説明

建設機械用の折り畳み式輸送コンベヤ、建設機械車両、および、輸送コンベヤを枢動させるための方法

【課題】建設機械用の枢動機構であって、構造が簡単なものを提供すること。
【解決手段】建設機械(1)に関節結合される第1の輸送コンベヤセクション(4)および前記第1の輸送コンベヤセクション(4)に枢動可能に関節結合される第2の輸送コンベヤセクション(6)と、両方の輸送コンベヤセクション(6)の周囲で連続的に回転するコンベヤベルト(10)と、輸送コンベヤセクション(4,6)間で作用する少なくとも1つの枢動機構とを有する建設機械(1)用の折り畳み式輸送コンベヤ(2)において、枢動機構がカム機構(12)から構成されることが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴部分の前の節に係る建設機械用の折り畳み式輸送コンベヤ、請求項20の特徴部分の前の節に係る建設機械車両、および、請求項21の特徴部分の前の節に係る折り畳み式輸送コンベヤの端部で輸送セクションを枢動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送コンベヤが設けられ且つ輸送コンベヤが関節結合される建設機械は、輸送の場合に大空間要件を有する可能性がある。
【0003】
建設機械から輸送コンベヤを完全に取り外す必要がないように、建設機械に関節結合される第1の輸送コンベヤセクションと該輸送コンベヤセクションに後続する第2の枢動可能な輸送コンベヤセクションとを備える折り畳み式輸送コンベヤを提供することは既に知られている。小さなサイズの輸送コンベヤは手動で枢動される。大きな輸送コンベヤにおいては、輸送セクション間で作用する枢動機構により、輸送コンベヤを作業位置から輸送位置へと枢動させることができる。両方の輸送コンベヤセクションの周囲ではコンベヤベルトが連続的に回転する。
【0004】
従来技術によれば、枢動可能なレバーから構成される枢動機構が設けられ、2つのピストン−シリンダユニットがレバーの異なる場所と係合する。1つのピストン−シリンダユニットがそれぞれ輸送コンベヤセクションのうちの一方に関節結合される。
【0005】
従来技術は、枢動可能な輸送コンベヤセクションが枢動機構によってその制限位置で固定されないため、高い装置関連の作用力を必要とし、したがって、制限位置にロック装置を必要とするという欠点を有している。
【0006】
また、枢動可能な輸送コンベヤセクションへの液圧供給ラインを設ける必要があるが、折り畳み式輸送コンベヤを輸送位置へと枢動させるときにこの液圧供給ラインが容易に損傷され得るという事実によって欠点が生ずる。
【0007】
別の従来技術において、枢動機構は、ピストン−シリンダユニットが2つの制御アームの共通関節点と係合し、共通関節点から離れて面する制御アームのそれぞれの端部が輸送コンベヤセクションのうちの一方に対して関節態様で接続されることを特徴とする。
【0008】
この従来技術によって生ずる欠点は、枢動可能な輸送コンベヤセクションに結合されるピストン−シリンダユニットが上記輸送コンベヤセクションの下面に締結され、それにより、ピストン−シリンダユニットが輸送コンベヤの下側に露出された状態で配置される際にピストン−シリンダユニットが損傷されるという大きな危険がもたらされるという点である。
【0009】
更なる従来技術においては、枢動可能な輸送コンベヤセクションを上方へ折り畳むことが知られている。これは、設計理由により装置が制限位置で捕らえられるため、一見して、制限位置でロック装置を必要としないという利点を与える。
【0010】
しかしながら、この構造は、例えば吸引システムのような搭載物を第1の輸送コンベヤセクション上に設けることができないという欠点を生ずる。また、連続的に回転する輸送ベルトから枢動ポイントがかなり遠く離れているため、輸送コンベヤを輸送位置へと枢動させるときにはコンベヤベルトを緩める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、その構造が簡略化され、輸送コンベヤのための更なるロック手段を必要としない、折り畳み式輸送コンベヤ、建設機械車両、および、輸送コンベヤセクションを枢動させるための方法を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は請求項1,20,21の特徴によって達成される。
【0013】
本発明によれば、枢動機構がカム機構から構成されることが有利に提供される。カム機構を設けることにより、枢動機構は、1つの単一の駆動装置によって約180°の完全な枢動動作を行なうことができる。
【0014】
また、カム機構によれば、対応する曲率によって戻り止め位置を制限位置に設けることができ、それにより、更なるロック手段を必要とすることなく、枢動可能な輸送コンベヤセクションを自動ロック態様で制限位置に保持させることができる。
【0015】
