説明

建設機械のブラインド装置

【課題】各オペレータに対応した視界性及び遮光性を確保することができる建設機械のブラインド装置を提供する。
【解決手段】キャブ6の側面窓及び/又は後面窓の外面側に取り付けられる建設機械1のブラインド装置20において、前記キャブ6の側面窓及び/又は後面窓の両端縁部に対向して取り付けられるキャブ取付用部材23と、前記キャブ取付用部材23の間に上下方向に離間すると共に、所定角度に傾斜して配設される平板状の複数の日よけ板21と、前記各日よけ板21の長手方向両端に固着した日よけ板支持用部材22と、前記複数の日よけ板支持用部材22を、前記キャブ6の側面窓及び/又は後面窓の外面方向へ傾動可能に前記キャブ取付用部材23に締着する締着手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械のキャブ窓ガラスに設ける建設機械のブラインド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械においては、オペレータの視界を確保すると共にキャブ内への日光の入射を遮るために、キャブの少なくとも左右の側面部の窓ガラスの外面側に、上下方向に所要間隔をもって離間した複数の日よけ板を有するブラインドを設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】実開平4−138458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベル等の建設機械における大型建設機械においては、その稼働効率を向上させるために、建設機械が非稼働の場合にも直ちに稼働再開できるようにオペレータがキャブ内に滞機する方式が採られている。
【0005】
このため、大型の建設機械におけるキャブは、これより小さい掘削容量の建設機械のキャブよりも大きな空間を有している。これに伴い、キャブの窓ガラスも大きくなっているため、夏期及び冬期でのキャブ内への日光の入射量、入射角が変動する。
【0006】
また、キャブ内で建設機械を操作するオペレータは、身長の大小があるため、キャブ内の運転席に着座したとき、各オペレータの視界位置が変化する。
【0007】
さらに、建設機械の機種毎にキャブの設置高さが異なるために、機種毎に各オペレータの視界位置が変化する。このように視界位置が変化するとオペレータの視認可能な部位が変化する。
【0008】
一方、オペレータの視認性が要求される部位は、例えば掘削時に組み合わされるダンプトラックの機種や、稼働場所によって異なってくる。また、日光の入射に対する眩しさを感じる度合いは、各オペレータによって異なる。
【0009】
このため、上述した従来技術のブラインド装置においては、各オペレータに対する視界性確保、及びキャブ内への日光の入射量、入射角の変動に十分対応せず、オペレータの作業効率を著しく低下させていた。
【0010】
本発明は、上述の事項に基づいてなされたもので、その目的は、各オペレータに対応した視界性及び遮光性を確保することができる建設機械のブラインド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、キャブの側面窓及び/又は後面窓の外面側に取り付けられる建設機械のブラインド装置において、前記キャブの側面窓及び/又は後面窓の両端縁部に対向して取り付けられるキャブ取付用部材と、前記キャブ取付用部材の間に上下方向に離間すると共に、所定角度に傾斜して配設される平板状の複数の日よけ板と、前記各日よけ板の長手方向両端に固着した日よけ板支持用部材と、前記複数の日よけ板支持用部材を、前記キャブの側面窓及び/又は後面窓の外面方向へ傾動可能に前記キャブ取付用部材に締着する締着手段とを備えたものとする。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記締着手段は、前記キャブ取付部材に設けられ、ボルト孔とナットとを有するブラケットと、前記日よけ板支持部材に設けた円弧孔と、前記円弧孔に挿入され、前記ブラケットのボルト孔を通じて前記ナットにねじ込まれるボルトとを備えたものとする。
【0013】
(3)上記(1)または(2)において、好ましくは、前記日よけ板は、その端部が前記日よけ板支持部材に短手方向に移動可能に締着されているものとする。
【0014】
(4)上記(1)または(2)において、好ましくは、前記日よけ板は、その端部が前記日よけ板支持部材に締着された第1の日よけ板と、前記第1の日よけ板の短手方向に移動可能に重ねて設けた第2の日よけ板とを備えたものとする。
【0015】
(5)上記(3)において、好ましくは、前記日よけ板は、防振部材を介して前記日よけ板支持部材に締着されているものとする。
【0016】
(6)上記(4)において、好ましくは、前記日よけ板は、前記第1の日よけ板の上に前記第2の日よけ板が載置され、防振部材を介して前記日よけ板支持部材に締着されているものとする。
