説明

建設機械

キャブ(11)内で運転席(16)を支持する運転席支持台(12)の前側には、凹窪部(20D)を有する下部床板(20)と上部床板(22)を設ける。そして、この下部床板(20)の凹窪部(20D)と上部床板(22)の平坦面(22A)との間には、物品収容空間(24)を設け、この物品収容空間(24)に空調ユニット(25)を収容する。これにより、空調ユニット(25)は、運転席(16)の前側の床板部分に収容でき、キャブ(11)の高さ寸法を低く抑えることができる。また、下部床板(20)に空調ユニット(25)を設けることにより、組立作業、メンテナンス作業等を容易に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、例えばオペレータが着座する運転席を備えた油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に関する。
【背景技術】
一般に、建設機械としては、油圧ショベル、油圧クレーン等が知られている。この場合、例えば油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって大略構成されている。
ここで、上部旋回体は、ベースとなる旋回フレームを有し、該旋回フレーム上にはエンジン、運転席等が設けられている。また、運転席の前側にはオペレータの足元に位置して床板が敷設され、該床板の前側には走行用のペダル、レバー等が配設されている。
また、油圧ショベルには、運転席の周囲を覆うキャブを備えたものがあり、このキャブ仕様の油圧ショベルでは、キャブ内で作業するオペレータの作業環境を良好にするために、冷風、温風等の調和空気を供給する空調装置を備えたものがある。
一方、油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがある。この油圧ショベルに設けられたキャブは、車格に合わせて小さく形成されているから、キャブ内の限られたスペースを有効的に使用するために、例えば運転席はエンジンの上方に配置している。
また、小型の油圧ショベルに設けられたキャブは、内部の空間が狭いために運転席の周囲には空調装置の室内機である空調ユニットを設置する場所がない。そこで、小型の油圧ショベルでは、キャブの天井部分にユニット収容室を設け、該ユニット収容室に空調ユニットを収容する構成としている(例えば、特開平11−334351号公報)。
そして、空調装置は、吸込んだ空気を空調ユニットで調和空気とし、この調和空気をキャブ内に吹出すことにより、該キャブ内の温度等をオペレータの好みに応じて調整することができる。
ところで、上述した従来技術による小型の油圧ショベルでは、キャブの天井部分に空調ユニットを収容するユニット収容室を形成しているから、このユニット収容室を形成した分だけ天井部分が高くなり、油圧ショベル全体の高さ寸法も大きくなってしまう。
そして、油圧ショベルの全高が大きくなると、例えば輸送用のコンテナにキャブの天井部分が干渉して入らないために、キャブを取外して車体部分と別送しなければならないという問題が生じる。また、油圧ショベルがガレージに入らなくなるという問題もある。
また、空調装置は、室内機を構成する空調ユニットと、室外機を構成するコンプレッサ、凝縮機等とを有しており、該コンプレッサと凝縮機はエンジン側に取付けられ、配管を介して空調ユニットとの間で冷媒を循環させている。
このため、輸送時には空調ユニットとコンプレッサが切離されているため、冷媒を充填することができず、組立作業性が悪いという問題がある。また、メンテナンス等でキャブを取外す場合には、冷媒を抜取って配管を切離す必要があり、この点でも作業性が悪いという問題がある。
【発明の開示】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車体の床板側に空調ユニット等の物品を配設することができ、組立時、メンテナンス時の作業性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
本発明による建設機械は、作業装置が設けられた自走可能な車体と、該車体に設けられオペレータが着座する運転席と、該運転席の前側に設けられた床板とを備えている。
そして、上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、床板は、平坦面と該平坦面の一部を下側に窪ませた凹窪部とからなる下部床板と、該下部床板の上側に設けられ前記凹窪部を覆う上部床板とにより二重床板構造とし、前記下部床板の凹窪部と前記上部床板との間には物品を収容する物品収容空間を設ける構成としたことにある。
このように構成したことにより、収容スペースとして使用されていなかった運転席前側の床板部分を利用して物品収容空間を設けることができる。このため、収容スペースを確保することが難しい小型の建設機械でも、物品収容空間に例えば空調ユニット、作業道具等の物品を収容することができる。
また、上部床板は、物品収容空間に収容した物品を覆い隠すことができる。また、上部床板を取外すことにより、物品収容空間に収容した物品のメンテナンス、出し入れ等を行なうことができ、作業性を向上することができる。
