説明

建設機械における制御装置、携帯端末、及び表示制御方法

【課題】建設機械に蓄積される情報を取得する際の利便性を向上させる。
【解決手段】建設機械における機械情報の表示制御を行う制御装置において、前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、生成された前記2次元バーコードを、前記建設機械の運転部から前記機械情報が参照可能な位置に設置された機体側表示部に表示させる機体側制御部を有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械における制御装置、携帯端末、及び表示制御方法に係り、特に情報取得時の利便性を向上させるための建設機械における制御装置、携帯端末、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の建設機械は、稼動させるための設定やエンジン・油圧システム等の情報等を蓄積することができ、これらの情報は、例えば建設機械に備え付けのモニター(表示部)で確認することができる。モニターは、例えば建設機械等の運転部等に設けられており、運転手やメンテナンス作業者等のユーザは、そのモニターを参照しながらメンテナンスや故障時における作業を行うことができる。
【0003】
また、従来では、外部のコンピュータ等の専用の機材を用いることで蓄積された情報を外部に取り出すこともできる。更に、従来では、建設機械に通信端末を搭載し、その通信端末で取得した建設機械の位置情報を、通信回線を介して建設機械全体を管理するサーバや、現場に設置されたサーバ等に出力して建設機械の稼働管理や、作業場所管理を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に示されているような技術では、建設機械に搭載されている通信端末からエンジンコントロールモジュールに記憶されているエンジンのシリアル番号と該シリアル番号に貼付された通信端末のアドレスがサーバに送信されるので、作業者による建設機械の機番の入力作業が不要になり、作業時間の短縮が図れる。一方、サーバ側では、該サーバ側に記憶されている建設機械の機番と通信端末のアドレスの照合が可能になるため、建設機械と通信端末の対応を認識した後、運用管理にスムーズに入ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−117024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来技術では、コンピュータや専用の機材が近くにない場合には、情報を即座に外部に取り出すことができない。そのため、例えば急な事故が発生した場合には、即座に管理センター(管理サーバ)に伝えることができない。また、従来技術では、例えば、運転手等の手元にある携帯端末等を用いて即座に情報を取得しておくことができない。したがって、従来では、建設機械に蓄積される情報を取得する際の利便性がよくなかった。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、情報取得時の利便性を向上させるための建設機械における制御装置、携帯端末、及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は、建設機械における機械情報の表示制御を行う制御装置において、前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、生成された前記2次元バーコードを、前記建設機械の運転部から前記機械情報が参照可能な位置に設置された機体側表示部に表示させる機体側制御部を有することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述した制御装置の前記機体側表示部に表示された2次元バーコードから前記機械情報を取得する携帯端末において、前記2次元バーコードの画像を取得するための撮像部と、前記撮像部により得られる2次元バーコードを解析し、前記2次元バーコードに埋め込まれた機械情報を抽出し、抽出された機械情報を表示情報として出力する端末側制御部と、前記端末側制御部により出力された機械情報を表示する端末側表示部とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、建設機械における機械情報の表示制御を行う表示制御方法において、前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成する生成手順と、前記生成手順により得られた前記2次元バーコードを、前記建設機械の運転部から参照可能な位置に設置された機体側表示部に表示させる表示手順とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、建設機械に蓄積される情報を取得する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における建設機械の一例を示す図である。
【図2】建設機械における制御装置の機能構成の一例を示す図である。
【図3】表示部に表示される画面例について説明するための図である。
【図4】本実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における携帯端末画面の一例を示す図である。
【図6】制御装置における表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】携帯端末における表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本発明について>
本発明では、例えば建設機械に設けられる制御装置(コントローラ)等に蓄積された機械情報に対応する2次元バーコードを表示部(モニター)等に表示し、その表示された2次元バーコードを、現在普及しているカメラ付き携帯端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ゲーム機器等を含む)を利用して取得することで、建設機械毎の機械情報を外部に迅速且つ容易に取り出す。
【0014】
