説明

建設機械

【課題】 カウンタウエイトに搭載された電装品から車体側へと延びる電気配線を容易に接続し、または切断する。
【解決手段】 カウンタウエイト10の上面側に配線収容凹部14を設け、この配線収容凹部14内には配線固定ブラケット18を設け、後方監視カメラ20に接続されたカメラ側配線21の他端側を、配線固定ブラケット18に固定する。これにより、後方監視カメラ20をカウンタウエイト10に取付けたまま、カメラ側配線21の他端側に設けたコネクタ21Aと車体側配線22の一端側に設けたコネクタ22Aとを、配線収容凹部14内で容易に接続し、または切断することができる。従って、後方監視カメラ20をカウンタウエイト11に対して取付け、取外しするといった煩雑な作業を不要にでき、カウンタウエイト11を取付け、取外しするときの作業性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等のカウンタウエイトを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とによって車体が構成され、上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置を用いて土砂の掘削作業等を行うものである。ここで、上部旋回体は、ベースとなる旋回フレームを有し、該旋回フレームの前部側には作業装置が取付けられ、旋回フレームの後部側には、作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトが設けられている。
【0003】
ところで、油圧ショベルのカウンタウエイトに、例えば油圧ショベルの後方を監視する後方監視カメラ、夜間作業時に油圧ショベルの後方を照らす照明灯、油圧ショベルの動作状態を表示する表示灯、油圧ショベルに対して位置情報の信号を送受信するGPSアンテナ等の電装品を取付けることが知られている。以下、電装品の具体例として後方監視カメラをカウンタウエイトに取付けた場合を例に挙げて説明する。
【0004】
即ち、掘削作業時にキャブ内のオペレータにとって死角となる車体後方の視界を補うため、カウンタウエイトの後端部に後方監視カメラを搭載した油圧ショベルが知られている。この油圧ショベルは、例えばキャブ内に配置された駆動装置やモニタ装置と後方監視カメラとの間を電気配線によって接続し、後方監視カメラによって撮影した画像をキャブ内のモニタ装置に表示することにより、オペレータがキャブ内の運転席に着席した状態においても、油圧ショベルの後方を確認することができるものである。
【0005】
この従来技術による後方監視カメラを搭載した油圧ショベルは、カウンタウエイトの上面にその一部を下向きに凹ませた凹部を設けると共に、この凹部内に板状の固定部材を設ける構成としている。そして、後方監視カメラは固定部材の上面に取付けられ、この後方監視カメラに接続された電気配線は、カウンタウエイトの凹部を通じて車体側へと延びる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−231726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、バケット容量が大きな大型の油圧ショベルを作業現場に輸送する場合には、例えば車体から作業装置とカウンタウエイトを取外し、これら車体と、作業装置と、カウンタウエイトとをそれぞれ個別に輸送車両によって輸送した後、作業現場において、作業装置とカウンタウエイトとを車体に取付ける方法が採用されている。
【0008】
このように、輸送時にカウンタウエイトを車体に対して取付け、取外しする必要がある大型の油圧ショベルでは、カウンタウエイトの取付け、取外しに応じて、後方監視カメラをカウンタウエイトに対して取付け、取外しするといった煩雑な作業が必要となり、輸送作業の作業性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
一方、例えば後方監視カメラをカウンタウエイトから取外すのを忘れ、後方監視カメラを取付けたままカウンタウエイトを車体から取外してしまった場合には、後方監視カメラと電気配線との結合部が破損し、高価な後方監視カメラが破損してしまうという不具合がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、カウンタウエイトを車体に対して取付け、取外しするときに、カウンタウエイトに搭載された電装品から車体側へと延びる電気配線を容易に接続し、または切断することができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、自走可能な車体と、該車体の前部側に設けられた作業装置と、該作業装置との重量バランスをとるためのブロック体からなり前面が前記車体の後端側と対面した状態で前記車体の後部側に設けられるカウンタウエイトと、監視、照明、送受信動作を行うために前記カウンタウエイトに取付けられた電装品と、一端側が該電装品に接続され他端側が前記車体側へと延びる電気配線とを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記カウンタウエイトの上面には当該上面の一部を下向きに窪ませることにより前記上面と前面とが開口した配線収容凹部を設け、前記電気配線は、一端側が前記電装品に接続され他端側が前記配線収容凹部内に導出される電装品側配線と、一端側がコネクタを介して前記電装品側配線の他端側に接続され他端側が前記カウンタウエイトから前記車体側へと延びる車体側配線とにより構成し、前記配線収容凹部内には、前記電装品側配線を固定する配線固定ブラケットを設けたことにある。