【0017】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかにおいて、好ましくは、前記キャブ取付用部材を、キャブ側面視前傾の形態に配置したものとする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の建設機械のブラインド装置によれば、各日よけ板の傾斜角度等を個別に且つ容易に調整することができるので、オペレータの側方及び後方の視界を確保できると共に、キャブ内への日光の入射を遮ることができる。この結果、各オペレータに対応した遮光性及び視界性の改善が図れ、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の建設機械のブラインド装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の建設機械のブラインド装置が適用される大型油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。この図1において、1は建設機械としての大型の油圧ショベルを示している。2はその走行体、3は走行体の左右両側に装設した無限軌道式走行装置、4は走行体2の上部に旋回可能に搭載された旋回体、5はこの旋回体4上の前方部に上下方向に回動可能に取り付けられた多関節型の作業装置、6は旋回体4上の左側前方部に配設されたキャブ、7はこのキャブ6の下方に配設され制御盤(図示せず)等を収納するキャブベッド、8は旋回体4上に配設され各種機器を収納する機械室、9は旋回体4上に設けられ操作者及び作業者が通行可能な通路、10は旋回体4上の後方部に取り付けられたカウンタウエイトである。
【0020】
上述したキャブ6は、前窓を有する前面部11、後窓を有する後面部12、左右側面の窓を有する左右の側面部13、及びこれらの上面側を覆う天面部14からボックス状に形成されたキャブボックス15と、キャブボックス15内に設けられた運転席(図示せず)と、運転席の周囲に設けられた操作装置等(図示せず)によって構成されている。
【0021】
次に、上述したキャブ6に設けられた本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を図2乃至図6を用いて説明する。図2は、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を備えたキャブの側面図、図3は、図2のIII−III矢視から建設機械のブラインド装置を見た断面図、図4は、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成する日よけ板支持用ブラケットの正面図、図5は、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成する日よけ板支持用ブラケットの側面図、図6は、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成するキャブ取付用ブラケットの正面図である。
【0022】
この図2において、ブラインド装置20は、キャブ6の左側面部13の側面窓16の外面側に設けられていて、側面窓16からキャブ6内に入射する日光を遮るものである。
【0023】
ブラインド装置20は、図2及び図3に示すように、上下方向に所定間隔をもって離間すると共に、所定角度で傾斜した平板状の日よけ板21,21,・・・と、この各日よけ板21の両端に締着され、日よけ板21の傾斜角度を変更可能とする日よけ板支持部材としての日よけ板支持用ブラケット22,22と、各日よけ板21が所定の傾斜角度になる取付角度で日よけ板支持用ブラケット22に締着され、この各日よけ板21を側面窓16の外面側に配置するように、ボルト等を介してキャブ6の側面部13の外面側に固定されたキャブ取付用部材としての断面L字状のキャブ取付用ブラケット23,23とから大略構成されている。
【0024】
日よけ板支持用ブラケット22は、図4及び図5に示すように、略長矩形の平板状の鋼板からなる取付部材22aと、この取付部材22aの表面部に垂直に立設する日よけ板支持部材22bとから構成されている。取付部材22aの長手方向の両端部近傍であって、取付部材22aの表面部の中心点Cを中心とした扇型における、所定の中心角βの弧に相当する部分には、円弧孔22c,22cが形成されている。なお、本実施の形態における円弧孔22cは、中心角βが例えば20°の弧に相当する部分に形成されている。
【0025】
日よけ板支持部材22bは、略長矩形の平板状の鋼板からなり、その長辺の一方側の縁が、取付部材22aの短手方向の軸線lに対して所定の角度αとなる向きに配置されて取付部材22aの表面部に固着されている。日よけ板支持部材22bの長辺の他方側である先端部近傍には、日よけ板取付用孔22d,22dが設けられている。この日よけ板取付用孔22dの中心点とその中心点を合わせたナット22eが、日よけ板支持部材22bの下面側にプロジェクション溶接されている。なお、本実施の形態においてαは、例えば45°で形成されている。
【0026】
キャブ取付用ブラケット23は、図2、図3、及び図6に示すように、各日よけ板21が日よけ板取付部材22を介して取り付けられる断面L字状のブラケット本体部23aと、このブラケット本体部23aの両端部(図6の上下方向の端部)に固着され、その取付孔にボルトを嵌挿して締め付けることによってキャブ6の側面部13にブラケット装置20を固着させるブラケット脚部23bと、ブラケット本体部23aの断面L字の長辺側に取り付けられ、日よけ板取付部材22とブラケット本体部23aの接続部を覆う断面L字状のブラケットカバー27とから大略構成されている。図6におけるキャブ取付用ブラケット4は、ブラケットカバー27を外した状態を示している。
【0027】
ブラケット本体部23aの断面L字の長辺側には、ブラケットとしての断面コ字状のブラケット取付部材24,24,・・・が例えば溶接によって固着されている。ブラケット取付部材24には、ブラケット取付用孔24a,24aが設けられていて、このブラケット取付用孔24aの中心点とその中心点を合わせたナット24bが、ブラケット取付部材24の裏面側にプロジェクション溶接されている。