これにより、本発明では、建設機械にケーブルを介して接続するための外部のコンピュータや専用の機材等が不要となるため、利便性を向上させることができる。また、本発明によれば、建設機械側に、外部コンピュータとケーブル接続するための接続用コネクターや無線通信等を行うための通信用機材等が不要となるため低コスト化も実現することができる。以下に、本発明における建設機械における制御装置、携帯端末、及び表示制御方法を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
<建設機械の具体例>
まず、本実施形態に適用される建設機械の具体例について図を用いて説明する。図1は、本実施形態における建設機械の一例を示す図である。なお、図1(a)は、建設機械の外観例を示し、図1(b)は、建設機械の運転部の中身の概要例を示している。
【0016】
図1(a)では、建設機械10の一例として油圧ショベルを示している。図1(a)に示す建設機械10は、大略的には運転部11と、作業機12と、走行体13とを有するよう構成されている。
【0017】
運転部11は、運転手(作業者)等のユーザが作業機12の動作や、走行体13における建設機械10の移動、回転等の操縦全般を行う部分である。また、運転部11には、本実施形態における表示部が設けられている。例えば、運転手やメンテナンス作業者等のユーザは、表示部に対して所定の操作を行うことで、本実施形態における2次元バーコードを表示させ、ユーザ等が所持する携帯端末のバーコード読取機能等を用いて2次元バーコード情報を解析し、機械情報を取得することができる。
【0018】
建設機械10は、作業機12を駆動させることで、例えば破砕作業、解体作業、吊り作業、掘削作業等の各種作業を行うことができる。本実施形態では、上述したような各種作業時におけるエンジン回転数や負荷率、冷却水温等のエンジン稼働状況、油圧ポンプの圧力、油温等の油圧システム稼動状況等を機械情報として建設機械の制御装置が有する蓄積部に蓄積する。なお、本実施形態における機械情報の具体例については後述する。
【0019】
また、走行体13は、建設機械10本体の回転や移動を可能とする。なお、走行体13は、例えば車輪等を用いて建設機械10本体の回転や移動をさせるようなものであってもよい。
【0020】
また、図1(b)に示す運転部11は、大略的には座席20と、操縦部21と、表示部22とを有するよう構成されている。座席20は、運転手等が座る部分である。運転手は、座席20に座りながら操縦部21を用いて建設機械10の操縦を行う。操縦部21は、建設機械10本体の移動や作業機12により各種作業を行うためのレバーや各種スイッチ、ペダル等を有している。
【0021】
表示部22は、例えば液晶モニター等からなり、建設機械10の設定情報、操縦状況、操縦結果等の機械情報を表示する。また、本実施形態では、運転手等の指示を受けたときや、エンジンスイッチを切ったとき(エンジンOFF)、故障等が発生したとき等の場合に、本実施形態における2次元バーコードを生成して表示する。運転手は、表示部22に表示された2次元バーコードを、携帯端末等を用いて撮影し、例えば携帯端末にインストールされたアプリケーション等を用いて撮影された2次元バーコードを解析させることで、2次元バーコードに埋め込まれている情報を携帯端末の表示部に表示させて機械情報を確認することができる。また、本実施形態では、携帯端末が2次元バーコードから取得した情報を蓄積し、携帯端末内で情報を管理することもできる。このように、本実施形態では、建設機械に蓄積される情報を取得する際の利便性を向上させることができる。
【0022】
なお、図1(b)の表示部22の設置位置については、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば座席20の左側に設置してもよく、座席20の前方、後方、上方、又は下方等に設置してもよい。
【0023】
また、本実施形態における建設機械10については、図1に示す油圧ショベルに限定されるものではなく、例えばクレーン車や杭打ち機、杭抜き機、ウォータージェット(例えば、ウォータージェットカッタ等)、泥排水処理設備、グラウトミキサ、深礎工用機械(例えば、ロータリー吹き付け機、水中切断機等)、せん孔機械等を広く含む。
【0024】
<2次元バーコードに埋め込まれる情報について>
次に、本実施形態において2次元バーコードに埋め込まれる情報について説明する。2次元バーコードに埋め込まれる情報としては、例えば機械情報や機暦情報等がある。機械情報は、例えば建設機械10に対するエンジンのON/OFF率や建設機械が特定の人にしかエンジンが駆動できないようにするためのパスワード情報、建設機械10を稼動させるための各種設定情報等を少なくとも1つ含むことができる。
【0025】
また、機暦情報は、例えばエンジン回転数、負荷率、及び冷却水温等のうち少なくとも1つを有するエンジン稼動状況等を含むことができる。また、機暦情報は、例えば油圧ポンプの圧力及び油温等のうち、少なくとも1つを有する油圧システム稼動状況を含むことができる。
【0026】
また、機暦情報は、例えば作業モード設定、及び走行モード設定等のうち少なくとも1つを有する機械設定情報を含むことができる。また、機暦情報は、燃費状況等を含むことができる。また、機暦情報は、オーバーヒート及び圧力異常等のうち少なくとも1つからなる故障情報を含むことができる。
【0027】
また、本実施形態における機暦情報は、上述した内容に限定されるものではなく、例えば建設機械10における各種時間(例えば、本体動作時間、電気系統動作時間、アイドル時間、ブレーカ使用時間、破砕使用時間等)、各種スイッチ作動回数(例えば、圧力スイッチ、操作スイッチ等)、作業モード、圧力最高値、温度分布等のうち少なくとも1つを含むことができる。更に、本実施形態における機暦情報は、上述した各種情報のうち、複数を組み合わせた情報であってもよい。なお、上述した各種時間情報は、例えば積算時間(アワーメータ)等が用いられるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0028】
また、本実施形態では、上述した各種情報を時間毎又は日付毎の時系列に2次元バーコードに埋め込むこともできる。更に、本実施形態では、数日分のログデータや累計結果、統計結果、平均値等の算出結果に基づく情報を2次元バーコードに埋め込んでもよい。
