説明

建設機械

【課題】建設機械の仕様または作業環境等に応じて排気ガスの噴出方向を調整し、作業者に与える不快感を軽減する。
【解決手段】油圧ショベル1の建屋カバー14の上側面に設けられた排気尾管15の屈曲筒18内に斜板19を設け、排気口18Aから排出される排気ガスの排出角を変更可能とする。これにより、排気ガスの排出方向を油圧ショベル1の仕様または作業環境等に応じて変えることができ、排気ガスにより作業者に与える不快感を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、該上部旋回体の前側には土砂の掘削作業等を行う作業装置が俯仰動可能に設けられている。また、上部旋回体の旋回フレーム上には、運転席を有するキャブまたはキャノピ、油圧ショベルを稼働させるためのエンジン、該エンジンを収容する建屋カバー、作業装置とのバランスをとるためのカウンタウエイト等が搭載されている。
【0003】
さらに、エンジンからの排気ガスを排出する排気経路の途中には消音器が設けられ、該消音器の流出側には排気尾管(テールパイプ)が取り付けられている。そして、排気尾管の排出端側は、建屋カバーから上方に向けて延びた後、横向きまたは斜め上向きに屈曲している。これにより、排気尾管の排気口は横方向に開口しており、これにより、排気尾管内への雨水の浸入を防止することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−313901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術による建設機械では、排気尾管の排気口が横方向、具体的には建設機械の後方に向いている。このため、建設機械周囲の地上で作業する作業者に向けて排気ガスが放出され、これらの作業者に異臭等の不快感を与えることがある。一方、排気尾管の排気口を上に向けると、キャノピ内の運転席に座って建設機械を操縦する作業者側に排気ガスが放出され、この作業者に不快感を与えることがある。
【0006】
このような排気ガスによる作業者の不快感を軽減するために、建設機械の仕様(小型・中型・大型、またはキャブ仕様・キャノピ仕様等)、あるいは作業現場の環境に応じて排気ガスの噴出方向を適宜調整することが望ましい。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術による建設機械では、排気口の向きが固定されているため、排気ガスの噴出方向を調整することができない。また、特許文献1に記載の建設機械には、排気尾管内に雨水侵入防止用の遮蔽板が設けられているが、この遮蔽板は排気尾管内に固定されているため、排気ガスの噴出方向を調整することができない。
【0008】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、建設機械の仕様または作業環境等に応じて排気ガスの噴出方向を調整することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、作業装置が設けられた車体と、該車体に搭載されたエンジンと、該エンジンの排気経路の先端側に接続され排気ガスを外気に放出する排気尾管とを備え、該排気尾管は、前記車体から上方に向けて延びる縦筒と、該縦筒の上端部から斜め上方に屈曲して先端が排気口となった屈曲筒とにより形成してなる建設機械に適用される。
【0010】
そして、請求項1に係る発明の特徴は、前記排気尾管の屈曲筒内には、前記排気口から外気に排出される排気ガスの排出角を変えることができる斜板を設ける構成としたことにある。
【0011】
また、上記課題を解決するために請求項2に係る発明は、前記屈曲筒の底面側には、左右方向に位置して軸挿通孔を穿設し、前記斜板は、その下端側に設けられた回動軸を前記軸挿通孔に挿入することにより角度調整可能に支持される構成としている。
【0012】
さらに、上記課題を解決するために請求項3に係る発明は、前記屈曲筒の底面には、前記斜板の下端側と前記排気口との間に位置し、雨水を外部に逃がすドレイン孔を設ける構成としている。
【発明の効果】
【0013】
上述した請求項1に係る発明によれば、排気尾管の屈曲筒内に、排気口から外気に排出される排気ガスの排出角を変えることができる斜板を設けることにより、排気口から噴出する排気ガスの方向を建設機械の仕様または作業環境等に応じて変えることができる。これにより、排気ガスにより作業者に与える不快感を軽減することができる。
