弁のシール構造
【課題】シート押えの押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しを防止することができ、また、開閉トルクの増大を防止することが可能な弁のシール構造を提供する。
【解決手段】ゴムからなる環状のシート部材9が弁体4に形成されたシート保持部に設けられ、シート部材9はシート押え10とシート保持部とで両側から挟持されて固定され、シート部材9は一対の硬質層24a,24b間に軟質層23を挟み込んで一体に結合した三層構造を有し、両硬質層24a,24bのゴム硬度は軟質層23のゴム硬度よりも高く、軟質層23は、弁体4が閉位置Sまで回転した際、弁箱2内に設けられた弁箱側弁座部7に摺接する。
【解決手段】ゴムからなる環状のシート部材9が弁体4に形成されたシート保持部に設けられ、シート部材9はシート押え10とシート保持部とで両側から挟持されて固定され、シート部材9は一対の硬質層24a,24b間に軟質層23を挟み込んで一体に結合した三層構造を有し、両硬質層24a,24bのゴム硬度は軟質層23のゴム硬度よりも高く、軟質層23は、弁体4が閉位置Sまで回転した際、弁箱2内に設けられた弁箱側弁座部7に摺接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバタフライ弁等の弁のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すような偏心バタフライ弁61においては、弁箱62の内部に、流路63を開閉する弁体64が弁棒65の軸心廻りに回転自在に設けられている。また、弁箱62は、内周面に、円環状の弁箱側弁座部66を有している。
【0003】
弁体64と弁箱側弁座部66との間をシールするシール構造は下記のように構成されている。
図13〜図15に示すように、弁体64の外周縁部にシート保持部67が全周に亘って形成されており、ゴムを材質とする円環状のシート部材68がシート保持部67に設けられている。通常、シート部材68のゴムの硬度はHs60〜70程度である。
【0004】
また、シート部材68は円環状のシート押え69とシート保持部67の押え面67aとで両側から挟持されて固定されている。シート押え69は複数本のボルト70によって弁体64に取付けられている。尚、シート部材68が取付けられた状態において、図13の実線で示すように、シート部材68の外周縁が弁体64およびシート押え69の外周縁よりも径方向の外側へ所定量Aだけ突出している。また、シート保持部67の押え面67aとこれに対向するシート押え69の押え面69aとにはそれぞれ、断面波形状の溝部71が形成されている。
【0005】
これによると、図15に示すように、弁体64が閉位置Sまで回転した場合、弁箱62内の流路63が弁体64によって閉鎖され、流体(例えば水等)の流れが遮断される。このとき、シート部材68の外周縁が弁箱側弁座部66に摺接し、弁体64と弁箱62との間がシールされる。また、弁体64が閉位置Sから開方向へ回転して開いた場合、流体が弁箱62の入口72から出口73へ流れる。
【0006】
尚、下記特許文献1には、弁体64のシート保持部67の押え面67aとシート押え69の押え面69aとシート部材68の表裏両面とにそれぞれ、断面波形状の溝部71を形成したシール構造が開示されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、シート取付用の溝に、硬質シートと軟質シートとを重ねて圧入したシール構造が開示されている。
【特許文献1】特開平11−201295号公報
【特許文献2】特開昭62−228764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記弁体64を開いて流体を流しているとき、シート部材68は流体にさらされており、シート部材68の上流側と下流側との間に高差圧が発生した場合、図13の仮想線で示すように、シート部材68が上記所定量Aよりも大きく外周側へ抜け出してしまう虞れがあった。このようにシート部材68が抜け出してしまうと、弁のシール性が確保できないといった問題がある。
【0009】
このようなシート部材68の抜け出し防止の対策として、上記のように押え面67a,69aにそれぞれ溝部71を形成することによって、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力を向上させている。しかしながら、溝部71を形成しても、シート部材68の抜け出しを防止するのには不十分であった。
【0010】
また、別の対策として、シート部材68の内部に鋼製の芯金を入れることによって、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力を向上させることが考えられる。しかしながら、金型のコストやシート部材68の製作コストが大幅に増えるといった問題がある。
【0011】
さらに別の対策として、ボルト70の締め付け力を大きくし、図13に示すように、シート押え69がシート部材68を押圧して圧縮する際の押圧力F(圧縮力)を増やすことで、シート部材68の反発弾性力が向上し、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力が向上する。しかしながら、通常、シート部材68の圧縮率は厚みの10%程度にしているが、上記のように押圧力Fを増やしたことによって、上記圧縮率が例えば20%程度に上昇した場合、シート部材68の外周縁が円形から歪んだ形状に変形してしまうといった問題がある。
【0012】