【0029】
本実施形態では、これらの情報を2次元バーコードに埋め込むことで、例えば運転手やメンテナンス作業者等が所持する携帯端末を用いて、2次元バーコードから機械情報を取り出し、機械情報(機暦情報等)を確認することができる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0030】
更に、本実施形態では、運転手やメンテナンス作業者等に、表示部に表示する2次元バーコードに埋め込む情報を変更することができる。例えば、運転手やメンテナンス作業者用にパスワードを設定しておき、対応するパスワードを入力することで、そのパスワードに応じた情報を2次元バーコードに埋め込んで表示させることができる。このように、本実施形態では、パスワード等により機械情報を取得するための権限を設定することで、適切な情報を取得させることができる。なお、パスワードが正しくない場合には、2次元バーコードを表示しなくてもよい。
【0031】
また、パスワードの入力は、コントローラ等がパスワードを入力させる画面を表示部22に表示させてもよい。また、パスワードの入力は、例えば表示部22がタッチパネルである場合には、表示部22に表示された数字キー等を用いて入力することができる。また、表示部22とは別に操作スイッチを設けて、2次元バーコードの表示指示やパスワードの入力等を行ってもよい。
【0032】
なお、上述した表示部22における表示や操縦部21における操作に対応した作業機12の動作、走行体13における移動等は、建設機械10における制御装置によって制御される。
【0033】
<建設機械10における制御装置について>
次に、建設機械10における制御装置の機能構成例について図を用いて説明する。図2は、建設機械における制御装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示す制御装置30は、走行操作部31と、作業機操作部32と、各種センサ33と、情報表示スイッチ34と、メモリ(蓄積部)35と、コントローラ(制御部)36とを有するよう構成されている。
【0034】
走行操作部31は、運転部11に設けられており建設機械10の前後左右の各方向への移動や回転等の移動操作を行い、その制御信号をコントローラ36に出力する。また、作業機操作部32は、運転部11に設けられており、作業機12の操作を行い、その制御信号をコントローラ36に出力する。なお、走行操作部31及び作業機操作部32は、上述した操縦部21等に相当するものである。
【0035】
各種センサ部33は、建設機械10の各部の動作や状態(例えば、水温、油温等)を検出するためのものであり、各種センサ部33から得られた情報は、コントローラ36に出力される。情報表示スイッチ34は、表示部22に対して本実施形態における2次元バーコードの表示指示や、ユーザ毎のパスワードの入力、2次元バーコードに埋め込む情報の設定等を行うスイッチやボタン、キー等である。なお、情報表示スイッチ34は、例えば表示部22に表示される文字や記号、ボタン等を出力するタッチパネル等のようなものであってもよい
メモリ35は、本実施形態における各種情報(例えば、機械情報やアプリケーション等)を蓄積する蓄積部であり、必要に応じて所定の情報を書き込んだり読み出したりすることができる。
【0036】
コントローラ36は、走行操作部31や作業機操作部32、各種センサ部33、情報表示スイッチ34、及びメモリ35等から得られる情報に基づいて、アプリケーション等を用いて走行体13及び作業機12に対する動作制御や表示部22における表示制御等を行う。
【0037】
また、コントローラ36は、上述した各構成部により得られる情報をメモリ35に蓄積して管理したり、メモリ35に蓄積されている各種情報(例えば、機械情報等)からユーザ等により指示された情報や予め設定された情報等を2次元バーコードに埋め込み、表示部22に表示させる。
【0038】
また、コントローラ36は、例えば故障等が発生した場合に故障情報を表示部22に表示させると共に、その故障情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、表示部22に表示することができる。なお、故障時には、制御装置30や建設機械10の周囲に見えるように設けられた警告ランプ等を点灯させるようにしてもよい。
【0039】
運転手やメンテナンス作業者等のユーザは、表示部22に表示された2次元バーコード23をユーザが所持する携帯端末40で撮影し、撮影した2次元バーコード23を解析することにより、機械情報を取得し蓄積することができる。
【0040】
なお、コントローラ36は、上述した機械情報に、建設機械10のシリアル番号(例えばエンジンシリアル番号やその他の建設機械10を識別するための情報)の情報を含ませて管理していてもよい。この場合、コントローラ36は、シリアル番号を入力させるための画面を表示部22に表示させ、ユーザ入力により、予め登録させているシリアル番号を読み取った場合にのみ、表示部22に機械情報や2次元バーコードを表示するように制御してもよい。これにより、特定の人でしか、機械情報や2次元バーコードを取得できないようにすることができ、情報の安全性、守秘性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、機械情報等を2次元バーコードに埋め込む際に、予め暗号化しておいてもよい。これにより、第三者に2次元バーコードを読み取られたとしても、機械情報等を取得できないようにすることもできる。
【0042】
<モニター画面例>
次に、本実施形態における表示部に表示される画面例について、図を用いて説明する。図3は、表示部に表示される画面例について説明するための図である。なお、図3(a)〜(c)は、各条件において表示部22に2次元バーコードが表示されたときの表示画面22−1〜22−3を示している。また、図3(d)は、機械情報削除時の表示画面22−4を示している。
【0043】
