建設機械の表示装置
【課題】 建設機械の運転室に備えられるモニタにおいて、水温計および燃料残量計を固定的に表示し、他の領域に表示する領域を任意に設定する。
【解決手段】 建設機械の画面部13Aは、水温計が表示される領域Bおよび燃料残量計が表示される領域Cが固定的に表示される固定表示領域として設けられるが、通常は油温計が表示されている領域Aは表示する情報を任意に設定することができる可変表示領域として設けられる。また、領域A、BおよびCの上部に設けられる領域Dも可変表示領域として設けられ、この領域Dは表示する情報の数に応じて複数の領域にさらに分割される。
【解決手段】 建設機械の画面部13Aは、水温計が表示される領域Bおよび燃料残量計が表示される領域Cが固定的に表示される固定表示領域として設けられるが、通常は油温計が表示されている領域Aは表示する情報を任意に設定することができる可変表示領域として設けられる。また、領域A、BおよびCの上部に設けられる領域Dも可変表示領域として設けられ、この領域Dは表示する情報の数に応じて複数の領域にさらに分割される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の運転室に配置される表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、油圧ショベル等の建設機械は、エンジンによって油圧ポンプを駆動して、この油圧ポンプから出力される圧油が作動各部に装着した油圧シリンダや油圧モータに供給されるようになっている。このような作動各部は、運転室内にオペレータが搭乗して、操作レバー等の操作手段により操作されて、土砂の掘削等の作業が行われる。
【0003】
建設機械の運転室には、オペレータに建設機械の作動状況を視認させるために各種の計器類が設けられている。このような計器類により表示されるものとしては、例えば、冷却水の水温計、作動油の油温計、燃料の残量計、エンジンの回転数計等がある。また、その他にも、建設機械を稼動している時間を示すアワーメータ、ゲートロックレバーが正規の位置にあるか否かの情報等も適宜表示することができる。
【0004】
以上のように、建設機械に関する各種情報は一括して液晶ディスプレイ等のモニタにより表示するようになってきている。ところで、このようなモニタは、オペレータの視界を確保するという観点から、その形状はできるだけコンパクトであることが好ましい。従って、このように限られた表示領域を有するモニタを使用する場合、上述した全ての情報を見易く表示することはできないため、この表示領域内で、オペレータが必要な情報を適宜選択して表示する必要がある。特に、近年の建設機械は多機能化の傾向にあるため、それに伴い表示する情報も増加の傾向を辿っているため、限られた表示領域内に表示する情報を適格に選択しなければならない。ここで、通常時には、冷却水の温度(以下、水温計という)、作動油の油温計(以下、油温計という)、燃料の残量計(以下、燃料残量計という)等の情報を含む機械状態画面を表示しておき、他の情報を表示するときには、この画面を切り替えて表示するようにする。
【0005】
ところで、上述した水温計、油温計および燃料残量計は、その値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されるものであり、比較的大きな表示領域に表示される。ここで、水温計および燃料残量計については表示の必要度は高いが、油温計はこれら2種類の情報と比較して表示の必要度は低いものである。
【0006】
従って、この油温計が表示されている領域を、他の情報を表示することができるようにすると、新たに情報を表示する領域が生まれるため、この領域を有効利用することができる。このように油温計が表示されている領域に代えて、バッテリ電圧、エンジン油圧、作動油温等が異常値になったときにコーションマークを表示するものは従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−121776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したようなモニタに表示することができる各種情報としては、例えば、水温計、油温計、燃料残量計等の計器類としての情報があるが、計器類の情報は、他に冷却水の残量(以下、冷却水レベルという)、エンジンオイルの残量(以下、エンジンオイルレベルという)、バッテリの残量(以下、バッテリレベル)やエンジン回転数等がある。また、その他にも、バックモニタや掘削位置画像等の画像情報、時計やアワーメータ、アタッチメントの使用時間等の時間情報、セキュリティー機能をONにしているか否かの情報やアタッチメントの種類の情報等の付加情報等がある。さらには、例えば、通常は掘削作業に使用される建設機械の転倒を防止するために吊り荷の制限を行うためのML(Moment Limiter)機能、オフセット式建設機械を使用するときにフロント作業機が運転室に衝突することを防止するための干渉防止機能、建設機械を管理する管理会社と通信を行うときに使用されるメール機能、各種設定を行うための設定機能等の機能情報等、様々な情報がある。
【0008】
このように、モニタに表示を行う建設機械に関する情報は様々なものがあるため、これら各種情報の中から、表示領域が限られたモニタに表示する情報を選択して表示する必要がある。このとき、モニタには、水温計や燃料残量計等の表示する必要がある情報を固定的に表示する領域を設け、その他の領域に表示する情報を作業に応じて自由に選択して、さらに表示する情報をオペレータの好みによって自由に配置することができると、オペレータの視認性が高まり、作業の効率性が向上する。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1の発明においては、油温計が表示されている領域に他の情報を表示することができるものの、この情報としては予め決められたものしか表示することができない。例えば、特許文献1の発明では、この情報としては建設機械の状態に変化が発生した場合に表示するコーションマークのような予め決められた情報しか表示することができない。
【0010】
このように、油温計に代えて別の情報を表示することができたとしても、予め決まった情報しか表示することができないということは、作業の円滑性、効率性、安全性等という観点から好ましくない。
【0011】
そこで、本発明は、建設機械に備えられるモニタに固定的に表示される領域以外の領域に表示する情報を自由に選択することができる建設機械の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の建設機械の表示装置は、建設機械の運転室に備えられ、主に前記建設機械の計器類の情報を有する機械状態画面を表示するための画面部と、前記画面部に表示される画面の表示設定の操作を行うためのボタンを複数有するボタン部と、前記画面部の表示制御を行うための表示制御部と、を有し、前記画面部は複数の領域に分割され、前記分割された複数の領域のうち1乃至複数の領域は予め決められた情報を表示するための固定表示領域として、その他の領域は前記表示制御部に入力される情報の中から選択可能な情報が表示される可変表示領域として前記画面部に表示する画面が作成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、建設機械の運転室に備えられるモニタの画面部の可変表示領域に作業目的やオペレータの好み等に応じて任意の情報を表示させることにより、作業性の向上、作業の円滑性、安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に適用される建設機械の一例として油圧ショベルを示す図であり、本実施形態の建設機械はクローラ式の下部走行体1と上部旋回体2と掘削作業手段等を備えるフロント作業機3とから概略構成される。また、上部旋回体2にはオペレータが搭乗して、機械の操作を行うための運転室(キャブ)4が設けられ、この運転室4の内部には、下部走行体1による走行、上部旋回体2による旋回、土砂の掘削等といった作業を行うためのフロント作業機3を構成するブーム3a、アーム3b、バケット3cの作動等といった操作を行うための操作レバーを含む操作手段が設けられている。
【0015】
また、この建設機械の上部旋回体2の後部位置のカウンタウエイト5には後方視野を確保するための監視用のカメラ10が取り付けられており、フロント作業機3におけるアーム3bの先端近傍部には、掘削状態を確認するためのカメラ11が取り付けられている。さらに、運転室4の上部には、外部と通信を行うためのアンテナ12aが設けられる。
【0016】
運転室4の内部には、図2に示したように、モニタ13が設置されており、このモニタ13に各種の情報を表示することにより、オペレータに各種情報を認識させることができるようになっている。通常は掘削作業を目的として使用される建設機械、特に油圧ショベルは、掘削作業を行うための十分な視界を確保するために、モニタ13はコンパクトである必要がある。このようなモニタ13は、図2に示されるように、例えばピラー7に取り付けられているものとする。
【0017】
次に、モニタ13について説明する。モニタ13は液晶画面等で構成され、図3に示されるように、各種情報を表示する画面部13Aとオペレータや管理者等の操作を行う者(以下、操作者)が操作することができるボタン部13Bとを有して構成される。そして、画面部13Aは、複数の表示領域に分割されるが、図3に示されるような例においては、領域A、B、CおよびDを有する第1の表示領域FAと第2の表示領域SAとに分割され、第1の表示領域FAは画面部13Aの大部分を占有し、第2の表示領域SAは画面部13Aの下部に細い帯状の領域として形成され、この細い帯状の領域は複数の区画に分割されている。図3に示されるように、第2の表示領域SAは7つの区画に等分に分割されるものとし、これら等分に分割された各区画は区画形成部IF1乃至IF7として形成される。一方、第1の表示領域FAは4つの領域A、B、CおよびDに分割され、領域A、BおよびCと領域Dとは第1の表示領域FAの中において上下で2分割され、第1の表示領域FAの領域D以外の領域を3等分に分割された領域が夫々領域A、BおよびCとして形成される。
【0018】
これら領域A、BおよびCは、基本的には、油温計、水温計および燃料残量計を表示するための領域であり、領域Dは、任意の情報を表示することができる領域である。このように、第1の表示領域FAは、領域A、BおよびCと領域Dとにより上下で2分割されるが、領域A、BおよびCは、油温計、水温計および燃料残量計が、その値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されるため、オペレータが視認しやすいように、領域A、BおよびCは、ある程度の大きさを有して構成される。