このようなシート部材68の変形を防止するために、ゴムの硬度が高いシート部材68を使用した場合、シート部材68の変形が抑制されて、弁体64の開閉トルクが増大するといった問題やシート部材68の耐久性が劣るといった問題がある。
【0013】
また、上記特許文献1に開示されたシール構造についても、上記図13で示したシール構造と同様に、シート部材の抜け出しを防止するのには不十分であった。
さらに、上記特許文献2に開示されたシール構造については、硬質シートと軟質シートとは重なってはいるが互いに別物であり、軟質シートは硬質シートに対して自由に移動可能であるため、硬質シートと軟質シートとをシート押えで圧縮した場合、軟質シートが歪んだ形状に変形してしまう虞れがあり、シール性が確保できないといった問題がある。
【0014】
本発明は、シート押えの押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しを十分に防止することが可能であり、また、コストの大幅な増加を防止することができ、さらに、開閉トルクの増大やシート部材の耐久性の劣化を防止することが可能な弁のシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本第1発明は、弁箱内の流体の流れにさらされる個所に設けられ、弁箱内の可動部材と固定部材との間をシールする弁のシール構造であって、
弾性体からなる環状のシート部材が可動部材又は固定部材の少なくともいずれか一方の部材に形成されたシート保持部に設けられ、
シート部材はシート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
シート部材は、硬度が低い軟質部と、軟質部よりも硬度が高い硬質部とを一体に結合して構成され、
硬質部はシート押えによって押圧される面を有し、
軟質部は、可動部材が所定位置まで移動した際、可動部材又は固定部材のいずれか他方の部材側に摺接するものである。
【0016】
これによると、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させるために、シート押えの押圧力(圧縮力)を増大させた場合、シート部材の硬質部は、軟質部よりも硬度が高いため、上記押圧力に対して変形し難い。ここで、軟質部と硬質部とは一体に結合されているため、軟質部は硬質部に束縛されて変形し難くなり、これにより、上記押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材の抜け出しを十分に防止することができる。
【0017】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
また、可動部材が所定位置まで移動した際、シート部材の軟質部が他方の部材に摺接するため、可動部材を移動させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0018】
本第2発明は、可動部材は弁棒の軸心廻りに回転自在で弁箱内の流路を開閉する弁体であり、
固定部材は弁箱内に設けられた弁箱側弁座部であり、
シート部材は、弁体の周縁部に形成されたシート保持部に設けられ、シート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
軟質部は、弁体が閉位置まで回転した際、弁箱側弁座部に摺接するものである。
【0019】
これによると、弁体が閉位置まで回転した際、シート部材の軟質部が弁箱側弁座部に摺接するため、摺接時、軟質部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によると、押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材の抜け出しを十分に防止することができる。
【0021】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
また、弁体を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明における第一の実施の形態を図1〜図5に基いて説明する。
図1,図2に示すように、1は弁の一例である偏心バタフライ弁であり、弁箱2の内部には、流路3を開閉する弁体4(可動部材の一例)が弁棒5の軸心廻りに回転自在に設けられている。また、弁箱2は、内周面に、円環状の弁箱側弁座部7(固定部材の一例)を有している。
【0023】
弁体4と弁箱側弁座部7との間をシールするシール構造は下記のように構成されている。
図3〜図5に示すように、弁体4の外周縁部には、シート保持部8が全周に亘って形成されており、シート保持部8には円環状のシート部材9が設けられている。
【0024】
このシート部材9は円環状のシート押え10とシート保持部8とで表裏両側から挟持され固定されている。尚、シート保持部8とシート押え10との対向する面はそれぞれ押え面8a,10aとして形成され、これら押え面8a,10aはシート部材9の表裏両面に当接している。シート押え10は複数本のボルト11によって弁体4に取付けられている。尚、図3に示すように、シート部材9が取付けられた状態において、シート部材9の外周縁が弁体4およびシート押え10の外周縁よりも径方向の外側へ所定量Aだけ突出している。
【0025】
また、図4に示すように、シート保持部8の押え面8aとこの押え面8aに当接するシート部材9の表裏一方の面9aとには、互いに径方向において係合する断面波形状の第一の凸部14(第一の係合部の一例)と第一の凹部15(第一の被係合部の一例)とが複数形成されている。同様に、シート押え10の押え面10aとこの押え面10aに当接するシート部材9の表裏他方の面9bとには、互いに径方向において係合する断面波形状の第二の凸部16(第二の係合部の一例)と第二の凹部17(第二の被係合部の一例)とが複数形成されている。
