説明

建設機械の監視装置

【課題】建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる建設機械の監視装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベルに搭載された監視装置11では、恒常的に上部旋回体の左後側を映す左後方カメラ11aと、上部旋回体の右後側を映す右後方カメラ11bと、それぞれのカメラ映像を一つの画面上に表示するモニタ画面42と、オペレータが操作レバーを操作した場合には、操作レバーの操作方向とは反対側の方向を映すカメラ映像(旋回操作レバー27を左旋回するように操作した場合には、上部旋回体の右後側を映すカメラ11bの映像、旋回操作レバー27を右旋回するように操作した場合には、上部旋回体の左後側を映すカメラ11aの映像)を拡大して表示するように切り換えるコントローラ41と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体と下部走行体に旋回可能な状態で装着される上部旋回体とを備えた建設機械の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械には、下部走行体と、この下部走行体に旋回自在に装着される上部旋回体とを備えたものがある。このような建設機械では、その上部旋回体に設けられる運転室に作業者(オペレータ)が乗り込んで走行用操作手段の操作レバーを操作することによって、車体を前進させたり後退させたりする。この走行の際には、前方および側面は、運転室に設けられた窓部からオペレータの肉眼でもって視認が可能であるが、運転室の後方を見る際には、頭や身体を振り向かせたり、ミラー等で視認する必要があった。また、旋回の際においても、上記旋回体の旋回範囲の障害物の有無を同様の方法で視認を行っていたが、運転席が一方の側面側に配置された上記の建設機械においては、運転席側と反対側側面の視認が特に難しいという問題があった。
【0003】
このような問題を鑑みて、上部旋回体のカウンタウエイト等に後方監視用カメラを設け運転室に設置されたモニタ画面に、このカメラが映す画像を表示する装置が実用化されている。
例えば、特許文献1においては、後方カメラが、旋回用レバーの操作と連動して上部走行体の旋回する方向と同じ方向にカメラ自体も旋回する建設機械の後方監視装置が開示されている。これにより、監視方向が真後ろに固定された後方カメラでは映すことができない上部旋回体後方の旋回範囲を映すことを可能としている。
【特許文献1】特開2004−322979号公報(平成16年11月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の監視装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記従来の監視装置では、旋回用レバーの操作を検知し、上部旋回体の旋回が始まってからカメラの旋回が始まるので、実際に上部旋回体が旋回する範囲を映すまでにはタイムラグが発生する。このため、旋回直後に上部旋回体が障害物と接触してしまうおそれがあり、安全性の面で十分とは言い難い。
【0005】
本発明の課題は、建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる建設機械の監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る建設機械の監視装置は、下部走行体と下部走行体に旋回可能な状態で装着される上部旋回体とを備え、操作レバーによって下部走行体および上部旋回体の操作を行う建設機械に取り付けられた監視装置であって、カメラと、モニタ画面と、第1の表示制御部と、を備えている。カメラは、上部旋回体に複数設置されている。モニタ画面は、複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示する。第1の表示制御部は、操作レバーの操作時には、操作レバーの操作方向に対して反対側の方向を映す位置に配置されたカメラの映像を拡大して表示する。
【0007】
ここでは、上部旋回体の後方に配置された複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示する通常時におけるモニタ画面の状態が、操作レバーの操作時には、操作レバーの操作方向に対して反対側の方向を映すカメラの映像を拡大して表示する状態に切り替わる。
なお、上部旋回体の後方とは、運転席に普通に着座したオペレータが向く方向とは反対の方向を言い、上部旋回体の後方端部とは、例えば、カウンタウエイト等が設けられている場所がこれに該当する。また、操作方向に対して反対側とは、例えば、上部旋回体を動かそうとする方向の反対側の方向を言い、例えば、上部旋回体を左側に旋回するように操作した場合には、上部旋回体の右側が反対側の方向となる。
【0008】
ここで、建設機械を操作する場合、作業範囲に障害物がないか視認をしながら操作を行う必要がある。例えば、上部旋回体を旋回させる際には、オペレータは、前方端部の旋回範囲に障害物がないかを視認するだけでなく、後方端部の旋回範囲も視認する必要がある。特に、下部走行体の中から上部旋回体の後部がはみ出しながら旋回する大型の油圧ショベル等では、後方端部の旋回範囲の視認が重要である。
【0009】
