説明

建設機械のエンジンフード

【課題】エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開くのを防ぐことのできる建設機械のエンジンフードを提供する。
【解決手段】ステー31の支持軸31bが案内部34に形成された第1の掛止部に掛け止められてエンジンフード本体21を第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、ステー31の支持軸31bが案内部34に形成された第2の掛止部に掛け止められてエンジンフード本体21を第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度まで開いた第2の開放位置とに開放可能な建設機械のエンジンフード12において、エンジンフード本体21が第1の開放位置から第2の開放位置に向けて開かれる際にステー31の支持軸31bの案内部34での移動を制限するストッパプレート42を備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に搭載されたエンジン等を収納するエンジンルームに設けられるエンジンフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば油圧ショベルにおいて、エンジンルームの上部を覆うエンジンフード本体は、エンジンルームの一側に設けられるヒンジを回動中心として上下方向に開閉自在とされている。
【0003】
エンジンルームに収納されているエンジンやクーリング装置、その他の機器は、定期的な整備点検が必要である。この場合、エンジンフード本体が例えば62°程度の第1の所定角度まで開かれれば、整備点検作業を支障なく行うことができる。
また、例えばクーリング装置を修理のためにエンジンルームから取り外すような場合、エンジンフード本体が例えば90°程度の第2の所定角度まで開かれれば、修理作業を支障なく行うことができる。
【0004】
従来、エンジンフード本体を、第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、第2の所定角度まで開いた第2の開放位置との2段階に開放可能としたものが例えば特許文献1にて提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−113658号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1にて提案されているものでは、エンジンフード本体を単に第1の開放位置と第2の開放位置との2段階に開放することができるように構成されているだけある。このため、本来ならエンジンフード本体を第1の開放位置まで開放すれば済むのに作業者が誤って第2の開放位置まで開放したり、風等が原因で第2の開放位置まで開いてしまったり、エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開いてしまうという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開くのを防ぐことができる建設機械のエンジンフードを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明による建設機械のエンジンフードは、
エンジンルームの一側に設けられるヒンジを回動中心として上下方向に開閉自在なエンジンフード本体を備え、
前記エンジンフード本体と共に上下方向に回動自在なステーが設けられ、
前記ステーのエンジンフード本体側の端部に支持軸が設けられ、
前記エンジンフード本体には、当該エンジンフード本体の開閉動作に伴う前記支持軸の移動を案内する案内部が設けられ、
前記支持軸が前記案内部に形成された第1の掛止部に掛け止められて前記エンジンフード本体を第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、前記支持軸が前記案内部に形成された第2の掛止部に掛け止められて前記エンジンフード本体を前記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度まで開いた第2の開放位置とに開放可能な建設機械のエンジンフードにおいて、
前記エンジンフード本体が前記第1の開放位置から前記第2の開放位置に向けて開かれる際に前記支持軸の前記案内部での移動を制限するストッパプレートを備えることを特徴とするものである(第1発明)。
【0009】
本発明において、
前記ストッパプレートは、前記案内部を有するガイドプレートの一端側に設けられ、このガイドプレート上に回動中心を備え、前記第1の掛止部と前記第2の掛止部との間のスリット部を横切る制限位置と、前記スリット部を外れる制限解除位置とに移動可能とされるのが好ましい(第2発明)。
【0010】
本発明において、
前記ストッパプレートは、前記案内部を有するガイドプレートの一端側に設けられ、このガイドプレートの一端部には、前記ストッパプレートの前記制限位置から前記制限解除位置への移動を係止する所定の板厚を有する係止板が設けられるのが好ましい(第3発明)。
【0011】
本発明において、
前記ステーおよび前記案内部からなるステー支持機構は、前記エンジンフード本体の車体左右方向中央部に設けられ、ガススプリングおよびリンクにより構成されるガススプリング支持機構は、前記エンジンフード本体を取り付けるための開口部における車体左右方向中央部に設けられるのが好ましい(第4発明)。
