説明

建設機械

【課題】 フロア部材の幅寸法に関係なく左,右方向に広い間隔で防振部材を配置することにより、走行時、作業時の乗り心地を良好にする。
【解決手段】 フロア部材13の後側取付板13Dを取付けるフロア取付板21は、左,右方向に延びた右側部位21Bをフロア部材13から右側に突出させる。また、左,右の防振マウント23,24のうち、右防振マウント24は、フロア部材13から右側に突出したフロア取付板21の右側突出部位21Bに配置する。従って、右側に作業装置25があってフロア部材13の幅寸法を大きくすることができない場合でも、このフロア部材13の幅寸法に関係なく、左防振マウント23と右防振マウント24との距離を長く、大きな間隔寸法Wをもって配置することができる。これにより、フロア部材13が大きく横揺れするのを防止でき、乗り心地を良好にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設建設に関し、特に、旋回フレーム上に防振部材を介してフロア部材を支持する構成とした建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルには、狭い作業現場での作業に適したミニショベルと呼ばれる小型油圧ショベルがある。この小型油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、油圧ショベルの上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、該エンジンの後側に位置して前記旋回フレームの後端部に取付けられたカウンタウエイトと、前記エンジンの前側に位置して前記旋回フレーム上の左側に設けられたフロア部材と、該フロア部材に設けられたオペレータが着座する運転席と、該運転席の上方を覆うキャノピ、キャブ等の建屋と、該建屋の右側に位置して前記旋回フレーム上に搭載された作動油タンク、燃料タンクとにより大略構成されている。
【0004】
そして、小型油圧ショベルは、狭い作業現場で上部旋回体が旋回動作できるように、該上部旋回体をコンパクトにまとめる必要があり、この上部旋回体は、例えば下部走行体の車幅内にほぼ収まるような円形状に形成されている。また、上部旋回体を小型化すると旋回フレームも小さくなるから、該旋回フレーム上にはエンジン、制御弁等の機器を設置するスペースが少なくなってしまう。このため、小型油圧ショベルは、フロア部材の下側のスペースを利用してエンジン、制御弁等の機器を配設している。しかし、フロア部材の下側にエンジン、制御弁等の機器を配置すると、メンテナンス作業、点検作業等を行うときに手が届き難く目視も困難になる。
【0005】
そこで、小型油圧ショベルには、フロア部材の下側に設置したエンジン、制御弁等の機器に対してメンテナンス作業や点検作業を行なえるように、フロア部材を前側を支持点として後側を昇降する傾転動作(チルトアップ、チルトダウン)ができるように構成したものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−72048号公報
【特許文献2】国際公開第WO2005/025968号パンフレット
【0007】
また、油圧ショベルでは、旋回フレームからフロア部材に伝わる振動を緩和してオペレータの作業環境を良好にするために、旋回フレームとフロア部材との間に複数の防振部材を設けている。そして、これらの防振部材は、例えばフロア部材の前側部位と後側部位に左,右方向に離間して配置され、旋回フレームとフロア部材との間で弾性変形することにより旋回フレームからフロア部材に伝わる振動を緩和するものである(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献3】特開2005−119545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来技術による小型油圧ショベルは、小さな旋回フレーム上にフロア部材と作動油タンク、燃料タンクとを左,右に並べて配置しているから、フロア部材を左,右方向に大きく形成することができない。このため、フロア部材の四隅に防振部材を配置したとしても、左側の防振部材と右側の防振部材との距離が短くなってしまう。
【0010】
従って、左,右方向に接近した防振部材は、フロア部材、建屋に左,右方向の横揺れ(ローリング)が作用したときに、この横揺れに耐えることができないから、旋回フレーム上でフロア部材が大きく横揺れし、該旋回フレームとフロア部材とが干渉する虞がある。
【0011】
そこで、旋回フレームとフロア部材とが干渉しないように防振部材を硬めに設定することが考えられるが、この場合には、走行時や作業時の乗り心地が悪くなり、作業環境、作業性が低下するという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、フロア部材が狭幅な場合でも左,右方向に広い間隔で防振部材を配置することにより、走行時、作業時の乗り心地を良好にして作業環境、作業性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に設けられたフロア支持部材と、左,右方向に延びて該フロア支持部材上に支持されたフロア取付板と、前記旋回フレームの左側に位置して前側が前記旋回フレームに取付けられ後側が該フロア取付板に取付けられ運転席が載置されたフロア部材と、前記フロア支持部材と前記フロア取付板との間に設けられ前記フロア部材を防振状態で支持する防振部材とを備えてなる。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記フロア取付板の右側部位を前記フロア部材よりも突出させることにより、この右側突出部位を前記フロア支持部材上に支持する構成としたことにある。