従来、このようなオペレータの視認を支援するための装置として、1つのカメラを上部旋回体のカウンタウエイトに配置した後方監視装置があった。この後方監視装置によれば、カメラをカウンタウエイトが旋回しようとする方向に旋回させて、カウンタウエイトの旋回範囲を映している。ところが、実際にカメラがカウンタウエイトの旋回範囲を映すまでにはタイムラグが発生して安全性の面で十分とは言えないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の建設機械の監視装置においては、恒常的に上部旋回体の後方端部における可動範囲を映すための複数のカメラと、それぞれの映し出すカメラ映像を一つの画面上に表示するモニタ画面と、オペレータが操作レバーを操作した場合には、操作レバーの操作方向とは反対側の方向を映すカメラ映像を自動的に拡大して表示するように切り換える第1の制御部と、を備えている。
【0011】
これにより、上部旋回体の後方端部における可動範囲を映し出すまでにタイムラグが発生することなく、上部旋回体の旋回開始とほぼ同時に、上部旋回体の後方端部における可動範囲の映像を表示することが可能となる。また、オペレータにとって視認したい方向の映像が拡大して表示されるので、オペレータはその方向に障害となる物体がないかしっかりと確認することが可能となる。
この結果、建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
【0012】
第2の発明に係る建設機械の監視装置は、第1の発明に係る建設機械の監視装置であって、操作レバーは、上部旋回体を下部走行体に対して旋回させる旋回操作レバーである。
ここでは、オペレータが旋回操作レバーを操作すると、操作された方向とは反対側を映すカメラ、例えば、オペレータが左旋回するように旋回操作レバーを操作した場合には、上部旋回体に配置された複数のカメラ映像の中から上部旋回体の右側を映すカメラに対応する映像が自動的にモニタ画面に拡大して表示される。
これにより、上部旋回体を旋回しようとする際に、視認したい方向のカメラ映像がオペレータによる操作を介さずに自動的に表示されるので、オペレータの操作負担を軽減することが可能となる。
【0013】
第3の発明に係る建設機械の監視装置は、第1または第2の発明に係る建設機械の監視装置であって、下部走行体を前後に走行させる走行操作レバーの操作時には、上部旋回体の後方を映すカメラの映像を拡大して表示する第2の表示制御部をさらに備えている。
【0014】
ここでは、オペレータが走行操作レバーを操作した場合には、上部旋回体に配置された複数のカメラ映像の中から上部旋回体の後方を映すカメラに対応する映像が自動的にモニタ画面に拡大して表示される。
これにより、例えば、オペレータが後退操作をした際に、自動的に視認したい方向のカメラ映像、すなわち、上部旋回体の後方のカメラ映像が、オペレータによる操作を介さずに自動的に表示されるので、オペレータの操作負担を軽減することが可能となる。
【0015】
第4の発明に係る建設機械の監視装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る建設機械の監視装置であって、感知部と、第3の表示制御部と、をさらに備えている。感知部は、上部旋回体の可動範囲に進入する物体を感知する。第3の表示制御部は、感知部が、物体を感知した時には、複数のカメラのうち物体を映す位置に配置されたカメラの映像をモニタ画面に拡大して表示する。
【0016】
ここでは、感知部が上部旋回体の旋回範囲に進入する物体を感知した場合には、その進入した物体を映す位置に配置されたカメラ映像がモニタ画面に拡大して表示される。
これにより、突発的に事象、あるいは、オペレータが気づかないような事象に対しても、自動的にその事象を映した映像が拡大して表示されるようになる。
この結果、オペレータが予測しなかった問題を回避することができるようになるので、建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
【0017】
第5の発明に係る建設機械の監視装置は、下部走行体と下部走行体に旋回可能に装着される上部旋回体とを備え、操作レバーによって下部走行体および上部旋回体の操作を行う建設機械に配置された監視装置であって、カメラと、モニタ画面と、感知部と、制御部と、を備えている。カメラは、上部旋回体に複数設置されている。モニタ画面は、複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示する。感知部は、上部旋回体の可動範囲に進入する物体を感知する。制御部は、感知部が物体を感知した時には、物体を映す位置に配置されたカメラの映像をモニタ画面に拡大して表示する。
【0018】
ここでは、上部旋回体の後方に配置された複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示する通常のモニタ画面の状態が、感知部が物体を感知した時には、物体を映すことが可能なカメラの映像を拡大して表示する状態に切り替わる。
なお、可動範囲とは、上部旋回体が旋回する際の旋回範囲の他に、下部走行体が前後進する際に安全を確保する所定の距離を含む。
【0019】
これにより、上部旋回体における後方端部の旋回範囲を映し出すまでにタイムラグが発生することなく、上部旋回体の旋回範囲に進入する物体があった場合には即座に、その物体を映す映像を表示することが可能となる。また、オペレータにとって視認すべき方向の映像が拡大して表示されるので、オペレータはその方向に障害となる物体がないかしっかりと確認することが可能となる。
【0020】
この結果、建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る建設機械の監視装置によれば、建設機械を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施形態]
