、温度による合成樹脂フィルムの膨張や収縮のために反りが発生することがある。
【0039】
不織布に合成樹脂フィルムを貼り合わせる方法としては、(1)走行する不織布の上に、熱溶融押出機を用いて、そのスリットダイから熱可塑性の合成樹脂組成物を過熱溶融した状態でフィルム状に流延して被覆する、いわゆる熱溶融押し出しラミネート法、(2)熱可塑性の合成樹脂フィルムを不織布と積層して熱圧処理で一体化する方法、(3)合成樹脂フィルムと不織布の間に、熱可塑性のフィルムを挟んで積層し、熱圧延処理で一体化する方法、(4)合成樹脂フィルムを接着剤により不織布と積層する方法、等が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
また、合成樹脂フィルムが、不織布の合成樹脂フィルムと貼り合わせる側の面の上に、合成樹脂を加熱溶融した状態で流延/貼り合わされた合成樹脂フィルム(上記(1)の熱溶融押し出しラミネート法によって形成された合成樹脂フィルム)が、不織布の繊維間に合成樹脂が浸透するために、強度が強くなるだけでなく、薄化し易いこと、接着剤を使用する方法や、熱圧処理して一体化する方法よりもカールがし難いこと等から特に好ましい。
【0041】
本発明の建築部材複合シートは、ガラス繊維と木材パルプとを含有する不織布と、合成樹脂フィルムとを貼り合わせた複合シートである。木材パルプを含有させることにより、不織布にある程度のクッション性を持たせることができるため、合成樹脂フィルムと貼り合わせた際に、硬いガラス繊維が合成樹脂フィルムの上に繊維状に浮いて見えるのを防止することができる。
【0042】
また、本発明に係わる不織布は、合成樹脂フィルムと貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有する。合成樹脂フィルムは、熱溶融押し出しラミネート法や、熱圧処理や接着剤などを用いることによって貼り合わせるが、接着剤や熱溶融した合成樹脂は粘度が高い。ガラス繊維は木材パルプよりも目が粗いため、不織布の合成樹脂フィルムと貼り合わせる側にガラス繊維が多いと、粘度の高い熱溶融した合成樹脂や接着剤などが不織布の繊維間に浸透し、接着強度が強くなる。一方、合成樹脂フィルムと貼り合わせる側の層における木材パルプの含有量が多いと、接着強度が弱くなることがあるだけでなく、木材パルプは湿気を吸収し易いため、エッジの部分から侵入する湿気の影響を受け易くなることがある。
【0043】
さらに、本発明に係わる不織布は、合成樹脂発泡体からなる芯材と接する層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有する。木材パルプを多く含有することにより、ガラス繊維による皮膚刺激性を抑制することができるため、建築部材を製造する際の作業者へ悪影響を抑えることができる。また、合成樹脂発泡体を形成させる際に、その原液は一般に粘度が低いが、木材パルプの毛細管現象により粘度の低い原液が不織布の繊維間に浸透することにより合成樹脂発泡体と不織布が一体化して接着が強固になる。さらに、合成樹脂発泡体の原液が木材パルプに浸透することにより、エッジ部から侵入する湿気の影響も受け難くなる。一方、ガラス繊維の方が木材パルプよりも多い場合には、ガラス繊維の方が木材パルプよりも繊維が粗いために、合成樹脂発泡体の原液を繊維間に保持することができず、接着が不十分になったり、ガラス繊維の方が木材パルプよりも硬いために、脆くなったりすることがある。
【0044】
また、本発明は、合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に、本発明の建築部材用複合シートが設けられてなる建築部材でもある。
【0045】
本発明に係わる合成樹脂発泡体からなる芯材は、例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡体からなるものであり、特に耐火性を必要とする場合には、レゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、一般に表面材および/または裏面材に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。
【0046】
また、芯材には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることもできる。
【0047】
本発明に用いることができる表面材としては、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したものなどを挙げることができる。
【0048】
また、本発明建築部材用複合シートの合成樹脂フィルム側に、アルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙などを貼り合わせてもよい。
【実施例】
【0049】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0050】
[ガラス繊維分散液−Aの調製]
パルパー分散タンク中の水に市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、繊維状バインダー(商品名:VPB107、クラレ社製、1.1dt×3mm、PVA繊維)をそれぞれ85:15の比率で投入して10分間混合分散してガラス繊維分散液−Aを調製した。
【0051】
[ガラス繊維分散液−Bの調製]
ガラス繊維分散液−Aにおける、市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)の代わりに、市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径6μm、繊維長9mm)を用いた以外は、ガラス繊維分散液−Aと同様にしてガラス繊維分散液−Bを調製した。
【0052】
[木材パルプ分散液の調製]
パルパー分散タンク中の水に500mlCSFに叩解したNBKP(木材パルプ繊維)、繊維状バインダー(商品名:VPB107、クラレ社製、1.1dt×3mm、PVA繊維)を85:15の比率で投入して10分間混合分散して木材パルプ分散液を調製した。
【0053】
[不織布−1〜10の製造]
不織布−1〜10は、傾斜ワイヤー式抄紙機と円網抄紙機がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を用いて製造した。ガラス繊維分散液および木材パルプ分散液を、表1に示す混合比になる様に、第1層用(傾斜ワイヤー式抄紙機用)および第2層用(円網抄紙機用)の貯蔵タンクに送り、混合した。表1の坪量になるように、混合した分散液をそれぞれ第一抄紙ヘッド(傾斜ワイヤー式抄紙機)および第二抄紙ヘッド(円網抄紙機)に送り、湿紙ウエッブの状態で抄き合わせた後にプレスを行い、第2層表面がヤンキードライヤー面に当たる様にして乾燥し、表1に示す2層からなる不織布−1〜10を得た。
【0054】
【表1】