【0015】
請求項2の発明によると、前記防振部材は、少なくとも前記フロア取付板の左側部位と前記フロア部材から右側に突出した前記右側突出部位とに配置する構成としたことにある。
【0016】
請求項3の発明によると、前記フロア取付板は、前記フロア部材上に設けられ前記運転席の上方を覆うキャノピを備えた機種と、運転室を画成するキャブを備えた機種とに共通して用いる構成としたことにある。
【0017】
請求項4の発明によると、前記フロア取付板は、前記フロア部材の右側に位置して前記旋回フレームに俯仰動可能に支持されたオフセット式またはモノブーム式の作業装置を備えた機種と、前記フロア部材の前方に位置して左,右方向に揺動可能かつ俯仰動可能に支持されたスイング式の作業装置を備えた機種とに共通して用いる構成としたことにある。
【0018】
請求項5の発明によると、前記フロア部材は、前側を支持点として前記旋回フレーム上に傾転可能に支持する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、フロア部材が左,右方向に狭幅な場合でも、旋回フレームの後側位置に設けたフロア取付板は、その右側部位をフロア部材よりも突出させることにより、この右側突出部位をフロア支持部材上に支持することができる。これにより、フロア部材の幅寸法に関係なく、フロア取付板の支持位置を左,右方向に広い間隔にすることができるから、走行時や作業時に振動が生じても、フロア部材が大きく横揺れ(ローリング)するのを防止でき、フロア部材をフロア支持部材上に安定的に支持することができる。
【0020】
この結果、旋回フレーム上でフロア部材が大きな横揺れを生じたり、旋回フレームとフロア部材とが干渉するのを防止することができるから、各防振部材として適度に軟らかいものを用いることができる。これにより、走行時や作業時の乗り心地を良好にすることができ、作業環境、作業性を向上することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、防振部材をフロア取付板の左側部位と右側突出部位とに配置することにより、左,右の防振部材は、広い間隔でフロア部材を安定的に支持することができ、また防振性能を高めることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、キャノピを備えた機種とキャブを備えた機種との両方に、フロア取付板を共通の部品として用いることができる。これにより、キャノピとキャブの仕様変更を容易に行うことができる上に、部品点数も削減することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、フロア部材の幅寸法に関係なくフロア取付板を左,右方向に延びて配置することができるから、オフセット式またはモノブーム式の作業装置を備えた機種とスイング式の作業装置を備えた機種のように、旋回フレーム、フロア部材の形状が異なる複数種類の機種に対しても、フロア取付板を共通の部品として用いることができる。これにより、部品点数を削減して組立作業性等を向上することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、フロア部材を前側を支持点として後側を上側ないし前側に傾転(チルトアップ)させたときには、例えばフロア部材の下側に配置されたエンジン、制御弁等のメンテナンス作業、点検作業を簡単に行うことができる。一方、下側ないし後側に傾転(チルトダウン)させたときには、フロア部材の後側をフロア取付板に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として、小旋回型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って説明する。
【0026】
まず、図1ないし図16は本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、オフセット式の作業装置を備えた小旋回型の油圧ショベルを例に挙げて詳細に説明する。ここで、オフセット式油圧ショベルには、キャノピ仕様の機種とキャブ仕様の機種とが用意されている。
【0027】
そこで、オフセット式の作業装置を備えたキャノピ仕様のオフセット式油圧ショベルについて、図1ないし図14を参照して説明する。
【0028】
図1において、1は建設機械としてのキャノピ仕様のオフセット式油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより大略構成され、上部旋回体3の前側には、左,右の中間位置に後述するオフセット式の作業装置25が俯仰動可能に設けられている。
【0029】
ここで、上部旋回体3は、図2、図3に示すように、下部走行体2の車幅内でほぼ旋回できるように上方からみて略円形状に形成されている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム4、フロア支持部材10、フロア部材13、運転席14、キャノピ17、フロア前支持部19、チルト機構20、フロア取付板21、左,右の防振マウント23,24等により構成されている。