本発明の一実施形態に係る監視装置を搭載した油圧ショベル(建設機械)1について、図1〜図6を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、以下の説明において使用する「左」、「右」、「前」、「後」という文言は、キャブ6(図1等参照)内でオペレータが運転席に普通に着座したとき時に向く方向を基準とした方向を示すものとする。
【0023】
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、上部旋回体3と、作業機4と、カウンタウエイト5と、キャブ6と、後方カメラ11a・11bと、機器室12と、を備えている。
下部走行体2は、進行方向左右両端部分に巻き掛けられた履帯2aを回転させることで、油圧ショベル1を前進、後退させるとともに、上面側に上部旋回体3を旋回可能な状態で装着している。
【0024】
上部旋回体3は、下部走行体2上において任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウエイト5と、キャブ6と、を搭載している。
作業機4は、ブーム7と、ブーム7の先端に取り付けられたアーム8と、アーム8の先端に取り付けられたバケット9と、を含むように構成されており、油圧シリンダ10によってアーム8やバケット9等を上下に移動させながら、土砂や砂礫等の掘削を行う土木工事の現場において作業を行う。
【0025】
カウンタウエイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために上部旋回体3の後部に設けられている。
キャブ6は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、上部旋回体3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
【0026】
後方カメラ(カメラ)11a・11bは、オペレータの上部旋回体3に対する後方視認を支援するための監視装置11の一部であって、左後方カメラ11aは上部旋回体3の左後側を映し、右後方カメラ11bは上部旋回体3の右後側を映す。なお、モニタ画面42等を含む監視装置11については、後段にて詳述する。
機器室12は、作業機4の後方に配置されており、図示しないエンジン、燃料タンク、作動油タンクおよび操作弁等を収容する。
【0027】
[油圧および電気回路20の構成]
本実施形態の油圧ショベル1は、図2に示すように、パイロット圧油ポンプ21と、走行操作レバー22と、パイロット管路23a・23b・28a・28bと、方向切替弁24・29と、旋回操作レバー27と、油圧ポンプ31と、走行油圧モータ32と、旋回油圧モータ33と、圧力スイッチ35a・35b・35c・35dと、を含むように構成された油圧および電気回路20を備えている。
【0028】
パイロット圧油ポンプ21は、パイロット管路23a・23b・28a・28bにパイロット圧油を供給するためのポンプであって、走行操作レバー22および旋回操作レバー27を介して、パイロット管路23a・23b・28a・28bに接続されている。
走行操作レバー(操作レバー)22は、下部走行体2の走行動作を操作するレバーであって、レバー操作に基づいてパイロット管路23a・23bに所定のパイロット圧油を出力する。
【0029】
パイロット管路23a・23bは、パイロット圧油ポンプ21から供給される圧油を方向切替弁24に導くための管路であって、それぞれのパイロット圧油入力ポート24a・24bに接続されている。
方向切替弁24は、それぞれのパイロット圧油入力ポート24a・24bに入力された圧油に基づいて所定の油路切換動作や流量調整等を行う。
【0030】
旋回操作レバー(操作レバー)27は、上部旋回体3の走行動作を操作するレバーであって、レバー操作に基づいてパイロット管路28a・28bに所定のパイロット圧油を出力する。
パイロット管路28a・28bは、パイロット圧油ポンプ21から供給される圧油を方向切換弁29に導くための管路であって、それぞれのパイロット圧油入力ポート29a・29bに接続されている。
【0031】
方向切替弁29は、それぞれのパイロット圧油入力ポート29a・29bに入力された圧油に基づいて所定の油路切換動作や流量調整等を行う。
油圧ポンプ31は、方向切替弁24、方向切替弁29を介して、それぞれ走行油圧モータ32、旋回油圧モータ33に接続されている。そして、これらのポンプから供給される圧油によって、走行油圧モータ32、旋回油圧モータ33等を駆動する。
【0032】
圧力スイッチ35a〜35dは、パイロット圧油ポンプ21から送り出される圧油の流路上、すなわち、パイロット管路23a・23b・28a・28b上に配置されており、パイロット圧油ポンプ21から供給されるポンプ圧を検出してコントローラ41に対して検出信号を送信する。なお、ここで検出されたポンプ圧は、後述するモニタ画面の表示の切換え制御を行う際の、所定の操作レバー(走行操作レバー22、旋回操作レバー27)を検知する手段として利用される。
【0033】
[監視装置11の構成]
監視装置11は、オペレータが、運転席に着座した状態でモニタ画面42を通して上部旋回体3の後方を視認するための装置であって、図3に示すように、左後方カメラ11aと、右後方カメラ11bと、モニタ画面42と、コントローラ41(第1の表示制御部・第2の表示制御部)と、から構成されている。
【0034】
そして、コントローラ41は、図2に示すように、油圧および電気回路20の一部を構成しており、圧力スイッチ35a〜35dに連動してモニタ画面42を制御する。
