説明

建設機械

【課題】建屋カバーの上部部分に配置されるエンジン室開閉カバー部分の十分な剛性を確保することができる建設機械の提供。
【解決手段】本発明は、エンジン室6を覆う建屋カバー11の上部部分に形成される開口部11cを横切るように延設されて第2,第3建屋フレーム14b,14cに固定される補強フレーム16を備え、開口部11cを開閉するエンジン室開閉カバー12を開口部11cを開いた状態に保持可能な棒状体から成るステー17を、補強フレーム18に上下方向の回動可能に取り付けた構成にしてある。また本発明は、エンジン室開閉カバー12の開閉に伴ってステー17をガイドするガイドブラケット18の形状を、開口部11cを閉じる状態にエンジン室開閉カバー12を建屋カバー11の上に配置させた際に、補強フレーム16上に位置し、この補強フレーム16に当接可能な形状にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン室を覆う建屋カバーの上部部分に形成された保守、点検用の開口部を開閉する開閉カバーを備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として特許文献1に示されるものがある。この特許文献1には、ブーム、アーム、バケットを含む作業装置と、この作業装置が取り付けられる旋回体とを備えた油圧ショベルが示されている。この油圧ショベルは、旋回体上に配置されるエンジン室と、このエンジン室を覆う建屋カバーと、この建屋カバーの上部部分に形成され、エンジン室内における保守、点検用の開口部と、この開口部を開閉可能にし、上下方向に回動可能に取り付けられるエンジン室カバー、すなわちエンジン室開閉カバーとを備えている。このエンジン室開閉カバーはプレス加工された一枚の鋼板によって形成されている。
【0003】
また、この油圧ショベルは、上下方向の回動可能に設けられ、エンジン室開閉カバーを建屋カバーの開口部を開いた状態に保持可能な棒状体から成るステーと、エンジン室開閉カバーの裏面に固定され、エンジン室開閉カバーの開閉に伴ってステーをガイドするステーガイド、すなわちガイドブラケットとを備えている。ステーは、建屋カバーに固定されたブラケットに回動可能に保持されている。なお通常、エンジン室開閉カバーの周辺には熱交換器等の種々の機器が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−69673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術にあって、エンジン室開閉カバーの周辺の機器の保守、点検に際して、小型の機種等のように作業者の足場の確保が難しい場合に、エンジン室開閉カバーの上に作業者が乗って保守、点検作業を実施したいときがある。しかしながら上述した従来技術では、一枚板から成るエンジン室開閉カバーの下方に開口部が形成されていることから、エンジン室開閉カバーの上に作業者が乗った際にエンジン室開閉カバーに撓み変形を生じる虞がある。すなわち従来技術は、作業者が乗ることを考えた場合には、エンジン室開閉カバー部分の剛性の確保が十分とはいえなかった。したがって、エンジン室開閉カバーの上に作業者が乗って保守、点検作業を行うことができず、エンジン室開閉カバーを避けた位置を足場として作業を行うために、このようなエンジン室開閉カバーの周辺の機器に対する保守、点検作業の能率の向上を見込めなかった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、建屋カバーの上部部分に配置されるエンジン室開閉カバー部分の十分な剛性を確保することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、作業装置と、この作業装置が取り付けられる旋回体と、この旋回体上に配置されるエンジン室と、鋼板から成り上記エンジン室を覆う建屋カバーと、この建屋カバーが固定される鋼材から成る建屋フレームと、上記建屋カバーの上部部分に形成された保守、点検用の開口部と、この開口部を開閉可能に上記建屋フレームに上下方向の回動可能に取り付けられるエンジン室開閉カバーとを備えるとともに、上下方向の回動可能に設けられ、上記エンジン室開閉カバーを上記開口部を開いた状態に保持可能な鋼製の棒状体から成るステーと、上記エンジン室開閉カバーの裏面に固定され、上記エンジン室開閉カバーの開閉に伴って上記ステーをガイドする鋼材から成るガイドブラケットとを備えた建設機械において、上記開口部を横切るように延設されて上記建屋フレームに固定され、鋼材から成る補強フレームを備え、上記ステーを上記補強フレームに上下方向の回動可能に取り付け、上記カイドブラケットの形状を、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレーム上に位置し、この補強フレームに当接可能な形状に設定したことを特徴としている。
【0008】
