説明

建設機械のアンダーカバー装置

【課題】アンダーカバーに対する信頼性を損なうことなく、アンダーカバー着脱における作業効率を容易に向上させる建設機械のアンダーカバーを提供する。
【解決手段】機体枠(28)の下部(28a)に設けられ、建屋(24)の底の一部を形成すべく矩形形状をなすとともに、互いに背向する両端縁(34a,34b)のそれぞれに同一方向に延びる係合溝(38,40)を有するアンダーカバー(34)を備え、機体枠に対してアンダーカバーを取り外し可能に取り付けるための着脱手段は、アンダーカバーの係合溝に相対的に進入可能な軸部(30a)と、この軸部の下端に設けられて係合溝の溝幅よりも大きな受け部(30b)とからなり、各係合溝のそれぞれと組みをなす支持部材(30)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のエンジンなどを保護するアンダーカバー装置に係わり、特に油圧ショベルなどに用いられて好適な建設機械のアンダーカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアンダーカバー装置は、例えば油圧ショベルの上部旋回体に搭載されたエンジンやエンジン回りの種々の機器や装置を保護するためのアンダーカバーを備え、このアンダーカバーは、それらの保守、点検の作業を容易に行えるように、上部旋回体の旋回フレームに着脱可能に複数取り付けられている。
ここで、例えば特許文献1には、一対のアンダーカバーの隣接する各々の縁部を重ね合わせ、この重ね部分にボルトを通してアンダーカバーを旋回フレームに締結する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−173950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この種のアンダーカバーは、建設機械の走行時などにおいて上部旋回体にその下側から障害物が接触しても、上記エンジンや機器装置類の損傷を防止することが本来の目的であるから、特に強化カバーを採用するモデルの場合にはアンダーカバーの厚み寸法が厚く、その重量は重い。
一方、アンダーカバーの着脱作業は、上部旋回体の下側に潜っての上向き作業となるため、重量の重いアンダーカバーは作業者の負担を大きくし、着脱作業が容易な構造のアンダーカバーが望まれている。
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、アンダーカバーを着脱する際にアンダーカバーを手で支えながら固定ボルトの締め付け、或いは緩め作業を行う必要があり、また、一対のアンダーカバーの両方を取り外すには、固定ボルトをすべて完全に取り外さなければならないため、一人でのアンダーカバーの着脱作業は困難であり、複数の作業者でも大変な労力を要するとの問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、アンダーカバーに対する信頼性を損なうことなく、アンダーカバーの着脱に際し、その作業効率を容易に向上させる建設機械のアンダーカバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1記載の建設機械のアンダーカバー装置は、走行可能な機体枠上に原動機を含む駆動源を搭載し、駆動源を機体枠上の建屋内に収容した建設機械において、機体枠の下部に設けられ、建屋の底の一部を構成すべく矩形形状をなすとともに、互いに背向する両端縁のそれぞれに同一方向に延びる係合溝を有するアンダーカバーと、機体枠に対してアンダーカバーを取り外し可能に取り付けるための着脱手段とを備え、着脱手段は、機体枠の下部から下方に突出するとともに係合溝に相対的に進入可能な軸部と、この軸部の下端に設けられて係合溝の溝幅よりも大きな受け部とからなり、各係合溝のそれぞれと組みをなす支持部材を含むことを特徴としている。
【0007】
更に、請求項2記載の発明では、各係合溝はU字形状をなし、アンダーカバーの一方の端縁の係合溝はアンダーカバーの他方の端縁の係合溝よりも長く、この長い方の係合溝とアンダーカバーの他方の端縁との間の一方向に沿う距離は、支持部材における受け部間の距離よりも短いことを特徴としている。
更にまた、請求項3記載の発明では、支持部材は、機体枠の下部に予め螺合され、受け部としてのヘッド部を有する支持ボルトであって、この支持ボルトはヘッド部と機体枠の下部との間にアンダーカバーを挟み込むべく機体枠に向けて螺進可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