【0019】
ここで、表示領域A、BおよびCのうち、領域BおよびCについては、水温計および燃料残量計が固定的に表示される固定表示領域として設けられる。ここで、固定表示領域とは、図3に示されるような機械状態画面において、表示する情報を設定することができない領域のことをいう。すなわち、機械状態画面における固定表示領域では、常に決まった情報を表示するようにしているため、自由に表示する情報を選択することはできない。ただし、機械状態画面ではない他の画面、例えば後述する第1および第2の設定画面においては、この固定表示領域には別の情報が表示される。これに対して、領域Aには、基本的には油温計が表示されているものとするが、この領域Aについては、操作者の設定を行うものが表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられる。ここで、可変表示領域に表示することができる情報としては、後述する表示制御装置20が取得することができる情報であるとする。また、領域Dについても、通常は時計およびアワーメータが表示されるが、この領域Dについても、表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられる。
【0020】
また、領域Dは、通常は時計およびアワーメータの2種類の情報を表示するために、さらに分割領域D1および分割領域D2の2つの領域に分割される。そして、この領域Dに時計およびアワーメータの他にさらに別の情報を表示したい場合は、領域Dは表示する情報の数に応じて分割される。
【0021】
ボタン部13Bはオペレータにより押下されるボタンであり、図3に示されるように、本実施形態では9個のボタンF1乃至F9を有して構成される。すなわち、ボタンF1乃至F7は画面部13Aの直下に一列に配置され、ボタンF8およびF9はボタン部F1乃至F7のさらに直下に一列に配置されている。これらのうち、ボタンF8は初期の設定を行うための機能を立ち上げるためのボタンであり、ボタンF9は建設機械の後方の視野を確保するために設けられる映像を映すためのボタンである。
【0022】
一方、ボタンF1乃至F7は、これらボタンF1乃至F7の直上にある区画形成部IF1乃至IF7に夫々対応ように設けられる。ここで、区画形成部IF1乃至IF7には、画面の操作を行うためのアイコンが表示される。例えば、図3において、区画形成部IF7に表示されている「配置設定」というアイコンIC7は、画面部13Aに表示する情報を選択し、配置を決定するための設定画面を呼び出すためのアイコンである。オペレータは、区画形成部IF1乃至IF7に表示されるアイコンの直下にあるボタンF1乃至F7を押下することにより、アイコンに基づいた操作を行うことができる。本実施形態では、第2の表示領域SAは7つの区画に分割されているため、異なる7個のアイコンICを同時に表示することができる。
【0023】
図3において、第2の表示領域SAは7つの区画形成部IF1乃至IF7に分割され、これら区画形成部IF1乃至IF7の直下に夫々対応するようにボタンF1乃至F7を設けたが、これに限られず、第2の表示領域SAは任意の数の区画に分割することができる。ただし、分割された区画の数が少ない場合、操作を行うためのアイコンの種類が少なくなってしまう。一方、多くの区画に分割されると、表示することができるアイコンの数が増えるために複雑な操作も可能になるが、区画の数に応じてボタンの数も増えてしまい、操作者が意図しないボタンを押下してしまう可能性がある。すなわち、操作者がオペレータである場合、建設機械のオペレータは通常手袋をして操作を行っているため、小型のモニタ13に多くのボタンを設けると、誤って隣のボタンを押下することがあるため、多くのボタンを設けることは好ましくない。本実施形態では、このような観点から第2の表示領域SAを7つの区画形成部IF1乃至IF7に分割し、これら区画形成部IF1乃至IF7に対応するようにボタンF1乃至F7を設けたが、これに限られるものではない。
【0024】
そして、本実施形態のモニタ13には、画面部13Aの表示制御を行うための表示制御装置20が設けられる。この表示制御装置20は、画面部13Aの各表示領域にどのような情報を表示するかの制御行うための制御装置であるが、画面部13Aに表示される情報としては可変表示領域があるため、この可変表示領域に表示する情報は、表示制御装置20に接続されるセンサや検出器等から取得する。図4に示されるように、本実施形態の表示制御装置20は、ROM(Read Only Memory)21とCPU(Central Processing Unit)22とRAM(Random Access Memory)23とボタン入力制御部24と画面部出力制御部25と車体通信部26とアイコン表示位置記憶部27と表示画面作成部27と項目設定情報記憶部28と設定画面記憶部29とがバス30を介して接続されている。そして、バス30には、冷却水センサ41、作動油センサ42、燃料残量センサ43、エンジンオイルセンサ44およびエンジン回転数センサ45が接続されており、冷却水センサ41は冷却水の温度および量を、作動油センサ42は作動油の温度および量を、燃料残量センサは燃料残量を、エンジンオイルセンサ44はエンジンオイルの残量を、エンジン回転数センサ45はエンジンの回転数を、バッテリ残量センサ46はバッテリの残量をデジタルデータとして表示制御装置20に常時送っている。なお、建設機械には、上述したようなセンサの他にも、各種センサや検出器等が設けられている。
【0025】
ROM21は本実施形態の表示制御を行うためのプログラムを格納するための記憶装置であり、CPU22はROM21に格納されているプログラムの実行を行うための処理装置であり、RAM23はプログラムの実行時にワークエリアとして使用される記憶装置である。ボタン入力制御部24は、ボタンF1乃至F7が押下されたときには、その旨をCPU22に出力する制御部である。画面部出力制御部25は画面部13Aに表示される画面の制御を行うための制御部である。車体通信部26は、車体ネットワーク60を介して、エンジンや油圧機構等の状態を記憶する情報記録装置51、エンジンの回転数の制御等を行うエンジン制御装置52、例えば電磁弁の制御等を行うための油圧制御装置53と表示制御装置20との間で行われる情報の授受を制御するための通信部である。表示画面作成部27は、操作者が設定した内容に基づいて画面部13Aに表示する画面のレイアウト(目盛り、針、数字、文字等の表示を含む)を作成するための作成部である。項目設定情報記憶部28は、項目ごとに表示するか否かの情報とどの領域に表示するかの設定内容を記憶するための記憶部である。設定画面記憶部29は、表示設定を行うための第1および第2の設定画面を記憶するための記憶部である。
【0026】
次に、本実施形態の表示制御について、図5のフローチャートを用いて説明する。最初に、図3に示されるように、基本的にはモニタ13Aの第1の表示領域には、領域Aに油温計が、領域Bに水温計が、領域Cに燃料残量計が、領域Dの分割領域D1に時計が、分割領域D2にアワーメータが表示されている。そして、第2の表示領域SAの区画形成部IF7には、画面の設定を行うためのアイコンIC7が表示されている。
【0027】
以上のように表示がされているモニタ13において、最初に、操作者がアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下する(ステップS1)。ボタンF7が押下されると、その旨の信号がCPU22に出力され、CPU22は設定画面記憶部29から図6に示されるような第1の設定画面を読み出して、画面部出力制御部25を制御することにより、画面部13Aに第1の設定画面を表示する(ステップS2)。
【0028】
図6の第1の設定画面において、第1の表示領域FAには表示設定を行う対象となる項目を選択するための画面が表示される。表示項目は操作者が表示の設定を行う対象となる項目であり、表示の有無は各項目について表示するか否かを示し、表示位置は各項目を画面部13Aのどの領域に表示するかを示す。ここで、図6に示されるように、油温計、時計およびアワーメータの3つの項目の他に追加項目が2つ設けられる。すなわち、領域Bは水温計を、領域Cは燃料残量計を固定的に表示するための固定表示領域として設けられ、領域Aおよび領域Dは操作者が表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられているため、図6において設定が可能な項目としては、基本的には領域Aに表示されている油温計、領域Dに表示されている時計やアワーメータ等であり、水温計および燃料残量計は、固定表示領域に表示されるものであるため、設定項目の対象外である。なお、特に設定を行っていない場合は、領域Aには油温計が表示される設定になっている。すなわち、基本的には、計器類として水温計、油温計および燃料残量計の3種類の情報を表示する必要があるため、初期の設定では油温計が領域Aに表示されるように設定がされている。また、油温計は設定の重要度が高いため、第1の設定画面において、領域Aの項目は一番先頭に設けられる。
【0029】
ここで、追加項目としては、例えば、冷却水センサ41が検出する冷却水の量、作動油センサ42が検出する作動油の量、エンジンオイルセンサ44が検出するエンジンオイルの量、エンジン回転数センサ45が検出するエンジンの回転数、バッテリ残量センサ46が検出するバッテリの残量等がある。また、他にも、燃費を検出するセンサやブレーキの油圧を検出するセンサ等が設けられる場合には、これらセンサが検出する値を追加項目として設けることもできる。すなわち、表示制御装置20に情報を入力することができるものであれば、任意のものを追加項目の候補として設けることができる。
【0030】
そして、操作者は第1の設定画面から設定を行う項目を選択する。この項目の選択はカーソル(図6において背景が斜線の箇所)により行う。ここで、図6に示されるように、第2の表示領域SAの区画形成部IF4には「上」というアイコンIC4が、IF5には「下」というアイコンIC5が、IF6には「変更」というアイコンIC6が、IF7には「確定」というアイコンIC7が新たに表示されている。これらのうち、「上」というアイコンIC4はカーソルを1個上に移動させるものであり、「下」というアイコンIC5はカーソルを1個下に移動させるものであり、「変更」というアイコンIC6は画面の表示設定を決定するためのものであり、「確定」というアイコンIC7は全ての設定を確定して、設定内容を反映させた画面に戻るためのものである。
【0031】
操作者は、アイコンIC4またはIC5の直下にあるボタンF4またはF5を押下することにより、設定を行う対象となる項目の位置までカーソルを移動し(ステップS3)、その項目の位置でボタンF6を押下することにより設定を行う対象となる項目を決定する(ステップS4)。