図3(a)では、運転手やメンテナンス作業者等のユーザが2次元バーコード表示を指示した場合に表示部22に表示される表示画面22−1を示している。図3(a)の例では、表示画面22−1に機暦情報及び2次元バーコード23−1が表示されている。このとき、2次元バーコード23−1に埋め込まれている情報としては、例えば表示画面22−1に同時に表示されている機暦情報の内容であってもよく、異なる情報であってもよい。更には、数日分の機暦情報が埋め込まれた2次元バーコードを表示させてもよい。
【0044】
また、図3(b)では、建設機械10のエンジンを切った場合(キーオフ(KEY OFF)した場合)に、表示される2次元バーコード23−2が示されている。図3(b)の例では、表示画面22−2に「お疲れ様でした。読取りをお願いします。」の表示と共に2次元バーコード23−2が表示されている。なお、2次元バーコード23−2には、キーをオン(ON)したときからオフ(OFF)するまでの各種の機暦情報を埋め込んだ2次元バーコードを表示させてもよく、またユーザが指定した機暦情報を埋め込んだ2次元バーコードを表示させてもよく、更に数日分(数時間分)の機暦情報を埋め込んだ2次元バーコードを表示させてもよい。
【0045】
また、図3(c)では、故障時に表示される2次元バーコード23−3を示している。この例では、故障の原因に応じた情報が埋め込まれた2次元バーコード23−3が表示画面22−3に表示される。例えば、本実施形態では、故障の原因が、例えば「オーバーヒート」である場合には、オーバーヒートの文字を表示すると共に、オーバーヒートに相当する機暦情報(例えば、例えばエンジン回転数、エンジン稼働時間、水温、油温等)を埋め込んだ2次元バーコード23−3が表示される。なお、本実施形態では、これに限定されるものではなく、例えば他の機暦情報であってもよい。
【0046】
なお、上述の図3(a)〜(c)に示す例では、1つの2次元バーコードのみが表示されているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、複数の2次元バーコードを配列させて表示させてもよく、また順番に画面に表示させてもよい。つまり、1つの2次元バーコードには、文字数の制限があるため、(例えば、QRコード(登録商標)の場合の容量は、数字のみの場合最大7,089文字、英数(US−ASCII)最大4,296文字、漢字・かな(Shift JIS)最大1,817文字等)、その文字数を超える機械情報を表示する場合には、複数のバーコードに分けて表示される。
【0047】
また、本実施形態では、複数の2次元バーコードを表示させる場合に、例えば機暦情報の種類(例えば、エンジン稼動状況、油圧システム稼動状況、機械設定、燃費状況、故障情報)毎にそれぞれ個別の2次元バーコードを生成して配列して表示したり又は順番に表示させることができる。更に、上述したユーザの設定や表示させる事象に基づいて複数種類の機暦情報のうち、2つ以上を組み合わせた情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成して表示部22に表示させてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、表示部22に表示される機械情報の種類や情報の優先度等に応じて色分けして表示してもよい。なお、どのような種類や条件に応じて、どのような色に分けて表示するかについては予め設定することができる。また、本実施形態では、2次元バーコードとその他の情報とを色分けして表示することができる。これにより、各情報の認識や重要度の度合を的確に行うことができる。
【0049】
また、図3(d)の表示画面22−4では、例えば図3(a)〜(c)に示す2次元バーコードを所定時間表示した後に、その表示した情報をメモリ35から削除するか否かを判断させる操作ボタン24を表示部22に表示する。このとき、ユーザが、削除する(表示画面22−4において、操作ボタン24が「YES」)の判断を行うことにより、2次元バーコードに埋め込まれた情報をメモリ35から削除することができる。また、ユーザが削除しない(表示画面22−4において、操作ボタン24が「NO」)を選択した場合には、メモリ35を削除せずにそのまま処理を終了する。
【0050】
なお、メモリ35には、通常のメンテナンス業者がデータを取得する日数以上の日数に対応するメモリ容量を有しており、コントローラ36は、例えばメモリ容量を超えた情報を蓄積することになった場合は、所定日数を超えた場合には、最も前に蓄積している日数に対応する情報を自動的に削除するよう制御することもできる。
【0051】
<2次元バーコードについて>
本実施形態における2次元バーコードについて説明する。本実施形態に2次元バーコードとしては、例えば、QRコードやSPコード(登録商標)、ベリコード(VeriCode)(登録商標)、マキシコード(MaxiCode)、CPコード(登録商標)、DataMatrix、Code1等のマトリックス式、又は、PDF417やマイクロPDF417、Code49、SuperCode、Ultra Code、RSS Composite、AztecMesa等のスタック式等を用いることができるが本発明においてはこれらに限定されるものではない。
【0052】
これらの2次元バーコードは、上述した種類のうち、予め設定した規格(例えば、QRコード)の2次元バーコードを表示してもよく、また、上述した複数種類の規格のうち、運転手やメンテナンス作業者等のユーザが指定した2次元バーコードを表示してもよく、複数の規格のバーコードを同時又は順次表示部22に表示してもよい。
【0053】
なお、本実施形態においては、例えば、上述した表示部22等が機体側表示部に相当し、コントローラ36等が機体側制御部に相当する。
【0054】
<携帯端末40の構成例について>
次に、本実施形態における携帯端末40の構成例について図を用いて説明する。図4は、本実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図4に示す携帯端末40は、一例として携帯電話機を用いている。
【0055】