このように構成した本発明は、エンジン室開閉カバーによって建屋カバーの上部部分に形成された開口部を閉じた際に、開口部を横切るように建屋フレームに固定される補強フレームに、エンジン室開閉カバーの裏面に固定されステーをガイドするガイドブラケットを当接可能な状態とすることができる。したがって、エンジン室開閉カバーの周辺の機器の保守、点検作業を行う作業者が、エンジン室開閉カバーに乗った際に、その作業者による荷重が、エンジン室開閉カバーから、ガイドブラケット、補強フレームを介して十分な剛性を有する建屋フレームへと伝えられる。これによりエンジン室開閉カバーに撓み変形を生じることなく所望の作業を行うことができる。すなわち、建屋カバーの上部部分に配置されるエンジン室開閉カバー部分の十分な剛性を確保することができる。
【0009】
また本発明は、補強フレームがステーを回動可能に支持する支持部材を兼ねているので、ステーを支持するための別の部材を要することがない。すなわち、部材数の増加を抑えることができる。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記補強フレームは、上記開口部の中央部分を横切るように延設される1本の鋼材から成り、上記ガイドブラケットは、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレームに当接可能な1本の鋼材から成ることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記発明において、上記エンジン室開閉カバーを、上記旋回体の前後方向に回動可能に設け、上記補強フレームを、上記旋回体の前後方向に延設させ、上記ステーを、上記旋回体の前後方向に回動可能に取り付けたことを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記発明において、上記補強フレームは、上記ステーが取り付けられる側面部と、この側面部の上端に連設され平坦状の上面部とを有する断面L字形状から成り、上記ガイドブラケットは、上記エンジン室開閉カバーの裏面に固定される上面部と、この上面部の一方の側端部に連設され、上記エンジン室開閉カバーの開閉動作の間、上記ステーの先端部を案内する案内溝と、この案内溝に連設され上記エンジン室開閉カバーが上記開口部を開いた際に上記ステーの上記先端部を係止させる係止溝とを有する一方の側面部と、上記上面部の他方の側端部に連設され、上記一方の側面部に対向するように配置される他方の側面部と、この他方の側面部の下端に連設され、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレームの上記上面部に当接可能な平坦部とを有する形状に設定したことを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記発明において、上記旋回体上の一方側に配置される熱交換器と、上記旋回体の他方側に配置される燃料タンクとを備え、上記補強フレームの一端を、上記旋回体の旋回フレームに立設させて固定した第1建屋フレームの上端に固定され上記旋回体の左右方向に延設される第2建屋フレームに固定し、上記補強フレームの他端を、上記第2建屋フレームに対向するように配置され上記熱交換器と上記燃料タンクとを繋ぐように上記旋回体の左右方向に延設される第3建屋フレームに固定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、エンジン室を覆う建屋カバーの上部部分に形成された保守、点検用の開口部を横切るように延設されて建屋フレームに固定され、鋼材から成る補強フレームを備え、開口部を開閉するエンジン室開閉カバーを、開口部を開いた状態に保持可能な鋼製の棒状体から成るステーを、補強フレームに上下方向の回動可能に取り付けた構成にしてある。また本発明は、エンジン室開閉カバーの開閉に伴ってステーをガイドする鋼材から成るガイドブラケットの形状を、開口部を閉じる状態にエンジン室開閉カバーを建屋カバー上に配置させた際に、補強フレーム上に位置し、この補強フレームに当接可能な形状に設定してある。これらの構成により本発明は、建屋カバーの上部部分に配置されるエンジン室開閉カバー部分の十分な剛性を確保することができる。したがって本発明は、開口部を閉じた状態にあるエンジン室開閉カバーの上に作業者が乗って、エンジン室開閉カバーの撓み変形を生じさせることなくエンジン室開閉カバーの周辺の機器の保守、点検作業を行うことができ、従来に比べて、このようなエンジン室開閉カバーの周辺の機器の保守、点検作業の能率を向上させることができる。また、補強フレームがステーの支持部材を兼ねるので、部材数の増加を抑えることができる。これに伴って、製作費、及び部材管理に要する費用を従来と同等程度に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る建設機械の一実施形態を構成する小旋回型油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】本実施形態に備えられる旋回体において運転室等を除いた状態を示す平面図である。
