説明

建設機械

【課題】排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる建設機械を提供する。
【解決手段】サポートフレーム11の運転席支持部11Bと油圧ポンプ8との間に排気ガス浄化装置19を設ける。排気ガス浄化装置19には、排気ガスの温度を検出する温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと排気ガスの圧力を検出する圧力センサ30とを取付けるためのブラケット33を設ける。そして、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30は、カウンタウエイト6とフロア部材12との間に設けられた左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に関し、特に、エンジンからの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械の代表例としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成され、該作業装置を用いて土砂等の掘削作業を行うものである。
【0003】
ここで、油圧ショベルの上部旋回体は、通常、支持構造体をなし前部側に作業装置が設けられる旋回フレームと、該旋回フレームの後部側に設けられ作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトと、旋回フレームの前部左側に配設された運転席と、カウンタウエイトの前側に位置して旋回フレームに搭載されたエンジンと、該エンジンに接続して設けられ該エンジンから排出される排気ガスを外部に排出する排気管と、該排気管の途中部位に位置して前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置とを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、排気ガス浄化装置は、排気ガスに含まれる有害物質を除去する浄化処理、排気ガスの排気音を低減する消音処理等を行うもので、エンジンからの排気ガスは、排気ガス浄化装置によって浄化処理、消音処理等が施された後、排気管を通じて油圧ショベルの外部に排出される構成となっている。
【0005】
ところで、排気ガス浄化装置は、例えば、外殻をなすケーシングと、該ケーシング内に設けられた酸化触媒と、該酸化触媒よりも排気ガスの流れ方向の下流側に位置してケーシング内に設けられたPM捕集フィルタと、ケーシング内に設けられた消音器とにより大略構成されている。
【0006】
ここで、酸化触媒は、排気ガスに含まれる一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化除去するものである。PM捕集フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去するものである。消音器は、排気音量を低減するものである。
【0007】
排気ガス浄化装置には、例えば、排気ガスの温度を検出する温度センサ、排気ガスの圧力を検出する圧力センサ等が設けられている。特許文献1による従来技術では、排気ガス浄化装置のケーシングに支持部材を設け、該支持部材により温度センサのコネクタと圧力センサとを一箇所に集中して支持する構成となっている。
【0008】
また、例えば市街地等の狭い作業現場での掘削作業等に好適に用いられる小型の油圧ショベルは、上部旋回体の旋回半径を小さく抑えるため、カウンタウエイトを旋回中心に接近させて配置し、上部旋回体をできるだけコンパクトに(後端側を短く)形成している。
【0009】
この場合、例えば、旋回フレームの後部側には、上端側が運転席支持部(台座)となったサポートフレーム(支持部材)がエンジンを跨ぐように配置され、該サポートフレームの運転席支持部には、運転席が設けられたフロア部材の後部側が支持される構成となっている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
ところで、油圧ショベルに搭載されるエンジンは、通常、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、熱交換器に向けて冷却風を供給する冷却ファンが取付けられ、該冷却ファンの近傍には熱交換器が隣接して配置される。従って、例えばエンジンを左,右方向に延びる横置き状態に配置した場合には、エンジンの左,右方向の一側に油圧ポンプが配設され、左,右方向の他側に熱交換器が配設されるようになる。
【0011】
この場合、熱交換器は、油圧ポンプよりも大型であるために大きな設置スペースが必要となり、エンジンを横置き状態に配置した小型の油圧ショベルでは、エンジンの左側、即ち、運転席とカウンタウエイトとに挟まれた狭隘なスペース内に油圧ポンプを配置し、比較的大きなスペースが確保できるエンジンの右側に熱交換器を配置する構成となっている。
【0012】
そして、エンジンの左側に油圧ポンプを配置した場合には、高さ寸法が小さい油圧ポンプの上方にスペースが形成されるので、この油圧ポンプの上方に、エンジンから排出される排気ガスの浄化処理等を行う排気ガス浄化装置を配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−43574号公報
【特許文献2】特開2007−56627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、一般的な油圧ショベルでは、旋回フレームの後部側にエンジン等を収容するための機器収容室(エンジンルーム)を十分な広さで形成することができる。このため、機器収容室内に配置された排気ガス浄化装置のメンテナンスを行うとき、具体的には、例えば温度センサのコネクタや圧力センサの修理、点検、交換等を行うときは、機器収容室を形成する上カバーを開き、該機器収容室の上側から温度センサのコネクタや圧力センサの修理、点検、交換等の作業を行うことができる。