一方、下部床板は、凹窪部により立体構造をなしているから、強度を高めることができ、共振を防止することができる。さらに、下部床板と上部床板とにより二重床板構造としているから、床下の作動音、熱等を遮断することができ、作業環境を良好にすることができる。
この場合、本発明によると、物品収容空間には調和空気を供給する空調ユニットを収容することができる。これにより、例えば空調ユニットを配置するのが難しいキャブ仕様の小型の油圧ショベルでも、物品収容空間に空調ユニットを収容することができ、キャブの高さ寸法を低く抑えることができる。これにより、キャブを取外すことなく、輸送用のコンテナに入れることができ、輸送作業時の作業性を向上することができる。
また、本発明によると、物品収容空間には各種作業に必要な作業道具を収容することができる。これにより、例えば小型の油圧ショベルでも、車載工具、作業装置の交換具等の作業道具を物品収容空間に収容することができ、メンテナンス作業、交換具の交換作業を容易に行なうことができる。
一方、本発明によると、物品収容空間には一部を下部床板の平坦面よりも上側に突出させた状態で調和空気を供給する空調ユニットを収容し、上部床板は前記空調ユニットの突出部分を覆うために下部床板の平坦面と高さ方向に間隔をもって配設することができる。このように構成したことにより、下部床板の凹窪部内に空調ユニットの上部を突出させた状態で収容することができるから、該凹窪部を浅く形成することができ、凹窪部が床下に設けた他の機器類等と干渉するのを防止することができる。また、空調ユニットは床板に設けることができるから、キャブを取外した場合でも、空調ユニットと車体のエンジン側に設けられる室外機(コンプレッサ、凝縮機等)とを常時接続した状態とすることができる。また、キャブを車体に組付ける前に空調ユニットと室外機との配管作業、冷媒の充填作業を行なうことができ、この点でも作業性を向上することができる。
好ましい態様によると、本発明は、下部床板を平坦面と凹窪部とを一体物として形成することができる。これにより、下部床板を構成する部品点数を少なくすることができ、生産性を向上することができる。
また、本発明によると、下部床板は、平坦面にケース取付開口を有する床板部材と、該床板部材とは別体によって凹窪部が形成され該床板部材のケース取付開口に取付けられるケース部材とにより構成することができる。これにより、床板部材と別体に設けられたケース部材は、凹窪部を容易に形成することができるから、生産性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。また、凹窪部の形状が異なる複数種類のケース部材を用意し、物品収容空間に収容する物品に応じて選択的に用いることにより、形状の異なる複数種類の物品を物品収容空間に効率よく安定して収容することができる。
この場合、本発明によると、下部床板のケース部材は、物品収容空間に空調ユニットを収容するときに用いる空調ユニット用ケース部材と、物品収容空間に作業道具を収容するときに用いる作業道具用ケース部材とを備え、これらの空調ユニット用ケース部材と作業道具用ケース部材とは、物品収容空間に収容する物品に応じ床板部材のケース取付開口に選択的に取付ける構成とすることができる。このように構成したことにより、物品収容空間に空調ユニットを収容する場合には、この空調ユニットの形状、配管、配線類の取り回しを考慮して凹窪部が専用に設計された空調ユニット用ケース部材を、床板部材のケース取付開口に取付けることができ、空調ユニットを組立てるときの作業性を向上することができる。一方、物品収容空間に作業道具を収容する場合には、作業道具を収容できればよいから、例えば簡単な箱体状の凹窪部を有する作業道具用ケース部材を床板部材のケース取付開口に取付ければよい。
さらに、本発明によると、下部床板のケース部材は、ケース取付開口を有する床板部材に対しボルトを用いて着脱可能に取付ける構成とすることにより、当該ケース部材を床板部材から取外したときには、該床板部材のケース取付開口から下側に配設される各種機器類の点検、整備を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態に適用されるキャブ仕様の小型の油圧ショベルを示す正面図である。
図2は、キャブボックス内の運転席、空調ユニットの周囲の構成を示す一部破断の正面図である。
図3は、キャブボックス内の運転席、空調ユニットの周囲の構成を示す斜視図である。
図4は、上部床板を取外して下部床板、空調ユニットを露出させた状態を図3と同様位置からみた斜視図である。
図5は、空調ユニット等を図3中の矢示V−V方向からみた断面図である。
図6は、下部床板と上部床板をそれぞれ単体で示す分解斜視図である。
図7は、本発明の第2の実施の形態に適用されるキャノピ仕様の小型の油圧ショベルを示す正面図である。
図8は、キャノピ内の運転席、物品収容空間の周囲の構成を示す斜視図である。
図9は、上部床板を取外した状態を図8と同様位置からみた斜視図である。
図10は、本発明の第3の実施の形態に用いる下部床板に空調ユニット用ケース部材を取付けた状態を示す斜視図である。
図11は、図10中の下部床板の床板部材、空調ユニット用ケース部材、上部床板をそれぞれ単体で示す分解斜視図である。