【0026】
さらに、上記シート部材9の他方の面9bの内周縁部には突起部18(第三の係合部の一例)が形成され、シート押え10の押え面10aの内周縁部には嵌込部19(第三の被係合部の一例)が形成されており、突起部18が嵌込部19に嵌まり込む。
【0027】
また、シート部材9には複数のボルト孔21が形成されており、これらボルト孔21にボルト11が挿通されている。
シート部材9は、硬度の異なる2種類のゴム(弾性体の一例)を材質としており、軟質層23(軟質部の一例)と硬質層24a,24b(硬質部の一例)とを一体に成型した三層構造を有している。上記硬質層24a,24bはシート部材9の厚さ方向において一対形成され、軟質層23は一対の硬質層24a,24b間に挟まれて一体的に結合している。
【0028】
硬質層24a,24bの硬度は軟質層23の硬度よりも高く、例えば、硬質層24a,24bの硬度は軟質層23の硬度よりも10〜20%ほど高く設定されている。さらに具体的な例としては、軟質層23の硬度をHs70程度にし、硬質層24a,24bの硬度をHs80程度にしている。尚、これらの数値は一例であって限定されるものではなく、軟質層23はシール圧を確保し得るだけの硬度を有していればよく、硬質層24a,24bは抜け出しを防止し得るだけの硬度を有していればよい。
【0029】
一方の硬質層24aはシート保持部8の押え面8aに当接し、他方の硬質層24bはシート押え10の押え面10aに当接している。また、第一の凸部14は一方の硬質層24aに形成され、第二の凸部16と突起部18とは他方の硬質層24bに形成されている。
【0030】
また、図5に示すように、軟質層23の外周縁は、弁体4が閉位置S(所定位置の一例)まで回転した際、弁箱側弁座部7に摺接するように構成されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0031】
弁体4を開いて水等の流体を流しているとき、シート部材9は流体にさらされており、シート部材9の上流側と下流側との間に高差圧が発生することがある。このような高差圧に対しては、シート部材9の抜け出しを防止するために、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させる必要がある。この抵抗力向上のため、ボルト11の締め付け力を大きくし、図3に示すように、シート押え10の押圧力F(圧縮力)を増大させた場合、シート押え10の硬質層24a,24bは、軟質層23よりも硬度が高いため、上記押圧力Fに対して変形し難い。ここで、軟質層23と硬質層24a,24bとは一体的に結合されているため、軟質層23は硬質層24a,24bに両側から束縛されて変形し難くなり、これにより、上記押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0032】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
図5に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23の外周縁が弁箱側弁座部7に摺接するため、摺接時、軟質層23の外周縁部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0033】
さらに、図3に示すように、第一の凸部14と第一の凹部15とが係合するとともに、第二の凸部16と第二の凹部17とが係合し、且つ、突起部18が嵌込部19に嵌まり込んでいるため、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力をより一層向上させることができる。
【0034】
上記第一の実施の形態では、シート部材9を、軟質層23と硬質層24a,24bとからなる三層構造にしているが、軟質層23と硬質層24bとからなる二層構造にしてもよい。尚、硬質層24bはシート押え10によって押圧される面9bを有している。或いは、四層構造以上の複数層にしてもよい。
【0035】
上記第一の実施の形態では、軟質層23と硬質層24a,24bとはシート部材9の厚さ方向において隣接しているが、径方向において隣接していてもよい。この一例を下記第二の実施の形態において、図6,図7に基いて説明する。
【0036】
すなわち、シート部材9は軟質層23(軟質部の一例)と硬質層24(硬質部の一例)とを一体に成型した二層構造を有している。軟質層23の内周縁と硬質層24の外周縁とが一体的に結合しており、硬質層24がシート保持部8の押え面8aとシート押え10の押え面10aとの間に挟み込まれている。
【0037】
また、第一の凸部14は硬質層24の表裏一方の面9aに形成され、第二の凸部16と突起部18とは硬質層24の表裏他方の面9bに形成されている。
これによると、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させるため、ボルト11の締め付け力を大きくし、シート押え10の押圧力F(圧縮力)を増大させた場合、シート押え10の硬質層24は、軟質層23よりも硬度が高いため、上記押圧力Fに対して変形し難い。したがって、上記押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0038】
また、図7に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23が弁箱側弁座部7に摺接するため、摺接時、軟質層23が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0039】