【0030】
4は上部旋回体3の支持構造体を構成する旋回フレームを示している。この旋回フレーム4は、図4、図6に示す如く、中央部を前,後方向に延びて設けられた底板4Aと、該底板4A上を前,後方向に延びて立設された左前縦板4Bと、該左前縦板4Bの右側に間隔をもって平行に立設された右前縦板4Cと、各前縦板4B,4Cの後端部に位置して左,右方向に延びた横板4Dと、該横板4Dの左側から後側に延びた左後縦板4Eと、該左後縦板4Eの右側に間隔をもって平行に立設された右後縦板4Fと、左側に設けられた円弧状の左ガード部材4Gと、右側に設けられた円弧状の右ガード部材4Hと、前記各前縦板4B,4C間の前側位置に設けられ作業装置25のブームシリンダ25Fが取付けられるブームシリンダブラケット4Jとにより大略構成されている。
【0031】
また、左,右の前縦板4B,4Cには、作業装置25のロアブーム25Aが俯仰動可能に取付けられる。一方、左ガード部材4Gの前部上方には、左,右方向に延びる前側支持台4Kが設けられ、該前側支持台4Kには、後述のフロア前支持部19を介してフロア部材13の前側部位が上,下方向に回動可能に取付けられている。さらに、旋回フレーム4の後側には、後述のエンジン5等を跨ぐようにフロア支持部材10が取付けられている。
【0032】
5は旋回フレーム4の後部側に搭載されたエンジンで、該エンジン5は、図4に示すように、旋回フレーム4を構成する横板4Dの後側に位置し、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。そして、エンジン5は、後述するフロア部材13の下側に入り込むように配設されている。また、エンジン5の左側には、該エンジン5によって駆動される油圧ポンプ6が設けられ、エンジン5の右側には、ラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器7が配設されている。また、8は旋回フレーム4の右側に設けられた作動油タンク、9は該作動油タンク8の前側に設けられた燃料タンクをそれぞれ示している。
【0033】
10はエンジン5を跨いで旋回フレーム4の後部側に設けられたフロア支持部材で、該フロア支持部材10は、後述するフロア部材13の後側部位を支持するものである。そして、フロア支持部材10は、図4に示すように、エンジン5の上方を左,右方向に延びて設けられた台座11と、該台座11から下向きに延びて旋回フレーム4に取付けられた4本の支柱12A〜12Dとにより大略構成されている。
【0034】
ここで、台座11は、図11に示すように、逆U字状に折り曲げられたベース板11Aと、該ベース板11Aの下側に固着された下板11Bとによって左,右方向に延びる中空な角筒形状に形成され、その右端側は、図5、図9に示すように、後述するフロア部材13の右端部よりも右側に延びている。
【0035】
また、台座11のベース板11Aには、左側部位とフロア部材13よりも右側に突出した右側部位とに後述の防振マウント23,24を取付ける防振マウント取付孔11Cが形成されている。さらに、台座11の右側寄り位置には、後述するチルト機構20(図2、図14中に図示)が取付けられている。
【0036】
13はエンジン5の前側に位置して旋回フレーム4の左側に配置されたフロア部材を示している。このフロア部材13は、前側が旋回フレーム4に取付けられ後側が後述のフロア取付板21に取付けられている。そして、フロア部材13は、前側部位を支持点としてチルトアップ、チルトダウン可能(傾転可能)に構成されている。
【0037】
そして、フロア部材13は、図7、図8に示す如く、後述の運転席14に着座したオペレータの足元に敷設された足乗せ板13Aと、該足乗せ板13Aの前側に設けられ、後述の走行用レバー・ペダル15、キャノピ17の前側固定部17F等が取付けられる前側取付板13Bと、前記足乗せ板13Aの後側に設けられ、後述の運転席14を支持する運転席台座13Cと、該運転席台座13Cの後部から後側に延びた後側取付板13Dと、前記運転席台座13Cの右側に設けられ、後述するチルト機構20の移動部材が回動可能に取付けられる接続ブラケット13Eとにより大略構成されている。
【0038】
ここで、後側取付板13Dは、旋回フレーム4の後側に位置してフロア支持部材10の台座11に設けられた後述のフロア取付板21に着脱可能に取付けられるものである。そして、後側取付板13Dには、フロア取付板21に螺着される後述のフロア取付ボルト22が挿通される3個のボルト挿通孔13Fと、後述するキャノピ17の後側取付部17Gを取付けるためのキャノピ取付ボルト18が螺着される2個のねじ孔13G(例えば溶接ナット等)とが形成されている。
【0039】
14はフロア部材13の運転席台座13C上に設けられた運転席(図1参照)で、該運転席14は、オペレータが着座するものである。また、運転席14の前側には、走行用レバー・ペダル15が配設され、運転席14の左,右両側には、作業用レバー16(左側のみ図示)が配設されている。
【0040】
17はフロア部材13上に設けられた建屋としてのキャノピで、該キャノピ17は、図2に示す如く、後述する作業装置25のロアブーム25Aの左側に配置されている。そして、キャノピ17は、運転席14の上方および右側方を覆うものである。また、キャノピ17は、図1、図8に示すように、運転席14の右側を覆う右側面部17Aと、運転席14の上方を覆う上面部17Bと、右前ピラー17C、左後ピラー17D、右後ピラー17Eとを備えた3柱式のキャノピとして構成されている。