【図3】図2に示す旋回体に備えられるエンジン室においてエンジン等を除いた状態を示す斜視図である
【図4】図3のA方向から見たエンジン室開閉カバーの拡大断面図である。
【図5】図2に示す旋回体に備えられるエンジン室のエンジン及びエンジン室開閉カバー等を除いた斜視図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図3に示す状態からエンジン室開閉カバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図8】図3に示す状態からエンジン室開閉カバーを開いた状態を示す側面図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
本発明の一実施形態に係る建設機械は、例えば建屋カバーの形状寸法が比較的小さく、建屋カバー上で保守、点検作業が行われる際の作業者の足場の確保に制約を受けやすい小旋回型油圧ショベルである。この小旋回型油圧ショベルは、図1に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2と、この旋回体2に上下方向の回動可能に取り付けられ、ブーム、アーム、及びバケットを含み、土砂の掘削作業等を行う作業装置3とを備えている。
【0018】
旋回体2上には、運転室4と、カウンタウエイト5とを配置してあり、これらの運転室4とカウンタウエイト5との間には、エンジン、油圧ポンプ等の機器が収容されるエンジン室6を配置してある。
【0019】
本実施形態に係る小旋回型油圧ショベルは、図2に示すように、旋回体2の旋回フレーム2a上のエンジン室6の右前方位置の内側に作動油タンク7を配置してあり、外側位置に燃料タンク8を配置してある。
【0020】
また本実施形態は、図2,3,5,6に示すように、エンジン室6に隣接させて熱交換器9を配置してあり、この熱交換器9は熱交換器用開閉カバー10によって覆われている。熱交換器用開閉カバー10には取っ手10aを取り付けてある。
【0021】
また本実施形態は、図2,3等に示すように、一枚の鋼板から成り、エンジン室6を覆う建屋カバー11を備えている。建屋カバー11には、エンジン室6内の排気用の通気穴11a、及び建屋カバー11上に乗った作業者の足の滑り止め部11bを形成してある。また、図5,6,7等に示すように、建屋カバー11の上部部分に、エンジン室6内の保守、点検用の開口部11cを形成してある。建屋カバー11の上に乗った作業者は、この開口部11cを介して、エンジンオイルの補給作業、ファンベルトの調整作業等の各種の作業を行う。なお、図2,8に示すように、建屋カバー11は、上述の熱交換器9に対向する側面部11dを有しており、この側面部11dにエンジン室6内へ導かれる冷却用空気の流入口を形成する通気穴11aを形成してある。
【0022】
また本実施形態は、図2,4,7等に示すように、開口部11cを開閉可能にするエンジン室開閉カバー12を備えている。このエンジン室開閉カバー12には、取っ手12aを取り付けてあり、また作業者の足の滑り止め部12b、及びエンジン室6内の排気用の通気穴12cを形成してある。図3,4に示すように、旋回フレーム2aに立設させて溶接固定した第1建屋フレーム14aと、この第1建屋フレーム14aの上端に溶接固定され旋回体2の左右方向に延設される第2建屋フレーム14bを備えており、エンジン室開閉カバー12は第2建屋フレーム14bに、ヒンジ部15を介して上下方向の回動可能に、また、旋回体2の前後方向に回動可能に取り付けてある。また、図4に示すように、エンジン室開閉カバー12は、周縁部を下方に折り曲げ形成して成る折り曲げ部12dを有し、この折り曲げ部12dにラバー12eを取り付けてある。エンジン室開閉カバー12を閉じた際には、ラバー12eが建屋カバー11に当接するようになっている。なお、図3,5に示すように、エンジン室6内には、図示しないエンジンが搭載される支持台13を設けてある。
【0023】
また本実施形態は、図4,7,8,9等に示すように、上下方向の回動可能に設けられ、エンジン室開閉カバー12を、開口部11cを開いた状態に保持可能な鋼製の棒状体から成るステー17と、エンジン室開閉カバー12の裏面に溶接固定され、エンジン室開閉カバー12の開閉に伴ってステー17をガイドする鋼材から成るガイドブラケット18とを備えている。ステー12は旋回体2の前後方向に回動可能に設けてある。
【0024】
本実施形態は、図4,6,7等に示すように、開口部11cの例えば中央部分を横切るように建屋フレームに固定され鋼材から成る補強フレーム16を備えている。この補強フレーム16は、図6等に示すように、例えば旋回体2の前後方向に延設させた1本の鋼材から成っている。この補強フレーム16は、図4に示すように、ステー17が回動可能に支持される側面部16bと、この側面部16bの上端に連設され平坦状の上面部16aとを有する断面L字形状から成っている。補強フレーム16は、図5,6等に示すように、例えば一端を上述の第2建屋フレーム14bに溶接固定され、他端を第2建屋フレーム14bに対向するように配置され熱交換器9と燃料タンク8とを繋ぐように旋回体2の左右方向に連設される図7に示す第3建屋フレーム14cに溶接固定してある。すなわち、この補強フレーム16は、旋回体2の前後方向に延設させた1本の鋼材から成っている。