【0015】
これに対し、小型の油圧ショベルでは、エンジンを跨ぐように配置されたサポートフレームの上端側(運転席支持部)に、運転席が設けられたフロア部材の後部側が支持されている。このため、排気ガス浄化装置のメンテナンスを行うとき、例えば温度センサのコネクタや圧力センサの修理、点検、交換等を行うときは、フロア部材の前部側を支点として該フロア部材を上方に傾転(チルトアップ)させる必要がある。
【0016】
このように、排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を行う都度、フロア部材をチルトアップさせることは面倒で、排気ガス浄化装置の修理、点検、交換等の作業を容易に行うことができないという問題がある。
【0017】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる建設機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に設けられた作業装置とを備え、前記上部旋回体は、前部側に前記作業装置が設けられる旋回フレームと、該旋回フレームの後部側に設けられ前記作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して前記旋回フレームに左,右方向に延びる横置き状態で搭載され、一方側に油圧ポンプが設けられると共に他方側に熱交換器が配置されたエンジンと、該エンジンに接続して設けられ該エンジンから排出される排気ガスを外部に排出する排気管と、前記旋回フレームに支持される脚部が前記エンジンを跨ぐように配置され上端側が運転席支持部となったサポートフレームと、前記エンジンの前側に位置して前記旋回フレーム上に配置され後部側が前記サポートフレームの運転席支持部に支持されるフロア部材と、前記上部旋回体の左,右方向の一側に位置して前記カウンタウエイトと前記フロア部材との間に設けられ、前記エンジンを含む内部機器をメンテナンスするときに開閉させる側面カバーとを備えてなる。
【0019】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記サポートフレームの運転席支持部と前記油圧ポンプとの間には、前記排気管の途中部位に位置して前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を設け、該排気ガス浄化装置には、センサ類を取付けるためのブラケットを設け、該ブラケットには、前記排気ガス浄化装置によって浄化される排気ガスの温度を検出する温度センサのコネクタと前記排気ガスの圧力を検出する圧力センサを設け、前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記側面カバーを開けたときに、前記サポートフレームの運転席支持部の内側より取付け,取外しできるように構成したことにある。
【0020】
請求項2の発明は、前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記ブラケットを介して前記排気ガス浄化装置の上方位置に取付ける構成としたことにある。
【0021】
請求項3の発明は、前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記ブラケットを介して前記排気ガス浄化装置の下方位置に取付ける構成としたことにある。
【0022】
請求項4の発明は、前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、それぞれ別のブラケットを介して前記排気ガス浄化装置に取付ける構成としたことにある。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、温度センサのコネクタと圧力センサを、側面カバーを開けたときに、サポートフレームの運転席支持部の内側より取付け,取外しできるように構成しているので、フロア部材をチルトアップさせなくても、温度センサのコネクタや圧力センサの修理、点検、交換等の作業を行うことができる。このため、排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、排気ガス浄化装置の上方位置にブラケットを介して温度センサのコネクタと圧力センサを取付ける構成としているので、排気ガス浄化装置の上方位置から温度センサのコネクタと圧力センサを容易に取付け,取外しすることができる。これにより、排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、排気ガス浄化装置の下方位置にブラケットを介して温度センサのコネクタと圧力センサを取付ける構成としているので、排気ガス浄化装置の下方位置から温度センサのコネクタと圧力センサを容易に取付け,取外しすることができる。これにより、排気ガス浄化装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、温度センサのコネクタと圧力センサをそれぞれ別のブラケットを介して排気ガス浄化装置に取付ける構成としているので、温度センサのコネクタと圧力センサの取付位置の自由度を高めることができる。これにより、温度センサのコネクタと圧力センサを、取付け,取外しをより容易に行える位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態による小型の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】下部走行体と上部旋回体とを拡大して示す正面図である。
【図3】側面カバーを開けた状態を示す図2と同様な位置の正面図である。
【図4】下部走行体と上部旋回体とをフロア部材をチルトアップさせた状態で示す斜視図である。
【図5】旋回フレーム、サポートフレーム、エンジン、排気ガス浄化装置等を示す正面図である。