【0032】
ボタンF6が押下された旨の信号がCPU22に入力されると、CPU22は設定画面記憶部29から第2の設定画面を読み出して、画面部出力制御部25を制御して、画面部13Aに第2の設定画面を表示する(ステップS5)。第2の設定画面において、表示の有無とは設定を行う対象となる項目を表示するか否かを示し、表示の位置とは領域Aまたは領域Dの何れに表示するかを示す。
【0033】
このような第2の設定画面で、操作者は選択された項目の表示の有無と表示する領域を決定する。このとき、第2の設定画面では、第2の表示領域SAの区画形成部IF2には「左」というアイコンIC2が、IF3には「右」というアイコンIC3が、IF4には「上」というアイコンIC4が、IF5には「下」というアイコンIC5が、IF6には「変更」というアイコンIC6が、IF7には「戻る」というアイコンIC7が新たに表示されている。これらアイコンのうち、アイコンIC2乃至IC5は、カーソルを左右上下に動かすものであり、アイコンIC6は第2の設定画面における設定内容を確定させるものであり、アイコンIC7は第2の設定画面における設定内容を確定させないで第1の設定画面に戻るためのものである。
【0034】
操作者はアイコンIC2乃至IC5の直下にあるボタンF2乃至F5を押下することにより、カーソルを移動させ、表示の有無および表示の位置の夫々について設定を行い、ボタンF6を押下することにより設定内容を確定させる(ステップS6)。
【0035】
このとき、ボタンF6が押下された旨の信号がCPU22に入力されると、CPU22は設定された各項目の表示の有無および表示する領域についての設定内容を項目設定情報記憶部29に記憶する。
【0036】
その後、CPU22は、設定画面記憶部29から第1の設定画面を読み出して、画面部出力制御部26を制御して、第1の設定画面を画面部13Aに表示する(ステップS7)。操作者は、さらに他の項目について表示の有無および表示する領域の設定を行うときには、ステップS3以降の作業を続行させる。一方、他の項目についての設定を行わない場合は、ボタンF7を押下する(ステップS9)。このボタンF7が押下されると、CPU22は、表示画面作成部27に画面部13Aに表示される画面のレイアウトを作成するように指示を出す。表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28に記憶された各項目の設定内容に基づいて画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成し、画面部13Aのようなレイアウトが表示されるように画面部出力制御部27を制御する。このとき、油温計を領域Aではなく領域Dに表示するときは、表示領域が小さくなるために、縮小して表示するか、例えばデジタル形式やバー形式等に変換した画面を作成する。また、時計やアワーメータ等を領域Dではなく領域Aに表示するときは、表示領域が大きくなるために、拡大して表示するか、時計であればアナログ形式等に変換した画面を作成する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態では、通常は油温計が表示されている領域Aにそのまま油温計を表示することも可能であるし、油温計に代えて別の項目を表示することも可能である。また、油温計、水温計または燃料残量計等の計器類が表示される領域A、BまたはC以外の領域Dについても表示する項目を自由に設定することができる。この項目は、時計やアワーメータ等の情報に限られず、表示制御装置20が得ることができる情報であればよいため、現在建設機械に備えられている機構はもとより、新たに追加された機構についても、その機構についての情報を表示制御装置20に出力することにより、油温計に代えて領域Aに表示することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、機械状態画面から第1の設定画面に遷移するときに、ボタンF7を使用したが、例えば、メニューボタンであるボタンF8が押下されたときに機械状態画面から第1の設定画面に遷移するようにすると、機械状態画面において、第2の表示領域SAも領域A、B、Cに割り当てることができるし、別の情報を表示するための新たな領域として設けることもできる。すなわち、機械状態画面において、第2の表示領域SAの区画形成部D7に表示されている「配置設定」というアイコンIC7に対応するボタンF7を押下することにより、機械状態画面から第1の設定画面に遷移するようにしたが、例えば、メニューボタンであるボタンF8を機械状態画面から第1の設定画面に遷移するように割り当てると、第2の表示領域SAにはアイコンを表示する必要がなくなるため、第2の表示領域SAを領域A、B、Cに割り当てることもできるし、別の情報を表示することもできる。
【0039】
また、選択できる項目として、油温計、時計、アワーメータおよび追加された2つの追加項目を設けたが、さらに多くの項目を設けてもよい。このように、多くの項目を設けることにより、オペレータが領域Aに表示することができる選択の幅が広がる。
【0040】
また、領域Bおよび領域Cを、夫々水温計および燃料残量計が固定的に表示される固定表示領域として設けたが、水温計または燃料残量計を表示する必要がない場合は、領域Bまたは領域Cをオペレータが任意に表示の設定を行うことができる可変表示領域として設けてもよい。
【0041】
また、領域Aを可変表示領域とし、領域Bおよび領域Cを固定表示領域としたが、領域A、BまたはCのうち何れか2つの領域を水温計および燃料残量計が表示される固定表示領域とし、残りの1つの領域を可変表示領域としてもよい。
【0042】
また、画面部13Aを領域A、B、CおよびDの4つの領域に分割したが、これら4つの領域の形状は必ずしも固定されているものではなく、伸縮自在に構成してもよい。
【0043】
さらに、区画形成部IF1乃至IF7に表示されるアイコンIC1乃至IC7とボタンF1乃至F7とが対応するようにボタンF1乃至F7は区画形成部IF1乃至IF7の直下に設けたが、アイコンIC1乃至IC7とボタンF1乃至F7とが対応していることをオペレータが容易に把握することができれば、例えば画面部13Aの直上位置や直近した左右位置等のように、モニタ13の任意の位置に設けられてもよい。
【実施例1】
【0044】
次に、実施例1について説明する。本実施例では、油温計、エンジンの回転数計、燃費およびアタッチメントアワーメータの4つの項目を選択することができるものとする。これらのうち、燃費とは現在の建設機械の燃費の状態を表示するためのものであり、アタッチメントアワーメータとはアタッチメントの使用時間を表示するためのものである。本実施例では、このように燃費およびアタッチメントアワーメータを表示するために、車体ネットワーク60に新たに燃費を取得する機構と、アタッチメントの装着時間を取得する機構とを追加する。
【0045】
また、領域Dは、分割領域D1、D2、D3およびD4の4つの領域に分割されるものとする。本実施例では、このうち、分割領域D1およびD2については時計およびアワーメータが固定的に表示されるものとし、任意に選択できる領域としては、領域A、分割領域D3およびD4の3つの領域であるものとする。そして、領域Aには油温計が表示されるように設定されているが、分割領域D3およびD4については何も表示されていない設定がされているものとする。
【0046】
本実施例では、操作者は、油温計を非表示状態にし、領域Aにエンジンの回転数計を表示し、分割領域D3にアタッチメントアワーメータを、分割領域D4に燃費を表示するように設定するものとする。
【0047】
最初に、図3に示されるような画面において、「配置設定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下すると、図8のような第1の設定画面が表示される。オペレータは、油温計を非表示状態にするため、「上」というアイコンIC4の直下にあるボタンF4または「下」というアイコンIC5の直下にあるボタンF5を押下することにより油温計の項目にカーソルを移動し、「変更」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下することにより項目を決定する。
【0048】
ボタンF6が押下されると、図9のような第2の設定画面が表示される(ステップS5)。そして、操作者は、油温計を非表示状態にするために、「左」というアイコンIC2に対応するボタンF2または「右」というアイコンIC3に対応するボタンF3を押下することにより、表示の有無を「表示しない」にカーソルを移動する。これにより、油温計は非表示状態となるため、表示の位置については、カーソルを示す背景の斜線をなくし、表示の位置についてはカーソルを移動できなくするようにしてもよい。この状態で、「変更」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下すると、油温計の項目については表示しないという情報が項目設定情報記憶部28に記憶される。
【0049】
そして、画面は第2の設定画面から第1の設定画面に遷移するため、操作者は同様の操作を行い、エンジンの回転数計については領域Aに表示させるように、アタッチメントアワーメータについては分割領域D3に、燃費については分割領域D4に表示させるように設定を行う。このような各項目の設定時において、エンジンの回転数計は領域Aに表示し、アタッチメントアワーメータについては分割領域D3に表示し、燃費については分割領域D4に表示する情報を項目設定情報記憶部28が記憶する。
【0050】
全ての項目が終了した後に、第1の設定画面において、「確定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下すると、表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28から各項目の表示に関する情報を読み出して、領域Aにはエンジンの回転数計が、分割領域D3にはアタッチメントアワーメータが、分割領域D4には燃費が表示されるような画面のレイアウトを作成する。このとき、領域Bには水温計が、領域Cには燃料残量計が、分割領域D1には時計が、分割領域D2にはアワーメータが固定的に表示するための固定表示領域として設けられているため、これら固定表示領域を合わせて画面部13Aの第1の表示領域MSに表示される画面のレイアウトを作成して、図11に示されるような画面のレイアウトに従って表示するように、画面部出力制御部25を制御して、表示を行う。
【0051】