【0025】
本実施形態は、ガイドブラケット18の形状を、開口部11cを閉じる状態にエンジン室開閉カバー12を建屋カバー11の上に配置させた際に、補強フレーム16上に位置し、この補強フレーム16に当接可能な形状にしてある。このガイドブラケット18は、図4,9等に示すように、エンジン室開閉カバー12の裏面に溶接固定される上面部18aを備えている。また、この上面部18aの一方の側端部に連設され、エンジン室開閉カバー12の開閉動作の間、ステー17の先端部17aを案内する案内溝18b1と、この案内溝18b1に連設され、エンジン室開閉カバー12が開口部11cを開いた際にステー17の先端部17aを係止させる係止溝18b2とを有する一方の側面部18bを有している。また、このガイドブラケット18は、上面部18aの他方の側端部に連設され、一方の側面部18bに対向するように配置される他方の側面部18cを有している。さらに、このガイドブラケット18は、他方の側面部18cの下端に連設され、開口部11cを閉じる状態にエンジン室開閉カバー12を建屋カバー11の上に配置させた際に、補強フレーム16の上面部16aに当接可能な平坦部18dを有している。このガイドブラケット18は、1本の鋼材から成っている。
【0026】
また本実施形態は、図6,7等に示すように、エンジン室開閉カバー12の裏面にブラケット19を溶接固定してあり、このブラケット19に係合爪19aを設けてある。また、例えば補強フレーム16にブラケット20を溶接固定してあり、このブラケット20に上述の係合爪19aが係合可能な係合穴20aを設けてある。
【0027】
このように構成した本実施形態は、エンジン室開閉カバー12を取っ手12aを把持して開くことにより、図7,9等に示すようにステー17が回動し、ステー17の先端部17aがガイドブラケット18の案内溝18b1に案内され、係止溝18b2に係止され、このエンジン室開閉カバー12を開状態に保持させることができる。これにより、開口部11cを介してエンジンオイルの補給作業等の保守、点検作業を行うことができる。
【0028】
また、ステー17の先端部17aをガイドブラケット18の係止溝18b2から離脱させてエンジン室開閉カバー12を開口部11cを閉じる方向に回動させ、ブラケット19の係合爪19aをブラケット20の係合穴20aに係合させるようにして、エンジン室開閉カバー12のラバー12eを建屋カバー11上に載置した状態にあって、作業者がエンジン室開閉カバー12の上に乗り、熱交換器用開閉カバー10の取っ手10aを把持して開き、熱交換器9の防塵ネットを取り出すことにより、この防塵ネットの清掃作業を行うことができる。
【0029】
このように構成した本実施形態によれば、エンジン室開閉カバー12によって建屋カバー11の開口部11cを閉じた際に、開口部11cを横切るように延設され、第2建屋フレーム14bと第3建屋フレーム13cに固定される補強フレーム16に、エンジン室開閉カバー12の裏面に固定され、ステー17をガイドするガイドブラケット18の平坦部18dを当接可能な状態とすることができる。したがって、エンジン室開閉カバー12の周辺の機器、例えば上述したような熱交換器9の防塵ネット等の保守、点検を行う作業者が、エンジン室開閉カバー12に乗った際には、作業者による荷重が、エンジン室開閉カバー12から、ガイドブラケット18、補強フレーム16を介して、第2,第3建屋フレーム14b,14cに伝えられ、さらに第1建屋フレーム14aを介して十分な剛性を有する旋回フレーム2aに伝えられる。これにより、エンジン室開閉カバー12に撓み変形を生じることがなく、すなわち、エンジン室開閉カバー12部分の十分な剛性を確保することができ、エンジン室開閉カバー12上に作業者が乗って、エンジン室開閉カバー12の周辺の機器の保守、点検作業を行うことができる。したがって本実施形態は、エンジン室開閉カバー12の上に作業者が乗って保守、点検作業を行うことにより、このようなエンジン室開閉カバー12の周辺の機器の保守、点検作業の能率を向上させることができる。また、補強フレーム16がステー17の支持部材を兼ねるので、部材数の増加を抑えられ、これに伴って、製作費、及び部材管理に要する費用の増加を抑えることができる。
【0030】
なお、上記実施形態は、エンジン室開閉カバー12を旋回体2の前後方向に回動可能に設け、ガイドブラケット18を旋回体2の前後方向に延設させ、ステー17を旋回体2の前後方向に回動可能に設け、補強フレーム16を旋回体2の前後方向に延設させるように設けたが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、エンジン室開閉カバー12を旋回体2の左右方向に回動可能に設け、ガイドブラケット18を旋回体2の左右方向に延設させ、ステー17を旋回体2の左右方向に回動可能に設け、補強フレーム16を旋回体2の左右方向に延設させるように設けた構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 走行体
