説明

弁を備える容器

弁(2)を備える容器(1)は、容器(1)の中にある製品、特に、噴射剤を備えたヘアケア製品を放出するために機能する。容器(1)は、その最上部に周辺のスリーブ(3)を現す。弁ディスク(4)は、前記スリーブ(3)の下を前記弁ディスク(4)のへり(5)で掴み、かつ通路(6)を囲む。封止装置(8)は、前記弁ディスク(4)を前記スリーブ(3)に対して封止する。プラスチックから作製された前記容器(1)が加熱された場合に、前記スリーブ(3)が内部に向かって変形されるのを防ぐために、取り囲む環(9)が、前記スリーブ(3)と前記弁(2)の間の間隙に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の対象は、例えばヘアスプレー又は他のヘアケア製品を貯蔵及び放出するのに適した、弁を備える容器である。弁は、その製品を使用するために、例えば、スプレー頭部を手で操作するために機能する。
【背景技術】
【0002】
ヘアサロンの製品用の容器は、PETプラスチックから製造され、噴射剤を包含するJP2002−012277Aで既知である。容器の弁ディスクは改良されて、全方向において容器の上部のスリーブを安定させる。容器は、スリーブと弁ディスクとの間に別個の封止装置を現さない。
【0003】
請求項1の包括的な説明に従った容器は、容器の中にある製品の放出のための弁を含むDE19924098Aで既知である一方、この容器はその最上部を取り囲むスリーブを現す。弁ディスクは、スリーブの下を前記弁ディスクのへりで掴み、かつ前記弁に接合された弁の茎部のための通路を囲む。封止装置は、弁ディスクをスリーブに対して封止する。
【0004】
この既知の容器は、金属から成り、そして噴射剤を包含する液体製品を放出するために機能する。その金属構造に加えて、スリーブまで到達する大きい弁を現すので、比較的重いという欠点を有する。
【0005】
この容器がPET、例えば、(ポリエチレンテレフタレート)から作製され、及びスリーブに対して大幅に小さな弁が備えられた場合、低減した質量を達成され得る。しかしながら、プラスチックは容器の加温中に軟化することがあり、容器の上部のスリーブは弁ディスクのへりから分離することがあり得るため、製品は望ましくない形で、その部位において容器から流出することもあり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、請求項1の包括的な説明に従う、軽量で安全な容器を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を示す部分に従って達成される。請求項1に従って、容器はプラスチックから作製され、弁を取り囲む環が、スリーブと弁との間に設けられる。
【0008】
提案された容器は、比較的軽いプラスチック、及びへりまで到達しない弁又は弁本体のために、比較的軽いという長所を有し、それ故に、例えばヘアスプレーを放出するために、容易に保持され手で操作させることができる。加えて、市販されている様々な圧力の規格の弁が、使用され得る。容器は、加熱時の不要な製品の放出に関して安全である。プラスチックの軟化中でも、スリーブは変形することなく、その結果漏れを生じることはできない。環は、スリーブが容器の内部に向かって変形するのを防ぐ一方、弁ディスクの縁部は、スリーブが外側に向かうのを制限する。この方法では、PET容器について、容器が、例えば80℃(176°F)まで加温された時でも、スリーブの領域で漏れが起こり得ない。弁ディスクが割れることもあり得ない。
【0009】
容器が加熱された時でも、環は、その所定の位置で固定されている場合、落下してその確保機能(securing function)を失うことはあり得ない。弁、又はより正確に説明すると、弁を含有する弁本体の外側周辺部と、容器のスリーブとの間の環の固定は、様々な方法で行われることができる。環は、例えば、弁又はスリーブの周縁部によって支えられることができる。この縁部は、環の位置に関する固定要素を形成する。或いは、環は弾性材から成り、封止装置と接合されている、例えば、封止部と一体になっているものは、取り付けに利点をもたらす。しかしながら、環は、非弾性材から成り、接合部を介して封止装置へ接合されることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
容器1の中にあり、弁の茎部7を通って放出されることができ、かつ噴射剤を備えたヘアケア製品の放出のための弁2を備える容器1は、その最上部に周辺のスリーブ3を現す(図1)。弁ディスク4は、スリーブ3の下を前記弁ディスク4のへり5で掴み、かつ弁2に接合された弁の茎部7のための通路6を囲む。封止装置8は、弁ディスク4をスリーブ3に対して封止する。容器1は、プラスチックから作製され、それ故に比較的軽量である。弁2を取り囲む環9が、スリーブ3と弁2との間に設けられている。環9は、弁2並びにスリーブ3と接触している。その強度に関し、環9は、スリーブ3と弁2との間の間隙に嵌め込まれ、そしてスリーブ3が高い室温のために軟化した場合に、へり5の上及び封止装置8に隣接するスリーブ3をしっかりと保つように機能する。環9は、また、スリーブ3が弁2に関して内側に向かって変形されることも防ぐ。この方法では、容器1のプラスチックの強い加熱中でも、環9は、容器1がぴったり封止されたままであることを確実にする。いかなる直径の弁2又は弁本体も使用され得る。環9の材料強度は、それぞれの様態において選択される。
【0011】
環9は、プラスチックの加熱中に落下しないように、その所定の位置で固定される。一例を挙げると、非弾性材(PET)から作製された環9は、接合部12(接着剤の領域)を介して封止装置8と接合される。更にその上、弁2の周縁部11が設けられて、環9を支える。
【0012】
本発明の第2の代表的な実施形態では、(第1のものと対照的に)環9は、弾性封止材から成り、落下しないように、スリーブ3の上にある封止装置8と一体に作製される。
【0013】
本発明の第3の代表的な実施形態では、環9は封止装置8に接合されない。スリーブ3の周縁部13は、環9のための固定要素として働き、スリーブ3は環9によって支えられる。環9は、非弾性のPETから作製される。
【0014】
【表1】

【0015】
図面に関する本発明の三つの代表的な実施形態が、下記に続く。それぞれの部分垂直断面図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】容器のスリーブに環を備える容器であって、環が弁の周縁部によって支えられた容器。
【図2】弁ディスクに接し、一体となった環と封止装置を備える容器。
【図3】容器のスリーブに、スリーブの周縁部によって支えられた環を備える容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)の中にある製品、特に、噴射剤を備えたヘアケア製品の放出のための弁(2)を備える容器(1)であって、
前記容器(1)が、その最上部に周辺のスリーブ(3)を現し、
弁ディスク(4)が、前記スリーブ(3)の下を前記弁ディスク(4)のへり(5)で掴み、かつ前記弁(2)に接合された弁の茎部(7)のための通路(6)を囲み、
一方、封止装置(8)が、前記弁ディスク(4)を前記スリーブ(3)に対して封止し、
前記容器(1)は、
プラスチックから作製され、前記弁(2)を取り囲む環(9)が、前記スリーブ(3)と前記弁(2)との間に設けられていることを特徴とする、容器。
【請求項2】
前記環(9)が、その所定の位置で固定されることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記弁(2)の周縁部(11)又は前記スリーブ(3)の周縁部(13)が、前記環(9)を支える固定要素として設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記環(9)が、弾性材から作製され、好ましくは前記封止装置(8)と一体に接合されていることを特徴とする、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記環(9)が、非弾性材から作製され、接合部(12)を介して前記封止装置(8)と接合されていることを特徴とする、請求項2に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−526641(P2008−526641A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552255(P2007−552255)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/001868
【国際公開番号】WO2006/078801
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】