以上により、本実施例では、領域Bには水温計が、領域Cには燃料残量計が、分割領域D1には時計が、分割領域D2にはアワーメータが固定的に表示される固定表示領域として設けられているが、領域A、分割領域D3および分割領域D4はオペレータが任意に設定することができる可変表示領域として設けられているため、これら領域に表示する項目を自由に設定することができる。従って、オペレータにとってエンジンの回転数が重要である場合には、ある程度の大きさを有する領域Aにエンジンの回転数計を表示することにより、エンジンの回転数を容易に視認することができる。また、領域Dにアタッチメントアワーメータと燃費を表示することにより、アタッチメントの使用時間および現在の建設機械の燃費を把握することができる。
【実施例2】
【0052】
次に、実施例2について説明する。本実施例では、領域Dの分割領域D1に時計が、分割領域D2にアワーメータが固定的に表示されるのではなく、これら時計およびアワーメータについてもオペレータが自由に表示する領域を選択することができるようにする。また、通常、領域Dにおいてデジタル形式で表示されている時計が、領域Aに表示されるときにはアナログ形式で表示されるものとする。さらに、通常、領域Aにおいて作動油温計42が計測する値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されている油温計が、領域Dに表示されるときには、バー形式で表示されるものとする。
【0053】
本実施例で、操作者は、領域Aに時計を、分割領域D1にアタッチメントアワーメータを、分割領域D2にアワーメータを、分割領域D3に掘削アワーメータを、分割領域D4に油温計を表示するようにする。ここで、掘削アワーメータとは、建設機械が掘削作業に供された時間をいい、アタッチメントとしてバケットが取り付けられている時間を計測しているものをいう。
【0054】
本実施例において、図3に示されるような画面において、操作者が「配置設定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下することにより、第1の設定画面に遷移する。第1の設定画面において、図12に示されるように、油温計を分割領域D4に、時計を領域Aに、アワーメータを分割領域D2に、アタッチメントアワーメータを分割領域D1に、掘削アワーメータを分割領域D3に表示されるように設定を行う。
【0055】
以上のような設定を行うために、第1および第2の設定画面において、ボタンF2乃至F7を操作して、各項目の設定を行う。そして、1つの項目の設定が終了すると、その設定内容が項目設定情報記憶部28に記憶される。ここで、本実施例では領域Dの分割領域D1、D2、D3およびD4の4つの領域を全て設定することができるようにするため、図13に示されるように、表示の位置は5つの領域から選択できるようにする。このとき、既に他の項目で選択済みの領域については選択できないようにしてもよい。例えば、領域Aに既に時計が表示されていると選択されているときは、他の項目を第2の設定画面で設定を行うときは、領域Aにはカーソルが移動しないようにしてもよい。また、カーソルは移動することができるが、設定内容を確定させるボタンF6を押下したときにエラーメッセージを表示して操作者に通知するようにしてもよい。
【0056】
そして、全ての項目について表示の設定が終了して、操作者が第1の設定画面においてボタンF7を押下して確定すると、各項目の設定内容が記憶されている項目設定情報記憶部28を読み出して、表示画面作成部27は画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成して、画面部出力制御部25を作成されたレイアウトに従って表示するように制御して、図14に示されるような画面を画面部13Aに表示する。このとき、表示画面作成部27は、ある程度の大きさを有する領域Aには時計をデジタル形式ではなく、オペレータが視認しやすいアナログ形式で表示し、比較的小さい領域である分割領域D4に表示される油温計は、ゲージの傾斜角が変化するアナログ形式ではなく、例えば図14に示されるようなバー形式で表示する画面を作成する。このとき、油温計は、バー形式ではなく、デジタル形式で表示されてもよい。要は、小さい領域である分割領域D4に表示することができる形式で表示するようにする。
【0057】
なお、実施例1および本実施例において、追加項目として、エンジンの回転数計、燃費、アタッチメントアワーメータおよび掘削アワーメータを挙げたが、これに限られず、例えばアタッチメントとしてブレーカが取り付けられている時間であるブレーカアワーメータ等を設けてもよい。他にも、燃料残量計43と燃費を検出する機構とから建設機械の残りの作動可能な時間を算出して、この時間を追加項目としてもよい。
【0058】
また、追加項目として、建設機械に備えられる機能に関する情報を表示するようにしてもよい。この機能としては、ML機能という機能がある。建設機械は、通常は掘削作業に使用されるが、アタッチメントをフック付きのバケットに交換することにより、クレーン作業を行うことができる。このクレーン作業を行うときに、建設機械が転倒することを防止するために、吊り荷の制限値である定格荷重と実際の荷重である実荷重とを表示する必要がある。このような定格荷重と実荷重との情報を追加項目として設け、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【0059】
また、機能としては、干渉防止機能という機能がある。オフセット式の建設機械を使用する場合、フロント作業機が運転室の衝突しないようにするために、フロント作業機の動作範囲を設定する必要がある。このとき設定をするために必要な情報を表示する必要があるため、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【0060】
さらに、建設機械を管理する管理会社と通信を行うためのメール機能や各種設定を行うための設定機能を使用するための情報を追加項目として設け、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【実施例3】
【0061】
次に、実施例3について説明する。本実施例は、後方視野を確保するための監視用のカメラ10または掘削状態を確認するためのカメラ11を画面部13Aに表示するように制御したものである。
【0062】
本実施例では、領域Aにカメラ10または11の映像を、分割領域D1に時計を、分割領域D2にアワーメータを、分割領域D3に掘削アワーメータを、分割領域D4に油温計を表示するように選択したものとする。そして、全ての項目の選択が終了すると、第1の設定画面において操作者はボタンF7を押下して設定を確定させると、表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28から各項目の設定内容を読み出して、画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成する。
【0063】
このとき、カメラ10または11の映像は大きな領域に表示されなくてはならないため、本実施例では、領域A、BおよびCを1つの領域Eとする。このとき、領域Eは領域A、BおよびCが1つになったものであるため、領域Eには必ず水温計と燃料残量計とが表示されなくてはならない。しかしながら、カメラ10または11の映像の領域は最大限の大きくとることが好ましいため、水温計を表示する領域E2および燃料残量計を表示する領域E3は、図15に示されるように、オペレータが視認することができる最小限の大きさにより形成されるようにし、領域E2およびE3以外を領域E1としてカメラ10または11の映像の領域として割り当てられた画面を表示画面作成部27は作成する。
【0064】
なお、本実施例では、領域E2に水温計を、領域E3に燃料残量計を表示するようにしたが、これに限られず、領域E2に燃料残量計を、領域E3に水温計を表示してもよい。要は、領域Eのうち大部分をカメラ10または11からの映像を表示する領域と、水温計および燃料残量計を表示する領域とに分割するように制御すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】建設機械の全体構成図である。
【図2】運転室の内部の概略構成図である。
【図3】モニタの構成図である。
【図4】表示制御装置の概略構成図である。
【図5】表示制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の設定画面の画面図である。
【図7】第2の設定画面の画面図である。
【図8】実施例1における第1の設定画面の画面図である。
【図9】実施例1における第2の設定画面の画面図である。
【図10】実施例1における第1の設定画面の画面図である。
【図11】実施例1における設定後のモニタの画面図である。
【図12】実施例2における第1の設定画面の画面図である。
【図13】実施例2における第2の設定画面の画面図である。
【図14】実施例2における設定後のモニタの画面図である。
【図15】実施例3における設定後のモニタの画面図である。
【符号の説明】
【0066】
13 モニタ 13A 画面部
20 表示制御装置
A、B、C、D、E 領域
D1、D2、D3、D4、E1、E2、E3 分割領域
IC1〜IC7 アイコン
IF1〜IF7 区画形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の運転室に配置される表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、油圧ショベル等の建設機械は、エンジンによって油圧ポンプを駆動して、この油圧ポンプから出力される圧油が作動各部に装着した油圧シリンダや油圧モータに供給されるようになっている。このような作動各部は、運転室内にオペレータが搭乗して、操作レバー等の操作手段により操作されて、土砂の掘削等の作業が行われる。
【0003】
建設機械の運転室には、オペレータに建設機械の作動状況を視認させるために各種の計器類が設けられている。このような計器類により表示されるものとしては、例えば、冷却水の水温計、作動油の油温計、燃料の残量計、エンジンの回転数計等がある。また、その他にも、建設機械を稼動している時間を示すアワーメータ、ゲートロックレバーが正規の位置にあるか否かの情報等も適宜表示することができる。
【0004】
以上のように、建設機械に関する各種情報は一括して液晶ディスプレイ等のモニタにより表示するようになってきている。ところで、このようなモニタは、オペレータの視界を確保するという観点から、その形状はできるだけコンパクトであることが好ましい。従って、このように限られた表示領域を有するモニタを使用する場合、上述した全ての情報を見易く表示することはできないため、この表示領域内で、オペレータが必要な情報を適宜選択して表示する必要がある。特に、近年の建設機械は多機能化の傾向にあるため、それに伴い表示する情報も増加の傾向を辿っているため、限られた表示領域内に表示する情報を適格に選択しなければならない。ここで、通常時には、冷却水の温度(以下、水温計という)、作動油の油温計(以下、油温計という)、燃料の残量計(以下、燃料残量計という)等の情報を含む機械状態画面を表示しておき、他の情報を表示するときには、この画面を切り替えて表示するようにする。