【0041】
また、右前ピラー17Cの下端部には、フロア部材13の前側取付板13Bに固定される前側固定部17Fが左側に延びて設けられている。一方、左後ピラー17D、右後ピラー17Eの下端部には、フロア部材13の後側取付板13Dに対面する後側固定板17Gが固着され、該後側固定板17Gには、後側取付板13Dに設けられたボルト挿通孔13F、ねじ孔13Gに対応する位置にボルト挿通孔17Hが形成されている。
【0042】
そして、キャノピ17は、前側固定部17Fがフロア部材13の前側取付板13B上にボルト止めされている。また、キャノピ17の後側は、図9に示す如く、フロア部材13の後側取付板13D上に後側固定板17Gを配置し、該後側固定板17Gのボルト挿通孔17Hに挿通したキャノピ取付ボルト18を後側取付板13Dに設けられたねじ孔13Gに螺着することによりフロア部材13に固定されている。
【0043】
19は旋回フレーム4の前側に支持点として設けられた2組のフロア前支持部(図14中に左側の一部のみ図示)を示している。このフロア前支持部19は、旋回フレーム4の前側支持台4Kにフロア部材13の前側部位を傾転可能に支持するもので、左,右方向に離間して配設されている。これにより、各フロア前支持部19は、フロア部材13、キャノピ17を上側ないし前側にチルトアップさせたり、下側ないし後側にチルトダウンさせたりすることができる。
【0044】
20は旋回フレーム4とフロア部材13との間に設けられたチルト機構で、該チルト機構20は、図2、図14に示すように、フロア部材13の右側方に前,後方向に伸長して設けられている。ここで、チルト機構20は、後端側がフロア支持部材10の台座11に上,下方向に揺動可能に取付けられ、先端側が自由端となって前側に延びたガイドレール20Aと、該ガイドレール20Aに沿って延びるように該ガイドレール20Aに回転可能に取付けられたねじ軸20Bと、該ねじ軸20Bに螺着した状態でフロア部材13の接続ブラケット13Eに取付けられた移動部材(図示せず)とにより大略構成されている。
【0045】
そして、チルト機構20は、例えば工具(図示せず)を用いてねじ軸20Bを回転させ、移動部材をガイドレール20Aの基端側から先端側に移動させることにより、図14に示す如く、フロア前支持部19を支持点としてフロア部材13の後側をチルトアップすることができる。一方、ねじ軸20Bを逆方向に回転させ、移動部材をガイドレール20Aの先端側から基端側に移動させることにより、フロア部材13の後側をチルトダウンさせることができる。
【0046】
次に、旋回フレーム4の後側に設けられたフロア支持部材10にフロア部材13の後側部位を防振状態で着脱可能に取付けるための構成について、図9ないし図13を参照しつつ説明する。
【0047】
まず、21は旋回フレーム4の後側に配置されたフロア支持部材10上に支持されたフロア取付板を示している。このフロア取付板21は、図10、図11に示すように、左,右方向に延び後述する2組の防振マウント23,24を介してフロア支持部材10の台座11上に取付けられている。そして、フロア取付板21には、フロア部材13の後側取付板13Dが着脱可能に取付けられる。
【0048】
また、フロア取付板21は、図12、図13に示すように、例えば鋳鋼等の材料を用いた鋳造部品として一体形成されている。また、フロア取付板21は、図10に示す如く、台座11上を左,右方向に延び、その左側部位21Aが左側の防振マウント取付孔11Cに達し、右側部位21Bが右側の防振マウント取付孔11Cに達している。そして、フロア取付板21の左側部位21Aには、左防振マウント23を取付けるためのマウント用ねじ孔21Cが形成され、右側部位21B側には、右防振マウント24を取付けるためのマウント用ねじ孔21Dが形成されている。この左,右のマウント用ねじ孔21C,21Dには、左,右の防振マウント23,24のボルト23G,24Gが下側から螺着される。
【0049】
また、フロア取付板21には、フロア部材13の後側取付板13Dに設けられた3個のボルト挿通孔13Fに対応する位置にフロア用ねじ孔21Eが形成されている。これら3個のフロア用ねじ孔21Eには、キャノピ17の後側固定板17Gに設けられたボルト挿通孔17H、フロア部材13の後側取付板13Dに設けられたボルト挿通孔13Fに挿通されたフロア取付ボルト22が上側から螺着される。
【0050】
ここで、フロア取付板21は、図5等に示すように、その左側部位21Aがフロア部材13の後側取付板13Dの左側に配置され、右側部位21Bがフロア部材13の後側取付板13Dよりも右側に突出し、この突出した右側部位21B(以下、右側突出部位21Bという)に右防振マウント24を取付ける構成としている。これにより、フロア取付板21は、右側に配置された後述の作業装置25等のためにフロア部材13の幅寸法が小さくなっている場合でも、このフロア部材13の幅寸法に関係なく、大きく離間した幅広い間隔寸法Wをもってフロア部材13を安定的に支持することができる。
【0051】
23はフロア支持部材10の台座11の左側に位置してフロア取付板21を支持する防振部材としての左防振マウントを示している。この左防振マウント23は、後述する右防振マウント24と共に、旋回フレーム4、フロア支持部材10側からフロア部材13側に伝わろうとする振動を減衰し、乗り心地を良好にするものである。