【0014】
また、請求項2に係る発明によれば、排気ガスの排出角を変える構成を、屈曲筒の軸挿通孔に斜板の回動軸を挿入するといった簡単な構成により実現することができ、部品点数および製造コストの削減を図ることができる。
【0015】
さらに、請求項3に係る発明によれば、斜板の下端側と排気口との間に位置して屈曲筒の底面にドレイン孔を設け、排気口から入り込んだ雨水を該ドレイン孔から外部に逃がす構成としたことにより、雨水が排気尾管を流れて消音器、排気ガス浄化装置などの排気ガス処理装置側に侵入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の建設機械の実施形態であるキョノピ仕様の小型油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】本発明の建設機械の実施形態であるキョノピ仕様の小型油圧ショベルを示す右側面図である。
【図3】排気尾管およびその周辺部分を示す斜視図である。
【図4】図2中の排気尾管の拡大図である。
【図5】図4中の矢示V-V方向からみた排気尾管の縦断面図である。
【図6】本発明の建設機械の他の実施形態であるキャブ仕様の小型油圧ショベルを示す正面図である。
【図7】本発明の建設機械の他の実施形態であるキョノピ仕様の中型油圧ショベルを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による建設機械としてクローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って説明する。
【0018】
図1において、1は本発明の実施形態によるキャノピ仕様の小型油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に設けられ、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に設けられた作業装置4とによって構成されている。
【0019】
そして、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム5を備え、該旋回フレーム5の前部左側には運転席6が設けられている。そして、該運転席6は、支柱7Aおよびルーフ7Bにより大略構成されたキャノピ7により覆われている。一方、旋回フレーム5の後端部には円弧状のカウンタウエイト8が設けられている。
【0020】
また、図2において、9はカウンタウエイト8の前側に位置して旋回フレーム5後部側に搭載されたエンジンで、該エンジン9は、左,右方向に延在する横置き状態に配設されている。
【0021】
10はエンジン9の排気側に設けられ、排気ガスを浄化すると共に排気音を低減する排気ガス処理装置で、該排気ガス処理装置10は、エンジン9の排気マニホルドに接続されたフロントエキゾーストパイプ11と、該フロントエキゾーストパイプ11に接続され、内部に吸音材、フィルタ等を収容した処理装置本体12と、該処理装置本体12の流出側に接続されたリアエキゾーストパイプ13とにより大略構成されている。そして、リアエキゾーストパイプ13の流出端部は後述する排気尾管15に接続されている。
【0022】
14はエンジン9および排気ガス処理装置10等を収容する建屋カバーで、該建屋カバー14は、左側面カバー14A、右側面カバー14Bおよび開閉可能なエンジンカバー14Cから構成され、エンジン9および排気ガス処理装置10の左右両側、上側および後側を覆っている。また、エンジンカバー14Cの上部には、図3に示すように、リアエキゾーストパイプ13の流出端部を後述する排気尾管15の縦筒16と連通させるための挿通孔14Dが形成されている。
【0023】
15はエンジン9の排気経路の先端側に接続された排気尾管であり、該排気尾管15は、エンジン9から排気ガス処理装置10を通って排出された排気ガスを外気に放出するものである。そして、該排気尾管15は、後述する縦筒16と屈曲筒18とにより屈曲した筒体として形成されている。
【0024】
即ち、図3に示すように、16は建屋カバー14のエンジンカバー14Cの上側面から上方に向けて延びる縦筒である。該縦筒16は、その下端側に設けられた取付フランジ部16Aをエンジンカバー14Cにボルト17を用いて取り付けることにより、エンジンカバー14Cの上側面に固定されている。また、縦筒16の下端側開口部16Bには、エンジンカバー14Cの挿通孔14Dを介して上向き突出するリアエキゾーストパイプ13の流出端部が挿入されている。