【0005】
ところで、上述した水温計、油温計および燃料残量計は、その値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されるものであり、比較的大きな表示領域に表示される。ここで、水温計および燃料残量計については表示の必要度は高いが、油温計はこれら2種類の情報と比較して表示の必要度は低いものである。
【0006】
従って、この油温計が表示されている領域を、他の情報を表示することができるようにすると、新たに情報を表示する領域が生まれるため、この領域を有効利用することができる。このように油温計が表示されている領域に代えて、バッテリ電圧、エンジン油圧、作動油温等が異常値になったときにコーションマークを表示するものは従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−121776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したようなモニタに表示することができる各種情報としては、例えば、水温計、油温計、燃料残量計等の計器類としての情報があるが、計器類の情報は、他に冷却水の残量(以下、冷却水レベルという)、エンジンオイルの残量(以下、エンジンオイルレベルという)、バッテリの残量(以下、バッテリレベル)やエンジン回転数等がある。また、その他にも、バックモニタや掘削位置画像等の画像情報、時計やアワーメータ、アタッチメントの使用時間等の時間情報、セキュリティー機能をONにしているか否かの情報やアタッチメントの種類の情報等の付加情報等がある。さらには、例えば、通常は掘削作業に使用される建設機械の転倒を防止するために吊り荷の制限を行うためのML(Moment Limiter)機能、オフセット式建設機械を使用するときにフロント作業機が運転室に衝突することを防止するための干渉防止機能、建設機械を管理する管理会社と通信を行うときに使用されるメール機能、各種設定を行うための設定機能等の機能情報等、様々な情報がある。
【0008】
このように、モニタに表示を行う建設機械に関する情報は様々なものがあるため、これら各種情報の中から、表示領域が限られたモニタに表示する情報を選択して表示する必要がある。このとき、モニタには、水温計や燃料残量計等の表示する必要がある情報を固定的に表示する領域を設け、その他の領域に表示する情報を作業に応じて自由に選択して、さらに表示する情報をオペレータの好みによって自由に配置することができると、オペレータの視認性が高まり、作業の効率性が向上する。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1の発明においては、油温計が表示されている領域に他の情報を表示することができるものの、この情報としては予め決められたものしか表示することができない。例えば、特許文献1の発明では、この情報としては建設機械の状態に変化が発生した場合に表示するコーションマークのような予め決められた情報しか表示することができない。
【0010】
このように、油温計に代えて別の情報を表示することができたとしても、予め決まった情報しか表示することができないということは、作業の円滑性、効率性、安全性等という観点から好ましくない。
【0011】
そこで、本発明は、建設機械に備えられるモニタに固定的に表示される領域以外の領域に表示する情報を自由に選択することができる建設機械の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の建設機械の表示装置は、建設機械の運転室に備えられ、主に前記建設機械の計器類の情報を有する機械状態画面を表示するための画面部と、前記画面部に表示される画面の表示設定の操作を行うためのボタンを複数有するボタン部と、前記画面部の表示制御を行うための表示制御部と、を有し、前記画面部は複数の領域に分割され、前記分割された複数の領域のうち1乃至複数の領域は予め決められた情報を表示するための固定表示領域として、その他の領域は前記表示制御部に入力される情報の中から選択可能な情報が表示される可変表示領域として前記画面部に表示する画面が作成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、建設機械の運転室に備えられるモニタの画面部の可変表示領域に作業目的やオペレータの好み等に応じて任意の情報を表示させることにより、作業性の向上、作業の円滑性、安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に適用される建設機械の一例として油圧ショベルを示す図であり、本実施形態の建設機械はクローラ式の下部走行体1と上部旋回体2と掘削作業手段等を備えるフロント作業機3とから概略構成される。また、上部旋回体2にはオペレータが搭乗して、機械の操作を行うための運転室(キャブ)4が設けられ、この運転室4の内部には、下部走行体1による走行、上部旋回体2による旋回、土砂の掘削等といった作業を行うためのフロント作業機3を構成するブーム3a、アーム3b、バケット3cの作動等といった操作を行うための操作レバーを含む操作手段が設けられている。
【0015】
また、この建設機械の上部旋回体2の後部位置のカウンタウエイト5には後方視野を確保するための監視用のカメラ10が取り付けられており、フロント作業機3におけるアーム3bの先端近傍部には、掘削状態を確認するためのカメラ11が取り付けられている。さらに、運転室4の上部には、外部と通信を行うためのアンテナ12aが設けられる。
【0016】
運転室4の内部には、図2に示したように、モニタ13が設置されており、このモニタ13に各種の情報を表示することにより、オペレータに各種情報を認識させることができるようになっている。通常は掘削作業を目的として使用される建設機械、特に油圧ショベルは、掘削作業を行うための十分な視界を確保するために、モニタ13はコンパクトである必要がある。このようなモニタ13は、図2に示されるように、例えばピラー7に取り付けられているものとする。
【0017】
次に、モニタ13について説明する。モニタ13は液晶画面等で構成され、図3に示されるように、各種情報を表示する画面部13Aとオペレータや管理者等の操作を行う者(以下、操作者)が操作することができるボタン部13Bとを有して構成される。そして、画面部13Aは、複数の表示領域に分割されるが、図3に示されるような例においては、領域A、B、CおよびDを有する第1の表示領域FAと第2の表示領域SAとに分割され、第1の表示領域FAは画面部13Aの大部分を占有し、第2の表示領域SAは画面部13Aの下部に細い帯状の領域として形成され、この細い帯状の領域は複数の区画に分割されている。図3に示されるように、第2の表示領域SAは7つの区画に等分に分割されるものとし、これら等分に分割された各区画は区画形成部IF1乃至IF7として形成される。一方、第1の表示領域FAは4つの領域A、B、CおよびDに分割され、領域A、BおよびCと領域Dとは第1の表示領域FAの中において上下で2分割され、第1の表示領域FAの領域D以外の領域を3等分に分割された領域が夫々領域A、BおよびCとして形成される。
【0018】
これら領域A、BおよびCは、基本的には、油温計、水温計および燃料残量計を表示するための領域であり、領域Dは、任意の情報を表示することができる領域である。このように、第1の表示領域FAは、領域A、BおよびCと領域Dとにより上下で2分割されるが、領域A、BおよびCは、油温計、水温計および燃料残量計が、その値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されるため、オペレータが視認しやすいように、領域A、BおよびCは、ある程度の大きさを有して構成される。
【0019】
ここで、表示領域A、BおよびCのうち、領域BおよびCについては、水温計および燃料残量計が固定的に表示される固定表示領域として設けられる。ここで、固定表示領域とは、図3に示されるような機械状態画面において、表示する情報を設定することができない領域のことをいう。すなわち、機械状態画面における固定表示領域では、常に決まった情報を表示するようにしているため、自由に表示する情報を選択することはできない。ただし、機械状態画面ではない他の画面、例えば後述する第1および第2の設定画面においては、この固定表示領域には別の情報が表示される。これに対して、領域Aには、基本的には油温計が表示されているものとするが、この領域Aについては、操作者の設定を行うものが表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられる。ここで、可変表示領域に表示することができる情報としては、後述する表示制御装置20が取得することができる情報であるとする。また、領域Dについても、通常は時計およびアワーメータが表示されるが、この領域Dについても、表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられる。
【0020】
また、領域Dは、通常は時計およびアワーメータの2種類の情報を表示するために、さらに分割領域D1および分割領域D2の2つの領域に分割される。そして、この領域Dに時計およびアワーメータの他にさらに別の情報を表示したい場合は、領域Dは表示する情報の数に応じて分割される。
【0021】
ボタン部13Bはオペレータにより押下されるボタンであり、図3に示されるように、本実施形態では9個のボタンF1乃至F9を有して構成される。すなわち、ボタンF1乃至F7は画面部13Aの直下に一列に配置され、ボタンF8およびF9はボタン部F1乃至F7のさらに直下に一列に配置されている。これらのうち、ボタンF8は初期の設定を行うための機能を立ち上げるためのボタンであり、ボタンF9は建設機械の後方の視野を確保するために設けられる映像を映すためのボタンである。
【0022】
一方、ボタンF1乃至F7は、これらボタンF1乃至F7の直上にある区画形成部IF1乃至IF7に夫々対応ように設けられる。ここで、区画形成部IF1乃至IF7には、画面の操作を行うためのアイコンが表示される。例えば、図3において、区画形成部IF7に表示されている「配置設定」というアイコンIC7は、画面部13Aに表示する情報を選択し、配置を決定するための設定画面を呼び出すためのアイコンである。オペレータは、区画形成部IF1乃至IF7に表示されるアイコンの直下にあるボタンF1乃至F7を押下することにより、アイコンに基づいた操作を行うことができる。本実施形態では、第2の表示領域SAは7つの区画に分割されているため、異なる7個のアイコンICを同時に表示することができる。