従って、請求項1記載の本発明の建設機械のアンダーカバー装置によれば、支持部材の軸部にアンダーカバーの係合溝を嵌め合わせることで、支持部材の受け部にてアンダーカバーを支持できるから、アンダーカバーの取り付け作業中、作業者はアンダーカバーの全重量を下から支える必要はなく、作業者の負担が軽減されてアンダーカバー取り付けの作業効率が大幅に向上する。
【0009】
また、請求項2記載の発明によれば、アンダーカバーの一方の端縁と他方の端縁とに形成される各係合溝のうち、長い方の係合溝とアンダーカバーの一方の端縁との間の一方向に沿う距離は、支持部材における受け部間の距離よりも短く形成され、上記各係合溝を異なる長さにするだけでアンダーカバーの着脱における作業効率を容易に向上できる。
更に、請求項3記載の発明によれば、支持部材は機体枠の下部に予め螺合された支持ボルトであって、この支持ボルトはアンダーカバー装着の際に取り外す必要はなく、アンダーカバーを挟み込むべく機体枠に向けて螺進可能である。よって、アンダーカバーの装着に係るボルトの取り付け、取り外し作業が軽減され、アンダーカバー着脱の作業効率の更なる向上に寄与するとともに、アンダーカバーの装着が確実に行われ、アンダーカバーに対する信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用い本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、例えば油圧ショベル1は、クローラタイプの下部走行体2を備えた建設機械であり、この下部走行体2上には上部旋回体4が旋回可能に設けられている。上部旋回体4の前方には作業装置6が設けられ、この作業装置6はその基部が上部旋回体4に枢支されたブーム8、このブーム8の先端に回動可能に連結されたアーム10及びこのアーム10の先端に回動可能に連結された掘削バケット12から構成され、これらブーム8、アーム10及び掘削バケット12は一対のブームシリンダ14、アームシリンダ16及びバケットシリンダ18によりそれぞれ回動操作される。
【0011】
また、上部旋回体4の前部には下部走行体2の走行や作業装置6の操作を行うための運転室20が設けられ、そして、上部旋回体4の後部には作業装置6に対するカウンタウエイト22が取り付けられている。更に、運転室20とカウンタウエイト22と間にはエンジン建屋(建屋)24が配置され、このエンジン建屋24内にエンジン(原動機)やその他の種々の機器や装置が収容されている。そして、エンジンは下部走行体2及び作業装置6に動力、つまり、油圧エネルギを供給する油圧ポンプを駆動する。
【0012】
ここで、エンジン建屋24内のエンジンや、機器及び装置類は上部旋回体4の底を形成する旋回フレーム上に搭載されている。旋回フレームは上部旋回体4の中央を前後方向に互いに平行に延びる一対のセンタフレーム(機体枠)と、これらセンタフレームを連結し、センタフレームの左右両側にそれぞれ張り出したサイドフレーム(機体枠)とからなる。そして、これらフレームの下面には多数のアンダーカバーが取り付けられ、これらアンダーカバーは上部旋回体の底面を形成する。なお、図1中、旋回フレームはそのセンタフレーム28のみで示されている。
【0013】
上述のアンダーカバーについて詳述すると、図2,3に示すように、アンダーカバーには、サイドフレームの底面を形成する複数のアンダーカバー32と、一対のセンタフレーム28間に跨る矩形のアンダーカバー34とが含まれ、特に、このアンダーカバー34はエンジンの直下に位置付けられ、センタフレーム28の下面に着脱可能に取り付けられている。それ故、アンダーカバー34はエンジンや、その周辺の機器及び装置類を下方から覆うことで、これらを保護し、そして、アンダーカバー34が取り外されたとき、エンジンの下方に開口部が形成され、この開口部を通じてエンジンや、種々の機器及び装置類へのアクセスが可能となり、これらの保守、点検の作業を容易に行うことができる。
【0014】
次に、センタフレーム28に対するアンダーカバー34の取り付け構造について、以下に詳述する。
図4(a)に示すように、各センタフレーム28の下面(下部)28aにはそれぞれ2つのねじ孔28bが形成され、これらねじ孔28bはそのセンタフレーム28の長手方向に所定の間隔を存して互いに離間している。各ねじ孔28bには、それぞれ支持ボルト30が取り付けられ、各支持ボルト30はねじ孔28bに螺合したねじ部(軸部)30aと、ヘッド部(受け部)30bとを有する。そして、支持ボルト30は、ヘッド部30bの下面30cとセンタフレーム28の下面28aとの間に所定の間隙dを有してセンタフレーム28に螺合されている。一方、図4(b)に示すように、各センタフレーム28に取り付けられる2つずつの支持ボルト30はそれらのヘッド部30bが矩形形状の角部に位置すべく配置され、センタフレーム28の長手方向に沿うヘッド部30b間の離間距離はLbで表されている。