【図6】旋回フレーム、サポートフレーム、エンジン、排気ガス浄化装置等を示す図5の上方からみた平面図である。
【図7】旋回フレーム、サポートフレーム、エンジン、排気ガス浄化装置等を示す図5の左方からみた側面図である。
【図8】旋回フレーム、サポートフレーム、エンジン、排気ガス浄化装置等を示す斜視図である。
【図9】排気ガス浄化装置、ブラケット、センサ類等を示す図5と同方向からみた正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態によるサポートフレーム、排気ガス浄化装置、ブラケット等を示す斜視図である。
【図11】排気ガス浄化装置、ブラケット、センサ類等を示す図9と同方向からみた正面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態によるサポートフレーム、排気ガス浄化装置、ブラケット等を示す斜視図である。
【図13】排気ガス浄化装置、ブラケット、センサ類等を示す図9と同方向からみた正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
まず、図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としてのキャノピ仕様の小型の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、左,右のクローラ(履帯)2Aを有する自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に設けられたスイング式の作業装置4とにより大略構成され、作業装置4によって土砂の掘削作業等を行うものである。なお、図1に示される油圧ショベル1は、例えば車体重量が3〜7トン程度であり、通常、ミニショベルと呼ばれるものである。
【0030】
ここで、上部旋回体3は、下部走行体2の車幅(左,右のクローラ2Aの間隔)とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有し、上方からみてほぼ円形状に形成されている。これにより、油圧ショベル1は、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回動作を行ったときに、後述するカウンタウエイト6の後面がほぼ下部走行体2の車幅内に収まる後方小旋回型の油圧ショベルとして構成されている。
【0031】
そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、カウンタウエイト6、エンジン7、排気管10、サポートフレーム11、フロア部材12、外装カバー17等により構成されている。
【0032】
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、図6に示すように、左,右方向の中央部を前,後方向に延びる厚肉な平板状の底板5Aと、該底板5Aの上面側に立設され前,後方向に延びた左縦板5B,右縦板5Cと、これら左,右の縦板5B,5Cの前端部に設けられた支持ブラケット5Dと、底板5Aの左側に設けられた略円弧状の左枠部材5Eと、底板5Aの右側に設けられた略円弧状の右枠部材5Fとにより大略構成され、強固な支持構造体をなしている。
【0033】
そして、旋回フレーム5の前端側に位置する支持ブラケット5Dには作業装置4が取付けられ、旋回フレーム5を構成する底板5Aの後端側には、後述のカウンタウエイト6が取付けられている。
【0034】
6は旋回フレーム5の後部側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト6は、例えば鋳造手段を用いて一体形成された重量物からなり、作業装置4との重量バランスをとるものである。そして、カウンタウエイト6は、後述のエンジン7を後側から取囲む位置で左,右方向に略円弧状に延びている。
【0035】
7はカウンタウエイト6の前面側に位置して旋回フレーム5上に搭載されたエンジンで、該エンジン7は、左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。そして、エンジン7の左側には油圧ポンプ8が配設され、該油圧ポンプ8は、エンジン7によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに作動用の圧油を供給するものである。一方、エンジン7の右側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器9が配設され、該熱交換器9は、エンジン7の冷却ファン7Aによって吸込まれた冷却風により、エンジン冷却水、作動油等の流体を冷却するものである。
【0036】
10はエンジン7に接続して設けられた排気管で、該排気管10は、エンジン7から排出される排気ガスを外部に排出するものである。ここで、排気管10の途中部位には、後述する排気ガス浄化装置19が設けられている。エンジン7から排出される排気ガスは、排気ガス浄化装置19によって浄化処理、消音処理等が施されてから、油圧ショベル1の外部に排出される構成となっている。
【0037】
11は旋回フレーム5の後部側に設けられたサポートフレームで、該サポートフレーム11は、後述するフロア部材12の後側を支持するため、エンジン7を跨ぐように旋回フレーム5の後側に取付けられている。ここで、サポートフレーム11は、エンジンを跨ぐように配置され旋回フレーム5に支持される複数本、例えば4本の脚部11Aと、該各脚部11Aの上端側に設けられエンジン7の上方で左,右方向に延びる運転席支持部11Bとにより大略構成されている。そして、運転席支持部11Bの上面には、後述のフロア部材12の後部側が支持される構成となっている。
【0038】