【0012】
本発明において、
前記エンジンルームは、車体中心とカウンタウェイトとの間に設けられ、
前記ヒンジは、前記エンジンルームのカウンタウェイト側に配され、
前記エンジンフード本体の重心位置は、前記第1の開放位置では前記ヒンジよりも車体中心側にあり、前記第2の開放位置では前記ヒンジよりもカウンタウェイト側にあるのが好ましい(第5発明)。
【0013】
本発明において、
前記ストッパプレートが前記制限位置にある場合、前記支持軸が前記ストッパプレートによって前記案内部での移動が制限される位置では、前記エンジンフード本体の重心位置が前記ヒンジのほぼ真上に位置されるのが好ましい(第6発明)。
【発明の効果】
【0014】
第1発明の建設機械のエンジンフードにおいては、エンジンフード本体と共に上下方向に回動自在なステーが設けられる。ステーのエンジンフード本体側の端部には、支持軸が設けられる。エンジンフード本体には、その開閉動作に伴うステーの支持軸の移動を案内する案内部が設けられる。エンジンフード本体は、ステーの支持軸が、案内部に形成された第1の掛止部に掛け止められて第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、ステーの支持軸が、案内部に形成された第2の掛止部に掛け止められて第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度まで開いた第2の開放位置とに開放可能とされる。そして、エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置に向けて開かれる際にステーの支持軸の案内部での移動を制限するストッパプレートが設けられる。これにより、明確な意志をもってストッパプレートによる開放位置制限手段の解除操作を行った場合に限り、エンジンフード本体を第1の開放位置から更に開放することができる。したがって、エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開くのを防ぐことができる。
【0015】
第2発明の構成を採用することにより、ストッパプレートの制限位置と制限解除位置とを簡易な構成で容易に切り替えることができる。
【0016】
第3発明の構成を採用することにより、ストッパプレートの制限位置での係止とその解除操作とを簡易な構成で達成することができる。
【0017】
第4発明の構成を採用することにより、エンジンフード本体が支持される位置と、付勢力が加えられる位置とが一致されるので、エンジンフード本体に付勢力が確実に伝達され、エンジンフード本体の開閉がスムーズに行われる。
【0018】
第5発明の構成を採用することにより、エンジンフードを、第1の開放位置では車体中心側に閉り勝手とし、第2の開放位置ではカウンタウェイト側に開き勝手とすることができる。
【0019】
第6発明の構成を採用することにより、ストッパプレートへの当たり(衝撃)が小さくなるため、ストッパプレートを小さいものにすることができる。また、係止板も小さいものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンフードを具備する油圧ショベルの全体斜視図
【図2】本実施形態のエンジンフードの右半分の斜視図
【図3】エンジンフードの開閉動作説明図で、エンジンフード本体が閉じた状態図
【図4】エンジンフードの開閉動作説明図で、エンジンフード本体が第1の開放位置まで開かれた状態図
【図5】エンジンフードの開閉動作説明図で、開放位置制限手段が機能している状態図
【図6】エンジンフードの開閉動作説明図で、開放位置制限手段が解除された状態図
【図7】エンジンフードの開閉動作説明図で、エンジンフード本体が第2の開放位置まで開かれた状態図
【図8】図3のA部拡大図
【図9】エンジンフードの第1の開放位置での保持機能説明図
【図10】エンジンフードの第2の開放位置での保持機能説明図
【図11】開放位置制限手段の解除・機能動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明による建設機械のエンジンフードの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、油圧ショベル(建設機械)の上部旋回体に装備されるエンジンフードに本発明が適用された例である。また、以下の説明において、前後左右方向は、特段の断りがない限り、上部旋回体の前後左右方向に一致させている。
【0022】
<油圧ショベルの概略説明:図1参照>
図1に示される油圧ショベル1は、履帯式走行装置2aを具備する下部走行体2を備えている。
下部走行体2上には、上部旋回体(車体)3が旋回自在に設置されている。
上部旋回体3の前部中央部分には、ブーム4、アーム5およびバケット6が互いに回動自在に連結されてなる作業機7が屈曲起伏自在に取り付けられている。
上部旋回体3の前部左側部分には、運転室を構成するキャブ8が設置されている。
上部旋回体3の最後部には、カウンタウェイト9が搭載されている。
【0023】
<エンジンルームの説明:図1参照>
本実施形態において、エンジン10aやクーリング装置10b等からなる動力装置10が収容されるエンジンルーム11は、上部旋回体3の旋回中心(車体中心)と、カウンタウェイト9との間に設けられている。