【0013】
請求項2の発明は、前記カウンタウエイトには、前記配線収容凹部を覆う凹部閉塞板を設け、前記凹部閉塞板には、前記配線収容凹部の位置で前,後方向に延び前端側が開口端となった切欠き溝を設け、前記凹部閉塞板には、前記切欠き溝を覆う蓋体を着脱可能に設け、前記電装品は前記蓋体に固定して設け、前記配線固定ブラケットは、前記切欠き溝の開口端の近傍に位置して前記配線収容凹部の底面と前記凹部閉塞板との間に設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記凹部閉塞板には前記切欠き溝に隣接して前,後方向に延びる長溝状のスリットを設け、前記蓋体の下面側には、前記スリットに係合することにより前記蓋体が前記凹部閉塞板から上,下方向に離脱するのを阻止するフック部材を設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明は、前記蓋体は、前記電装品が固定される第1の蓋体と、該第1の蓋体に隣接して配置され前記配線固定ブラケットを覆う第2の蓋体とにより構成したことにある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、電装品側配線の他端側と車体側配線の一端側とを、カウンタウエイトの上面に設けられた配線収容凹部内でコネクタを介して接続することができる。このため、例えば建設機械の輸送時において、車体に対してカウンタウエイトを取付け、取外しする作業に伴って、電装品側配線と車体側配線との間を容易に接続(取付け)し、または切断(取外し)することができる。従って、電装品自体をカウンタウエイトに対して取付け、取外しするといった煩雑な作業を不要にでき、カウンタウエイトを取付け、取外しするときの作業性を高めることができる。しかも、電装品側配線と車体側配線との間をコネクタを介して接続、切断する作業を、配線収容凹部の大きな作業スペース内で迅速かつ容易に行うことができる。
【0017】
また、配線収容凹部内に導出された電装品側配線を配線固定ブラケットを用いて固定することにより、電装品と電装品側配線とをカウンタウエイトに一体化させることができる。このため、例えば電装品側配線と車体側配線との間を接続したまま、カウンタウエイトを車体から取外してしまった場合でも、電装品から電装品側配線が無理に抜き取られることがなく、高価な電装品を保護することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、電装品が固定された蓋体を凹部閉塞板に取付けることにより、一端側が電装品に接続された電装品側配線の他端側を、切欠き溝を通じて確実に配線収容凹部に導出することができる。そして、配線収容凹部に導出された電装品側配線の他端側を、配線固定ブラケットによって確実に固定することができると共に、コネクタを介して車体側配線の一端側に容易に接続することができる。また、蓋体によって切欠き溝を覆うことにより、配線収容凹部に収容された電装品側配線と車体側配線とを外部から遮蔽することができ、これら各配線を保護することができる。
【0019】
この場合、配線固定ブラケットは、切欠き溝の開口端の近傍に位置して配線収容凹部の底面と凹部閉塞板との間に設けられているので、凹部閉塞板のうち切欠き溝の近傍部位を配線固定ブラケットによって補強することができる。この結果、凹部閉塞板が外力によって容易に変形または破損するのを抑えることができ、凹部閉塞板に取付けられた電装品に対する盗難事故を防止することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、電装品が固定された蓋体を凹部閉塞板に取付けるときに、この蓋体の下面側に設けられたフック部材を凹部閉塞板のスリットに係合させることにより、例えば蓋体を凹部閉塞板に取付けるボルト等を取外した状態においても、蓋体が凹部閉塞板から上,下方向に離脱するのを阻止することができ、電装品の盗難事故を防止することができる。
【0021】
この場合、凹部閉塞板のスリットは切欠き溝に隣接して設けられているので、切欠き溝の近傍で配線収容凹部の底面と凹部閉塞板との間に設けられた配線固定ブラケットによって、スリットの周囲をも補強することができる。この結果、例えば蓋体のフック部材がスリットに係合した状態で、当該蓋体を無理に上方に引張ったとしても、スリットの周囲が変形または破損してしまうのを抑えることができ、電装品の盗難事故を確実に防止することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、電装品が固定された第1の蓋体を凹部閉塞板に取付けたまま、第2の蓋体のみを凹部閉塞板から取外すことにより、配線固定ブラケットに固定された電装品側配線を外部に露出させることができる。従って、第2の蓋体のみを凹部閉塞板から取外すだけで、電装品側配線と車体側配線とをコネクタを介して接続する作業と、電装品側配線と車体側配線とを切断する作業を迅速かつ容易に行うことができ、その作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】油圧ショベルのカウンタウエイト、後方監視カメラ、エンジンカバー等を後方からみた斜視図である。