【0015】
一方、図5(a),(b)に示すように、アンダーカバー34には係合溝38,40が2個ずつ形成され、係合溝38はセンタフレーム28にアンダーカバー34を着脱する際、上部旋回体4の前方側となるアンダーカバー34の前縁34aに形成され、これに対し、係合溝40はアンダーカバー34の後縁34bに形成されている。
係合溝38同士の中心間距離隔及び係合溝40同士の中心間距離は互いに同一であり、これらの中心間距離は上部旋回体4の幅方向に隣設される支持ボルト30の中心間距離に一致する。更に、アンダーカバー34の装着方向に関して、前後に組みをなす係合溝38,40は同一の線上に位置付けられている。
【0016】
なお、図の見易さの観点から、図5(b)(図6(b)、図7(b)を含む)中、センタフレーム28は省略され、その支持ボルト30のヘッド部のみを略示してある。
係合溝38はU字形状の切欠からなり、支持ボルト30のねじ部30aが挿通可能な挿通部38aと、挿通部38aの底となる円弧状部38bとから形成され、係合溝40に向けて長さLs(図5(a))だけ延びている。一方、係合溝40もまたU字形状の切欠からなり、係合溝38と同じく挿通部40a及び円弧状部40bを有し、係合溝38の長さLsより長い長さLdだけ係合溝38に向けて延びている。
【0017】
また、係合溝38,溝40の溝幅は、支持ボルト30のヘッド部30bの直径より小さく形成されており、これにより、支持ボルト30のねじ部30aが係合溝38又は40に位置付けられたとき、支持ボルト30のヘッド部30bにてアンダーカバー34を支持可能となる。
更に、アンダーカバー34は所定の板厚tを有し、この板厚tは、図5(a)に示す如くアンダーカバー34をセンタフレーム28に対して傾けた状態で、アンダーカバー34の係合溝40内に対応する支持ボルト30の対応するねじ部30aをそれぞれ受け入れて、支持ボルト30のヘッド部30bとセンタフレーム28との間の間隙d内にアンダーカバー34の後縁34bを挿入できるように設定されている。
【0018】
また、図6に示すように、支持ボルト30のねじ部30aが係合溝40の円弧状部40bに当接するまでアンダーカバー34の後縁34bが斜めに差し込まれたとき、係合溝40の長さLdは、アンダーカバー34の前縁34aが前側の支持ボルト30のヘッド部30bと干渉することなく、アンダーカバー34の前縁34aをセンタフレーム28の下面28aに向けて持ち上げ可能とすべく設定され、これにより、アンダーカバー34は係合溝40に対応する支持ボルト30が係合した状態で、センタフレーム28の下面28aに沿ってセンタフレーム28の長手方向に移動可能となる。すなわち、係合溝40の円弧状部40aからアンダーカバー34の前縁34aまでの距離Laは、前後の支持ボルト30のヘッド部30b間にて規定される支持ボルト離間距離Lbよりも短く設定され、Lb>Laの関係を満たしている。
【0019】
図6に示す状態からアンダーカバー34が前側の支持ボルト30に向けて移動されたとき、アンダーカバー34の係合溝38に対応する支持ボルト30のねじ部30aがそれぞれ受け入れられる。そして、図7に示すように、係合溝38の円弧状部38bに支持ボルト30のねじ部30aが当接した状態にあるとき、係合溝38の長さLs(図5)は、係合溝40の挿通孔40aから後側の支持ボルト30が抜け出すことがなく、係合溝40内に受け入れられたままに維持されるべく設定され、これにより、アンダーカバー34は全ての支持ボルト30のヘッド部30aにより支持可能となる。すなわち、係合溝38の円弧状部38aからアンダーカバー34の後縁34bまでの離間距離Lcは、前述した支持ボルト離間距離Lbに支持ボルト30のヘッド部30bの直径を加えた合計長さに略等しいか、好ましくは合計長さよりも長く設定される。
【0020】
以下、再び図5から図7を参照してアンダーカバー34の装着手順について纏めると、図5に示すように、アンダーカバー34の装着を実施する作業者は、アンダーカバー34をセンタフレーム28に対して傾斜させた状態で、まず、その係合溝40を後側の対応する支持ボルト30に係合させ、更に係合溝40の円弧状部40bに支持ボルト30のねじ部30aが当接するまでアンダーカバー34を後方にスライドさせる。これにより、アンダーカバー34の下面34cは後側の支持ボルト30のヘッド部30bに点pで支持され、また、アンダーカバー34の後縁34bは、センタフレーム28の下面28bに接線bで当接する。この状態でのアンダーカバー34にあっては、その荷重が点pにて支持される一方、その前縁34aの下向きの下降が接線bでのアンダーカバー34の後縁34bとセンタフレーム28との当接により阻止される。