左後方カメラ11aは、図4に示すように、上部旋回体3後方に配置されたカウンタウエイト5の上面における左後方に配置されており、上部旋回体3の左後側を映している。これにより、上部旋回体3が右旋回した時の、上部旋回体3の左後方の旋回範囲を恒常的に映し出すことができる。
【0035】
右後方カメラ11bは、図4に示すように、上部旋回体3後方に配置されたカウンタウエイト5の上面における右後方に配置されており、上部旋回体3の右後側を映している。これにより、上部旋回体3が左旋回した時の、上部旋回体3の右後方の旋回範囲を恒常的に映し出すことができる。
モニタ画面42は、キャブ6内に設置されており、オペレータは運転席に着座した状態で見ることができるように、キャブ6内の前方に配置されている。モニタ画面42は、図5に示すように、通常の作業時には、モニタ画面42の1画面に左後方カメラ11aが映す映像43aおよび右後方カメラ11bが映す映像43bの両方を表示する。なお、通常の作業時とは、下部走行体2の前後進、上部旋回体3の旋回が行われていない状態をいう。
【0036】
コントローラ41は、図2に示すように、油圧および電気回路20の一部を構成しており、圧力スイッチ35a〜35dから送信される検出信号を受信して、以下に示す所定の画面表示となるように制御する。
<モニタ画面42における画面制御のフローチャート>
モニタ画面42は、通常の作業時には、図5に示すように、1画面に左後方カメラ11aが映す映像43aおよび右後方カメラ11bが映す映像43bの両映像を表示する。本フローチャート(図6参照)は、この通常の作業時に表示される状態を基準とし、この状態をステップS1として説明を行う。
【0037】
ステップS2では、オペレータが旋回操作レバー27を操作する。以降、左旋回するように操作した場合はステップS3に移り、右旋回するように操作した場合は、ステップS8に移る。
ステップS3では、オペレータが上部旋回体3を左旋回させるように旋回操作レバー27の操作を行った時であって、この時、パイロット管路28aの流路上に配置された圧力スイッチ35dがポンプ圧を検知する。
【0038】
ステップS4では、圧力スイッチ35dが、コントローラ41に対してポンプ圧の検出信号を送信する。
ステップS5では、コントローラ41が、圧力スイッチ35dからの検出信号を受信する。
ステップS6では、コントローラ41が、受信した検出信号を圧力スイッチ35dからの信号であることを判断した後、両映像を表示する状態から右後方カメラ11bの映像43bを拡大して表示する状態(図5参照)に切り換える。これにより、上部旋回体3の後方が旋回する範囲を視認することが可能となり、オペレータにとって視認すべき方向が見易く表示されるようになるので、操作の際の安全性が向上する。
【0039】
ステップS7では、再度、圧力スイッチ35dが、ポンプ圧を検知できるかどうかの確認を行い、ポンプ圧を検知できる場合は、そのまま右後方カメラ11bの映像を拡大して表示した状態を持続するためにステップS6に移る。
ステップS13では、ステップS7において、圧力スイッチ35dが、ポンプ圧を検知できない場合であって、この時、モニタ画面42に表示された右後方カメラ11bの映像を拡大して表示した状態(図5参照)から両映像を表示する状態に戻る。
【0040】
一方、ステップS8では、オペレータが上部旋回体3を右旋回させるように旋回操作レバー27の操作を行った時であって、この時、パイロット管路28bの流路上に配置された圧力スイッチ35cがポンプ圧を検知する。
ステップS9では、圧力スイッチ35cが、コントローラ41に対してポンプ圧の検出信号を送信する。
【0041】
ステップS10では、コントローラ41が、圧力スイッチ35cからの検出信号を受信する。
ステップS11では、コントローラ41が、受信した検出信号を圧力スイッチ35cからの信号であることを判断した後、両映像を表示する状態から左後方カメラ11aの映像43aを拡大して表示する状態(図5参照)に切り換える。これにより、ステップS6と同様に、上部旋回体3の後方の旋回範囲を視認することが可能となり、オペレータにとって視認すべき方向が見易く表示されるようになるので、操作の際の安全性が向上する。
【0042】
ステップS12では、再度、圧力スイッチ35cが、ポンプ圧を検知できるかどうかの確認を行い、ポンプ圧を検知できる場合は、そのまま左後方カメラ11aの映像を拡大して表示した状態を持続するためにステップS11に移る。
ステップS13では、ステップS12において、圧力スイッチ35cが、ポンプ圧を検知できない場合であって、この時、モニタ画面42に表示された左後方カメラ11aの映像43aを拡大して表示した状態は、両映像を表示する状態に戻る。
【0043】
監視装置11では、上記に示した手順に従って処理を行うことによって、オペレータが操作する旋回操作レバー27の内容に従って、モニタ画面42の表示を切り換えている。
[油圧ショベル1の特徴]
(1)
本実施形態の油圧ショベル1に搭載された監視装置11では、恒常的に上部旋回体3の左後側を映す左後方カメラ11aと、上部旋回体3の右後側を映す右後方カメラ11bと、それぞれのカメラ映像43a・43bを一つの画面上に表示するモニタ画面42と、オペレータが操作レバーを操作した場合には、操作レバーの操作方向とは反対側の方向を映すカメラ映像(旋回操作レバー27を左旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の右後側を映すカメラ11bの映像、旋回操作レバー27を右旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の左後側を映すカメラ11aの映像)を拡大して表示するように切り換えるコントローラ41と、を備えている。