上記第一および第二の実施の形態では、弁体4にシート保持部8を形成し、このシート保持部8にシート部材9を設けているが、第三の実施の形態として、図8〜図10に示すように、弁箱側弁座部7にシート保持部8を形成し、このシート保持部8にシート部材9を設けてもよい。
【0040】
すなわち、図10に示すように、シート保持部8は弁箱側弁座部7の内周縁部に全周に亘って形成されている。また、シート押え10は複数本のボルト11によって弁箱側弁座部7に取付けられている。尚、シート部材9が取付けられた状態において、シート部材9の内周縁が弁箱側弁座部7およびシート押え10の内周縁よりも径方向の内側へ所定量Aだけ突出している。また、図9に示すように、軟質層23の内周縁は、弁体4が閉位置S(所定位置の一例)まで回転した際、弁体4の外周縁に摺接するように構成されている。
【0041】
これによると、押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0042】
また、図9に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23の内周縁が弁体4の外周縁に摺接するため、摺接時、軟質層23の内周縁部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0043】
さらに、第四の実施の形態として、図11に示すように、弁体4と弁箱側弁座部7との両者にそれぞれシート保持部8を形成し、これら両シート保持部8にそれぞれシート部材9を設けてもよい。この場合、弁体4が閉位置Sまで回転すると、弁体4側に設けられたシート部材9の軟質層23の外周縁が弁箱側弁座部7側に設けられたシート部材9の軟質層23の内周縁に摺接する。
【0044】
上記第三および第四の実施の形態では、第一の実施の形態における三層構造のシート部材9を用いているが、図6に示した第二の実施の形態におけるシート部材9を用いてもよい。
【0045】
上記各実施の形態では、弁の一例として、図1に示すように、弁棒5の位置をシール面からずらした偏芯バタフライ弁1を挙げたが、偏芯していないバタフライ弁でもよく、或いは、バタフライ弁以外の他のタイプの弁であってもよい。
【0046】
上記各実施の形態では、流体の一例として水を挙げたが、水以外の液体又は気体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一の実施の形態における偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図2】同、偏心バタフライ弁の正面図である。
【図3】同、偏心バタフライ弁のシール構造を示す弁体の外周縁部の拡大断面図である。
【図4】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図5】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態における偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図7】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態における偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図9】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図10】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図11】本発明の第四の実施の形態における偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図12】従来の偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図13】同、偏心バタフライ弁のシール構造を示す弁体の外周縁部の拡大断面図である。
【図14】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図15】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 偏心バタフライ弁(弁)
2 弁箱
3 流路
4 弁体(可動部材)
5 弁棒
7 弁箱側弁座部(固定部材)
8 シート保持部
9 シート部材
10 シート押え
23 軟質層(軟質部)
24,24a,24b 硬質層(硬質部)
S 閉位置(所定位置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバタフライ弁等の弁のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すような偏心バタフライ弁61においては、弁箱62の内部に、流路63を開閉する弁体64が弁棒65の軸心廻りに回転自在に設けられている。また、弁箱62は、内周面に、円環状の弁箱側弁座部66を有している。
【0003】
弁体64と弁箱側弁座部66との間をシールするシール構造は下記のように構成されている。
図13〜図15に示すように、弁体64の外周縁部にシート保持部67が全周に亘って形成されており、ゴムを材質とする円環状のシート部材68がシート保持部67に設けられている。通常、シート部材68のゴムの硬度はHs60〜70程度である。
【0004】