カム機構が結合要素と相互に作用する制御カムを備え、制御カムが輸送コンベヤセクションのうちの一方に配置され、結合要素が他方の輸送コンベヤセクションに装着されることが好ましい。
【0016】
この構成において、制御カムは、輸送コンベヤセクションのうちの一方に取り外し不能に配置されてもよく、また、結合要素は、他方の輸送コンベヤセクションに枢動可能に装着されてもよい。
【0017】
制御カムは、第2の輸送コンベヤセクションに取り外し不能に配置されることが好ましく、また、結合要素は、軌跡に沿って枢動可能に第1の輸送コンベヤセクションに装着される。この構成において、軌跡は、円形状を成していてもよく、好ましくは円形経路である。
【0018】
好ましい実施形態では、枢動機構が、作動装置と、作動装置によって作動される枢動レバーとを備えることが提供される。
【0019】
枢動レバーは、第1のレバーアームと、第1のレバーアームから所定の角度で突出する第2のレバーアームとを備え、枢動レバーは、作動装置の作動時にカム機構を介して第2の輸送コンベヤセクションを枢動させる。
【0020】
この構造では、建設機械に関節結合される輸送コンベヤセクションに対して駆動ユニットを取り付けることができ、一方、カム機構が枢動可能な輸送セクションに取り外し不能に取り付けられるのが特に有利である。結果として、駆動装置のための供給ラインを枢動可能な輸送コンベヤセクションへ移動させる必要がない。
【0021】
枢動レバーは、作動装置の作動時に、第2の輸送コンベヤセクションの枢動動作を制御するためにカム機構の制御カムに作用することが好ましい。作動装置の作動時、枢動レバーは、約180°の与えられる枢動角度全体にわたって完全に枢動可能な輸送コンベヤセクションの枢動動作を行なうことができる。
【0022】
好ましい実施形態は、制御カムが制御プレートに組み込まれることを提供する。結合要素は枢動レバーの自由端に配置される。枢動レバーは、第1のレバーアームの自由端が、第1の輸送コンベヤセクションの自由端に装着されてもよく、この場合、作動装置は、第1および第2のレバーアーム間の分岐部と関節態様で係合する。第2のレバーアームは、その自由端に、カム機構の制御カムと係合される結合要素を備える。
【0023】
制御カムが異なるカム部を備えており、この場合、制御カムは、枢動可能な第2の輸送コンベヤセクションの制限位置に、第2の輸送コンベヤセクションが自動ロック態様で保持される戻り止め位置を備える。
【0024】
制御カムは、第2の輸送コンベヤセクションを自動ロック態様で作業位置に保持する第1のカム部と、第1のカム部に続いて形成され、第2の輸送コンベヤセクションを下降させるための第2のカム部と、第2のカム部に続いて形成され、第2の輸送コンベヤセクションを輸送位置へ移動させるための第3のカム部と、第3のカム部に続いて形成され、第2の輸送コンベヤセクションを自動ロック態様で輸送位置に保持するための第4のカム部とを備えることが好ましい。
【0025】
この構成では、制御カムのカム部が第2の輸送コンベヤセクションの作業位置および輸送位置のそれぞれに1つのアライメントを備え、該アライメントが、枢動レバーの結合要素と共に、作動装置の作動時に再び放置され得るしかないロック手段を伴わない戻り止め位置を形成する、ことが提供される。
【0026】
制御カムは、ピストン−シリンダユニットの力が枢動範囲全体にわたって最小限に抑えられるように形成されることが好ましい。これは、枢動レバーのレバーアームが互いから90°未満の角度で突出することによって及び/又は第2の輸送コンベヤセクションと結合されるレバーアームを第1の輸送コンベヤセクションと結合されるレバーアームよりも長くすることによって、好ましくは2倍を越えて長くすることによって達成することができる。
【0027】
作動装置から離れて面する第1および第2のレバーアームの端部が互いに接続されてもよく、その場合、枢動レバーは、好ましくは三角形状で互いに接続されるプレートまたは制御アームから構成されてもよい。
【0028】
輸送コンベヤセクションに隣接する側には、対を成して配置され且つ同期して動作される2つのカム機構が配置されることが好ましい。好ましい実施形態において、互いに対応する枢動機構の部分は、同期動作を向上させ及び/又は補強効果をもたらすために架橋要素によって互いに接続されてもよい。この目的のため、互いに隣接して対を成して配置される両側の枢動機構の対部分は、クロス支柱によって互いに接続されてもよい。更に、結合要素を形成する支持ローラは、共通の軸を備えていてもよく、したがって、カム機構の構造を補強することもできる。
【0029】
第1の輸送コンベヤセクションに関節結合された第2の輸送コンベヤセクションを枢動させるための方法は、一方の輸送コンベヤセクションに結合される結合要素または他方の輸送コンベヤセクションに結合される制御カム要素に対して作動力が及ぼされ、結合要素が、第2の輸送コンベヤセクションの枢動動作を生ずるために制御カム要素と係合されることを特徴とする。