【0044】
これにより、上部旋回体3の可動範囲を映し出すまでにタイムラグが発生することなく、上部旋回体3の可動開始と同時に、上部旋回体3の後方端部における可動範囲の映像を表示することが可能となる。また、オペレータにとって最も視認したい方向の映像が自動的に拡大して表示されるので、オペレータはその方向に障害物がないかをしっかりと確認することが可能となる。
【0045】
この結果、油圧ショベル1を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
(2)
本実施形態の油圧ショベル1に搭載された監視装置11では、オペレータが旋回操作レバー27を左旋回するように操作すると、上部旋回体3の後方を映すカメラ映像43a・43bの中から上部旋回体3の右後側を映すカメラの映像43bが自動的にモニタ画面42に拡大して表示された状態(図5参照)となり、旋回操作レバー27を右旋回するように操作すると、上部旋回体3の後方を映すカメラ映像43a・43bの中から上部旋回体3の左後側を映すカメラの映像43aが自動的にモニタ画面42に拡大して表示された状態(図5参照)となる。
【0046】
これにより、上部旋回体3を旋回しようとする際に、オペレータが最も視認したい方向のカメラ映像がオペレータによる操作を介さずに自動的に表示されるので、オペレータの操作負担を軽減することが可能となる。
(3)
本実施形態の油圧ショベル1に搭載された監視装置11では、それぞれのカメラ映像43a・43bをモニタ画面42の一つの画面上に表示している。
【0047】
これにより、上部旋回体3を動かそうとする前にそれぞれカメラ映像を視認することができるので、上部旋回体3を動かした直後の安全性をより向上させることが可能となる。
[第2の実施形態]
本発明の他の実施形態に係る監視装置52を搭載した油圧ショベル(建設機械)51は、上記の実施形態に係る監視装置11に、図2〜図4において破線で示された後方カメラ11cを追加したものである。
【0048】
そして、後方カメラ11cは、図4に示すように、上部旋回体3後方に配置されたカウンタウエイト5の上面における後方の中央部に配置されており、上部旋回体3の後方を映している。これにより、下部走行体2が後退する際の可動範囲を恒常的に映し出すことができる。
なお、本発明の他の実施形態に係る監視装置52を搭載した油圧ショベル51について、図7、図8を用いて説明すれば以下の通りである。
【0049】
また、上記の実施形態において説明した油圧ショベル51の全体構成、油圧及び電気回路20、監視装置52全体を構成する機能ブロック図等、図1〜図4に該当する上記の実施形態と共通する部分についての詳細は、ここではその説明を省略する。
<モニタ画面42における画面制御のフローチャート>
モニタ画面42は、通常の作業時には、図7に示すように、モニタ画面42の1画面に左後方カメラ11aが映す映像43a、右後方カメラ11bが映す映像43bおよび後方カメラ11cが映す映像43cの3映像を表示する。本フローチャート(図8参照)は、この通常の作業時に表示される状態を基準とし、この状態をステップS21として説明を行う。
【0050】
ステップS22では、オペレータが操作する操作レバーの種類を判断している。オペレータが操作する操作レバーが旋回操作レバー27の場合、ステップS23に移り、走行操作レバーである場合、ステップS34に移る。
ステップS23では、オペレータが旋回操作レバー27を操作する。以降、左旋回するように操作した場合はステップS24に移り、右旋回するように操作した場合は、ステップS29に移る。
【0051】
ステップS24では、オペレータが上部旋回体3を左旋回させるように旋回操作レバー27の操作を行った時であって、この時、パイロット管路28aの流路上に配置された圧力スイッチ35dがポンプ圧を検知する。
ステップS25では、圧力スイッチ35dが、コントローラ41に対してポンプ圧の検出信号を送信する。
【0052】
ステップS26では、コントローラ41が、圧力スイッチ35dからの検出信号を受信する。
ステップS27では、コントローラ41が、受信した検出信号を圧力スイッチ35dからの信号であることを判断した後、3映像を表示する状態から右後方カメラ11bの映像43bを拡大して表示する状態(図7参照)に切り換える。これにより、上部旋回体3の後方が旋回する範囲を視認することが可能となり、オペレータにとって視認すべき方法が見易く表示されるようになるので、操作の際の安全性が向上する。
【0053】
ステップS28では、再度、圧力スイッチ35dが、ポンプ圧を検知できるかどうかの確認を行い、ポンプ圧を検知できる場合は、そのまま右後方カメラ11bの映像を拡大して表示した状態を持続するためにステップS27に移る。
ステップS40では、ステップS28において、圧力スイッチ35dが、ポンプ圧を検知できない場合であって、この時、モニタ画面42に表示された右後方カメラ11bの映像43bを拡大して表示した状態は、3映像を表示する状態に戻る。
【0054】
ステップS29では、オペレータが上部旋回体3を右旋回させるように旋回操作レバー27の操作を行った時であって、この時、パイロット管路28bの流路上に配置された圧力スイッチ35cがポンプ圧を検知する。
ステップS30では、圧力スイッチ35cが、コントローラ41に対してポンプ圧の検出信号を送信する。
【0055】
ステップS31では、コントローラ41が、圧力スイッチ35cからの検出信号を受信する。