【0052】
そして、左防振マウント23は、図10、図11に示すように、左側の防振マウント取付孔11Cに対応する位置で台座11のベース板11A上に配置された上側ワッシャ23Aと、該上側ワッシャ23Aの上側に配置され例えばゴム等の弾性材料を用いて円筒状に形成された上側弾性体23Bと、前記上側ワッシャ23Aに対面するように台座11のベース板11A下に配置された下側ワッシャ23Cと、該下側ワッシャ23Cの下側に配置された円筒状の下側弾性体23Dと、上,下のワッシャ23A,23C、弾性体23B,23Dに挿通して上,下方向に延びた円筒状のスリーブ23Eと、該スリーブ23Eの下端部に配置され、各弾性体23B,23Dが過剰に弾性変形するのを規制するストッパ板23Fと、下側からストッパ板23Fとスリーブ23Eに挿通され、先端側がフロア取付板21の左マウント用ねじ孔21Cに螺着されたボルト23Gとにより構成されている。
【0053】
一方、24はフロア支持部材10の台座11の右側に位置して設けられた防振部材としての右防振マウントで、該右防振マウント24は、フロア取付板21を台座11上に防振状態で支持するものである。また、右防振マウント24は、前述した左防振マウント23とほぼ同様に、上側ワッシャ24A、上側弾性体24B、下側ワッシャ24C、下側弾性体24D、スリーブ24E、ストッパ板24F、ボルト24Gにより構成されている。
【0054】
ここで、右防振マウント24は、フロア部材13の後側取付板13Dから右側に突出したフロア取付板21の右側突出部位21Bに配置されている。これにより、フロア部材13が狭幅な場合でも、右防振マウント24と左防振マウント23との間隔を広幅な寸法Wとすることができ、左,右方向の揺れ(ローリング)に対して各防振マウント23,24によりフロア部材13、キャノピ17を安定的に支持することができる。従って、各防振マウント23,24に用いる弾性体23B,23D,24B,24Dには、適度に軟らかいゴム材料等を用いることができるから、各防振マウント23,24は旋回フレーム4から伝わる振動を効率よく吸収することができる。
【0055】
このように、防振マウント23,24は、油圧ショベル1の走行時、作業時に旋回フレーム4から伝わる振動を、上側弾性体23B,24B、下側弾性体23D,24Dの弾性変形によって吸収することにより、この振動がフロア取付板21からフロア部材13側に伝わるのを緩和するものである。
【0056】
なお、25はフロア部材13の右側に位置して旋回フレーム4の前部側に俯仰動可能に設けられたオフセット式の作業装置を示している(図1、図2参照)。このオフセット式作業装置25は、土砂の掘削作業等を行うものである。
【0057】
また、オフセット式作業装置25は、基端側が旋回フレーム4の前縦板4B,4Cに俯仰動可能に支持されたロアブーム25Aと、該ロアブーム25Aの先端に左,右方向に揺動可能に連結されたアッパブーム25Bと、該アッパブーム25Bの先端に左,右方向に揺動可能に連結されたアーム支持部材25Cと、該アーム支持部材25Cの先端に上,下方向に回動可能に連結されたアーム25Dと、該アーム25Dの先端に回動可能に取付けられたバケット25Eと、ブームシリンダ25F、アームシリンダ25G、バケットシリンダ25Hとにより大略構成されている。また、ロアブーム25A先端部とアーム支持部材25Cとの間には、ロアブーム25Aに対してアーム25Dを常時平行に保持するリンク機構25Jが設けられている。
【0058】
また、26は旋回フレーム4の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト26は、作業装置25との重量バランスをとるものである。さらに、27はキャノピ17の右側等に設けられた外装カバーで、該外装カバー27は、旋回フレーム4上に配設された熱交換器7、作動油タンク8、燃料タンク9等を覆うものである。
【0059】
次に、オフセット式の作業装置25を備えたキャブ仕様のオフセット式油圧ショベルについて、図15および図16を参照して説明する。
【0060】
図15において、31はキャブ仕様のオフセット式油圧ショベルを示している。このキャブ仕様のオフセット式油圧ショベル31の上部旋回体32には、後述のキャブ33を除いてキャノピ仕様のオフセット式油圧ショベル1で使用している他の部品、機器、例えば旋回フレーム4、フロア支持部材10、フロア取付板21、防振マウント23,24等が共通で用いられている。
【0061】
33はフロア部材13上に取付けられるキャブで、該キャブ33は、図16に示す如く、前面部33A、後面部33B、左側面部33C、右側面部33D、上面部33E等によって囲まれた箱状に形成され、その内部には運転席14を収容する運転室を画成している。また、キャブ33は、フロア部材13の外周側部位に複数個のボルト(図示せず)を用いて取付けられている。
【0062】
そして、キャブ仕様のオフセット式油圧ショベル31について、キャブ33が取付けられたフロア部材13よりもフロア取付板21の右側突出部位21Bを突出させ、この右側突出部位21Bに右防振マウント24を配設している点は、キャノピ仕様のオフセット式油圧ショベル1と同様である。
【0063】