2 旋回体
2a 旋回フレーム
3 作業装置
6 エンジン室
8 燃料タンク
9 熱交換器
10 熱交換器用開閉カバー
11 建屋カバー
11c 開口部
12 エンジン室開閉カバー
14a 第1建屋フレーム
14b 第2建屋フレーム
14c 第3建屋フレーム
15 ヒンジ部
16 補強フレーム
16a 上面部
16b 側面部
17 ステー
17a 先端部
18 ガイドブラケット
18a 上面部
18b 一方の側面部
18b1 案内溝
18b2 係止溝
18c 他方の側面部
18d 平坦部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置と、この作業装置が取り付けられる旋回体と、この旋回体上に配置されるエンジン室と、鋼板から成り上記エンジン室を覆う建屋カバーと、この建屋カバーが固定される鋼材から成る建屋フレームと、上記建屋カバーの上部部分に形成された保守、点検用の開口部と、この開口部を開閉可能に上記建屋フレームに上下方向の回動可能に取り付けられるエンジン室開閉カバーとを備えるとともに、
上下方向の回動可能に設けられ、上記エンジン室開閉カバーを上記開口部を開いた状態に保持可能な鋼製の棒状体から成るステーと、上記エンジン室開閉カバーの裏面に固定され、上記エンジン室開閉カバーの開閉に伴って上記ステーをガイドする鋼材から成るガイドブラケットとを備えた建設機械において、
上記開口部を横切るように延設されて上記建屋フレームに固定され、鋼材から成る補強フレームを備え、
上記ステーを上記補強フレームに上下方向の回動可能に取り付け、
上記カイドブラケットの形状を、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレーム上に位置し、この補強フレームに当接可能な形状に設定したことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
上記補強フレームは、上記開口部の中央部分を横切るように延設される1本の鋼材から成り、
上記ガイドブラケットは、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレームに当接可能な1本の鋼材から成ることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項2に記載の建設機械において、
上記エンジン室開閉カバーを、上記旋回体の前後方向に回動可能に設け、
上記補強フレームを、上記旋回体の前後方向に延設させ、
上記ステーを、上記旋回体の前後方向に回動可能に取り付けたことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1に記載の建設機械において、
上記補強フレームは、上記ステーが取り付けられる側面部と、この側面部の上端に連設され平坦状の上面部とを有する断面L字形状から成り、
上記ガイドブラケットは、
上記エンジン室開閉カバーの裏面に固定される上面部と、
この上面部の一方の側端部に連設され、上記エンジン室開閉カバーの開閉動作の間、上記ステーの先端部を案内する案内溝と、この案内溝に連設され上記エンジン室開閉カバーが上記開口部を開いた際に上記ステーの上記先端部を係止させる係止溝とを有する一方の側面部と、
上記上面部の他方の側端部に連設され、上記一方の側面部に対向するように配置される他方の側面部と、
この他方の側面部の下端に連設され、上記開口部を閉じる状態に上記エンジン室開閉カバーを上記建屋カバー上に配置させた際に、上記補強フレームの上記上面部に当接可能な平坦部とを有する形状に設定したことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械において、
上記旋回体上の一方側に配置される熱交換器と、上記旋回体の他方側に配置される燃料タンクとを備え、
上記補強フレームの一端を、上記旋回体の旋回フレームに立設させて固定した第1建屋フレームの上端に固定され上記旋回体の左右方向に延設される第2建屋フレームに固定し、上記補強フレームの他端を、上記第2建屋フレームに対向するように配置され上記熱交換器と上記燃料タンクとを繋ぐように上記旋回体の左右方向に延設される第3建屋フレームに固定したことを特徴とする建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−144947(P2012−144947A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5900(P2011−5900)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】