ステップS32では、コントローラ41が、受信した検出信号を圧力スイッチ35cからの信号であることを判断した後、3映像を表示する状態から左後方カメラ11aの映像43aを拡大して表示する状態(図7参照)に切り換える。これにより、ステップS27と同様に、上部旋回体3の後方が旋回する範囲を視認することが可能となり、オペレータにとって視認すべき方向が見易く表示されるようになるので、操作の際の安全性が向上する。
【0056】
ステップS33では、再度、圧力スイッチ35cが、ポンプ圧を検知できるかどうかの確認を行い、ポンプ圧を検知できる場合は、そのまま左後方カメラ11aの映像を拡大して表示した状態を持続するためにステップS32に移る。
ステップS40では、ステップS33において、圧力スイッチ35cが、ポンプ圧を検知できない場合であって、この時、モニタ画面42に表示された左後方カメラ11aの映像を拡大して表示した状態は、3映像を表示する状態に戻る。
【0057】
ステップS34では、オペレータが走行操作レバー22を操作する。
ステップS35では、オペレータが下部走行体2を走行させるように走行操作レバー22の操作を行った時であって、この時、パイロット管路23a・23bの流路上に配置された圧力スイッチ35c・35dのいずれか一方がポンプ圧を検知する。
ステップS36では、圧力スイッチ35a・35bのいずれか一方が、コントローラ41に対してポンプ圧の検出信号を送信する。
【0058】
ステップS37では、コントローラ41が、圧力スイッチ35a・35bのいずれか一方からの検出信号を受信する。
ステップS38では、コントローラ41が、受信した検出信号を圧力スイッチ35c・35dのいずれか一方からの信号であることを判断した後、3映像を表示する状態から後方カメラ11cの映像43cを拡大して表示する状態(図7参照)に切り換える。これにより、下部走行体2の走行する可動範囲を視認することが可能となり、オペレータにとって視認すべき方向が見易く表示されるようになるので、操作の際の安全性が向上する。
【0059】
ステップS39では、再度、圧力スイッチ35a・35bのいずれか一方が、ポンプ圧を検知できるかどうかの確認を行い、ポンプ圧を検知できる場合は、そのまま後方カメラ11cの映像を拡大して表示した状態を持続するためにステップS38に移る。
ステップS40では、ステップS39において、圧力スイッチ35a・35bのいずれか一方が、ポンプ圧を検知できない場合であって、この時、モニタ画面42に表示された後方カメラ11cの映像を拡大して表示した状態は、3映像を表示する状態に戻る。
【0060】
監視装置52では、上記に示した手順に従って処理を行うことによって、オペレータが操作する走行操作レバー22、旋回操作レバー27の内容に従って、モニタ画面42の表示を切り換えている。
[油圧ショベル51の特徴]
(1)
本実施形態の油圧ショベル51に搭載された監視装置52では、恒常的に上部旋回体3の左後側を映す左後方カメラ11aと、上部旋回体3の右後側を映す右後方カメラ11bと、上部旋回体3の後方を映す後方カメラ11cと、それぞれのカメラ映像43a・43b・43cを一つの画面上に表示するモニタ画面42と、オペレータが操作レバーを操作した場合には、操作レバーの操作方向とは反対側の方向を映すカメラ映像(旋回操作レバー27を左旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の右後側を映すカメラ11bの映像、旋回操作レバー27を右旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の左後側を映すカメラ11aの映像)を拡大して表示するように切り換えるコントローラ41と、を備えている。
【0061】
これにより、上部旋回体3の可動範囲を映し出すまでにタイムラグが発生することなく、上部旋回体3の可動開始とほぼ同時に、上部旋回体3の後方端部における可動範囲の映像を表示することが可能となる。また、オペレータにとって視認したい方向の映像が自動的に拡大して表示されるので、オペレータはその方向に障害物となる物がないかをしっかりと確認することが可能となる。
【0062】
この結果、油圧ショベル51を操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
(2)
本実施形態の油圧ショベル51に搭載された監視装置52では、オペレータが旋回操作レバー27を左旋回するように操作すると、上部旋回体3の後方を映すカメラ映像43a・43b・43cの中から上部旋回体3の右後側を映すカメラの映像43bが自動的にモニタ画面42に拡大して表示された状態(図7参照)となる。そして、旋回操作レバー27を右旋回するように操作すると、上部旋回体3の後方を映すカメラ映像43a・43・43cbの中から上部旋回体3の左後側を映すカメラの映像43aが自動的にモニタ画面42に拡大して表示された状態(図7参照)となる。さらに、走行操作レバー22を操作すると上部旋回体3の後方を映すカメラ映像43a・43b・43cの中から上部旋回体3の後方を映すカメラの映像43cが自動的にモニタ画面42に拡大して表示された状態(図7参照)となる。
【0063】
これにより、上部旋回体3を可動しようとする際に、視認したい方向のカメラ映像がオペレータによる操作を介さずに自動的に表示されるので、オペレータの操作負担を軽減しつつ、安全性を向上させることができる。
(3)
本実施形態の油圧ショベル51に搭載された監視装置52では、それぞれのカメラ映像43a・43b・43cをモニタ画面42の一つの画面上に表示している。
【0064】
これにより、上部旋回体3を動かそうとする前にそれぞれカメラ映像を視認することができるので、上部旋回体3を動かした直後の安全性を向上させることが可能となる。
(4)