【0028】
なお、上述した、キャブ取付部材としてのキャブ取付用ブラケット23に設けられ、ボルト孔としてのブラケット取付用孔24aとナット24bとを有するブラケットとしてのブラケット取付部材24と、日よけ板支持部材としての日よけ板支持用ブラケット22に設けた円弧孔22cと、円弧孔22cに挿入され、ブラケット取付用孔24aを通じてナット24bにねじ込まれるボルト28とにより、日よけ板支持用ブラケット22をキャブ6の側面窓16の外面方向へ傾動可能にキャブ取付用ブラケット23に締着する締着手段を構成する。
【0029】
また、キャブ取付用ブラケット23は、図2に示すように、側面窓16の前端部の傾斜に合わせてキャブ側面視前傾の形態に形成されてキャブ側面部13に取り付けられているが、直立した形態に形成することも可能である。
【0030】
次に、上述した本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態における日よけ板21と、日よけ板支持用ブラケット22と、ブラケット取付部材24の締結方法を図3及び図7を用いて説明する。図7は、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態の各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。
【0031】
まず、図3及び図7において、日よけ板21と日よけ板支持用ブラケット22との締結は、日よけ板21の両端部近傍に設けられた取付孔21a,21aが、防振部材としての防振ラバー26を介して日よけ板支持部材22bの日よけ板取付用孔22d,22dと連通するように、日よけ板21を防振ラバー26と日よけ板支持部材22bの上に載置する。
【0032】
次に、防振ラバー26、プレート25をそれぞれの取付孔(図示せず)が上記取付孔21a,22d等と連通するように日よけ板21の上に載置し、ボルト28,28をこれらの取付孔に嵌挿する。ボルト28,28をナット22e,22eに締め付けることによって、日よけ板21は、日よけ板支持用ブラケット22に締結される。なお、図7は、日よけ板21の右端を示しているが、日よけ板21の左端についても同様に構成されている。
【0033】
日よけ板支持用ブラケット22とブラケット取付部材24との締結は、取付部材22aを円弧孔22c,22cが、ブラケット取付部材24のブラケット取付孔24a,24aと連通するように配置し、ボルト28,28をこれらの取付孔に嵌挿する。ボルト28,28をナット24b,24bに締め付けることによって、日よけ板支持用ブラケット22は、ブラケット取付部材24に締結される。
【0034】
次に、上述した本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態における日よけ板21の傾斜角度の調整方法を図3、図4、及び図7を用いて説明する。
まず、図3及び図7において、ブラケット取付部材24と日よけ板支持用ブラケット22を締結しているボルト28,28とナット22e,22eの締め付けを緩める。この結果、日よけ板支持用ブラケット22は、ブラケット取付部材24に、取付部材22aの円弧孔22c,22cとブラケット取付部材24のブラケット取付用孔24a,24aとを連通するボルト28,28によって軸支されることになる。
【0035】
次に、取付部材22aの上部を手前側(図3において右側)に引き、取付部材22aの下部を奥側(図3において左側)に押すことにより、日よけ板支持用ブラケット22が傾くため、日よけ板21の傾斜角度を増大させることができる。ここで、上側のボルト28は、取付部材22aの上側の円弧孔22cの中央から奥側(図3において左側)に移動し、下側のボルト28は、取付部材22aの下側の円弧孔22cの中央から手前側(図3において右側)に移動する。日よけ板21の傾斜角度を減少させるためには、上述したボルト28と円弧孔22cとの関係と逆方向にボルト28を移動させればよい。
【0036】
所望する傾斜角度において、上下のボルト28,28をナット22e,22eに絞め付けることで、該当する日よけ板21の傾斜角度の調整が終了する。
【0037】
図4に示すように、本実施の形態においては、軸線lに対する日よけ板支持部材22bの取付角度のαが45°、円弧孔22cを形成する扇型の中心角のβが20°であることから、日よけ板支持用ブラケット22の傾斜角度で定まる日よけ板2の傾斜角度は、最大55°から最少35°の間で任意な角度に設定することができる。
【0038】
上述した本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態によれば、各日よけ板21の傾斜角度を個別に且つ容易に調整することができるので、オペレータの側方及び後方の視界を確保できると共に、キャブ6内への日光の入射を遮ることができる。この結果、各オペレータに対応した遮光性及び視界性の改善が図れ、作業効率を向上することができる。また、キャブ内の温度上昇が抑えられ、キャブ内の環境を改善することができる。さらに、ブラインド装置を共通部品化することが可能となるため、建設機械の機種毎に形態の異なるブラインド装置を製作する必要がなくなる。この結果、生産性を向上することができる。
【0039】
また、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態によれば、ボルト28が嵌挿される取付孔の裏面にナットをプロジェクション溶接したので、ボルト28の締め付け及び締め付け解除作業が容易且つ確実に行える。この結果、日よけ板21の傾斜角度の調整が個別に容易且つ確実に実施できる。