エンジンルーム11は、上部旋回体3の前後方向中間位置で上部旋回体3を前後に仕切る図示されない隔壁とカウンタウェイト9の内側壁面との間において、エンジンフード12や外装パネル13、サイドカバー14等のカバー類で概略箱体形状に区画形成されている。ここで、外装パネル13は、上部旋回体3の上部に開閉可能なエンジンフード12を取り付けるために、その一部が開口された構造となっている。
【0024】
<同上:図2参照>
図2は、本実施形態のエンジンフード12を、上部旋回体3の左右方向の略中央に断面を設けて、その右半分を斜視図として表したものである。
図2に示されるように、エンジンフード12を取り付けるための開口部の周囲には、上部フレーム15が設けられている。
上部フレーム15は、エンジンフード12の重量を支えるとともに、外装パネル13の変形を防止する役割を持っている。上部フレーム15は、支柱部材16を介して上部旋回体3の骨組を構成するレボフレーム17(図1参照)に支持されている。
【0025】
<エンジンフード本体の説明:図2参照>
エンジンフード12の本体部分を構成するエンジンフード本体21は、主に、天板21aと、天板21aの前後左右にそれぞれ連設される前側板21b、後側板21c、左側板21d(図1参照)および右側板12eとにより構成され、エンジンルーム11内の動力装置10のメンテナンス時等に開閉される略箱型形状の蓋部材であって、動力装置10の上方部に、平面視において、ほぼ動力装置10を囲うように取り付けられている。
エンジンフード本体21は、エンジンルーム11の後側(カウンタウェイト9側)において、後側板21cと上部フレーム15とを接続するように取り付けられたヒンジ18を回動中心として上下方向に開閉自在とされている。
なお、エンジンフード本体21の前側板21bには、左右一対のロック装置19(右側のもののみ図示)と、これらロック装置19の間に配置される取っ手20とが取り付けられている。
ロック装置19は、エンジンフード本体21が閉状態のときに開状態へと移行しないように、エンジンルーム11の上面に対してエンジンフード本体21を固定する。
取っ手20は、エンジンフード本体21の開閉を行う際に持ち手として利用される。
【0026】
<エンジンフードの概略説明:図2参照>
本実施形態のエンジンフード12は、ガススプリング支持機構22と、ステー支持機構23とを備えている。
【0027】
<ガススプリング支持機構の説明:図2参照>
ガススプリング支持機構22は、エンジンフード本体21の後側板21cに設けられる第1ブラケット24と、支柱部材16に設けられる第2ブラケット25との間に組み付けられている。
ガススプリング支持機構22は、主に、ガススプリング26と、リンク27とにより構成されている。
ガススプリング26のチューブ側の端部は、第1ブラケット24にピン28によって回動自在に連結されている。ガススプリング26のロッド側の端部は、リンク27の一端部にピン29によって連結されている。リンク27の他端部は、ピン30によって第2ブラケット25に連結されている。
ガススプリング支持機構22は、ガススプリング26内の圧縮ガスによる付勢力によってエンジンフード本体21の開操作時の操作力をアシストする役目を担う。
【0028】
<ガススプリング支持機構の作動説明:図4参照>
図4に示されるように、エンジンフード本体21が第1の所定角度(例えば62°程度)の位置まで開いた第1の開放位置にあるとき、ガススプリング26は、最大長まで伸びており、図4では鉛直方向に伸びている。なお、このとき、エンジンフード本体21の重心は、エンジンフード本体21の回動中心であるヒンジ18よりも車体中心側(上部旋回体3の旋回中心側:図4の左側)に位置している。この状態から、後述するストッパプレート42による開放位置制限手段40を解除し、かつ更にエンジンフード本体21が開き側に傾くと、ガススプリング26は最大長まで伸びた状態でエンジンフード本体21の動きに追従する。
【0029】
<同上:図7参照>
図7に示されるように、リンク27は、他端部側のピン30を中心に回動して、一端部側がピン29を介してガススプリング26のロッドに追従する。このように、エンジンフード本体21の開き角度が第1の所定角度以上になってガススプリング26が最大長になると、それ以降にガススプリング26に引張力が作用しない。そのため、ガススプリング26が破損しにくい。なお、図7に示される状態では、エンジンフード本体21は、第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度(例えば90°程度)の位置まで開いた第2の開放位置にあり、エンジンフード本体21の重心がエンジンフード本体21の回動中心であるヒンジ18よりもカウンタウェイト9側(図7の右側)に位置している。この場合、エンジンフード本体21は、自重によって更に開く側に傾こうとするが、その場合でもガススプリング26には引張力が作用していない。したがって、ガススプリング26の破損が生じにくい。
【0030】
<ステー支持機構の概略説明:図2参照>
図2に示されるように、ステー支持機構23は、エンジンフード本体21の最大開き角度を制限するとともに、エンジンフード本体21が所定角度開いた状態から不意に作用する力によって閉じることを制限するための機構である。
ステー支持機構23は、主に、ステー31と、ガイドプレート32とにより構成されている。
【0031】
<ステーの説明:図2参照>
ステー31は、エンジンフード本体21の内側の形状に沿うようにブーメラン状に細長く延びる棒状の部材である。ステー31の基端部(下端部)には、回動軸31aが、ステー31の先端部(上端部)には、支持軸31bがそれぞれ設けられている。