図12は、本発明の第3の実施の形態に用いる下部床板に作業道具用ケース部材を取付けた状態を示す斜視図である。
図13は、図12中の下部床板の床板部材、作業道具用ケース部材、上部床板をそれぞれ単体で示す分解斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態に適用される建設機械として、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。なお、第1の実施の形態で用いる小型の油圧ショベルは、運転席の周囲を覆うキャブを有するキャブ仕様の油圧ショベルで、該キャブ内には調和空気を供給する空調装置を備えている。
図1において、1は本実施の形態に適用される建設機械の具体例として示されるキャブ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより大略構成されている。
また、上部旋回体3は、例えば厚肉な鋼板等を用いて形成された旋回フレーム5と、該旋回フレーム5の後部側に搭載されたエンジン、油圧ポンプ(いずれも図示せず)等と、旋回フレーム5の右側から後側に亘って設けられ、前記エンジンを含めて作動油タンク、ラジエータ、オイルクーラ(いずれも図示せず)等を覆った外装カバー6と、前記旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイト7と、旋回フレーム5の左側に設けられた後述のキャブ11、運転席16、床板20,22、空調ユニット25とにより大略構成されている。
一方、作業装置4は、旋回フレーム5の前部に俯仰動可能に設けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端に俯仰動可能に設けられたアーム4Bと、該アーム4Bの先端に回動可能に設けられたバケット4Cとにより大略構成されている。また、バケット4Cには、掘削用の複数の爪4D(図1中に1個のみ図示)が着脱可能に取付けられている。
次に、11は旋回フレーム5の左側に設けられたキャブで、該キャブ11は、後述する運転席16の周囲を覆うことにより、オペレータが各種操作を行なう運転室を画成するものである。そして、キャブ11は、前面部11A、後面部11B、左側面部11C、右側面部(図示せず)、天井面部11Dにより箱型状に形成されている。また、左側面部11Cには、前側寄りに位置してドア11Eが開閉可能に取付けられている。
12はキャブ11の後部下側を閉塞するように旋回フレーム5の後側に設けられた運転席支持台で、該運転席支持台12は、図2、図3、図4に示す如く、後側に位置して固定的に設けられたステップ状の後部台座13と、該後部台座13の前側に着脱可能に取付けられた前部台座14と、前記後部台座13から後側に延びた背板15とにより大略構成されている。
ここで、後部台座13、前部台座14は後述する運転席16を支持し、後部台座13、背板15はエンジンの前側、上側の一部を覆うエンジン前カバーを兼ねている。また、前部台座14は、空調ユニット25の着脱作業、メンテナンス作業等を行なうときには取外すことができる。また、背板15には、取付マウント15Aが取付けられている。さらに、後部台座13の左側には、後述するダクトカバー19の後向き吹出口19D等から吹出された調和空気を運転席16の後側を通じて後述の空調ユニット25側に戻すための通路開口13Aが設けられている。
16は運転席支持台12上に設けられた運転席で、該運転席16は、オペレータが着座するものである。また、運転席16の左,右両側には、作業装置4を操作するための操作レバー17,18が設けられている。
19はキャブ11内の右側に位置して運転席16から前側に延びて設けられたダクトカバーで、該ダクトカバー19は、調和空気を送風する空調ダクト(図示せず)を覆うものである。また、ダクトカバー19の前側には、上向きに突出して箱型状のモニタ取付部19Aが一体的に設けられ、該モニタ取付部19Aの後面側には、作業状態等の情報をオペレータに向け表示するモニタ(図示せず)が取付けられている。
また、ダクトカバー19の側面には、後側の下側寄りに位置してオペレータの足元に調和空気を吹出す足元吹出口19Bが設けられ、前側に位置してオペレータまたはキャブ11の前面部11A等に調和空気を吹出す前向き吹出口19Cが設けられている。さらに、ダクトカバー19のモニタ取付部19A上には、運転席16に着座したオペレータに向け後側に調和空気を吹出す後向き吹出口19Dが設けられている。そして、足元吹出口19Bは、後述する空調ユニット25の流出ダクト30に設けられた足元用送風口30Aに接続され、前向き吹出口19Cと後向き吹出口19Dは、後述する空調ユニット25の流出ダクト30に設けられた前側用送風口30Bに接続されている。
20は運転席16の前側に設けられた下部床板で、該下部床板20は、図3、図5に示す如く、後述の上部床板22と共に二重床板構造をなし、その下層部分を構成している。また、下部床板20は、後端部が後部台座13の前端部にボルト止め、溶接等の手段を用いて固着されている。一方、下部床板20の前端部には、走行用のレバー、ペダル(図示せず)が取付けられるレバー・ペダル取付板21が固着されている。