【0040】
また、本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態によれば、日よけ板21と日よけ板支持用ブラケット22の締結において、防振部材としての防振ラバー26とプレート25を介在させたことにより、従来の傾斜角度固定のブラインドと同等の耐振性や強度等を確保できる。この結果、日よけ板21の傾斜角度を調整可能としても、ブラインド装置20の機能の信頼性が確保できる。
【0041】
次に、本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態を図8及び図9を用いて説明する。図8は、本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態を示す断面図、図9は、本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態の各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。なお、図8、図9において、図1乃至図7に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
【0042】
本実施の形態においては、図9に示すように、第2の日よけ板21bの両端部に取付孔21aがそれぞれ3個設けられている。第2の日よけ板21bと日よけ板支持用ブラケット22との締結は、3個の取付孔21aのうち真中の取付孔21aといずれか端部の取付孔21aが、防振ラバー26を介して日よけ板支持部材22bの日よけ板取付用孔22d,22dと連通するように、第2の日よけ板21bを防振ラバー26と日よけ板支持部材22bの上に載置して行われる。このため、第2の日よけ板21bと日よけ板支持用ブラケット22との締結は、図8の実線で示す第2の日よけ板21bの庇部を伸長させた場合と、図8の破線で示す第2の日よけ板21bの庇部を収縮させた場合のいずれかの選択が可能になる。つまり、第2の日よけ板21bは、その両端部において、日よけ板支持用ブラケット22,22に短手方向に移動可能に締着されている。
【0043】
本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、第2の日よけ板21bの庇部を個別に伸長又は収縮させることができる。この結果、例えば、第2の日よけ板21bの傾斜角度を小さくして視界性を向上させた場合であっても、当該部分の庇部を伸長させることにより遮光性の減少を抑制することができる。
【0044】
次に、本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態を図10及び図11を用いて説明する。図10は、本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態を示す断面図、図11は、本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態の各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。なお、以下の説明において、上述した本発明の第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符合を付し、その部分の説明を省略する。
【0045】
本実施の形態においては、図10に示すように、第1の実施の形態における日よけ板21(以下、第1の日よけ板21という)と、第2の実施の形態における第2の日よけ板21bとをその短手方向において重なるように配置している。第1の日よけ板21と、第2の日よけ板21bと、日よけ板支持用ブラケット22との締結は、第1の日よけ板21の両端部近傍に設けられた取付孔21a,21aが、防振ラバー26介して日よけ板支持部材22bの日よけ板取付用孔22d,22dと連通するように、第1の日よけ板21を防振ラバー26と日よけ板支持部材22bの上に載置する。
【0046】
次に、第2の日よけ板21bの3個の取付孔21aのうち真中の取付孔21aといずれか端部の取付孔21aが、第1の日よけ板21の取付孔21a,21aと連通するように、第2の日よけ板21bを第1の日よけ板21の上に載置する。
【0047】
次に、防振ラバー26、プレート25をそれぞれの取付孔(図示せず)が上記取付孔21a,22d等と連通するように第2の日よけ板21bの上に載置し、ボルト28,28をこれらの取付孔に嵌挿する。ボルト28,28をナット22e,22eに締め付けることによって、第1の日よけ板21及び第2の日よけ板21bは、日よけ板支持用ブラケット22に締結される。
【0048】
なお、第2の日よけ板21bと日よけ板支持用ブラケット22との締結は、図10の実線で示す第2の日よけ板21bの庇部を伸長させた場合と、図10の破線で示す第2の日よけ板21bの庇部を収縮させた場合のいずれかの選択が可能になる。
【0049】