ステー31の回動軸31aは、上部フレーム16に設けられるブラケット33に支持されている。ステー31は、回動軸31aを中心として、エンジンフード本体21と共に上下方向に回動自在とされている。
【0032】
<ガイドプレートの説明:図8参照>
図8に示されるように、ガイドプレート32は、エンジンフード本体21の天板21aの内面側に設けられた板状の部材である。
ガイドプレート32には、ステー31の支持軸31bの移動を案内する案内部34が設けられている。案内部34には、支持軸31bが嵌め込まれている。
案内部34は、スリット部34aと、第1の掛止部35と、第2の掛止部36とを有している。
スリット部34aは、エンジンフード本体21の前後方向に延びるスリットで、エンジンフード本体21の開閉動作に伴うステー31の支持軸31bの移動軌跡に合わせた形状に形成されている。
第1の掛止部35および第2の掛止部36はいずれも、ガイドプレート32において、スリット部34aに連続するようにエンジンフード本体21の天板21a側に所定形状に切り欠かれて形成されている。第1の掛止部35は、エンジンフード本体21が第1の所定角度まで開かれたときにステーの支持軸が位置する箇所(図4参照)からエンジンフード本体21の天板21a側に向けて設けられている。第2の掛止部36は、エンジンフード本体21が第2の所定角度まで開かれたときにステー31の支持軸31bが位置する箇所(図7参照)からエンジンフード本体21の天板21a側に向けて設けられている。
【0033】
<第1の掛止部の機能説明:図9(a)参照>
図9(a)には、エンジンフード本体21が第1の所定角度まで開いた状態から自重によって更に開こうとしている場合の支持関係が示されている。図9(a)中記号Qで示される点線はステー31の支持軸31bの軌道であり、支持軸31bはその軌道以外の位置をとることができない。
図9(a)において、ステー31の支持軸31bは、第1の掛止部35の第1当接部35aに当接している。第1当接部35aは、第1の掛止部35におけるエンジンフード本体21の後側板21c側に円弧状に切り欠かれた部分である。この状態で、エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として更に開き側に回動しようとしており、第1当接部35aがステー31の支持軸31bに荷重を付与している。図9(a)中記号Mで示される二点鎖線がエンジンフード本体21の回動軌道であり、第1当接部35aはその回動軌道に沿ってステー31の支持軸31bに反力を与えている。この状態では、第1当接部35aがステー31の支持軸31bの軌道を塞いでいるため、エンジンフード本体21は図9(a)の状態から更に開くことができない。
なお、ガイドプレート32に付設のレバー37(図8参照)を握ってエンジンフード本体21を閉じ側に若干回動させると同時に、ステー31を手動でエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、図9(a)に示される第1の掛止部35とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除することができる。
【0034】
<同上:図4、図9(a)(b)参照>
図4に示される状態からエンジンフード本体21が風等の不意に作用する力によって閉じようとした場合について説明する。
図4に示される状態において、ステー31それ自体の重心は、ステー31の回動中心である回動軸31aよりもカウンタウェイト9側(図4の右側)に位置しており、ステー31は、エンジンフード本体開き側に開き勝手の状態にある。このため、ステー31の支持軸31bは、図9(a)に示される状態から、第1の掛止部35におけるエンジンフード本体21の天板21a側の辺縁部に沿って上方に摺動し、図9(b)に示されるように、第1の掛止部35の第2当接部35bに当接する。第2当接部35bは、第1の掛止部35におけるエンジンフード本体21の前側板21b側に円弧状に切り欠かれた部分である。
【0035】
<同上:図9(b)参照>
図9(b)には、エンジンフード本体21が風等の不意に作用する力によって閉じようとしている場合の支持関係が示されている。図9(b)中記号Qで示される点線はステー31の支持軸31bの軌道であり、支持軸31bはその軌道以外の位置をとることができない。
図9(b)において、ステー31の支持軸31bは、第1の掛止部35の第2当接部35bに当接している。この状態で、エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として更に閉じ側に回動しようとしており、第2当接部35bがステー31の支持軸31bに荷重を付与している。図9(b)中記号Mで示される二点鎖線がエンジンフード本体21の回動軌道であり、第2当接部35bはその回動軌道に沿ってステー31の支持軸31bに反力を与えている。この状態では、第2当接部35bがステー31の支持軸31bの軌道を塞いでいるため、エンジンフード本体21は図9(b)の状態から更に閉じることができない。
なお、ガイドプレート32に付設のレバー37(図8参照)を握ってエンジンフード本体21を開き側に若干回動させると同時に、ステー31をエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、図9(b)に示される第1の掛止部35とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除することができる。