そして、下部床板20は、図4、図6に示す如く、左,右方向に長尺な長方形状の平坦面20Aと、該平坦面20Aの左,右方向両端部に下向きに折曲げて形成された折曲げ面20B,20Cと、前記平坦面20Aの右側寄りに凹陥して設けられ、後述する物品収容空間24の一部をなす凹窪部20Dとにより構成されている。このように、下部床板20は、1枚の板体に加工を施すことにより、平坦面20A、折曲げ面20B,20Cおよび凹窪部20Dが一体に形成された一体物として構成されている。
ここで、凹窪部20Dは、左,右方向に長尺な長方形状をなす有底状の箱体として形成され、例えば下部床板20に絞り成形を施すことにより平坦面20A等と一体に設けられている。また、凹窪部20Dの深さ寸法H1は、例えば後述する空調ユニット25の高さ寸法H3の約50〜80%程度、具体例としては60〜70%の範囲に設定されている。これにより、凹窪部20Dは、下部床板20の下側に配置された旋回フレーム5、制御弁(図示せず)等に対して干渉しないような寸法になっている。さらに、凹窪部20Dは、下部床板20を立体構造としており、該下部床板20の剛性を高める働きもある。
22は下部床板20の上側に設けられた上部床板で、該上部床板22は、凹窪部20D(後述の空調ユニット25)を覆うものである。そして、上部床板22は、図6に示す如く、全面に亘って平坦に形成され、下部床板20の凹窪部20Dと共に物品収容空間24を構成する平坦面22Aと、該平坦面22Aの左端縁を下側に折曲げて形成された折曲げ面22Bとによって大略構成されている。また、平坦面22Aの前側には、走行用のレバー、ペダルを避けるための前側切欠部22Cが左,右方向に延びて設けられている。さらに、平坦面22Aの右側には、後述する流出ダクト30の足元用送風口30Aを避けるための傾斜切欠部22Dが設けられている。
そして、上部床板22は、下部床板20の上面に例えばボルト等を介して着脱可能に取付けられている。これにより、上部床板22は、下部床板20と二重床板構造をなすから、例えば制御弁等の作動音や熱がキャブ11内に漏れるのを防止することができる。また、上部床板22は、ボルトを外すことにより持上げることができ、後述する空調ユニット25の本体ケース26に取付けられたエアフィルタ26A,26Bを容易に清掃または交換することができる。
ここで、上部床板22の平坦面22Aは、下部床板20の平坦面20Aとの間に高さ寸法H2の隙間をもって配置されている。この高さ(隙間)寸法H2は、例えば後述する空調ユニット25の高さ寸法H3の約20〜50%程度、具体例としては30〜40%の範囲に設定されている。これにより、下部床板20の平坦面20Aと上部床板22の平坦面22Aとの間には、高さ寸法H2の隙間23が形成されている。この隙間23は、後部台座13の通路開口13Aから後述する空調ユニット25の吸込側に空気を流通させる通路を兼ねている。
24は下部床板20の凹窪部20Dと上部床板22の平坦面22Aとの間に設けられた物品収容空間で、該物品収容空間24は、後述の空調ユニット25を収容するものである。ここで、物品収容空間24は、下部床板20の凹窪部20D内に空調ユニット25の上部を下部床板20の平坦面20Aよりも上側に突出させた状態で収容している。また、空調ユニット25の突出部分は、下部床板20の平坦面20AとH2の間隔をもった上部床板22の平坦面22Aにより覆っている。
次に、25は下部床板20の凹窪部20Dに室内機として収容された空調ユニットで、該空調ユニット25は、エンジン側に取付けられた室外機であるコンプレッサ、凝縮機(いずれも図示せず)等と共に空調装置を構成している。そして、空調ユニット25は、吸込んだ空気を冷気または暖気に調整し、この調和空気をキャブ11内に向けて供給するものである。
ここで、空調ユニット25は、左,右方向に延びる箱体状の本体ケース26と、該本体ケース26内の左側に設けられた送風ファン27と、該送風ファン27の下流側に位置して前記本体ケース26内に設けられたエバポレータ28と、該エバポレータ28の下流側に設けられたヒータコア29と、前記本体ケース26の下流端に取付けられた流出ダクト30とによって大略構成されている。
また、本体ケース26の左側の周面と側端面には、送風ファン27が吸込む空気中の塵埃を捕らえるためのエアフィルタ26A,26Bが着脱可能に取付けられている。一方、流出ダクト30には、エバポレータ28で冷やされた冷風またはヒータコア29で温められた温風をダクトカバー19の足元吹出口19Bに供給する足元用送風口30Aと、ダクトカバー19の前向き吹出口19C、後向き吹出口19Dに供給する前側用送風口30Bとが設けられている。
さらに、空調ユニット25は、下部床板20の凹窪部20D(深さ寸法H1)と下側床板20の平坦面20Aと上部床板22の平坦面22Aとの間の隙間23(高さ寸法H2)とに収まる高さ寸法H3をもって形成されている。
ここで、空調ユニット25は、送風ファン27を回転駆動することにより、本体ケース26のエアフィルタ26A,26Bを通って清浄化された空気を、エバポレータ28で冷やし、またはヒータコア29で温めて調和空気とする。そして、この調和空気は、流出ダクト30、各吹出口19B,19C,19Dを介してキャブ11内に供給され、該キャブ11内を適度な温度に調整することができる。