【0021】
次に、作業者は、傾斜して支持されたアンダーカバー34の前縁34aを図5中の矢印方向に押上げ、図6に示すように、アンダーカバー34をセンタフレーム28に対して略平行に位置づける。ここで、アンダーカバー34の荷重は点pで支持されているため、このときに、図6中の実線矢印方向に向けて作業者に要求される押上げ力は少ない。この状態で、更に、アンダーカバー34の係合溝38に対応する前側の支持ボルト30のねじ部30aを受け入れるべくアンダーカバー34を図6中の点線矢印方向にスライドさせる。そして、図7に示すように、係合溝38の円弧状部38bを支持ボルト30のねじ部30aに当接させた後、最後に各支持ボルト30をねじ込み、支持ボルト30のヘッド部30bとセンタフレーム28の下面28aとの間にアンダーカバー34を挟み込むことによりアンダーカバー34の取り付けが完了する。
【0022】
一方、アンダーカバー34を取り外す際には、各支持ボルト30のヘッド部30bをセンタフレーム28の下面28aから所定の距離d以上離間させるべく支持ボルト30を緩め、次にアンダーカバー34を図6中の点線矢印とは逆の方向にスライドさせることにより、係合溝38から前側の支持ボルト30が相対的に抜け出し、アンダーカバー34は図5に示す如く傾斜した状態で保持される。この状態で更にアンダーカバー34を前側の支持ボルト30側に向けてスライドさせることにより、係合溝40から後側の支持ボルト30が相対的に抜け出し、アンダーカバー30の取り外しが完了する。
【0023】
以上のように、本実施形態では、アンダーカバー34を着脱する際、後側の支持ボルト30のヘッド部30bにアンダーカバー34を支持させた状態で、アンダーカバー34をスライドさせることができるため、スライド中、作業者はアンダーカバー34を下から支える必要はなく、作業者の負担が軽減されてアンダーカバー34の着脱作業の効率が大幅に向上する。
【0024】
また、アンダーカバー34に長さの異なる係合溝38,40を形成するだけで、アンダーカバー34を支持ボルト30に容易に係合可能となる。更に、係合溝40の円弧状部40bからアンダーカバー34の前縁34aまでの距離Laが支持ボルト離間距離Lbより短く設定され、そして、係合溝38の円弧状部38bからアンダーカバー34の後縁34bまでの距離Lcが支持ボルト離間距離Lbに支持ボルト30のヘッド部30bの直径を加えた合計長さと略等しいか、又は合計長さよりも長く設定されるだけでの簡単な構成にして、センタフレーム28に対してアンダーカバー34を容易に位置決めしながら、センタフレームにアンダーカバー34を確実に取り付けることができ、アンダーカバー34の着脱作業効率を容易に向上できる。
【0025】
更にまた、支持ボルト30は、アンダーカバー34の着脱を行う際にセンタフレーム28から取り外す必要がないので、アンダーカバー34の着脱の作業効率の更なる向上に寄与するとともに、支持ボルト30による締付けによりアンダーカバー34の装着がより強固に且つ確実に行われ、アンダーカバー34の取り付けに対する信頼性が向上する。
ここで、図8に示すアンダーカバー42のように、係合溝38,40に加え、アンダーカバー42に別途、複数の挿通孔44が形成され、そして、センタフレーム28に挿通孔44を通じてねじ込まれる固定ボルトのためのねじ孔が形成されている場合にあっては、支持ボルト30が従来の固定ボルトの機能を果たすため、センタフレーム28からの取り外しを要求する固定ボルトの本数を低減しつつアンダーカバー42をセンタフレーム28に更に強固に装着できる。よって、アンダーカバー42の着脱に係る作業効率の向上を図りつつ、アンダーカバー42の取り付けに対する信頼性が更に向上される。
【0026】
本発明は、上述した一実施例に制約されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、長さの異なる係合溝38,40が使用されているが、係合溝40の円弧状部40bからアンダーカバー34の前縁34aまでの距離Laと支持ボルト離間距離LbとがLb>Laの関係を有し、且つ、係合溝38の円弧上部38bからアンダーカバー34の後縁34bまでの距離Lcが支持ボルト離間距離Lbに支持ボルト30のヘッド部30bの直径を加えた合計長さと略等しいか、又は、合計長さよりも長く設定されている限り、係合溝38,40の長さが同一であっても、アンダーカバー34の着脱は同様にして実施可能である。