【0036】
<第2の掛止部の機能説明:図10(a)参照>
図10(a)には、エンジンフード本体21が第2の所定角度まで開いた状態(図7参照)から自重によって更に開こうとしている場合の支持関係が示されている。図10(a)中記号Qで示される点線はステー31の支持軸31bの軌道であり、支持軸31bはその軌道以外の位置をとることができない。
図10(a)において、ステー31の支持軸31bは、第2の掛止部36の第1当接部36aに当接している。第1当接部36aは、第2の掛止部36におけるエンジンフード本体21の後側板21c側に円弧状に切り欠かれた部分である。この状態で、エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として更に開き側に回動しようとしており、第1当接部36aがステー31の支持軸31bに荷重を付与している。図10(a)中記号Mで示される二点鎖線がエンジンフード本体21の回動軌道であり、第1当接部36aはその回動軌道に沿ってステー31の支持軸31bに反力を与えている。この状態では、第1当接部36aがステー31の支持軸31bの軌道を塞いでいるため、エンジンフード本体21は図10(a)の状態から更に開くことができない。
なお、ガイドプレート32に付設のレバー37(図8参照)を握ってエンジンフード本体21を閉じ側に若干回動させると同時に、ステー31を手動でエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、図10(a)に示される第2の掛止部36とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除することができる。
【0037】
<同上:図7、図10(a)(b)参照>
図7に示される状態からエンジンフード本体21が風等の不意に作用する力によって閉じようとした場合について説明する。
図7に示される状態において、ステー31それ自体の重心は、ステー31の回動中心である回動軸31aよりもカウンタウェイト9側(図7の右側)に位置しており、ステー31は、エンジンフード本体開き側に開き勝手の状態にある。このため、ステー31の支持軸31bは、図10(a)に示される状態から、第2の掛止部36におけるエンジンフード本体21の後側板21c側の辺縁部に沿って後方に摺動し、第2の掛止部36の第2当接部36bに当接する。第2当接部36bは、第2の掛止部36におけるエンジンフード本体21の天板21a側に円弧状に切り欠かれた部分である。
【0038】
<同上:図10(b)参照>
図10(b)には、エンジンフード本体21が風等の不意に作用する力によって閉じようとしている場合の支持関係が示されている。図10(b)中記号Qで示される点線はステー31の支持軸31bの軌道であり、支持軸31bはその軌道以外の位置をとることができない。
図10(b)において、ステー31の支持軸31bは、第2の掛止部36の第2当接部36bに当接している。この状態で、エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として更に閉じ側に回動しようとしており、第2当接部36bがステー31の支持軸31bに荷重を付与している。図10(b)中記号Mで示される二点鎖線がエンジンフード本体21の回動軌道であり、第2当接部36bはその回動軌道に沿ってステー31の支持軸31bに反力を与えている。この状態では、第2当接部36bがステー31の支持軸31bの軌道を塞いでいるため、エンジンフード本体21は図10(b)の状態から更に閉じることができない。
なお、ガイドプレート32に付設のレバー37(図8参照)を握ってエンジンフード本体21を開き側に若干回動させると同時に、ステー31をエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、図10(b)に示される第2の掛止部36とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除することができる。
【0039】
<ステー支持機構とガススプリング支持機構との配置関係の説明:図2参照>
ステー31およびガイドプレート32からなるステー支持機構23は、エンジンフード本体21の上部旋回体(車体)3の左右方向中央部に設けられ、ガススプリング26およびリンク27により構成されるガススプリング支持機構22は、エンジンフード本体21を取り付けるためにエンジンルーム11に設けられる開口部における上部旋回体(車体)3の左右方向中央部に設けられている。
これにより、エンジンフード本体21がステー31によって支持される位置と、ガススプリング26による付勢力が加えられる位置とが一致されるので、エンジンフード本体21にガススプリング26からの付勢力が確実に伝達され、エンジンフード本体21の開閉がスムーズに行われる。
【0040】
<エンジンフード本体の開放位置制限手段の説明:図8参照>
次に、エンジンフード本体21の開放を第1の開放位置に制限する開放位置制限手段40について図8を用いて説明する。
開放位置制限手段40は、主に、当接プレート41と、ストッパプレート42とにより構成されている。
【0041】
<当接プレートの説明:図8参照>