【図3】カウンタウエイト、後方監視カメラ、第1,第2の蓋体等を示す要部拡大の斜視図である。
【図4】凹部閉塞板、切欠き溝、配線収容凹部、配線固定ブラケット、第1,第2の蓋体、後方監視カメラ等を示す分解斜視図である。
【図5】後方監視カメラ、カメラ側配線、車体側配線、配線固定ブラケット、配線収容凹部等をカウンタウエイトの上方からみた平面図である。
【図6】後方監視カメラ、カメラ側配線、車体側配線、配線固定ブラケット、配線収容凹部等を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】第1,第2の蓋体を取外した状態で配線収容凹部、配線固定ブラケット、車体側配線等を上方からみた図5と同様位置の平面図である。
【図8】第1の蓋体を取付けた状態で配線収容凹部、配線固定ブラケット、後方監視カメラ、カメラ側配線、車体側配線等を上方からみた図7と同様位置の平面図である。
【図9】凹部閉塞板、スリット、配線収容凹部、後方監視カメラ、第1の蓋体、フック部材等を図8中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】凹部閉塞板に第1の蓋体を取付ける状態を示す図9と同様位置の断面図である。
【図11】カメラ側配線と車体側配線とを接続した状態を上方からみた図7と同様位置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。そして、上部旋回体3の前側には作業装置4が俯仰動可能に設けられ、該作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う構成となっている。
【0026】
ここで、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム5を有し、該旋回フレーム5の前端側には作業装置4の基端部が回動可能に取付けられている。一方、旋回フレーム5の後端側には、作業装置4との重量バランスをとる後述のカウンタウエイト10が取付けられている。
【0027】
また、旋回フレーム5の前部左側には、油圧ショベル1を操作するオペレータが乗込むキャブ6が配設され、カウンタウエイト10の前側には、内部にエンジン、油圧ポンプ、熱交換装置等の搭載機器類(いずれも図示せず)を収容する建屋カバー7が配設されている。ここで、建屋カバー7は、旋回フレーム5の左,右両側に位置して前,後方向に延びた左,右の側面板7Aと、該各側面板7Aの上端部間を水平方向に延びた上面板7Bとにより大略構成され、建屋カバー7の後端側はカウンタウエイト10によって閉塞されている。
【0028】
8は建屋カバー7の上面板7B上に設けられたエンジンカバーを示し、該エンジンカバー8は、建屋カバー7内に収容された搭載機器類を上方から覆うものである。このエンジンカバー8は、図2ないし図4に示すように、左,右方向の右側に位置する固定カバー8Aと、該固定カバー8Aの左側に隣接して配置された開閉カバー8Bとにより構成されている。
【0029】
ここで、開閉カバー8Bは、建屋カバー7内に収容された搭載機器のうち定期的なメンテナンス作業を必要とする機器、例えばエンジン、熱交換器等を上側から開,閉可能に覆うものである。この場合、旋回フレーム5の後端側には、当該旋回フレーム5の一部を構成するカバー支持フレーム9が左,右方向に延びて設けられ、開閉カバー8Bの後端部下側は、複数のヒンジ部材8Cを介してカバー支持フレーム9に支持されている。これにより、開閉カバー8Bは、その前端側が各ヒンジ部材8Cを支点として前,後方向(上,下方向)に回動する構成となっている(図2参照)。
【0030】
次に、本実施の形態に用いられるカウンタウエイトについて説明する。
【0031】
即ち、10は作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイトを示し、該カウンタウエイト10は、上部旋回体3を構成する建屋カバー7の後端側と前,後方向で対面した状態で旋回フレーム5の後端側に配設されている。このカウンタウエイト10は、外殻をなす筺体11と、該筺体11内に充填された重量調整材13とにより構成された製缶構造のブロック体として形成されている。
【0032】
ここで、カウンタウエイト10の筺体11は、建屋カバー7の後端側と対面しつつ左,右方向に延びた矩形状の前面11Aと、左,右方向に円弧状に湾曲しつつ左,右方向に延びた後面11Bと、上方からみて左,右方向に延びる三日月状をなす上面11Cと、該上面11Cと同様な三日月状をなす下面11Dとによって囲まれて形成され、筺体11の上面11Cは後述の上面板12によって構成されている。
【0033】