【0025】
18は縦筒16の上端部から斜め上方に屈曲した屈曲筒であり、該屈曲筒18は後方斜め上方に延び、その先端が排気口18Aとなっている。また、屈曲筒18の先端は、図5に示すように、上端部18Bが下端部18Cよりも後方に張り出すように斜交し、これにより排気口18Aは、図4に示すように長円形状となっている。また、屈曲筒18の底面側には、左右方向に位置して一対の軸挿通孔18Dが穿設され、これら軸挿通孔18Dには、後述する斜板19の回動軸20が挿入されている。
【0026】
19は排気口18Aから外気に排出される排気ガスの排出角を変える斜板であり、該斜板19は排気尾管15の屈曲筒18内に配設されている。ここで、該斜板19の下端側には、左右方向に延び、両端部に雄ねじ20Aが形成された回動軸20が設けられている。そして、斜板19は、該回動軸20の両端部を屈曲筒18の軸挿通孔18Dにそれぞれ挿入し、屈曲筒18の外側から回動軸20の各雄ねじ20Aにナット21を締着することにより角度調整可能に支持されている。
【0027】
即ち、図5に示すように、ナット21を緩め、回動軸20を軸として屈曲筒18に対して斜板19を回動させることにより、斜板19の傾斜角をθ1,θ2,θ3の如く変更することができる。そして、その後、ナット21を締め付けることにより、斜板19を変更後の傾斜角で固定することができる。これにより、排気ガスの排出角を変えることができ、排気ガスの噴出方向を例えば矢示D1,D2,D3の如く変更することができる。
【0028】
22は斜板19の下端側(回動軸20)と排気口18Aとの間に位置して屈曲筒18の底面に穿設されたドレイン孔であり、該ドレイン孔22は、排気口18Aから入り込んだ雨水を排気尾管15の外部に逃がすものである。
【0029】
本実施形態による油圧ショベル1は上述したような構成を有するものであり、次にその動作について説明する。
【0030】
即ち、油圧ショベル1のエンジン9の駆動中にエンジン9から排出された排気ガスは、フロントエキゾーストパイプ11、処理装置本体12およびリアエキゾーストパイプ13を順次通って排気尾管15内に流出する。そして、この排気ガスは縦筒16を通って上方に進み、続いて屈曲筒18において屈曲し、排気口18Aから外気に排出される。
【0031】
このとき、排気ガスの排出角は斜板19の傾斜角に応じて定まる。即ち、図5に示すように、斜板19の傾斜角がθ1(例えば10度)に設定されている場合には、排気ガスの排出角は傾斜角θ1とほぼ等しくなり、これにより排出ガスは、矢示D1に示すように、油圧ショベル1の後方に向かってほぼ水平方向に噴出する。これにより、運転席6に座って油圧ショベル1を操縦している作業者側に排気ガスが放出されるのを抑制することができる。
【0032】
また、斜板19の傾斜角がθ2(例えば30度)に設定されている場合には、排気ガスの排出角は傾斜角θ2とほぼ等しくなり、排出ガスは、矢示D2に示すように、油圧ショベル1の後方に向かって斜め上方向に噴出する。これにより、運転席6に座っている作業者側および油圧ショベル1周囲の地上で作業している作業者側に排気ガスが放出されるのを抑制することができる。
【0033】
また、斜板19の傾斜角がθ3(例えば60度)に設定されている場合には、排気ガスの排出角は傾斜角θ3とほぼ等しくなり、これにより排気ガスの噴出方向は、矢示D3に示すようにさらに上向きになり、垂直方向に近づく。これにより、油圧ショベル1周囲の地上で作業している作業者側に排気ガスが放出されるのを抑制することができる。
【0034】
一方、雨天で作業を行う場合には、雨水が排気口18Aから屈曲筒18内に入り込むことがある。排気口18Aから入り込んだ雨水は、屈曲筒18の先端部において屈曲筒18の下側内面上を流れて屈曲筒18の底面に集まり、ドレイン孔22を通って屈曲筒18の外部に流出する。これにより、雨水が排気尾管15を通って排気ガス処理装置10側に侵入するのを抑制することができる。
【0035】
以上説明した通り、本発明の実施形態による油圧ショベル1は、排気尾管15の屈曲筒18内に、排気口18Aから外気に排出される排気ガスの排出角を変えることができる斜板19を設ける構成としている。これにより、排気口18Aから噴出する排気ガスの方向を油圧ショベル1の仕様または作業環境等に応じて変えることができ、排気ガスの放出により作業者に与える不快感を軽減することができる。