第1の実施の形態によるオフセット式油圧ショベル1,31は上述の如き構成を有するもので、油圧ショベル1,31を用いて掘削作業等を行う場合には、まず、フロア部材13上に設けられた運転席14にオペレータが着座し、このオペレータが走行用レバー・ペダル15を操作することにより、油圧ショベル1,31を作業現場まで自走させる。そして、オペレータが作業用レバー16を操作し、上部旋回体3,32を旋回させつつ作業装置25を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行なう。
【0064】
ここで、油圧ショベル1,31の走行時、掘削作業時には、下部走行体2上に搭載された旋回フレーム4が振動を発生するが、第1の実施の形態による油圧ショベル1,31は、フロア部材13の後側を防振状態で支持する左,右の防振マウント23,24のうち、右防振マウント24を、図5、図9に示すように、フロア部材13の後側取付板13Dから右側に突出したフロア取付板21の右側突出部位21Bに配置している。
【0065】
従って、フロア部材13が狭幅な場合でも、右防振マウント24と左防振マウント23との間隔を広幅な離間寸法Wとすることができる。これにより、フロア部材13は、左,右方向の揺れ(ローリング)に対して各防振マウント23,24により安定的に支持することができる。
【0066】
また、油圧ショベル1,31のメンテナンス作業等を行うために、フロア部材13をチルトアップするときの作業について説明する。この場合には、フロア部材13の後側取付板13Dをキャノピ17と共にフロア支持部材10に取付けているフロア取付ボルト22を取外す。次に、作業者は、チルト機構20のねじ軸20Bを回転駆動することにより、移動部材をガイドレール20Aの先端側に移動させる。これにより、図14に示すようにフロア部材13の後側をチルトアップすることができ、この状態では、エンジン5、制御弁等のメンテナンス作業等を行うことができる。
【0067】
一方、作業が終了したら、ねじ軸20Bを逆方向に回転駆動して移動部材をガイドレール20Aの後端側に移動することにより、フロア部材13等を下側ないし後側にチルトダウンさせることができる。
【0068】
このように、第1の実施の形態によれば、フロア部材13の後側取付板13Dを取付けるフロア取付板21は、左,右方向に延びた右側突出部位21Bをフロア部材13よりも右側に突出させることにより、左,右の防振マウント23,24のうち、右防振マウント24をフロア部材13から右側に突出した前記フロア取付板21の右側突出部位21Bに配設することができる。
【0069】
従って、右側に作業装置25があってフロア部材13の幅寸法を大きくすることができない場合でも、このフロア部材13の幅寸法に関係なく、左防振マウント23と右防振マウント24との距離を長く、大きな間隔寸法Wをもって配置することができる。これにより、左,右の防振マウント23,24は、フロア部材13が大きく横揺れ(ローリング)するのを効果的に抑えることができ、該フロア部材13を安定的に支持することができる。
【0070】
この結果、旋回フレーム4上でフロア部材13が大きくローリングしたり、旋回フレーム4とフロア部材13とが干渉するのを防止することができるから、各防振マウント23,24の弾性体23B,23D,24B,24Dとして適度に軟らかいゴム材料等を用いることができる。これにより、走行時や作業時の乗り心地を良好にすることができ、作業環境、作業性を向上することができる。
【0071】
また、キャノピ17以外となるフロア取付板21、左,右の防振マウント23,24を含む部品、機器は、キャブ33を設ける場合にも、同じ取付位置に共通部品として用いることができるから、キャノピ17とキャブ33の仕様変更を容易に行うことができる。しかも、共通部品を増大することにより全体での部品点数を削減することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0072】
次に、図17ないし図19は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、フロア取付板は、フロア部材の右側に位置して旋回フレームに俯仰動可能に支持されたオフセット式の作業装置を備えた機種と、フロア部材の前側に位置して左,右方向に揺動可能かつ俯仰動可能に支持されたスイング式の作業装置を備えた機種とに共通の部品として用いる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0073】
図17において、41は後述のスイング式作業装置46を備えたキャノピ仕様のスイング式油圧ショベルで、該スイング式油圧ショベル41は、下部走行体2上に上部旋回体42を搭載している。
【0074】
ここで、上部旋回体42は、後述の旋回フレーム43、フロア部材44、キャノピ45と第1の実施の形態で述べたエンジン5、油圧ポンプ6、熱交換器7、作動油タンク8、燃料タンク9、運転席14、フロア取付板21、左,右の防振マウント23,24等を含んで構成されている。
【0075】
43はスイング式油圧ショベル41に用いる旋回フレームを示している。この第2の実施の形態による旋回フレーム43は、図18に示す如く、前側に突出した位置に円筒状の支持ブラケット43Aを有し、該支持ブラケット43Aには、後述のスイング式作業装置46が左,右方向に揺動可能に取付けられている。
【0076】
44はスイング式油圧ショベル41に用いるフロア部材で、該フロア部材44は、オフセット式油圧ショベル1,31に用いるフロア部材13とほぼ同様に、足乗せ板44A、前側取付板44B、運転席台座44C、後側取付板44D等により大略構成されている。