【0030】
この構成において、制御カム要素または結合要素は、輸送コンベヤセクションのうちの一方に取り外し不能に取り付けられてもよく、また、相補的な要素が他方の輸送コンベヤセクションに枢動可能に装着されてもよい。
【0031】
枢動可能に装着される上記要素は、円形経路上で移動されることが好ましい。
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の1つの実施形態を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】輸送コンベヤを有する道路建設機械。
【図2】作業位置における側面視で示される折り畳み式輸送コンベヤの側面図。
【図3】コンベヤベルトを伴わない輸送コンベヤの概略平面図。
【図4】フロント輸送コンベヤセクションが約70°枢動された状態の輸送コンベヤ。
【図5】輸送位置にある折り畳み式輸送コンベヤ。
【図6】カム機構の制御プレート。
【図7】輸送コンベヤのカム機構の拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、フロントローディング方式の路面切削機の実施形態における、地面または路面を切削するための路面切削機を示している。路面切削機1は、例えば4つの履帯ユニットを有し且つ路面切削機1の機械フレーム8を支えるシャーシ11を備える。履帯ユニットが全体的に或いは部分的にホイールユニットに置き換えられてもよいことは言うまでもない。走行方向に対して横方向に延びる切削ドラム9が機械フレーム8に装着される。切削深さは、持ち上げ支柱(lifting column)を介した履帯ユニットの高さ調整によって設定されることが好ましい。図1に示される路面切削機1は、切削された材料を輸送車両の走行方向で見て前方へと搬送できるため、フロントローディング式路面切削機とも呼ばれる。走行方向で見て切削ドラム9の前方には、輸送コンベヤ3から構成される第1の輸送装置が配置され、この第1の輸送装置は、切削された材料を、押し畳み式輸送コンベヤ2から構成される第2の輸送装置へと移動させることが好ましい。また、路面切削機1には、切削機の後部に配置されてもよい1つの単一の輸送コンベヤ2だけが設けられてもよいことは言うまでもない。
【0035】
図1に描かれる路面切削機は、押し畳み式輸送コンベヤを使用できる建設機械の典型的な実施形態を示している。
【0036】
折り畳み式輸送コンベヤ2は、一般に、材料の輸送が行なわれ且つ輸送目的のために機械の設計長さを減らすことに利益がある他の建設機械と共に使用するのにも適している。
【0037】
図1に示される路面切削機1は、主に路面の切削のために使用できる冷間切削機である。切削ドラム9によって削り取られた材料は、切削機に存在する第1の輸送コンベヤ3により、切削ドラム9を取り囲むドラムハウジングから切削機の機械フレーム8の前端へと輸送され、そこで、輸送目的のために切削機1の長さを短くするべく折り畳むことができる第2の輸送コンベヤ2へと移動される。
【0038】
上記折り畳み式輸送コンベヤ2は、建設機械1の機械フレーム8に枢動可能に関節結合される第1の輸送コンベヤセクション4と、第1の輸送コンベヤセクション4に枢動可能に関節結合される第2の輸送コンベヤセクション6とを備える。連続的に回転するコンベヤベルト10が両方の輸送コンベヤセクション4,6の周囲で案内される。枢動可能な輸送コンベヤ2は、輸送コンベヤ2の高さ設定を変えるために地面平行軸13を中心に枢動させることができるとともに、切削カット部に隣接する側に立っているトラックへと材料を輸送できるようにするために垂直軸を中心に旋回させることができる。枢動可能な第2の輸送セクション6は、関節部26の周囲でのみ地面平行軸を中心に枢動できる。例えば高さ調整のために牽引装置5が使用されてもよく、上記牽引装置5は、一方では、機械フレーム8に関節結合され、また、他方では、第1の輸送コンベヤセクション4に対して取り付けられる。
【0039】
輸送コンベヤセクション4,6間には、カム機構12から構成される枢動機構が配置される。
【0040】
図2は、作業位置にある輸送コンベヤ2を示している。建設機械1で関節結合された輸送コンベヤセクション4は、地面平行軸を有する枢動関節部26を介して、第2の輸送コンベヤセクション6に関節態様で接続される。上記枢動関節部26は輸送コンベヤセクション4のサイドプレート27に装着されており、それにより、第2の輸送コンベヤセクション6は、図4に示されるように作業位置から輸送位置へと上記関節部26を中心に枢動できる。
【0041】
折り畳み式輸送コンベヤ2は、第1および第2の輸送コンベヤセクション4,6間で作用し且つ関節部26を中心とする枢動動作を制御するカム機構12の形態を成す枢動機構を備える。この目的のため、好ましくはピストン−シリンダユニットから構成される作動装置22が第1の輸送コンベヤセクション4に配置されることが好ましい。上記ピストン−シリンダユニットのピストンロッド29は、枢動レバー24の関節部40で、枢動レバー24に対して関節態様で結合される。