【0055】
なお、表1中に示した、略号の詳細は下記の通りである。
G:ガラス繊維
P:木材パルプ
【0056】
[不織布−11〜14の製造]
不織布−11〜14は、不織布−1〜10の製造で用いたコンビネーション抄紙機の第一抄紙ヘッド(傾斜ワイヤー式抄紙機)のみを用いて製造した。ガラス繊維分散液−Aおよび木材パルプ分散液を、表2に示す混合比になる様に貯蔵タンクに送った。混合した分散液を第一抄紙ヘッドに送り、湿紙ウエッブの状態でプレスを行い、ヤンキードライヤー面に当てて乾燥し、表2に示す単層の不織布−11〜14を得た。
【0057】
【表2】

【0058】
なお、表2中に示した、略号の詳細は表1と同じである。
【0059】
[建築部材用複合シートの製造]
<実施例1〜10>
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−1〜10の第1層側とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して実施例1〜10の建築部材用複合シートを得た。
【0060】
<比較例1〜4>
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−1〜4の第2層側とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して比較例1〜4の建築部材用複合シートを得た。
【0061】
<比較例5〜8>
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−11〜14とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して比較例5〜8の建築部材用複合シートを得た。
【0062】
<実施例11>
合成樹脂フィルムとして延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ30μm)を用い、これと不織布−3を貼り合わせて実施例11の建築部材用複合シートを得た。貼り合わせる方法は、低密度ポリオレフィン樹脂を押出成形によってフィルム状(厚さ20μm)に吐出し、溶融状態の低密度ポリエチレン樹脂を、延伸された高密度ポリエチレン樹脂シートと不織布−3の間に介在させつつ熱融着することで実施した。
【0063】
<実施例12>
合成樹脂フィルムとして延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ30μm)を用い、これと不織布−3を貼り合わせて実施例12の建築部材用複合シートを得た。貼り合わせる方法は、延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルムの片面に、無溶剤型アクリル樹脂接着剤を20g/m塗布し、接着剤を塗布した側の面に不織布−3を貼り合わせることで実施した。
【0064】
[建築部材の製造]
<実施例13〜24>
鉄板(0.27mm)を表面材とし、実施例1〜12で得た建築部材用複合シートを裏面材とし、硬質ポリウレタンフォームを芯材(10mm)とし、表面材と裏面材との間に2液性の硬質ポリウレタンフォームの原液を流し込み、24時間静置して、発泡と硬化を十分に完了させ、実施例13〜24の建築部材を得た。なお、建築部材用複合シートは不織布側の面が芯材に接するようにした。
【0065】
[比較例9〜16]
実施例13〜24における実施例1〜12で得た建築部材用複合シートの代わりに、比較例1〜8で得た建築部材用複合シートを用いた以外は、実施例13〜24と同様にして比較例9〜16の建築部材を製造した。
【0066】
[評価]
[皮膚刺激性]
実施例1〜12および比較例1〜8で製造した建築部材用複合シートの不織布側の面を触り、下記の基準により皮膚刺激性を確認した。結果を表3に示す。
○:殆ど皮膚刺激性がない。
△:わずかに皮膚刺激性が認められる。
×:明らかに皮膚に刺激がある。
なお、○または△が問題ないレベルである。
【0067】
実施例1〜4と比較例1〜4の比較より、同じ不織布を使用した場合でも、不織布の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する層が、木材パルプを使用しないか、質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有していると、皮膚刺激性が強く問題である。実施例5〜12および比較例5〜8についても同様に、不織布の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する層が、木材パルプを使用しないか、質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有していると、皮膚刺激性が強く問題である。
【0068】
[繊維状の浮き]
実施例1〜12および比較例1〜8で製造した建築部材用複合シートをポリオレフィン樹脂側から表面を観察し、ガラス繊維による繊維状の浮きが確認できるかを、下記の基準により目視で観察した。結果を表3に示す。
○:殆ど繊維状の浮きが観察されず、平滑である。
△:わずかに浮きが認められる。
×:明らかに浮きが認められる。
なお、○または△が問題ないレベルである。
【0069】
【表3】