本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、第1の日よけ板21と第2の日よけ板21bがその短手方向で重なっているため、日よけ板の庇部が長くなり且つ高強度な日よけ板が形成される。この結果、ブラインド装置の耐振性や強度が向上し、ブラインド装置の機能の信頼性を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態においては、建設機械1のキャブ6として大型油圧ショベルのキャブ6を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば油圧クレーン等の他の建設機械のキャブにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の建設機械のブラインド装置が適用される大型油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を備えたキャブの側面図である。
【図3】図2のIII−III矢視から建設機械のブラインド装置を見た断面図である。
【図4】本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成する日よけ板支持用ブラケットの正面図である。
【図5】本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成する日よけ板支持用ブラケットの側面図である。
【図6】本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態を構成するキャブ取付用ブラケットの正面図である。
【図7】本発明の建設機械のブラインド装置の第1の実施の形態における各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。
【図8】本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図9】本発明の建設機械のブラインド装置の第2の実施の形態における各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。
【図10】本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図11】本発明の建設機械のブラインド装置の第3の実施の形態における各部材の組み立て状態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 建設機械
6 キャブ
20 ブラインド装置
21 日よけ板(第1の日よけ板)
21a 取付孔
21b 第2の日よけ板
22 日よけ板支持用ブラケット
22a 取付部材
22b 日よけ板支持部材
22c 円弧孔
22d 日よけ板取付用孔
22e ナット
23 キャブ取付用ブラケット
24 ブラケット取付部材
24a ブラケット取付用孔
24b ナット
26 防振ラバー
28 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャブの側面窓及び/又は後面窓の外面側に取り付けられる建設機械のブラインド装置において、
前記キャブの側面窓及び/又は後面窓の両端縁部に対向して取り付けられるキャブ取付用部材と、
前記キャブ取付用部材の間に上下方向に離間すると共に、所定角度に傾斜して配設される平板状の複数の日よけ板と、
前記各日よけ板の長手方向両端に固着した日よけ板支持用部材と、
前記複数の日よけ板支持用部材を、前記キャブの側面窓及び/又は後面窓の外面方向へ傾動可能に前記キャブ取付用部材に締着する締着手段とを備えた
ことを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械のブラインド装置において、
前記締着手段は、前記キャブ取付部材に設けられ、ボルト孔とナットとを有するブラケットと、前記日よけ板支持部材に設けた円弧孔と、前記円弧孔に挿入され、前記ブラケットのボルト孔を通じて前記ナットにねじ込まれるボルトとを備えたことを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械のブラインド装置において、
前記日よけ板は、その端部が前記日よけ板支持部材に短手方向に移動可能に締着されていることを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の建設機械のブラインド装置において、
前記日よけ板は、その端部が前記日よけ板支持部材に締着された第1の日よけ板と、前記第1の日よけ板の短手方向に移動可能に重ねて設けた第2の日よけ板とを備えたことを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項5】
請求項3に記載の建設機械のブラインド装置において
前記日よけ板は、防振部材を介して前記日よけ板支持部材に締着されていることを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項6】
請求項4に記載の建設機械のブラインド装置において
前記日よけ板は、前記第1の日よけ板の上に前記第2の日よけ板が載置され、防振部材を介して前記日よけ板支持部材に締着されていることを特徴とする建設機械のブラインド装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建設機械のブラインド装置において
前記キャブ取付用部材を、キャブ側面視前傾の形態に配置したことを特徴とする建設機械のブラインド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−83360(P2010−83360A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255278(P2008−255278)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】