【0042】
枢動レバー24は、2アームレバーの態様で互いから所定の角度で、好ましくは90°よりも幾分小さい角度で突出する第1のレバーアーム28および第2のレバーアーム30を少なくとも備える。
【0043】
第1のレバーアーム28は、その自由端の近傍が、その軸が地面と平行なサイドプレート27の関節部23で、第1の輸送コンベヤセクション4に装着される。この場合、第1のレバーアーム28の他端は、ピストン−シリンダユニット22のピストンロッド29に対して関節態様で接続される。
【0044】
第2のレバーアーム30は、一方では、ピストン−シリンダユニット22のピストンロッド29に関節結合されるとともに、カム機構12の制御カム16と係合される結合要素18をその他端に備える。結合要素18の動作中、制御カム16が常に結合要素18に当接する状態で、輸送コンベヤセクション6が制御カム16によって枢動される。
【0045】
枢動レバー24を補強するため、該枢動レバーは、図2に示されるように、三角形状に配置されたプレートまたは支柱から構成されてもよい。回転可能に装着された支持ローラ60から構成される結合要素18は、支柱によって形成される鋭角三角形の頂点に配置される。支持ローラ60は、ピストン−シリンダユニット22および枢動レバー24によって移動されるとともに、カム機構12の制御カム16に押し付き、それにより、枢動可能に関節結合された第2の輸送コンベヤセクション6に力が及ぼされる。ピストン−シリンダユニット22のピストンロッド29が前方に移動されると、支持ローラ60は、図6から分かるように、制御カム16の第1のカム部42における戻り止め位置50から抜け出て、第2のカム部44に沿って移動し、それにより、第2の輸送コンベヤセクション6が下降される。制御カム16の第3のカム部46の領域では、第2の輸送コンベヤセクション6が第1の輸送コンベヤセクション4の下側に押し下げられる。この場合、支持ローラ60は、図5に示される輸送位置で、制御カム16の第4のカム部48内における戻り止め位置52にある。
【0046】
それぞれの戻り止め位置50,52では、第2の輸送コンベヤセクション6が自動ロック態様で保持され、そのため、枢動可能な輸送コンベヤセクション6をその制限位置に保持するために更なるロック手段が必要とされない。輸送コンベヤは、ピストン−シリンダユニット22が減圧され或いは更には除去されるときでも、それぞれの戻り止め位置にとどまる。
【0047】
結果として、枢動可能な輸送コンベヤセクション6は、カム機構12によって約180°の枢動動作を行なうことができる。
【0048】
この構成において、支持ローラ60は、図6に示される円形軌跡20上を関節部23の周りで移動する。第1のレバーアーム28は第2のレバーアーム30よりも短いことが好ましい。この場合、第2のレバーアームは第1のレバーアーム28の長さの2倍または3倍の長さを有してもよい。
【0049】
カム機構12は制御プレート34を備えており、この制御プレートに制御カム16が切り欠き36の形状で形成される。制御プレート34は、第2の輸送コンベヤセクション6に対して取り外し不能な態様で接続され、すなわち、好ましくは第2の輸送コンベヤセクション6の支柱に対して溶接される。
【0050】
図3および図7から最も良く分かるように、2つの作動装置22によって同期して作動される2つのカム機構12が輸送コンベヤセクション6の両側に配置されることが好ましい。この構成では、少なくとも1つのクロス支柱70が、左側および右側の制御プレート34間に、制御プレート34の補強をもたらす架橋を形成する。左側および右側の結合要素18間の匹敵する架橋は、枢動機構の2つの側の改良された同期動作を確保する軸72によって実現される。軸72は、両側の支持ローラ60に共通の軸であると同時に、両側の枢動レバー構造を補強する。支持ローラは、切り欠き36の内側で移動するとともに、支持ローラ60が制御カムから滑り落ちるのを防止する円錐サイドディスク61を両側に有する。
【0051】
制御プレート34間に幾つかのクロス支柱70が設けられてもよく、また、輸送コンベヤ2の両側に配置されたカム機構12の共通軸上に関節部23,26が配置されてもよい。
【0052】
カム機構12の機構構造が運動学的な反転で実現されてもよいことは言うまでもない。しかしながら、カム機構12の動作のために1つの単一のピストン−シリンダユニット22だけが必要とされ、また、枢動可能な輸送コンベヤセクション6の2つの制限位置のために更なるロック装置が必要とされないことが重要である。
【符号の説明】
【0053】