図4に示す携帯端末40は、無線部(送信回路)51と、無線部(受信回路)52と、送受信部53と、送受信アンテナ54と、GPSアンテナ55と、通信制御部56と、変調器57と、復調器58と、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラ(撮像部)59と、画像処理部60と、GPSモジュール(測位部)61と、キー入力部62と、アプリケーション処理部63と、表示部64と、電話部65と、信号インタフェース部66と、音声・画像処理部67と、通信プロトコル処理部68と、メモリ69と、日時取得部70と、電源部71とを有するよう構成されている。
【0056】
無線部(送信回路)51は、外部機器(例えば、管理サーバ等)と送受信アンテナ54を介して無線によるデータ送信を行うための回路である。また、無線部(受信回路)52は、外部機器と送受信アンテナ54を介して無線によるデータ受信を行うための回路である。なお、無線部(送信回路)51及び無線部(受信回路)52は、信号の周波数変換や不要波の除去等も行う。
【0057】
送受信部53は、無線部(送信回路)51から得られた各種データを、送受信アンテナ54を介して外部機器に伝送する信号を生成する。また、送受信部53は、送受信アンテナ54を介して得られた信号に含まれるデータを無線部(受信回路)52に出力する。送受信アンテナは、データを送受信するためのアンテナである。
【0058】
また、GPSアンテナ55は、携帯端末40の現在位置を取得するためにGPS衛星等から位置情報に関する信号を受信する。
【0059】
通信制御部56は、送信及び受信に関する制御全般を行う。具体的には、通信制御部56は、無線部(送信回路)51における送信タイミングや、無線部(受信回路)52における受信タイミングを制御する。また、通信制御部56は、電話部65から得られる音声やCCDカメラ59等から得られる2次元バーコード等の画像情報、その他の本実施形態におけるデータ(機械情報)等を変調器57により変調させ、変調したデータを無線部(送信回路)51を介して送受信アンテナ54から送信させる。更に、通信制御部56は、無線部(受信回路)52を介して復調器58で復調されたデータを受け取って、音声・画像処理部67や通信プロトコル処理部68に所定の情報を出力する。
【0060】
CCDカメラ59は、本実施形態において、建設機械10の表示部22に表示された2次元バーコードを撮影するための撮像部であり、2次元バーコードを読み取る読取部でもある。CCDカメラ59で撮影された画像は、画像処理部60に出力される。
【0061】
画像処理部60は、CCDカメラ59で撮影された画像から2次元バーコード部分を抽出し、抽出した2次元バーコードをアプリケーション処理部63に出力する。
【0062】
GPSモジュール61は、GPSアンテナ55を介して現時点での位置情報を取得し、取得した位置情報をアプリケーション処理部63に出力する測位部である。なお、GPSモジュール61は、アプリケーション処理部63からの測位指示により、その時点における測位を行ってもよい。
【0063】
キー入力部62は、ユーザ等が携帯端末40に対する各種の指示入力や、設定入力、パスワードの入力、建設機械10のシリアル番号等の入力、電話番号の入力、メールの作成における文字入力等を行うための操作部であり複数のボタン等からなる。
【0064】
アプリケーション処理部63は、携帯端末40に設けられた各種機能を実現するための各種アプリケーション処理を実現するための制御部である。具体的には、アプリケーション処理部63は、画像処理部60により得られる2次元バーコードを解析して、2次元バーコードに埋め込まれた機械情報やそれ以外の情報等を取得する。なお、アプリケーション処理部63は、2次元バーコードに埋め込まれた機械情報やそれ以外の情報等が暗号化されている場合には、その復号化も行う。
【0065】
また、アプリケーション処理部63は、例えば2次元バーコードから取得した情報を表示部64に表示したり、メモリ69に蓄積する。また、アプリケーション処理部63は、例えばメモリ69から読み出した機械情報を、通信プロトコル処理部68を介して所定の外部機器に送信することができる。
【0066】
ここで、アプリケーション処理部63は、機械情報を表示部64に表示する際、パスワードを入力させる画面を表示部64に表示させ、ユーザのパスワードの内容に応じた機械情報のみを表示するようにしてもよい。なお、パスワードが正しくない場合には、機械情報を全く表示しなくてもよい。これにより、本実施形態では、パスワード等により運転手やメンテナンス作業者毎に対応する機械情報を取得するための権限を設定することで、適切な情報を取得させることができる。
【0067】
更に、アプリケーション処理部63は、機械情報を表示部64に表示する際、建設機械のシリアル番号を入力させる画面を表示部64に表示させ、シリアル番号が正しく入力された場合にのみ、機械情報を表示するようにしてもよい。これにより、もし携帯端末40で2次元バーコードを読み取れたとしても、特定の人でしか、機械情報を表示できないようにすることができ、情報の安全性、守秘性を向上させることができる。
【0068】
また、アプリケーション処理部63は、2次元バーコードを取得したら直ぐにGPSモジュール61に対して位置情報を取得するよう指示することができる。また、アプリケーション処理部63は、2次元バーコードから得られた機械情報をメモリ69に蓄積したり、外部機器への送信時にGPSモジュール61に対して位置情報を取得するよう指示することができる。
【0069】
表示部64は、液晶表示画面等からなり、例えば携帯端末40を操作するための各種情報を表示する。また、表示部40は、本実施形態における2次元バーコードや、2次元バーコードにより得られる機械情報等を所定の条件で表示する。
【0070】
電話部65は、スピーカ及びマイク等からなり、携帯端末40を介して他の人物と通話する機能を有する。
【0071】
信号インタフェース部66は、電話部65から得られる音声データを音声。画像処理部67に出力したり、音声・画像処理部67から得られる情報を電話部65に出力する。
【0072】
音声・画像処理部67は、通信制御部66や通信プロトコル処理部68における通信処理によって、入力されるデータから通話するための音声を抽出したり、表示部64の画面に表示されるための画像処理を行ったり、送受信アンテナ54を介して外部に伝送させるための音声、画像等の各データ処理等を行う。
【0073】