また、シート部材68は円環状のシート押え69とシート保持部67の押え面67aとで両側から挟持されて固定されている。シート押え69は複数本のボルト70によって弁体64に取付けられている。尚、シート部材68が取付けられた状態において、図13の実線で示すように、シート部材68の外周縁が弁体64およびシート押え69の外周縁よりも径方向の外側へ所定量Aだけ突出している。また、シート保持部67の押え面67aとこれに対向するシート押え69の押え面69aとにはそれぞれ、断面波形状の溝部71が形成されている。
【0005】
これによると、図15に示すように、弁体64が閉位置Sまで回転した場合、弁箱62内の流路63が弁体64によって閉鎖され、流体(例えば水等)の流れが遮断される。このとき、シート部材68の外周縁が弁箱側弁座部66に摺接し、弁体64と弁箱62との間がシールされる。また、弁体64が閉位置Sから開方向へ回転して開いた場合、流体が弁箱62の入口72から出口73へ流れる。
【0006】
尚、下記特許文献1には、弁体64のシート保持部67の押え面67aとシート押え69の押え面69aとシート部材68の表裏両面とにそれぞれ、断面波形状の溝部71を形成したシール構造が開示されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、シート取付用の溝に、硬質シートと軟質シートとを重ねて圧入したシール構造が開示されている。
【特許文献1】特開平11−201295号公報
【特許文献2】特開昭62−228764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記弁体64を開いて流体を流しているとき、シート部材68は流体にさらされており、シート部材68の上流側と下流側との間に高差圧が発生した場合、図13の仮想線で示すように、シート部材68が上記所定量Aよりも大きく外周側へ抜け出してしまう虞れがあった。このようにシート部材68が抜け出してしまうと、弁のシール性が確保できないといった問題がある。
【0009】
このようなシート部材68の抜け出し防止の対策として、上記のように押え面67a,69aにそれぞれ溝部71を形成することによって、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力を向上させている。しかしながら、溝部71を形成しても、シート部材68の抜け出しを防止するのには不十分であった。
【0010】
また、別の対策として、シート部材68の内部に鋼製の芯金を入れることによって、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力を向上させることが考えられる。しかしながら、金型のコストやシート部材68の製作コストが大幅に増えるといった問題がある。
【0011】
さらに別の対策として、ボルト70の締め付け力を大きくし、図13に示すように、シート押え69がシート部材68を押圧して圧縮する際の押圧力F(圧縮力)を増やすことで、シート部材68の反発弾性力が向上し、シート部材68の抜け出しに対する抵抗力が向上する。しかしながら、通常、シート部材68の圧縮率は厚みの10%程度にしているが、上記のように押圧力Fを増やしたことによって、上記圧縮率が例えば20%程度に上昇した場合、シート部材68の外周縁が円形から歪んだ形状に変形してしまうといった問題がある。
【0012】
このようなシート部材68の変形を防止するために、ゴムの硬度が高いシート部材68を使用した場合、シート部材68の変形が抑制されて、弁体64の開閉トルクが増大するといった問題やシート部材68の耐久性が劣るといった問題がある。
【0013】
また、上記特許文献1に開示されたシール構造についても、上記図13で示したシール構造と同様に、シート部材の抜け出しを防止するのには不十分であった。
さらに、上記特許文献2に開示されたシール構造については、硬質シートと軟質シートとは重なってはいるが互いに別物であり、軟質シートは硬質シートに対して自由に移動可能であるため、硬質シートと軟質シートとをシート押えで圧縮した場合、軟質シートが歪んだ形状に変形してしまう虞れがあり、シール性が確保できないといった問題がある。
【0014】
本発明は、シート押えの押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しを十分に防止することが可能であり、また、コストの大幅な増加を防止することができ、さらに、開閉トルクの増大やシート部材の耐久性の劣化を防止することが可能な弁のシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本第1発明は、弁箱内の流体の流れにさらされる個所に設けられ、弁箱内の可動部材と固定部材との間をシールする弁のシール構造であって、
弾性体からなる環状のシート部材が可動部材又は固定部材の少なくともいずれか一方の部材に形成されたシート保持部に設けられ、
シート部材はシート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
シート部材は、硬度が低い軟質部と、軟質部よりも硬度が高い硬質部とを一体に結合して構成され、
硬質部はシート押えによって押圧される面を有し、
軟質部は、可動部材が所定位置まで移動した際、可動部材又は固定部材のいずれか他方の部材側に摺接するものである。
【0016】
これによると、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させるために、シート押えの押圧力(圧縮力)を増大させた場合、シート部材の硬質部は、軟質部よりも硬度が高いため、上記押圧力に対して変形し難い。ここで、軟質部と硬質部とは一体に結合されているため、軟質部は硬質部に束縛されて変形し難くなり、これにより、上記押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材の抜け出しを十分に防止することができる。