一方、筺体11の上面11C側には、左,右に離間して2個の吊上げ用ブラケット11E,11Fが突設され、油圧ショベル1からカウンタウエイト10を取外して個別に輸送する場合には、これら左,右の吊上げ用ブラケット11E,11Fにワイヤロープ(図示せず)を掛回し、当該ワイヤロープを油圧クレーン等によって持上げることにより、上部旋回体3に対するカウンタウエイト10の取付け、取外し作業を行うことができる構成となっている。
【0034】
12は筺体11の上面11Cを構成する上面板を示し、該上面板12は、図4及び図9等に示すように、左,右方向の左側に位置する左上面板12Aと、左,右方向の右側に位置する右上面板12Bと、左上面板12Aと右上面板12Bとの間に位置する中央上面板12Cとにより構成され、全体として左,右方向に延びる三日月状をなしている。この場合、例えば図9に示すように、中央上面板12Cの左端側は左上面板12Aの下面側に固着され、中央上面板12Cの右端側は右上面板12Bの下面側に固着され、左上面板12A及び右上面板12Bの上面と中央上面板12Cの上面との間には、後述する凹部閉塞板15の板厚に対応する段差が形成されている。また、中央上面板12Cの左,右方向の中央部には後述の配線収容凹部14が設けられている。
【0035】
次に、14はカウンタウエイト10(筺体11)の上面11Cに設けられた配線収容凹部を示し、該配線収容凹部14は、その内部に後述のカメラ側配線21と車体側配線22とを収容するものである。ここで、配線収容凹部14は、図4及び図9等に示すように、筺体11の上面11Cを構成する中央上面板12Cの中央部を下向きに窪ませることにより、中央上面板12Cの底面12C1と、左側面12C2と、右側面12C3と、後面12C4とによって囲まれた前,後方向に延びる直方体状の空間として形成されている。従って、配線収容凹部14の上側は筺体11の上面11C(中央上面板12C)に開口し、配線収容凹部14の前側は筺体11の前面11Aに開口している。
【0036】
15はカウンタウエイト10の上面側に設けられた凹部閉塞板を示し、該凹部閉塞板15は、筺体11の上面11Cを構成する中央上面板12C上に配置され、当該中央上面板12Cに設けられた配線収容凹部14を閉塞するものである。ここで、凹部閉塞板15は、左,右方向に延びる長方形の平板からなり、中央上面板12Cに設けられた配線収容凹部14を上方から覆う状態で、当該中央上面板12Cの上面に溶接等の手段を用いて固着されている。この場合、図9に示すように、中央上面板12Cの上面は、左上面板12A及び右上面板12Bの上面よりも凹部閉塞板15の板厚分だけ一段低くなっている。従って、中央上面板12Cの上面に凹部閉塞板15を固着した状態で、左上面板12A及び右上面板12Bの上面と凹部閉塞板15の上面とは、ほぼ同一平面を形成している。
【0037】
一方、凹部閉塞板15のうち配線収容凹部14に対応する部位には、後述の切欠き溝16を挟んで左,右方向に離間する2個の前側ボルト孔(雌ねじ孔)15Aと、これら各前側ボルト孔15Aよりも後側に配置され、切欠き溝16を挟んで左,右2個ずつ合計4個の後側ボルト孔(雌ねじ孔)15Bとが設けられている。そして、凹部閉塞板15の後部側には、後述する後方監視カメラ20が配置されている。
【0038】
16は凹部閉塞板15に設けられた切欠き溝を示し、該切欠き溝16は、凹部閉塞板15のうち配線収容凹部14に対応する部位に形成され、凹部閉塞板15の前端部から後端部近傍まで前,後方向に直線的に延びている。この場合、切欠き溝16は、凹部閉塞板15の前端側に位置し左,右方向に広幅となった広幅溝部16Aと、該広幅溝部16Aから凹部閉塞板15の後端側へと延び左,右方向に狭幅となった狭幅溝部16Bとにより構成され、切欠き溝16(広幅溝部16A)の前端側は、凹部閉塞板15の前端縁に開口した開口端16Cとなっている。これにより、配線収容凹部14のうち広幅溝部16Aに対応する部位には、大きな作業スペースが確保されている。
【0039】
このように、カウンタウエイト10に形成された配線収容凹部14は、切欠き溝16の範囲で凹部閉塞板15の上方空間(外部)と連通している。従って、後述するカメラ側配線21は、切欠き溝16を通じて凹部閉塞板15の上方から配線収容凹部14内に導かれ、後述する車体側配線22は、切欠き溝16の開口端16Cを通じて凹部閉塞板15の前方(車体側)から配線収容凹部14内に導かれる構成となっている。
【0040】
そして、配線収容凹部14内に導出されたカメラ側配線21の他端側は、配線固定ブラケット18に結束バンド19を用いて固定され、このカメラ側配線21の他端側に設けられたコネクタ21Aと、車体側から配線収容凹部14内へと延びた車体側配線22の一端側に設けられたコネクタ22Aとは、配線固定ブラケット18の近傍となる切欠き溝16の広幅溝部16Aの位置で接続される。
【0041】
17は切欠き溝16に隣接して凹部閉塞板15に設けられたスリットを示している。このスリット17は、切欠き溝16に沿って凹部閉塞板15の前端縁から前,後方向に延びる狭幅な直線状の溝として形成され、スリット17の前端側は、凹部閉塞板15の前端縁に開口した開口端17Aとなっている。そして、スリット17は、後述する第1の蓋体23に設けられた後述のフック部材26が係合することにより、第1の蓋体23が前,後方向に移動するのを許し、凹部閉塞板15から上,下方向に離脱するのを阻止するものである。
【0042】