12はエンジンの前側に位置して旋回フレーム5上に配置されたフロア部材を示している。このフロア部材12は、前部側が旋回フレーム5に回動可能に取付けられ、フロア部材12の後部側は、前部側を支点として上,下方向に傾転(チルトアップ、チルトダウン)する構成となっている。ここで、フロア部材12は、後述の運転席13に着座したオペレータの足を乗せる足乗せ板12Aと、該足乗せ板12Aの後側から立上がって設けられ、運転席13を支持する運転席台座12Bとによって構成されている。そして、運転席台座12Bは、その下側に後述のエンジン7等を入り込ませるために、後側が高くなるステップ状に形成され、運転席台座12Bの後部側は、サポートフレーム11の運転席支持部11Bに支持される。
【0039】
フロア部材12がチルトダウンされた状態では、フロア部材12の運転席台座12Bによって後述の機器収容室18が閉塞される。一方、フロア部材12の後部側がチルトアップされたときには、図4に示すように、機器収容室18がフロア部材12の後側で開口した状態となる。
【0040】
13はフロア部材12の運転席台座12B上に設けられた運転席で、該運転席13は、油圧ショベル1のオペレータが着座するものである。また、運転席13の左,右両側には、作業装置4等を操作するための作業用レバー14が配設されている。さらに、運転席13の前側には走行用レバー・ペダル15が設けられている。
【0041】
16はフロア部材12に設けられたキャノピで、該キャノピ16は、運転席13の上側を覆うものである。
【0042】
17は旋回フレーム5に設けられた外装カバーで、該外装カバー17は、カウンタウエイト6と共に上部旋回体3の建屋を構成している。ここで、外装カバー17は、カウンタウエイト6の左端側から前方に延びた側面カバーとしての左側面カバー17Aと、該左側面カバー17Aの先端から旋回フレーム5の周囲を覆うように設けられた左スカートカバー17Bと、カウンタウエイト6の右端側から前方に延びた右側面カバー17C(図4参照)と、該右側面カバー17Cの先端から旋回フレーム5の周囲を覆うように設けられた右スカートカバー(図示せず)と、右側に位置して作動油タンク等を覆った開閉可能なタンクカバー17D(図4参照)とにより大略構成されている。
【0043】
そして、上部旋回体3の内部には、カウンタウエイト6、フロア部材12の運転席台座12B、外装カバー17の左,右の側面カバー17A,17C等によって囲まれた機器収容室18が画成され、この機器収容室18内には、エンジン7、油圧ポンプ8、熱交換器9、後述の排気ガス浄化装置19等の内部機器が収容されている。
【0044】
ここで、図2および図3に示すように、カウンタウエイト6とフロア部材12との間に設けられる左側面カバー17Aは、エンジン7を含む内部機器をメンテナンスするときに開閉させることができる構成となっている。このために、左側面カバー17Aは、旋回フレーム5、サポートフレーム11等に対して固定具17A1(図2参照)により着脱可能に取付けられている。
【0045】
次に、エンジン7から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置19について説明する。
【0046】
19は排気管10の途中部位に設けられた排気ガス浄化装置19で、該排気ガス浄化装置19は、エンジン7から排出される排気ガスを浄化するものである。ここで、排気ガス浄化装置19は、サポートフレーム11の運転席支持部11Bと油圧ポンプ8との間に位置している。このために、排気ガス浄化装置19は、エンジン7に固定された一対の支持ブラケット20により、軸方向を前,後方向に一致させた状態で油圧ポンプ8の上側に支持されている。そして、排気ガス浄化装置19は、後述のケーシング21と、酸化触媒25と、PM捕集フィルタ26とにより大略構成されている。
【0047】
21は排気ガス浄化装置19の外殻をなすケーシングで、該ケーシング21は、上流筒体21Aと中間筒体21Bと下流筒体21Cとの3個の筒体をボルト・ナット22によって締結することにより構成されている。
【0048】
ここで、上流筒体21Aは、排気ガスが流入する入口部分を構成するもので、該上流筒体21Aは、筒部21A1と、該筒部21A1の一端側開口(図9の左端側の開口)を塞ぐべく該筒部21A1の一端側にボルト・ナット21A2を用いて取付けられた塞板部21A3と、筒部21A1の他端側開口(図9の右端側の開口)に設けられたフランジ部21A4とを含んで構成されている。そして、上流筒体21Aには、消音機能をもった流入管23が横方向に延びるように貫通して取付けられ、上流筒体21Aの内部には、後述の酸化触媒25が収容されている。
【0049】
また、上流筒体21Aには、酸化触媒25の上流側に位置して第1の温度センサ取付部21A5が設けられている。この第1の温度センサ取付部21A5には、後述する第1の温度センサ27の検出部27Aが取付けられている。さらに、上流筒体21Aには、後述のPM捕集フィルタ26の上流側に位置して圧力取出部21A6が設けられている。この圧力取出部21A6は、排気ガス浄化装置19内を流れる排気ガスによる圧力のうち、PM捕集フィルタ26の上流側の圧力を取出すもので、後述の圧力センサ30に上流側導管31を介して接続されている。
【0050】
また、上流筒体21Aの塞板部21A3とフランジ部21A4とには、これらの間を架け渡すように後述するブラケット33が取付けられている。
【0051】
一方、中間筒体21Bは、筒部21B1と、該筒部21B1の両端側にそれぞれ設けられたフランジ部21B2,21B3とを含んで構成され、中間筒体21Bの内部には、後述のPM捕集フィルタ26が収容されている。また、中間筒体21Bには、PM捕集フィルタ26の上流側に位置して第2の温度センサ取付部21B4が設けられている。この第2の温度センサ取付部21B4には、後述する第2の温度センサ28の検出部28Aが取付けられている。
【0052】
下流筒体21Cは、排気ガスを流出する出口部分を構成するもので、該下流筒体21Cは、有底筒部21C1と、該有底筒部21C1の開口側に設けられたフランジ部21C2とを含んで構成されている。そして、下流筒体21Cには、消音機能をもった尾管24が縦方向に延びるように貫通して取付けられている。