また、キャブ11内に供給された調和空気は、図3、図4中に矢印として示すように、運転席16の後側、後部台座13の通路開口13A、下部床板20と上部床板22との間の隙間23を経由して空調ユニット25側に戻すことができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、旋回フレーム5にキャブ11、運転席16等を搭載するときの作業手順について説明する。
まず、旋回フレーム5の左側に運転席支持台12の後部台座13、背板15、下部床板20およびレバー・ペダル取付板21を一体に組立てた部材を取付ける。次に、下部床板20の凹窪部20D(物品収容空間24)内に空調ユニット25を取付け、該空調ユニット25の配管作業を行なう。このときに、空調ユニット25は下部床板20に設けられているから、キャブ11を取付ける前にエンジン側のコンプレッサ、凝縮機と接続することができ、また冷媒の充填作業も行なうことができる。
そして、空調ユニット25の配管作業等が終了したら、前部台座14、運転席16、上部床板22等を順次組付けることにより、キャブ11を旋回フレーム5上に取付けることができる。
次に、油圧ショベル1の作動について説明する。オペレータは運転席16に着座し、この状態で走行用のレバー、ペダルを操作することにより油圧ショベル1を走行させることができる。また、作業用の操作レバー17,18を操作し、作業装置4を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行なうことができる。
また、上述した作業時には、下部床板20の下側に設けられた制御弁等が作動し、作動音や熱を発生するが、下部床板20の上側には上部床板22が設けられているから、この二重床板構造により制御弁の作動音、熱がキャブ11内に漏れるのを防止することができる。
さらに、油圧ショベル1を輸送する場合には、キャブ11の高さ寸法を低く抑えることができるから、該キャブ11を取外すことなく、輸送用のコンテナに入れることができる。また、油圧ショベル1をガレージに入れることもできる。
かくして、第1の実施の形態によれば、下部床板20の凹窪部20Dと上部床板22の平坦面22Aとの間に物品収容空間24を設ける構成としている。従って、空調ユニット25は床板部分に設けられた物品収容空間24内に収容することができる。これにより、従来技術で述べたようにキャブの天井部分に空調ユニットを設ける必要がなくなるから、キャブ11の高さ寸法を低くして油圧ショベル1の全高を低くすることができる。
この結果、油圧ショベル1は、キャブ11を取外すことなく、輸送用のコンテナに入れることができるから、輸送作業時の作業性を向上することができる。また、本実施の形態による油圧ショベル1は、従来技術の油圧ショベルでは入れることができなかったガレージにも入れることができる。
また、物品収容空間24を構成する下部床板20の凹窪部20Dは、その深さ寸法H1を空調ユニット25の高さ寸法H3の約50〜80%程度に設定しているから、凹窪部20Dの底面が下部床板20の下側に配置された旋回フレーム5、制御弁等と干渉するのを防止することができる。
また、空調ユニット25は、運転席16の前側に位置する床板部分に設けることにより、キャブ11を取外した状態でも、空調ユニット25とエンジン側のコンプレッサとを接続することができる。また、冷媒の充填作業を行なうことができる。従って、油圧ショベル1の組立作業、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
また、床板を下部床板20と上部床板22とにより二重床板構造としているから、床下に設けられた制御弁等の作動音や熱を遮断することができ、キャブ11内の作業環境を良好にすることができる。
一方、凹窪部20Dは、下部床板20を立体構造とすることができるから、該下部床板20の剛性を高めることができ、該下部床板20等の共振を抑える効果もある。
また、下部床板20は、1枚の板体に加工を施すことにより、平坦面20A、折曲げ面20B,20Cおよび凹窪部20Dが一体に形成された一体物として構成しているから、下部床板20を構成する部品点数を少なくすることができ、生産性を向上することができる。
さらに、上部床板22は、下部床板20上にボルト等により取付けているだけであるから、例えばキャブ11のドア11Eを開いた状態で、ボルトを外し、上部床板22を持ち上げるだけで、本体ケース26の各フィルタ26A,26Bを着脱することができ、清掃、交換作業を容易に行なうことができる。
次に、図7ないし図9は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、建設機械として運転席の上方を覆うキャノピ仕様の油圧ショベルを例に挙げて説明する。そして、本実施の形態の特徴は、下部床板の凹窪部には各種作業に必要な作業道具を収容する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7において、31は第2の実施の形態に適用される建設機械の具体例として示されるキャノピ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル31の上部旋回体32は、旋回フレーム33と、エンジン等を覆う外装カバー34と、運転席支持台35上に設けられた運転席36と、該運転席36の左,右両側に設けられた操作レバー37,38と、運転席36の右側から前側に延びたダクトカバー39と、前記運転席36の上側を覆ったキャノピ40と、後述の下部床板41、上部床板44とによって大略構成されている。