【0077】
しかし、スイング式油圧ショベル41に用いる第2の実施の形態によるフロア部材44は、後述の作業装置46がフロア部材44の前方に配置されたことにより、第1の実施の形態によるオフセット式油圧ショベル1,31に用いるフロア部材13よりも全体が左,右方向に広幅に形成されている。
【0078】
ここで、フロア部材44の後側取付板44Dをフロア支持部材10の台座11に支持する構成について説明する。この場合、台座11には第1の実施の形態によるオフセット式油圧ショベル1,31で用いたフロア取付板21と左,右の防振マウント23,24が共通部品として設けられている。そして、フロア取付板21は、その右側部位21Bがフロア部材44から突出し、この突出したフロア取付板21の右側突出部位21Bに位置して右防振マウント24を配置する構成としている。
【0079】
これにより、第1の実施の形態とほぼ同様に、フロア部材44の幅寸法に関係なく、左防振マウント23と右防振マウント24との距離を長くして大きな横揺れに対してフロア部材44を安定させることができる。
【0080】
また、45はフロア部材44上に設けられた第2の実施の形態による建屋としてのキャノピを示している。このキャノピ45は、左,右の前ピラー45A、左,右の後ピラー45B(いずれも左側のみ図示)および上面部45Cからなる4柱式のキャノピとして構成されている。そして、キャノピ45は、各前ピラー45Aを前側取付板44Bにボルト止めし、各後ピラー45Bを後側取付板44Dにボルト止めすることによりフロア部材44に固定されている。
【0081】
46は上部旋回体42の前側に揺動および俯仰動可能に設けられたスイング式の作業装置を示している。この作業装置46は、旋回フレーム43の支持ブラケット43Aに左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポスト46Aと、該スイングポスト46Aに上,下方向に俯仰動可能に取付けられたブーム46Bと、該ブーム46Bの先端部に回動可能に取付けられたアーム46Cと、該アーム46Cの先端部に回動可能に取付けられたバケット46Dと、ブームシリンダ46E、アームシリンダ46F、バケットシリンダ46G、スイングシリンダ(図示せず)とにより大略構成されている。
【0082】
次に、スイング式の作業装置46を備えたキャブ仕様のスイング式油圧ショベルについて、図19を参照して説明する。
【0083】
図19において、51はキャブ仕様のスイング式油圧ショベルを示している。このキャブ仕様のスイング式油圧ショベル51の上部旋回体52には、後述のキャブ53を除いてキャノピ仕様のスイング式油圧ショベル41で使用している他の部品、機器等が共通で用いられている。
【0084】
53はフロア部材44上に取付けられるキャブで、該キャブ53は、第1の実施の形態によるキャブ33とほぼ同様に、箱状に形成され、その内部には運転席14を収容する運転室を画成している。また、キャブ53は、フロア部材44に複数個のボルト(図示せず)を用いて取付けられている。
【0085】
そして、キャブ仕様のスイング式油圧ショベル51について、キャブ53が取付けられたフロア部材44よりも右側に突出した位置に右防振マウント24を配設している点は、キャノピ仕様のスイング式油圧ショベル41と同様である。
【0086】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、スイング式油圧ショベル41,51でも、オフセット式油圧ショベル1,31のフロア取付板21と左,右の防振マウント23,24とを共通部品として使用することができるから、部品点数を削減して組立作業性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
なお、第1の実施の形態では、フロア支持部材10とフロア取付板21との間に左,右方向に離間して2個の防振マウント23,24を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図20および図21に示す変形例のように、フロア支持部材61とフロア取付板62との間に左,右方向に離間して3個の防振マウント63,64,65を設ける構成としてもよい。この構成は第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
【0088】
また、第1の実施の形態では、オフセット式の作業装置25を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1とキャブ仕様の油圧ショベル31とを例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばオフセット機構を備えていないモノブーム式の作業装置を備えた建設機械にも適用することができる。
【0089】
また、実施の形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1,31,41,51を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル、油圧クレーン等の他の建設機械にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるキャノピ仕様のオフセット式油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】キャノピ仕様のオフセット式油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