次に、本実施の形態に用いられる配線固定ブラケットについて説明する。
【0043】
即ち、18は配線収容凹部14内に設けられた配線固定ブラケットを示し、該配線固定ブラケット18は、後述するカメラ側配線21を固定するものである。ここで、配線固定ブラケット18は、例えば鋼板等を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成され、切欠き溝16の開口端16C及びスリット17の開口端17Aの近傍に位置し、配線収容凹部14の底面を構成する中央上面板12Cの底面12C1と凹部閉塞板15との間に配置されている。
【0044】
そして、配線固定ブラケット18は、その下端部が配線収容凹部14の底面(中央上面板12Cの底面12C1)に溶接等の手段を用いて固着され、上端部が凹部閉塞板15の下面に溶接等の手段を用いて固着されている。これにより、凹部閉塞板15のうち切欠き溝16とスリット17とに挟まれた部位を、配線固定ブラケット18によって補強することができ、切欠き溝16及びスリット17が形成された凹部閉塞板15全体の強度を高めることができる構成となっている。
【0045】
また、配線固定ブラケット18の中央部には、板厚方向に貫通する貫通孔(図示せず)が穿設されると共に当該貫通孔を利用して結束バンド19が取付けられる構成となっている(図4参照)。そして、結束バンド19によって後述するカメラ側配線21を結束することにより、配線固定ブラケット18にカメラ側配線21を強固に固定することができるものである。
【0046】
次に、20はカウンタウエイト10の上面側に取付けられた電装品としての後方監視カメラを示している。この後方監視カメラ20は、例えばCCDカメラ等によって構成され、後述する第1の蓋体23を介して凹部閉塞板15に着脱可能に取付けられている。ここで、後方監視カメラ20は、キャブ6内のオペレータにとって死角となるカウンタウエイト10の後方の範囲を撮影するもので、後方監視カメラ20によって撮影された画像を、キャブ6内に配置されたモニタ装置(図示せず)に表示することにより、オペレータは、キャブ6内で油圧ショベル1を操作しつつ、モニタ装置に表示される画像によってカウンタウエイト10の後方を監視(確認)することができる。なお、後方監視カメラ20は電装品の代表例であり、カウンタウエイト10の上面側には、例えば夜間作業用の照明灯、動作状態を表示する表示灯、位置情報信号の送受信用のGPSアンテナ等の他の電装品を取付けてもよいものである。
【0047】
この場合、後方監視カメラ20は、例えばキャブ6内に配置されたモニタ装置や駆動装置(図示せず)に電気配線(ハーネス)を介して接続され、この電気配線は後述するカメラ側配線21と車体側配線22とにより構成されている。
【0048】
21は電装品側配線としてのカメラ側配線を示し、該カメラ側配線21の一端側は後方監視カメラ20に接続されている。一方、カメラ側配線21の他端側は、凹部閉塞板15の切欠き溝16を通じて配線収容凹部14内に導出され、このカメラ側配線21の他端側にはコネクタ21Aが取付けられている。
【0049】
22はカメラ側配線21と共に電気配線を構成する車体側配線を示し、該車体側配線22の一端側にはコネクタ22Aが取付けられ、この車体側配線22のコネクタ22Aは、配線収容凹部14内でカメラ側配線21のコネクタ21Aに着脱可能に接続されている。一方、車体側配線22の他端側は、カウンタウエイト10から上部旋回体3の建屋カバー7を通じてキャブ6内へと延び、例えばキャブ6内に配置されたモニタ装置や駆動装置(図示せず)に接続されている。
【0050】
23はカウンタウエイト10の凹部閉塞板15に着脱可能に取付けられた第1の蓋体を示し、該第1の蓋体23は、切欠き溝16の狭幅溝部16Bとスリット17の後端側を上方から覆うと共に、後方監視カメラ20が固定されるものである。ここで、第1の蓋体23は、図4ないし図6に示すように、鋼板等を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成され、第1の蓋体23の左,右方向両側には、凹部閉塞板15に設けられた4個の後側ボルト孔15Bに対応する4個のボルト挿通孔(図示せず)が穿設されている。そして、第1の蓋体23は、各ボルト挿通孔に挿通されたボルト24を凹部閉塞板15の各後側ボルト孔15Bに螺合することにより、凹部閉塞板15に着脱可能に取付けられるものである。
【0051】
また、第1の蓋体23の後部上面には、3個のナット23Aが溶接によって固着され、これら各ナット23Aの近傍部位には、角孔23Bが上,下方向に貫通して設けられている。そして、各ナット23Aに螺合されるボルト(図示せず)により、第1の蓋体23の上面側に後方監視カメラ20が固定され、該後方監視カメラ20に接続されたカメラ側配線21は、角孔23Bを通じて第1の蓋体23の下面側に導かれる(図4参照)。
【0052】
一方、第1の蓋体23の下面側には、L字状に屈曲した2個の配線保持具23Cが前,後方向に離間して設けられ、第1の蓋体23の下面側に導かれたカメラ側配線21は、図9及び図10に示す配線クリップ25を介して各配線保持具23Cに保持される。これにより、図8に示すように、後方監視カメラ20が固定された第1の蓋体23をボルト24を用いて凹部閉塞板15に取付けた状態で、カメラ側配線21の他端側は、切欠き溝16を通じて配線固定ブラケット18の近傍に導かれ、配線固定ブラケット18に取付けられた結束バンド19によって結束される構成となっている。