41は運転席36の前側に設けられた第2の実施の形態による下部床板で、該下部床板41は、図8、図9に示す如く、後述の上部床板44と共に二重床板構造をなしている。また、下部床板41の前端部にはレバー・ペダル取付板42が固着されている。そして、下部床板41は、平坦面41A、左,右の折曲げ面41B(左側のみ図示)および凹窪部41Cとにより構成され、第1の実施の形態による下部床板20とほぼ同様に、1枚の板体に加工を施した一体物として形状されている。
しかし、下部床板41の平坦面41Aには、凹窪部41Cの開口位置を運転席支持台35よりも前側でダクトカバー39よりも左側の範囲に制限する制限板43が取付けられている。この制限板43は、後述の物品収容空間45に収容した後述の車載工具46、平爪47等が出し入れが困難な奥に入り込むのを防止するものである。
44は下部床板41の上側に設けられた上部床板で、該上部床板44は、凹窪部41Cを覆う長方形状の平板によって形成されている。そして、上部床板44は、右端が制限板43に係合し、左端が下部床板41の上面に例えばつまみ状の取付具、ボルト等を介して着脱可能に取付けられている。
45は下部床板41の凹窪部41Cと上部床板44との間に設けられた物品収容空間で、該物品収容空間45は、後述する車載工具46、平爪47等の作業道具を収容するものである。
なお、46は下部床板41の凹窪部41C内に収容された物品としての車載工具で、該車載工具46は、スパナ、ドライバ等からなる。また、47は平爪で、該平爪47は、作業装置4のバケット4C先端に、掘削用の爪4Dと交換して取付けられるもので、地面を平らに均すときに用いられる交換具である。そして、これらの車載工具46、平爪47等は、メンテナンス作業、整地作業等に用いる作業道具を構成している。
かくして、第2の実施の形態によれば、小型の油圧ショベル31でも床部に設けられた物品収容空間45内に車載工具46、平爪47等を収容することができるから、メンテナンス作業、爪の交換作業等を容易に行なうことができる。
次に、図10ないし図13は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、下部床板を、平坦面にケース取付開口を有する床板部材と、床板部材とは別体によって凹窪部が形成され床板部材のケース取付開口に取付けられるケース部材とにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図10において、51は第1の実施の形態による下部床板20に代えて用いられた第3の実施の形態による下部床板で、該下部床板51は、上部床板22と共に二重床板構造をなし、その下層部分を構成している。また、下部床板51は、後述の床板部材52と、該床板部材52と別個に設けられ、該床板部材52に選択的に取付けられる後述の空調ユニット用ケース部材53、作業道具用ケース部材56とから大略構成されている。
52は下部床板51のベースとなる床板部材で、該床板部材52は、図11に示す如く、左,右方向に長尺な長方形状の平坦面52Aと、該平坦面52Aの左,右方向両端部を下向きに屈曲して設けられた折曲げ面52B,52Cと、前記平坦面52Aの中央に大きく開口して設けられたほぼ長方形状のケース取付開口52Dとによって大略構成されている。そして、床板部材52は、図10に示すように、後端部が後部台座13の前端部にボルト止め、溶接等の手段を用いて固着され、前端部にはレバー・ペダル取付板21が固着されている。
ここで、床板部材52に設けられたケース取付開口52Dには、空調ユニット25を搭載する場合に、図10に示すように、後述の空調ユニット用ケース部材53が取付けられる。一方、車載工具46、平爪47等の作業道具を収容する場合に、図12に示すように、後述の作業道具用ケース部材56が取付けられる。即ち、床板部材52のケース取付開口52Dには、後述の物品収容空間54に空調ユニット25を収容する場合と、物品収容空間58に車載工具46、平爪47等を収容する場合とに応じ、空調ユニット用ケース部材53と作業道具用ケース部材56とを選択的に取付けることができる。
また、床板部材52のケース取付開口52Dは、ケース部材53,56を取外した開放状態で、床下に配設された制御弁、旋回装置、センタジョイント等の機器類(いずれも図示せず)を外部に露出させることができ、この開放状態ではこれらの機器類の点検作業、メンテナンス作業を行なうことができる。
次に、床板部材52に選択的に取付けられる空調ユニット用ケース部材53と作業道具用ケース部材56との構成について具体的に説明する。