【0053】
また、下流筒体21Cには、PM捕集フィルタ26の下流側に位置して第3の温度センサ取付部21C3が設けられている。この第3の温度センサ取付部21C3には、後述する第3の温度センサ29の検出部29Aが取付けられている。さらに、下流筒体21Cには、PM捕集フィルタ26の下流側に位置して圧力取出部21C4が設けられている。この圧力取出部21C4は、排気ガス浄化装置19内を流れる排気ガスによる圧力のうち、PM捕集フィルタ26の下流側の圧力を取出すもので、後述の圧力センサ30に下流側導管32を介して接続されている。
【0054】
25は上流筒体21A内に設けられた酸化触媒で、該酸化触媒25は、排気ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化除去するものである。
【0055】
26は中間筒体21B内に設けられたDPF(Diesel Particulate Filter)と呼ばれるPM捕集フィルタ(粒子状物質除去フィルタ)で、該PM捕集フィルタ26は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集することにより排気ガスを浄化するものである。また、PM捕集フィルタ26は、後述の圧力センサ30によって上流側(前側)の圧力と下流側(後側)の圧力を検出し、その圧力差が所定の値に達したときに、粒子状物質を燃焼して除去する構成となっている。
【0056】
次に、排気ガス浄化装置19が正常に機能する状態にあるか検知するために設けられた温度センサ27,28,29、圧力センサ30等について説明する。
【0057】
27は上流筒体21Aに取付けられた第1の温度センサで、該第1の温度センサ27は、流入管23から酸化触媒25に向けて流通する排気ガスの温度を検出するものである。この第1の温度センサ27は、図9に示すように、上流筒体21Aの第1の温度センサ取付部21A5に取付けられた検出部27Aと、一端が該検出部27Aに接続されたハーネス27Bと、該ハーネス27Bの他端に設けられたコネクタ27Cとにより大略構成されている。
【0058】
ここで、コネクタ27Cは、車体側に設けられたコントローラに繋がるハーネス(いずれも図示せず)が取付け,取外し可能に嵌着するものである。さらに、コネクタ27Cは、後述のブラケット33にボルト27Dを用いて着脱可能に取付けられている。そして、第1の温度センサ27は、酸化触媒25が適正な酸化反応を生じることができる温度であるか確認するために、酸化触媒25に向けて流通する排気ガスの温度を検出するものである。
【0059】
28は中間筒体21Bに取付けられた第2の温度センサで、該第2の温度センサ28は、酸化触媒25を通過してPM捕集フィルタ26に向け流通する排気ガスの温度を検出するものである。この第2の温度センサ28は、前述した第1の温度センサ27とほぼ同様に、中間筒体21Bの第2の温度センサ取付部21B4に取付けられた検出部28Aと、一端が該検出部28Aに接続されたハーネス28Bと、該ハーネス28Bの他端に設けられたコネクタ28Cとにより大略構成されている。
【0060】
ここで、コネクタ28Cは、第1の温度センサ27のコネクタ27Cと隣合うようにブラケット33にボルト28Dを用いて着脱可能に取付けられ、コントローラから延びるハーネスが嵌着される。そして、第2の温度センサ28は、PM捕集フィルタ26に捕集した粒子状物質を燃焼(再生)させることができる温度であるか確認するために、PM捕集フィルタ26に向けて流通する排気ガスの温度を検出するものである。
【0061】
29は下流筒体21Cに取付けられた第3の温度センサで、該第3の温度センサ29は、PM捕集フィルタ26を通過して尾管24に向け流通する排気ガスの温度を検出するものである。この第3の温度センサ29は、前述した第1,第2の温度センサ27,28とほぼ同様に、下流筒体21Cの第3の温度センサ取付部21C3に取付けられた検出部29Aと、一端が該検出部29Aに接続されたハーネス29Bと、該ハーネス29Bの他端に設けられたコネクタ29Cとにより大略構成されている。
【0062】
ここで、コネクタ29Cは、第2の温度センサ28のコネクタ28Cと隣合うようにブラケット33にボルト29Dを用いて取付けられ、コントローラから延びるハーネスが嵌着される。そして、第3の温度センサ29は、PM捕集フィルタ26を通過した排気ガスの温度を検出するものである。
【0063】
30はPM捕集フィルタ26の粒子状物質の堆積状態(目詰まり状態)を検出するための圧力センサで、該圧力センサ30は、上述の各温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと一緒に後述のブラケット33に取付けられている。ここで、圧力センサ30は、PM捕集フィルタ26の前,後の圧力差(差圧)を検出するものである。
【0064】
このために、圧力センサ30と上流筒体21Aの圧力取出部21A6との間には、PM捕集フィルタ26の上流側の圧力を圧力センサ30に導く上流側導管31が設けられている。また、圧力センサ30と下流筒体21Cの圧力取出部21C4との間には、PM捕集フィルタ26の下流側の圧力を圧力センサ30に導く下流側導管32が設けられている。
【0065】
圧力センサ30は、上流側導管31と下流側導管32が接続される検出部30Aと、該検出部30Aを収容すると共にコントローラからのハーネスが接続される本体部30Bとより大略構成されている。また、本体部30Bには、鍔部30Cが一体的に固着され、この鍔部30Cがブラケット33に対してボルト30Dを用いて取付けられている。
【0066】
次に、各温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを排気ガス浄化装置19に支持するためのブラケット33について説明する。
【0067】