【図3】図2中の上部旋回体を運転席、キャノピ等を取外した状態で拡大して示す平面図である。
【図4】図3中のフロア部材、外装カバーを取外した状態で示す上部旋回体の平面図である。
【図5】図4中のフロア部材の後側、フロア取付板等を拡大して示す平面図である。
【図6】旋回フレームを単体で示す斜視図である。
【図7】フロア部材を示す斜視図である。
【図8】フロア部材にキャノピを取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】フロア取付板にフロア部材の後側取付板、キャノピの後側固定部を取付けた状態を示す斜視図である。
【図10】フロア支持部材、フロア取付板、左,右の防振マウントを示す分解斜視図である。
【図11】フロア支持部材、フロア取付板、左防振マウント、フロア部材の後側取付板等を図9中の矢示XI−XI方向からみた要部拡大断面図である。
【図12】フロア取付板を単体で上面側から示す斜視図である。
【図13】フロア取付板を単体で下面側から示す斜視図である。
【図14】チルト機構によりフロア部材をチルトアップした状態のオフセット式油圧ショベルを示す正面図である。
【図15】第1の実施の形態によるキャブ仕様のオフセット式油圧ショベルを示す正面図である。
【図16】フロア部材にキャブを取付けた状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態によるキャノピ仕様のスイング式油圧ショベルを示す正面図である。
【図18】図17中の上部旋回体を運転席、キャノピ等を取外した状態で拡大して示す平面図である。
【図19】第2の実施の形態によるキャブ仕様のスイング式油圧ショベルを示す正面図である。
【図20】本発明の変形例によるフロア取付板等を示す拡大平面図である。
【図21】変形例によるフロア取付板、3個の防振マウント等を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 キャノピ仕様のオフセット式油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3,32,42,52 上部旋回体
4,43 旋回フレーム
10,61 フロア支持部材
13,44 フロア部材
14 運転席
17,45 キャノピ
19 フロア前支持部(支持点)
20 チルト機構
21,62 フロア取付板
21A 左側部位
21B 右側部位(右側突出部位)
21C 左マウント用ねじ孔
21D 右マウント用ねじ孔
21E フロア用ねじ孔
23 左防振マウント(左防振部材)
24 右防振マウント(右防振部材)
25 オフセット式作業装置
31 キャブ仕様のオフセット式油圧ショベル(建設機械)
33,53 キャブ
41 キャノピ仕様のスイング式油圧ショベル(建設機械)
46 スイング式作業装置
51 キャブ仕様のスイング式油圧ショベル(建設機械)
63,64,65 防振マウント(防振部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に設けられたフロア支持部材と、左,右方向に延びて該フロア支持部材上に支持されたフロア取付板と、前記旋回フレームの左側に位置して前側が前記旋回フレームに取付けられ後側が該フロア取付板に取付けられ運転席が載置されたフロア部材と、前記フロア支持部材と前記フロア取付板との間に設けられ前記フロア部材を防振状態で支持する防振部材とを備えてなる建設機械において、
前記フロア取付板の右側部位を前記フロア部材よりも突出させることにより、この右側突出部位を前記フロア支持部材上に支持する構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記防振部材は、少なくとも前記フロア取付板の左側部位と前記フロア部材から右側に突出した前記右側突出部位とに配置する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記フロア取付板は、前記フロア部材上に設けられ前記運転席の上方を覆うキャノピを備えた機種と、運転室を画成するキャブを備えた機種とに共通して用いる構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記フロア取付板は、前記フロア部材の右側に位置して前記旋回フレームに俯仰動可能に支持されたオフセット式またはモノブーム式の作業装置を備えた機種と、前記フロア部材の前方に位置して左,右方向に揺動可能かつ俯仰動可能に支持されたスイング式の作業装置を備えた機種とに共通して用いる構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記フロア部材は、前側を支持点として前記旋回フレーム上に傾転可能に支持する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−63777(P2007−63777A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248072(P2005−248072)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】