【0017】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
また、可動部材が所定位置まで移動した際、シート部材の軟質部が他方の部材に摺接するため、可動部材を移動させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0018】
本第2発明は、可動部材は弁棒の軸心廻りに回転自在で弁箱内の流路を開閉する弁体であり、
固定部材は弁箱内に設けられた弁箱側弁座部であり、
シート部材は、弁体の周縁部に形成されたシート保持部に設けられ、シート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
軟質部は、弁体が閉位置まで回転した際、弁箱側弁座部に摺接するものである。
【0019】
これによると、弁体が閉位置まで回転した際、シート部材の軟質部が弁箱側弁座部に摺接するため、摺接時、軟質部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によると、押圧力の増大に伴うシート部材の変形を防止しながら、シート部材の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材の抜け出しを十分に防止することができる。
【0021】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
また、弁体を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明における第一の実施の形態を図1〜図5に基いて説明する。
図1,図2に示すように、1は弁の一例である偏心バタフライ弁であり、弁箱2の内部には、流路3を開閉する弁体4(可動部材の一例)が弁棒5の軸心廻りに回転自在に設けられている。また、弁箱2は、内周面に、円環状の弁箱側弁座部7(固定部材の一例)を有している。
【0023】
弁体4と弁箱側弁座部7との間をシールするシール構造は下記のように構成されている。
図3〜図5に示すように、弁体4の外周縁部には、シート保持部8が全周に亘って形成されており、シート保持部8には円環状のシート部材9が設けられている。
【0024】
このシート部材9は円環状のシート押え10とシート保持部8とで表裏両側から挟持され固定されている。尚、シート保持部8とシート押え10との対向する面はそれぞれ押え面8a,10aとして形成され、これら押え面8a,10aはシート部材9の表裏両面に当接している。シート押え10は複数本のボルト11によって弁体4に取付けられている。尚、図3に示すように、シート部材9が取付けられた状態において、シート部材9の外周縁が弁体4およびシート押え10の外周縁よりも径方向の外側へ所定量Aだけ突出している。
【0025】
また、図4に示すように、シート保持部8の押え面8aとこの押え面8aに当接するシート部材9の表裏一方の面9aとには、互いに径方向において係合する断面波形状の第一の凸部14(第一の係合部の一例)と第一の凹部15(第一の被係合部の一例)とが複数形成されている。同様に、シート押え10の押え面10aとこの押え面10aに当接するシート部材9の表裏他方の面9bとには、互いに径方向において係合する断面波形状の第二の凸部16(第二の係合部の一例)と第二の凹部17(第二の被係合部の一例)とが複数形成されている。
【0026】
さらに、上記シート部材9の他方の面9bの内周縁部には突起部18(第三の係合部の一例)が形成され、シート押え10の押え面10aの内周縁部には嵌込部19(第三の被係合部の一例)が形成されており、突起部18が嵌込部19に嵌まり込む。
【0027】
また、シート部材9には複数のボルト孔21が形成されており、これらボルト孔21にボルト11が挿通されている。
シート部材9は、硬度の異なる2種類のゴム(弾性体の一例)を材質としており、軟質層23(軟質部の一例)と硬質層24a,24b(硬質部の一例)とを一体に成型した三層構造を有している。上記硬質層24a,24bはシート部材9の厚さ方向において一対形成され、軟質層23は一対の硬質層24a,24b間に挟まれて一体的に結合している。
【0028】
硬質層24a,24bの硬度は軟質層23の硬度よりも高く、例えば、硬質層24a,24bの硬度は軟質層23の硬度よりも10〜20%ほど高く設定されている。さらに具体的な例としては、軟質層23の硬度をHs70程度にし、硬質層24a,24bの硬度をHs80程度にしている。尚、これらの数値は一例であって限定されるものではなく、軟質層23はシール圧を確保し得るだけの硬度を有していればよく、硬質層24a,24bは抜け出しを防止し得るだけの硬度を有していればよい。
【0029】
一方の硬質層24aはシート保持部8の押え面8aに当接し、他方の硬質層24bはシート押え10の押え面10aに当接している。また、第一の凸部14は一方の硬質層24aに形成され、第二の凸部16と突起部18とは他方の硬質層24bに形成されている。
【0030】
また、図5に示すように、軟質層23の外周縁は、弁体4が閉位置S(所定位置の一例)まで回転した際、弁箱側弁座部7に摺接するように構成されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0031】