1…建設機械(路面切削機)、2、3…輸送コンベヤ、4…第1の輸送コンベヤセクション5…牽引装置、6…第2の輸送コンベヤセクション、12…カム機構、16…制御カム、18…結合要素、20…軌跡、22…作動装置、24…枢動レバー、28…第1のレバーアーム、30…第2のレバーアーム、34…制御プレート、36…切り欠き、42,44,46,48…カム部、50,52…戻り止め位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械(1)に関節結合される第1の輸送コンベヤセクション(4)と、
前記第1の輸送コンベヤセクション(4)に枢動可能に関節結合される第2の輸送コンベヤセクション(6)と、
両方の輸送コンベヤセクション(6)の周囲で連続的に回転するコンベヤベルト(10)と、
前記輸送コンベヤセクション(4,6)間で作用する少なくとも1つの枢動機構と
を有する建設機械(1)用の折り畳み式の輸送コンベヤ(2)であって、
前記枢動機構がカム機構(12)から構成されることを特徴とする、輸送コンベヤ。
【請求項2】
前記カム機構(12)が、結合要素(18)と相互に作用する制御カム(16)を備え、
前記制御カム(16)が、前記輸送コンベヤセクションのうちの一方(4,6)に配置され、
前記結合要素(18)が、他方の輸送コンベヤセクション(6,4)に装着されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送コンベヤ。
【請求項3】
前記制御カム(16)が、前記輸送コンベヤセクションのうちの一方(4,6)に取り外し不能に配置され、
前記結合要素(18)が、他方の輸送コンベヤセクション(6,4)に枢動可能に装着されることを特徴とする、請求項1または2に記載の輸送コンベヤ。
【請求項4】
前記制御カム(16)が、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)に取り外し不能に配置され、
前記結合要素(18)が、軌跡(20)に沿って枢動可能に前記第1の輸送コンベヤセクション(4)に装着されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項5】
前記軌跡(20)が、円形状を成し、特に円形経路であることを特徴とする、請求項4に記載の輸送コンベヤ。
【請求項6】
前記枢動機構が、作動装置(22)と、前記作動装置(22)によって作動される枢動レバー(24)とを備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項7】
前記枢動レバー(24)が、第1のレバーアーム(28)と、前記第1のレバーアーム(28)から所定の角度で突出する第2のレバーアーム(30)とを備え、
前記枢動レバー(24)が、前記作動装置(22)の作動時に前記カム機構(12)を介して前記第2の輸送コンベヤセクション(6)を枢動させることを特徴とする、請求項6に記載の輸送コンベヤ。
【請求項8】
前記枢動レバー(24)が、前記作動装置(22)の作動時に、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)の枢動動作を制御するために前記カム機構(12)の制御カム(16)に作用することを特徴とする、請求項6または7に記載の輸送コンベヤ。
【請求項9】
前記制御カム(16)が、制御プレート(34)に組み込まれることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項10】
前記制御カム(16)が、制御プレート(34)の切り欠き(36)として配置され、
前記結合要素(18)が、前記制御カム(16)を介して前記切り欠き(36)内で前記第2の輸送コンベヤセクション(6)の枢動動作を制御することを特徴とする、請求項2〜9のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項11】
前記結合要素(18)が、前記枢動レバーの自由端に配置されることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項12】
前記枢動レバー(24)には、前記第1のレバーアーム(28)の自由端が、前記第1の輸送コンベヤセクション(4)の自由端が装着されており、
前記作動装置(22)が、前記第1のアームレバー(28)と前記第2のレバーアーム(30)との間の分岐部と関節態様で係合することを特徴とする、請求項6〜11のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項13】
前記制御カム(16)が、異なるカム部(42,44,46,48)を備え、
前記制御カム(16)の端部に戻り止め位置(50,52)が形成され、それぞれの戻り止め位置で前記第2の輸送コンベヤセクション(6)が自動ロック態様で保持されることを特徴とする、請求項2〜12のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項14】
前記制御カムが、