まず、53は物品収容空間54に空調ユニット25を収容する場合に床板部材52に取付けられる空調ユニット用ケース部材で、該空調ユニット用ケース部材53は、床板部材52と別体に設けられている。そして、空調ユニット用ケース部材53には、床板部材52のケース取付開口52Dに取付けられたときに、平坦面52Aの一部を下側に窪ませるようにして凹窪部53Aが形成されている。
ここで、凹窪部53Aは、物品収容空間54の一部を構成するもので、左,右方向に長尺なほぼ長方形状となる有底状の箱体として形成されている。また、空調ユニット用ケース部材53は、凹窪部53Aを空調ユニット25の形状に応じて段付状に形成し、配管、配線等を取り回すために前側に切欠部53Bを有している。また、空調ユニット用ケース部材53の後側には、空調ユニット25の一部または該空調ユニット25に付随する部品(図示せず)を固定するためのブラケット53Cが設けられている。さらに、空調ユニット用ケース部材53の周囲には、平坦面52Aの上面に当接する取付フランジ53Dが設けられている。
このように、空調ユニット用ケース部材53は、空調ユニット25の形状、配管、配線類の取り回しを考慮して凹窪部53A等を専用に設計している。従って、凹窪部53Aには、空調ユニット25を安定して載置することができ、また組付け作業を正確かつ簡単に行なうことができる。しかも、空調ユニット用ケース部材53は、床板部材52と別個に形成しているから、空調ユニット25に適合した専用形状に容易に形成することができる。さらに、空調ユニット用ケース部材53は、取付フランジ53Dが後述のボルト55により床板部材52に着脱可能に取付けられている。
54は下部床板51を構成する空調ユニット用ケース部材53の凹窪部53Aと上部床板22との間に設けられた物品収容空間で、該物品収容空間54は、第1の実施の形態による物品収容空間24とほぼ同様に、空調ユニット25を収容するものである。
55は空調ユニット用ケース部材53等を床板部材52に着脱可能に取付ける複数本のボルトで、該各ボルト55は、空調ユニット用ケース部材53の取付フランジ53Dを介して床板部材52に螺着されている。これにより、床下に配設された制御弁、旋回装置、センタジョイント等の点検作業、メンテナンス作業を行なうときには、各ボルト55を緩めることにより空調ユニット用ケース部材53等を容易に取外すことができる。
56は後述の物品収容空間58に車載工具46、平爪47等の作業道具を収容する場合に床板部材52に取付けられる作業道具用ケース部材(図12参照)で、該作業道具用ケース部材56は、空調ユニット用ケース部材53とほぼ同様に、床板部材52と別体に設けられている。そして、作業道具用ケース部材56は、床板部材52に取付けられ、出し入れ口56A1を有する取付枠56Aと、出し入れ口56A1の下側に位置して該取付枠56Aの下面側に設けられた凹窪部56Bとにより構成されている。
ここで、凹窪部56Bは、作業道具用ケース部材56を床板部材52のケース取付開口52Dに取付けられたときに、平坦面52Aの一部を下側に窪ませるように形成されている。また、凹窪部56Bは、後述する物品収容空間58の一部を構成するもので、図13に示すように、左,右方向に長尺なほぼ長方形状となる有底状の箱体として形成されている。そして、凹窪部56Bは、その上側開口部が取付枠56Aの下面に例えば溶接等の固着手段を用いて一体的に固着されている。また、作業道具用ケース部材56は、空調ユニット用ケース部材53と同様に、取付枠56Aを介して複数本のボルト55により床板部材52に着脱可能に取付けられている。
次に、57は下部床板51を構成する床板部材52に作業道具用ケース部材56を取付けたときに、該作業道具用ケース部材56の上側に設けられる上部床板を示している。この上部床板57は、凹窪部56Bを覆うもので、取付枠56Aの出し入れ口56A1を開閉する長方形状の平板によって形成されている。そして、上部床板57は、角隅に設けられた例えば2本のピン57A(1本のみ図示)を作業道具用ケース部材56の取付枠56Aに嵌合することにより、該取付枠56A上に位置決め状態で取付けることができる。また、上部床板57には、着脱するときに指先等を引掛ける掛け穴57Bが形成されている。
58は作業道具用ケース部材56の凹窪部56Bと上部床板57との間に設けられた物品収容空間で、該物品収容空間58は、車載工具46、平爪47等の作業道具を収容するものである。
かくして、このように構成された第3の実施の形態によれば、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、下部床板51は、床板部材52のケース取付開口52Dに別体の空調ユニット用ケース部材53または作業道具用ケース部材56を取付ける構成としている。これにより、立体構造となる各ケース部材53,56を容易に形成することができ、生産性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
また、床板部材52に空調ユニット用ケース部材53を取付けた場合には、空調ユニット25の形状、配管、配線類の取り回しを考慮して形成された空調ユニット用ケース部材53に空調ユニット25を安定して容易に組付けることができ、信頼性、組立作業性を向上することができる。