本実施形態の油圧ショベル51に搭載された監視装置52では、恒常的に上部旋回体3の左後側を映す左後方カメラ11aと、上部旋回体3の右後側を映す右後方カメラ11bと、上部旋回体3の後方を映す後方カメラ11cと、が配置されている。
【0065】
これにより、配置するカメラの数が従来より増えたので、死角となる視界の範囲を狭くすることができ、油圧ショベル51を操作する際の安全性をさらに向上させることが可能となる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
(A)
上記第1および第2の実施形態の油圧ショベル1・51では、オペレータが操作レバーを操作した場合には、操作レバーの操作方向とは反対側の方向を映すカメラ映像(旋回操作レバー27を左旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の右後側を映すカメラ11bの映像、旋回操作レバー27を右旋回するように操作した場合には、上部旋回体3の左後側を映すカメラ11aの映像)を拡大して表示するように切り換える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
物体が所定の範囲内に進入したことを感知する、例えば、図9に示すように、3台のカメラに対応する赤外線センサ(感知部)60a・60b・60c等を設けて、その赤外線センサ60a・60b・60cが物体を感知した時には、上部旋回体の後方に配置された複数のカメラ11a・11b・11cが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示する状態から、その物体を映すことが可能な位置に配置されたカメラの映像を拡大して表示するように切り換えるコントローラ41(制御部)(図2参照)を設けてもよい。なお、ここでは、図2に示す油圧および電気回路については説明を省略する。また、このとき、後方に設置するカメラの数は、3台に限らず、例えば、2台等でもよい。
【0068】
これにより、上部旋回体における後方端部の旋回範囲を映し出すまでにタイムラグが発生することなく、上部旋回体の旋回範囲に進入する物体があった場合には即座に、その物体を映す映像を表示することが可能となる。また、オペレータにとって視認すべき方向の映像が拡大して表示されるので、オペレータはその方向に障害物がないかをしっかりと確認することが可能となる。
【0069】
この結果、油圧ショベルを操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
(B)
上記第1および第2の油圧ショベル1・51では、オペレータによる操作レバー(走行操作レバー22あるいは旋回操作レバー27)の操作を検知して、モニタ画面42に表示される状態を切り換える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
例えば、図9に示すように、所定の範囲内に進入する物体を感知する赤外線センサ60a・60b・60cをさらに設けて、その赤外線センサ60a・60b・60cが物体を感知した時には、優先的にその物体を映す位置に配置されたカメラ映像を拡大して表示するように切り換えるコントローラ41(第3の表示制御部)(図2参照)を設けてもよい。 これにより、突発的に事象、あるいは、オペレータが気づかないような事象に対しても、自動的にその事象を映した映像が拡大して表示されるようになる。
【0071】
この結果、オペレータが予測しなかった問題を回避することができるようになるので、油圧ショベルを操作する際の安全性をさらに向上させることができる。
なお、赤外線センサは、図9に示したように、カメラが映す範囲とセンサの感知部とが1対1の関係となるように配置するだけでなく、1つの赤外線センサを1箇所に配置して、赤外線センサが物体を感知した位置からその範囲を映す位置に配置されたカメラを特定し、その映像を拡大して表示するように制御してもよい。
【0072】
(C)
上記第1および第2の油圧ショベル1・51では、上部旋回体3後部のカウンタウエイト5に後方カメラ11a・11b・11cを配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上部旋回体の旋回範囲を映すことができる位置、例えば、上部旋回体の左右側側面にそれぞれ左後方向、右後方向を映すように監視カメラを配置してもよい。また、カウンタウエイトの側部および下部に配置してもよい。
【0073】
(D)
上記第1の油圧ショベル1では、通常の作業時におけるモニタ画面42は、左後方カメラ11aのカメラ映像43aおよび右後方カメラ11bのカメラ映像43bを左右に並べて表示する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、両映像を上下に並べて表示してもよく、全てのカメラ画像が1画面に表示されればよい。また、モニタ画面上の四隅の一箇所に小さくカメラ映像を表示してもよい。
【0074】
上記第2の実施形態の油圧ショベル51についても同様である。
(E)
上記第1の上記実施形態の油圧ショベル1では、オペレータが視認したい方向の映像を拡大して表示する場合、例えば、図5における左旋回時の表示のように、特定のカメラのみの映像が表示される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
例えば、図5において説明すれば、両画像が表示された状態において、右後方カメラの映像43bを拡大して表示する場合、左後方カメラの映像43aと右後方カメラの映像43bの大きさの割合が、例えば、2:8となるように表示する等、オペレータが最も視認したい方向の映像が、通常の作業時に表示される映像よりも拡大して表示されればよい。