弁体4を開いて水等の流体を流しているとき、シート部材9は流体にさらされており、シート部材9の上流側と下流側との間に高差圧が発生することがある。このような高差圧に対しては、シート部材9の抜け出しを防止するために、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させる必要がある。この抵抗力向上のため、ボルト11の締め付け力を大きくし、図3に示すように、シート押え10の押圧力F(圧縮力)を増大させた場合、シート押え10の硬質層24a,24bは、軟質層23よりも硬度が高いため、上記押圧力Fに対して変形し難い。ここで、軟質層23と硬質層24a,24bとは一体的に結合されているため、軟質層23は硬質層24a,24bに両側から束縛されて変形し難くなり、これにより、上記押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0032】
また、従来のシート部材の内部に芯金を入れた構成に比べて、コストダウンを図ることができる。
図5に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23の外周縁が弁箱側弁座部7に摺接するため、摺接時、軟質層23の外周縁部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0033】
さらに、図3に示すように、第一の凸部14と第一の凹部15とが係合するとともに、第二の凸部16と第二の凹部17とが係合し、且つ、突起部18が嵌込部19に嵌まり込んでいるため、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力をより一層向上させることができる。
【0034】
上記第一の実施の形態では、シート部材9を、軟質層23と硬質層24a,24bとからなる三層構造にしているが、軟質層23と硬質層24bとからなる二層構造にしてもよい。尚、硬質層24bはシート押え10によって押圧される面9bを有している。或いは、四層構造以上の複数層にしてもよい。
【0035】
上記第一の実施の形態では、軟質層23と硬質層24a,24bとはシート部材9の厚さ方向において隣接しているが、径方向において隣接していてもよい。この一例を下記第二の実施の形態において、図6,図7に基いて説明する。
【0036】
すなわち、シート部材9は軟質層23(軟質部の一例)と硬質層24(硬質部の一例)とを一体に成型した二層構造を有している。軟質層23の内周縁と硬質層24の外周縁とが一体的に結合しており、硬質層24がシート保持部8の押え面8aとシート押え10の押え面10aとの間に挟み込まれている。
【0037】
また、第一の凸部14は硬質層24の表裏一方の面9aに形成され、第二の凸部16と突起部18とは硬質層24の表裏他方の面9bに形成されている。
これによると、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させるため、ボルト11の締め付け力を大きくし、シート押え10の押圧力F(圧縮力)を増大させた場合、シート押え10の硬質層24は、軟質層23よりも硬度が高いため、上記押圧力Fに対して変形し難い。したがって、上記押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0038】
また、図7に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23が弁箱側弁座部7に摺接するため、摺接時、軟質層23が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0039】
上記第一および第二の実施の形態では、弁体4にシート保持部8を形成し、このシート保持部8にシート部材9を設けているが、第三の実施の形態として、図8〜図10に示すように、弁箱側弁座部7にシート保持部8を形成し、このシート保持部8にシート部材9を設けてもよい。
【0040】
すなわち、図10に示すように、シート保持部8は弁箱側弁座部7の内周縁部に全周に亘って形成されている。また、シート押え10は複数本のボルト11によって弁箱側弁座部7に取付けられている。尚、シート部材9が取付けられた状態において、シート部材9の内周縁が弁箱側弁座部7およびシート押え10の内周縁よりも径方向の内側へ所定量Aだけ突出している。また、図9に示すように、軟質層23の内周縁は、弁体4が閉位置S(所定位置の一例)まで回転した際、弁体4の外周縁に摺接するように構成されている。
【0041】
これによると、押圧力Fの増大に伴うシート部材9の変形を防止しながら、シート部材9の抜け出しに対する抵抗力を向上させることができるため、高差圧に対するシート部材9の抜け出しを十分に防止することができる。
【0042】
また、図9に示すように、弁体4が閉位置Sまで回転した際、シート部材9の軟質層23の内周縁が弁体4の外周縁に摺接するため、摺接時、軟質層23の内周縁部が容易に圧縮されて変形する。これにより、弁体4を開閉させるのに要するトルクの増大を抑制することができる。
【0043】
さらに、第四の実施の形態として、図11に示すように、弁体4と弁箱側弁座部7との両者にそれぞれシート保持部8を形成し、これら両シート保持部8にそれぞれシート部材9を設けてもよい。この場合、弁体4が閉位置Sまで回転すると、弁体4側に設けられたシート部材9の軟質層23の外周縁が弁箱側弁座部7側に設けられたシート部材9の軟質層23の内周縁に摺接する。
【0044】
上記第三および第四の実施の形態では、第一の実施の形態における三層構造のシート部材9を用いているが、図6に示した第二の実施の形態におけるシート部材9を用いてもよい。
【0045】