【0053】
26は第1の蓋体23の前端部下面に設けられたフック部材で、該フック部材26は、図9及び図10に示すように、く字状(鉤状)に折曲げられた板体からなり、第1の蓋体23の下面に溶接等の手段を用いて固着されている。そして、フック部材26は、凹部閉塞板15に形成されたスリット17に開口端17Aを通じて係合することにより、第1の蓋体23が、スリット17に沿って前,後方向に移動するのを許し、スリット17から上,下方向に離脱するのを阻止するものである。
【0054】
なお、第1の蓋体23を凹部閉塞板15に取付けるときには、エンジンカバー8の開閉カバー8Bを支持するカバー支持フレーム9を取外した状態で、凹部閉塞板15に設けたスリット17の開口端17A側から、当該スリット17内にフック部材26を挿入して係合させる。このようにして、第1の蓋体23のフック部材26を凹部閉塞板15のスリット17に係合させた状態で、カバー支持フレーム9を旋回フレーム5に取付けることにより、フック部材26の前方への移動をカバー支持フレーム9によって制限することができる。従って、再びカバー支持フレーム9を取外さない限り、フック部材26がスリット17から離脱することはなく、第1の蓋体23を凹部閉塞板15から取外すことができない構成となっている。
【0055】
27は第1の蓋体23の前側に隣接して配置された第2の蓋体を示し、該第2の蓋体27は、カウンタウエイト10の凹部閉塞板15に着脱可能に取付けられ、切欠き溝16の広幅溝部16A、スリット17、配線固定ブラケット18を上方から覆うものである。
【0056】
ここで、第2の蓋体27は、鋼板等を用いて左,右方向に延びる長方形の平板状に形成され、第2の蓋体27の左,右方向両側には、凹部閉塞板15に設けられた2個の前側ボルト孔15Aに対応する2個のボルト挿通孔(図示せず)が穿設され、これら各ボルト挿通孔にはボルト28が挿通されている。従って、第2の蓋体27は、ボルト28を凹部閉塞板15の前側ボルト孔15Aに螺合したときには、凹部閉塞板15に取付けられて配線固定ブラケット18等を上方から覆う。一方、ボルト28を凹部閉塞板15の前側ボルト孔15Aから抜取り、第2の蓋体27を凹部閉塞板15から取外したときには、切欠き溝16の広幅溝部16A、配線固定ブラケット18等を外部に露出させることができる。
【0057】
従って、例えば輸送時において油圧ショベル1からカウンタウエイト10を取外す場合には、第2の蓋体27のみを凹部閉塞板15から取外すことにより、図11に示すように、配線固定ブラケット18、配線固定ブラケット18に固定されたカメラ側配線21のコネクタ21A、該コネクタ21Aに接続された車体側配線22のコネクタ22Aを外部に露出させ、カメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとを迅速かつ容易に切り離すことができる構成となっている。
【0058】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1は、下部走行体2によって掘削場所まで自走した後、上部旋回体3を旋回させつつ、作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。
【0059】
このとき、カウンタウエイト10に取付けられた後方監視カメラ20は、キャブ6内のオペレータにとって死角となるカウンタウエイト10の後方を撮影し、この後方監視カメラ20によって撮影された画像は、キャブ6内に配置されたモニタ装置に表示される。これにより、キャブ6内で油圧ショベル1を操作するオペレータは、モニタ装置に表示される画像によってカウンタウエイト10の後方を確認することができ、掘削作業等の安全性を高めることができる。
【0060】
ところで、本実施の形態による油圧ショベル1は、掘削作業を行う作業現場への輸送時に、カウンタウエイト10を上部旋回体3(車体)から取外し、このカウンタウエイト10を個別に輸送車両によって輸送した後、作業現場においてカウンタウエイト10を上部旋回体3に取付けるようになっている。
【0061】
このため、カウンタウエイト10を上部旋回体3から取外す場合には、この取外し作業に先立って、後方監視カメラ20に接続されたカメラ側配線21と、キャブ6内に配置されたモニタ装置や駆動装置(図示せず)に接続された車体側配線22とを切断する必要があり、以下、カメラ側配線21と車体側配線22との間を切断する(切離す)作業について説明する。
【0062】
まず、カウンタウエイト10が上部旋回体3に取付けられている状態では、図5及び図6に示すように、カメラ側配線21と車体側配線22の一端側とは配線収容凹部14内に収容され、カメラ側配線21は結束バンド19を用いて配線固定ブラケット18に固定されている。そして、カメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとは、凹部閉塞板15に設けられた切欠き溝16の広幅溝部16Aの位置で接続されている。
【0063】