【0036】
即ち、図1に示すキャノピ仕様の小型油圧ショベル1の場合、天井板であるルーフ7Bを除き、運転席6を取り囲むパネルやガラス窓が設けられておらず、運転席6が開放されている。このため、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ垂直方向であると、運転席6に座って油圧ショベル1を操縦する作業者側に排気ガスが放出されてしまう。
【0037】
また、小型の油圧ショベル1の場合には、建屋カバー14の上側面の高さH1が低いため(例えば1ないし1.5メートル程度)、排気尾管15の排気口18Aの高さ位置が地上で作業する作業者の上半身の高さ位置とほぼ一致する。このため、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ水平方向であると、油圧ショベル1周囲の地上で作業する作業者側に排気ガスが放出されてしまう。
【0038】
このような場合には、排気尾管15の斜板19の傾斜角をθ2(例えば30度)に調整する。これにより、排出ガスは、矢示D2に示すように、油圧ショベル1の後方に向かって斜め上方向に噴出するので、油圧ショベル1周囲の地上で作業している作業者側、および運転席6に座って油圧ショベル1を操縦している作業者側に排気ガスが放出されるのを抑制することができる。したがって、これらの作業者に与える不快感を軽減することができる。
【0039】
一方、図6に示すように、本発明の実施形態における排気尾管15は、キャブ仕様の小型油圧ショベル31、すなわち、油圧ショベル1のキャノピ7をキャブ32に代えたものに適用することができる。このようなキャブ仕様の油圧ショベル31の場合には、運転席33がパネルおよびガラス窓等(左サイドパネル32A、左サイドガラス32B、ルーフパネル32Cおよびドア32Dのみ図示)により覆われており、キャブ32内の運転室が閉塞された空間となっている。このため、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ垂直方向でも、排気ガスはキャブ32により遮断されるので、排気ガスが作業者にかかることはない。
【0040】
しかしながら、油圧ショベル31は油圧ショベル1と同様に小型であるため、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ水平方向であると、油圧ショベル1周囲の地上で作業する作業者側に排気ガスが放出されてしまう。
【0041】
このような場合には、排気尾管15の斜板19の傾斜角をθ3(例えば60度)に調整する。これにより、排出ガスは、矢示D3に示すように、垂直方向に近い上方向に噴出するので、油圧ショベル1周囲の地上で作業している作業者側に排気ガスが放出されるのを防止することができ、この作業者に与える不快感を軽減することができる。そして、キャブ式の油圧ショベル31の場合、排気ガスはキャブ32により遮蔽されるので、運転席33に座っている作業者に排気ガスがかかることはなく、この作業者に不快感を与えることはほとんどない。
【0042】
他方、図7に示すように、本発明の実施形態における排気尾管15は、キョノピ仕様の中型油圧ショベル34、すなわち、油圧ショベル1とほぼ同様に支柱35Aおよびルーフ35Bを備えたキャノピ35を有するものの、油圧ショベルの大きさが油圧ショベル1よりも大きいものに適用することができる。このような中型の油圧ショベル34の場合には、建屋カバー36の上側面の高さH2が、油圧ショベル1における建屋カバー14の上側面の高さH1よりも高い(例えば2ないし3メートル程度)。このため、排気尾管15の排気口18Aの高さ位置が地上で作業する作業者の身長よりも高くなる。このため、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ水平方向であっても、油圧ショベル34周囲の地上で作業する作業者の上方に排気ガスが放出される。
【0043】
しかしながら、油圧ショベル34はキャノピ仕様であるため、油圧ショベル1の場合とほぼ同様に、排気口18Aからの排気ガスの噴出方向がほぼ垂直方向であると、運転席37に座って油圧ショベル34を操縦する作業者側に排気ガスが放出されてしまう。
【0044】