(F)
上記第1および第2の上記実施形態の油圧ショベル1・51では、オペレータがキャブ6内において各種操作レバーを操作する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
例えば、危険箇所等の無人化施工の場面で使用される油圧ショベルに適用することも可能である。この場合、キャブ内における各種操作レバーの操作に該当するものとして、例えば、施工機械に搭載されたカメラ映像の表示部を備えたリモコンの操作や、モニタを備えた遠隔操作室での操作機器の操作等がこれに該当する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、所定の操作レバーの操作内容に従ってオペレータの最も視認したい方向を自動的に表示することが可能になるため、油圧ショベル以外の建設機械の監視装置への適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視装置を含む油圧ショベルの外観図。
【図2】図1の油圧ショベルに搭載されている油圧および電気回路図。
【図3】図1の監視装置を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に係る監視装置を含む油圧ショベルの後面図。
【図5】本発明の一実施形態に係るモニタ画面の表示内容を示した説明図。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示制御を示すフローチャート。
【図7】本発明の他の実施形態に係るモニタ画面の表示内容を示した説明図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る表示制御を示すフローチャート。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る監視装置を含む油圧ショベルの後面図。
【符号の説明】
【0079】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
2a 履帯
3 上部旋回体
4 作業機
5 カウンタウエイト
6 キャブ
7 ブーム
8 アーム
9 バケット
10 油圧シリンダ
11 監視装置
11a 左後方カメラ (カメラ)
11b 右後方カメラ(カメラ)
11c 後方カメラ(カメラ)
12 機器室
20 油圧および電気回路
21 パイロット圧油ポンプ
22 走行操作レバー(操作レバー)
23a・23b パイロット管路
24 方向切替弁
24a・24b パイロット圧油入力ポート
27 旋回操作レバー(操作レバー)
28a・28b パイロット管路
29a・29b パイロット圧油入力ポート
31 油圧ポンプ
32 走行油圧モータ
33 旋回油圧モータ
35a〜35d 圧力スイッチ
41 コントローラ(第1〜第3の表示制御部・制御部)
42 モニタ画面
43a カメラ映像
43b カメラ映像
51 油圧ショベル(建設機械)
52 監視装置
60a〜60d 赤外線センサ(感知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と前記下部走行体に旋回可能な状態で装着される上部旋回体とを備え、操作レバーによって前記下部走行体および前記上部旋回体の操作を行う建設機械に取り付けられた監視装置であって、
前記上部旋回体に設置された複数のカメラと、
前記複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示するモニタ画面と、
前記操作レバーの操作時には、前記操作レバーの操作方向に対して反対側の方向を映す位置に配置された前記カメラの映像を拡大して表示する第1の表示制御部と、
を備えた建設機械の監視装置。
【請求項2】
前記操作レバーは、前記上部旋回体を前記下部走行体に対して旋回させる旋回操作レバーである、
請求項1に記載の建設機械の監視装置。
【請求項3】
前記下部走行体を前後に走行させる走行操作レバーの操作時には、前記上部旋回体の後方を映すカメラの映像を拡大して表示する第2の表示制御部をさらに備えている、
請求項1または2に記載の建設機械の監視装置。
【請求項4】
前記上部旋回体の可動範囲に進入する物体を感知する感知部と、
前記感知部が前記物体を感知した時には、前記複数のカメラのうち前記物体を映す位置に配置された前記カメラの映像を前記モニタ画面に拡大して表示する第3の表示制御部と、をさらに備えている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械の監視装置。
【請求項5】
下部走行体と前記下部走行体に旋回可能に装着される上部旋回体とを備え、操作レバーによって前記下部走行体および前記上部旋回体の操作を行う建設機械に配置された監視装置であって、
前記上部旋回体に設置された複数のカメラと、
前記複数のカメラが映したそれぞれの映像を一つの画面上に表示するモニタ画面と、
前記上部旋回体の可動範囲に進入する物体を感知する感知部と、
前記感知部が前記物体を感知した時には、前記物体を映す位置に配置された前記カメラの映像を前記モニタ画面に拡大して表示する制御部と、
を備えた建設機械の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−278025(P2007−278025A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108995(P2006−108995)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)