このとき、後方監視カメラ20が固定された第1の蓋体23はボルト24を用いて凹部閉塞板15に固定され、第2の蓋体27はボルト28を用いて凹部閉塞板15に固定され、これら第1,第2の蓋体23,27は、凹部閉塞板15に形成された切欠き溝16を上方から覆っている。これにより、配線収容凹部14に収容されたカメラ側配線21と車体側配線22とを外部から遮蔽することができ、これらカメラ側配線21と車体側配線22とを保護することができる。
【0064】
次に、第2の蓋体27を固定するボルト28を、凹部閉塞板15から抜取ることにより、図10に示すように、第1の蓋体23を凹部閉塞板15に固定したまま、第2の蓋体27のみを凹部閉塞板15から取外す。これにより、互いに接続されたカメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとを外部に露出させ、これら各コネクタ21A,22Aを切離すことにより、カメラ側配線21と車体側配線22との間を切断することができる。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、後方監視カメラ20を、第1の蓋体23を介して凹部閉塞板15に固定したまま、第2の蓋体27を取外すだけで、カメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとを切離すことができるので、カメラ側配線21と車体側配線22との間を迅速かつ容易に切断することができる。
【0066】
この場合、カメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとは、配線固定ブラケット18の近傍となる切欠き溝16の広幅溝部16Aの位置で接続されている。このため、各コネクタ21A,22Aを切離す作業を、広幅溝部16Aによって確保された大きな作業スペース内で行うことができ、このカメラ側配線21と車体側配線22との間を切断するときの作業性を一層高めることができる。
【0067】
このようにして、カメラ側配線21と車体側配線22との間を切断した後には、カウンタウエイト10に設けられた左,右の吊上げ用ブラケット11E,11Fにワイヤロープ(図示せず)を掛回し、当該ワイヤロープを油圧クレーン等によって持上げることにより、カウンタウエイト10を後方監視カメラ20を取付けたまま上部旋回体3から容易に取外すことができる。この結果、輸送時において上部旋回体3からカウンタウエイト10を取外すときの作業性を高めることができる。
【0068】
次に、取外したカウンタウエイト10を再び上部旋回体3に取付けたときには、図8に示すように、後方監視カメラ20が固定された第1の蓋体23は、凹部閉塞板15に固定されている。このため、後方監視カメラ20のカメラ側配線21は、配線収容凹部14内に設けられた配線固定ブラケット18に結束バンド19によって固定された状態を保っている。
【0069】
この状態で、車体側配線22の一端側をカウンタウエイト10側へと延ばし、凹部閉塞板15に設けた切欠き溝16の開口端16Cを通じて配線収容凹部14内に導くことにより、この配線収容凹部14内でカメラ側配線21のコネクタ21Aに車体側配線22のコネクタ22Aを取付け、カメラ側配線21と車体側配線22との間を接続することができる。
【0070】
この場合、カメラ側配線21のコネクタ21Aと車体側配線22のコネクタ22Aとは、配線固定ブラケット18の近傍となる切欠き溝16の広幅溝部16Aの位置で接続されるので、カメラ側配線21と車体側配線22との間を接続する作業を、広幅溝部16Aによって確保された大きな作業スペース内で迅速かつ容易に行うことができ、その作業性を一層高めることができる。
【0071】
そして、カメラ側配線21と車体側配線22との間を接続した後には、図5に示すように、第2の蓋体27をボルト28を用いて凹部閉塞板15に固定する。これにより、第1,第2の蓋体23,27によって凹部閉塞板15に形成された切欠き溝16を上方から覆うことができる。この結果、配線収容凹部14に収容されたカメラ側配線21と車体側配線22とを外部から遮蔽することができ、これらカメラ側配線21と車体側配線22とを保護することができる。
【0072】
次に、本実施の形態による油圧ショベル1は、後方監視カメラ20に対する盗難を防止するための工夫がなされており、以下、後方監視カメラ20の盗難防止構造について説明する。
【0073】
即ち、本実施の形態では、凹部閉塞板15には、前,後方向に延びるスリット17が設けられ、第1の蓋体23の下面側には、スリット17に係合するく字状のフック部材26が固着して設けられている。
【0074】
ここで、後方監視カメラ20が固定された第1の蓋体23を、凹部閉塞板15に取付けるときには、まず、エンジンカバー8の開閉カバー8Bを支持するカバー支持フレーム9を取外した状態で、凹部閉塞板15に設けたスリット17の開口端17A側から、当該スリット17内にフック部材26を挿入して係合させる。
【0075】
そして、フック部材26をスリット17に係合させた状態で第1の蓋体23を後方へと移動させ、第1の蓋体23をボルト24を用いて凹部閉塞板15に固定する。この状態で、カバー支持フレーム9を旋回フレーム5に取付けることにより、フック部材26の前方への移動をカバー支持フレーム9によって制限することができる。従って、再びカバー支持フレーム9を取外さない限り、フック部材26がスリット17から離脱することはない。