通信プロトコル処理部68は、所定の通信プロトコルに基づいて音声、画像、その他の情報(例えば、機械情報等)の伝送時の通信制御を行う。
【0074】
メモリ69は、携帯端末40に所定の動作をさせる上で必要な設定情報やアプリケーション、本実施形態における2次元バーコードから取得した機械情報等を蓄積する。なお、メモリ69は、アプリケーション処理部63からの指示により、蓄積された情報から所定の情報のみを読み出すことができ、また情報を蓄積することができる。
【0075】
日時取得部70は、携帯端末40の内部時計等により現在日時を取得する。具体的には、日時取得部70は、日にちや時間等のカレンダー機能を有している。
【0076】
電源部71は、例えばリチウムイオン等の充電電池等からなり、携帯端末40の各部回路へ電源を供給する。
【0077】
ここで、本実施形態において、アプリケーション処理部63は、例えば、2次元バーコードを取得した場合、及び/又は、GPSモジュール61により位置情報を取得した場合に、日時取得部70から日時情報を取得し、取得した日時情報を2次元バーコードから得られる機械情報に付加する。また、アプリケーション処理部63は、日時情報を付加した機械情報を、表示部64に表示したり、メモリ69に蓄積したり、送受信アンテナ54から外部機器に送信することができる。
【0078】
なお、本実施形態における機械情報に含まれる時間情報が積算時間(アワーメータ)の場合、アプリケーション処理部63は、日時取得部70から得られる日時情報を用いて積算時間を日時情報に変換することもできる。これにより、機械情報の曜日や日付毎の管理を行うことができ、情報の利便性を更に向上させることができる。
【0079】
<携帯端末画面例>
次に、本実施形態における携帯端末画面例について、図を用いて説明する。図5は、本実施形態における携帯端末画面の一例を示す図である。図5に示す携帯端末40は、図5に示すように2次元バーコードを撮像部等により撮影し、撮影された情報から2次元バーコードに埋め込まれた情報を携帯端末画面80に出力する。
【0080】
なお、この場合に表示される情報は、例えばユーザが建設機械10で指定した機暦情報であってもよく、すでに取得され、メモリ69等に蓄積された情報と合わせて表示してもよい。また、図5の携帯端末画面80に表示される情報は、各項目における積算時間(アワーメータ)が表示されているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば上述した日時取得部70から取得した日時情報に変換した日付情報を表示させてもよい。その場合には、例えば日付毎の稼動時間やエンジン回転数、時間毎の水温の推移等を表示してもよい。これにより、建設機械10に日時取得部を設けていなくても携帯端末40から得られる日時情報を用いて機械情報を様々な観点から把握することができる。
【0081】
また、本実施形態では、携帯端末画面80に表示される機械情報の種類や情報の優先度等に応じて色分けして表示してもよい。なお、どのような種類や条件に応じて、どのような色に分けて表示するかについては予め設定することができる。これにより、情報の認識や重要度の度合を的確に行うことができる。
【0082】
なお、本実施形態においては、例えば、上述した表示部64等が端末側表示部に相当し、アプリケーション処理部63等が端末側制御部に相当する。
【0083】
<本実施形態における各種制御処理手順>
次に、本実施形態における建設機械10の制御装置30により行われる機械情報の表示制御処理手順と、携帯端末40における機械情報表示制御処理手順とについて説明する。
【0084】
<制御装置30における表示制御処理手順>
図6は、制御装置における表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図6に示す例では、機械情報の表示に対し、以下の表示制御処理を行う。また、以下の説明では、予め建設機械10における機械情報がメモリ35等に蓄積されているものとする。
【0085】
制御装置30において、コントローラ36は、機械情報の表示に対し、運転手やメンテナンス作業者等のユーザによる設定があったか否かを判断する(S01)。なお、ユーザによる設定とは、例えば上述したパスワードの入力やシリアル番号の入力の他、機械情報の種類や期間の設定等のうち少なくとも1つを含むが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0086】
また、コントローラ36は、ユーザ設定がある場合(S01において、YES)、設定された情報に基づいてメモリ35等から抽出された機械情報に対して2次元バーコードを生成する(S02)。また、ユーザ設定がない場合(S01において、NO)、予め設定された情報に基づいてメモリ35等から抽出された機械情報に対して2次元バーコードを生成する(S03)。なお、予め設定された情報とは、機械情報の種類や期間の設定等であるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0087】
次に、S02又はS03の処理において、抽出された2次元バーコードを表示部22に表示する(S04)。なお、S04における表示は、例えば所定時間表示が行われる。なお、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えばユーザが、画面オフ(OFF)のスイッチを押すまで、又は電源オフ(OFF)の操作をするまで表示が行われてもよい。
【0088】
S04の処理による表示の後、2次元バーコードで表示した情報をメモリ35等から削除するか否かをユーザに指示させるための削除確認表示を行う(S05)。ここで、削除指示があるか否かを判断し(S06)、削除指示がある場合(S06において、YES)、2次元バーコードに対応する該当データを削除する(S07)。また、S06の処理において、削除指示がない場合(S06において、NO)、次に、メモリ35に蓄積された機械情報等のデータについて所定時間を経過しているデータが存在するか否かを判断する(S08)。ここで、所定時間とは、例えば機械情報の蓄積を開始したときからの累積時間であってもよく、また所定日数であってもよい。更に、本実施形態においては、時間での比較ではなく稼動回数等の回数情報による比較において、所定回数を超えているか否かで判断してもよい。