上記各実施の形態では、弁の一例として、図1に示すように、弁棒5の位置をシール面からずらした偏芯バタフライ弁1を挙げたが、偏芯していないバタフライ弁でもよく、或いは、バタフライ弁以外の他のタイプの弁であってもよい。
【0046】
上記各実施の形態では、流体の一例として水を挙げたが、水以外の液体又は気体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一の実施の形態における偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図2】同、偏心バタフライ弁の正面図である。
【図3】同、偏心バタフライ弁のシール構造を示す弁体の外周縁部の拡大断面図である。
【図4】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図5】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態における偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図7】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態における偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図9】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図10】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図11】本発明の第四の実施の形態における偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【図12】従来の偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図13】同、偏心バタフライ弁のシール構造を示す弁体の外周縁部の拡大断面図である。
【図14】同、偏心バタフライ弁のシール構造の分解断面図である。
【図15】同、偏心バタフライ弁の弁体が閉位置にあるときのシール構造を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 偏心バタフライ弁(弁)
2 弁箱
3 流路
4 弁体(可動部材)
5 弁棒
7 弁箱側弁座部(固定部材)
8 シート保持部
9 シート部材
10 シート押え
23 軟質層(軟質部)
24,24a,24b 硬質層(硬質部)
S 閉位置(所定位置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱内の流体の流れにさらされる個所に設けられ、弁箱内の可動部材と固定部材との間をシールする弁のシール構造であって、
弾性体からなる環状のシート部材が可動部材又は固定部材の少なくともいずれか一方の部材に形成されたシート保持部に設けられ、
シート部材はシート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
シート部材は、硬度が低い軟質部と、軟質部よりも硬度が高い硬質部とを一体に結合して構成され、
硬質部はシート押えによって押圧される面を有し、
軟質部は、可動部材が所定位置まで移動した際、可動部材又は固定部材のいずれか他方の部材側に摺接することを特徴とする弁のシール構造。
【請求項2】
可動部材は弁棒の軸心廻りに回転自在で弁箱内の流路を開閉する弁体であり、
固定部材は弁箱内に設けられた弁箱側弁座部であり、
シート部材は、弁体の周縁部に形成されたシート保持部に設けられ、シート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
軟質部は、弁体が閉位置まで回転した際、弁箱側弁座部に摺接することを特徴とする請求項1に記載の弁のシール構造。
【請求項1】
弁箱内の流体の流れにさらされる個所に設けられ、弁箱内の可動部材と固定部材との間をシールする弁のシール構造であって、
弾性体からなる環状のシート部材が可動部材又は固定部材の少なくともいずれか一方の部材に形成されたシート保持部に設けられ、
シート部材はシート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
シート部材は、硬度が低い軟質部と、軟質部よりも硬度が高い硬質部とを一体に結合して構成され、
硬質部はシート押えによって押圧される面を有し、
軟質部は、可動部材が所定位置まで移動した際、可動部材又は固定部材のいずれか他方の部材側に摺接することを特徴とする弁のシール構造。
【請求項2】
可動部材は弁棒の軸心廻りに回転自在で弁箱内の流路を開閉する弁体であり、
固定部材は弁箱内に設けられた弁箱側弁座部であり、
シート部材は、弁体の周縁部に形成されたシート保持部に設けられ、シート押えとシート保持部とで両側から挟持されて固定され、
軟質部は、弁体が閉位置まで回転した際、弁箱側弁座部に摺接することを特徴とする請求項1に記載の弁のシール構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−14378(P2008−14378A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185014(P2006−185014)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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