【0076】
この結果、仮に第2の蓋体27を凹部閉塞板15から取外し、第1の蓋体23を固定する各ボルト24を抜取ったとしても、第1の蓋体23は、フック部材26がスリット17に係合することにより、当該スリット17の範囲で前,後方向に移動するだけで凹部閉塞板15から上方に取外すことはできないので、後方監視カメラ20の盗難を防止することができる。
【0077】
この場合、配線収容凹部14内に設けられた配線固定ブラケット18は、切欠き溝16の開口端16Cの近傍に配置され、その下端部が配線収容凹部14の底面12C1に固着されると共に上端部が凹部閉塞板15の下面に固着されている。これにより、凹部閉塞板15のうち切欠き溝16の開口端16C及びスリット17の開口端17Aの周囲を、配線固定ブラケット18によって補強することができる。
【0078】
この結果、例えばボルト24を抜取った状態で第1の蓋体23を凹部閉塞板15から上方へと無理に引張ったとしても、スリット17の周囲が変形または破損することがなく、第1の蓋体23のフック部材26とスリット17との係合状態を維持することができるので、後方監視カメラ20の盗難を長期に亘って確実に防止することができる。
【0079】
なお、上述した実施の形態では、カウンタウエイト10に取付ける電装品として、後方監視カメラ20を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば夜間作業時に油圧ショベルの後方を照らす照明灯、油圧ショベルの動作状態を表示する表示灯、油圧ショベルに対して位置情報の信号を送受信するGPSアンテナ等の他の電装品を取付ける構成としてもよい。
【0080】
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の油圧ショベル、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
10 カウンタウエイト
11 筺体
11A 前面
11C 上面
12 上面板
12C 中央上面板
12C1 底面
14 配線収容凹部
15 凹部閉塞板
16 切欠き溝
16C 開口端
17 スリット
18 配線固定ブラケット
20 後方監視カメラ(電装品)
21 カメラ側配線(電装品側配線)
21A,22A コネクタ
22 車体側配線
23 第1の蓋体
26 フック部材
27 第2の蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な車体と、該車体の前部側に設けられた作業装置と、該作業装置との重量バランスをとるためのブロック体からなり前面が前記車体の後端側と対面した状態で前記車体の後部側に設けられるカウンタウエイトと、監視、照明、送受信動作を行うために前記カウンタウエイトに取付けられた電装品と、一端側が該電装品に接続され他端側が前記車体側へと延びる電気配線とを備えてなる建設機械において、
前記カウンタウエイトの上面には当該上面の一部を下向きに窪ませることにより前記上面と前面とが開口した配線収容凹部を設け、
前記電気配線は、一端側が前記電装品に接続され他端側が前記配線収容凹部内に導出される電装品側配線と、一端側がコネクタを介して前記電装品側配線の他端側に接続され他端側が前記カウンタウエイトから前記車体側へと延びる車体側配線とにより構成し、
前記配線収容凹部内には、前記電装品側配線を固定する配線固定ブラケットを設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記カウンタウエイトには、前記配線収容凹部を閉塞する凹部閉塞板を設け、前記凹部閉塞板には、前記配線収容凹部の位置で前,後方向に延び前端側が開口端となった切欠き溝を設け、前記凹部閉塞板には、前記切欠き溝を覆う蓋体を着脱可能に設け、前記電装品は前記蓋体に固定して設け、前記配線固定ブラケットは、前記切欠き溝の開口端の近傍に位置して前記配線収容凹部の底面と前記凹部閉塞板との間に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記凹部閉塞板には前記切欠き溝に隣接して前,後方向に延びる長溝状のスリットを設け、前記蓋体の下面側には、前記スリットに係合することにより前記蓋体が前記凹部閉塞板から上,下方向に離脱するのを阻止するフック部材を設ける構成としてなる請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記蓋体は、前記電装品が固定される第1の蓋体と、該第1の蓋体に隣接して配置され前記配線固定ブラケットを覆う第2の蓋体とにより構成してなる請求項2または3に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−144948(P2012−144948A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5980(P2011−5980)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】