33は排気ガス浄化装置19に設けられたブラケットで、該ブラケット33は、排気ガス浄化装置19の上方位置にセンサ類を着脱可能に取付けるためのものである。即ち、ブラケット33には、排気ガス浄化装置19によって浄化される排気ガスの温度を検出する第1,第2,第3の温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと、排気ガスの圧力(PM捕集フィルタ26の前,後の圧力差)を検出する圧力センサ30とが、それぞれボルト27D,28D,29D,30Dを用いて着脱可能に設け(取付け)られている。
【0068】
ここで、ブラケット33は、例えば鋼板等の金属製の板体に折曲げ加工等を施すことにより形成されたもので、排気ガス浄化装置19の長さ方向に延びコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とが取付けられる横板部33Aと、該横板部33Aの一端側(上部旋回体3の前,後方向前側、図9の左,右方向左側)から排気ガス浄化装置19に近付く方向に斜めに延びる傾斜板部33Bと、該傾斜板部33Bの一端側から鉛直方向下側に延びる前縦板33Cと、横板部33Aの他端側(上部旋回体3の前,後方向後側、図9の左,右方向右側)から鉛直方向下側に延びる後縦板33Dとにより大略構成されている。
【0069】
そして、ブラケット33は、前縦板33Cを上流筒体21Aの塞板部21A3にボルト・ナット21A2を用いて取付ける(共締めする)と共に、後縦板33Dを上流筒体21Aのフランジ部21A4にボルト・ナット22を用いて取付ける(共締めする)ことにより、排気ガス浄化装置19の上方位置で、かつ、長さ方向一端側(上部旋回体3の前,後方向前側、図9の左,右方向左側)寄りとなる位置に設けられている。これにより、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30は、図3に示すように、外装カバー17の左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるように構成している。
【0070】
従って、排気ガス浄化装置19は、図4に示すようなフロア部材12をチルトアップした状態にしなくても、図3に示すような外装カバー17の左側面カバー17Aを開けた状態で、メンテナンスを行うことができる。このため、排気ガス浄化装置19のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0071】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1を用いて土砂の掘削作業等を行うときには、まず、エンジン7を作動させて油圧ポンプ8を駆動する。
【0072】
この状態で、運転席13に着席したオペレータが、走行用レバー・ペダル15を操作することにより、下部走行体2を自走させて油圧ショベル1を作業現場まで移動させる。そして、油圧ショベル1が作業現場まで移動した後には、オペレータが作業用レバー14を操作することにより、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4によって土砂等の掘削作業を行うことができる。
【0073】
このような油圧ショベル1の稼働時、エンジン7から排出される排気ガスは、排気管10を通じて排気ガス浄化装置19に導入される。そして、排気ガス浄化装置19に導入された排気ガスは、酸化触媒25によって排気ガス中の一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が酸化除去され、PM捕集フィルタ26によって排気ガス中の粒子状物質(PM)が捕集されてから、尾管24を通じて油圧ショベル1の外部に排出される。
【0074】
次に、排気ガス浄化装置19のメンテナンス作業について説明する。
【0075】
排気ガス浄化装置19のメンテナンスを行うときは、図3に示すように外装カバー17の左側面カバー17Aを開ける(取外す)。そして、カウンタウエイト6の左端部と左スカートカバー17Bとの間に形成される開口部を通じて、排気ガス浄化装置19の修理、点検、交換等のメンテナンス作業を行うことができる。
【0076】
このとき、例えば、温度センサ27,28,29の交換を行う場合は、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側、即ち、サポートフレーム11の運転席支持部11Bと脚部11Aとの間から手や工具を入れ、検出部27A,28A,29Aをセンサ取付部21A5,21B4,21C3から取外すと共に、コネクタ27C,28C,29Cをブラケット33に固定するためのボルト27D,28D,29Dを取外す。これにより、温度センサ27,28,29を、サポートフレーム11の運転席支持部11Bと脚部11Aとの間を通じて取出すことができる。
【0077】
温度センサ27,28,29を排気ガス浄化装置19に取付けるときは、サポートフレーム11の運転席支持部11Bと脚部11Aとの間を通じて、コネクタ27C,28C,29Cをブラケット33にボルト27D,28D,29Dを用いて取付けると共に、検出部27A,28A,29Aをセンサ取付部21A5,21B4,21C3に取付けることができる。また、圧力センサ30に関しても、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cの取付け,取外しと同様に、サポートフレーム11の運転席支持部11Bと脚部11Aとの間を通じてブラケット33に対して取付け,取外しを行うことができる。
【0078】
本実施の形態によれば、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30を、左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるように構成している。このため、フロア部材12をチルトアップさせなくても、温度センサ27,28,29や圧力センサ30の修理、点検、交換等の作業を行うことができる。これにより、排気ガス浄化装置19のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0079】