【0089】
S08の処理において、所定時間を経過しているデータが存在する場合(S08において、YES)、所定時間を経過している該当データを削除する(S09)。
【0090】
次に、S07の処理、S09の処理、又はS08の処理において、メモリ35に蓄積された機械情報のデータについて所定時間を経過しているデータが存在しない場合(S08において、NO)、他の機械情報を表示するか否かを判断する(S10)。他の機械情報を表示する場合(S10において、YES)、S01の処理に戻り、他の機械情報を取得するためのユーザ設定等を行い、後続の処理を行う。また、S10の処理において、他の機械情報を表示しない場合(S10において、NO)、処理を終了する。
【0091】
なお、上述したS04に示す2次元バーコード表示は、例えば建設機械10のキーオフ時に2次元バーコードを表示部22に自動表示してもよく、また、建設機械10の故障時に2次元バーコードを表示部22に自動表示してもよい。
【0092】
更に、本実施形態では、上述したS05〜S09のみの処理手順を制御装置30におけるデータ削除処理手順として別途設けてもよい。
【0093】
<携帯端末40における機械情報表示制御手順>
図7は、携帯端末における表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理では、まず携帯端末40が建設機械10の表示部22に表示された2次元バーコードを読み取ると共に2次元バーコードを読み取った日時を携帯端末40の日時取得部70から取得し(S21)、次に、携帯端末40の位置情報の取得を行うと共に位置情報を取得した日時を携帯端末40の日時取得部70から取得する(S22)。
【0094】
なお、携帯端末40における位置情報を取得するための測位は、例えば上述したGPS等を用いることができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、携帯電話回線網の基地局の位置情報や、固定的に設置された公衆無線LAN(Local Area Network)の基地局の位置情報を元に測位することも可能である。また、S21の処理により取得された日時、S22の処理により測位された位置情報及び取得された日時は、関連する機械情報に付加し、メモリ69等に蓄積する。
【0095】
次に、携帯端末40は、2次元バーコードを解析するか否かを判断し(S23)、携帯端末40で2次元バーコードを解析する場合(S23において、YES)、2次元バーコードを解析して2次元バーコードに埋め込まれた機械情報を抽出する(S24)。その後、解析された2次元バーコードに埋め込まれた機械情報を表示するか否かを判断する(S25)。
【0096】
なお、S25の処理では、例えばユーザに上述したパスワードや建設機械10のシリアル番号を入力させ、その入力された情報に基づいて機械情報を表示するか否かを判断してもよいが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0097】
S25の処理において、機械情報を表示する場合(S25において、YES)、携帯端末40の表示部64に機械情報を表示する(S26)。ここで、S26の処理が終了後、S25の処理において機械情報を表示しない場合(S25において、NO)、又はS23の処理において2次元バーコードを解析しない場合(S23において、NO)、建設機械10から取得した情報を削除するか否かをユーザに指示させるための削除確認表示を行う(S27)。
【0098】
なお、S27における削除確認表示は、例えば表示部64に、上述した図3(d)に示すような画面を表示することができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0099】
ここで、削除指示があるか否かを判断し(S28)、削除指示がある場合(S28において、YES)、2次元バーコードや2次元バーコード等に対応する該当データを削除する(S29)。また、S28の処理において、削除指示がない場合(S28において、NO)、2次元バーコードや2次元バーコード等に対応する該当データをメモリ69に蓄積する(S30)。
次に、メモリ69に蓄積された機械情報等のデータについて所定時間を経過しているデータが存在するか否かを判断する(S31)。ここで、所定時間とは、例えば機械情報の蓄積を開始したときからの累積時間であってもよく、また所定日数であってもよい。なお、所定時間は、例えば2次元バーコードに埋め込まれた機械情報に予め含められている累積時間や稼働回数等の情報の他、2次元バーコードを読み取ったときに取得した日時とS31の判断時点の日時とから求まる経過時間等に基づいて判断することもできる。
【0100】
S31の処理において、所定時間を経過しているデータが存在する場合(S31において、YES)、所定時間を経過している該当データを削除し(S32)、次の処理に進む。
【0101】
S31の処理において、メモリ69に蓄積された機械情報のデータについて所定時間を経過しているデータが存在しない場合(S31において、NO)、データの削除が行わずにそのまま次の処理に進む。
【0102】
次に、他の2次元バーコードを読み取るか否かを判断する(S33)。他の2次元バーコードを読み取る場合(S33において、YES)、S21の処理に戻り、他の2次元バーコードを読み取るためのユーザ設定等を行い、後続の処理を行う。また、S33の処理において、他の2次元バーコードの読み取りをしない場合(S33において、NO)、処理を終了する。
【0103】
なお、上述したS22の処理において、携帯端末40は、2次元バーコードを読み取り後、直ちにGPS等による測位により位置情報を取得することで、携帯端末40の位置情報と建設機械10の位置情報とのズレを防止することができる。
【0104】
このとき、2次元バーコードを読み取った日時、位置情報を取得した日時をそれぞれ携帯端末40の日時取得部70から取得し、機械情報のデータと共にメモリ69に格納しておくことで、携帯端末40の位置情報と建設機械10の位置情報とのズレの有無をその時刻の差で確認することもできる。
【0105】