当接プレート41は、ステー31の支持軸31bが挿通される孔を有する円板状部材であり、ステー31の支持軸31bに貫通状態で装着されている。ステー31の支持軸31bには、当接プレート41上にワッシャ43が装着されるとともに、ワッシャ43の支持軸31bからの抜け方向の移動を遮るように図示されない抜け止めピンが差し込まれている。
【0042】
<ストッパプレートの説明:図8参照>
ストッパプレート42は、第1角部42a、第2角部42bおよび第3角部42cを有する略三角形の板状部材からなるものである。
第1角部42aは、ボルト44によってガイドプレート32に締着されている。
第1角部42aと第2角部42bとの間における第1辺縁部には、エンジンフード本体21が第1の所定角度を越えて更に開こうとしたときに、ステー31の支持軸31bに装着されている当接プレート41の外周縁と係合可能な円弧状の第1切欠き部45が形成されている。
第2角部42bの近傍には、ストッパプレート42のボルト44の回りの回動操作をより容易にするための摘み部46が突設されている。
第1角部42aと第3角部42cとの間における第2辺縁部には、ガイドプレート32上に突設される所定の板厚を有する係止板47に係合可能な第2切欠き部48が形成されている。
第1角部42aと第2角部42bとの間における第1辺縁部と、第3角部42cとの間には、ボルト44を曲率半径の中心とする円弧状のスリット49が形成されている。スリット49には、ガイドプレート32上にボルト50によって固定される円筒状のストッパボス51(図11(a)参照)が嵌め込まれている。なお、ストッパボス51とボルト50との間には、抜け落ち防止用のワッシャ52が介在されている。これにより、ボルト44を緩めた状態でストッパプレート42を引っ張ったとしても、スリット49の周縁部がワッシャ52に当たり、ストッパプレート42がそれ以上に抜け出ないようにされている。
【0043】
<ストッパプレートの制限位置と制限解除位置の説明:図11(a)〜(c)参照>
ストッパプレート42においては、ボルト44を緩めることにより、このボルト44を回動中心として、制限位置(図11(a)参照)と制限解除位置(図11(c)参照)との間で移動(回動)可能とされている。
ここで、図11(a)に示される制限位置とは、ストッパプレート42が第1の掛止部35と第2の掛止部36との間のスリット部34aを横切るように配されて、当接プレート41に当接することにより、支持軸31bの案内部34(スリット部34a)での移動を制限する位置である。
また、図11(c)に示される制限解除位置とは、ストッパプレート42がスリット部34aから外れた位置に配されて、当接プレート41に当接不可能とされることにより、支持軸31bの案内部34(スリット部34a)での移動の制限を解除する位置である。
【0044】
<係止板の機能説明:図11(a)〜(c)参照>
係止板47は、その板厚分がガイドプレート32の板面から突出していることで、ストッパプレート42のボルト44を中心とする制限位置(図11(a)参照)から制限解除位置(図11(c)参照)への移動を係止している。
【0045】
<エンジンフード本体の開閉動作の説明:図3〜図8、図11参照>
次に、エンジンフード本体の開閉動作について説明する。
【0046】
<エンジンフード本体の開動作(0°〜第1の所定角度)の説明:図3,4、図8参照>
図3に示されるように閉じられたエンジンフード本体21を開くときは、ロック装置19のロック解除の後、取っ手20を握って持ち上げていく。エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として上方に回動されるのに連動して、ステー31が回動軸31aを回動中心として上方に回動される。エンジンフード本体21の開き角度が図4に示される第1の所定角度(例えば62°程度)に近づいた状態では、ステー31の重心が回動軸31aよりも開き側に位置しているので、ステー31は開き勝手の状態となっている。エンジンフード本体21の開き角度が第1の所定角度に近づく際には、ステー31の支持軸31bが、ガイドプレート32のスリット部34aにおけるエンジンフード本体21の天板21a側の縁部に摺動しながら移動する。そして、図4に示されるように、エンジンフード本体21が第1の所定角度まで開かれると、ステー31の支持軸31bが第1の掛止部35(図8参照)に自動的に嵌り込んで掛け止められる。こうして、ステー31の支持軸31bが第1の掛止部35に掛け止められることにより、エンジンフード本体21が第1の所定角度の位置まで開かれた第1の開放位置で保持される。エンジンフード本体21が第1の所定角度にまで開かれれば、通常の整備点検作業を支障なく行うことができる。
【0047】
<エンジンフード本体の開放位置の制限の説明:図5参照>
エンジンフード本体21を第1の所定角度から更に開こうとすると、図5に示されるように、当接プレート41がストッパプレート42に衝突して、ステー31の支持軸31bのスリット部34aでの移動が止められる。これにより、エンジンフード本体21の開放が第1の開放位置に制限される。
【0048】
<開放位置制限時のエンジンフード本体の重心位置の説明:図5参照>
なお、図5に示されるように、ストッパプレート42が制限位置にある場合で、かつステー31の支持軸31bがストッパプレート42によって案内部34での移動が制限される位置では、エンジンフード本体21の重心位置がヒンジ18のほぼ真上に位置される。
これにより、ストッパプレート42への当たり(衝撃)が小さくなるため、ストッパプレート42を小さいものにすることができる。また、係止板47も小さいものにすることができる。