しかも、本実施の形態によれば、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを、排気ガス浄化装置19の上方位置にブラケット33を介して取付ける構成としている。このため、排気ガス浄化装置19の上方位置から温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを容易に取付け,取外しすることができる。このため、この面からも、排気ガス浄化装置19のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0080】
次に、図10および図11は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、温度センサのコネクタと圧力センサとをそれぞれ別のブラケットを介して排気ガス浄化装置に取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0081】
図中、41は排気ガス浄化装置19に設けられた第1のブラケットで、該第1のブラケット41は、排気ガス浄化装置19の上方位置に、第1,第2,第3の温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cを着脱可能に取付けるためのものである。
【0082】
ここで、第1のブラケット41は、前述の第1の実施の形態のブラケット33とほぼ同様のもので、排気ガス浄化装置19の長さ方向に延びコネクタ27C,28C,29Cが取付けられる横板部41Aと、該横板部41Aの一端側(上部旋回体3の前,後方向前側、図11の左,右方向左側)から排気ガス浄化装置19に近付く方向に斜めに延びる傾斜板部41Bと、該傾斜板部41Bの一端側から鉛直方向下側に延びる前縦板41Cと、横板部41Aの他端側(上部旋回体3の前,後方向後側、図11の左,右方向右側)から鉛直方向下側に延びる後縦板41Dとにより大略構成されている。
【0083】
そして、第1のブラケット41は、前縦板41Cを上流筒体21Aの塞板部21A3にボルト・ナット21A2を用いて取付ける(共締めする)と共に、後縦板41Dを上流筒体21Aのフランジ部21A4にボルト・ナット22を用いて取付ける(共締めする)ことにより、排気ガス浄化装置19の上方位置で、かつ、長さ方向一端側寄りとなる位置に設けられている。これにより、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cは、外装カバー17の左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるように構成している。
【0084】
42は排気ガス浄化装置19に設けられた第2のブラケットで、該第2のブラケット42は、排気ガス浄化装置19の下方位置に、圧力センサ30を着脱可能に取付けるためのものである。
【0085】
ここで、第2のブラケット42は、排気ガス浄化装置19の長さ方向に延び圧力センサ30が取付けられる横板部42Aと、該横板部42Aの一端側(上部旋回体3の前,後方向前側、図11の左,右方向左側)から鉛直方向上側に延びる縦板42Bとにより大略構成されている。
【0086】
そして、第2のブラケット42は、縦板42Bを上流筒体21Aの塞板部21A3にボルト・ナット21A2を用いて取付ける(共締めする)ことにより、排気ガス浄化装置19の下方位置で、かつ、長さ方向一端側寄りとなる位置に設けられている。これにより、圧力センサ30は、外装カバー17の左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるように構成している。
【0087】
なお、43は圧力センサ30と上流筒体21Aの圧力取出部21A6との間の設けられた上流側導管で、44は圧力センサ30と下流筒体21Cの圧力取出部21C4との間に設けられた下流側導管を示している。
【0088】
本実施の形態は、上述の如き第1のブラケット41と第2のブラケット42とを用いて温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを上,下方向で別々の位置に支持するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0089】
特に、本実施の形態の場合は、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とをそれぞれ別のブラケット41,42を介して排気ガス浄化装置19に取付ける構成としているので、コネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30の取付位置の自由度を高めることができる。これにより、コネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30を、取付け,取外しをより容易に行える位置に配置することができる。
【0090】
次に、図12および図13は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、温度センサのコネクタと圧力センサとを排気ガス浄化装置の下方位置に取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0091】
51は排気ガス浄化装置19に設けられたブラケットで、該ブラケット51は、排気ガス浄化装置19の下方位置に、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30を着脱可能に取付けるためのものである。
【0092】