また、図6、図7に示す処理における機械情報とは、例えば上述したように、建設機械の機暦情報等を含み、機暦情報とは、例えば、エンジンシステム稼働情報、油圧システム情報、機械設定情報、燃費情報、及び故障情報のうち、少なくとも1つの情報を含む。
【0106】
また、本実施形態では、例えばメンテナンス必要時に2次元バーコードを表示するようにしてもよい。更に、本実施形態では、上述したS27〜S32のみの処理手順を携帯端末40におけるデータ削除処理手順として別途設けてもよい。
【0107】
上述したように本発明によれば、建設機械に蓄積される情報を取得する際の利便性を向上させることができる。具体的には、従来では、例えば建設機械等で急な事故やコンピュータや専用の機材が無い場合に、すぐに情報を外部に取り出すことができなかったが、本発明によれば、モニターに機械情報を2次元バーコードとして表示することで、一般に普及しているカメラ付き携帯電話を利用して、コントローラの機械情報を外部に取り出すことが可能となる。これにより、本発明によれば、外部のコンピュータや専用の機材が不要となり利便性が向上する。また、本発明によれば、外部コンピュータとの接続用コネクターや通信用機材等が不要で追加のコストも必要としない。
【0108】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
10 建設機械
11 運転部
12 作業機
13 走行体
20 座席
21 操縦部
22 表示部
23 2次元バーコード
24 操作ボタン
30 制御装置
31 走行操作部
32 作業機操作部
33 各種センサ
34 情報表示スイッチ
35 メモリ(蓄積部)
36 コントローラ(制御部)
40 携帯端末
51 無線部(送信回路)
52 無線部(受信回路)
53 送受信部
54 送受信アンテナ
55 GPSアンテナ
56 通信制御部
57 変調器
58 復調器
59 CCDカメラ(撮像部)
60 画像処理部
61 GPSモジュール(測位部)
62 キー入力部
63 アプリケーション処理部
64 表示部
65 電話部(例えば、スピーカ、マイク等)
66 信号インタフェース部
67 音声・画像処理部
68 通信プロトコル処理部
69 メモリ
70 日時取得部
71 電源部
80 携帯端末画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械における機械情報の表示制御を行う制御装置において、
前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、生成された前記2次元バーコードを、前記建設機械の運転部から前記機械情報が参照可能な位置に設置された機体側表示部に表示させる機体側制御部を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記機体側制御部は、
ユーザから入力された前記建設機械のシリアル番号が、予め登録させているシリアル番号である場合に、前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、生成した2次元バーコードを前記機体側表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記機体側制御部は、
ユーザから入力されたパスワードに対応する機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成し、生成した2次元バーコードを前記機体側表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記機体側制御部は、
前記機械情報として前記建設機械の機暦情報を用いることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記機暦情報は、前記建設機械のエンジンシステムの稼動情報、油圧システムの稼動情報、機械設定情報、燃費情報、故障情報のうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記機体側制御部は、
前記2次元バーコードを前記機体側表示部に表示させた後、前記2次元バーコードに埋め込んだ前記機械情報を削除するか否かの確認表示を前記機体側表示部に出力させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載された制御装置の前記機体側表示部に表示された2次元バーコードから前記機械情報を取得する携帯端末において、
前記2次元バーコードの画像を取得するための撮像部と、
前記撮像部により得られる2次元バーコードを解析し、前記2次元バーコードに埋め込まれた機械情報を抽出し、抽出された機械情報を表示情報として出力する端末側制御部と、
前記端末側制御部により出力された機械情報を表示する端末側表示部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
前記端末側制御部は、
ユーザから入力された前記建設機械のシリアル番号が、予め登録させているシリアル番号である場合に、前記機械情報を前記端末側表示部に表示させることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記端末側制御部は、
ユーザから入力されたパスワードに対応する機械情報を前記端末側表示部に表示させることを特徴とする請求項7又は8に記載の携帯端末。
【請求項10】
建設機械における機械情報の表示制御を行う表示制御方法において、
前記機械情報を埋め込んだ2次元バーコードを生成する生成手順と、
前記生成手順により得られた前記2次元バーコードを、前記建設機械の運転部から参照可能な位置に設置された機体側表示部に表示させる表示手順とを有することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−36278(P2013−36278A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175061(P2011−175061)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【Fターム(参考)】