【0070】
比較例5〜6より、不織布が積層ではなく単層であり、且つ木材パルプを含有していないか、もしくは質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有していると、ポリオレフィン樹脂側から、不織布の繊維状の浮きが確認される。
【0071】
[建築部材の反り]
実施例13〜24および比較例9〜16の建築部材について、−20℃、10%RHにて12時間、70℃、60%RHで12時間、合計24時間を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施し、24サイクル後の試験前と試験後の反り量の差を測定した。なお、反りの評価は長さ1m、幅37cmの大きさの建築部材を用い、端部から20cm、50cm、80cmの3点について反りを測定し、反りの最大値、最小値を幅で記載した。結果を表4に示す。反りの最大値が1.5mm未満が良好である。
【0072】
【表4】

【0073】
実施例13〜16と、比較例9〜12の比較より、同じ不織布を使用した場合でも、ポリオレフィン樹脂と貼り合わせた側の層に、質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有していると、反りの最大値が大きい。これは、ポリオレフィン樹脂と不織布の界面に木材パルプが多く存在しているため、水分が浸入し易くなっていることが原因であると推測される。また、比較例15〜16も同様に、ポリオレフィン樹脂と貼り合わせた側の層に、質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有しており、反りの最大値が大きい。
【0074】
また、実施例15と、実施例24との比較より、合成樹脂フィルムとして、合成樹脂を加熱溶融した状態で流延/貼り合わされた合成樹脂フィルムを用いると、反りの最大値が小さい。これは、溶融状態の合成樹脂が不織布内に浸透し、接着が強固になるためであると考えられる、また、実施例15と実施例23の比較では、実施例23が僅かに反りの最大値が大きいが、これは実施例23では合成樹脂フィルムと接着に用いた低密度ポリエチレンの熱膨張や収縮が異なるためであると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の建築材料用複合シートは、金属サイディングや建築用パネル等の建築部材に用いられる裏面材等に好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材の裏面材として用いられる建築部材用複合シートであって、該裏面材はガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する側の層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有することを特徴とする建築部材用複合シート。
【請求項2】
該合成樹脂フィルム(B)が、該不織布(A)の該合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の面の上に、合成樹脂を加熱溶融した状態で流延/貼り合わされた合成樹脂フィルムである請求項1記載の建築部材用複合シート。
【請求項3】
合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に、請求項1又は2記載の建築部材用複合シートが設けられてなる建築部材。

【公開番号】特開2013−104136(P2013−104136A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247212(P2011−247212)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】