【0023】
図3において、第2の表示領域SAは7つの区画形成部IF1乃至IF7に分割され、これら区画形成部IF1乃至IF7の直下に夫々対応するようにボタンF1乃至F7を設けたが、これに限られず、第2の表示領域SAは任意の数の区画に分割することができる。ただし、分割された区画の数が少ない場合、操作を行うためのアイコンの種類が少なくなってしまう。一方、多くの区画に分割されると、表示することができるアイコンの数が増えるために複雑な操作も可能になるが、区画の数に応じてボタンの数も増えてしまい、操作者が意図しないボタンを押下してしまう可能性がある。すなわち、操作者がオペレータである場合、建設機械のオペレータは通常手袋をして操作を行っているため、小型のモニタ13に多くのボタンを設けると、誤って隣のボタンを押下することがあるため、多くのボタンを設けることは好ましくない。本実施形態では、このような観点から第2の表示領域SAを7つの区画形成部IF1乃至IF7に分割し、これら区画形成部IF1乃至IF7に対応するようにボタンF1乃至F7を設けたが、これに限られるものではない。
【0024】
そして、本実施形態のモニタ13には、画面部13Aの表示制御を行うための表示制御装置20が設けられる。この表示制御装置20は、画面部13Aの各表示領域にどのような情報を表示するかの制御行うための制御装置であるが、画面部13Aに表示される情報としては可変表示領域があるため、この可変表示領域に表示する情報は、表示制御装置20に接続されるセンサや検出器等から取得する。図4に示されるように、本実施形態の表示制御装置20は、ROM(Read Only Memory)21とCPU(Central Processing Unit)22とRAM(Random Access Memory)23とボタン入力制御部24と画面部出力制御部25と車体通信部26とアイコン表示位置記憶部27と表示画面作成部27と項目設定情報記憶部28と設定画面記憶部29とがバス30を介して接続されている。そして、バス30には、冷却水センサ41、作動油センサ42、燃料残量センサ43、エンジンオイルセンサ44およびエンジン回転数センサ45が接続されており、冷却水センサ41は冷却水の温度および量を、作動油センサ42は作動油の温度および量を、燃料残量センサは燃料残量を、エンジンオイルセンサ44はエンジンオイルの残量を、エンジン回転数センサ45はエンジンの回転数を、バッテリ残量センサ46はバッテリの残量をデジタルデータとして表示制御装置20に常時送っている。なお、建設機械には、上述したようなセンサの他にも、各種センサや検出器等が設けられている。
【0025】
ROM21は本実施形態の表示制御を行うためのプログラムを格納するための記憶装置であり、CPU22はROM21に格納されているプログラムの実行を行うための処理装置であり、RAM23はプログラムの実行時にワークエリアとして使用される記憶装置である。ボタン入力制御部24は、ボタンF1乃至F7が押下されたときには、その旨をCPU22に出力する制御部である。画面部出力制御部25は画面部13Aに表示される画面の制御を行うための制御部である。車体通信部26は、車体ネットワーク60を介して、エンジンや油圧機構等の状態を記憶する情報記録装置51、エンジンの回転数の制御等を行うエンジン制御装置52、例えば電磁弁の制御等を行うための油圧制御装置53と表示制御装置20との間で行われる情報の授受を制御するための通信部である。表示画面作成部27は、操作者が設定した内容に基づいて画面部13Aに表示する画面のレイアウト(目盛り、針、数字、文字等の表示を含む)を作成するための作成部である。項目設定情報記憶部28は、項目ごとに表示するか否かの情報とどの領域に表示するかの設定内容を記憶するための記憶部である。設定画面記憶部29は、表示設定を行うための第1および第2の設定画面を記憶するための記憶部である。
【0026】
次に、本実施形態の表示制御について、図5のフローチャートを用いて説明する。最初に、図3に示されるように、基本的にはモニタ13Aの第1の表示領域には、領域Aに油温計が、領域Bに水温計が、領域Cに燃料残量計が、領域Dの分割領域D1に時計が、分割領域D2にアワーメータが表示されている。そして、第2の表示領域SAの区画形成部IF7には、画面の設定を行うためのアイコンIC7が表示されている。
【0027】
以上のように表示がされているモニタ13において、最初に、操作者がアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下する(ステップS1)。ボタンF7が押下されると、その旨の信号がCPU22に出力され、CPU22は設定画面記憶部29から図6に示されるような第1の設定画面を読み出して、画面部出力制御部25を制御することにより、画面部13Aに第1の設定画面を表示する(ステップS2)。
【0028】
図6の第1の設定画面において、第1の表示領域FAには表示設定を行う対象となる項目を選択するための画面が表示される。表示項目は操作者が表示の設定を行う対象となる項目であり、表示の有無は各項目について表示するか否かを示し、表示位置は各項目を画面部13Aのどの領域に表示するかを示す。ここで、図6に示されるように、油温計、時計およびアワーメータの3つの項目の他に追加項目が2つ設けられる。すなわち、領域Bは水温計を、領域Cは燃料残量計を固定的に表示するための固定表示領域として設けられ、領域Aおよび領域Dは操作者が表示する情報を自由に選択することができる可変表示領域として設けられているため、図6において設定が可能な項目としては、基本的には領域Aに表示されている油温計、領域Dに表示されている時計やアワーメータ等であり、水温計および燃料残量計は、固定表示領域に表示されるものであるため、設定項目の対象外である。なお、特に設定を行っていない場合は、領域Aには油温計が表示される設定になっている。すなわち、基本的には、計器類として水温計、油温計および燃料残量計の3種類の情報を表示する必要があるため、初期の設定では油温計が領域Aに表示されるように設定がされている。また、油温計は設定の重要度が高いため、第1の設定画面において、領域Aの項目は一番先頭に設けられる。
【0029】
ここで、追加項目としては、例えば、冷却水センサ41が検出する冷却水の量、作動油センサ42が検出する作動油の量、エンジンオイルセンサ44が検出するエンジンオイルの量、エンジン回転数センサ45が検出するエンジンの回転数、バッテリ残量センサ46が検出するバッテリの残量等がある。また、他にも、燃費を検出するセンサやブレーキの油圧を検出するセンサ等が設けられる場合には、これらセンサが検出する値を追加項目として設けることもできる。すなわち、表示制御装置20に情報を入力することができるものであれば、任意のものを追加項目の候補として設けることができる。
【0030】
そして、操作者は第1の設定画面から設定を行う項目を選択する。この項目の選択はカーソル(図6において背景が斜線の箇所)により行う。ここで、図6に示されるように、第2の表示領域SAの区画形成部IF4には「上」というアイコンIC4が、IF5には「下」というアイコンIC5が、IF6には「変更」というアイコンIC6が、IF7には「確定」というアイコンIC7が新たに表示されている。これらのうち、「上」というアイコンIC4はカーソルを1個上に移動させるものであり、「下」というアイコンIC5はカーソルを1個下に移動させるものであり、「変更」というアイコンIC6は画面の表示設定を決定するためのものであり、「確定」というアイコンIC7は全ての設定を確定して、設定内容を反映させた画面に戻るためのものである。
【0031】
操作者は、アイコンIC4またはIC5の直下にあるボタンF4またはF5を押下することにより、設定を行う対象となる項目の位置までカーソルを移動し(ステップS3)、その項目の位置でボタンF6を押下することにより設定を行う対象となる項目を決定する(ステップS4)。
【0032】
ボタンF6が押下された旨の信号がCPU22に入力されると、CPU22は設定画面記憶部29から第2の設定画面を読み出して、画面部出力制御部25を制御して、画面部13Aに第2の設定画面を表示する(ステップS5)。第2の設定画面において、表示の有無とは設定を行う対象となる項目を表示するか否かを示し、表示の位置とは領域Aまたは領域Dの何れに表示するかを示す。
【0033】
このような第2の設定画面で、操作者は選択された項目の表示の有無と表示する領域を決定する。このとき、第2の設定画面では、第2の表示領域SAの区画形成部IF2には「左」というアイコンIC2が、IF3には「右」というアイコンIC3が、IF4には「上」というアイコンIC4が、IF5には「下」というアイコンIC5が、IF6には「変更」というアイコンIC6が、IF7には「戻る」というアイコンIC7が新たに表示されている。これらアイコンのうち、アイコンIC2乃至IC5は、カーソルを左右上下に動かすものであり、アイコンIC6は第2の設定画面における設定内容を確定させるものであり、アイコンIC7は第2の設定画面における設定内容を確定させないで第1の設定画面に戻るためのものである。
【0034】
操作者はアイコンIC2乃至IC5の直下にあるボタンF2乃至F5を押下することにより、カーソルを移動させ、表示の有無および表示の位置の夫々について設定を行い、ボタンF6を押下することにより設定内容を確定させる(ステップS6)。
【0035】
このとき、ボタンF6が押下された旨の信号がCPU22に入力されると、CPU22は設定された各項目の表示の有無および表示する領域についての設定内容を項目設定情報記憶部29に記憶する。
【0036】