【0027】
また、アンダーカバー34の着脱に要求されるスライドの方向はセンタフレーム28の長手方向に限らず、センタフレーム28の長手方向と交差する方向であってもよいし、センタフレーム28の長手方向及びその交差方向にそれぞれアンダーカバー34をスライドさせることで、アンダーカバー34の着脱を行うようしてもよい。
また、本実施形態では、エンジンにアクセス可能なアンダーカバー34について詳細を説明したが、図2,3中の他のアンダーカバー32についても、アンダーカバー34の着脱構成と同様な構成を適用できることは勿論である。
【0028】
更に、本発明は油圧ショベルに限らず、種々の建設機械に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】油圧ショベルを示した側面図である。
【図2】図1の油圧ショベルにおける上部旋回体を示した透視斜視図である。
【図3】図2のアンダーカバーのみを示した斜視図である。
【図4】図3の1つのアンダーカバーを取り付けるための支持ボルトを備えたセンタフレームを示し、(a)はセンタフレームを一部破断して示す側面図、(b)はセンタフレームの下面図である。
【図5】アンダーカバーの装着過程を示し、(a)はアンダーカバーの後縁の係合溝が支持ボルトに係合したる状態を示す図、(b)はそのアンダーカバーの下面図である。
【図6】図5の状態からアンダーカバーの装着過程が進み、(a)はセンタフレームの下面にアンダーカバーが略平行にされた状態を示す図、(b)はそのアンダーカバーの下面図である。
【図7】図6の状態からアンダーカバーの装着過程が進み、(a)はセンタフレームにアンダーカバーが支持ボルトで締結された状態を示す図、(b)はそのアンダーカバーの下面図である。
【図8】アンダーカバーの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 油圧ショベル(建設機械)
24 エンジン建屋(建屋)
28 センタフレーム(機体枠)
28a 下面(下部)
30 支持ボルト(支持部材)
30a ねじ部(軸部)
30b ヘッド部(受け部)
32,34 アンダーカバー
34a 前縁(他方の端縁)
34b 後縁(一方の端縁)
38,40 係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な機体枠上に原動機を含む駆動源を搭載し、前記駆動源を前記機体枠上の建屋内に収容した建設機械において、
前記機体枠の下部に設けられ、前記建屋の底の一部を構成すべく矩形形状をなすとともに、互いに背向する両端縁のそれぞれに同一方向に延びる係合溝を有するアンダーカバーと、
前記機体枠に対して前記アンダーカバーを取り外し可能に取り付けるための着脱手段と
を備え、
前記着脱手段は、
前記機体枠の下部から下方に突出するとともに前記係合溝に相対的に進入可能な軸部と、この軸部の下端に設けられて前記係合溝の溝幅よりも大きな受け部とからなり、前記各係合溝のそれぞれと組みをなす支持部材を含むことを特徴とする建設機械のアンダーカバー装置。
【請求項2】
前記各係合溝はU字形状をなし、前記アンダーカバーの一方の端縁の係合溝は前記アンダーカバーの他方の端縁の係合溝よりも長く、この長い方の係合溝と前記アンダーカバーの前記他方の端縁との間の前記一方向に沿う距離は、前記支持部材における前記受け部間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の建設機械のアンダーカバー装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記機体枠の下部に予め螺合され、前記受け部としてのヘッド部を有する支持ボルトであって、この支持ボルトは前記ヘッド部と前記機体枠の下部との間に前記アンダーカバーを挟み込むべく前記機体枠に向けて螺進可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の建設機械のアンダーカバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−144509(P2008−144509A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334487(P2006−334487)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】