【0049】
<開放位置制限手段の解除動作の説明:図11(a)〜(c)参照>
例えばクーリング装置10b(図1参照)を修理のためにエンジンルーム11から取り外すようなとき、エンジンフード本体21を第1の所定角度から更に大きく開いて例えば90°程度の第2の所定角度にまで開きたい場合がある。このような場合には、ストッパプレート42による開放位置制限手段40を解除する必要がある。この開放位置制限手段40の解除は、以下のようにして行われる。
なお、開放位置制限手段40の解除動作は、ステー31の支持軸31bが第1の掛止部35(図8参照)に掛け止められてエンジンフード本体21が第1の開放位置に保持されている状態(図4参照)で行われる。
まず、図11(a)に示される状態において、ボルト44を外れない程度に緩める。
次いで、摘み部46を持ってストッパプレート42を係止板47の板厚分をやや越える程度に図11(a)中記号B矢印方向に引っ張り、ストッパプレート42と係止板47との係止状態を解除する。
次いで、摘み部46を持ってストッパプレート42を図11(b)中記号C矢印方向に沿って引っ張り、同図(c)に示されるように、スリット49の上部の内周縁がストッパボス51に突き当たるまで、ストッパプレート42をボルト44を中心として下方に回動させる。
こうして、ストッパプレート42による開放位置制限手段40を解除することができる。
【0050】
<エンジンフード本体の開動作(第1〜第2の所定角度)の説明:図6、図7参照>
図6に示されるように、ストッパプレート42による開放位置制限手段40の解除の後、レバー37を握ってエンジンフード本体21を閉じ側に若干回動させると同時に、ステー31を手動でエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、第1の掛止部35(図8参照)とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除して、ステー31の支持軸31bをスリット部34aに入れる。
次いで、取っ手20を持ってエンジンフード本体21を第2の所定角度まで徐々に開く。
エンジンフード本体21がヒンジ18を回動中心として第1所定角度から更に上方に回動されるのに連動して、ステー31が回動軸31aを回動中心として更に上方に回動される。エンジンフード本体21の開き角度が第2の所定角度(例えば90°程度)に近づく際、ステー31の重心は回動軸31aよりも開き側に位置しているので、ステー31は開き勝手の状態となっている。エンジンフード本体21の開き角度が第2の所定角度に近づく際には、ステー31の支持軸31bが、ガイドプレート32のスリット部34aにおけるエンジンフード本体21の天板21a側の縁部に摺動しながら移動する。そして、図7に示されるように、エンジンフード本体21が第2の所定角度まで開かれると、ステー31の支持軸31bが第2の掛止部36(図8参照)に自動的に嵌り込んで掛け止められる。こうして、ステー31の支持軸31bが第2の掛止部36に掛け止められることにより、エンジンフード本体21が第2の所定角度の位置まで開かれた第2の開放位置で保持される。エンジンフード本体21が第2の所定角度にまで開かれれば、クーリング装置10b(図1参照)等の修理作業を支障なく行うことができる。
【0051】
<エンジンフード本体の閉動作(第2〜第1の所定角度)の説明:図6、図7参照>
エンジンフード本体21を図7に示されるような第2の開放位置から閉じる際には、開き勝手の状態となっているステー31を閉じ側に操作しながらエンジンフード本体21を徐々に閉じていく。そして、ステー31の支持軸31を第1の掛止部35(図8参照)に掛け止めてエンジンフード本体21を図6に示されるように第1の開放位置に保持する。この状態で以下に述べるストッパプレート42による開放位置制限手段40を機能させる操作を行う。
【0052】
<開放位置制限手段を機能させる操作の説明:図11(a)〜(c)参照>
まず、摘み部46を持ってストッパプレート42を図11(c)中記号D矢印方向に沿って引っ張り、スリット49の下部の内周縁が同図(b)に示されるようにストッパボス51に突き当たるまで、ストッパプレート42をボルト44を中心として上方に回動させる。
次いで、ストッパプレート42をガイドプレート32に押し当てるように図11(a)中記号E矢印方向に押し込み、ストッパプレート42を係止板47に係止する。
そして、ボルト44を締め付けてストッパプレート42をガイドプレート32に固定する。
こうして、ストッパプレート42による開放位置制限手段40を機能させることができる。
【0053】
<エンジンフード本体の閉動作(第1の所定角度〜0°)の説明:図3、図4参照>
図4に示されるようにストッパプレート42による開放位置制限手段40を機能させた後、レバー37を握ってエンジンフード本体21を閉じ側に若干回動させると同時に、ステー31をエンジンフード本体21の閉じ側に回動させることにより、第1の掛止部35(図8参照)とステー31の支持軸31bとの掛け止め状態を解除して、ステー31の支持軸31bをスリット部34aに入れる。
その後、エンジンフード本体21の開き角度が図3に示されるように0°になるまで、エンジンフード本体21をヒンジ18を回動中心として下方に徐々に回動させる。
そして、ロック装置19にてエンジンフード本体21を固定する。
【0054】
<作用効果の説明:図2参照>