その後、CPU22は、設定画面記憶部29から第1の設定画面を読み出して、画面部出力制御部26を制御して、第1の設定画面を画面部13Aに表示する(ステップS7)。操作者は、さらに他の項目について表示の有無および表示する領域の設定を行うときには、ステップS3以降の作業を続行させる。一方、他の項目についての設定を行わない場合は、ボタンF7を押下する(ステップS9)。このボタンF7が押下されると、CPU22は、表示画面作成部27に画面部13Aに表示される画面のレイアウトを作成するように指示を出す。表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28に記憶された各項目の設定内容に基づいて画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成し、画面部13Aのようなレイアウトが表示されるように画面部出力制御部27を制御する。このとき、油温計を領域Aではなく領域Dに表示するときは、表示領域が小さくなるために、縮小して表示するか、例えばデジタル形式やバー形式等に変換した画面を作成する。また、時計やアワーメータ等を領域Dではなく領域Aに表示するときは、表示領域が大きくなるために、拡大して表示するか、時計であればアナログ形式等に変換した画面を作成する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態では、通常は油温計が表示されている領域Aにそのまま油温計を表示することも可能であるし、油温計に代えて別の項目を表示することも可能である。また、油温計、水温計または燃料残量計等の計器類が表示される領域A、BまたはC以外の領域Dについても表示する項目を自由に設定することができる。この項目は、時計やアワーメータ等の情報に限られず、表示制御装置20が得ることができる情報であればよいため、現在建設機械に備えられている機構はもとより、新たに追加された機構についても、その機構についての情報を表示制御装置20に出力することにより、油温計に代えて領域Aに表示することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、機械状態画面から第1の設定画面に遷移するときに、ボタンF7を使用したが、例えば、メニューボタンであるボタンF8が押下されたときに機械状態画面から第1の設定画面に遷移するようにすると、機械状態画面において、第2の表示領域SAも領域A、B、Cに割り当てることができるし、別の情報を表示するための新たな領域として設けることもできる。すなわち、機械状態画面において、第2の表示領域SAの区画形成部D7に表示されている「配置設定」というアイコンIC7に対応するボタンF7を押下することにより、機械状態画面から第1の設定画面に遷移するようにしたが、例えば、メニューボタンであるボタンF8を機械状態画面から第1の設定画面に遷移するように割り当てると、第2の表示領域SAにはアイコンを表示する必要がなくなるため、第2の表示領域SAを領域A、B、Cに割り当てることもできるし、別の情報を表示することもできる。
【0039】
また、選択できる項目として、油温計、時計、アワーメータおよび追加された2つの追加項目を設けたが、さらに多くの項目を設けてもよい。このように、多くの項目を設けることにより、オペレータが領域Aに表示することができる選択の幅が広がる。
【0040】
また、領域Bおよび領域Cを、夫々水温計および燃料残量計が固定的に表示される固定表示領域として設けたが、水温計または燃料残量計を表示する必要がない場合は、領域Bまたは領域Cをオペレータが任意に表示の設定を行うことができる可変表示領域として設けてもよい。
【0041】
また、領域Aを可変表示領域とし、領域Bおよび領域Cを固定表示領域としたが、領域A、BまたはCのうち何れか2つの領域を水温計および燃料残量計が表示される固定表示領域とし、残りの1つの領域を可変表示領域としてもよい。
【0042】
また、画面部13Aを領域A、B、CおよびDの4つの領域に分割したが、これら4つの領域の形状は必ずしも固定されているものではなく、伸縮自在に構成してもよい。
【0043】
さらに、区画形成部IF1乃至IF7に表示されるアイコンIC1乃至IC7とボタンF1乃至F7とが対応するようにボタンF1乃至F7は区画形成部IF1乃至IF7の直下に設けたが、アイコンIC1乃至IC7とボタンF1乃至F7とが対応していることをオペレータが容易に把握することができれば、例えば画面部13Aの直上位置や直近した左右位置等のように、モニタ13の任意の位置に設けられてもよい。
【実施例1】
【0044】
次に、実施例1について説明する。本実施例では、油温計、エンジンの回転数計、燃費およびアタッチメントアワーメータの4つの項目を選択することができるものとする。これらのうち、燃費とは現在の建設機械の燃費の状態を表示するためのものであり、アタッチメントアワーメータとはアタッチメントの使用時間を表示するためのものである。本実施例では、このように燃費およびアタッチメントアワーメータを表示するために、車体ネットワーク60に新たに燃費を取得する機構と、アタッチメントの装着時間を取得する機構とを追加する。
【0045】
また、領域Dは、分割領域D1、D2、D3およびD4の4つの領域に分割されるものとする。本実施例では、このうち、分割領域D1およびD2については時計およびアワーメータが固定的に表示されるものとし、任意に選択できる領域としては、領域A、分割領域D3およびD4の3つの領域であるものとする。そして、領域Aには油温計が表示されるように設定されているが、分割領域D3およびD4については何も表示されていない設定がされているものとする。
【0046】
本実施例では、操作者は、油温計を非表示状態にし、領域Aにエンジンの回転数計を表示し、分割領域D3にアタッチメントアワーメータを、分割領域D4に燃費を表示するように設定するものとする。
【0047】
最初に、図3に示されるような画面において、「配置設定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下すると、図8のような第1の設定画面が表示される。オペレータは、油温計を非表示状態にするため、「上」というアイコンIC4の直下にあるボタンF4または「下」というアイコンIC5の直下にあるボタンF5を押下することにより油温計の項目にカーソルを移動し、「変更」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下することにより項目を決定する。
【0048】
ボタンF6が押下されると、図9のような第2の設定画面が表示される(ステップS5)。そして、操作者は、油温計を非表示状態にするために、「左」というアイコンIC2に対応するボタンF2または「右」というアイコンIC3に対応するボタンF3を押下することにより、表示の有無を「表示しない」にカーソルを移動する。これにより、油温計は非表示状態となるため、表示の位置については、カーソルを示す背景の斜線をなくし、表示の位置についてはカーソルを移動できなくするようにしてもよい。この状態で、「変更」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下すると、油温計の項目については表示しないという情報が項目設定情報記憶部28に記憶される。
【0049】
そして、画面は第2の設定画面から第1の設定画面に遷移するため、操作者は同様の操作を行い、エンジンの回転数計については領域Aに表示させるように、アタッチメントアワーメータについては分割領域D3に、燃費については分割領域D4に表示させるように設定を行う。このような各項目の設定時において、エンジンの回転数計は領域Aに表示し、アタッチメントアワーメータについては分割領域D3に表示し、燃費については分割領域D4に表示する情報を項目設定情報記憶部28が記憶する。
【0050】
全ての項目が終了した後に、第1の設定画面において、「確定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下すると、表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28から各項目の表示に関する情報を読み出して、領域Aにはエンジンの回転数計が、分割領域D3にはアタッチメントアワーメータが、分割領域D4には燃費が表示されるような画面のレイアウトを作成する。このとき、領域Bには水温計が、領域Cには燃料残量計が、分割領域D1には時計が、分割領域D2にはアワーメータが固定的に表示するための固定表示領域として設けられているため、これら固定表示領域を合わせて画面部13Aの第1の表示領域MSに表示される画面のレイアウトを作成して、図11に示されるような画面のレイアウトに従って表示するように、画面部出力制御部25を制御して、表示を行う。
【0051】
以上により、本実施例では、領域Bには水温計が、領域Cには燃料残量計が、分割領域D1には時計が、分割領域D2にはアワーメータが固定的に表示される固定表示領域として設けられているが、領域A、分割領域D3および分割領域D4はオペレータが任意に設定することができる可変表示領域として設けられているため、これら領域に表示する項目を自由に設定することができる。従って、オペレータにとってエンジンの回転数が重要である場合には、ある程度の大きさを有する領域Aにエンジンの回転数計を表示することにより、エンジンの回転数を容易に視認することができる。また、領域Dにアタッチメントアワーメータと燃費を表示することにより、アタッチメントの使用時間および現在の建設機械の燃費を把握することができる。
【実施例2】
【0052】
次に、実施例2について説明する。本実施例では、領域Dの分割領域D1に時計が、分割領域D2にアワーメータが固定的に表示されるのではなく、これら時計およびアワーメータについてもオペレータが自由に表示する領域を選択することができるようにする。また、通常、領域Dにおいてデジタル形式で表示されている時計が、領域Aに表示されるときにはアナログ形式で表示されるものとする。さらに、通常、領域Aにおいて作動油温計42が計測する値に応じてゲージの傾斜角が変化するアナログ形式で表示されている油温計が、領域Dに表示されるときには、バー形式で表示されるものとする。
【0053】
本実施例で、操作者は、領域Aに時計を、分割領域D1にアタッチメントアワーメータを、分割領域D2にアワーメータを、分割領域D3に掘削アワーメータを、分割領域D4に油温計を表示するようにする。ここで、掘削アワーメータとは、建設機械が掘削作業に供された時間をいい、アタッチメントとしてバケットが取り付けられている時間を計測しているものをいう。
【0054】
本実施例において、図3に示されるような画面において、操作者が「配置設定」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下することにより、第1の設定画面に遷移する。第1の設定画面において、図12に示されるように、油温計を分割領域D4に、時計を領域Aに、アワーメータを分割領域D2に、アタッチメントアワーメータを分割領域D1に、掘削アワーメータを分割領域D3に表示されるように設定を行う。
【0055】
以上のような設定を行うために、第1および第2の設定画面において、ボタンF2乃至F7を操作して、各項目の設定を行う。そして、1つの項目の設定が終了すると、その設定内容が項目設定情報記憶部28に記憶される。ここで、本実施例では領域Dの分割領域D1、D2、D3およびD4の4つの領域を全て設定することができるようにするため、図13に示されるように、表示の位置は5つの領域から選択できるようにする。このとき、既に他の項目で選択済みの領域については選択できないようにしてもよい。例えば、領域Aに既に時計が表示されていると選択されているときは、他の項目を第2の設定画面で設定を行うときは、領域Aにはカーソルが移動しないようにしてもよい。また、カーソルは移動することができるが、設定内容を確定させるボタンF6を押下したときにエラーメッセージを表示して操作者に通知するようにしてもよい。