一方、車載工具46、平爪47等の作業道具を収容するのに用いる作業道具用ケース部材56は、作業道具を収容できればよく、簡単な箱体形状として生産性の向上、製造コストの低減を図ることができる。しかも、箱体状の作業道具用ケース部材56は、物品収容空間58の容積を大きくとることができ、収容能力を高めることができる。
そして、下部床板51は、床板部材52のケース取付開口52Dに、空調ユニット用ケース部材53と作業道具用ケース部材56とを選択的に取付けることにより、例えばキャブ仕様の油圧ショベル1とキャノピ仕様の油圧ショベルの両方に対応することができる。
さらに、空調ユニット用ケース部材53または作業道具用ケース部材56は、床板部材52にボルト55を用いて着脱可能に取付ける構成としているから、容易に着脱することができる。しかも、ケース部材53,56を取外すことにより、床板部材52のケース取付開口52Dから床下に配設された制御弁、旋回装置、センタジョイント等の点検作業、メンテナンス作業を行なうことができ、作業性を向上することができる。
なお、第1の実施の形態では、下部床板20の凹窪部20Dと上部床板22の平坦面22Aとの間に物品収容空間24を設け、該物品収容空間24に空調装置の室内機を構成する空調ユニット25を収容した場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限るものではなく、空調装置を設けていない場合には、下部床板20と上部床板22との間の物品収容空間24に空調ユニット25に代わる他の物品、例えば第2の実施の形態に記載した車載工具46、平爪47等を収容する構成としてもよい。この場合、第1の実施の形態による物品収容空間24は、第2の実施の形態による物品収容空間45よりも、大きな物品、または多くの物品を収容することができる。
さらに、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1,31を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン、ブルドーザ等の他の建設機械に適用してもよい。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が設けられた自走可能な車体と、該車体に設けられオペレータが着座する運転席と、該運転席の前側に設けられた床板とを備えてなる建設機械において、
前記床板は、平坦面と該平坦面の一部を下側に窪ませた凹窪部とからなる下部床板と、該下部床板の上側に設けられ前記凹窪部を覆う上部床板とにより二重床板構造とし、
前記下部床板の凹窪部と前記上部床板との間には物品を収容する物品収容空間を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記物品収容空間には調和空気を供給する空調ユニットを収容する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記物品収容空間には各種作業に必要な作業道具を収容する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記物品収容空間には一部を前記下部床板の平坦面よりも上側に突出させた状態で調和空気を供給する空調ユニットを収容し、前記上部床板は前記空調ユニットの突出部分を覆うために前記下部床板の平坦面と高さ方向に間隔をもって配設する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項5】
前記下部床板は前記平坦面と凹窪部とを一体物として形成してなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項6】
前記下部床板は、前記平坦面にケース取付開口を有する床板部材と、該床板部材とは別体によって前記凹窪部が形成され該床板部材のケース取付開口に取付けられるケース部材とにより構成してなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項7】
前記下部床板のケース部材は、前記物品収容空間に前記空調ユニットを収容するときに用いる空調ユニット用ケース部材と、前記物品収容空間に前記作業道具を収容するときに用いる作業道具用ケース部材とを備え、これらの空調ユニット用ケース部材と作業道具用ケース部材とは、前記物品収容空間に収容する物品に応じ前記床板部材のケース取付開口に選択的に取付ける構成としてなる請求項6に記載の建設機械。
【請求項8】
前記下部床板のケース部材は前記床板部材に対しボルトを用いて着脱可能に取付け、当該ケース部材を前記床板部材から取外したときには、該床板部材のケース取付開口から下側に配設される各種機器類を点検、整備可能とする構成としてなる請求項6に記載の建設機械。

【国際公開番号】WO2004/078562
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503013(P2005−503013)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002176
【国際出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】