ここで、ブラケット51は、排気ガス浄化装置19の長さ方向に延び圧力センサ30が取付けられる横板部51Aと、該横板部51Aの一端側(上部旋回体3の前,後方向前側、図13の左,右方向左側)から鉛直方向上側に延び温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cが取付けられる縦板51Bとにより大略構成されている。
【0093】
そして、ブラケット51は、縦板51Bを上流筒体21Aの塞板部21A3にボルト・ナット21A2を用いて取付ける(共締めする)ことにより、排気ガス浄化装置19の下方位置で、かつ、長さ方向一端側寄りとなる位置に設けられている。これにより、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30は、外装カバー17の左側面カバー17Aを開けたときに、サポートフレーム11の運転席支持部11Bの内側より取付け,取外しできるように構成している。
【0094】
なお、52は圧力センサ30と上流筒体21Aの圧力取出部21A6との間の設けられた上流側導管で、53は圧力センサ30と下流筒体21Cの圧力取出部21C4との間に設けられた下流側導管を示している。
【0095】
本実施の形態は、上述の如きブラケット51を用いて温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを支持するもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0096】
特に、本実施の形態の場合は、温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを、排気ガス浄化装置19の下方位置にブラケット51を介して取付ける構成としている。このため、排気ガス浄化装置19の下方位置から温度センサ27,28,29のコネクタ27C,28C,29Cと圧力センサ30とを容易に取付け,取外しすることができる。
【0097】
なお、上述した各実施の形態では、運転席13を上方から覆うキャノピ16を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、フロア部材にキャブを設け、このキャブ内に運転席を配置したキャブ仕様の油圧ショベルに適用してもよい。
【0098】
さらに、上述した各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルや、油圧クレーン等の他の建設機械にも適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム
6 カウンタウエイト
7 エンジン
8 油圧ポンプ
9 熱交換器
10 排気管
11 サポートフレーム
11A 脚部
11B 運転席支持部
12 フロア部材
17 外装カバー
17A 左側面カバー(側面カバー)
19 排気ガス浄化装置
27 第1の温度センサ
27C コネクタ
28 第2の温度センサ
28C コネクタ
29 第3の温度センサ
29C コネクタ
30 圧力センサ
33,51 ブラケット
41 第1のブラケット
42 第2のブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に設けられた作業装置とを備え、
前記上部旋回体は、前部側に前記作業装置が設けられる旋回フレームと、
該旋回フレームの後部側に設けられ前記作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトと、
該カウンタウエイトの前側に位置して前記旋回フレームに左,右方向に延びる横置き状態で搭載され、一方側に油圧ポンプが設けられると共に他方側に熱交換器が配置されたエンジンと、
該エンジンに接続して設けられ該エンジンから排出される排気ガスを外部に排出する排気管と、
前記旋回フレームに支持される脚部が前記エンジンを跨ぐように配置され上端側が運転席支持部となったサポートフレームと、
前記エンジンの前側に位置して前記旋回フレーム上に配置され後部側が前記サポートフレームの運転席支持部に支持されるフロア部材と、
前記上部旋回体の左,右方向の一側に位置して前記カウンタウエイトと前記フロア部材との間に設けられ、前記エンジンを含む内部機器をメンテナンスするときに開閉させる側面カバーとを備えてなる建設機械において、
前記サポートフレームの運転席支持部と前記油圧ポンプとの間には、前記排気管の途中部位に位置して前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を設け、
該排気ガス浄化装置には、センサ類を取付けるためのブラケットを設け、
該ブラケットには、前記排気ガス浄化装置によって浄化される排気ガスの温度を検出する温度センサのコネクタと前記排気ガスの圧力を検出する圧力センサを設け、
前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記側面カバーを開けたときに、前記サポートフレームの運転席支持部の内側より取付け,取外しできるように構成したことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記ブラケットを介して前記排気ガス浄化装置の上方位置に取付ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、前記ブラケットを介して前記排気ガス浄化装置の下方位置に取付ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記温度センサのコネクタと前記圧力センサは、それぞれ別のブラケットを介して前記排気ガス浄化装置に取付ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−2236(P2013−2236A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137274(P2011−137274)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】