【0056】
そして、全ての項目について表示の設定が終了して、操作者が第1の設定画面においてボタンF7を押下して確定すると、各項目の設定内容が記憶されている項目設定情報記憶部28を読み出して、表示画面作成部27は画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成して、画面部出力制御部25を作成されたレイアウトに従って表示するように制御して、図14に示されるような画面を画面部13Aに表示する。このとき、表示画面作成部27は、ある程度の大きさを有する領域Aには時計をデジタル形式ではなく、オペレータが視認しやすいアナログ形式で表示し、比較的小さい領域である分割領域D4に表示される油温計は、ゲージの傾斜角が変化するアナログ形式ではなく、例えば図14に示されるようなバー形式で表示する画面を作成する。このとき、油温計は、バー形式ではなく、デジタル形式で表示されてもよい。要は、小さい領域である分割領域D4に表示することができる形式で表示するようにする。
【0057】
なお、実施例1および本実施例において、追加項目として、エンジンの回転数計、燃費、アタッチメントアワーメータおよび掘削アワーメータを挙げたが、これに限られず、例えばアタッチメントとしてブレーカが取り付けられている時間であるブレーカアワーメータ等を設けてもよい。他にも、燃料残量計43と燃費を検出する機構とから建設機械の残りの作動可能な時間を算出して、この時間を追加項目としてもよい。
【0058】
また、追加項目として、建設機械に備えられる機能に関する情報を表示するようにしてもよい。この機能としては、ML機能という機能がある。建設機械は、通常は掘削作業に使用されるが、アタッチメントをフック付きのバケットに交換することにより、クレーン作業を行うことができる。このクレーン作業を行うときに、建設機械が転倒することを防止するために、吊り荷の制限値である定格荷重と実際の荷重である実荷重とを表示する必要がある。このような定格荷重と実荷重との情報を追加項目として設け、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【0059】
また、機能としては、干渉防止機能という機能がある。オフセット式の建設機械を使用する場合、フロント作業機が運転室の衝突しないようにするために、フロント作業機の動作範囲を設定する必要がある。このとき設定をするために必要な情報を表示する必要があるため、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【0060】
さらに、建設機械を管理する管理会社と通信を行うためのメール機能や各種設定を行うための設定機能を使用するための情報を追加項目として設け、可変表示領域である領域Aまたは領域Dに表示してもよい。
【実施例3】
【0061】
次に、実施例3について説明する。本実施例は、後方視野を確保するための監視用のカメラ10または掘削状態を確認するためのカメラ11を画面部13Aに表示するように制御したものである。
【0062】
本実施例では、領域Aにカメラ10または11の映像を、分割領域D1に時計を、分割領域D2にアワーメータを、分割領域D3に掘削アワーメータを、分割領域D4に油温計を表示するように選択したものとする。そして、全ての項目の選択が終了すると、第1の設定画面において操作者はボタンF7を押下して設定を確定させると、表示画面作成部27は、項目設定情報記憶部28から各項目の設定内容を読み出して、画面部13Aに表示する画面のレイアウトを作成する。
【0063】
このとき、カメラ10または11の映像は大きな領域に表示されなくてはならないため、本実施例では、領域A、BおよびCを1つの領域Eとする。このとき、領域Eは領域A、BおよびCが1つになったものであるため、領域Eには必ず水温計と燃料残量計とが表示されなくてはならない。しかしながら、カメラ10または11の映像の領域は最大限の大きくとることが好ましいため、水温計を表示する領域E2および燃料残量計を表示する領域E3は、図15に示されるように、オペレータが視認することができる最小限の大きさにより形成されるようにし、領域E2およびE3以外を領域E1としてカメラ10または11の映像の領域として割り当てられた画面を表示画面作成部27は作成する。
【0064】
なお、本実施例では、領域E2に水温計を、領域E3に燃料残量計を表示するようにしたが、これに限られず、領域E2に燃料残量計を、領域E3に水温計を表示してもよい。要は、領域Eのうち大部分をカメラ10または11からの映像を表示する領域と、水温計および燃料残量計を表示する領域とに分割するように制御すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】建設機械の全体構成図である。
【図2】運転室の内部の概略構成図である。
【図3】モニタの構成図である。
【図4】表示制御装置の概略構成図である。
【図5】表示制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の設定画面の画面図である。
【図7】第2の設定画面の画面図である。
【図8】実施例1における第1の設定画面の画面図である。
【図9】実施例1における第2の設定画面の画面図である。
【図10】実施例1における第1の設定画面の画面図である。
【図11】実施例1における設定後のモニタの画面図である。
【図12】実施例2における第1の設定画面の画面図である。
【図13】実施例2における第2の設定画面の画面図である。
【図14】実施例2における設定後のモニタの画面図である。
【図15】実施例3における設定後のモニタの画面図である。
【符号の説明】
【0066】
13 モニタ 13A 画面部
20 表示制御装置
A、B、C、D、E 領域
D1、D2、D3、D4、E1、E2、E3 分割領域
IC1〜IC7 アイコン
IF1〜IF7 区画形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の運転室に備えられ、主に前記建設機械の計器類の情報を有する機械状態画面を表示するための画面部と、前記画面部に表示される画面の表示設定の操作を行うためのボタンを複数有するボタン部と、前記画面部の表示制御を行うための表示制御部と、を有し、
前記画面部は複数の領域に分割され、前記分割された複数の領域のうち1乃至複数の領域は予め決められた情報を表示するための固定表示領域として、その他の領域は前記表示制御部に入力される情報の中から選択可能な情報が表示される可変表示領域として前記画面部に表示する画面が作成されることを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項2】
前記固定表示領域には、少なくともエンジン冷却水の温度である水温計または燃料残量計のうち何れか1つ、または前記水温計および前記燃料残量計の2つの情報が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項3】
前記可変表示領域には、前記表示制御部に入力される情報のうち1乃至複数の情報が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項4】
前記画面部は、第1の固定表示領域と第2の固定表示領域と第1の可変表示領域と第2の可変表示領域とに分割され、前記第1の可変表示領域、前記第1の固定表示領域および前記第2の固定表示領域と前記第2の可変表示領域とは上下で分割され、前記第1の可変表示領域と前記第1の固定表示領域と前記第2の固定表示領域とは前記第2の可変表示領域の下部において3等分に分割され、
前記第1の固定表示領域には水温計が、前記第2の固定表示領域には燃料残量計が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項5】
前記第2の可変表示領域は、さらに複数の領域に分割され、これら分割された複数の領域は、夫々任意に表示する情報を選択することができる可変表示領域として構成されることを特徴とする請求項4記載の建設機械の表示装置。
【請求項1】
建設機械の運転室に備えられ、主に前記建設機械の計器類の情報を有する機械状態画面を表示するための画面部と、前記画面部に表示される画面の表示設定の操作を行うためのボタンを複数有するボタン部と、前記画面部の表示制御を行うための表示制御部と、を有し、
前記画面部は複数の領域に分割され、前記分割された複数の領域のうち1乃至複数の領域は予め決められた情報を表示するための固定表示領域として、その他の領域は前記表示制御部に入力される情報の中から選択可能な情報が表示される可変表示領域として前記画面部に表示する画面が作成されることを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項2】
前記固定表示領域には、少なくともエンジン冷却水の温度である水温計または燃料残量計のうち何れか1つ、または前記水温計および前記燃料残量計の2つの情報が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項3】
前記可変表示領域には、前記表示制御部に入力される情報のうち1乃至複数の情報が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項4】
前記画面部は、第1の固定表示領域と第2の固定表示領域と第1の可変表示領域と第2の可変表示領域とに分割され、前記第1の可変表示領域、前記第1の固定表示領域および前記第2の固定表示領域と前記第2の可変表示領域とは上下で分割され、前記第1の可変表示領域と前記第1の固定表示領域と前記第2の固定表示領域とは前記第2の可変表示領域の下部において3等分に分割され、
前記第1の固定表示領域には水温計が、前記第2の固定表示領域には燃料残量計が表示されることを特徴とする請求項1記載の建設機械の表示装置。
【請求項5】
前記第2の可変表示領域は、さらに複数の領域に分割され、これら分割された複数の領域は、夫々任意に表示する情報を選択することができる可変表示領域として構成されることを特徴とする請求項4記載の建設機械の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−16915(P2006−16915A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197843(P2004−197843)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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