このような場合には、排気尾管15の斜板19の傾斜角をθ1(例えば10度)に調整する。これにより、排出ガスは、矢示D1に示すようにほぼ水平方向に噴出するので、運転席37に座っている作業者側に排気ガスが放出されなくなり、それゆえ、この作業者に不快感を与えることを防ぐことができる。そして、上述したように排出ガスをほぼ水平方向に噴出しても、排気ガスは油圧ショベル34周囲の地上で作業している作業者の上方に放出されるため、この作業者に与える不快感を軽減することができる。
【0045】
さらに、本発明の実施形態によれば、油圧ショベル1(31、34)近傍で作業している作業者が存在するかどうか、あるいは、油圧ショベル1(31、34)で掘削作業をする場所が例えば住宅や商店が密集した狭い場所かどうか等、作業現場の環境に応じて、斜板19の傾斜角を調整し、排気ガスの噴出方向を適宜変更することができる。したがって、様々な環境に対応して作業者に与える不快感を効果的に減らすことができる。
【0046】
また、本発明の実施形態による油圧ショベル1は、排気尾管15の屈曲筒18の底面側に軸挿通孔18Dを穿設し、斜板19の回動軸20をこの軸挿通孔18Dに挿入することにより斜板19を角度調整可能に支持する構成としている。これにより、排気ガスの噴出方向を変更する機構を少ない部品点数で簡単に実現することができ、また、製造コストの削減を図ることができる。
【0047】
さらに、本発明の実施形態による油圧ショベル1は、斜板19の下端側と排気口18Aとの間に位置して排気尾管15の屈曲筒18の底面には、雨水を外部に逃がすドレイン孔22を設ける構成としている。これにより、排気口18Aから入り込んだ雨水が排気尾管15を流れて排気ガス処理装置10側に侵入するのを防止することができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、排気尾管15とリアエキゾーストパイプ13とを別の筒体として形成する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、排気尾管15とリアエキゾーストパイプ13とを1本の排気尾管として形成してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、消音器の機能と排気ガス浄化装置の機能とを併せもった排気ガス処理装置10をエンジン9の排気側に設ける場合を例に挙げたが、この排気ガス処理装置10に代え、排気ガス浄化装置の機能をもたない消音器を設けてもよい。
【0050】
さらに、上述した実施形態では、本発明の建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、車体から上方に突出する排気尾管を備えた、油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、31、34 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
9 エンジン
14、36 建屋カバー
15 排気尾管
16 縦筒
18 屈曲筒
18D 軸挿通孔
19 斜板
20 回動軸
22 ドレイン孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が設けられた車体と、該車体に搭載されたエンジンと、該エンジンの排気経路の先端側に接続され排気ガスを外気に放出する排気尾管とを備え、該排気尾管は、前記車体から上方に向けて延びる縦筒と、該縦筒の上端部から斜め上方に屈曲して先端が排気口となった屈曲筒とにより形成してなる建設機械において、
前記排気尾管の屈曲筒内には、前記排気口から外気に排出される排気ガスの排出角を変えることができる斜板を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記屈曲筒の底面側には、左右方向に位置して軸挿通孔を穿設し、前記斜板は、その下端側に設けられた回動軸を前記軸挿通孔に挿入することにより角度調整可能に支持される構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記屈曲筒の底面には、前記斜板の下端側と前記排気口との間に位置し、雨水を外部に逃がすドレイン孔を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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