前記第2の輸送コンベヤセクション(6)を自動ロック態様で作業位置に保持する第1のカム部(42)と、
前記第1のカム部(42)に連なって形成され、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)を下降させるための第2のカム部(44)と、
前記第2のカム部(44)に続いて形成され、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)を輸送位置へ移動させるための第3のカム部(46)と、
前記第3のカム部(46)に続いて形成され、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)を自動ロック態様で輸送位置に保持するための第4のカム部(48)と
を備えることを特徴とする、請求項13に記載の輸送コンベヤ。
【請求項15】
前記結合要素(18)によって検出される前記制御カム(16)の領域の端部にある前記カム部(42,48)が1つのアライメントを備え、各アライメントが、前記枢動レバー(24)の前記結合要素(18)と共に、前記作動装置(22)の作動時に再び放置され得るしかない前記第2の輸送コンベヤセクション(6)の作業位置および輸送位置のためのロック手段を伴わない戻り止め位置(50,52)を形成することを特徴とする、請求項13または14に記載の輸送コンベヤ。
【請求項16】
前記制御カム(16)が、ピストン−シリンダユニット(22)の力が枢動範囲全体にわたって最小限に抑えられるように形成されることを特徴とする、請求項7〜15のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項17】
前記作動装置(22)から離れて面する前記レバーアーム(28,30)の端部が互いに接続され、前記枢動レバー(24)が、三角形状で互いに接続されるプレートまたは制御アームから構成されることを特徴とする、請求項7〜16のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項18】
前記輸送コンベヤセクション(4,6)に隣接する側には、2つのカム機構(12)が対を成して配置されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項19】
前記結合要素(18)が、前記枢動レバー(24)の一方のレバーアーム(30)の自由端に回転可能に装着される支持ローラ(60)から構成されることを特徴とする、請求項7〜18のいずれか一項に記載の輸送コンベヤ。
【請求項20】
機械フレーム(8)と、
前記機械フレーム(8)に支持される切削ドラム(9)と、
前記機械フレーム(8)を支えるシャーシ(11)と、
請求項1〜19のいずれか一項に記載の前記機械フレーム(8)に関節結合される輸送コンベヤ(2)と
を有する、路面切削機その他の建設機械車両。
【請求項21】
折り畳み式輸送コンベヤ(2)の端部にある、第1の輸送コンベヤセクション(4)に関節結合された第2の輸送コンベヤセクション(6)を枢動させるための方法であって、前記両方の輸送コンベヤセクション(4,6)の周囲でコンベヤベルト(10)が連続的に回転する方法において、
輸送コンベヤセクション(4)に結合される結合要素(18)または他方の輸送コンベヤセクション(6)に結合される制御カム要素(16)に対して作動力が及ぼされ、前記結合要素(18)が、前記第2の輸送コンベヤセクション(6)の枢動動作を可能とするために前記制御カム要素と係合することを特徴とする、方法。
【請求項22】
前記制御カム要素(16)または前記結合要素(18)が前記輸送コンベヤセクション(4,6)のうちの一方に取り外し不能に取り付けられ、前記制御カム要素(16)または前記結合要素(18)に対して相補的な要素が他方の輸送コンベヤセクション(6,4)に枢動可能に装着されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
枢動可能に装着される前記要素の枢動動作が円形経路(20)上で行なわれることを特徴とする、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−263136(P2009−263136A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−86021(P2009−86021)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(301064954)ヴィルトゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (25)
【氏名又は名称原語表記】Wirtgen GmbH
【住所又は居所原語表記】Reinhard−Wirtgen−Strasse 2, D−53578 Windhagen, Germany
【Fターム(参考)】