本実施形態によれば、エンジンフード本体21が、第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度まで開いた第2の開放位置とに開放可能とされる。そして、エンジンフード本体21の開放を第1の開放位置に制限する開放位置制限手段40が設けられる。これにより、明確な意志をもって開放位置制限手段40の解除操作を行った場合に限り、エンジンフード本体21を第1の開放位置から更に開放することができる。したがって、エンジンフード本体21が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開くのを簡易な構成で防ぐことができる。
【0055】
以上、本発明の建設機械のエンジンフードについて、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0056】
例えば、上記実施形態のストッパプレート42は、回動可能にするために、係止板47の板厚分、ボルト44を緩める例を挙げているが、ボルト44の締結力のみでストッパプレート42を回動しないようにして、ボルト44を緩めただけで回動可能にするようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の建設機械のエンジンフードは、エンジンフード本体が第1の開放位置から第2の開放位置へと不意に開くのを防ぐことができるという特性を有していることから、整備点検と修理のために2段階にエンジンフード本体を開放する用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 油圧ショベル
11 エンジンルーム
12 エンジンフード
18 ヒンジ
21 エンジンフード本体
31 ステー
31b 支持軸
34 案内部
34a スリット部
35 第1の掛止部
36 第2の掛止部
40 開放位置制限手段
42 ストッパプレート
44 ボルト
47 係止板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルームの一側に設けられるヒンジを回動中心として上下方向に開閉自在なエンジンフード本体を備え、
前記エンジンフード本体と共に上下方向に回動自在なステーが設けられ、
前記ステーのエンジンフード本体側の端部に支持軸が設けられ、
前記エンジンフード本体には、当該エンジンフード本体の開閉動作に伴う前記支持軸の移動を案内する案内部が設けられ、
前記支持軸が前記案内部に形成された第1の掛止部に掛け止められて前記エンジンフード本体を第1の所定角度の位置まで開いた第1の開放位置と、前記支持軸が前記案内部に形成された第2の掛止部に掛け止められて前記エンジンフード本体を前記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度まで開いた第2の開放位置とに開放可能な建設機械のエンジンフードにおいて、
前記エンジンフード本体が前記第1の開放位置から前記第2の開放位置に向けて開かれる際に前記支持軸の前記案内部での移動を制限するストッパプレートを備えることを特徴とする建設機械のエンジンフード。
【請求項2】
前記ストッパプレートは、前記案内部を有するガイドプレートの一端側に設けられ、このガイドプレート上に回動中心を備え、前記第1の掛止部と前記第2の掛止部との間のスリット部を横切る制限位置と、前記スリット部を外れる制限解除位置とに移動可能とされる請求項1に記載の建設機械のエンジンフード。
【請求項3】
前記ストッパプレートは、前記案内部を有するガイドプレートの一端側に設けられ、このガイドプレートの一端部には、前記ストッパプレートの前記制限位置から前記制限解除位置への移動を係止する所定の板厚を有する係止板が設けられる請求項1または2に記載の建設機械のエンジンフード。
【請求項4】
前記ステーおよび前記案内部からなるステー支持機構は、前記エンジンフード本体の車体左右方向中央部に設けられ、ガススプリングおよびリンクにより構成されるガススプリング支持機構は、前記エンジンフード本体を取り付けるための開口部における車体左右方向中央部に設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の建設機械のエンジンフード。
【請求項5】
前記エンジンルームは、車体中心とカウンタウェイトとの間に設けられ、
前記ヒンジは、前記エンジンルームのカウンタウェイト側に配され、
前記エンジンフード本体の重心位置は、前記第1の開放位置では前記ヒンジよりも車体中心側にあり、前記第2の開放位置では前記ヒンジよりもカウンタウェイト側にある請求項1〜4のいずれかに記載の建設機械のエンジンフード。
【請求項6】
前記ストッパプレートが前記制限位置にある場合、前記支持軸が前記ストッパプレートによって前記案内部での移動が制限される位置では、前記エンジンフード本体の重心位置が前記ヒンジのほぼ真上に位置される請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械のエンジンフード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−144204(P2012−144204A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5599(P2011−5599)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】